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JP2561556B2 - リチウム二次電池用正極活物質 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質

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JP2561556B2
JP2561556B2 JP2221379A JP22137990A JP2561556B2 JP 2561556 B2 JP2561556 B2 JP 2561556B2 JP 2221379 A JP2221379 A JP 2221379A JP 22137990 A JP22137990 A JP 22137990A JP 2561556 B2 JP2561556 B2 JP 2561556B2
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lithium secondary
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リチウムまたはリチウム合金を負極活物質
とするリチウム二次電池用正極活物質に関する。
〔従来の技術〕
従来、リチウム二次電池などの非水電解質系二次電池
の正極活物質として、例えば五酸化バナジウムおよび超
電力の低い二硫化チタンや、そのほか電子導電性が比較
的低い二酸化マンガンなどが使用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前述したような五酸化バナジウムおよび二
硫化チタンを正極活物質として使用した場合には、材料
コストが嵩張って電池が高価となったり、二硫化チタン
のように超電力が低くくて電池特性上も好ましくないた
め、通常、安価で良好な超電力が得られる前記二酸化マ
ンガンが汎用されている。
しかし、この二酸化マンガンの正極活物質は、前述し
たように電子導電性が比較的低いために、電池の内部抵
抗が高くなり、また正極での電極反応(MnO2+Li++e-
→LiMnO2)が充分に進まず、利用率が低下していた。
本発明は、マンガンを含む正極の電子導電性を向上さ
せることにより、内部抵抗の低下および利用率の向上を
図ることができるリチウム二次電池用正極活物質を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、リチウムまたはリチウム合金を負極活物質
とするリチウム二次電池用正極活物質において、下記組
成式(I)で表され、かつMn、Co、Niの原子比が、添付
第1図に示す点A(x=0.95、y=0.05、z=0)、点
B(x=0.05、y=0.95、z=0)、点C(x=0、y
=0.95、z=0.05)、点D(x=0、y=0.66、z=0.
34)、点E(x=0.66、y=0、z=0.34)、点F(x
=0.95、y=0、z=0.05)で囲まれる範囲内(但し、
z=0である範囲、およびy=0であって、xが0.75〜
0.95、かつzが0.05〜0.25である範囲を除く)にある酸
化物であって、酸素雰囲気下で焼成されてなるリチウム
二次電池用正極活物質を提供するものである。
LiMnxCoyNizO2 ……(I) (x+y+z=1) 本発明の正極活物質において、Mn、Co、Niの原子比
は、点A→B→C→D→E→F→Aで囲まれる範囲内
(但し、z=0である範囲、およびy=0であって、x
が0.75〜0.95、かつzが0.05〜0.25である範囲を除く)
にあり、点A〜F線上よりMnが多くなると、電気伝導度
が低下し、MnO2と同等の利用率となり、また点B〜C線
上よりCoが多くなると、サイクル安定性が著しく劣化
し、さらに点D〜E線上よりNiが多くなると放電容量が
著しく低下するため、いずれも好ましくない。
本発明では、前記点A〜Fの範囲(但し、z=0であ
る範囲、およびy=0であって、xが0.75〜0.95、かつ
zが0.05〜0.25である範囲を除く)の原子比の酸化物を
使用することでマンガンを含む正極の電子導電性を向上
させることができ、これによりリチウム二次電池の内部
抵抗の低下および利用率の向上を図ることができる。
この正極活物質を用いて正極を作製する場合、正極活
物質の粒径は必ずしも制限されないが、平均粒径が5μ
m以下のものを用いることにより高性能の正極を作るこ
とができる。この場合、これらの粉末に対し、アセチレ
ンブラックなどの導電剤やフッ素樹脂粉末などの結着剤
などを添加混合し、有機溶剤で混錬りし、ロールで圧延
し、乾燥するなどの方法により正極を作製することがで
きる。なお、導電剤の混合量は、正極活物質100重量部
に対し5〜50重量部、特に7〜10重量部とすることがで
き、本発明にあってはその正極活物質の導電性が良好で
あるため、導電剤使用量を少なくすることができる。ま
た、結着剤の配合量は前記正極活物質100重量部に対し
て5〜10重量部とすることが好ましい。
本発明の正極活物質は、例えば炭酸リチウム、炭酸マ
ンガンおよび炭酸コバルトの混合物中にエタノールなど
の有機溶媒を加えて、ボールミルなどの粉砕手段で粉砕
し、乾燥後、酸素雰囲気下で温度750〜950℃で2〜6時
間程度焼成し、さらに前記有機溶媒を加えてボールミル
で粉砕し、乾燥することによって製造することができ
る。
なお、本発明の正極活物質を用いた二次電池に使用す
る非水系の電解質としては、正極活物質および負極活物
質に対して化学的に安定であり、かつリチウムイオンが
正極活物質と電気化学反応をするために移動できる非水
物質であればどのようなものでも使用でき、特にカチオ
ンとアニオンとの組み合わせによりなる化合物であっ
て、カチオンとしてはLi+、またアニオンの例としてはP
F6 -、AsF6 -、SbF6 -のようなVa族元素のハロゲン族元素
のハロゲン化物アニオン、I-(I3 -)、Br-、Cl-のよう
なハロゲンアニオン、ClO4 -のような過塩素酸アニオ
ン、HF2 -、CF3SO3 -、SCN-などのアニオンを有する化合
物などを挙げることができるが、必ずしもこれらのアニ
オンに限定されるものではない。このようなカチオン、
アニオンをもつ電解質の具体例としては、LiPF6、LiAsF
6、LiSbF6、LiBF4、LiClO4、LiI、LiBr、LiCl、LiAlC
l4、LiHF2、LiSCN、LiSO3CF3などが挙げられる。
これらのうちでは、特にLiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiCl
O4、LiSbF6、LiSO3CF3が好ましい。
なお、この非水電解質は、通常、溶媒により溶解され
た状態で使用され、この場合、溶媒は特に限定されない
が、比較的極性の大きい溶媒が良好に用いられる。具体
的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジオキソラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジ
エチレングリコールジメチルエーテルなどのグライム
類、r−ブチロラクタンなどのラクトン類、トリエチル
ホスフェートなどのリン酸エステル類、ホウ酸トリエチ
ルなどのホウ酸エステル類、スルホラン、ジメチルスル
ホキシドなどの硫黄化合物、アセトニトリルなどのニト
リル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
などのアミド類、硫酸ジメチル、ニトロメタン、ニトロ
ベンゼン、ジクロロエタンなどの1種または2種以上の
混合物を挙げることができる。これらのうちでは、特に
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチ
レンカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテ
トラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキソランお
よびγ−ブチロラクトンから選ばれた1種または2種以
上の混合溶媒が好適である。
さらに、この非水電解質としては、上記非水電解質を
例えばポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサ
イド、ポリエチレンオキサイドのイソシアネート架橋
体、エチレンオキサイドオリゴマーを側鎖に持つホスフ
ァゼンポリマーなどの重合体に含浸させた有機固体電解
質、Li3N、LiBCl4などの無機イオン誘導体、Li4SiO4、L
i3BO3などのリチウムガラスなどの無機固体電解質を用
いることもできる。
本発明の正極活物質を使用したリチウム二次電池を図
面を参照してさらに詳細に説明する。
すなわち、本発明の正極活物質を使用したリチウム二
次電池は、第2図に示すように開口部10aが負極蓋板20
で密封されたボタン形の正極ケース10内を微細孔を有す
るセパレータ30で区画し、区画された正極側空間内に正
極集電体40を正極ケース10側に配置した正極50が収納さ
れる一方、負極側空間内に負極集電体60を負極蓋板20側
に配置した負極70が収納されたものである。
前記負極70に使用される負極活物質としては、例えば
リチウムまたはリチウムを吸蔵、放出可能なリチウム合
金が用いられる。この場合、リチウム合金としては、リ
チウムを含むII a、II b、III a、IV a、V a族の金属ま
たはその2種以上の合金が使用可能であるが、特にリチ
ウムを含むAl、In、Sn、Pb、Bi、Cd、Znまたはこれらの
2種以上の合金が好ましい。
前記セパレータ30としては、多孔質で電解液を通した
り含んだりすることのできる、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリプロピレンやポリエチレンなどの合成
樹脂製の不織布および編布などを使用することができ
る。
なお、符号80は、正極ケース10の内周面に周設されて
負極蓋板20を絶縁支持するポリエチレン製の絶縁パッキ
ンである。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は必ずし
もこの実施例に限定されない。
比較例1 原子比でLi:Mn:Co=1:0.5:0.5になるようにLi2CO3、M
nCO3、CoCO3を秤量し、これに25重量%のエタノールを
加えてボールミルで2時間混合し、そののちこれを乾燥
し、酸素雰囲気中において750℃で2時間の熱処理を行
ない、次にまた50重量%のエタノールを加えてからボー
ルミルにて12時間粉砕することで粉末の正極活物質 (LiMn1/2Co1/2O2)を得た。
得られた正極活物質は、第3図のグラフの線イに示す
ように、後述する実施例1よりもバルク内のキャリア濃
度が低く、その結果、実施例1ほどの高伝導率は得られ
なかった。また、正極の電子導電性についても実施例1
よりも劣るものであり、リチウム二次電池の内部抵抗が
より高くなり、実施例1ほどの利用率は得られなかった この正極活物質100重量部に、導電剤としてアセチレ
ンブラックを10重量部および接着剤としてテフロンバイ
ンダーを10重量部加えて混合したのち、有機溶剤である
エタノールで混練りし、圧延ロールで約200μmに圧延
し、150℃で真空乾燥してから所定の径に打ち抜いたも
のを正極とした。
負極は、所定寸法に打ち抜いたアルミニウム板にリチ
ウムを圧着し、電解液中でアルニウム−リチウム合金化
したものを用い、またプロピレンカーボネートとジエチ
レングリコールジメチルエーテルの溶媒にLiClO4を1モ
ル/で溶媒したものを電解液として使用し、第1図に
示す電池を組み立てた。
この電池を充電放電5mAにおいて放電終止電圧2V、充
電終止電圧4Vで充放電を繰り返し、50サイクル目の放電
容量は、98Ahr/kgと実施例1ほどの高容量は得られなか
った。
実施例1 正極活物質の材料として原子比でLi:Mn:Ni:Co=1:0.3
3:0.17:0.5のLi2CO3、MnCO3、CoCO3、NiCO3・Ni(OH)
・4H2Oを使用した以外は、比較例1と同様にして正極
活物質(LiMn1/3Ni1/6Co1/2O2)を得た。
得られた正極活物質は、第3図のグラフの線ロに示す
ように比較例1の場合以上にバルク内のキャリア濃度が
増加してより高い導電率が得られ、これにより正極の電
子導電性の向上がなされてリチウム二次電池のより以上
の内部抵抗の低下および利用率の向上が図れた。
また、この正極活物質を使用して比較例1の場合と同
様にして電池を設けたところ、この電池の放電容量は10
3Ahr/kgと、より良好な結果が得られた。
比較例2 正極活物質の材料として原子比でLi:Mn=1:1のLi2C
O3、MnCO3を使用した以外は、比較例1および実施例2
と同様にして正極活物質(LiMnO2)を得た。
得られた正極活物質は、第3図のグラフの線ハに示す
ようにバルク内のキャリア濃度が低下して低導電率しか
得られず、正極の電子導電性が悪くてリチウム二次電池
の内部抵抗が高くなり、利用率が低かった。
また、この正極活物質を使用して比較例1および実施
例2の場合と同様にして電池を設けたところ、この電池
の放電容量は90Ahr/kgと低容量の結果が得られた。
〔発明の効果〕
本発明は、このようなものであるためマンガンを含む
正極の電子導電性を向上させることにより、内部抵抗の
低下および利用率の向上を図ることができるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のリチウム二次電池用正極活物質におけ
るMn、Co、Niの原子比を示す図、第2図は本発明のリチ
ウム二次電池用正極活物質を使用したリチウム二次電池
の一部断面図を含む正面図、第3図はリチウム二次電池
用正極活物質の導電率を示すグラフである。 50;正極

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムまたはリチウム合金を負極活物質
    とするリチウム二次電池用正極活物質において、下記組
    成式(I)で表され、かつMn、Co、Niの原子比が、添付
    第1図に示す点A(x=0.95、y=0.05、z=0)、点
    B(x=0.05、y=0.95、z=0)、点C(x=0、y
    =0.95、z=0.05)、点D(x=0、y=0.66、z=0.
    34)、点E(x=0.66、y=0、z=0.34)、点F(x
    =0.95、y=0、z=0.05)で囲まれる範囲内(但し、
    z=0である範囲、およびy=0であって、xが0.75〜
    0.95、かつzが0.05〜0.25である範囲を除く)にある酸
    化物であって、酸素雰囲気下で焼成されてなるリチウム
    二次電池用正極活物質。 LiMnxCoyNizO2 ……(I) (x+y+z=1)
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