JP2573007B2 - 修飾された動物毛粉末 - Google Patents
修飾された動物毛粉末Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、微細に粉砕された動物毛粉末に高級炭化水
素基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変
性シリコーンオイルを反応させて得られる修飾された動
物毛粉末に関する。
素基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変
性シリコーンオイルを反応させて得られる修飾された動
物毛粉末に関する。
獣毛、ヒトの毛髪、鳥類の羽毛および羽根等の動物毛
は、ケラチン蛋白を主成分としているが、構成アミノ酸
としてのシスチンの含有量が多く、そのためペプチド鎖
の架橋度が高く、自然の状態では水や油性の溶剤には不
溶性であり、また通常の蛋白質加水分解酵素に対しても
抵抗性を示す。そこで、そのようなケラチン蛋白に基づ
く特徴を活かして羊毛等を粉末化して化粧品に応用する
試みが特開昭49−132247号公報、特開昭54−70435号公
報、特開昭55−27120号公報などに開示されている。
は、ケラチン蛋白を主成分としているが、構成アミノ酸
としてのシスチンの含有量が多く、そのためペプチド鎖
の架橋度が高く、自然の状態では水や油性の溶剤には不
溶性であり、また通常の蛋白質加水分解酵素に対しても
抵抗性を示す。そこで、そのようなケラチン蛋白に基づ
く特徴を活かして羊毛等を粉末化して化粧品に応用する
試みが特開昭49−132247号公報、特開昭54−70435号公
報、特開昭55−27120号公報などに開示されている。
しかし、これらの公報に開示されている羊毛粉末は、
単に羊毛を機械的に粉砕したものにすぎず、化学的修飾
を施していないので、粉末とした以外には何ら特徴がな
い。また、いずれも粒度が大きく、そのため化粧品に配
合したときにその構成成分であるケラチン蛋白の特性を
充分に発揮できず、満足できるものではなかった。
単に羊毛を機械的に粉砕したものにすぎず、化学的修飾
を施していないので、粉末とした以外には何ら特徴がな
い。また、いずれも粒度が大きく、そのため化粧品に配
合したときにその構成成分であるケラチン蛋白の特性を
充分に発揮できず、満足できるものではなかった。
したがって、本発明は動物毛粉末をその構成成分に基
づく特性を喪失することなく改質して、その応用範囲を
広げ、例えば化粧品に配合した場合に、皮膚によく馴染
み、安定で優れた感触を付与できるようにすることを目
的とする。
づく特性を喪失することなく改質して、その応用範囲を
広げ、例えば化粧品に配合した場合に、皮膚によく馴染
み、安定で優れた感触を付与できるようにすることを目
的とする。
本発明者らは、羊毛等の動物毛がシスチンを構成アミ
ノ酸として多く含むことに着目し、そのシスチンが有す
るジスルフィド(SS)結合を利用して、動物毛粉末の特
性を改質することについて鋭意研究を重ねた結果、微細
に粉砕された動物毛粉末に高級炭化水素基を構造式に含
むメルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイ
ルを反応させることによって得られる修飾された動物毛
粉末は、高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類
またはメルカプト変性シリコーンオイルが動物毛粉末中
のシスチン側鎖において動物毛粉末とジスルフィド結合
を形成していて、未修飾の動物毛粉末に比べて油分との
親和性が良好で、かつ油分をよく吸収し、しかも水をも
吸収する性質を有するので、乳化分散特性が非常に良好
であり、例えば化粧品に配合した場合に、皮膚によく馴
染み、安定で優れた感触を付与することを見出し、本発
明を完成するにいたった。
ノ酸として多く含むことに着目し、そのシスチンが有す
るジスルフィド(SS)結合を利用して、動物毛粉末の特
性を改質することについて鋭意研究を重ねた結果、微細
に粉砕された動物毛粉末に高級炭化水素基を構造式に含
むメルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイ
ルを反応させることによって得られる修飾された動物毛
粉末は、高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類
またはメルカプト変性シリコーンオイルが動物毛粉末中
のシスチン側鎖において動物毛粉末とジスルフィド結合
を形成していて、未修飾の動物毛粉末に比べて油分との
親和性が良好で、かつ油分をよく吸収し、しかも水をも
吸収する性質を有するので、乳化分散特性が非常に良好
であり、例えば化粧品に配合した場合に、皮膚によく馴
染み、安定で優れた感触を付与することを見出し、本発
明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、高級炭化水素基を構造式に含む
メルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイル
が動物毛粉末中のシスチン側鎖と反応し、高級炭化水素
基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性
シリコーンオイルが動物毛粉末とジスルフィド結合を形
成することによって修飾された動物毛粉末に関する。
メルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイル
が動物毛粉末中のシスチン側鎖と反応し、高級炭化水素
基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性
シリコーンオイルが動物毛粉末とジスルフィド結合を形
成することによって修飾された動物毛粉末に関する。
以下、本発明の構成を、(1)動物毛の種類、(2)
動物毛粉末の製法、(3)動物毛粉末の修飾方法(すな
わち、動物毛粉末と高級炭化水素基を構造式に含むメル
カプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイルとの
反応)および動物毛粉末とジスルフィド結合を形成した
高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメ
ルカプト変性シリコーンオイルの定量法、(4)修飾に
用いる試薬、(5)修飾された動物毛粉末の応用範囲、
および(6)修飾の程度に分けて、順次具体的に説明す
る。
動物毛粉末の製法、(3)動物毛粉末の修飾方法(すな
わち、動物毛粉末と高級炭化水素基を構造式に含むメル
カプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイルとの
反応)および動物毛粉末とジスルフィド結合を形成した
高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメ
ルカプト変性シリコーンオイルの定量法、(4)修飾に
用いる試薬、(5)修飾された動物毛粉末の応用範囲、
および(6)修飾の程度に分けて、順次具体的に説明す
る。
(1) 動物毛の種類 本明細書において「動物毛」とは、獣毛、人間の毛
髪、鳥の羽毛および鳥の羽根を意味する。獣毛として
は、例えば羊毛、ミンク毛、普通山羊毛、モヘア毛、チ
ベット毛、らくだ毛、カシミア毛、ラマ毛、アルパカ
毛、グシナコ毛、アンゴラ兎毛、牛毛、普通兎毛、馬
毛、猫毛、豚毛等がある。鳥の羽毛および鳥の羽根とし
ては、例えばガ鳥、アヒル、その他の水鳥、ニワトリ等
の羽毛および羽根がある。
髪、鳥の羽毛および鳥の羽根を意味する。獣毛として
は、例えば羊毛、ミンク毛、普通山羊毛、モヘア毛、チ
ベット毛、らくだ毛、カシミア毛、ラマ毛、アルパカ
毛、グシナコ毛、アンゴラ兎毛、牛毛、普通兎毛、馬
毛、猫毛、豚毛等がある。鳥の羽毛および鳥の羽根とし
ては、例えばガ鳥、アヒル、その他の水鳥、ニワトリ等
の羽毛および羽根がある。
(2) 動物毛粉末の製法 動物毛粉末は、例えば、前記の「動物毛」を循環真空
粉砕することによって調製することができる。循環真空
粉砕は、本発明者の発明になる公知の真空式粉砕装置
(特公昭52−11787号)をさらに改良した循環式真空粉
砕装置を使用して実施する。上記の公知の真空式粉砕装
置は、上記特公昭52−11787号公報に記載されていると
おり、(イ)被処理原料を装填する被粉砕物収容器、
(ロ)ハンマーおよび突条片を備えた粉砕機、(ハ)生
成物を収集する粉砕物収容器および(ニ)それらの間に
介在する連結移送手段、ならびに(ホ)前記の被粉砕物
収容器(イ)および粉砕物収容器(ハ)と連結する真空
ポンプから主に構成されている。本発明者はその真空式
粉砕装置に改良を加え、前記粉砕機(ロ)内のハンマー
および突条片を回転刃および固定刃に置き換えると共
に、前記粉砕物収容器(ハ)の出口と被粉砕物収容器
(イ)の入口とを連結して真空下で循環粉砕を実施でき
るようにした。この改良装置を使用して前記の動物毛を
循環真空粉砕すると、動物毛は従来のものより格段と微
細に粉砕される。
粉砕することによって調製することができる。循環真空
粉砕は、本発明者の発明になる公知の真空式粉砕装置
(特公昭52−11787号)をさらに改良した循環式真空粉
砕装置を使用して実施する。上記の公知の真空式粉砕装
置は、上記特公昭52−11787号公報に記載されていると
おり、(イ)被処理原料を装填する被粉砕物収容器、
(ロ)ハンマーおよび突条片を備えた粉砕機、(ハ)生
成物を収集する粉砕物収容器および(ニ)それらの間に
介在する連結移送手段、ならびに(ホ)前記の被粉砕物
収容器(イ)および粉砕物収容器(ハ)と連結する真空
ポンプから主に構成されている。本発明者はその真空式
粉砕装置に改良を加え、前記粉砕機(ロ)内のハンマー
および突条片を回転刃および固定刃に置き換えると共
に、前記粉砕物収容器(ハ)の出口と被粉砕物収容器
(イ)の入口とを連結して真空下で循環粉砕を実施でき
るようにした。この改良装置を使用して前記の動物毛を
循環真空粉砕すると、動物毛は従来のものより格段と微
細に粉砕される。
上記循環真空粉砕は、2〜30mmHg、好ましくは2〜10
mmHgの真空下で実施する。循環は2回〜10回、好ましく
は3回行なう。上記の循環真空粉砕を行なう前に、原料
となる動物毛を有機溶剤、例えばジエチルエーテル、ア
セトン、クロロホルムまたはトリクロルエタン等で脱脂
するか、あるいは各種の界面活性剤によって脱脂・洗浄
することができる。また、脱脂・洗浄処理後の市販製品
をそのまま使用することもできる。
mmHgの真空下で実施する。循環は2回〜10回、好ましく
は3回行なう。上記の循環真空粉砕を行なう前に、原料
となる動物毛を有機溶剤、例えばジエチルエーテル、ア
セトン、クロロホルムまたはトリクロルエタン等で脱脂
するか、あるいは各種の界面活性剤によって脱脂・洗浄
することができる。また、脱脂・洗浄処理後の市販製品
をそのまま使用することもできる。
循環真空粉砕処理後に、その生成物を分級する。分級
方法としては、それ自体公知の方法、例えばフルイ分
け、湿式分級または乾式分級を使用することができる。
乾式分級装置、例えば重力分級装置、慣性分級装置、特
には遠心分級装置を使用するのが好ましく、強制渦遠心
分級装置を使用するのが特に好ましい。適当な分級手段
を採用することにより、動物毛の最外層を形成するキュ
ーティクル(毛小皮)を主成分とする微粉末〔この場合
には、例えば強制渦遠心分級装置(分離径0.5〜50μ
m、好ましくは0.5〜30μm)を使用する〕、あるいは
その他の部分すなわちコーテックス(皮質)およびメデ
ュラ(毛髄)を多く含む微粉末を得ることができる。
方法としては、それ自体公知の方法、例えばフルイ分
け、湿式分級または乾式分級を使用することができる。
乾式分級装置、例えば重力分級装置、慣性分級装置、特
には遠心分級装置を使用するのが好ましく、強制渦遠心
分級装置を使用するのが特に好ましい。適当な分級手段
を採用することにより、動物毛の最外層を形成するキュ
ーティクル(毛小皮)を主成分とする微粉末〔この場合
には、例えば強制渦遠心分級装置(分離径0.5〜50μ
m、好ましくは0.5〜30μm)を使用する〕、あるいは
その他の部分すなわちコーテックス(皮質)およびメデ
ュラ(毛髄)を多く含む微粉末を得ることができる。
得られた動物毛の染色、漂白、UV(紫外線照射)処
理、静電処理、撥水処理、防虫処理、防腐処理、防黴処
理、その他の表面処理等は、循環真空粉砕処理の前後ま
たは分級処理または本発明の修飾の前後のいずれにおい
ても行なうことができるが、本発明の修飾の前に行うの
が最も好ましい。
理、静電処理、撥水処理、防虫処理、防腐処理、防黴処
理、その他の表面処理等は、循環真空粉砕処理の前後ま
たは分級処理または本発明の修飾の前後のいずれにおい
ても行なうことができるが、本発明の修飾の前に行うの
が最も好ましい。
染色については、例えば赤色3号、赤色104号、黄色
4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色
227号、赤色230号、橙色206号、橙色207号、黄色202
号、緑色201号、緑色204号、緑色205号等のタール色
素、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリ
ン、クロシン、アナトー、アントシアニン、サフロール
エロー、紅鞠色素等の天然色素で常法に従い染色するこ
とができる。UV処理については、例えばサリチル酸、パ
ラアミノ安息香酸、ウロカニン酸等の紫外線吸収剤を常
法に従い吸着させることができるが、このような処理は
本発明の修飾後に行うのが好ましい。
4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色
227号、赤色230号、橙色206号、橙色207号、黄色202
号、緑色201号、緑色204号、緑色205号等のタール色
素、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリ
ン、クロシン、アナトー、アントシアニン、サフロール
エロー、紅鞠色素等の天然色素で常法に従い染色するこ
とができる。UV処理については、例えばサリチル酸、パ
ラアミノ安息香酸、ウロカニン酸等の紫外線吸収剤を常
法に従い吸着させることができるが、このような処理は
本発明の修飾後に行うのが好ましい。
前記の循環真空粉砕および分級によって、平均長径30
μm以下およびアスペクト比4以上の微粉末が得られ
る。得られた微粉末は、主に隣片状(平板状)の微粉末
から構成されており、本発明の修飾前後において、微粉
末の大きさには変化はない。
μm以下およびアスペクト比4以上の微粉末が得られ
る。得られた微粉末は、主に隣片状(平板状)の微粉末
から構成されており、本発明の修飾前後において、微粉
末の大きさには変化はない。
本明細書において微粉末の寸法は以下のようにして測
定する。得られた微粉末をアセトン等の分散媒体に懸濁
させ、これをアルミニウム製の試料台の上に乗せ、乾燥
させてから金蒸着を行って試料とし、隣片状の微粉末を
上方から見た電子顕微鏡写真をとる。
定する。得られた微粉末をアセトン等の分散媒体に懸濁
させ、これをアルミニウム製の試料台の上に乗せ、乾燥
させてから金蒸着を行って試料とし、隣片状の微粉末を
上方から見た電子顕微鏡写真をとる。
微粉末の映像図形は不定形であるから、その一番長い
径を「長径」とし、少なくとも50個、好ましくは100個
以上の微粉末について長径を測定し、その平均値を「平
均長径」とする。また、前記の「長径」と直角方向の径
の中で一番長い径を「短径」とし、個々の微粉末につい
て二軸平均すなわち(「長径」+「短径」)×1/2を算
出し、個別の二軸平均から前記と同様にして求めた平均
値を「平均二軸平均」とする。一方、微粉末から前記と
同様にして試料を作製し、試料台を約45゜に傾けて、隣
片状の微粉末を側面から見た電子顕微鏡写真をとり、映
像図形の最長の厚さを微粉末の「厚さ」とし、前記と同
様にして「平均厚さ」を求める。つぎに、「平均二軸平
均」/「平均厚さ」を計算し、これを「アスペクト比」
とする。
径を「長径」とし、少なくとも50個、好ましくは100個
以上の微粉末について長径を測定し、その平均値を「平
均長径」とする。また、前記の「長径」と直角方向の径
の中で一番長い径を「短径」とし、個々の微粉末につい
て二軸平均すなわち(「長径」+「短径」)×1/2を算
出し、個別の二軸平均から前記と同様にして求めた平均
値を「平均二軸平均」とする。一方、微粉末から前記と
同様にして試料を作製し、試料台を約45゜に傾けて、隣
片状の微粉末を側面から見た電子顕微鏡写真をとり、映
像図形の最長の厚さを微粉末の「厚さ」とし、前記と同
様にして「平均厚さ」を求める。つぎに、「平均二軸平
均」/「平均厚さ」を計算し、これを「アスペクト比」
とする。
前記の循環式真空粉砕装置で粉砕された微粉末は、上
記測定方法で測定すると、平均長径30μm以下好ましく
は1〜20μmさらに好ましくは2〜10μm、平均二軸平
均1〜20μm好ましくは2〜10μm、平均厚さ5μm以
下好ましくは0.2〜10μm、そしてアスペクト比4以上
好ましくは7〜100を有する。
記測定方法で測定すると、平均長径30μm以下好ましく
は1〜20μmさらに好ましくは2〜10μm、平均二軸平
均1〜20μm好ましくは2〜10μm、平均厚さ5μm以
下好ましくは0.2〜10μm、そしてアスペクト比4以上
好ましくは7〜100を有する。
上記微粉末の表面積をBET法で測定すると0.1m2/g以上
であり、特には0.5〜5m2/gである。
であり、特には0.5〜5m2/gである。
前記循環式真空粉砕装置で粉砕された微粉末を電子顕
微鏡で観察すると、多数の隣片状粉体がみえる。また、
本発明の修飾を行う前の微粉末のアミノ酸組成では、セ
リン、プロリンおよびシスチンの量が多いので、キュー
ティクルが主成分になっているものと考えられる。従っ
て、前記の循環真空粉砕処理によって個々のキューティ
クルの単位にまで粉砕が行われている。そして、個々の
キューティクルの単位にまで粉砕が行われているので、
動物毛のコーテックス(皮質)およびメデュラ(毛髄)
の部分においても各々少なくとも部分的には粉砕が行わ
れているものと考えられる。
微鏡で観察すると、多数の隣片状粉体がみえる。また、
本発明の修飾を行う前の微粉末のアミノ酸組成では、セ
リン、プロリンおよびシスチンの量が多いので、キュー
ティクルが主成分になっているものと考えられる。従っ
て、前記の循環真空粉砕処理によって個々のキューティ
クルの単位にまで粉砕が行われている。そして、個々の
キューティクルの単位にまで粉砕が行われているので、
動物毛のコーテックス(皮質)およびメデュラ(毛髄)
の部分においても各々少なくとも部分的には粉砕が行わ
れているものと考えられる。
(3) 動物毛粉末の修飾方法および動物毛粉末とジス
ルフィド結合を形成した高級炭化水素基を構造式に含む
メルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイル
の定量法 前述のようにして得られた動物毛粉末の修飾は以下の
ようにして行う。
ルフィド結合を形成した高級炭化水素基を構造式に含む
メルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイル
の定量法 前述のようにして得られた動物毛粉末の修飾は以下の
ようにして行う。
最も簡単には動物毛粉末を液中に分散させ、これに高
級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメル
カプト変性シリコーンオイルを添加して、動物毛粉末と
高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメ
ルカプト変性シリコーンオイルとを反応させることによ
って修飾された動物毛粉末が得られる。すなわち動物毛
粉末中のシスチン(Cys−SS−Cys)の有するジスルフィ
ド結合(SS)結合が、高級炭化水素基を構造式に含むメ
ルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイル
(A−SHとする)と下記のような反応をすることによ
り、動物毛粉末に高級炭化水素基またはシリコーンオイ
ルを構成する基が導入される。
級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメル
カプト変性シリコーンオイルを添加して、動物毛粉末と
高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメ
ルカプト変性シリコーンオイルとを反応させることによ
って修飾された動物毛粉末が得られる。すなわち動物毛
粉末中のシスチン(Cys−SS−Cys)の有するジスルフィ
ド結合(SS)結合が、高級炭化水素基を構造式に含むメ
ルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイル
(A−SHとする)と下記のような反応をすることによ
り、動物毛粉末に高級炭化水素基またはシリコーンオイ
ルを構成する基が導入される。
Cys−SS−Cys+A−SH→Cys−SS−A+Cys−SH 上記反応においては、Cys−SS−CysのSS部分が開裂し
てA−SHのA−S部分がS−Cysと置換するものと考え
られる。従って、動物毛粉末とジスルフィド結合(SS結
合)を形成するのは、高級炭化水素基を構造式に含むメ
ルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイルそ
のものではなく、それらよりSH基におけるH(水素)が
脱けたものであるが、本発明では便宜的に高級炭化水素
基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性
シリコーンオイルが動物毛粉末とジスルフィド結合を形
成していると表現している。
てA−SHのA−S部分がS−Cysと置換するものと考え
られる。従って、動物毛粉末とジスルフィド結合(SS結
合)を形成するのは、高級炭化水素基を構造式に含むメ
ルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイルそ
のものではなく、それらよりSH基におけるH(水素)が
脱けたものであるが、本発明では便宜的に高級炭化水素
基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性
シリコーンオイルが動物毛粉末とジスルフィド結合を形
成していると表現している。
また、上記反応式に示されるようにシスチンがメルカ
プト基を有する形すなわちシステインとなるが、これを
さらに高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類ま
たはメルカプト変性シリコーンオイルと下記の反応式に
示すように反応させるためには酸化剤を用いることが好
ましい。
プト基を有する形すなわちシステインとなるが、これを
さらに高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類ま
たはメルカプト変性シリコーンオイルと下記の反応式に
示すように反応させるためには酸化剤を用いることが好
ましい。
このCys−SHとA−SHとの反応においても、Cys−SHの
HとA−SHとが置換するので、動物毛粉末とジスルフィ
ド結合を形成するのはA−SHのSH基におけるHが脱けた
ものであるが、本発明では、この場合も、高級炭化水素
基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性
シリコーンオイルが動物毛粉末とジスルフィド結合を形
成していると表現している。
HとA−SHとが置換するので、動物毛粉末とジスルフィ
ド結合を形成するのはA−SHのSH基におけるHが脱けた
ものであるが、本発明では、この場合も、高級炭化水素
基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性
シリコーンオイルが動物毛粉末とジスルフィド結合を形
成していると表現している。
上記Cys−SHとA−SHとの反応は、特に酸化剤を用い
なくとも酸素と鉄イオン等の重金属イオンが微量に存在
すると進行する(自然酸化)が、酸化剤を用いることに
よって短時間に反応を終了させることができる。
なくとも酸素と鉄イオン等の重金属イオンが微量に存在
すると進行する(自然酸化)が、酸化剤を用いることに
よって短時間に反応を終了させることができる。
また、高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類
またはメルカプト変性シリコーンオイルを動物毛粉末と
接触させる前あるいは接触させる時に還元剤を用いるこ
ともできる。この場合には還元剤の作用により動物毛粉
末中のシスチンがメルカプト基を有する形すなわちシス
テインになった後、酸化剤を用いてシステインと高級炭
化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプ
ト変性シリコーンオイルとのジスルフィド結合生成反応
を進行させる方法を採用するのが好ましい。
またはメルカプト変性シリコーンオイルを動物毛粉末と
接触させる前あるいは接触させる時に還元剤を用いるこ
ともできる。この場合には還元剤の作用により動物毛粉
末中のシスチンがメルカプト基を有する形すなわちシス
テインになった後、酸化剤を用いてシステインと高級炭
化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプ
ト変性シリコーンオイルとのジスルフィド結合生成反応
を進行させる方法を採用するのが好ましい。
上記動物毛粉末の還元に用いる還元剤としては、例え
ば、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム
等のチオグリコール酸塩、チオリンゴ酸またはその塩、
チオ乳酸またはその塩、チオグリセロール、2−メルカ
プトエタノール等の低分子の有機メルカプタン化合物、
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリ
ウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウム等
の亜硫酸塩、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化アン
モニウム等の硫化物、水素化ホウ素ナトリウム等の金属
水素化物等を挙げることができる。また、酸化剤として
は、例えば、過酸化水素等の無機過酸化物、臭素酸ナト
リウム、臭素酸カリウム等の臭素酸塩、過酸化ベンゾイ
ル、過酢酸、過酸化ラウロイル等の有機過酸化物等を挙
げることができる。また、高級炭化水素基を構造式に含
むメルカプタン類やメルカプト変性シリコーンオイルは
水には溶け難いので通常には有機溶剤中で反応を行うの
が好ましい。それ以外にも、界面活性剤または乳化剤で
高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメ
ルカプト変性シリコーンオイルをエマルジョンとして分
散させて水中または水と有機溶剤との混合液中で反応さ
せることもできる。反応の終了後に有機溶剤、界面活性
剤または乳化剤で反応生成物をよく洗浄して、単に付着
しているだけの高級炭化水素基を構造式に含むメルカプ
タン類またはメルカプト変性シリコーンオイルを除去す
ると、動物毛粉末とジスルフィド結合を形成した高級炭
化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプ
ト変性シリコーンオイルのみが動物毛粉末に残ることに
なる。それを乾燥することによって工程を終了する。こ
のようにして修飾された動物毛粉末は再度還元する等の
処理が行われない限りは、動物毛粉末とジスルフィド結
合を形成した高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタ
ン類またはメルカプト変性シリコーンオイルが動物毛粉
末からはずれることはない。なお、反応後の洗浄は必ず
しも必要でない場合もあるが、反応に用いる高級炭化水
素基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変
性シリコーンオイルには通常メルカプト臭があるため、
このような不快な臭を除くためにも洗浄を行うことが好
ましく、そのほかにも還元剤や酸化剤を用いた場合には
洗浄によってそれらを充分に除去するようにするのが好
ましい。
ば、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム
等のチオグリコール酸塩、チオリンゴ酸またはその塩、
チオ乳酸またはその塩、チオグリセロール、2−メルカ
プトエタノール等の低分子の有機メルカプタン化合物、
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリ
ウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウム等
の亜硫酸塩、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化アン
モニウム等の硫化物、水素化ホウ素ナトリウム等の金属
水素化物等を挙げることができる。また、酸化剤として
は、例えば、過酸化水素等の無機過酸化物、臭素酸ナト
リウム、臭素酸カリウム等の臭素酸塩、過酸化ベンゾイ
ル、過酢酸、過酸化ラウロイル等の有機過酸化物等を挙
げることができる。また、高級炭化水素基を構造式に含
むメルカプタン類やメルカプト変性シリコーンオイルは
水には溶け難いので通常には有機溶剤中で反応を行うの
が好ましい。それ以外にも、界面活性剤または乳化剤で
高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメ
ルカプト変性シリコーンオイルをエマルジョンとして分
散させて水中または水と有機溶剤との混合液中で反応さ
せることもできる。反応の終了後に有機溶剤、界面活性
剤または乳化剤で反応生成物をよく洗浄して、単に付着
しているだけの高級炭化水素基を構造式に含むメルカプ
タン類またはメルカプト変性シリコーンオイルを除去す
ると、動物毛粉末とジスルフィド結合を形成した高級炭
化水素基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプ
ト変性シリコーンオイルのみが動物毛粉末に残ることに
なる。それを乾燥することによって工程を終了する。こ
のようにして修飾された動物毛粉末は再度還元する等の
処理が行われない限りは、動物毛粉末とジスルフィド結
合を形成した高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタ
ン類またはメルカプト変性シリコーンオイルが動物毛粉
末からはずれることはない。なお、反応後の洗浄は必ず
しも必要でない場合もあるが、反応に用いる高級炭化水
素基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変
性シリコーンオイルには通常メルカプト臭があるため、
このような不快な臭を除くためにも洗浄を行うことが好
ましく、そのほかにも還元剤や酸化剤を用いた場合には
洗浄によってそれらを充分に除去するようにするのが好
ましい。
反応に際して用いる有機溶剤としては、例えばメタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、ブタン、エチルエ
ーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ク
ロロホルム、四塩化炭素、1,1,1−トリクロロエタン等
を挙げることができる。
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、ブタン、エチルエ
ーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ク
ロロホルム、四塩化炭素、1,1,1−トリクロロエタン等
を挙げることができる。
このようにして得られる修飾された動物毛粉末中の動
物毛粉末とジスルフィド結合を形成している高級炭化水
素基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変
性シリコーンオイルの量は、修飾された動物毛粉末に還
元剤を作用させて高級炭化水素基を構造式に含むメルカ
プタン類またはメルカプト変性シリコーンオイルを動物
毛粉末からはずした後、前述の有機溶剤に抽出して濃縮
−乾固し、その残分の重量を測定し、それと還元剤を作
用させないほかは同じ処理をした対照品との差をとるこ
とによって求めることができる。また、上記以外にも、
修飾された動物毛粉末を還元して有機溶剤に抽出した成
分を液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ等で定量
することによっても、修飾された動物毛粉末中の動物毛
粉末とジスルフィド結合を形成している高級炭化水素基
を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性シ
リコーンオイルの量を求めることができる。
物毛粉末とジスルフィド結合を形成している高級炭化水
素基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変
性シリコーンオイルの量は、修飾された動物毛粉末に還
元剤を作用させて高級炭化水素基を構造式に含むメルカ
プタン類またはメルカプト変性シリコーンオイルを動物
毛粉末からはずした後、前述の有機溶剤に抽出して濃縮
−乾固し、その残分の重量を測定し、それと還元剤を作
用させないほかは同じ処理をした対照品との差をとるこ
とによって求めることができる。また、上記以外にも、
修飾された動物毛粉末を還元して有機溶剤に抽出した成
分を液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ等で定量
することによっても、修飾された動物毛粉末中の動物毛
粉末とジスルフィド結合を形成している高級炭化水素基
を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性シ
リコーンオイルの量を求めることができる。
(4) 修飾に用い得る試薬 高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類または
メルカプト変性シリコーンオイルとしては、その構造中
にメルカプト基(チオール基)と疎水性(親油性)部分
を有し、動物毛粉末とジスルフィド(SS)結合し得るも
のであって、それによって動物毛粉末に疎水性構造を導
入し得るものであれば特にその化学構造は限定されるも
のではないが、そのような効果を発揮するためには、高
級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類では少なく
とも一つの炭素数10以上の炭化水素構造を含むものが好
ましく、またメルカプト変性シリコーンオイルでは少な
くとも一つのケイ素数5以上のポリ(炭化水素変性シロ
キサン)構造を含むものが好ましい。また、これらの構
造のほかにも本発明の効果を損なわなず、場合によって
は本発明の修飾に際して有機溶剤への溶解性を向上させ
たり、あるいは動物毛粉末との反応性または修飾された
動物毛粉末の感触を向上させる目的で種々の官能基をさ
らに含む構造を有していてもよい。そのような官能基と
しては、例えば水酸基、アミド、エーテル、エステル、
アミン、イミン、第4級アンモニウム等を挙げることが
できる。
メルカプト変性シリコーンオイルとしては、その構造中
にメルカプト基(チオール基)と疎水性(親油性)部分
を有し、動物毛粉末とジスルフィド(SS)結合し得るも
のであって、それによって動物毛粉末に疎水性構造を導
入し得るものであれば特にその化学構造は限定されるも
のではないが、そのような効果を発揮するためには、高
級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類では少なく
とも一つの炭素数10以上の炭化水素構造を含むものが好
ましく、またメルカプト変性シリコーンオイルでは少な
くとも一つのケイ素数5以上のポリ(炭化水素変性シロ
キサン)構造を含むものが好ましい。また、これらの構
造のほかにも本発明の効果を損なわなず、場合によって
は本発明の修飾に際して有機溶剤への溶解性を向上させ
たり、あるいは動物毛粉末との反応性または修飾された
動物毛粉末の感触を向上させる目的で種々の官能基をさ
らに含む構造を有していてもよい。そのような官能基と
しては、例えば水酸基、アミド、エーテル、エステル、
アミン、イミン、第4級アンモニウム等を挙げることが
できる。
本発明に用い得る高級炭化水素基を構造式に含むメル
カプタン類として、例えばn−デシルメルカプタン、ラ
ウリルメルカプタン、ミリスチルメルカプタン、パルミ
チルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、エイコサ
ンチオール、tert−ラウリルメルカプタン等の高級炭化
水素メルカプタン類、N−(2−メルカプトエチル)ラ
ウロイルアミド、N−(2−メルカプトエチル)デカノ
イルアミド、N−(2−メルカプトエチル)ミリストイ
ルアミド、N−(2−メルカプトエチル)パルミトイル
アミド、N−(2−メルカプトエチル)エイコサノイル
アミド、N−(2−メルカプトエチル)トリアコンタノ
イルアミド、N−(2−メルカプトエチル)ウンデシレ
ノイルアミド、N−(2−メルカプトエチル)オレオイ
ルアミド、N−(2−メルカプトエチル)イソステアロ
イルアミド、N−(2−メルカプトエチル)アビエトイ
ルアミド、N−(2−メルカプトエチル)ヤシ油脂肪酸
アミド、N−(2−メルカプトエチル)牛脂肪酸アミド
等の高級炭化水素脂肪酸2−メルカプトエチルアミド等
を挙げることができる。
カプタン類として、例えばn−デシルメルカプタン、ラ
ウリルメルカプタン、ミリスチルメルカプタン、パルミ
チルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、エイコサ
ンチオール、tert−ラウリルメルカプタン等の高級炭化
水素メルカプタン類、N−(2−メルカプトエチル)ラ
ウロイルアミド、N−(2−メルカプトエチル)デカノ
イルアミド、N−(2−メルカプトエチル)ミリストイ
ルアミド、N−(2−メルカプトエチル)パルミトイル
アミド、N−(2−メルカプトエチル)エイコサノイル
アミド、N−(2−メルカプトエチル)トリアコンタノ
イルアミド、N−(2−メルカプトエチル)ウンデシレ
ノイルアミド、N−(2−メルカプトエチル)オレオイ
ルアミド、N−(2−メルカプトエチル)イソステアロ
イルアミド、N−(2−メルカプトエチル)アビエトイ
ルアミド、N−(2−メルカプトエチル)ヤシ油脂肪酸
アミド、N−(2−メルカプトエチル)牛脂肪酸アミド
等の高級炭化水素脂肪酸2−メルカプトエチルアミド等
を挙げることができる。
また、メルカプト変性シリコーンオイルとしては、例
えば3−メルカプトプロピル変性ジメチルポリシロキサ
ン、2−メルカプトエチル変性ジメチルポリシロキサ
ン、3−メルカプトプロピル変性メチルフェニルポリシ
ロキサン等のメルカプト基が導入されたメルカプト変性
シリコーンオイルを挙げることができる。ただし、高級
炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類、メルカプト
変性シリコーンオイルとも、これら例示のもののみに限
定されることはなく、最低限メルカプト基を少なくとも
1個と疎水性構造部を有する同様な効果を発揮できる類
似の化合物であれば用いることができる。
えば3−メルカプトプロピル変性ジメチルポリシロキサ
ン、2−メルカプトエチル変性ジメチルポリシロキサ
ン、3−メルカプトプロピル変性メチルフェニルポリシ
ロキサン等のメルカプト基が導入されたメルカプト変性
シリコーンオイルを挙げることができる。ただし、高級
炭化水素基を構造式に含むメルカプタン類、メルカプト
変性シリコーンオイルとも、これら例示のもののみに限
定されることはなく、最低限メルカプト基を少なくとも
1個と疎水性構造部を有する同様な効果を発揮できる類
似の化合物であれば用いることができる。
(5) 修飾された動物毛粉末の応用範囲 本発明の修飾された動物毛粉末は、まず、動物毛を構
成するケラチン蛋白がシスチン含有量が高く、シスチン
残基やその他の官能性側鎖を多量に有するので、金属等
との反応性に富み、しかも疎水性構造が導入されている
ので、このような性質を利用して、そのままあるいは適
当な処理を施した後で、重金属吸着剤、重金属分離用ク
ロマトグラフィー担体、飼料、医用高分子、酵素等の固
定化用担体、アフィニティークロマトグラフィー用担
体、医薬品基剤、化粧品基剤等として使用することがで
きる。また、本発明の修飾された動物毛粉末は優れた乳
化作用を示すので、乳化剤としても使用することができ
る。さらに本発明の修飾された動物毛粉末のうち、それ
自体が色素を含有している有色のものはそのままの形
で、またそれ自体が色素を含有していないかまたは所望
の色調でないものは適当に染色した後で、それらの有色
または着色物を顔料または染料として使用することがで
きる。このような顔料または染料は軽く分散性が優れて
おり、また、天然の蛋白質に基づくものであるから、例
えば皮膚用化粧品などに配合された場合、毛髪や皮膚に
馴染みやすく、皮膚に対する刺激が少ない。
成するケラチン蛋白がシスチン含有量が高く、シスチン
残基やその他の官能性側鎖を多量に有するので、金属等
との反応性に富み、しかも疎水性構造が導入されている
ので、このような性質を利用して、そのままあるいは適
当な処理を施した後で、重金属吸着剤、重金属分離用ク
ロマトグラフィー担体、飼料、医用高分子、酵素等の固
定化用担体、アフィニティークロマトグラフィー用担
体、医薬品基剤、化粧品基剤等として使用することがで
きる。また、本発明の修飾された動物毛粉末は優れた乳
化作用を示すので、乳化剤としても使用することができ
る。さらに本発明の修飾された動物毛粉末のうち、それ
自体が色素を含有している有色のものはそのままの形
で、またそれ自体が色素を含有していないかまたは所望
の色調でないものは適当に染色した後で、それらの有色
または着色物を顔料または染料として使用することがで
きる。このような顔料または染料は軽く分散性が優れて
おり、また、天然の蛋白質に基づくものであるから、例
えば皮膚用化粧品などに配合された場合、毛髪や皮膚に
馴染みやすく、皮膚に対する刺激が少ない。
とりわけ、本発明の修飾された動物毛粉末は、親油性
の高級炭化水素基またはポリシロキサン構造が導入され
ているため、油性成分と非常に馴染みやすく、例えば同
じ粒度で比較した場合、油性成分に対する吸液量が修飾
前に比べて数段大きくなる。そのため、これら油性成分
とともに化粧品組成物として皮膚に用いられた場合に皮
膚上でよく広がり、なめらかで油性成分を長時間にわた
り皮膚上に保つ作用があるので、特に化粧品基剤として
有用であり、とりわけクリーム状、液状、固形等のファ
ンデーション類、クリームおしろい、固形おしろい、粉
おしろい、タルカムパウダー、練おしろい、ベビーパウ
ダー、ボディパウダー、水おしろい等の白粉、打粉類、
口紅、リップクリーム、アイシャドー、アイライナー、
ほお紅、マスカラ、まゆ墨、粉末香水等の粉体原料とし
ての価値が大きい。さらに本発明の修飾された動物毛粉
末に油性成分を吸液させたものも用いることができる。
このように油性成分を吸液させたものは、例えば化粧品
に配合するときに配合しやすく、また油性成分の早急な
分離が生じず、油性成分を徐々に放出するので化粧品配
合剤として優れている。上記のように修飾された動物毛
粉末に吸液させる油性成分としては、例えば流動パラフ
ィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワ
ックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等の炭化水
素、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
イン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸、イソパルミチ
ン酸等の天然または合成の高級脂肪酸、ラウリルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレ
イルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロー
ル、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノー
ル等の天然または合成の高級アルコール、ステアリン酸
ヘキシルデシル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、パ
ルミチン酸2−エチルヘキシル、イソパルミチン酸2−
エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、コハ
ク酸ジ(2−エチルヘキシル)、パルミチン酸イソプロ
ピル、ミリスチン酸イソプロピル、セバチン酸ジイソプ
ロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプ
ロピル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソ
ステアリル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウ
リン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステ
アリン酸ブチル、オレイン酸デシル等の脂肪酸エステ
ル、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、鯨ロ
ウ、ミツロウ、ラノリン等の動植物性ワックス、グリセ
ライドを主成分とする動植物性油脂類または水添等のそ
の加工物、合成グリセライド、高級脂肪酸アミド、シリ
コーン油、ビタミンA1、B2、D、Eまたはそれらと類似
構造を有するビタミン様物質、種々の香料等を挙げるこ
とができる。なお、香料を吸液させた場合には香料の香
りを長期間保持する効果がある。
の高級炭化水素基またはポリシロキサン構造が導入され
ているため、油性成分と非常に馴染みやすく、例えば同
じ粒度で比較した場合、油性成分に対する吸液量が修飾
前に比べて数段大きくなる。そのため、これら油性成分
とともに化粧品組成物として皮膚に用いられた場合に皮
膚上でよく広がり、なめらかで油性成分を長時間にわた
り皮膚上に保つ作用があるので、特に化粧品基剤として
有用であり、とりわけクリーム状、液状、固形等のファ
ンデーション類、クリームおしろい、固形おしろい、粉
おしろい、タルカムパウダー、練おしろい、ベビーパウ
ダー、ボディパウダー、水おしろい等の白粉、打粉類、
口紅、リップクリーム、アイシャドー、アイライナー、
ほお紅、マスカラ、まゆ墨、粉末香水等の粉体原料とし
ての価値が大きい。さらに本発明の修飾された動物毛粉
末に油性成分を吸液させたものも用いることができる。
このように油性成分を吸液させたものは、例えば化粧品
に配合するときに配合しやすく、また油性成分の早急な
分離が生じず、油性成分を徐々に放出するので化粧品配
合剤として優れている。上記のように修飾された動物毛
粉末に吸液させる油性成分としては、例えば流動パラフ
ィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワ
ックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等の炭化水
素、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
イン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸、イソパルミチ
ン酸等の天然または合成の高級脂肪酸、ラウリルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレ
イルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロー
ル、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノー
ル等の天然または合成の高級アルコール、ステアリン酸
ヘキシルデシル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、パ
ルミチン酸2−エチルヘキシル、イソパルミチン酸2−
エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、コハ
ク酸ジ(2−エチルヘキシル)、パルミチン酸イソプロ
ピル、ミリスチン酸イソプロピル、セバチン酸ジイソプ
ロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプ
ロピル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソ
ステアリル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウ
リン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステ
アリン酸ブチル、オレイン酸デシル等の脂肪酸エステ
ル、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、鯨ロ
ウ、ミツロウ、ラノリン等の動植物性ワックス、グリセ
ライドを主成分とする動植物性油脂類または水添等のそ
の加工物、合成グリセライド、高級脂肪酸アミド、シリ
コーン油、ビタミンA1、B2、D、Eまたはそれらと類似
構造を有するビタミン様物質、種々の香料等を挙げるこ
とができる。なお、香料を吸液させた場合には香料の香
りを長期間保持する効果がある。
(6) 修飾の程度 本発明の修飾によって、動物毛粉末とジスルフィド結
合を形成している高級炭化水素基を構造式に含むメルカ
プタン類またはメルカプト変性シリコーンオイルの量
は、修飾された動物毛粉末中、0.05〜5.0重量%の範囲
が好ましい。0.05重量%未満では修飾された効果が充分
に発揮されず、また、5.0重量%より多くするためには
修飾するのに苛酷な条件が必要で、かえって動物毛粉末
を損傷させ、かつ修飾された動物毛粉末の感触が悪くな
り価値がうすくなる。
合を形成している高級炭化水素基を構造式に含むメルカ
プタン類またはメルカプト変性シリコーンオイルの量
は、修飾された動物毛粉末中、0.05〜5.0重量%の範囲
が好ましい。0.05重量%未満では修飾された効果が充分
に発揮されず、また、5.0重量%より多くするためには
修飾するのに苛酷な条件が必要で、かえって動物毛粉末
を損傷させ、かつ修飾された動物毛粉末の感触が悪くな
り価値がうすくなる。
本発明の修飾された動物毛粉末は、その化学構造中に
高級炭化水素またはシロキサン構造を含むものであるた
め、油性成分と馴染みやすく、そのため油性成分ととも
に化粧品組成物中に配合されたとき、皮膚上でよく広が
り、なめらかで油性成分を長時間にわたって皮膚上に保
つ作用がある。したがって、前述したように、化粧品基
剤として優れており、特にクリーム状、液状、固形など
のファンデーション類、クリームおしろい、固形おしろ
い、粉おしろい、タルカムパウダー、練りおしろい、ベ
ビーパウダー、ボディパウダー、水おしろい、口紅、リ
ップクリーム、アイシャドー、アイライナー、ほお紅、
マスカラ、まゆ墨、粉末香水等の粉体原料として好適に
使用できる。また、本発明の修飾された動物毛粉末は、
優れた乳化作用を有するので、乳化剤としても使用する
ことができる。さらに本発明の修飾された動物毛粉末
は、それ自体が色素を含有しているものはそのままの形
で、またそれ自体が色素を含有していないかまたは所望
の色調でないものは適当に染色した後で、それらの有色
または着色物を顔料または染料として使用することがで
きる。
高級炭化水素またはシロキサン構造を含むものであるた
め、油性成分と馴染みやすく、そのため油性成分ととも
に化粧品組成物中に配合されたとき、皮膚上でよく広が
り、なめらかで油性成分を長時間にわたって皮膚上に保
つ作用がある。したがって、前述したように、化粧品基
剤として優れており、特にクリーム状、液状、固形など
のファンデーション類、クリームおしろい、固形おしろ
い、粉おしろい、タルカムパウダー、練りおしろい、ベ
ビーパウダー、ボディパウダー、水おしろい、口紅、リ
ップクリーム、アイシャドー、アイライナー、ほお紅、
マスカラ、まゆ墨、粉末香水等の粉体原料として好適に
使用できる。また、本発明の修飾された動物毛粉末は、
優れた乳化作用を有するので、乳化剤としても使用する
ことができる。さらに本発明の修飾された動物毛粉末
は、それ自体が色素を含有しているものはそのままの形
で、またそれ自体が色素を含有していないかまたは所望
の色調でないものは適当に染色した後で、それらの有色
または着色物を顔料または染料として使用することがで
きる。
そして、本発明の修飾された動物毛粉末は、動物毛を
構成するケラチン蛋白がシスチン含有量が高く、シスチ
ン残基やその他の官能性側鎖を多量に有するので、金属
等との反応性に富むという性質を利用して、そのままあ
るいは適当な処理を施した後で、重金属(水銀、銅、カ
ドミウム、クロム等)吸着剤、重金属分離用クロマトグ
ラフィー担体、飼料、医用高分子、酵素等の固定化用担
体、アフィニティークロマトグラフィー用担体、医薬品
基剤として使用することもできる。
構成するケラチン蛋白がシスチン含有量が高く、シスチ
ン残基やその他の官能性側鎖を多量に有するので、金属
等との反応性に富むという性質を利用して、そのままあ
るいは適当な処理を施した後で、重金属(水銀、銅、カ
ドミウム、クロム等)吸着剤、重金属分離用クロマトグ
ラフィー担体、飼料、医用高分子、酵素等の固定化用担
体、アフィニティークロマトグラフィー用担体、医薬品
基剤として使用することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本
発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例
を説明するにあたって、該実施例で用いる動物毛粉末の
調製方法を参考例として先に説明する。
発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例
を説明するにあたって、該実施例で用いる動物毛粉末の
調製方法を参考例として先に説明する。
(1) 参考例〔動物毛(羊毛)粉末の調製〕 通常の方法によって脱脂・洗浄し、あらかじめ細切し
たメリノー種の羊毛50kgを、真空式粉砕装置(成和化
成:SWM−48型)の循環式改良装置の被粉砕物収容器に装
填し、系内を真空(5mmHg)とした後、5.5KWhおよび300
0rpmの条件で6時間運転して粉砕を行った。なお、この
装置を循環させずに同様に粉砕を行った場合の所用時間
は2時間であったので、この処理によって平均3回の繰
り返し粉砕処理が行なわれたことになる。
たメリノー種の羊毛50kgを、真空式粉砕装置(成和化
成:SWM−48型)の循環式改良装置の被粉砕物収容器に装
填し、系内を真空(5mmHg)とした後、5.5KWhおよび300
0rpmの条件で6時間運転して粉砕を行った。なお、この
装置を循環させずに同様に粉砕を行った場合の所用時間
は2時間であったので、この処理によって平均3回の繰
り返し粉砕処理が行なわれたことになる。
続いて、強制渦遠心分級装置〔日清エンジニアリン
グ:TC−15N型(分離径20μm)〕を用いて分級を行な
い、20μm以下の微粉末4.5kgを得た。
グ:TC−15N型(分離径20μm)〕を用いて分級を行な
い、20μm以下の微粉末4.5kgを得た。
こうして得られた微粉末は実質的にキューティクルを
主成分とするものと考えられる。その理由は以下のとお
りである。
主成分とするものと考えられる。その理由は以下のとお
りである。
(a) 微粉末はアミノ酸組成が、原料の羊毛のキュー
ティクルのアミノ酸組成と良く一致する(後記アミノ酸
分析の項参照)。
ティクルのアミノ酸組成と良く一致する(後記アミノ酸
分析の項参照)。
(b) 得られた微粉末を走査型電子顕微鏡(日本電
子:JSMM−T100型)により観察したところ、微粉末の形
状が隣片状であり、キューティクルの形状と一致する。
子:JSMM−T100型)により観察したところ、微粉末の形
状が隣片状であり、キューティクルの形状と一致する。
(c) 微粉末の収率が羊毛におけるキューティクルの
重量比率(約1割)にほぼ一致する。
重量比率(約1割)にほぼ一致する。
アミノ酸分析 羊毛粉末の出発原料であるメリノー種羊毛10mgおよび
生成物である微粉末10mgを加水分解用の試験管にそれぞ
れ精秤し、6N塩酸2mlを加え、真空にしてから封管し
た。続いて110℃で24時間完全加水分解した。得られた
分解液を減圧濃縮して脱塩酸したのち、希釈してアミノ
酸分析用試料とした。これらの試料を全自動高速アミノ
酸分析機JLC−300(日本電子)で分析した。データ処理
はデータ処理装置7000B(システムインスツルメンツ)
によって行った。得られた結果は第1表に示すとおりで
ある。
生成物である微粉末10mgを加水分解用の試験管にそれぞ
れ精秤し、6N塩酸2mlを加え、真空にしてから封管し
た。続いて110℃で24時間完全加水分解した。得られた
分解液を減圧濃縮して脱塩酸したのち、希釈してアミノ
酸分析用試料とした。これらの試料を全自動高速アミノ
酸分析機JLC−300(日本電子)で分析した。データ処理
はデータ処理装置7000B(システムインスツルメンツ)
によって行った。得られた結果は第1表に示すとおりで
ある。
第1表から明らかなとおり、参考例の微粉末(羊毛粉
末)ではセリン、シスチンおよびプロリンが多く、これ
を文献値と比較すると、キューティクル含量が多いこと
が分かる。
末)ではセリン、シスチンおよびプロリンが多く、これ
を文献値と比較すると、キューティクル含量が多いこと
が分かる。
(2) 実施例(羊毛粉末の修飾) 参考例で得られた羊毛粉末を用いて以下の修飾された
羊毛粉末を調製した。
羊毛粉末を調製した。
実施例1 羊毛粉末10gを250mlのイソプロピルアルコール中に攪
拌して分散させ、ラウリルメルカプタン1gを加えた。24
時間室温で攪拌を行った後、減圧濾過によって濾紙上に
羊毛粉末を回収して、イソプロピルアルコール100mlで
洗浄したのち、乾燥して、修飾された羊毛粉末、つまり
ラウリルメルカプタンが羊毛粉末とジスルフィド結合を
形成することによって修飾された羊毛粉末を得た。
拌して分散させ、ラウリルメルカプタン1gを加えた。24
時間室温で攪拌を行った後、減圧濾過によって濾紙上に
羊毛粉末を回収して、イソプロピルアルコール100mlで
洗浄したのち、乾燥して、修飾された羊毛粉末、つまり
ラウリルメルカプタンが羊毛粉末とジスルフィド結合を
形成することによって修飾された羊毛粉末を得た。
実施例2 イソプロピルアルコールの代わりにメタノールを用
い、ラウリルメルカプタンの代わりに(2−メルカプト
エチル)ラウロイルアミドを用いたほかは実施例1と同
様にして、修飾された羊毛粉末、つまりN−ラウロイル
−2−アミノエチルメルカプタンが羊毛粉末とジフルフ
ィド結合を形成することによって修飾された羊毛粉末を
得た。
い、ラウリルメルカプタンの代わりに(2−メルカプト
エチル)ラウロイルアミドを用いたほかは実施例1と同
様にして、修飾された羊毛粉末、つまりN−ラウロイル
−2−アミノエチルメルカプタンが羊毛粉末とジフルフ
ィド結合を形成することによって修飾された羊毛粉末を
得た。
実施例3 羊毛粉末10gを250mlのイソプロピルアルコール中に攪
拌して分散させ、この液に50%(重量%、以下同様)チ
オグリコール酸アンモニウム水溶液2gを加えて1時間攪
拌した。つぎにステアリルメルカプタン2gを加えてさら
に2時間攪拌した後、35%過酸化水素水溶液0.5gを加え
て2時間攪拌した。減圧濾過によって濾紙上に羊毛粉末
を回収して、イソプロピルアルコール100mlで洗浄した
のち、乾燥して、修飾された羊毛粉末、つまりステアリ
ルメルカプタンが羊毛粉末とジスルフィド結合を形成す
ることによって修飾された羊毛粉末を得た。
拌して分散させ、この液に50%(重量%、以下同様)チ
オグリコール酸アンモニウム水溶液2gを加えて1時間攪
拌した。つぎにステアリルメルカプタン2gを加えてさら
に2時間攪拌した後、35%過酸化水素水溶液0.5gを加え
て2時間攪拌した。減圧濾過によって濾紙上に羊毛粉末
を回収して、イソプロピルアルコール100mlで洗浄した
のち、乾燥して、修飾された羊毛粉末、つまりステアリ
ルメルカプタンが羊毛粉末とジスルフィド結合を形成す
ることによって修飾された羊毛粉末を得た。
実施例4 イソプロピルアルコールの代わりにメタノールを用
い、ステアリルメルカプタンの代わりに(2−メルカプ
トエチル)ミリストイルアミドを用いたほかは実施例3
と同様にして、修飾された羊毛粉末、つまりN−ミリス
トイル−2−アミノエチルメルカプタンが羊毛粉末とジ
スルフィド結合を形成することによって修飾された羊毛
粉末を得た。
い、ステアリルメルカプタンの代わりに(2−メルカプ
トエチル)ミリストイルアミドを用いたほかは実施例3
と同様にして、修飾された羊毛粉末、つまりN−ミリス
トイル−2−アミノエチルメルカプタンが羊毛粉末とジ
スルフィド結合を形成することによって修飾された羊毛
粉末を得た。
実施例5 ラウリルメルカプタンの代わりに3−メルカプトプロ
ピル変性ジメチルポリシロキサン(商品名X−22−98
0、信越シリコーン(株))2gを用いたほかは実施例1
と同様にして、修飾された羊毛粉末、つまり3−(ジメ
チルポリシロキサン)プロピルメルカプタンが羊毛粉末
とジスルフィド結合を形成することによって修飾された
羊毛粉末を得た。
ピル変性ジメチルポリシロキサン(商品名X−22−98
0、信越シリコーン(株))2gを用いたほかは実施例1
と同様にして、修飾された羊毛粉末、つまり3−(ジメ
チルポリシロキサン)プロピルメルカプタンが羊毛粉末
とジスルフィド結合を形成することによって修飾された
羊毛粉末を得た。
実施例6 ステアリルメルカプタンの代わりに3−メルカプトプ
ロピル変性ジメチルポリシロキサン(商品名X−22−98
0、信越シリコーン(株))2gを用いたほかは実施例3
と同様にして、修飾された羊毛粉末、つまり3−(ジメ
チルポリシロキサン)プロピルメルカプタンが羊毛粉末
とジスルフィド結合を形成することによって修飾された
羊毛粉末を得た。
ロピル変性ジメチルポリシロキサン(商品名X−22−98
0、信越シリコーン(株))2gを用いたほかは実施例3
と同様にして、修飾された羊毛粉末、つまり3−(ジメ
チルポリシロキサン)プロピルメルカプタンが羊毛粉末
とジスルフィド結合を形成することによって修飾された
羊毛粉末を得た。
(3) 含有量の測定 修飾された羊毛粉末中の高級炭化水素機を構造式に含
むメルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイ
ルの含有量、つまり、修飾された羊毛粉末中の羊毛粉末
とジスルフィド結合を形成している高級炭化水素基を構
造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性シリコ
ーンオイルの量(%)を以下の方法によって決めた。
むメルカプタン類またはメルカプト変性シリコーンオイ
ルの含有量、つまり、修飾された羊毛粉末中の羊毛粉末
とジスルフィド結合を形成している高級炭化水素基を構
造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性シリコ
ーンオイルの量(%)を以下の方法によって決めた。
実施例1〜6によって修飾された各羊毛粉末の1gを、
クロロホルム40mlとメタノール10mlの混液に50%チオグ
リコール酸アンモニウム0.2gを加えた液に分散させ1時
間攪拌した。このようにして還元剤を作用させることに
より、羊毛粉末中に導入さていた高級炭化水素基を構造
式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性シリコー
ンオイルを羊毛粉末から抽出し、その抽出液を濾過して
羊毛粉末を濾別し、さらにクロロホルム20mlで洗浄後、
その濾液を分液ロートに移し、1%炭酸水素ナトリウム
水溶液30mlで3回洗浄し、最後に水30mlで洗浄を行って
チオグリコール酸アンモニウムを除去した。この液を、
無水硫酸マグネシウム1gを用いて脱水した後、減圧濃縮
し、さらに真空乾固して乾燥残分を定量した。その結果
から、別に50%チオグリコール酸アンモニウム0.2gを加
えなかったほかは全く同様にして乾燥残分を定量した結
果を差し引くことによって、修飾された羊毛粉末中の羊
毛粉末とジスルフィド結合を形成している高級炭化水素
基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性
シリコーンオイルの量(%)を求めた。その結果を第2
表に示す。
クロロホルム40mlとメタノール10mlの混液に50%チオグ
リコール酸アンモニウム0.2gを加えた液に分散させ1時
間攪拌した。このようにして還元剤を作用させることに
より、羊毛粉末中に導入さていた高級炭化水素基を構造
式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性シリコー
ンオイルを羊毛粉末から抽出し、その抽出液を濾過して
羊毛粉末を濾別し、さらにクロロホルム20mlで洗浄後、
その濾液を分液ロートに移し、1%炭酸水素ナトリウム
水溶液30mlで3回洗浄し、最後に水30mlで洗浄を行って
チオグリコール酸アンモニウムを除去した。この液を、
無水硫酸マグネシウム1gを用いて脱水した後、減圧濃縮
し、さらに真空乾固して乾燥残分を定量した。その結果
から、別に50%チオグリコール酸アンモニウム0.2gを加
えなかったほかは全く同様にして乾燥残分を定量した結
果を差し引くことによって、修飾された羊毛粉末中の羊
毛粉末とジスルフィド結合を形成している高級炭化水素
基を構造式に含むメルカプタン類またはメルカプト変性
シリコーンオイルの量(%)を求めた。その結果を第2
表に示す。
第2表に示すとおり、実施例1〜6で修飾された羊毛
粉末からは高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン
類またはメルカプト変性シリコーンオイルのいずれかが
定量されたが、そのうち還元剤として50%チオグリコー
ル酸アンモニウム水溶液を用い、酸化剤として35%過酸
化水素水溶液を用いた実施例3〜4および実施例6では
その含有量が多いことが確認された。
粉末からは高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタン
類またはメルカプト変性シリコーンオイルのいずれかが
定量されたが、そのうち還元剤として50%チオグリコー
ル酸アンモニウム水溶液を用い、酸化剤として35%過酸
化水素水溶液を用いた実施例3〜4および実施例6では
その含有量が多いことが確認された。
(4) 粒度の測定 前述した方法によって参考例の羊毛粉末および実施例
1〜6で修飾された羊毛粉末の粒度を測定した。その結
果を第3表に示す。
1〜6で修飾された羊毛粉末の粒度を測定した。その結
果を第3表に示す。
第3表に示すように、参考例の羊毛粉末も、実施例1
〜6で修飾された羊毛粉末も、平均長径、平均二軸平
均、平均厚さ、アスペクト比がそれほど変わらず、化学
修飾によっても、粒度の変化はほとんどなかった。
〜6で修飾された羊毛粉末も、平均長径、平均二軸平
均、平均厚さ、アスペクト比がそれほど変わらず、化学
修飾によっても、粒度の変化はほとんどなかった。
(5) 吸油量と吸水量の測定 粉体が液体を吸収し得る量の限度は通常吸液量と言わ
れ、粉体100gに液体を少量ずつ加えて練り合わせながら
粉体を状況を観察し、ばらばらな分散状態からひとつの
魂を成す点を見出し、そのときまでに加えた液体の重量
(g)をその粉体の吸液量としている。吸液量は液体の
表面の性質により大きく変化するが、特に粒子の大きさ
の影響が大きく、粒度が小さいほど吸液量が大きいとさ
れている。
れ、粉体100gに液体を少量ずつ加えて練り合わせながら
粉体を状況を観察し、ばらばらな分散状態からひとつの
魂を成す点を見出し、そのときまでに加えた液体の重量
(g)をその粉体の吸液量としている。吸液量は液体の
表面の性質により大きく変化するが、特に粒子の大きさ
の影響が大きく、粒度が小さいほど吸液量が大きいとさ
れている。
この吸液量として、蒸溜水を用いて吸水量を測定し、
流動パラフィンおよびミリスチン酸イソプロピルを油と
して用いて吸油量を測定した結果を次の第4表に示す。
なお、比較のために化粧品に汎用されているタルクおよ
び酸化チタンについての結果を併記した。
流動パラフィンおよびミリスチン酸イソプロピルを油と
して用いて吸油量を測定した結果を次の第4表に示す。
なお、比較のために化粧品に汎用されているタルクおよ
び酸化チタンについての結果を併記した。
第4表に示すように、実施例1〜6の修飾された羊毛
粉末の吸油量(流動パラフィンやミリスチン酸イソプロ
ピルの吸液量)は、参考例の羊毛粉末より多い。そし
て、実施例1〜6の修飾された羊毛粉末の吸水量は、参
考例の羊毛粉末に比較してやや減少したが、タルクや酸
化チタンよりは多かった。このように、実施例1〜6の
修飾された羊毛粉末は、吸液量(吸油量、吸水量)が多
く、化粧品用粉体原料等として優れていることが確認さ
れた。
粉末の吸油量(流動パラフィンやミリスチン酸イソプロ
ピルの吸液量)は、参考例の羊毛粉末より多い。そし
て、実施例1〜6の修飾された羊毛粉末の吸水量は、参
考例の羊毛粉末に比較してやや減少したが、タルクや酸
化チタンよりは多かった。このように、実施例1〜6の
修飾された羊毛粉末は、吸液量(吸油量、吸水量)が多
く、化粧品用粉体原料等として優れていることが確認さ
れた。
(7) 応用例 (7)−1 パウダーファンデーション 本発明の修飾された羊毛粉末(実施例1)を用いて以
下の処方からなるパウダーファンデーションを調製し
た。
下の処方からなるパウダーファンデーションを調製し
た。
(重量%) 修飾された羊毛粉末(実施例1) 33.0 タルク 25.0 酸化チタン 10.0 白雲母 20.0 赤色酸化鉄 0.4 黄色酸化鉄 1.2 黒色酸化鉄 0.1 イソパルミチン酸2−エチルヘキシル 7.8 シリコーンオイル 1.2 セスキステアリン酸ソルビタン 1.0 プロピルパラベン 0.3 香料 適量 上記処方からなるパウダーファンデーションは、修飾
された羊毛粉末(実施例1)の代わりに参考例の羊毛粉
末を33.0%加えて調製した対照品に比べて、のび、密着
感に優れ、化粧くずれが少なかった。
された羊毛粉末(実施例1)の代わりに参考例の羊毛粉
末を33.0%加えて調製した対照品に比べて、のび、密着
感に優れ、化粧くずれが少なかった。
(7)−2 粉おしろい 本発明の修飾された羊毛粉末(実施例2)を用いて以
下の処方からなる粉おしろいを調製した。
下の処方からなる粉おしろいを調製した。
(重量%) 修飾された羊毛粉末(実施例2) 33.0 タルク 40.0 カオリン 21.0 酸化チタン 1.0 ステアリン酸亜鉛 2.0 炭酸マグネシウム 3.0 着色料 適量 香料 適量 上記処方からなる粉おしろいは、修飾された羊毛粉末
(実施例2)の代わりに参考例の羊毛粉末を同量加えて
調製した対照品に比べて、のび、密着感に優れ、皮膚に
馴染み易く、肌がきれいに仕上がった。
(実施例2)の代わりに参考例の羊毛粉末を同量加えて
調製した対照品に比べて、のび、密着感に優れ、皮膚に
馴染み易く、肌がきれいに仕上がった。
(8)−3 スティック状口紅 本発明の修飾された羊毛粉末(実施例3)を用いて以
下の処方からなるスティック状口紅を調製した。
下の処方からなるスティック状口紅を調製した。
(重量%) 修飾された羊毛粉末(実施例3) 5.0 カルナウバワックス 10.0 セレシン 12.0 ミツロウ 20.0 ラノリン 8.0 水添ヒマシ油 28.0 ステアリン酸2−エチルヘキシル 10.0 セタノール 4.0 赤色酸化鉄 2.0 黄色酸化鉄 0.5 赤色204号 0.4 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1 香料 適量 上記処方からなるスティック状口紅は、修飾された羊
毛粉末(実施例3)の代わりに参考例の羊毛粉末を同量
加えて調製した対照品に比べて、のび、密着感に優れ、
化粧くずれ、長期にわたる保存によっても表面に油滴の
生成がなく製品としての安定性が優れていた。
毛粉末(実施例3)の代わりに参考例の羊毛粉末を同量
加えて調製した対照品に比べて、のび、密着感に優れ、
化粧くずれ、長期にわたる保存によっても表面に油滴の
生成がなく製品としての安定性が優れていた。
(8)−4 練り状ほお紅 本発明の修飾された羊毛粉末(実施例4)を用いて以
下の処方からなる練り状ほお紅を調製した。
下の処方からなる練り状ほお紅を調製した。
(重量%) 修飾された羊毛粉末(実施例4) 5 ワセリン 60 ラノリン 15 オゾケライト 5 タルク 10 顔料 5 酸化防止剤 適量 香料 適量 上記処方からなる練り状ほお紅は、修飾された羊毛粉
末(実施例4)の代わりに参考例の羊毛粉末を同量加え
て調製した対照品に比べて、のび、密着感に優れ、化粧
くずれせず、長期にわたる保存によっても表面に油滴の
生成がなく製品としての安定性が優れていた。
末(実施例4)の代わりに参考例の羊毛粉末を同量加え
て調製した対照品に比べて、のび、密着感に優れ、化粧
くずれせず、長期にわたる保存によっても表面に油滴の
生成がなく製品としての安定性が優れていた。
(8)−5 マスカラ 本発明の修飾された羊毛粉末(実施例5)を用いて以
下の処方からなるマスカラを調製した。
下の処方からなるマスカラを調製した。
(重量%) 修飾された羊毛粉末(実施例5) 4 ステアリン酸トリエタノールアミン 40 カルナウバワックス 15 パラフィン 10 ラノリン 8 イソステアリン酸イソプロピル 3 黒色酸化鉄 20 上記処方からなるマスカラは、修飾された羊毛粉末
(実施例5)の代わりに参考例の羊毛粉末を同量加えて
調製した対照品に比べて、密着感に優れ、皮膚に馴染み
易く、化粧くずれが少なかった。
(実施例5)の代わりに参考例の羊毛粉末を同量加えて
調製した対照品に比べて、密着感に優れ、皮膚に馴染み
易く、化粧くずれが少なかった。
(8)−6 スティック状アイシャドー 本発明の修飾された羊毛粉末(実施例6)を用いて以
下の処方からなるスティック状アイシャドーを調製し
た。
下の処方からなるスティック状アイシャドーを調製し
た。
(重量%) 修飾された羊毛粉末(実施例6) 4 オゾケライト 38 流動パラフィン 38 キャンデリラワックス 8 セタノール 9 ステアリン酸イソプロピル 3 顔料 適量 防腐剤 適量 香料 適量 上記処方からなるスティック状アイシャドーは、修飾
された羊毛粉末(実施例6)の代わりに参考例の羊毛粉
末を同量加えて調製した対照品に比べて、密着感に優
れ、皮膚に馴染み易く、化粧くずれが少なかった。
された羊毛粉末(実施例6)の代わりに参考例の羊毛粉
末を同量加えて調製した対照品に比べて、密着感に優
れ、皮膚に馴染み易く、化粧くずれが少なかった。
Claims (3)
- 【請求項1】高級炭化水素基を構造式に含むメルカプタ
ン類またはメルカプト変性シリコーンオイルが動物毛粉
末中のシスチン側鎖と反応し、高級炭化水素基を構造式
に含むメルカプタン類またはメルカプト変性シリコーン
オイルが動物毛粉末とジスルフィド結合を形成すること
によって修飾された動物毛粉末。 - 【請求項2】平均長径30μm以下およびアスペクト比4
以上である特許請求の範囲第1項記載の修飾された動物
毛粉末。 - 【請求項3】修飾された動物毛粉末中の動物毛粉末とジ
スルフィド結合を形成している高級炭化水素基を構造式
に含むメルカプタン類またはメルカプト変性シリコーン
オイルの量が0.05〜5.0重量%である特許請求の範囲第
1項記載の修飾された動物毛粉末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33383887A JP2573007B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 修飾された動物毛粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33383887A JP2573007B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 修飾された動物毛粉末 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01174528A JPH01174528A (ja) | 1989-07-11 |
JP2573007B2 true JP2573007B2 (ja) | 1997-01-16 |
Family
ID=18270507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33383887A Expired - Lifetime JP2573007B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 修飾された動物毛粉末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2573007B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9506926D0 (en) * | 1995-04-04 | 1995-05-24 | Croda Int Plc | Cystine-siicone copolymers and their use for treating keratin substrates |
GB9614871D0 (en) * | 1996-07-15 | 1996-09-04 | Smithkline Beecham Plc | Compounds |
US7439012B2 (en) | 2004-08-17 | 2008-10-21 | Wake Forest University Health Sciences | Ambient stored blood plasma expanders containing keratose |
US8920827B2 (en) | 2005-10-21 | 2014-12-30 | Wake Forest University Health Sciences | Keratin bioceramic compositions |
WO2007095151A2 (en) | 2006-02-10 | 2007-08-23 | Wake Forest University Health Sciences | Nerve regeneration employing keratin biomaterials |
US8273702B2 (en) | 2006-02-17 | 2012-09-25 | Wake Forest University Health Sciences | Wound healing compositions containing keratin biomaterials |
JP2009527274A (ja) | 2006-02-17 | 2009-07-30 | ウェイク・フォレスト・ユニヴァーシティ・ヘルス・サイエンシズ | ケラチン医用生体材料から形成されるコーティングおよび生体用インプラント |
WO2010093882A1 (en) | 2009-02-13 | 2010-08-19 | Wake Forest University Health Sciences | Keratin biomaterials for cell culture and methods of use |
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-
1987
- 1987-12-28 JP JP33383887A patent/JP2573007B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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