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JP2023003696A - 電源制御装置および電源制御方法 - Google Patents

電源制御装置および電源制御方法 Download PDF

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JP2023003696A
JP2023003696A JP2021104931A JP2021104931A JP2023003696A JP 2023003696 A JP2023003696 A JP 2023003696A JP 2021104931 A JP2021104931 A JP 2021104931A JP 2021104931 A JP2021104931 A JP 2021104931A JP 2023003696 A JP2023003696 A JP 2023003696A
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Hiroki Sakamoto
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Abstract

【課題】補助電源による主電源のバックアップが可能か否かを正確に診断することができる電源制御装置および電源制御方法を提供する。【解決手段】実施形態に係る電源制御装置は、第1判定部と、第2判定部と、診断部とを備える。第1判定部は、所定のタイミングで補助電源を放電させて補助電源の内部抵抗値を算出し、内部抵抗値に基づいて、補助電源の内部抵抗の劣化を判定する。第2判定部は、補助電源の充電状態を示す値が再充電閾値を下回ったときに補助電源を充電させて補助電源の容量劣化率を算出し、容量劣化率に基づいて、補助電源の容量の劣化を判定する。診断部は、第1判定部および第2判定部のうち少なくともいずれか一方の判定結果に基づいて、補助電源による主電源のバックアップが可能か否かを診断する。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、電源制御装置および電源制御方法に関する。
従来、車両の自動運転による走行中に電源失陥が発生しても、安全な場所まで退避走行させて停車させることができるように、主電源と補助電源とを備え、主電源の電源系統に失陥が発生した場合に、補助電源の電源系統によって自動運転用の車載機器(負荷)へ電力を供給する冗長電源システムがある(例えば、特許文献1参照)。
冗長電源システムを備える車両は、補助電源による主電源のバックアップが可能か否かの診断が行われ、バックアップが可能と診断されると、自動運転への移行が許可される。
特開2018-182864号公報
しかしながら、補助電源による主電源のバックアップが可能か否かを診断する場合に、補助電源が劣化していると、バックアップが不可能な状態の補助電源をバックアップが可能と誤診断するおそれがある。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、補助電源による主電源のバックアップが可能か否かを正確に診断することができる電源制御装置および電源制御方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る電源制御装置は、第1判定部と、第2判定部と、診断部とを備える。第1判定部は、所定のタイミングで補助電源を放電させて前記補助電源の内部抵抗値を算出し、前記内部抵抗値に基づいて、前記補助電源の内部抵抗の劣化を判定する。第2判定部は、前記補助電源の充電状態を示す値が再充電閾値を下回ったときに前記補助電源を充電させて前記補助電源の容量劣化率を算出し、前記容量劣化率に基づいて、前記補助電源の容量の劣化を判定する。診断部は、第1判定部および第2判定部のうち少なくともいずれか一方の判定結果に基づいて、前記補助電源による主電源のバックアップが可能か否かを診断する。
実施形態の一態様に係る電源制御装置および電源制御方法は、補助電源による主電源のバックアップが可能か否かを正確に診断することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る電源制御装置の構成例を示す説明図である。 図2は、実施形態に係る電源制御装置の動作例を示す説明図である。 図3は、実施形態に係る電源制御装置の動作例を示す説明図である。 図4は、実施形態に係る電源制御装置の動作例を示す説明図である。 図5は、実施形態に係る電源制御装置の動作例を示す説明図である。 図6は、実施形態に係る診断処理のタイミングを示すタイミングチャートである。 図7は、実施形態に係るセル抵抗値マップの一例を示す図である。 図8は、実施形態に係る電源制御装置の動作例を示す説明図である。 図9は、実施形態に係る電源制御装置の動作例を示す説明図である。 図10は、は、実施形態に係る電源制御装置の診断部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、電源制御装置および電源制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。以下では、自動運転機能を備える車両に搭載されて負荷へ電力を供給する電源制御装置を例に挙げて説明するが、実施形態に係る電源制御装置は、自動運転機能を備えていない車両に搭載されてもよい。
また、以下では、電源制御装置が搭載される車両が電気自動車またはハイブリット自動車である場合について説明するが、電源制御装置が搭載される車両は、内燃機関によって走行するエンジン自動車であってもよい。
なお、実施形態に係る電源制御装置は、主電源と補助電源とを備え、主電源に電源失陥が発生した場合に、補助電源によって主電源をバックアップする任意の装置に搭載されてもよい。
[1.電源制御装置の構成]
図1は、実施形態に係る電源制御装置の構成例を示す説明図である。図1に示すように、実施形態に係る電源制御装置1は、主電源10と、第1負荷101と、一般負荷102と、第2負荷103と、自動運転制御装置100とに接続される。電源制御装置1は、主電源10の電力を第1負荷101および一般負荷102に供給する第1系統110と、後述する補助電源20の電力を第2負荷103に供給する第2系統120とを備える。
第1負荷101は、自動運転用の負荷を含む。例えば、第1負荷101は、自動運転中に動作するステアリングモータ、電動ブレーキ装置、車載カメラ、およびレーダ等を含む。一般負荷102は、例えば、ディスプレイ、エアコン、オーディオ、ビデオ、および各種ライト等を含む。
第2負荷103は、第1負荷101と同様の機能を備える。第2負荷103は、例えば、ステアリングモータ、電動ブレーキ装置、車載カメラ、およびレーダ等の自動運転中に動作する装置を含む。第1負荷101、一般負荷102、および第2負荷103は、電源制御装置1から供給される電力によって動作する。自動運転制御装置100は、第1負荷101または第2負荷103を動作させて、車両を自動運転制御する装置である。
主電源10は、DC/DCコンバータ(以下、「DC/DC11」と記載する)と、鉛バッテリ(以下、「PbB12」と記載する)とを含む。なお、主電源10の電池は、PbB12以外の任意の2次電池であってもよい。
DC/DC11は、発電機と、PbB12よりも電圧が高い高圧バッテリとに接続され、発電機および高圧バッテリの電圧を降圧して第1系統110に出力する。発電機は、例えば、走行する車両の運動エネルギーを電気に変換して発電するオルタネータである。高圧バッテリは、例えば、電気自動車やハイブリット自動車に搭載される車両駆動用のバッテリである。
なお、主電源10は、エンジン自動車に搭載される場合、DC/DC11の代わりにオルタネータ(発電機)が設けられる。DC/DC11は、PbB12の充電、第1負荷101および一般負荷102への電力供給、第2負荷103への電力供給、および後述する補助電源20の充電を行う。
電源制御装置1は、補助電源20と、系統間スイッチ41と、電池用スイッチ42と、バイパススイッチ43と、制御部3と、第1電圧センサ51と、第2電圧センサ52と、DC/DC53と、記憶部6とを備える。補助電源20は、主電源10による電力供給ができなくなった場合のバックアップ用電源である。補助電源20は、リチウムイオンバッテリ(以下、「LiB21」と記載する)を備える。なお、補助電源20の電池は、LiB21以外の任意の2次電池であってもよい。
系統間スイッチ41は、第1系統110と第2系統120とを接続する系統間ライン130に設けられ、第1系統110と第2系統120とを接続および切断可能なスイッチである。電池用スイッチ42は、LiB21を第2系統120に接続および切断可能なスイッチである。具体的には、電池用スイッチ42は、LiB21とバイパススイッチ43およびDC/DC53とを接続および切断可能なスイッチである。
バイパススイッチ43は、電池用スイッチ42と第2系統120とを接続および切断可能なスイッチである。DC/DC53は、バイパススイッチ43と並列に接続され、LiB21から出力される電圧およびLiB21へ入力される電圧を調整する。
第1電圧センサ51は、第1系統110に設けられ、第1系統110の電圧を検出し、検出結果を制御部3に出力する。第2電圧センサ52は、第2系統120に設けられ、第2系統120の電圧を検出し、検出結果を制御部3に出力する。
制御部3は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。なお、制御部3は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
制御部3は、CPUがROMに記憶されたプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することにより、電源制御装置1の動作を制御する。制御部3は、第1電圧センサ51および第2電圧センサ52から入力される検出結果に基づいて、第1系統110または第2系統120の地絡を検出する。制御部3による地絡の検出方法の具体例については、後述する。
制御部3は、第1系統110または第2系統120の地絡を検出した場合、その旨を自動運転制御装置100に通知する。なお、制御部3は、第1系統110または第2系統120の地絡を検出した場合、自動運転が不可能な状態である旨を自動運転制御装置100に通知してもよい。また、制御部3は、第1系統110または第2系統120の地絡を検出していない場合、自動運転が可能な状態である旨を自動運転制御装置100に通知してもよい。
制御部3は、第1系統110に地絡等の電源失陥が発生した場合には、系統間スイッチ41を遮断し、電池用スイッチ42およびバイパススイッチ43を導通して、補助電源20から第2負荷103に電力を供給する。また、制御部3は、第2系統120に地絡等の電源失陥が発生した場合には、系統間スイッチ41を遮断し、電池用スイッチ42を遮断した状態で、主電源10から第1負荷101および一般負荷102に電力を供給する。
これにより、電源制御装置1は、自動運転中にいずれか一方の系統が地絡しても、他方の系統を使用し、自動運転制御装置100によって車両を安全な場所まで退避走行させて停車させることができる。
また、制御部3は、第1判定部31と、第2判定部32と、診断部33とを備える。第1判定部31は、所定のタイミングで、例えば、起動時に補助電源20を放電させて補助電源20の内部抵抗(以下、「セル抵抗」と記載する)値を算出し、セル抵抗値に基づいて、補助電源20のセル抵抗の劣化を判定する。
所定のタイミングを起動時とすることで、走行開始直前の補助電源20の状態からセル抵抗の劣化を判定できる。以下の説明では、所定のタイミングを起動時として説明するが、所定のタイミングとしては、起動時に限らず、起動後の停車中や、イグニッションオフ時等、車両の走行に影響を及ぼさないタイミングであればよい。
第2判定部32は、補助電源20の充電状態を示す値であるSOC(State Of Charge)が再充電閾値を下回ったときに補助電源20を充電させて補助電源20の容量劣化率を算出し、容量劣化率に基づいて、補助電源20の容量の劣化を判定する。
診断部33は、第1判定部31および第2判定部32のうち少なくともいずれか一方の判定結果に基づいて、補助電源20による主電源10のバックアップが可能か否かを診断する。このように、電源制御装置1は、補助電源20のセル抵抗の劣化および補助電源20の容量の劣化を考慮することによって、補助電源20による主電源10のバックアップが可能か否かを正確に診断することができる。制御部3の動作例については、図2~図5、図8~図9を参照して後述する。
記憶部6は、例えば、データフラッシュ等の情報記憶デバイスであり、セル抵抗値マップ61と、前回容量劣化率62とを記憶する。セル抵抗値マップ61の一例については、図8を参照して後述する。次に、図2~図9を参照し、電源制御装置1の動作について説明する。
[2.電源制御装置の通常時動作]
制御部3は、第1系統110および第2系統120に地絡が発生していない通常時には、図2に示すように、電池用スイッチ42を遮断し、バイパススイッチ43を導通した状態で系統間スイッチ41を導通し、主電源10から第1負荷101、一般負荷102、および第2負荷103に電力を供給する。
[3.電源制御装置の地絡発生時動作]
次に、図3~図5を参照して、電源制御装置1の地絡発生時動作について説明する。図3に示すように、電源制御装置1では、例えば、第1系統110で地絡200が発生すると、地絡点に向けて過電流が流れるため、第1電圧センサ51によって検出される第1系統110の電圧が地絡閾値以下になる。
また、電源制御装置1では、第2系統120で地絡201が発生すると、地絡点に向けて過電流が流れるため、第2電圧センサ52によって検出される第2系統120の電圧が地絡閾値以下になる。
このため、制御部3は、第1電圧センサ51または第2電圧センサ52の少なくともいずれか一方によって検出される電圧が地絡閾値以下になった場合に、電源の異常を検知して系統間スイッチ41を遮断し、電池用スイッチ42を導通する。このとき、制御部3は、第1系統110または第2系統120に地絡が発生したと仮判定する。
その後、制御部3は、第1電圧センサ51によって検出される電圧が所定時間以上地絡閾値以下であり、第2電圧センサ52によって検出される電圧が所定時間以内に地絡閾値を超えるまで復帰した場合、第1系統110に地絡200が発生したと本判定する。
そして、図4に示すように、制御部3は、補助電源20から第2負荷103に電力を供給し、その旨を自動運転制御装置100に通知する。これにより、自動運転制御装置100は、補助電源20から供給される電力によって第2負荷103を動作させて、車両を安全な場所まで退避走行させて停車させることができる。
また、制御部3は、第1系統110または第2系統120に地絡が発生したと仮判定した後、第2電圧センサ52によって検出される電圧が地絡閾値以下であり、第1電圧センサ51によって検出される電圧が所定時間以内に地絡閾値を超えるまで復帰した場合、第2系統120に地絡201が発生したと本判定する。
そして、図5に示すように、制御部3は、電池用スイッチ42を遮断して、主電源10から第1負荷101に電力を供給し、その旨を自動運転制御装置100に通知する。これにより、自動運転制御装置100は、主電源10から供給される電力によって第1負荷101を動作させて、車両を安全な場所まで退避走行させて停車させることができる。
また、電源制御装置1では、地絡200,201ではなく、第1負荷101または一般負荷102が一時的に過負荷状態になった場合に、第1電圧センサ51によって検出される電圧が一時的に地絡閾値以下になることがある。また、電源制御装置1では、第2負荷103が一時的に過負荷状態になった場合に、第2電圧センサ52によって検出される電圧が一時的に地絡閾値以下になることがある。
この場合、電源制御装置1では、継続的に主電源10から第1負荷101および一般負荷102に電力が供給され、補助電源20から第2負荷103に電力が供給される。このため、制御部3は、第1系統110または第2系統120に地絡が発生したと仮判定した後、所定時間が経過する前に第1電圧センサ51および第2電圧センサ52によって検出される電圧が共に地絡閾値を超えるまで復帰すれば、電源に異常がないと本判定する。その後、制御部3は、図2に示した通常動作に復帰させるため、電池用スイッチ42を遮断し、系統間スイッチ41を再導通する。
[4.補助電源診断時動作]
次に、図6~図9を参照し、電源制御装置1の制御部3が補助電源20による主電源10のバックアップが可能か否かを診断する診断時動作について説明する。ここで、補助電源20は、SOCが予め定められるバックアップ可能下限値を超えていれば、主電源10のバックアップが可能である。
ただし、補助電源20は、劣化が進んでいると、SOCがバックアップ可能下限値を超えていても、主電源10のバックアップを行えない場合がある。そこで、バックアップが可能か否かを正確に診断するには、補助電源20の劣化を考慮に入れる必要がある。
補助電源20の劣化を判定する方法の一つに、容量劣化率に基づく判定方法がある。容量劣化率は、例えば、充電量が低下した補助電源20を再充電し、そのときの補助電源20における充電量の増加率に基づいて算出することが可能である。また、容量劣化率は、充電量が低下した補助電源20を満充電になるまで充電し、そのときの補助電源20のSOCに基づいて算出することもできる。
このため、例えば、補助電源20が自然放電してSOCが再充電閾値未満になった場合に、補助電源20を再充電し、そのときのSOCや充電量の増加率に基づいて算出する容量劣化率を考慮して、バックアップが可能か否かの診断を行うことが可能である。
しかしながら、補助電源20は、SOCが自然放電によって再充電閾値未満になるまでに数か月かかることがある。このため、例えば、起動時に毎回SOCに基づいてバックアップの可否診断を行う場合、最長で数か月前の容量劣化率をもとに診断を行うことになり、バックアップの正確な診断を行えないおそれがある。
そこで、図6に示すように、実施形態に係る電源制御装置1の診断部33は、起動中の所定タイミングで、例えば、車両のIG(イグニッションスイッチ)がオンにされる起動時に、毎回、補助電源20を放電させてセル抵抗を算出する。
そして、診断部33は、セル抵抗の劣化判定を行い、セル抵抗が劣化しておらず、前回算出された容量劣化率から容量が劣化していないと判定され、且つ補助電源20のSOCが再充電閾値を超えていれば、バックアップ可能と診断する。
なお、本実施形態では、補助電源20が新品の状態での容量劣化率を100%とし、容量の劣化が進むにつれて容量劣化率の値が低下するものとする。このように、診断部33は、起動時に毎回判定されるセル抵抗の劣化を考慮することにより、バックアップが可能か否かを正確に診断することができる。
その後、診断部33は、補助電源20のSOCが再充電閾値以下になると、補助電源20を充電させて今回の容量劣化率を算出する。そして、診断部33は、セル抵抗の劣化判定を行い、セル抵抗が劣化しておらず、今回算出された容量劣化率から容量が劣化していないと判定され、且つ補助電源20のSOCが再充電閾値を超えていれば、バックアップ可能と診断する。このように、診断部33は、起動時に毎回判定されるセル抵抗の劣化と、最新の容量劣化率とを考慮することにより、バックアップが可能か否かを正確に診断することができる。
具体的には、制御部3の第1判定部31は、車両のIGがオンにされると、まず、補助電源20のSOCを推定し、補助電源20から温度を取得する。そして、第1判定部31は、補助電源20のSOCと、補助電源20の温度と、セル抵抗値マップ61とに基づいて、補助電源20のEOL(End Of Life)抵抗値を推定する。
EOL抵抗値は、補助電源20がバックアップを行うことができるセル抵抗値の上限値を超える値であり、製品寿命に達した補助電源20のセル抵抗値である。つまり、補助電源20は、セル抵抗値がEOL抵抗値未満であれば、セル抵抗に関してはバックアップが可能な状態ということになる。
ここで、図7を参照し、セル抵抗値マップ61の一例について説明する。図7は、実施形態に係るセル抵抗値マップの一例を示す図である。図7に示すように、セル抵抗値マップ61は、補助電源20のSOCと温度と、その状態のときのEOL抵抗値との関係を示すマップである。第1判定部31は、補助電源20の推定したSOCと取得した温度とに対応するEOLセル抵抗値をセル抵抗値マップ61から取得する。
続いて、図8に示すように、第1判定部31は、系統間スイッチ41を遮断した状態で、バイパススイッチ43を遮断して電池用スイッチ42を導通させ、DC/DC53を制御し、補助電源20からDC/DC53を介して第2負荷103に診断用の電流を供給する。
このとき、第1判定部31は、実際にバックアップを行うときよりも少ない電流を流すようにDC/DC53を調整する。これにより、第1判定部31は、補助電源20の放電量を最小限に抑えることができる。
そして、第1判定部31は、このとき補助電源20から放電される電流ΔIおよび電圧ΔVから、セル抵抗R=ΔV/ΔIを算出する。このとき、第1判定部31は、第2系統120または補助電源20に設けられる電流センサ(図示略)から電流ΔIを取得し、電圧ΔVについては第2電圧センサ52から取得することができる。
第1判定部31は、算出したセル抵抗値が、そのときのEOLセル抵抗値未満であれば、セル抵抗が劣化していないと判定し、セル抵抗値が、そのときのEOLセル抵抗値以上であれば、セル抵抗が劣化していると判定する。
このとき、第2判定部32は、前回の容量劣化率がEOL劣化率(例えば、80%)を超えていれば、容量が劣化していないと判定し、算出した容量劣化率がEOL劣化率以下であれば、容量が劣化していると判定する。
そして、診断部33は、第1判定部31によってセル抵抗が劣化していないと判定され、第2判定部32によって容量が劣化していないと判定され、SOCが再充電閾値を超えていれば、補助電源20による主電源10のバックアップ可能と診断する。なお、ここでの診断では、容量の劣化を判断材料から省略してもよい。
その後、補助電源20のSOCが再充電閾値以下になると、図9に示すように、第2判定部32は、系統間スイッチ41を導通させ、主電源10からDC/DC53を介して補助電源20に電力を供給して補助電源20を充電する。そして、第2判定部32は、補助電源20の容量劣化率を算出する。
このとき、第2判定部32は、例えば、充電を行ったときの補助電源20における充電量の増加率に基づいて容量劣化率を算出する。なお、第2判定部32は、補助電源20が満充電されるまでに必要な予め定める充電時間の充電が完了したときの補助電源20のSOCに基づいて容量劣化率を算出してもよい。
ここで、再充電閾値は、補助電源20による主電源10のバックアップが可能なSOCの下限値より大きい値に設定される。例えば、図6に示すように、再充電閾値は、SOCのバックアップ可能下限値にセンサ誤差/演算誤差と、30日最大放電量を加算した値に設定される。
これにより、電源制御装置1は、最後にIGがオフにされて次にIGがオンにされるまでの期間が30日以内であれば、次にIGがオンにされたときに、バックアップ可能なSOCを保証することができる。
第2判定部32は、算出した容量劣化率がEOL劣化率(例えば、80%)を超えていれば、容量が劣化していないと判定し、算出した容量劣化率がEOL劣化率以下であれば、容量が劣化していると判定する。
ここでも、第1判定部31は、セル抵抗値に基づいてセル抵抗が劣化しているか否かを判定する。そして、診断部33は、第1判定部31によりセル抵抗が劣化していないと判定され、第2判定部32により容量が劣化していないと判定される場合に、補助電源20による主電源10のバックアップが可能と診断する。
なお、ここでの診断では、セル抵抗の劣化を判断材料から省略してもよい。このように、電源制御装置1は、起動時に毎回判定されるセル抵抗の劣化と、容量劣化率とを考慮することにより、バックアップが可能か否かを正確に診断することができる。
また、電源制御装置1は、IGがオンにされる度に、少量ではあるが補助電源20を放電させるので、補助電源20のSOCが自然放電によって再充電閾値以下になるよりも早く再充電閾値まで低下する。
これにより、電源制御装置1は、補助電源20が再充電される周期、すなわち、補助電源20の容量劣化率を算出する頻度が高くなるので、容量劣化率に基づく容量の劣化判定結果の信頼度を向上させることができる。
[5.制御部が実行する処理]
次に、図10を参照し、実施形態に係る電源制御装置1の制御部3が実行する処理について説明する。図10は、実施形態に係る電源制御装置の診断部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
制御部3は、例えば、電源制御装置1を備える車両のIGがオンにされると、図10に示す処理を開始する。具体的には、図10に示すように、第1判定部31は、まず、補助電源のSOCと、補助電源20の温度と、セル抵抗値マップ61とに基づいて、補助電源20のEOLセル抵抗値を推定する(ステップS101)。
その後、第1判定部31は、補助電源20を放電させて(ステップS102)、補助電源20のセル抵抗値を算出する(ステップS103)。そして、第1判定部31は、補助電源20のセル抵抗値がEOLセル抵抗値未満であるか否かを判定する(ステップS104)。
第1判定部31は、補助電源20のセル抵抗値がEOLセル抵抗値以上であると判定した場合(ステップS104,No)、セル抵抗が劣化していると判定する。この場合、診断部33は、バックアップ不可能と診断して(ステップS112)、処理を終了する。
また、第1判定部31は、補助電源20のセル抵抗値がEOLセル抵抗値未満であると判定した場合(ステップS104,Yes)、セル抵抗が劣化していないと判定する。この場合、第2判定部32は、補助電源20の前回容量劣化率62がEOL劣化率を超えているか否かを判定する(ステップS105)。
第2判定部32は、補助電源20の前回容量劣化率62がEOL劣化率以下であると判定した場合(ステップS105,No)、補助電源20の容量が劣化していると判定する。この場合、診断部33は、バックアップ不可能と診断して(ステップS112)、処理を終了する。
また、第2判定部32は、補助電源20の前回容量劣化率62がEOL劣化率を超えていると判定した場合(ステップS105,Yes)、補助電源20のSOCが再充電閾値以下か否かを判定する(ステップS106)。
第2判定部32によって、補助電源20のSOCが再充電閾値を超えていると判定された場合(ステップS106,No)、診断部33は、バックアップ可能と診断して(ステップS111)、処理を終了する。
第2判定部32は、補助電源20のSOCが再充電閾値以下であると判定した場合(ステップS106,Yes)、補助電源20を充電し(ステップS107)、補助電源20の容量劣化率を算出する(ステップS108)。
そして、第2判定部32は、容量劣化率がEOL容量劣化率を超えているか否かを判定する(ステップS109)。第2判定部32は、容量劣化率がEOL容量劣化率以下であると判定した場合(ステップS109,No)、補助電源20の容量が劣化していると判定する。この場合、診断部33は、バックアップ不可能と診断して(ステップS112)、処理を終了する。
また、第2判定部32は、容量劣化率がEOL容量劣化率を超えていると判定した場合(ステップS109,Yes)、補助電源20の容量が劣化していないと判定し、容量劣化率を前回容量劣化率62として記憶部6に記憶させる(ステップS110)。この場合、診断部33は、バックアップ可能と診断して(ステップS111)、処理を終了する。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 電源制御装置
10 主電源
11 DC/DC
12 PbB
20 補助電源
21 LiB
3 制御部
31 第1判定部
32 第2判定部
33 診断部
41 系統間スイッチ
42 電池用スイッチ
43 バイパススイッチ
51 第1電圧センサ
52 第2電圧センサ
53 DC/DC
6 記憶部
61 セル抵抗値マップ
62 前回容量劣化率
100 自動運転制御装置
101 第1負荷
102 一般負荷
103 第2負荷
110 第1系統
120 第2系統

Claims (3)

  1. 所定のタイミングで補助電源を放電させて前記補助電源の内部抵抗値を算出し、前記内部抵抗値に基づいて、前記補助電源の内部抵抗の劣化を判定する第1判定部と、
    前記補助電源の充電状態を示す値が再充電閾値を下回ったときに前記補助電源を充電させて前記補助電源の容量劣化率を算出し、前記容量劣化率に基づいて、前記補助電源の容量の劣化を判定する第2判定部と、
    第1判定部および第2判定部のうち少なくともいずれか一方の判定結果に基づいて、前記補助電源による主電源のバックアップが可能か否かを診断する診断部と
    を備えることを特徴とする電源制御装置。
  2. 前記再充電閾値は、
    前記バックアップが可能な充電状態を示す値の下限値より大きい値に設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源制御装置。
  3. 電源制御装置の第1判定部が、
    所定のタイミングで補助電源を放電させて前記補助電源の内部抵抗値を算出し、前記内部抵抗値に基づいて、前記補助電源の内部抵抗の劣化を判定する第1判定を行い、
    前記電源制御装置の第2判定部が、
    前記補助電源の充電状態を示す値が再充電閾値を下回ったときに前記補助電源を充電させて前記補助電源の容量劣化率を算出し、前記容量劣化率に基づいて、前記補助電源の容量の劣化を判定する第2判定を行い、
    前記電源制御装置の診断部が、
    第1判定および第2判定のうち少なくともいずれか一方の判定結果に基づいて、前記補助電源による主電源のバックアップが可能か否かを診断する
    ことを含むことを特徴とする電源制御方法。
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