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JP2024500089A - 光子の再割り当てを行う共焦点顕微鏡 - Google Patents

光子の再割り当てを行う共焦点顕微鏡 Download PDF

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JP2024500089A JP2023535427A JP2023535427A JP2024500089A JP 2024500089 A JP2024500089 A JP 2024500089A JP 2023535427 A JP2023535427 A JP 2023535427A JP 2023535427 A JP2023535427 A JP 2023535427A JP 2024500089 A JP2024500089 A JP 2024500089A
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Abstract

本発明は、コヒーレント(反射又は透過)イメージングモードで動作し、その直径が2~4エアリユニットである共焦点ピンホールを有するように構成される走査型共焦点光子再配置顕微鏡に関する。また、懸濁液中のウイルス粒子を観察するためのこのような顕微鏡の使用にも関する。

Description

本発明は、光学顕微鏡の分野に関する。
光学顕微鏡は生物学においてきわめて重要な役割を果たし、これは、例えば生命の保存とは両立不能な複雑な準備作業を必要とする電子顕微鏡とは異なり、それによって生きている試料を高速で観察することができるからである。しかしながら、その解像力は必然的に光の回折により限定される。アッベ理論によれば、従来の光学顕微鏡の場合、最大解像度dは次式、
Figure 2024500089000002
によって与えられ、
式中、λは使用される光の波長(可視光について380nm~780nm)であり、NAは開口数で、生物学的試料の場合は1.4の値を容易には超え得ない。それによって、可視光の解像度が135nmを超えることはあり得ないことになり、これはウイルス粒子等の微細な構造の観察には適していない。
いわゆる「超解像」技術によれば、蛍光マーカ及び/又は非線形効果を利用することによってアッベ解像度の限界を超えることが可能である。これらの技術は実装が複雑である。
さらに、生物学的物体は本来、立体であるため、軸方向に高い空間分解能を得ることが必要である(アッベの限界は光軸に垂直な平面内の横方向の解像度に関する)。共焦点顕微鏡では、非常に浅い被写界深度(数百ナノメートルのオーダ)の画像を得て、したがってその3次元構造にアクセスするために試料を「切断する」ことが可能となる。この技術は、蛍光マーカと併用されることが最も多いが、マーカを使用せずにそれを反射モードで利用することも可能である。
共焦点顕微鏡は点照明源を使用し、その像が対物レンズによって観察対象の試料の上に投射される。試料からの光(反射型共焦点顕微鏡の場合は後方散乱光、蛍光マーカが使用される場合は蛍光発光)は、点光源と光学的に共役のピンホール上に収束され、例えばそれが光電子増倍管によって検出される。ピンホールの機能は、対物レンズの焦点面以外からの放射を抑制し、そのようにして光学セクショニングを実現する。試料の像はスキャンによって点ごとに得られる。より正確には、光軸に垂直な2つの方向への2次元スキャンによって、対物レンズの焦点面に中心のある試料のスライスの画像を得ることができる。そこにこの焦点面の軸方向スキャンを追加することによって、3次元画像が得られる。
ピンホールの直径が小さくなると、スライスの厚さは薄くなり、したがって軸方向の解像度が改善されるが、改善幅は1エアリユニット(AU)を超える減少については小さい。エアリユニットは、顕微鏡のエアリスポットの直径であり、
Figure 2024500089000003
と等しい。
共焦点顕微鏡では、直径が1AU未満のピンホールを使用すると、アッベ限界に関して、横方向解像度における改善が得られ、これは理論的には30%でさえあり得る。しかしながら、それを得るのと引き換えに信号対ノイズ比が悪くなる。
(Sheppard 1988)において初めて提案された光子再配置方式によれば、共焦点顕微鏡の横方向解像度は原理上、係数2で改善される。この方式の背景にある考えは、光電子増倍管、又はより一般的には点放射検出器の代わりに、各取得点について1つの基本画像を取得することを可能にするマトリクス検出器を使用する、というものである。すると、画像はデジタル又は光学手段によってリサイズされ(理想的には、係数2でスケールダウンされ)てから、次のスキャン地点へと移動する。最終画像は、毎回、前の像に関して1スキャンステップ分だけシフトしながら連続的に取得された各種のスキャン画像を統合することによって得られる。
光子再配置方式の純粋に光学的な実装は、(York 2013)、(De Luca 2013)、(Curd 2015)、及び(Roth 2017)に記載されている。これは、第一の角度スキャンを照明ビームに適用すること、逆角度スキャンを試料からのビームに適用すること、その後、試料からの同じビームに第一のスキャンと同期させた第二の角度スキャンを適用することからなる。第二の角度スキャンは、ビームの断面積に関して正規化された、第一のスキャンより理想的には係数2だけ大きい振幅を有する。「ビームの断面積に関して正規化される」とは、αが第二の角度スキャンの振幅と第一の角度スキャンの振幅との比であり、Mが試料からのビームの断面積と照明ビームの断面積との比である場合、大きさα/Mは1より大きくなければならず、理想的には2と等しいことを意味する。
従来の共焦点顕微鏡と同様に、ピンホールのマトリクスアレイとマイクロレンズのマトリクスアレイを使って撮像を並列化することができ、これについては例えば前述の記事を参照されたい(York 2013)。
光子再配置は特に共焦点蛍光顕微鏡に応用されており、これについては例えば前述の記事(York 2013)、(De Luca 2013)、及び(Curd 2015)を参照されたく、この場合、係数1.5での横方向解像度の改善が観察された。本発明者が知る限り、これまでに光子再配置は反射イメージングでの応用のみが(DuBose 2019)に記載されている。しかしながら、この記事では、これは顕微鏡の問題ではなく、対物レンズが患者の眼の水晶体に、それゆえ低い開口数を有するレンズに置き換えられ、その結果、数十マイクロメートルの横方向解像度が得られる検眼鏡の問題である。
Sheppard 1988 York 2013 De Luca 2013 Curd 2015 Roth 2017 DuBose 2019
本発明の目的は、3次元(横方向及び軸方向)での解像度が改善された走査型共焦点顕微鏡を提供することである。本発明によれば、この目的は、コヒーレントイメージングモードにおいて、その直径(又は、より一般的には最大横寸法)が2~4エアリユニット、理想的には3エアリユニットと等しい共焦点ピンホールの使用を通じて達成される。本発明者は、コヒーレントイメージングモードで、横方向解像度は3エアリユニットの直径でピンホールの開口と共にアッベ限界の2倍まで向上することに気付いた。それに対して、蛍光動作モードでは、横方向解像度はピンホールの直径に依存しない。コヒーレントイメージングとは、検出される光子が、試料及び顕微鏡の光学系での弾性散乱のみを経た照明光子である方式を意味し、これは例えば、反射イメージング(以下で詳細に考察するケース)又は透過イメージングの問題であり得る。それに対して、蛍光イメージング又はラマン散乱イメージングは、照明光子が非弾性散乱を経るため、インコヒーレントと考えられる。
直径が3エアリユニットのピンホールを使用することにより、バックグラウンド除去がさらに最適化される(しかしながら、バックグラウンドは、光子再配置を用いず、ピンホールが1AUの共焦点顕微鏡の場合と比較して約30%減少する)。「バックグラウンド除去」の考えは、(Sandison 1995)において明確に定義されている。
さらに、本発明者は、これらの条件では軸方向解像度が従来の共焦点顕微鏡の場合と比較して係数1.5で向上することを発見した。
結局、波長445nmの照明と、NA=1.3の液浸対物レンズを使用することにより、(86×86×248)nmの空間分解能を得ることが可能である。さらに、これには蛍光ラベリングが不要であり、それによってこの技術の応用はより簡単且つより一般的となる。
したがって、本発明の1つの主題は、
照明波長の空間的にコヒーレントな少なくとも1つの照明光ビームを生成するように構成された光源と、
前記照明光ビームに対して角度スキャンを適用するように構成された第一の光学系と、
第一の光学系から射出された照明光ビームを入力として受け取り、それを試料上に収束させて、前記試料で弾性散乱した、信号ビームと呼ばれる光ビームを集光してコリメートするように構成された少なくとも1つの顕微鏡対物レンズと、
全体又は一部が第一の光学系と一致でき、顕微鏡対物レンズによりコリメートされた信号ビームを入力として受け取り、それに対して、照明光ビームに適用されたものとは反対の角度スキャンを適用し、それを第一の焦点面に集束させるように構成された第二の光学系と、
前記第一の焦点面内に配置されたピンホールと、
第二の焦点面内に配置されたマトリクスイメージセンサと、
試料の画像を再構成するためにマトリクスイメージセンサと相互作用する光子再配置手段と、
を含む走査型共焦点光子再配置顕微鏡であり、
顕微鏡対物レンズと第二の光学系は、マトリクスイメージセンサ上に照明波長の前記信号ビームを収束させるように構成されることと、
ピンホールは2~4エアリユニットの直径又は最大横寸法を有すること
を特徴とする。
このような走査型共焦点顕微鏡の特定の実施形態によれば:
-少なくとも第二の光学系は、照明光ビームからの信号ビームを分割するためのビームスプリッタを含み得る。
-光源は、青、紫、又は近紫外照明光ビームを発するように構成され得る。
-光源はレーザであり得る。
-顕微鏡対物レンズは、1以上の開口数を有する液浸対物レンズであり得る。
-光子再配置手段は第三の光学システムを含み得て、これは、ピンホールを通過した信号ビームを集光し、それをコリメートして、それに対して、照明光ビームに適用されたものと同期されて、その振幅と第三の光学系の中でコリメートされた光ビームの断面積との積が第二の光学系により適用されたスキャンの振幅と第二の光学系の中でコリメートされた光ビームの断面積との積より大きくなるような角度スキャンを適用し、それを第二の焦点面内に収束させるように構成され、顕微鏡対物レンズ、第二の光学系、及び第三の光学系からなるアセンブリは、マトリクスイメージセンサ上に照明波長の前記信号ビームを収束させるように構成される。
-第三の光学系は、信号ビームに対して、前記スキャンの振幅にビームの断面積を乗じたものが第一の光学系により照明光ビームに適用された角度スキャンの振幅と前記ビームの断面積との積の1.8~2.2倍となるような角度スキャンを適用するように構成され得る。
走査型共焦点顕微鏡は、反射モードで動作するように構成され得て、
-第一の光学系は、照明光ビームを収束させる第一のレンズと、前記第一のレンズの焦点面内に配置され、照明光ビームの空間フィルタ処理を行うピンホールと、前記ビームの一部を反射させるビームスプリッタと、照明ビームの前記部分をコリメートする第二のレンズと、そこに対して前記角度スキャンを適用する第一の振動ミラー又は振動ミラーの系と、第三及び第四のレンズを含むアフォーカル系と、を含み得て、
-第二の光学系は、前記アフォーカル系と、前記第一の振動ミラー又は振動ミラーの系と、前記第二のレンズと、信号ビームのうち前記試料で後方散乱した一部を透過させるように構成された前記ビームスプリッタと含み得て、
-第三の光学系は、ピンホールを通過した信号ビームをコリメートする第五のレンズと、それに対して、照明光ビームに適用されたものと同期した前記角度スキャンを適用する第二の振動ミラー又は振動ミラーの系と、それを第二の焦点面に収束させる第六のレンズと、を含み得る。
-光源は、複数の前記照明光ビームを並列して生成するように構成され得て、これらは第一の光学系を通って伝播し、顕微鏡対物レンズは複数のそれぞれの信号ビームを集光し、これらはすると、前記第二の光学系に沿って伝播し、顕微鏡は、前記第二の焦点面内に配置された、前記後方散乱光ビームの各々について1つのピンホールのマトリクスアレイをさらに含む。
この場合、走査型共焦点顕微鏡は、反射モードで動作するように構成され得て、
-光源は、前記複数の照明光ビームを生成して収束させるマイクロレンズの第一のアレイを含み得て、
-走査型共焦点顕微鏡は、反射前面と反射後面を有する新少なくとも1つの振動ミラーを含み得て、前面は第一及び第二の光学系の一部を形成し、後面は第三の光学系の一部を形成し、
-第三の光学系は、振動ミラーの後面に入射する後方散乱光ビームの断面積を1.8~2.2の係数で増大させるマイクロレンズの第二のアレイを含み得る。
本発明の他の主題は、懸濁液中のウイルス粒子を観察するためのこれらの走査型共焦点顕微鏡の使用である。
本発明のまた別の主題は試料の観察方法であり、これは、
-空間的にコヒーレントでコリメートされた照明波長の少なくとも1つの照明光ビームを生成するステップと、
-それに対して角度スキャンを適用するステップと、
-それを顕微鏡対物レンズによって試料上に収束させるステップと、
-前記又は他の顕微鏡対物レンズによって、試料で弾性散乱した、信号ビームと呼ばれる前記照明波長の光ビームを集光するステップと、
-信号ビームに対して、照明光ビームに適用されたものと反対の角度スキャンを適用し、それを第一の焦点面に収束させるステップと、
-前記第一の焦点面内に配置されたピンホールによって信号ビームの空間フィルタ処理を実行するステップであって、ピンホールは2~4エアリユニットの直径又は最大横寸法を有するステップと、
-ピンホールを通過した信号ビームを集光し、それをコリメートし、それに対して、照明光ビームに適用されたものと同期した、その振幅と信号ビームの断面積の積が照明光ビームに適用された角度スキャンの振幅とその直径との積より大きくなるような角度キャンを適用し、それを第二の焦点面に収束させるステップと、
-第二の焦点面内に配置されたマトリクスイメージセンサによって信号ビームを検出するステップと、
を含む。
本発明のまた別の主題は試料の観察方法であり、これは、
照明波長の空間的にコヒーレントでコリメートされた少なくとも1つの照明光ビーム(FE)を生成するステップと、
それに対して角度スキャンを適用するステップと、
それを顕微鏡対物レンズによって試料上に収束させるステップと、
前記又は他の顕微鏡対物レンズによって、試料で弾性散乱した、信号ビームと呼ばれる前記照明波長の光ビームを集光するステップと、
信号ビームに対して、照明光ビームに適用されたものと反対の角度スキャンを適用し、それを第一の焦点面に収束させるステップと、
前記第一の焦点面内に配置されたピンホールによって信号ビームの空間フィルタ処理を実行するステップであって、ピンホールは2~4エアリユニットの直径又は最大横寸法を有するステップと、
ピンホールを通過した信号ビームを第二の焦点面内に配置されたマトリクスイメージセンサによって検出するステップであって、その撮像レートは照明光ビームの角度スキャンと同期しているステップと、
マトリクスイメージセンサにより取得された画像にデジタル光再配置処理を適用するステップと、
を含む。
本発明のその他の特徴、詳細、及び利点は、例として提示され、それぞれ以下を示す添付の図面に関して提供される説明文を読めば明らかとなるであろう。
本発明の第一の実施形態による共焦点光子再配置顕微鏡の略図である。 [図1]の共焦点顕微鏡の性能が共焦点ピンホールの直径にどのように依存するかを示すグラフである。 及び 本発明の技術的効果を実証する実験結果である。 本発明の他の技術的効果を実証する数値シミュレーション結果である。 本発明の他の技術的効果を実証する数値シミュレーション結果である。 本発明の第二の実施形態による共焦点光子再配置顕微鏡の略図である。 本発明の第三の実施形態による共焦点光子再配置顕微鏡の略図である。
すでに説明したように、光子再配置方式は、ピンホールを通じて試料の画像を、その試料が非常によく収束された光ビームにより照明されたときに記録することからなる。ピンホールを通じて得られたこの画像は、試料のスキャンの2地点間の距離をs、縮小率をMとして、撮影カメラ上の特定の位置に位置付けられる。カメラにより記録される信号は
Figure 2024500089000004
で、
Figure 2024500089000005
は試料の平面内の座標を表し、
Figure 2024500089000006
は検出器の平面内の座標を表し、
Figure 2024500089000007
により与えられ、式中、Hは照明(又は励起)広がり関数であり、Hは検出広がり関数、Uは試料による散乱領域である。
式(1)は、試料が移動されてスキャンが行われることを前提としているが、試料を静止したまま、照明ビームを移動させることのほうがより実践的である。数学的には、これは座標
Figure 2024500089000008
の変更に対応し、それによって、
Figure 2024500089000009
が得られる。
検出器がピンホールの大きさと比較して十分に大きい場合、ピンホールの重み係数を無視することができる。さらに縮小係数Mが導入されると、
Figure 2024500089000010
と書くことができ、(2)は、
Figure 2024500089000011
となる。
この系の光学伝達関数は
Figure 2024500089000012
であり、
Figure 2024500089000013
は空間周波数座標を示し、
Figure 2024500089000014
のように書くことができ、式中、C、Cはそれぞれ照明及び検出光学伝達関数である。理想的には、
Figure 2024500089000015
の場合は
Figure 2024500089000016
であり、それ以外は0である。
Figure 2024500089000017
の支持部の半径は1/(M-1)に比例することがわかるであろう。(Sheppard 1988)及び(DuBose 2019)の中で、光学伝達関数の最大カットオフ周波数はM=1/2の場合にその最大値kmax=2kをとることが示されており、これは係数2の拡大に対応し、それによって従来の共焦点顕微鏡と比較して2倍の横方向解像度が得られる。この拡大は、照明スポットによる試料のスキャンを補償するために必要な振幅の2倍と等しい振幅の再スキャンを通じて得られ得る。変形型として、再スキャンは、照明スポットによる試料のスキャンを補償するために必要な振幅と等しい振幅を有することもでき、拡大はレンズ系により提供される。図2に関して後で述べるように、中間的な解決策も可能であり、すなわち、より一般的には、重要なのは再スキャンの振幅を照明スキャンの振幅で割ったものに光学倍率を乗じた積はほぼ2と等しいことである。
一般に、本発明による共焦点光子再配置顕微鏡は、光源と、光源と相互作用する第一の光学系と、試料の表面を収束させた光ビームでスキャンする対物レンズと、試料で後方散乱した、又は透過した光を集光して、スキャンを実行するために導入される角度の振れを補償し、それを収束させる第二の光学系と、第二の光学系の焦点面内の、共焦点フィルタ処理を行うピンホールと、ピンホールからの光ビームに対して「再スキャン」を適用し、それをカメラ上に収束させる第三の光学系と、を含む。各種の光学系は部分的に一致し得て、それによって光学コンポーネントの数を限定することが可能となる。
[図1]は、本発明の第一の実施形態による共焦点光子再配置顕微鏡の光学的略図を示す。
光源SLは、λ=445nmの波長の光ビームFE(照明ビーム)を発するレーザである。ビームFEは、第一の収束レンズL1(焦点距離200mm)によって収束され、レンズの焦点面内にある、直径50μmの第一のピンホールP1により空間的に純化される。
空間的にフィルタ処理された照明ビームFEは、ビームスプリッタLS(透過率50%-反射率50%)によって反射され、第二の収束レンズL2(焦点距離200mm)によってコリメートされる。例えばガルバノミラー型の2つの振動ミラー(単純にするために一方のMO1のみが図示されている)の第一の系は、ビームFEに時間により変化する偏向を付与し、2次元スキャンを行う。そのように偏向したビームFEは、顕微鏡対物レンズOM(シリコーンオイルに浸漬された、倍率60×、開口数NA=1.3のアポクロマート対物レンズ)によって試料E上に収束され、それによって直径が回折により限定される焦点スポットで試料の表面がスキャンされる。試料が透明又は半透明である場合、焦点は表面より下の、対物レンズ又は試料を軸方向に移動させることによって変更できる深さに位置付けることができ、それによって断層撮影術で3次元画像が得られる。
収束レンズL3、L4で構成されるアフォーカル系により、対物レンズの瞳と2つの振動ミラー(又は1つの振動ミラーMO1)の中間点との間の光学的共役関係が確保され、典型的に、2つの振動ミラー間の距離はL3の焦点距離に関して無視し得る。レンズL1と対物レンズOMとの間に含まれる全ての光学コンポーネントは、ビームFEをピンホールP1の上流で偏向させて装置をよりコンパクトにするための、不可欠ではないミラーM1を含めて、第一の光学系、又は照明光学系SO1を形成する。
試料で後方散乱した光は、対物レンズOMによって集光され、これは信号ビームFRを形成し、これは照明ビームと同じ光路に沿って逆方向にビームスプリッタLSまで伝播する。この光路は、1対の振動ミラーMO1を含み、これは試料をスキャンするために照明ビームに付与される、時間によって変化する偏向を補償する。FRのうちスプリッタLSにより反射された成分は失われ、他方でそこを通過した成分は検出されることが意図され、ミラーM2により90°で反射される(これは不可欠ではなく、装置をよりコンパクトにするためにすぎない)。L4、L3、MO1、L2、LS、M2のアセンブリは第二の光学系、すなわち集光光学系SO2を形成する。顕微鏡が反射モードで動作しているため、SO2は部分的にSO1と部分的に一致することがわかるであろう。
レンズL2は2つの機能を有し、すなわちこれらは、L1により収束された後で発散し、P1により空間的にフィルタ処理された照明ビームをコリメートすることと、対物レンズOM及びアフォーカル系L3、L4からコリメートされて射出する信号ビームFRを収束させることである。第二のピンホールP2はレンズL2の焦点面PF1に設けられ、そこに信号ビームFRが収束される。ピンホールP1と異なり、P2は本発明の重要な特徴であり、その直径の(又は、より一般的には、それが円形でない場合にその最大横寸法の)寸法は顕微鏡の性能に大きな影響を与える。これについては、[図2]を参照しながら下で詳しく説明する。
図1は正確な縮尺によらない点を強調することが重要である。実際には、振動ミラーMO1の系とL3との間の距離はL3と焦点面PF1との間の距離と等しくなければならない。さらに、レンズL2及びL5は第二のアフォーカル系を形成し、これは、[図1]の実施形態ではユニット倍率を有する。
ビームFRは、ピンホールP2を通過すると発散するため、これは収束レンズL5(焦点距離200mm)によりコリメートされ、例えばガルバノミラー型の2つの振動ミラー(単純にするために一方のMO2のみが図示されている)の第二の系に向けられる。この振動ミラーの第二の系は、ビームFRに時間によって変化する偏向を付与し、それによって光子再配置の原点である2次元スキャンを実行する。この偏向は、ビームFRに付与された偏向と同期しており、その振幅はMO1により付与される偏向の振幅αより大きい振幅αを有する。
より正確には、振動ミラーMO2の第二の系により付与される偏向は、振動ミラーMO1の第一の系により付与されるものより、理想的には2と等しい係数(より一般的には1.8~2.2)だけ大きい。
より一般的には、アフォーカル系L2~L5の倍率は1以外の数値Gを有し得て、その場合、ビームFRの、それがMO2に当たるときの断面積は同じビームの、それがMO1に当たるときの断面積より係数Mだけ大きい。この場合、それは積Mαであり、これはαより大きくなければならず、理想的にはその2倍である。
振動ミラーMO2の系により偏向させられたビームは、収束レンズL6(焦点距離200mm)により第二の焦点面PF2内に収束される。
アセンブリL5、MO2、L6は第三の光学系、すなわち光子再配置光学系SO3を形成する。
マトリクスイメージセンサCMIはレンズL6の焦点面PF2内に配置される。その積分時間は振動ミラーMO2の系のスキャン時間の半分より長いかそれと等しく、それによって等式(3)の積分を類推的に計算することが可能となる。変形型として、積分時間はより短時間で、画像取得速度はより高速でもあり得るが、この場合、取得後にデジタル積分を行う必要がある。
[図2]は、[図1]の顕微鏡の特定の性能基準(ただし、結果の有効性はより一般的である)のピンホールP2の直径への依存性を示しており、それによってこれらを他の共焦点顕微鏡技術によって得られるものと比較することができる。P2の直径はエアリユニットAUにより表される。エアリユニットは顕微鏡のエアリスポットの直径であり、
Figure 2024500089000018
と等しく、NAは対物レンズOMの開口数、λは問題の波長である。
曲線CRR、CFR、及びCFはそれぞれ、[図1]の顕微鏡、インコヒーレント共焦点光子再配置顕微鏡(例えば、蛍光型のもの)、及び従来の共焦点顕微鏡の横方向解像度をプロットしている。より正確には、これらの曲線は、パラメータ“x”がピンホールの直径にどのように依存するかを示しており、“x”は横方向解像度が
Figure 2024500089000019
により付与される。以下のことがわかるであろう:
-従来の共焦点顕微鏡の場合(曲線CF)、xはピンホールの直径が小さくなると増大し、この理由から、その直径が約1AUのピンホールが一般的に選択される。
-インコヒーレント共焦点光子再配置顕微鏡の場合(曲線CFR)、横方向解像度はピンホールの直径に依存せず、従来の共焦点顕微鏡のそれより約1.5の係数だけ高い。
-本発明によるコヒーレント共焦点光子再配置顕微鏡の場合(曲線CRR)、横方向解像度はピンホールの直径が大きくなると改善され、前記直径が3AUに到達すると平坦化する。約2AUから、横方向解像度はコヒーレント顕微鏡よりはるかに高い。最適な条件(3AU)では、横方向解像度は従来の共焦点顕微鏡の2倍高い。
曲線RFは、ピンホールの直径の関数としてのバックグラウンド除去の変化を示している(この変化は、上述の3つの方法全てにおいて同じである)。バックグラウンド除去は1~2AUの間で減少し、その後2~4AUの間で、直径1AUの場合に得られるものより約30%低い値で安定し、4AUを超えると急激に低下する(図示せず)。3~4AUの間のわずかな上昇はアーチファクトの可能性がある。
結論として、ピンホールの直径が2~4AUの場合、本発明によれば、光子再配置を行わない、サイズ1AUのピンホールの共焦点顕微鏡と比較して、それと引き換えにバックグラウンド除去は抑制的に低下するものの、2倍の横方向解像度を得ることが可能となる。
本発明によって得られる横方向解像度の改善は、実験により実証されている。
[図3]は、[図1]の顕微鏡によるもの(図中、b)及びd)で示されるパネルであり、パネルd)はパネルb)の破線により囲まれた領域の拡大図)と、同じ光源と同じ対物レンズを使用した、光子再配置を行わない共焦点顕微鏡によるもの(パネルa)及びc))のUSAF解像度テストチャート(エレメントの11番目のグループ)の画像を示す。前者ははるかに鮮鋭である。パネルe)は、テストチャートのパターンを示す。画像はデコンボリューションを行わずに得られた。
[図4]は、屈折率マッチングオイルに浸漬させた銀ナノロッド(直径90nm+/-5nm、長さ数十マイクロメートル)の、[図1]の顕微鏡で取得された(図中、b)及びd)で示されるパネルであり、パネルd)はパネルb)の破線により囲まれた領域の拡大図)及び、同じ光源と同じ対物レンズを使用した、光子再配置を行わない共焦点顕微鏡により取得された(パネルa)及びc))画像を示す。前者ははるかに鮮鋭である。パネルe)は、パネルc)及びd)から抽出した破線に沿ったプロファイルを示しており、曲線CRRはパネルd)に対応し、それによれば2つのナノロッドを区別でき、これらのナノロッドはパネルc)に対応する曲線CRでは分解されない。曲線GAUSSはCRRをガウスフィッティングしたものであって、それによりナノロッドの直径を推定でき、2つのガウス分布の半値全幅は92.6nmと9.12nmであり、これは予想された値と一致する。
本発明による顕微鏡は、とりわけウイルスの検出に使用され得る。[図5]は、水溶液中に自由拡散した、直径約100nmの、したがって直径及び屈折率の両方の点でウイルス粒子に匹敵するシリカ粒子の画像を示す。画像は、[図1]のタイプの顕微鏡によって、ただし400nmの波長の照明を用いて取得された。各種の画像は、4sだけ分離された連続する時間に対応する。焦点の合った画像で測定された粒子の直径は105nmであった。
軸方向解像度の改善は、数値シミュレーションにより実証された。[図6]のパネルa)及びb)は、サブミクロンの寸法の重なった2つのボールの2つの画像を示す。従来の共焦点イメージング(パネルa))の場合、2つのボールの画像は分解されないが、本発明の方法では、ピンホールの直径3AU(照明波長:455nm、対物レンズの開口数1.3)でそれらを区別できる。[図6]のパネルc)は、2つのボールの中心を通るz軸に沿って測定された強度のグラフである(曲線CFaxは従来の共焦点顕微鏡に関し、曲線CRRaxは本発明の方法に関する)。これによって、パネルb)において見られるものは実際に解像度の改善であり、アイリアシング効果ではないことが確認される。パネルd)及びe)は軸方向に向けられた周期的構造の画像を示し、周期性は、本発明の方法により得られたパネルe)の画像には見られるが、従来の共焦点顕微鏡に対応するパネルd)の画像では見られない。
[図7]は、従来の共焦点顕微鏡(「共焦点」という薄い線)と本発明による方法(「再スキャン」という濃い線)に関する、軸方向解像度のピンホールの直径への依存性を示す。ここからわかるように、本発明の場合、軸方向解像度はピンホールの直径にそれほど依存しないが、直径が2AUより大きいと若干改善される。さらに、ピンホールの直径が1AUより大きいかそれと等しい場合、本発明により、従来の共焦点顕微鏡より有意に高い軸方向解像度を実現することが可能となる。
[図1]の顕微鏡の実視野は限定的であり、又は長い取得時間を要し、これはそれが1つの収束ビームを使用するからである。[図8]は、この限界を大規模な平行化を通じて克服することを可能にする代替的実施形態を示す。この構成では、マイクロレンズのマトリクスアレイを使って一連のソースポイントを作り出す。これにより、試料の平面内の測定を並列化して、高速化しながら(2つの測定地点間の非常に小さい領域だけがスキャンされる)、大きい実視野を保持することができる。ソースポイントの各々の像は、フィルタホールのマトリクスアレイによってフィルタ処理される。横方向解像度を係数2だけ増大させるために、点の各々にマイクロレンズの第二のマトリクスアレイによって、係数2だけ小さくした大きさで再スキャンが行われる。この方式により、視野内の50×50の測定地点(試料内の1μmごとに1つの共焦点測定地点)を並列化することによって少なくとも50×50μmの実視野にわたりkHzに近付き、横方向解像度は100nmより高く、他方で可視又は近紫外波長のイメージング範囲にとどまるイメージングを実現することができる。
より正確には、[図8]の装置は、光源SL’(例えばレーザであるが、それに限られない)を含み、これは収束される複数の照明ビームFE1、FE2、FE3(3つのみが図示されているが、典型的には数百のビームの2次元マトリクスアレイの問題となる)を生成するマイクロレンズの第一のマトリクスアレイRML1を備える。これらのビームはビームスプリッタLS’を通過し、その後、発散し、収束レンズL10によって両面が反射性の振動ミラーMODの前面FAVに再収束され、これは、ウイルスの検出への応用の場合、例えば共振ミラーの問題であり得、スキャン速度を高めて懸濁液中の粒子の動きを「フリーズ」させる。他方向へのスキャンはより低速で行われて、焦点が「蛇行」経路を辿るようにし、したがってこれは、同じく両面が反射性のガルバノミラー(図示せず)によって取得され得る。
振動ミラーにより反射されたビームは、顕微鏡対物レンズOM(シリコーンオイルに浸漬された、倍率60×、開口数NA=1.3のアポクロマート対物レンズ)によって試料E’(顕微鏡スライド上に堆積された、懸濁液中のウイルス粒子PVを含む水溶液の液滴)に収束され、それによって直径が回折により限定される焦点スポットが試料の表面をスキャンする。収束レンズL20、L30で構成されるアフォーカル系により、対物レンズの瞳と振動ミラーとの間の光学的共役関係が確保される。
試料E’で後方散乱したビームFR1、FR2、FR3はアフォーカル系L20、L30を反対方向に通過し、ミラーMODの前面FAVにより反射されて、照明ビームのスキャンが補償され、レンズL10によって再収束されて、ビームスプリッタLS’により反射される。これらはその後、その機能と大きさが[図1]のピンホールP2のそれらと同様のピンホールのマトリクスアレイMPによりフィルタ処理される。アフォーカル系を形成する2つの収束レンズL60、L50及び2つのミラーM10、M20(任意選択による)により、ピンホールのマトリクスアレイMPからのビームを収束マイクロレンズの第二のアレイRML2へと方向付けることができ、これはビームを収束させ、それによって各焦点の大きさが係数2だけ小さくなる。他の収束レンズL40を通過した後、ビームFR1~FR3は光子再配置を目的として共振ミラーMODの後面FARで、及びガルバノミラー(図示せず)の後面により反射される。アフォーカル系L60、L50の、及びレンズL40の、及びマイクロレンズのアレイRML2の複合効果は、共振ミラーMODに衝突する各信号ビームFRの断面積を2倍にすることである。これが必要なのは、再スキャンの振幅が必然的に照明ビームのスキャンの振幅と等しいからである。
最後の収束レンズL70は、信号ビームをマトリクスイメージセンサCMIに収束させる。マイクロレンズのアレイRML2の機能は、信号ビームの焦点の断面積を半分にすることである。
[図1]及び[図8]の実施形態は、照明光のスキャンと同期し、適切な振幅を有する信号ビームのスキャン(すなわち、「再スキャン」)によって純粋に光学的な手段を通じて光子再配置を実現する。しかしながら、光子再配置をデジタル処理によって実現することも可能である。この場合、振動ミラーMO1と同期した撮像レートを有するカメラCMIは典型的にピンホールP2と同レベルに配置され、これはカメラ自体に組み込まれ得る。デジタル処理は、例えば(Mueller 2010)に記載されているが、カメラCMIにより取得される画像を入力として受け取るプロセッサPNIにより実行される。第三の光学系SO3は省いてよい。この実施形態による顕微鏡は[図9]に示されている。光子再配置はまた、[図8]の並列アーキテクチャにおいてもデジタル式に実現され得る。
本発明は2つの特定の実施形態に関して説明されているが、これらに限定されない。
例えば、これは透過型共焦点顕微鏡の場合にも適応させ得る。この場合、2つの顕微鏡対物レンズ、すなわち試料のある点を照明するための1つと、透過した光を集光するためのもう1つが必要となる。さらに、第一及び第二の光学システムは完全に分離していなければならず、そのためにより多くのコンポーネントが必要となる。
一般に、収束した光ビームによる試料のスキャンと光子再配置のためのスキャンは2次元である。しかしながら、場合によっては1次元のスキャンで十分でもあり得、それによって振動ミラーの数を減らすことができる。
レンズL1及びピンホールP1による、又はマイクロレンズのマトリクスアレイRML1及びピンホールのマトリクスアレイMPによる光学フィルタ処理は、照明が十分な空間コヒーレンス(ストレール比>80%)を有していれば、厳密に必要というわけではなく、例えば[図8]のそれのような並列化システムの場合、コヒーレンスは各基本ビームのスケールであると理解しなければならず、全体的なコヒーレンスは必要ない。同様に、光学リレイL3-L4及びL20-L30は、原則的に不可欠ではなく、それらの存在は一般に、振動ミラーMO1又はMODが対物レンズの瞳と確実に光学的に共役となるようにするために必要であり、そうでなければ、偏向角度が大きいと、対物レンズの瞳は十分に照明されず、それによって開口数及びひいては空間分解能が低下する。同様に、照明源としてのレーザの使用も不可欠ではない。
少なくとも幾つかのレンズは収束レンズではなく発散型であり得、及び/又は他のフォーカス又はデフォーカス手段、例えば凹面又は凸面ミラーに置き換えられ得る。
ビームスプリッタLSは、基本的に、スプリッタキューブに置き換えることもできるが、これは、そのコンポーネントにより導入されるスプリアス反射から不利である。
より一般的には、[図1]及び[図8]に示されるもの以外の光学的構成も、本発明による顕微鏡の様々な構成要素である光学系を製作するために使用され得る。さらに、図面の説明文中、光学素子の寸法は例として示されたにすぎない。
照明波長は何れの波長でもよいが、緑色光(495~570nm)、青色光(450~495nm)、又は紫色光(380~450nm)、又はさらには近紫外光(300~380nm)の使用が好ましくは、なぜならそれによって100nm以下のオーダの横方向空間分解能を実現しながら、より短い波長に伴う技術的問題を避けることができるからである。同様に、高い開口数(1以上)の液浸顕微鏡対物レンズを選択することで、空間分解能を最大にすることができるが、それ自体は不可欠ではない。
最後に、ウイルス粒子の検出と同定は、[図8]に示されるタイプの並列化顕微鏡の応用の単なる一例である。
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(Mueller 2010):C.B.Mueller,J.Enderlein“Image Scanning Microscopy”,PRL 104,198101 (2010).

Claims (13)

  1. 照明波長の少なくとも1つの空間的にコヒーレントな照明光ビーム(FE)を生成するように構成された光源(SL)と、
    前記照明光ビームに対して角度スキャンを適用するように構成された第一の光学系(SO1)と、
    前記第一の光学系から射出された前記照明光ビームを入力として受け取り、それを試料(E)上に収束させて、前記試料で弾性散乱した、信号ビームと呼ばれる光ビーム(FR)を集光してコリメートするように構成された少なくとも1つの顕微鏡対物レンズ(OM)と、
    全体又は一部が前記第一の光学系と一致でき、前記顕微鏡対物レンズによりコリメートされた前記信号ビームを入力として受け取り、それに対して、前記照明光ビームに適用されたものとは反対の角度スキャンを適用し、それを第一の焦点面(PF1)に収束させるように構成された第二の光学系(SO2)と、
    前記第一の焦点面内に配置されたピンホール(P2)と、
    第二の焦点面(PF2)内に配置されたマトリクスイメージセンサ(CMI)と、
    前記試料の画像を再構成するために前記マトリクスイメージセンサ(CMI)と相互作用する光子再配置手段(SO3、CNI)と、
    を含む走査型共焦点光子再配置顕微鏡において、
    前記顕微鏡対物レンズと前記第二の光学系は、前記マトリクスイメージセンサ上に前記照明波長の前記信号ビームを収束させるように構成されることと、
    前記ピンホールは2~4エアリユニットの直径又は最大横寸法を有すること
    を特徴とする走査型共焦点光子再配置顕微鏡。
  2. 少なくとも前記第二の光学系は、前記照明光ビームからの前記信号ビームを分割するためのビームスプリッタ(LS)を含む、請求項1に記載の走査型共焦点顕微鏡。
  3. 前記光源(SL)は、青、紫、又は近紫外照明光ビームを発するように構成される、請求項1~2の何れか1項に記載の走査型共焦点顕微鏡。
  4. 前記光源(SL)はレーザである、請求項1~3の何れか1項に記載の走査型共焦点顕微鏡。
  5. 前記顕微鏡対物レンズ(OM)は、1より大きいか1と等しい開口数を有する液浸対物レンズである、請求項1~4の何れか1項に記載の走査型共焦点顕微鏡。
  6. 前記光子再配置手段は、第三の光学システム(SO3)であって、前記ピンホールを通過した前記信号ビームを集光し、それをコリメートして、それに対して、前記照明光ビームに適用されたものと同期されて、その振幅と前記第三の光学系における前記コリメートされた光ビームの断面積との積が前記第二の光学系により適用される前記スキャンの振幅と前記第二の光学系における前記コリメートされた光ビームの断面積との積より大きくなるような角度スキャンを適用し、それを第二の焦点面内に収束させるように構成される第三の光学システム(SO3)を含み、
    前記顕微鏡対物レンズ、前記第二の光学系、及び前記第三の光学系からなるアセンブリは、マトリクスイメージセンサ上に前記照明波長の前記信号ビームを収束させるように構成される、請求項1~5の何れか1項に記載の走査型共焦点顕微鏡。
  7. 前記第三の光学系は、前記信号ビームに対して、前記スキャンの振幅に前記ビームの断面積を乗じたものが前記第一の光学系により前記照明光ビームに適用された前記角度スキャンの振幅と前記ビームの断面積との積の1.8~2.2倍となるような角度スキャンを適用するように構成される、請求項6に記載の走査型共焦点顕微鏡。
  8. 反射モードで動作するように構成され、
    -前記第一の光学系(SO1)は、前記照明光ビームを収束させる第一のレンズ(L1)と、前記第一のレンズの焦点面内に配置され、前記照明光ビームの空間フィルタ処理を行うピンホール(P1)と、前記ビームの一部を反射させるビームスプリッタ(LS)と、前記照明ビームの前記一部をコリメートする第二のレンズ(L2)と、そこに対して前記角度スキャンを適用する第一の振動ミラー(MO1)又は振動ミラーの系と、第三のレンズ(L3)及び第四のレンズ(L4)を含むアフォーカル系と、を含み、
    -前記第二の光学系は、前記アフォーカル系(L3、L4)と、前記第一の振動ミラー(MO1)又は振動ミラーの系と、前記第二のレンズ(L2)と、前記信号ビームのうち前記試料で後方散乱した一部を透過させるように構成された前記ビームスプリッタ(LS)と、を含み、
    -前記第三の光学系は、前記ピンホールを通過した前記信号ビームをコリメートする第五のレンズ(L5)と、それに対して、前記照明光ビームに適用されたものと同期した前記角度スキャンを適用する第二の振動ミラー(MO2)又は振動ミラーの系と、それを前記第二の焦点面に収束させる第六のレンズ(L6)と、を含む、
    請求項6及び7の何れか1項に記載の走査型共焦点顕微鏡。
  9. 前記光源(SL’)は、複数の前記照明光ビーム(FE1、FE2、FE3)を並列して生成するように構成され、これらは前記第一の光学系を通って伝播し、前記顕微鏡対物レンズは複数のそれぞれの信号ビーム(FR1、FR2、FR3)を集光し、これらはすると、前記第二の光学系に沿って伝播し、前記第二の焦点面内に配置された、前記後方散乱光ビームの各々について1つのピンホールのマトリクスアレイ(MP)をさらに含む、請求項1~8の何れか1項に記載の走査型共焦点顕微鏡。
  10. 反射モードで動作するように構成され、
    前記光源(SL’)は、前記複数の照明光ビームを生成して収束させるマイクロレンズの第一のアレイ(RML1)を含み、
    前記走査型共焦点顕微鏡は、反射前面(FAV)と反射後面(FAR)を有する少なくとも1つの振動ミラー(MOD)を含み、前記前面は前記第一及び第二の光学系の一部を形成し、前記後面は前記第三の光学系の一部を形成し、
    前記第三の光学系は、前記振動ミラーの前記後面に入射する前記後方散乱光ビームの断面積を1.8~2.2の係数で増大させるマイクロレンズの第二のアレイ(RML2)を含む、
    請求項6~8の何れか1項に従属する場合の請求項9に記載の走査型共焦点顕微鏡。
  11. 懸濁液中のウイルス粒子(PV)を観察するための請求項1~10の何れか1項に記載の走査型共焦点顕微鏡の使用。
  12. 試料(E)の観察方法において、
    照明波長の空間的にコヒーレントでコリメートされた少なくとも1つの照明光ビーム(FE)を生成するステップと、
    それに対して角度スキャンを適用するステップと、
    それを顕微鏡対物レンズ(OM)によって前記試料(E)上に収束させるステップと、
    前記又は他の顕微鏡対物レンズによって、前記照明波長の前記試料で弾性散乱した、信号ビームと呼ばれる光ビーム(FR)を集光するステップと、
    前記信号ビームに対して、前記照明光ビームに適用されたものと反対の角度スキャンを適用し、それを第一の焦点面(PF1)に収束させるステップと、
    前記第一の焦点面内に配置されたピンホール(P2)によって前記信号ビームの空間フィルタ処理を実行するステップであって、前記ピンホールは2~4エアリユニットの直径又は最大横寸法を有するステップと、
    前記ピンホールを通過した前記信号ビームを集光し、それをコリメートし、それに対して、前記照明光ビームに適用されたものと同期した、その振幅と前記信号ビームの断面積の積が前記照明光ビームに適用された前記角度スキャンの振幅とその直径との積より大きくなるような角度キャンを適用し、それを第二の焦点面(PF2)に収束させるステップと、
    前記第二の焦点面内に配置されたマトリクスイメージセンサによって前記信号ビームを検出するステップと、
    を含む方法。
  13. 試料(E)の観察方法において、
    照明波長の空間的にコヒーレントでコリメートされた少なくとも1つの照明光ビーム(FE)を生成するステップと、
    それに対して角度スキャンを適用するステップと、
    それを顕微鏡対物レンズ(OM)によって前記試料(E)上に収束させるステップと、
    前記又は他の顕微鏡対物レンズによって、前記照明波長の前記試料で弾性散乱した、信号ビームと呼ばれる光ビーム(FR)を集光するステップと、
    前記信号ビームに対して、前記照明光ビームに適用されたものと反対の角度スキャンを適用し、それを第一の焦点面(PF1)に収束させるステップと、
    前記第一の焦点面内に配置されたピンホール(P2)によって前記信号ビームの空間フィルタ処理を実行するステップであって、前記ピンホールは2~4エアリユニットの直径又は最大横寸法を有するステップと、
    前記ピンホールを通過した前記信号ビームを前記第二の焦点面内に配置されたマトリクスイメージセンサ(CMI)によって検出するステップであって、その撮像レートは前記照明光ビームの前記角度スキャンと同期しているステップと、
    前記マトリクスイメージセンサにより取得された前記画像にデジタル光再配置処理を適用するステップと、
    を含む方法。
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