JP2024526144A - 単回用量注射装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、埋め込まれたカートリッジを有する所定の固定量の１回の単回用量を排出する予め充填された単回用量注射装置に関し、ピストンロッドは、所定の移動距離を有し、カートリッジを固定するハウジング構造に対するピストンロッドの移動距離の位置が、個々の注射装置ごとに個別に調節可能である。【選択図】図１Ｂ

Description

本発明は、所定の固定量の液剤を１回用量ずつ排出するための単回用量注射装置に関する。より具体的には、本発明は、予め充填されたカートリッジを使用することにより注射装置の製造業者によって予め充填され、カプセル化されたカートリッジから、好ましくはカートリッジ内を並進移動する軸方向に移動可能なピストンロッドの１回のストロークによって、所定量の液剤の１回分の単回固定用量を手動で排出するように設計された注射装置に関する。

本発明はさらに、このような単回用量注射装置を組み立てる方法に関する。

１回のストロークでカートリッジの全内容物を排出するために使用されるシリンジは、数十年にわたって知られている。こうしたシリンジの実施例は、特許文献１に開示されている。ここで、液剤を含有する交換可能なカートリッジが管状ハウジング構造内に挿入され、ピストンロッドをガイドするねじ付きナット要素がハウジング構造内にねじ込まれて、カートリッジをハウジング構造に対して軸方向に固定する。カートリッジの内容物は、プランジャをカートリッジ内で遠位方向に移動させることによって排出される。プランジャの軸方向移動は、ユーザがピストンロッドを遠位方向に手動で押すことによって行われる。カートリッジ内に含有される全注射可能量は、ハウジング構造上に遠位に提供される針インターフェースに装着された二重先端針組立品を通して１回の単回用量として排出される。ピストンロッドの前方移動は、カートリッジ内でプランジャがカートリッジの遠位首状部に到達するときに最初に停止され、それ故に近位停止部は固定されないが、カートリッジの物理的形状およびプランジャの弾性に依存する。プランジャがカートリッジを通って移動するにつれて排出される量は、それ故、カートリッジの物理的許容誤差および充填プロセスにおける許容誤差に非常に大きく依存する。

カートリッジを使用できる自動ばね式注射装置の異なる実施例は、特許文献２に提供されている。この実施例では、使用されるカートリッジは、許容誤差に起因して充填量に差を有し、したがって、使用前のプランジャの異なる軸方向位置も有する。したがって、カートリッジがハウジング構造内に取り付けられると、プランジャとピストンロッドとの間にギャップが存在する可能性がある。注射時に、ピストンロッドは、実際にカートリッジ内でプランジャを移動させることなく、この自由空間内で移動し得、これは、ピストンロッドの軸方向移動がプランジャの類似の移動に直接変換されないことを意味し、これは個々のカートリッジ内のプランジャの位置を決定する許容誤差に応じて、排出用量の量をカートリッジごとに変化させる。これを補償するために、自動射出機構を、注射装置の組み立て中にその相対軸方向位置に調節することができる。

より従来的な複数回投与式インスリン注射装置は、特許文献３に開示されている。この注射装置では、ピストンロッドは、ねじ付きナット要素内で回転して、注射中に遠位方向に螺旋状に移動し、それによって個別に設定された用量を押し出す。この注射装置を組み立てる間、ナット要素をハウジングに対して軸方向に位置付けすることが可能である。

米国特許第２，７５３，８６７号 欧州特許第３，６２８，３５２号 米国特許公開第２０１８／０１４０，７７６号

これ以降、本発明の目的は、単回固定用量を排出するときに排出される量が、上述の許容誤差に依存しない解決策を提供することである。

これは、好ましくは、ピストンロッドの１回の単一ストロークで、ピストンロッドを所定の移動距離だけ前進させ、ハウジング構造、したがってハウジング構造に埋め込まれたカートリッジに対するこの移動距離の物理的位置を、個々の注射装置ごとに可変とすることによって行われる。

本発明は、請求項１にさらに定義されている。有利な実施形態は、従属請求項にさらに定義されている。したがって、本発明の一態様では、所定量の液剤を送達するための単回用量注射装置は、
ハウジング構造内に埋め込まれ、ハウジング構造に軸方向に係止された装填されたカートリッジを保持し、排出される液剤を含有するハウジング構造であって、カートリッジが、穿刺可能な隔壁によって密封された遠位端、および遠位前面を有する移動可能なプランジャによって閉じられた近位端を有する、ハウジング構造と、
ピストンロッドおよびピストンロッド足部を含むピストンロッド構造であって、ピストンロッド構造が、ハウジング構造に対して遠位方向に並進移動可能であり、それによってプランジャをカートリッジ内で遠位方向に移動させ、プランジャが第１の位置から第２の位置に移動可能である、ピストンロッド構造と、を備え、
排出される所定量の液剤は、カートリッジの内表面と、第１の位置から第２の位置へのプランジャの移動中にプランジャの遠位前面が移動される長さとによって画定され、ピストンロッド構造をガイドするナット要素は、ハウジング構造に調節可能に結合される。

さらに、本発明によれば、ピストンロッド構造およびナット要素は、ピストンロッド構造の開始位置でピストンロッド構造をナット要素に取り外し可能に固定するための係合手段を備え、ピストンロッド構造は、少なくとも使用時にプランジャに当接し、
ピストンロッド構造の停止位置は、ナット要素と動作可能に係合するピストンロッド上の停止手段によって画定され、その結果、ピストンロッド構造の移動距離は、用量排出中にプランジャを開始位置から停止位置まで移動させるときにピストンロッド構造が並進移動可能な軸方向距離として画定され、ハウジング構造に対するナット要素の軸方向位置は、各個々の注射装置に対して、個々の注射装置の組み立て中に個別に調節可能であり、それによって、ピストンロッド構造の移動距離の軸方向位置を、個々のカートリッジ内のプランジャの位置に依存して調節された位置に調節する。

したがって、ピストンロッドの移動距離は、ピストンロッドがその開始位置からその停止位置まで移動可能な距離である。しかし、プランジャが各個々のカートリッジ内で可変位置を有しているにもかかわらず、移動距離がプランジャの動きと一対一に変換されることが重要である。これは、ハウジング構造に対して調節可能なナット要素内でピストンロッドをガイドすることによって達成される。それ故、各個々の注射装置について、移動距離の物理的位置を調節することが可能である。移動距離の位置は、ピストンロッド構造（ピストンロッド足部を含む）がピストンロッドの開始位置内でプランジャに当接するように調節されることが好ましい。

ピストンロッド足部は、使用状況でプランジャに当接することが好ましい。温度変動により、注射装置が貯蔵されているときに、当接は必ずしも完全に確立されない。しかしながら、開始位置として、使用時に、ピストンロッド足部はプランジャに当接する。

好ましくは、開始位置の実際の物理的位置は、ナット要素の物理的設計によって決定される。しかしながら、開始位置と停止位置との間の距離は、ピストンロッドが排出中に移動する長さに対して決定的であり、この距離の位置、移動距離は、各個々の注射装置ごとに調節可能である。

移動距離は固定距離であるが、ハウジング構造に対する移動距離の位置は、本明細書で説明するように、調節可能である。カートリッジがハウジング構造に固定されると、カートリッジに対する、かつカートリッジ内でプランジャに対する移動距離の位置も調節可能である。

したがって、ナット要素、それ故、移動距離の位置は、個々の注射装置ごとに個別に調節可能であり、移動距離の位置は、各カートリッジ内でプランジャの個々の位置を収容するように調節することができる。

ピストンロッドは、ピストンロッドが開始位置から出て排出を開始できるように、開始位置を画定する位置であるが、解放可能な結合部でナット要素に結合される。さらに、ピストンロッドの停止位置は、ピストンロッド上の停止面によって画定される。停止位置では、この停止面は、ナット要素と係合し、かつ当接する。

開始位置と停止位置との間の距離は、１回の単一の排出中にピストンロッドがナット要素およびカートリッジを含むハウジング構造に対して移動する移動距離であり、ピストンロッドのストロークの長さとも呼ばれ得る。

ピストンロッド構造は、解放可能な係合手段によってナット要素に解放可能に固定される。これらの解放可能な係合手段は、ピストンロッドを、ピストンロッドの近位端に圧力を加えることによってピストンロッドを簡単に解放することができる解放可能な位置に固定する。一実施例では、ピストンロッドとナット要素との間の係合手段は、ピストンロッドまたはナット要素のいずれかの上に提供された、ピストンロッドまたはナット部材のうちの他方と係合するいくつかの半径方向アームを備える。

好ましい実施例では、半径方向アームは、ピストンロッド上に提供され、ナット要素は、ピストンロッドがその開始位置にあるときに半径方向アームによって係合される角度付き前部を備える。角度付き前部は、好ましくは、組み立てられたときにピストンロッドが近位方向に移動するのをより良好に防止するために、近位位置で傾斜している。

あるいは、ピストンロッドとナット要素との間の係合手段は、ピストンロッドの開始位置でナット要素上の陥凹した内表面と摩擦係合する、ピストンロッド上に提供されたいくつかのさらなる半径方向アームを備える。

異なる実施例では、ピストンロッドとナット要素との間の係合手段は、ピストンロッドまたはナット要素のいずれかの上に提供された、ピストンロッドまたはナット部材のうちの他方と係合する多数の半径方向把持歯を備える。この実施例では、半径方向把持歯は、好ましくは、ピストンロッド上に提供され、ナット要素には、ピストンロッドがその開始位置にあるときに半径方向把持歯によって係合される角度付き表面が提供される。把持歯は、任意の所望のサイズおよび形状を有することができる。

開始位置の物理的位置は、ナット要素の物理的設計によって決定され、１つの実施例では、ピストンロッドの開始位置を画定し、かつ近位フランジが停止位置でピストンロッド上の停止手段と係合する近位フランジが提供される。

ハウジング構造に対するナット要素の調節は、いくつかの異なる方法で想定され得る。これは厳密に線形調節であってもよく、または螺旋状調節であり得る。好ましい実施例では、ナット要素は、好ましくは、ナット要素とハウジング構造との間のねじ付き接続部において、ハウジング構造に対して軸方向に調節される。

調節後、ナット要素は、いくつかの異なる方法でハウジング構造に固定されることができる。一実施例では、ナット要素およびハウジング構造は、例えば、レーザ溶接によって一緒に溶接され得る。異なる実施例では、特に一方向ラチェットであり得るラチェットインターフェースが使用され得る。

一実施例では、ハウジング構造は、ナット要素の外表面上で対応するねじ山に係合する内表面上のねじ山を備えている。これらのねじ山は、完全なねじ山またはねじ山のセグメントのいずれかである可能性がある。一実施例では、ねじ山のピッチは、ナット要素がねじ接続で反時計回りに回転し、それによって調節された位置を得るときに、ナット要素が遠位方向に移動するように構成されている。

ナット要素を調節された位置に維持するために、ねじ山のフランジに軸方向摩擦ノブを提供することができる。これらのノブは、ナット要素が反対方向に回転し、かつ調節された位置から離れないように保持するために必要な、任意の所望のサイズおよび形状を有することができる。軸方向摩擦ノブの代替として、または軸方向摩擦ノブの追加として、ラチェットインターフェースを提供することができる。こうしたラチェットインターフェースは、回転が両方の回転方向に許容されるように、歯付きリブで動作する１つ以上の可撓性の歯として形成され得る。ナット要素がラチェットインターフェースを螺脱することをさらに防止するために、ナット要素とハウジング構造との間に提供される一方向ラチェットインターフェースとすることができる。こうした一方向ラチェットインターフェースは、記載される摩擦ノブと一緒に動作することができるが、摩擦ノブなしで動作することもできる。

こうした一方向ラチェットは、一実施例では、ナット要素またはハウジング構造のうちの一方の上に提供される可撓性ラチェットキャリア、およびナット要素およびハウジング構造のうちの他方の上に提供される軸方向リブ構造として提供される可能性がある。したがって、可撓性ラチェットキャリアは、軸方向リブ構造と係合して、一方向ラチェットを形成する。この目的のために、ラチェットキャリアには、実際の係合のために１つ以上の歯が提供される可能性がある。可撓性のラチェットキャリアは、好ましくは、アームとして、またはビーム構成として形成される。したがって、ナット要素およびハウジング構造は、組み立てられた状態で不可逆的に接続される。しかしながら、上述のように、可撓性のラチェットキャリアは、両方向の回転を許容するラチェットインターフェースとして提供され得る。

本発明の第２の態様では、単回用量注射を組み立てる方法が提供される。方法は、請求項に定義される単回用量注射装置を含み、方法は、組み立て中に各個々の注射装置に対するナット要素の軸方向位置を個別に調節し、それによって、ピストンロッド構造がプランジャに当接する調節された位置に、ハウジング構造に対するピストンロッド構造の移動距離の軸方向位置を調節する工程を含む。

それ故、各個々の注射装置について、ナット要素の位置は、ピストンロッド構造、すなわち、ピストンロッドまたはピストンロッド足部が、ピストンロッドのストロークがプランジャの同一の線形運動に伝達されるように、カートリッジ内でプランジャに当接する、調節された位置に調節される。ナット要素のこの調節可能性、したがってピストンロッドの移動距離を有することによって、ピストンロッドの移動の一部が、個々のカートリッジ内のプランジャの可変位置に起因して、プランジャとピストンロッド構造との間に時折存在するエアギャップ空間内で行われることを防止することができる。

第３の態様では、本発明は、器具請求項のいずれかに記載の所定量の液剤を送達するための複数の単回用量注射装置に関し、複数の単回用量注射装置の各々が、方法請求項に従って個別に組み立てられ、調節されている。

定義：
「注射ペン」または「注射用ペン」は典型的に、ものを書くためのペンに幾分似ている楕円形または細長い形状を有する注射器具である。このようなペンは通常、管状の断面を有するが、三角形、長方形もしくは正方形などの異なる断面、またはこれらの幾何学的形状の周辺の任意のバリエーションを容易に有することができる。

「針カニューレ」という用語は、注射中に皮膚の貫通を行う実際の導管を説明するために使用される。針カニューレは通常、ステンレス鋼などの金属材料から作製され、ハブに接続されて完全な注射針を形成し、しばしば「針組立品」と呼ばれることも多い。但し、針カニューレは高分子材料またはガラス材料からも作製され得る。ハブはまた、針組立品を注射器具に接続するための接続手段を担持し、通常、好適な熱可塑性材料から成形される。「接続手段」は、実施例として、ルアーカップリング、バヨネットカップリング、ねじ付き接続、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。

「針ユニット」という用語は、容器内に担持された１つの単一針組立品を説明するために使用される。こうした容器は通常、閉じた遠位端と、取り外し可能なシールによって密封される開いた近位端とを有する。こうした容器の内部は通常、針組立品が使用準備が整うように滅菌される。ペン注射システムのために特別に設計された針ユニットは、ＩＳＯ規格第１１６０８号、第２部に定義され、「ペン針」と呼ばれることが多い。ペン針は通常、注射中に液体連通が確立されるように、ユーザの皮膚を貫通するための前端と、薬剤を含有するカートリッジを貫通するための後端とを有する、二重尖頭である。

本明細書で使用されるとき、「液剤」という用語は、液体、溶液、ゲル、または微細懸濁液などの制御された様式で中空針カニューレなどの送達手段を通過することができる任意の薬剤含有流動性医薬品を包含することを意味する。代表的な薬剤としては、ペプチド、タンパク質（例えば、インスリン、インスリン類似体およびＣ－ペプチド）、ならびにホルモンなどの医薬品、生物学的由来または活性剤、ホルモンおよび遺伝子に基づく薬、栄養処方および固体（調剤）または液体形態の他の物質が挙げられる。

「カートリッジ」とは、実際に薬剤を収容している容器を説明するために使用される用語で、一次包装と呼ばれることが多い。カートリッジは通常、ガラスから作製されるが、任意の好適なポリマーから成形され得る。カートリッジまたはアンプルは、好ましくは、例えば、針カニューレの非患者側端によって穿刺することができる、「隔壁」と呼ばれる穿刺可能な膜によって一端において密封される。かかる隔壁は通常、自己密封式であり、これは、針カニューレを隔壁から取り外すと、貫通中に創出された開口部が固有の弾性によって自動的に密封されることを意味する。カートリッジの反対側の端部は典型的には、ゴムまたは好適なポリマーから作製されたピストン様の要素である可動「プランジャ」によって閉じられる。プランジャは使用中、カートリッジの内で好ましくは遠位方向に摺動可能に移動される。穿刺可能な膜と移動可能なプランジャとの間の空間は、プランジャが液剤を保持する空間の量を減少させる際に押し出される液剤を保持する。予め充填された注射装置と耐久性注射装置の両方に使用されるカートリッジは典型的には、製造業者によって工場で所定量の液剤が充填される。現在利用可能な多数のカートリッジは、１．５ｍｌまたは３ｍｌの液剤を含有する。

カートリッジは通常、内部にプランジャを移動できない、より狭い遠位首状部分を有するので、カートリッジ内部に含有される液剤の全量を実際に排出できるわけではない。したがって、「初期量」または「実質的に使用される」という用語は、カートリッジ内に含有された注射可能な容量を指し、それ故に必ずしも全容量を指すものではない。

「予め充填された注射装置」という用語は、注射装置を永久的に破壊することなく取り外すことができないように、液剤を含有するカートリッジが注射装置内に永久的に埋め込まれている注射装置を意味する。カートリッジ内の予め充填された量の液剤が使用されると、ユーザは通常、注射装置全体を廃棄する。通常、製造業者によって特定の量の液剤で充填されたカートリッジは、カートリッジを交換することができないように、後でハウジング構造内に永久的に接続されるカートリッジホルダー内に固定されている。

これは、空になったときにいつでもユーザ自身で液剤を含有するカートリッジを交換することができる「耐久性注射装置」とは反対である。予め充填された注射装置は通常、２つ以上の注射装置を含有するパッケージ入りで販売されるが、耐久性注射装置は通常、一度に１つずつ販売される。予め充填された注射装置を使用するとき、平均的なユーザは年間５０～１００個の注射装置を必要とする可能性があり、一方で耐久性注射装置を使用する場合は、１つの単一注射装置を数年間使用できる可能性があるが、しかしながら平均的なユーザは年に５０～１００個の新しいカートリッジを必要とすることになる。

本明細書に引用された刊行物、特許出願、および特許を含む全ての参考資料は、あたかも各参考資料が個別におよび具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に示されるのと同程度に、その全体が参照により組み込まれる。

全ての見出しおよび小見出しは、本明細書では便宜上使用されているだけであり、決して本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。

本明細書で提供される任意のあらゆる実施例、または例示的な表現（例えば、以下のような）の使用は、単に本発明をより明瞭にすることを意図しており、特に明記しない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいずれの語句も、特許請求されないいかなる要素も本発明の実施に必須であることを示すと解釈すべきではない。

本明細書の特許文書の引用および組み込みは、便宜上行われているだけであり、かかる特許文書の有効性、特許性および／または執行可能性のいっさいの観点を反映するものではない。

本発明は、適用法により許可される、添付の特許請求の範囲に列挙された主題の全ての修正および均等物を含む。

本発明を、好ましい実施形態に関連して、また図面を参照しながら、以下により詳細に説明する。

図１Ａおよび図１Ｂは、保護キャップが取り付けられた状態（図１Ａ）と装着されていない状態（図１Ｂ）の注射装置の透視図を示す。 図２は、注射装置の分解組立図を示している。 図３は、組み立て時かつ単一の固定用量を排出する前の注射装置の断面図を示す。 図４Ａおよび図４Ｂは、ハウジング構造の２つの異なる図を示す。図４Ｂでは、ハウジング構造は、長手方向中心軸に沿って切り開かれている。 図４Ｃは、注射装置の別の実施例の断面図を示す。 図４Ｄは、図４Ｃの注射装置のセクションを示す。 図５Ａおよび図５Ｂは、ナット要素の２つの異なる図を示す。図５Ｂでは、ナット要素は、長手方向中心軸に沿って切り開かれている。 図５Ｃは、代替的な実施形態でのナット要素の遠位部の拡大図を示す。 図６Ａ～図６Ｃは、ピストンロッドの異なる図を示す。図６Ｂは、図６Ａの囲まれたセクションの拡大図である。 図７は、注射装置の斜視図である。 図８は、開示される注射装置に好適なペン針の断面図を示す。 図９Ａは、ハウジング構造に取り付けられたナット要素の断面図を示す。 図９Ｂは、組み立てられ、かつ投与する準備ができている注射装置の断面図を示す。 図９Ｃは、投与後の注射装置の断面図を示す。

図は分かりやすくするために模式的かつ簡略化されており、本発明の理解に不可欠な細部を示すだけで、他の細部は省略されている。全体を通して、同じ参照番号が同一または対応する部分に使用される。

以下の用語で「上」および「下」、「右」および「左」、「水平」および「垂直」、「時計回り」および「反時計回り」または同様の相対表現が使用される場合、これらは単に添付図を指すだけであり、必ずしも実際の使用状況を指すものではない。示された図は、概略表現であり、そのため、異なる構造の構成、ならびにそれらの相対寸法は、例解的な目的のみを果たすことが意図される。

その文脈では、添付の図における「遠位端」という用語は、注射針を支持する注射装置の端部を指すことを意味するものであり、「近位端」という用語は、図３に示されるように、注射ボタンを担持する反対側の端部を指すことを意味すると定義するのが便利であり得る。遠位および近位とは、図３にも開示されているように、注射装置の長手方向軸（Ｘ）に沿って延在する軸の向きに沿っていることを意味する。

以下の実施例において、時計回り方向および逆または反時計回り方向を指す場合、注射装置が、注射装置の遠位にある位置から見られていることが理解される。したがって、時計回り方向は、通常の時計上のアームに続く回転であり、反時計回り方向は、その反対方向の回転である。

実施例で記載される注射装置で行われる様々な運動を説明するために、以下の詳細な説明全体を通して以下の用語が使用される。

「並進運動」とは、いかなる回転も伴わない、厳密に線形の運動であることを意味する。

「回転運動」とは、中心を中心とした任意の回転の運動であり、その中心は、すなわち、長手方向延長部を有する、すなわち、１つの平面状の軸または中心軸の中心点であることができる。

「軸方向運動」とは、軸方向における任意の運動を意味する。かかる運動は、厳密に並進運動であるか、または回転運動を含むことができ、ひいては「螺旋状の運動」となり、これは軸方向運動と回転運動を組み合わせることを意味する。

「伸縮自在」とは、移動可能な要素が基部要素から外に、および／または基部要素内へと移動する状況を網羅することを意味する。伸縮自在な運動とは、並進であるか、または回転を含むことができるため、伸縮自在な運動は螺旋状になる。

図１Ａおよび図１Ｂは、本発明による注射装置を開示する。ハウジング構造１には、保護キャップ３０が遠位に提供され、注射ボタン４０が近位に提供される。図１Ｂでは、注射装置の遠位部を覆う保護キャップ３０は、注射を行う前に通常行われるように取り外されている。図１Ａで最もよく分かるように、保護キャップ３０は、異なる表面テクスチャまたはリブ様構造３２（図４Ｃで最もよく分かる）を有する領域３１を有し、これによりユーザは、保護キャップ３０を取り外すときに保護キャップ３０をより良好に把持することができる。ハウジング構造１には、好ましくは、テーブルまたはこれに類するものなどの平坦またはわずかに傾斜した表面上に載せたときに注射装置が回転しないように、ロール防止機構９が提供される。

図２および図３に見られるように、注射装置は、１つ以上の部品から形成され得るハウジング構造１を備える。ハウジング構造１は、注射される液剤を含有するカートリッジ１０を軸方向に固定し、針組立品２０をハウジング１に固定するための針インターフェース２が遠位に提供される。遠位針インターフェース２は、好ましくは、注射装置が能動的に使用されていないときに、取り外し可能な保護キャップ３０によって覆われる。近位に、ハウジング１には、注射を行うためにユーザによって動作可能なプッシュ様注射ボタン４０が提供される。注射ボタン４０は、遠位方向の注射ボタン４０の任意の並進運動が、説明されるようにピストンロッド５０の類似の並進運動に直ちに変換されるように、ピストンロッド５０に直接結合される。

使用される針組立品２０は、図８に開示される標準的なペン針である。こうした周知のペンニードルでは、針カニューレ２１は、針組立品２０が針インターフェース２に装着されたときに、針カニューレ２１の近位部２３がカートリッジ１０内に貫通するように近位方向に向くように、針ハブ２２内に固定される。針カニューレ２１の反対側の遠位部分には、注射中にユーザの皮膚を貫通することができる鋭い遠位点２４が提供される。針ハブ２２は、針カニューレ２１の近位部２３を囲むエンクロージャ２５を近位に形成する。このエンクロージャ２５は通常、針ハブ２２を注射装置に接続するための手段を担持し、その結果、針カニューレ２１の近位部２３は、針組立品２０が接続されたときにカートリッジ１０内に貫通する。針ハブ２２は、針カニューレ２１を支持するタワー２６内に遠位に延在する。

一実施例では、針カニューレ２１は、ゲージ２９（Ｇ２９）針カニューレであり得、皮膚に挿入される針カニューレ２１の遠位部の長さは、針ハブ２２から鋭利な遠位点２４まで測定された場合、４ｍｍであり得る。針カニューレ２１の遠位部は、さらに円錐形状を有し得る。

ハウジング構造１の内部では、カートリッジ１０は、図３に開示されるように位置付けられる。カートリッジ１０は、遠位に穿刺可能な隔壁１１を備え、針カニューレ２１は、取り付けられると貫通する。反対側の近位端において、カートリッジ１０は、好ましくは、好適なポリマーから作製され、カートリッジ１０内の液剤と接触する遠位表面１３を有する移動可能なプランジャ１２によって閉じられる。移動可能なプランジャ１２の遠位表面１３と、隔壁１１と、カートリッジ１０の内表面１４との間の空間は、図３で最もよく分かる通り、液剤を含有する。注射中に排出される容積は、カートリッジ１０の内表面１４によって画定され、移動可能なプランジャ１２の遠位表面１３の軸方向長さは、用量排出中に移動される。

隔壁１１は、概してカートリッジから知られているように、カートリッジ１０の首部１６の周りに曲げられる金属キャップ１５によってカートリッジ１０に固定される。

図４Ａおよび図４Ｂに開示されたハウジング構造１には、一実施例では、カートリッジ１０をハウジング構造１に固定するように設計された複数の粉砕リブ７またはこれに類するものが遠位に提供される。組み立て中にカートリッジ１０がハウジング構造１内に圧入されると、カートリッジ１０上の金属キャップ１５に対するこれらの粉砕リブ７の変形により、カートリッジ１０をハウジング構造１に固定する。異なる実施例では、代替的な手段を提供して、カートリッジ１０をハウジング構造１に対して固定することができる。カートリッジ１０は、軸方向にハウジング構造に固定される必要があるのみである。好ましい代替案では、ハウジング構造１には、カートリッジ１０の首部１６の後ろを把持して、それによってカートリッジ１０をハウジング構造に軸方向に固定する、いくつかの内向きのノブが提供される。こうしたノブは、開示された粉砕リブ７と組み合わせることができる。

カートリッジ１０をハウジング構造１に固定する異なる代替が、図４Ｃに開示されている。この実施例では、注射装置は、図４Ｃに例解されるような第１の実施例と同じ要素、すなわち、リブ３２、カートリッジ１０、注射ボタン４０、ピストンロッド５０、およびナット要素６０を有する保護キャップ３０を有するハウジング構造１を備える。

図４Ｄは、図４Ｃからの拡大部を開示し、ナット要素６０には、説明されるように、ナット要素６０がハウジング構造１にねじ込まれるときにカートリッジ１０の近位端と係合する、いくつかの内向きの長手方向の粉砕フランジ６７が提供されている。したがって、カートリッジ１０は、ハウジング構造１とナット要素６０上の粉砕フランジ６７との間に軸方向に係止され、カートリッジ１０をハウジング構造１に軸方向に係止する。それ故、粉砕フランジ６７は、ナット要素６０がハウジング構造１と係合するように移動するにつれて、カートリッジ１０の近位端によって部分的に粉砕される。一実施例では、４つのこうした粉砕フランジ６７が提供されるが、任意の数を使用することができる。開示された実施例では、図４Ｂに示す粉砕リブ７および／または上述の内向きのノブは必ずしも必要ではないが、必要に応じて適用され得る。

注射中、プランジャ１２は、開示される実施例ではプランジャ１２上に力をより良好に分配するために、別個のピストンロッド足部４５が遠位に提供されるピストンロッド５０によってカートリッジ１０内で遠位方向に移動される。一実施例では、ピストンロッド足部４５は、ピストンロッド５０と一体的に成形され得る。

ピストンロッド５０は、説明されるように、ハウジング構造１に対して軸方向に調節可能なナット要素６０と係合し、それによってガイドされる。

図４Ａで最もよく分かるように、ハウジング構造１には、外表面上に、保護キャップ３０を解放可能な結合で固定する１つ以上の突出部３が提供される。さらに、ハウジング構造１は、ユーザがカートリッジ１０の内容物を検査できる窓４を有する。最も遠位には、ハウジング構造１には、針組立品２０をハウジング構造１に接続するための針インターフェース２が提供されており、これは、開示された実施例では、ねじ付きインターフェースとバヨネットインターフェースとの組み合わせであるが、任意の種類の針インターフェース手段を使用することができる。

ハウジング構造１の内表面上に提供される粉砕リブ７に加えて、カートリッジ１０を支持するためのいくつかの長手方向のリブ８も提供される。さらに、ハウジング構造１は、説明されるように、ナット要素６０を固定するための内ねじ山５が提供されたその内表面を有する。内ねじ山５に対して遠位に、ナット要素６０と係合する、いくつかの軸方向リブ６を含む歯部が提供される。

ナット要素６０は、図５Ａおよび図５Ｂに開示されており、外表面上に、ハウジング構造１内の内ねじ山５と係合するための外ねじ山セグメント６５を備え、そのため、ナット要素６０は、ハウジング構造１に対して軸方向にナット要素６０を移動させる回転でハウジング構造１に対して回転されることができる。開示されるように、任意の数のねじ山セグメント６５を提供することができ、あるいは、１つの全ねじ山を提供することができる。

図５Ｃに開示される一実施形態では、ねじ山５および／またはねじ山セグメント６５には、２つのねじ山（ハウジング構造１の内ねじ山５およびナット要素６０上のねじ山セグメント６５）の間の係合をさらに固定するために係合する軸方向摩擦ノブ６９が提供される可能性がある。摩擦ノブ６９は、ねじ山５、６５の半径方向フランジ上に軸方向に提供され、したがって、ハウジング構造１およびナット要素６０を互いに摩擦固定するのに役立つ。図５Ｃに開示される摩擦ノブ６９は、必要な任意のサイズおよび数で提供される可能性がある。これらの摩擦ノブ６９の存在はまた、個々の摩擦ノブ６９間の回転距離に応じて、ナット要素６０とハウジング構造１との間の係合を非常に微細な増分で調節することを可能にする。

遠位に、ナット要素６０には、ナット要素６０がハウジング構造１に対して１つの回転方向にのみ回転することができるように、半径方向に屈曲し、ハウジング構造１内の軸方向リブ６と係合する、いくつかの可撓性ラチェットキャリア６６が提供される。これらの可撓性ラチェットキャリア６６は、図５Ａおよび図５Ｂに開示される可撓性アームとして、または図５Ｃに開示されるビーム構造もしくは任意の他の好適な構造として提供される可能性がある。

開示された実施例では、ナット要素６０は、（遠位位置から見たときに）反時計回りに回転することができ、（ハウジング構造１上の内ねじ山５とナット要素６０上の外ねじ山セグメント６５との間の）ねじ山インターフェース５、６５は、許容される反時計回り方向でのナット要素６０の回転が、ナット要素６０をハウジング構造１の内側の遠位方向に移動させるように、ピッチ方向を有する。

しかしながら、可撓性ラチェットキャリア６６は、一方向ラチェットとして実行される必要はなく、両方の回転方向に回転が可能となるように形状設定されることができる。

外表面上には、ナット要素６０には、ハウジング構造１の内表面に対して置かれる、いくつかの外向きの支持フランジ６１が提供される。図５Ａおよび図５Ｂで最もよく分かるように、４つのこうした外向きの支持フランジ６１が提供されるが、任意の数を使用することができる。

ナット要素６０には、図３で最もよく分かるように取り付けられたときにカートリッジ１０の最近位端と位置合わせできる、いくつかの半径方向開口部６２がさらに提供される。しかしながら、図４Ｃ～図４Ｄの組立方法が使用される場合、これらの半径方向開口部６２は、図４Ｃ～図４Ｄに見られるように、異なる場所に提供されることができる。近位端において、ナット要素６０には、ピストンロッド５０を収容するための陥凹した内表面６３が提供される。この陥凹した内表面には、ナット要素６０の内表面に向かって傾斜する角度付き前部６４が遠位に提供されており、ナット要素６０は近位フランジ６８で近位に終端する。

さらに、ナット要素６０の内表面には、カートリッジ１０を支持するいくつかの長手方向支持リブが提供される。

図６Ａ～図６Ｃは、図７に詳細に開示される注射ボタン４０を近位に担持するピストンロッド５０を開示する。

図７に開示される注射ボタン４０には、注射ボタン４０およびピストンロッド１０が一斉に軸方向に移動するように、ピストンロッド５０上の同様の数の半径方向スナップ５１と係合する、いくつかの半径方向開口部４１が提供される。これらのスナップ５１は、ピストンロッド５０および注入ボタン４０が容易に一緒にクリック嵌合され得るように、複数の可撓性アーム５２上に担持される。あるいは、注射ボタン４０およびピストンロッド５０を１つの単一要素として成形することもできる。注射ボタン４０には、注射ボタン４０をハウジング構造１の内表面に対してガイドする円形の隆起４２、４３がさらに提供されている。あるいは、これらの隆起４２、４３は、ノブまたは類似の支持構造として提供され得る。近位に、注射ボタン４０には、好ましくは、注射中にユーザの指を収容するための凹面が提供される。

さらに、開示されるピストンロッド５０には、可撓性半径方向アームの第１のセット５３および可撓性半径方向アームの第２のセット５４が提供される。可撓性半径方向アームの第２のセット５４は、一実施例では、各々が半径方向把持歯５６で遠位に終端する平坦な表面５５が提供された外表面上にある。これは、図６Ｂの拡大図で最もよく分かる。これらの平坦な表面は、図４Ｃ～図４Ｄに開示されるさらなる実施例では、半径方向に把持する歯５６を担持し得るさらなる半径方向アーム５８のセットによって置き換えられる。

図３に見られるようにピストンロッド５０がナット要素６０に取り付けられたとき、半径方向アームの第２のセット５４の平坦な表面５５は、ナット要素６０の陥凹した内表面６３に対して置かれる。この位置では、半径方向に把持する歯５６は、ナット要素６０に対するピストンロッド５０の位置が固定されるように、角度付き前部６４に対して把持する。これは、説明されるように、ピストンロッド５０の開始位置を画定する。しかしながら、開始位置は、必ずしも係合点において物理的に位置付けられないが、係合点は、ピストンロッドの開始位置を画定する。さらに、半径方向停止面５７がピストンロッド５０上に提供され、それ故、説明されるように、停止位置、それ故移動距離（ＴＤ）の可能な長さ、それ故排出される量が画定される。

あるいは、ピストンロッド５０は、半径方向に把持する歯５６なしで成形することができる。こうした実施形態では、半径方向アームの第１のセット５３の近位端は、角度付き前部６４と係合して、ピストンロッド５０の開始位置を画定する。それ故、ピストンロッド５０は、好ましくはピストンロッド足部４５と遠位に、カートリッジ１０内でプランジャ１２に当接し、半径方向アームの第１のセット５３の近位端は、ナット要素６０上の角度付き前部６４と係合し、それによって、ピストンロッド５０の開始位置を画定する。液剤の温度変化は、貯蔵中にプランジャ１２の位置を変えることができるため、説明されるように、ピストンロッド５０（および／または足部４５）が調節された開始位置でプランジャ１２に当接するという事実を変更することなく、アームの第１のセット５３の近位端とナット要素６０の角度付き前部６４との間のわずかなクリアランスが許容される。

図４Ｃ～図４Ｄに開示される後者の実施例では、角度付き前部６４は、好ましくは、９０度の半径方向の傾斜、または近位端に向かってわずかに傾斜して作製される。これにより、半径方向アームの第１のセット５３の近位端が、ナット要素６０との係合から外れて近位に摺動することがほぼ不可能となり得る。それ故、ピストンロッド５０は、ナット要素６０がねじ付き接続部５、６５でハウジング構造１に対して回転するにつれて、かつピストンロッド５０（または足部４５）がプランジャ１２に当接すると、ナット要素６０のさらなる前進が不可能になり得るため、ナット要素６０を近位方向に追従し得る。

図４Ｃ～図４Ｄに開示される実施例では、ピストンロッド５０は、さらなる半径方向アーム５８が陥凹した内表面６３と摩擦的に係合し、それによってピストンロッド移動の記述点を画定するように、半径方向把持歯５６なしで成形され得る。可撓性半径方向アーム５３、５４の２つのセットは、各セットに任意の数の可撓性アームを含むことができる。しかしながら、本開示の実施例では、２つの可撓性アームが、半径方向アーム５３、５４の各セットに提供される。図に示すように、可撓性半径方向アーム５３、５４は、ハウジング構造１の遠位端に向かうピストンロッド５０の移動のみを許容する方向に可撓性である。図３に開示されるようにピストンロッド５０がナット要素６０内に取り付けられると、アーム５３の第１のセットは、ピストンロッド５０がナット要素６０によって遮断されることによって近位方向に移動するのを防止する。

図３では、ピストンロッド１０は、ハウジング構造１に対して開始位置に位置付けられることが開示されている。この位置では、ピストンロッド５０（および／または足部４５）はプランジャ１２に当接する。移動距離（ＴＤ）は、ピストンロッド５０（および、したがって、注射ボタン４０）がハウジング構造１に対して移動することが許容される距離であり、それ故、ハウジング構造１に少なくとも軸方向に固定されているカートリッジ１０も図３に示されている。ハウジング構造１に対するこの移動距離（ＴＤ）の軸方向位置は、以下に説明されるように、ナット要素６０の位置を調節することによって調節することができる。

図９Ｂ～図９Ｃに物理的に示される開始位置は、ナット要素６０の最近位端において位置する。それ故、実際の物理的位置は、ナット要素６０の物理的設計によって決定される。しかしながら、ナット要素６０の設計とは独立して、ピストンロッド５０の開始位置は、ピストンロッド５０（および／または足部４５）がプランジャ１２に当接する位置である。

したがって、移動距離（ＴＤ）は、ピストンロッド５０がその開始位置からその停止位置へ移動することができる距離を表す。したがって、移動距離（ＴＤ）のこの長さは、固定距離であるが、移動距離（ＴＤ）の物理的位置は、個別に充填されたカートリッジ１０内でのプランジャ１２の位置に依存して、ハウジング構造１に対するナット要素６０の位置を調節することによって変更することができる。

注射装置の組み立て：
液剤を個々のカートリッジ１０に充填するとき、異なる許容誤差が適用される。充填ラインからカートリッジ１０内に充填される液剤の量には許容誤差があり、カートリッジ１０上の物理的寸法には許容誤差がある。カートリッジ１０の充填は通常、液剤をカートリッジ１０の遠位端からカートリッジ１０内に充填することによって行われる。したがって、プランジャ１２は、充填前および充填中にカートリッジ１０の遠位部内に位置付けられ、プランジャ１２は、正しい量の薬剤がカートリッジ１０内に充填されている位置に対して近位に移動する。充填されると、カートリッジの遠位端は隔壁１１によって密封される。それ故、様々な許容誤差に起因して、充填されたときのプランジャ１２の端部位置は、カートリッジ１０からカートリッジ１０まで変化する。

さらに、カートリッジ１０は通常ガラスから形成されるため、物理的許容誤差は比較的大きい。異なる許容誤差は、液剤をカートリッジ１０内に充填した後、個々のカートリッジ１０内でプランジャ１２のわずかに異なる軸方向位置をもたらす。

カートリッジ１０が液剤で充填された後、カートリッジ１０上の金属屈曲部１５が、図９Ａに開示されるようにハウジング構造１の粉砕リブ７内に圧入されるか、または代替的に、ナット要素６０が位置付けられると、ナット要素６０内に提供される粉砕フランジ６７によってハウジング構造に押し込まれるように、カートリッジ１０は遠位方向にハウジング構造１内に押し込まれる。最終位置では、カートリッジ１０は、少なくとも軸方向にハウジング構造１にしっかりと固定される。

カートリッジ１０がハウジング構造１内に位置し、かつ固定されているとき、プランジャ１２の位置は、個々のカートリッジ１０各々内でプランジャ１２の正確な位置が登録されるように、コンピュータ化されたセンサシステムによって電子的に測定される。

プランジャ１２の位置が測定されると、ナット要素６０は、ピストンロッド５０（取り付けられたとき）、または好ましくはピストンロッド足部４５がプランジャ１２と係合する位置に、ハウジング構造１内でねじ山５内にねじ込まれる。したがって、ナット要素６０の軸方向位置は、注射装置の組み立て中に調節された位置に個別に調節可能である。調節された位置は、ピストンロッド５０（および／または足部４５）が、ピストンロッド移動の開始位置でもあるプランジャ５０に当接する位置である。

図９Ａは、ねじ山セグメント６５がハウジング構造１内のねじ山５と係合する前のナット要素６０の位置を開示する。この位置では、ラチェットキャリア６６は、ハウジング構造１内の内部歯付きリングの軸方向リブ６とまだ係合していない。

ナット要素６０がその調節された位置に回転されると、ピストンロッド５０は、第１のセット５３または半径方向アームまたは把持アーム５６が角度付き前部６４と係合する位置にナット要素６０内に押し込まれる。この係合は、移動距離（ＴＤ）の開始位置を画定する。図３および図９Ｂで最もよく分かるように、開始位置は、半径方向アームの第１のセット５３と角度付き前部または把持アーム５６と角度付き前部６４との間の係合によって画定されるとはいえ、全て、ナット要素６０の近位フランジ６８の近位端において物理的に位置付けられる。

あるいは、ナット要素６０がハウジング構造１にねじ込まれる前に、ピストンロッド５０をまずナット要素６０内の解放可能な固定位置に位置付けすることができ、ピストンロッド５０（またはピストンロッド足部４５）がカートリッジ１０内でプランジャ１２に当接するまでナット要素６０を回転させることもできる。

開示された実施例では、ナット要素６０には、ハウジング構造１内でのねじ山５とナット要素６０上に提供されたねじ山セグメント６５との間のねじ接続において、ナット要素６０が１つの回転方向にのみ回転できるように、ハウジング構造１内で軸方向リブ６に係合するいくつかのラチェットキャリア６６が提供される。

一実施例では、ハウジング構造１内のねじ山５のピッチおよびナット要素６０上のねじ山セグメント６５のピッチは、ナット要素６０が回転当たり遠位方向に２ｍｍ移動されるように、例えば、２ｍｍとすることができる。こうした構成では、例えば、４０個の軸方向リブ６がハウジング構造１内に提供されたときに、ナット要素６０は、０．０５ｍｍの増分で前進することができる（１回転当たり４０個のリブまで２ｍｍ前進）。

許容される回転方向は、ナット要素６０を遠位方向に移動させる方向である。したがって、ナット要素６０がその調節された位置に達したとき、ラチェットインターフェース６、６６は一方向への回転のみを許容するため、ナット要素６０を近位方向に回転させることは不可能である。代替的な実施例では、ナット要素６０は、好ましくは、ナット要素６０をハウジング構造１に溶接することによって、例えば、レーザ溶接を使用することによって、調節された位置でハウジング構造１に不可逆的に固定することができる。この目的のために、ハウジング構造１には、レーザビームからのエネルギーをナット要素６０およびハウジング構造１が物理的接触点を有する領域に送達できるように、透明領域、開口部または同様のものを提供することができる。

ナット要素６０が調節された位置に位置付けられると、図９Ｂに開示されるように、ピストンロッド５０が挿入される。調節された位置では、ピストンロッド５０上の半径方向アームの第１のセット５３または半径方向把持歯５６は、図９Ｂに示される開始位置を画定するナット要素６０内で角度付き前部６４の後ろに把持する。しかしながら、ナット要素６０の角度付き前部６４と近位フランジ６８との間に存在する軸方向延長部に起因して、開始位置は、近位フランジ６８の近位端において物理的に位置付けられているが、半径方向アームの第１のセット５３と角度付き前部６４または把持アーム５６と角度付き前部６４との係合によって画定される。

ピストンロッド移動の開始点はまた、図４Ｃ～図４Ｄに開示されるように、さらなる半径方向アーム５８および陥凹した内表面６３の摩擦係合によって画定され得る。

ナット要素６０が調節された位置にあり、ピストンロッド５０が開始位置に取り付けられるとき、ピストンロッド５０の遠位端は、好ましくは、ピストンロッド５０とプランジャ１２との間に物理的距離がないように、プランジャ１２の近位後側と物理的に接触する。しかしながら、温度変動に起因して、いくらかのゆるみが許容される。

開示された実施例では、ピストンロッド５０を挿入する前に、カートリッジ１０内に挿入することができる別個のピストンロッド足部４５が提供される。こうしたピストンロッド足部４５が使用されるとき、物理的接触はピストンロッド足部４５とプランジャ１２との間にある。

図９Ｂに開示されるようにピストンロッド５０が挿入されたとき、半径方向アームの第１のセット５３は、角度付き前部６４の遠位に位置付けられ、ナット要素６０の内表面に向かって屈曲され、それによって、注射中のピストンロッド５０の軸方向移動をガイドおよび安定化する。半径方向アームの第１のセット５３はまた、ピストンロッド５０が近位方向に移動するのを防止するが、ピストンロッド５０は、カートリッジ１０内で液剤が温度変動によって膨張する場合に、わずかな距離だけ移動させることを許容できる。しかしながら、ユーザがピストンロッド５０を近位方向に移動させて、それによって注射装置を分解することは不可能である。

図９Ｂに開示されているように注射装置が組み立てられると、注射装置は使用準備が整い、滅菌され、滅菌包装で個別に包装され、エンドユーザに送達される。

注射時、ユーザは注射ボタン４０上に圧力を印加する。これは、図９Ｃの矢印「Ｐ」で示される。この圧力は、注射ボタン４０、およびそれによってピストンロッド５０を遠位方向に移動させる。ピストンロッド５０の軸方向移動は、図９Ｃに開示されるように、ピストンロッド５０上の停止面５７がナット要素５０の近位端に当接するまで可能である。ピストンロッド５０が停止位置内に入ると、可撓性アームの第２のセット５４は、ピストンロッド５０が近位方向に移動できないように、角度付き表面６４に対して係合する。

図９Ｂおよび図９Ｃに示されるように、ピストンロッド５０の開始位置から停止位置への軸方向移動は、ピストンロッド５０が１回の単一ストロークで移動することができる距離を決定する。ハウジング構造１およびカートリッジ１０に対するこの移動距離（ＴＤ）の位置は、ハウジング構造１に対するナット要素６０の位置を調節することによって調節可能である。好ましくは、移動距離（ＴＤ）の位置は、ピストンロッド５０が開始位置でプランジャ１２と物理的に接触するように調節される。ピストンロッド５０（および／または足部４５）とプランジャ１２との間に空隙がないことで、ピストンロッド５０のストローク全長がプランジャ移動に一対一で変換されることが確実になる。

注射中に排出される量は、図９Ｂに開示される注射前のプランジャ１２の第１の位置と、図９Ｃに開示される注射後のプランジャ１２の第２の位置とを個々のカートリッジ１０の内側寸法と組み合わせて決定される。

ピストンロッド５０（またはピストンロッド足部４５）が最初に第１の位置でプランジャ１２に当接するとき、ピストンロッド５０の移動距離（ＴＤ）は、カートリッジ１０内のプランジャ１２の同様の移動に変換され、それ故、移動距離（ＴＤ）の長さ、すなわち、ピストンロッド５０の開始位置と停止位置との間の距離、およびプランジャ１２の第１の位置と第２の位置との間の長さは同じになる。

いくつかの好ましい実施形態を上記に示してきたが、本発明はこれらに限定されず、以下の特許請求の範囲に規定される主題の範囲内で他の方式で具現化することができることを強調しておく。特許請求の範囲に反映されている重要な問題は、組立後にプランジャとピストンロッド足部との間にエアギャップが存在し、移動距離（ＴＤ）の一部がこのエアギャップによって消費され、それ故プランジャの移動に完全に伝達されないことを回避することである。

Claims (15)

1. 所定量の液剤を送達するための単回用量注射装置であって、
   前記液剤を含有するカートリッジ（１０）を固定するハウジング構造（１）であって、前記カートリッジ（１０）が、前記ハウジング構造（１）に軸方向に係止され、前記カートリッジ（１０）が、穿刺可能な隔壁（１１）によって密封された遠位端、および遠位前面（１３）を有する移動可能なプランジャ（１２）によって閉じられた近位端を有する、ハウジング構造（１）と、
   ピストンロッド（５０）およびピストンロッド足部（４５）を含むピストンロッド構造（５０、４５）であって、前記ハウジング構造（１）に対して遠位方向に並進移動可能であり、それによって前記プランジャ（１２）を前記カートリッジ（１０）内で前記遠位方向に移動させ、前記プランジャ（１２）が、第１の位置から第２の位置に移動可能である、ピストンロッド構造（５０、４５）と、を備え、
   排出される前記所定量の液剤が、前記カートリッジ（１０）の内表面（１４）と前記第１の位置から前記第２の位置への前記プランジャ（１２）の移動中に前記プランジャ（１２）の前記遠位前面（１３）が移動される長さとによって画定され、かつ
   前記ピストンロッド構造（５０、４５）をガイドするナット要素（６０）が、前記ハウジング構造（１）に調節可能に結合される、単回用量注射装置であって、
   前記ピストンロッド構造（５０、４５）および前記ナット要素（６０）が、前記ピストンロッド構造（５０、４５）の開始位置で前記ピストンロッド構造（５０、４５）を前記ナット要素（６０）に取り外し可能に固定するための係合手段（５３、５６、５８；６３、６４）を備え、前記ピストンロッド構造（５０、４５）が、少なくとも使用時に前記プランジャ（１２）に当接し、
   前記ピストンロッド構造の停止位置が、前記ナット要素（６０）と動作可能に係合する前記ピストンロッド（５０）上の停止手段（５７）によって画定され、その結果、前記ピストンロッド構造（５０、４５）の移動距離（ＴＤ）が、用量排出中に前記プランジャ（１２）を前記開始位置から前記停止位置まで移動させるときに前記ピストンロッド構造（５０、４５）が並進移動可能な軸方向距離として画定され、
   前記ハウジング構造（１）に対する前記ナット要素（６０）の軸方向位置が、各個々の注射装置に対して、前記個々の注射装置の組み立て中に個別に調節可能であり、それによって、前記ピストンロッド構造（５０、４５）の前記移動距離（ＴＤ）の軸方向位置を、個々の前記カートリッジ（１０）内の前記プランジャ（１２）の前記位置に依存して調節された位置に調節することを特徴とする、単回用量注射装置。
2. 前記ピストンロッド（５０）と前記ナット要素（６０）との間の前記係合手段（５３、６４）が、前記ピストンロッド（５０）または前記ナット要素（６０）のいずれかの上に提供された、前記ピストンロッド（５０）またはナット部材（６０）のうちの他方と係合するいくつかの半径方向アーム（５３）を備える、請求項１に記載の単回用量注射装置。
3. 前記半径方向アーム（５３）が、前記ピストンロッド（５０）上に提供され、前記ナット要素（６０）が、前記ピストンロッド（５０）がその開始位置にあるときに、前記半径方向アーム（５３）によって係合される角度付き表面（６４）を備える、請求項２に記載の単回用量注射装置。
4. 前記ピストンロッド（５０）と前記ナット要素（６０）との間の前記係合手段（５８、６３）が、前記ピストンロッド（５０）の前記開始位置で、前記ナット要素（６０）上の陥凹した内表面（６３）と係合する、前記ピストンロッド（５０）上に提供されたいくつかのさらなる半径方向アーム（５８）を備える、請求項１に記載の単回用量注射装置。
5. 前記ピストンロッド（５０）と前記ナット要素（６０）との間の前記係合手段（５６、６４）が、前記ピストンロッド（５０）または前記ナット要素（６０）のいずれかの上に提供された、前記ピストンロッド（５０）または前記ナット部材（６０）のうちの他方と係合するいくつかの半径方向把持歯（５６）を備える、請求項１に記載の単回用量注射装置。
6. 前記半径方向把持歯（５６）が、前記ピストンロッド（５０）上に提供され、前記ナット要素（６０）が、前記ピストンロッド（５０）がその開始位置にあるときに、前記半径方向把持歯（５６）によって係合される角度付き表面（６４）を備える、請求項５に記載の単回用量注射装置。
7. 前記ナット要素（６０）が、近位に、前記ピストンロッド（５０）の前記開始位置を物理的に画定し、前記停止位置で前記ピストンロッド（５０）上の前記停止手段（５７）と係合する、近位フランジ（６８）を備える、請求項１～６のいずれか一項に記載の単回用量注射装置。
8. 前記ナット要素（６０）が、ねじ付き接続部（５、６５）で前記ハウジング構造（１）に対して軸方向に調節される、請求項１～７のいずれか一項に記載の単回用量注射装置。
9. 前記ハウジング構造（１）が、前記ナット要素（６０）の外表面の対応するねじ山（６５）に係合する内表面上のねじ山（５）を備える、請求項８に記載の単回用量注射装置。
10. 前記ねじ山（５、６５）のフランジが、軸方向摩擦ノブ（６９）を備える、請求項９に記載の単回用量注射装置。
11. 一方向ラチェットインターフェース（６、６６）が、前記ナット要素（６０）と前記ハウジング構造（１）との間に提供されている、請求項８～１０のいずれか一項に記載の単回用量注射装置。
12. 前記ナット要素（６０）または前記ハウジング構造（１）のうちの一方が、可撓性のラチェットキャリア（６６）を備え、前記ナット要素（６０）および前記ハウジング構造（１）のうちの他方が、軸方向リブ構造（６）を備える、請求項１～１１のいずれか一項に記載の単回用量注射装置。
13. 前記ナット要素（６０）および前記ハウジング構造（１）が、組み立てられた状態で不可逆的に接続されている、請求項１～１２のいずれか一項に記載の単回用量注射装置。
14. 単回用量注射装置を組み立てる方法であって、前記単回用量注射装置が、
    液剤を含有するカートリッジ（１０）を固定するハウジング構造（１）であって、前記カートリッジ（１０）が、前記ハウジング構造（１）に軸方向に係止され、前記カートリッジ（１０）が、穿刺可能な隔壁（１１）によって密封された遠位端、および遠位前面（１３）を有する移動可能なプランジャ（１２）によって閉じられた近位端を有する、ハウジング構造（１）と、
    ピストンロッド（５０）およびピストンロッド足部（４５）を含むピストンロッド構造（５０、４５）であって、前記ハウジング構造（１）に対して遠位方向に並進移動可能であり、それによって前記プランジャ（１２）を前記カートリッジ（１０）内で前記遠位方向に移動させ、前記プランジャ（１２）が、第１の位置から第２の位置に移動可能である、ピストンロッド構造（５０、４５）と、を備え、
    排出される前記所定量の液剤が、前記カートリッジ（１０）の内表面（１４）と、前記第１の位置から前記第２の位置への前記プランジャ（１２）の移動中に前記プランジャ（１２）の前記前面（１３）が移動される長さとによって画定され、かつ
    前記ピストンロッド（５０）をガイドするナット要素（６０）が、前記ハウジング構造（１）に調節可能に結合される、単回用量注射装置であって、
    前記ピストンロッド構造（５０、４５）および前記ナット要素（６０）が、前記ピストンロッド構造（５０、４５）の開始位置で前記ピストンロッド構造（５０、４５）を前記ナット要素（６０）に取り外し可能に固定するための係合手段（５３、５６、５８；６３、６４）を備え、前記ピストンロッド構造（５０、４５）が、前記プランジャ（１２）に当接し、
    前記ピストンロッド構造（５０、４５）の停止位置が、前記ナット要素（６０）と動作可能に係合する前記ピストンロッド（５０）上の停止手段（５７）によって画定され、その結果、前記ピストンロッド構造（５０、４５）の移動距離（ＴＤ）が、用量排出中に前記プランジャ（１２）を前記開始位置から前記停止位置まで移動させるときに前記ピストンロッド構造（５０、４５）が並進移動可能な軸方向距離として画定され、
    前記ハウジング構造（１）に対する前記ナット要素（６０）の軸方向位置が、各個々の注射装置に対して、前記個々の注射装置の組み立て中に個別に調節可能であり、それによって、前記ピストンロッド構造（５０、４５）の前記移動距離（ＴＤ）の軸方向位置を、個々の前記カートリッジ（１０）内の前記プランジャ（１２）の前記位置に依存して調節された位置に調節する、単回用量注射装置であって、
    前記方法が、組み立て中に各個々の注射装置に対する前記ナット要素（６０）の前記軸方向位置を個別に調節し、それによって、前記ピストンロッド構造（５０、４５）の前記移動距離（ＴＤ）の前記軸方向位置を、前記ハウジング構造（１）に対して、前記ピストンロッド構造（５０、４５）が前記プランジャ（１２）に当接する調節された位置に調節する工程を含むことを特徴とする、方法。
15. 請求項１～１３のいずれか一項に記載の所定量の液剤を送達するための複数の単回用量注射装置であって、前記複数の単回用量注射装置の各々が、請求項１４に記載の方法に従って個別に組み立てられ、調節されている、複数の単回用量注射装置。

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