JP2565805Y2 - サッシ窓用排水装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、サッシ枠に吹き付け
る雨水等を裏洩りしないように排水するサッシ窓用排水
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】躯体の室外側開口部に取付けるサッシ窓
にあっては、サッシ枠の組立てにおいて、枠材の接合部
から室内に雨水が浸透しないように工夫されていると共
に、サッシ枠の取付けにおいても、室内にも雨水が浸透
しないよう種々の工夫がなされている。（例えば実開昭
63-46503号公報、実開平1-131789号公報）又浴室の出入
口に取付ける浴室サッシにあっては、サッシに付着する
蒸気や結露水を浴室内側に排水し得るように工夫されて
いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来のサッシ窓にあっ
ては、サッシ縦枠材より内周向きに突出する側片と、そ
の側片に設けた袋溝を下枠材の天板まで達するように切
欠き、袋溝にタイト材を嵌挿するものであるから、側片
と袋溝に吹き付けた雨水が室内側まで達する問題点があ
った。又浴室出入口に取付ける浴室サッシにあっても、
同様の問題点があった。本考案は、従来技術の有するこ
のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的
とするところは、サッシ枠に吹き付ける雨水等を確実に
室外、又は浴室内に排水し得るようにした排水装置を提
供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案におけるサッシ窓用排水装置は、サッシ縦枠
材の内周側に内向壁を突出し、該先部にタイト材を室外
向きに嵌挿する袋溝を設け、サッシ下枠材の天板を縦枠
材の袋溝まで延長し、天板より垂下する立上壁を縦枠材
内向壁の室内側に位置するように設け、立上壁の下部に
袋溝の下端を塞ぐ段壁と、段壁より室外に向けて下降傾
斜する斜壁、斜壁の先より垂下する水切壁を設け、天板
の室外側両端部に立上壁まで達する切欠部を形成し、こ
の切欠部に縦枠材の袋溝付き内向壁を嵌挿し、縦枠材よ
り下枠材の立上壁に沿って雨水等を排水し得るようにし
たものである。

【０００５】

【実施例】本考案におけるサッシ窓用排水装置は室外側
開口部に取付けるサッシ枠Ｆと、浴室の出入口に取付け
るサッシ枠Ｆに設けるもので、サッシ枠Ｆにドアや折畳
ドア等の遮蔽体Ｄを開閉可能に取付けるか、片引戸等の
遮蔽体Ｄを走行可能に嵌挿するものである。サッシ枠Ｆ
は実施例の図面に示す如く上枠材１と下枠材２、及び左
右の縦枠材３より構成されている。

【０００６】上枠材１は従来と同様に、主壁10より外周
側に取付壁12を突出し、内周側に内向壁11を突出し、該
内向壁11の先部に室外向きに開口する袋溝６を形成す
る。左右の縦枠材３は主壁30より外周側に取付壁32を突
出し、内周側に内向壁31を突出し、該内向壁31の先部に
室外向きに開口する袋溝８を形成するもので、この袋溝
８を上枠材１の袋溝６と一致するように形成し、両袋溝
６，８にタイト材Ｔを夫々嵌挿するものである。

【０００７】下枠材２は天板20を縦枠材３の袋溝８まで
延長し、天板20に縦枠材内向壁31の室外側に重なる立上
壁21を垂下し、立上壁21の下部に袋溝８の下端を塞ぐ段
壁23を設け、段壁23より室外に向けて斜壁24を下降傾斜
し、その先に水切壁25を垂下し、斜壁24より外周側に取
付壁22を突設するもので、天板20の室外側両端部を立上
壁21まで切取り、縦枠材３の袋溝８付き内向壁31を嵌挿
する切欠部５を形成するものである。

【０００８】本考案の排水装置は上記構造であるから、
予め下枠材２の天板20の室外側両端部に、縦枠材３の内
向壁31が嵌挿し得る大きさの切欠部５を設けておく一
方、縦枠材３の袋溝８付き内向壁31を、下枠材２の段壁
23に達するように切り残し、その下枠材２と縦枠材３を
用いて上枠材１と組立て、サッシ枠Ｆを構成するもので
ある。

【０００９】サッシ枠Ｆの組立てにより、縦枠材３の袋
溝８付き内向壁31が下枠材天板20の切欠部５に嵌挿し、
下端が下枠材２の段壁23に当接する。このサッシ枠Ｆに
雨水が吹付けた場合、縦枠材３の内向壁31と袋溝８に吹
付けた雨水は、内向壁31と袋溝８に沿って下枠材２の段
壁23まで流れ落ち、段壁23より水切壁25に排水されるの
で、天板20より室内側に周り込むことはない。

【００１０】折畳式ドアの遮蔽体Ｄを嵌挿するサッシ枠
Ｆや、遮蔽体Ｄを片引式に嵌挿するサッシ枠Ｆにあって
は、上枠材１の主壁10と下枠材２の斜壁24にレール17，
27を相対設するものである。サッシ枠Ｆを構成する上枠
材１と下枠材２、及び縦枠材３は、従来と同様に軽金属
より押出し成形するものである。

【００１１】

【考案の効果】本考案のサッシ窓用排水装置は、上記の
とおり構成されているので、次に記載する効果を奏す
る。サッシ下枠材の天板の室外側両端部を切取り、その
切欠部にサッシ縦枠材の袋溝付き内向壁を嵌挿するもの
であるから、サッシ縦枠材に吹付けた雨水は、内向壁と
袋溝に沿って下枠材の段壁まで流れ落ち、水切壁より室
外に排水される。その結果、縦枠材に吹付けた雨水等が
天板より室内側に周り込むことがなくなる。

【００１２】本考案の排水装置を浴室サッシに応用すれ
ば、サッシ縦枠材の内向壁と袋溝に付着した蒸気や結露
水を浴室内に排水することができる。しかも本考案の排
水装置は主に下枠材の改良にて構成するものであるか
ら、サッシ枠の組立ても容易であるし、躯体に対する取
付けも至って簡単であるばかりか、安価に提供し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案サッシ窓用排水装置の構造例を示す要部斜
視図である。

【図２】の（Ａ）（Ｂ） 排水装置の正面図と縦断面図である。

【図３】図２の横断面図である。

【図４】の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ） サッシ窓の縦断面図と上枠材の側面図、及び下枠材の側
面図である。

【図５】の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ） サッシ窓の横断面図と縦枠材の側面図、及び下枠材の平
面図である。

【図６】従来排水装置の要部斜視図である。

【図７】従来排水装置の要部斜視図である。

【符号の説明】

１ 上枠材 ２ 下枠材 ３ 縦枠材 ５ 切欠部 ６，８ 袋溝 11，31 内向壁、12,22,32 取付壁 20 天板、21 立上壁、23 段壁、24 斜壁、25 水切
壁 Ｆ サッシ枠、Ｄ 遮蔽体、Ｔ タイト材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 サッシ縦枠材（３）の内周側に内向壁
   （31）を突出し、内向壁先部にタイト材（Ｔ）を室外向
   きに嵌挿する袋溝（８）を設け、サッシ下枠材（２）の
   天板（20）を縦枠材の袋溝まで延長し、天板より垂下す
   る立上壁（21）を縦枠材内向壁の室内側に位置するよう
   に設け、立上壁の下部に袋溝の下端を塞ぐ段壁（23）を
   形成し、段壁より室外に向けて下降傾斜する斜壁（24）
   を、その先に水切壁（25）を設け、天板の室外側両端部
   に立上壁まで達する切欠部（５）を形成し、この切欠部
   に縦枠材の袋溝付き内向壁を嵌挿し、縦枠材より下枠材
   の立上壁に沿って雨水等を排水し得るようにしたサッシ
   窓用排水装置。