JP2023081214A - 複合容器及び複合容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂製の骨組体と紙製の筒状体と組み合わせることで樹脂量の大幅な低減と製造効率の向上を図ることができ、紙製の筒状体に要求される機能を維持することのできる複合容器及びその製造方法を提供する。【解決手段】底面11及び側面12を有し、樹脂製の骨組体20と、紙製の筒状体30とを用いて構成された収容部10を有し、筒状体30は、一又は複数の紙製面体31を筒状にしたものであり、骨組体20は、紙製面体31の一の端辺部31aと他の端辺部31bとの間に介在するとともに一の端辺部31a及び他の端辺部31bにおいて紙製面体31の端面全面を覆う接合部21aを有する複合容器100とする。【選択図】図1
Description
本発明は、複合容器及び複合容器の製造方法に関する。
近年、マイクロプラスチックをはじめとするプラスチック廃棄物による自然環境への負荷を抑制すべく、使い捨て容器における樹脂量削減に対する取り組みが進められている。具体的な取り組みとして、プラスチック製容器に使用する樹脂量の低減、プラスチック製品から紙製品等への代替等が行われている。さらに、プラスチック製容器と紙製部材とを組み合わせた複合容器なども提案されている。
例えば、特許文献1では樹脂製容器と紙製スリーブ(補強部材)とを組み合わせた複合容器が提案されている。当該複合容器では、樹脂製容器の胴部に厚みを0.01mm以上0.09mm以下の薄肉部を設けることで樹脂量の低減を図っている。しかしながら、胴部にこのような薄肉部を設けると、胴部は容易に変形し把持することができない。そこで、当該樹脂製容器では、胴部に連結されるフランジ部と、胴部においてフランジ部に連結される厚肉部と、厚肉部に径方向外方に突出する突出部とを設け、上記薄肉部を厚肉部よりも底部側に配置するものとしている。そして、筒状にした紙製のスリーブに樹脂製容器の胴部を挿入し、スリーブを突出部に支持させることで、樹脂製容器と紙製のスリーブとを容易に取り付けることができ、且つ、薄肉部により低下した樹脂性容器の剛性をスリーブにより補強するものとしている。
上記特許文献1に開示の複合容器によれば、紙製スリーブにより剛性を得ることで、胴部の樹脂量が削減されている。しかしながら、胴部の上部には厚肉部が設けられており、底部についても所定の強度を維持すべく薄肉部よりも肉厚にされている。そのため、樹脂製部分が依然として多く、使用する樹脂量のより一層の低減が求められる。
さらに、上記複合容器では、樹脂製容器と、紙製スリーブとをそれぞれ別個に準備した後に、樹脂製容器に紙製スリーブを取り付ける作業を要する。樹脂容器はプリフォームを用いてブロー成形することにより作製されたものであり、紙製スリーブは、本体部と糊しろ部とを含む所定形状に切断された板紙等を丸めて、本体部と糊しろ部とを接着剤等により接着することにより作製されたものである。このように上記従来の複合容器は製造工程が煩雑であり、製造効率の向上が求められる。
また、上記紙製スリーブは、耐水等の機能を有する機能性フィルムが表面に積層された積層紙などが用いられている。上記のような複合容器には食品等の水分等を含む内容物が収容される。紙製スリーブの切断面は機能性フィルムで覆われていないため、切断面から水分等が侵入して紙製スリーブが水分等によりふやけるおそれがある。その場合、紙製スリーブに要求される剛性等を維持することができなくなる場合もある。また、切断面が露出していると、例えば、表面の機能製フィルムが端から剥がれてしまうなど、その積層構造を維持できず、やはり紙製スリーブに要求される剛性や外観を維持することができない場合も生じる。
そこで、本発明の課題は、樹脂製の骨組体と紙製の筒状体と組み合わせることで樹脂量の大幅な低減と製造効率の向上を図ることができ、紙製の筒状体に要求される機能を維持することのできる複合容器及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る複合容器は、底面及び側面を有し、樹脂製の骨組体と、紙製の筒状体とを用いて構成された収容部を有し、前記紙製の筒状体は、一又は複数の紙製面体を筒状にしたものであり、前記骨組体は、前記紙製面体の一の端辺部と他の端辺部との間に介在するとともに前記一の端辺部及び前記他の端辺部の端面全面を覆う接合部を有することを特徴とする。
上記複合容器において、前記一の端辺部及び前記他の端辺部は、折り曲げられて前記筒状体の外面から突出し、前記接合部内に埋設されていることが好ましい。
上記複合容器において、前記骨組体は、前記底面の外縁を構成する底骨組体と、当該収容部の天面の外縁を構成する天骨組体と、前記接合部を含み、前記底骨組体と前記天骨組体とに連結される側骨組体とを備え、前記収容部の前記側面は、前記側骨組体と前記接合部に前記一の端辺部及び前記他の端辺部が接合されることで筒状を成す側面用紙製面体とにより構成され、前記収容部の前記底面は、前記底骨組体と、当該底骨組体に外縁端部分が接合される底面用紙製面体とにより構成され、前記紙製の筒状体の底端辺部は前記底骨組体に接合され、天端辺部は前記天骨組体に接合されることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明に係る複合容器の製造方法は、上記複合容器を製造するための方法であって、分割面を介して分割される一方の金型部材と、他方の金型部材とを有し、当該一方の金型部材と当該他方の金型部材とを組み合わせることで、前記骨組体に応じた形状の樹脂充填部が形成される金型を用い、前記樹脂充填部において前記接合部に対応する形状を有する接合部形成領域に、前記紙製面体の端辺部が挿入されるようにして前記紙製面体を前記一方の金型部材と前記他方の金型部材との間に設置して両金型部材により挟持させ、前記樹脂充填部に樹脂を充填することにより、前記紙製面体の前記一の端辺部と前記他の端辺部とが前記接合部により接合されて、前記骨組体と前記筒状体とが一体化された前記複合容器を得ることを特徴とする。
本発明に係る複合容器の製造方法では、前記接合部形成領域内において、前記一方の金型部材の前記分割面から前記他方の金型部材側に突出する凸部が設けられ、前記凸部により前記紙製面体の端辺部が前記他方の金型部材側に押し上げられた状態で、前記樹脂充填部に樹脂が充填される、ことが好ましい。
本発明に係る複合容器の製造方法では、前記接合部形成領域内の前記端辺部が配置される位置において、前記一方の金型部材の前記分割面には前記凸部の近傍に凹部が設けられ、前記端辺部の前記端面側から前記凸部、前記凹部の順に配置されており、前記樹脂充填部に前記樹脂を充填すると、樹脂充填圧と前記凹部及び前記凸部とにより、前記端辺部が折り曲げられることが好ましい。
本発明に係る複合容器によれば、収容部を樹脂製の骨組体と紙製の筒状体とを用いて構成することで、収容部全体を樹脂で構成する場合と比較すると、使用する樹脂量を大きく低減することができる。さらに、骨組体についても紙製の筒状体のみでは不足する分の強度を補うことができる程度の厚み等にすればよいため、骨組体に要する樹脂量も少なくて済む。
ここで、紙製の筒状体は、一又は複数の紙製面体を筒状にしたものであり、紙製面体の一の端辺部と他の端辺部との間には骨組体の接合部が介在し、接合部により各端辺部の端面全面が覆われて接合されている。当該複合容器を食品等の水分を含む内容物、或いは、液体を収容するための容器に適用した場合、紙製面体の接合部には水分が付着する場合がある。このような場合も、本発明では一の端辺部と他の端辺部の端面全面が覆われているため、接合部において当該端面から水分等が侵入することを防ぐことができる。従って、紙製面体の端面が切断面である場合も、端面から水分等が侵入して剛性が低下したり、紙製面体が複数のシートを積層した積層紙からなる場合に、積層したシートが表面から剥がれたり、端辺部間の接合強度が低下するといった不具合を抑制することができる。これらのことから、紙製の筒状体に要求される剛性や、当該複合容器の外観を良好に維持することができ、紙製の筒状体に要求される機能を維持することができる。
さらに、本発明に係る複合容器の製造方法によれば、インサート成形法を応用することができる。すなわち、金型の所定の位置に紙製面体を設置して、金型の樹脂充填部に樹脂を充填すれば、接合部形成領域に紙製面体の端辺部が挿入されているため、骨組体を成形すると同時に、紙製面体の一の端辺部と他の端辺部とが接合部により接合されて一体化された複合容器を得ることができる。そのため、樹脂製部分と紙製部分とを別個に製造して組み立てるといった作業が不要となり、製造効率の向上を図ることができる。
以上より本発明に係る複合容器及び複合容器の製造方法によれば、樹脂製の骨組体と紙製の筒状体と組み合わせることで樹脂量の低減と製造効率の向上を図ることができ、且つ、紙製の筒状体に要求される機能を維持することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の複合容器及び複合容器の製造方法について説明する。
1.複合容器
図1~図3を参照しながら、まず、本実施の形態の複合容器100の概略構成を説明する。なお、図1(a)は当該複合容器100の正面図(一部断面図)であり、図1(b)は底面図であり、図2(a)は上面図であり、図2(b)は側面図(一部断面図)である。なお、図2(a)においてハッチングで示す部分は、後述する環状凸リブ23fを示し、断面を示すものではない。
図1~図3を参照しながら、まず、本実施の形態の複合容器100の概略構成を説明する。なお、図1(a)は当該複合容器100の正面図(一部断面図)であり、図1(b)は底面図であり、図2(a)は上面図であり、図2(b)は側面図(一部断面図)である。なお、図2(a)においてハッチングで示す部分は、後述する環状凸リブ23fを示し、断面を示すものではない。
当該複合容器100は、図1(a)に示すように、底面11及び側面12を有し、天面13が開口する収容部10を備えている。当該複合容器100は、収容部10が樹脂製の骨組体20と紙製の筒状体30とにより構成された、異種材料からなるハイブリッド容器である。図1(b)及び図2(a)に示すように、収容部10はカップ状に構成されており、底面11及び天面13はそれぞれ同軸の円形であり、天面13の方が底面11よりも大径になっている。
紙製の筒状体30は、図3に示す側面用紙製面体31と、底面用紙製面体32とが骨組体20に接合されることで、有底筒状の当該収容部10を構成する。以下、底面11及び天面13の中心を通る線を中心軸線Oとし、中心軸線Oに沿う方向を軸方向と称し、中心軸線Oに直交する方向を径方向と称し、中心軸線Oを中心に周回する向きを周方向と称する。また、図1に示す状態で複合容器100を載置したときに軸方向において、底面11側を「下」側と称し、天面13側を「上」側と称する。なお、図1(a)及び図2(a)では、それぞれ図に向かって中心軸線Oよりも右側を断面図としている。以下、骨組体20、筒状体30の構成を順に説明する。
図1(a)、(b)及び図2(a)、(b)に示すように、骨組体20は、収容部10の側面部分の骨組を構成する側骨組体21と、底面部分の骨組を構成する底骨組体22と、天面部分の骨組を構成する天骨組体23とを備えている。
側骨組体21は、図1(a)、(b)に示すように、一端が底骨組体22に連結され、他端が天骨組体23に連結される2本の支柱部21a、21bから構成される。2本の支柱部21a、21bは中心軸線Oを挟んで対向配置されている。接合支柱部21a及び補強支柱部21bは、筒状体30の外面、すなわち側面用紙製面体31の外面よりも径方向外側に突出し、軸方向に沿って底骨組体22から天骨組体23まで延びる凸リブとして設けられている。
この2本の支柱部21a、21bのうち、一方の支柱部21aは本発明にいう接合部に相当する。他方の支柱部21bは収容部10の強度(剛性)を補うための補強部として機能する。以下、一方の支柱部21aを接合支柱部21aと称し、他方の支柱部21bを補強支柱部21bと称する。接合支柱部21aにおいて、筒状体30を構成する側面用紙製面体31の一の端辺部31aと他の端辺部31bとが接合される。また、補強支柱部21bは筒状体30(側面用紙製面体31)の外面に接合(貼着)されている。
底骨組体22は、収容部10の底面11の外縁を構成する。底骨組体22は、図1(a)、(b)に示すように底面11側に配置される底環状枠22aと側面12側に配置される側環状枠22bとを備えている。底環状枠22aは軸方向における厚みの薄い平環状に構成されている。側環状枠22bは径方向における厚みが薄く、軸方向に所定長を有するリング枠状の形状を呈する。底骨組体22は、底環状枠22aの外縁端と側環状枠22bの下端とが底骨接合部22cにより連結されることで、断面が略L字状を呈する(図1(a)参照)。
また、底骨組体22は連結部22dにより、側骨組体21の接合支柱部21a及び補強支柱部21bにそれぞれ連結されている。連結部22dは図1(a)、(b)に示すように、底骨接合部22cの収容部10の底面11側から側面12側にわたって設けられ、収容部10の側面12において接合支柱部21aと一体化されている。さらに、図1及び図2に示すように、底環状枠22aの内縁部分には底面用紙製面体32の外縁が、底環状枠22aの内面側から接合され、側環状枠22bの上端部分には側面用紙製面体31の底端辺部31cが、側環状枠22bの外面側から接合される。
天骨組体23は、収容部10の天面13の外縁を構成する。天骨組体23は、図1(a)及び図2(b)に示すように、側面用紙製面体31の天端辺部31dに接合される内枠体23aと、内枠体23aの上端において外側に突出するフランジ部23bと、フランジ部23bの外縁から垂設される外枠体23cとを備えている。内枠体23a及び外枠体23cはそれぞれ軸方向に所定長を有し、径方向の厚みの薄いリング枠状に構成されている。すなわち、天骨組体23は、内枠体23a、フランジ部23b及び外枠体23cによって下方が開口するコ字状の断面形状を有する。本実施の形態の複合容器100では、天骨組体23を断面視においてコ字状の形状に構成することで、内枠体23a、フランジ部23b及び外枠体23cの肉厚を薄く構成し、樹脂量を削減した場合も、必要な強度を維持しやすくしている。
また、本実施の形態では、外枠体23cの内周面の下端部には図1(a)及び図1(b)に示すように内周面に沿って内周リブ23dが周方向に等間隔に4箇所に設けられている。内周リブ23dは外枠体23cの内周面から径方向内側に突出すると共に、周方向に所定の幅を有する。内周リブ23dを外枠体23cの内周面に設けることで、天骨組体23の強度を増すことができる。また、外枠体23cの外周面の下端部には径方向外側に突出するように外周リブ23eが全周にわたって設けられている。これらの内周リブ23d及び外周リブ23eを設けることで、内枠体23a、フランジ部23b及び外枠体23cを肉厚を薄くしたときも、収容部10の天面13部分に要求される強度をより良好に維持することができる。
さらに、本実施の形態では、図1(a)、図2(a)、(b)に示すように、フランジ部23bの天面13には軸方向上方に突出する環状凸リブ23fが設けられている。当該環状凸リブ23fはパッキンシール用のコンタクトリングとして用いられる。また、当該複合容器100を詰替容器(リフィル)として用いた場合に、当該環状凸リブ23fを当該複合容器100を接合するための接合先部位に設けられたアンダーカットに嵌合させるために用いることもできる。
次に、骨組体20と筒状体30(紙製面体(31、32))との接合状態について説明する。本実施の形態において筒状体30は、図3(a)に示す扇形等の所定形状に切断加工された側面用紙製面体(紙製面体)31を丸め、その一の端辺部31aと他の端辺部31bとを接合支柱部21aにより接合することで筒状にされたものである。また、底面用紙製面体32は、収容部10の底面形状に応じた形状(本実施の形態では円形)を呈する。
まず、側面用紙製面体31の両端辺部31a、31bと接合支柱部21aとの接合状態について説明する。図4(a)は、当該部分の接合状態を示す図であり、図1(a)のA-A矢視断面図である。図4(a)に示すように、接合支柱部21aは、側面用紙製面体31の一の端辺部31aと他の端辺部31bとの間に介在し、これらを接合している。本実施の形態では、一の端辺部31aと他の端辺部31bとが筒状体30の外面から径方向外側に突出するように折り曲げられた状態で接合支柱部21a内に埋設されている。このようにして両者を接合することで、側面用紙製面体31の各端辺部31a、31bの内面側及び外面側も樹脂で覆うことができ、側面用紙製面体31の端面全面を樹脂で完全に被覆することができる。
本実施の形態では、図4(a)に示すように側面用紙製面体31の一の端辺部31a及び他の端辺部31b部分には、それぞれ複合容器100の外面側からみたときに山折形状を成す第一折曲部31eと、谷折形状を成す第二折曲部31fとが設けられている。側面用紙製面体31において、各端辺部31a、31bの端面に対して第一折曲部31eは第二折曲部31fよりも内側に配置されている。また、第一折曲部31e、第二折曲部31fはそれぞれ各端辺部31a、31bの端面(端辺)から所定の距離離間した位置に略平行に設けられている。これらの第一折曲部31e及び第二折曲部31fを設けることで、上述のように側面用紙製面体31の各端辺部31a、31bを筒状体30の外面から径方向外側に突出するように折り曲げられた状態となっている。
また、本実施の形態では側面用紙製面体31を展開したとき(図3(a)参照)に幅方向(周方向)における一の端辺部31a及び他の端辺部31bの略中間位置において、補強支柱部21bは側面用紙製面体31の外面に接合される。
図1(b)に示すように、側面用紙製面体31の底端辺部31cは底骨組体22の側環状枠22bの上端部に接合される。また、側面用紙製面体31の天端辺部31dは天骨組体23の内枠体23aの下端部に接合される。ここで、本実施の形態では、側面用紙製面体31の四隅は角に丸みを付けたいわゆる角丸形状とされている。本実施の形態では、側面用紙製面体31の底端辺部31c及び天端辺部31dは、上記一の端辺部31a及び他の端辺部31bとは異なり、折り曲げることなく、底骨組体22及び天骨組体23に接合される。側面用紙製面体31の四隅に角があると、底骨組体22の側環状枠22b、天骨組体23の内枠体23aの内面に対して側面用紙製面体31の外面側を接合させたときに、角の部分から剥がれる場合がある。本実施の形態では、四隅を角丸にすることで、側面用紙製面体31を骨組体20に対して片面側のみ接合する場合も、角の部分を剥がれにくくすることができる。
また、底骨組体22の底環状枠22aの内縁部分には、図3(b)に示す円形の底面用紙製面体32の外縁端部分が接合される。底骨組体22及び天骨組体23はそれぞれ側面用紙製面体31の外面側に接合されている。また、底骨組体22は底面用紙製面体32の外面側に接合される。
当該複合容器100において、骨組体20を構成する樹脂の種類は特に限定されるものではないが、包装容器材料として用いられるポリプロピレン(ホモポリマー、ブロック共重合体、ランダム共重合体)、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等)、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の汎用樹脂を広く用いることができる。特に、後述する製造方法を採用する上で、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂であることがより好ましい。
筒状体30を構成する紙製面体(31、32)は、植物繊維その他の繊維を膠着させて薄く平らに成形されたものであればよく、いわゆる合成紙、グラビア紙、や各種プラスチック等のシートを複数積層した積層紙・複合紙でもよく、耐水や耐油等の機能を付与した機能紙でもよい。使用する紙の坪量は適宣設計することができる。特に、後述する製造方法を採用する上で、表層にポリエチレン樹脂等のオレフィン系樹脂シートやポリエチレンテレフタレート樹脂シート等が積層されることで、耐水や耐油等の機能が付与された積層紙であることがより好ましい。
2.複合容器の製造方法
次に、上記複合容器100の製造方法について説明する。当該複合容器100を製造する際にはいわゆるインサート成形法を応用することができる。上記骨組体20に応じた金型50(図4(b)参照)と、予め所定形状に切断加工された側面用紙製面体31及び底面用紙製面体32とを準備する。そして、金型50に側面用紙製面体31及び底面用紙製面体32をそれぞれインサート品として所定位置に設置して、樹脂を金型50に充填する。当該方法により上記複合容器100を得ることができる。
次に、上記複合容器100の製造方法について説明する。当該複合容器100を製造する際にはいわゆるインサート成形法を応用することができる。上記骨組体20に応じた金型50(図4(b)参照)と、予め所定形状に切断加工された側面用紙製面体31及び底面用紙製面体32とを準備する。そして、金型50に側面用紙製面体31及び底面用紙製面体32をそれぞれインサート品として所定位置に設置して、樹脂を金型50に充填する。当該方法により上記複合容器100を得ることができる。
図4(b)に示すように、金型50は、分割面を介して分割される一方の金型部材51と他方の金型部材52とを備え、一方の金型部材51と他方の金型部材52とを組み合わせることで骨組体20の形状に応じた樹脂充填部が構成される。なお、図4(b)には、樹脂充填部として、上記接合支柱部21aに応じた形状を有する接合支柱部形成領域53付近の金型50の側断面構造を示す。図示は省略するが、金型50には、樹脂充填部として、その他、補強支柱部21bに応じた形状を有する補強支柱部形成領域、底骨組体22に応じた形状を有する底骨組体形成領域、天骨組体23に応じた形状を有する天骨組体形成領域などが設けられている。
図4(b)に示すように、一方の金型部材51と他方の金型部材52との分割面の所定位置には紙製面体(31、32)が設置される。なお、図4(b)には側面用紙製面体31が所定の位置に設置された状態を示している。金型50において所定位置に設定された紙製面体(31、32)は両金型部材51、52により挟持される。
このとき、図4(b)に示すように、側面用紙製面体31の一の端辺部31a及び他の端辺部31bは接合支柱部形成領域53内にそれぞれ挿入される。接合支柱部形成領域53内に側面用紙製面体31の一の端辺部31a及び他の端辺部31bを挿入させた状態で、金型50に樹脂を充填することにより、側面用紙製面体31の一の端辺部31aと他の端辺部31bとが接合支柱部21aにより接合されて、側面用紙製面体31が筒状とされる。同様に、底骨組体形成領域、天骨組体形成領域内に、それぞれ側面用紙製面体31、底面用紙製面体32の底端辺部31c、天端辺部31d、外縁端部を挿入し、補強支柱部用形成領域には側面用紙製面体31を挿入しておくことで、金型50に樹脂が充填された際にこれらが接合されて、筒状体30と骨組体20とが一体化された上記複合容器100を得ることができる。
図4(b)に示すように、本実施の形態では、接合支柱部形成領域53において、一方の金型部材51の分割面には他方の金型部材52側に突出する凸部51aが設けられている。また、一方の金型部材51の分割面には、この凸部51aの近傍に凹部51bが設けられている。側面用紙製面体31の両端辺部31a、31bに対して、端辺部31a、31bの端面側から凸部51a、凹部51bの順にそれぞれ配置されている。
次に図4(c)を参照しながら説明する。図4(c)は、図中示す一点鎖線よりも下部は金型50に側面用紙製面体31を設置した状態を示し、当該一点鎖線よりも上部は金型50に樹脂を充填し、金型50を取り外した状態を示している。それぞれ、図4(b)、(a)に対応する。
図4(c)に示すように、金型50に側面用紙製面体31を設置した状態では、側面用紙製面体31の一の端辺部31aは凸部51aによって、他方の金型部材52側に端面側が押し上げられた状態となる(図4(c)白抜矢印A参照)。また、側面用紙製面体31の一の端辺部31aと凹部51bとの間には空間が生じた状態となる(図4(c)白抜矢印B参照)。他方の端辺部31bも同様である。この状態で、金型50に樹脂を充填すると、側面用紙製面体31の一の端辺部31a及び他の端辺部31bは樹脂充填圧によって白抜矢印Bで示す位置において一方の金型部材51の分割面側に押圧される。このとき、分割面には凸部51aと凹部51bとが設けられているため、側面用紙製面体31の一の端辺部31a及び他の端辺部31bは凹部51b内に折り曲げられることで外面側から見たときに山折形状を成す上記第一折曲部31eが形成される。また、凹部51bと凸部51aとによって側面用紙製面体31の一の端辺部31a及び他の端辺部31bが折り曲げられることで外面側から見たときに谷折形状を成す上記第二折曲部31fが形成される(図4(c)白抜矢印C参照)。金型50の一方の金型部材51にこのような凸部51a及び凹部51bを設けることで、図3(a)に示すように単に扇形等の所定形状に切断した側面用紙製面体31を金型50に設置するだけで、側面用紙製面体31の両端辺部31a、31bが折り曲げられた状態で接合支柱部21aに接合される。すなわち、予め側面用紙製面体31の両端辺部31a、31bを所定形状に折り曲げて金型50に設置する必要がない。
ここで、金型50に充填する充填樹脂材としてポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等を用い、側面用紙製面体31及び底面用紙製面体32として表面の少なくとも骨組体20と接合される側の面にポリエチレン層等のポリオレフィン系樹脂シート或いは、ポリエチレンテレフタレート樹脂シート等が積層された積層紙を用いることで、成形時に骨組体20と各紙製面体(31、32)とが熱融着し、接着剤等を使用せずとも骨組体20と各紙製面体(31、32)とを接合することができる。
上記説明した複合容器100によれば、所定形状に切断された側面用紙製面体31を筒状にし、底面用紙製面体32を設けることで有底筒状を成す紙製の筒状体30により主として収容部10を構成しつつ、樹脂製の骨組体20により筒状体30の強度を補うことができる。従って、収容部10全体を樹脂で構成する場合と比較すると、使用する樹脂量を大きく低減することができる。さらに、骨組体20についても紙製の筒状体30のみでは不足する分の強度を補うことができる程度の厚み等にすればよいため、骨組体20に要する樹脂量も少なくて済む。
上記実施の形態では、側面用紙製面体31の一の端辺部31aと他の端辺部31bとはその間に介在し、且つ、当該端辺部31a、31bの内面側及び外面側から接合支柱部21aにより覆われるようにして接合されている。このように各端辺部31a、31bの端面全面が完全に被覆されているため、当該複合容器100を食品等の水分を含む内容物、或いは、液体を収容するための容器に適用した場合も、側面用紙製面体31の端面部分から水分等が侵入することを防ぐことができる。従って、側面用紙製面体31の端面部分が積層紙を切断した切断面であっても当該切断面から水分等が侵入して剛性が低下することを防ぐことができる。また、側面用紙製面体31が複数のシートを積層した積層紙からなる場合であっても、端面全面が完全に覆われているため、積層したシートが表面から剥がれやすくなったり、一の端辺部31a及び他の端辺部31bと接合支柱部21aとの接合強度が低下するといった不具合を抑制することができる。そのため、紙製の筒状体30に要求される剛性や、当該複合容器100の外観を良好に維持することができ、紙製の筒状体30に要求される機能を維持することができる。
さらに、当該複合容器100は上記のようにインサート成形法を応用して製造することができる。すなわち、骨組体20を製造するための金型50に、所定形状の側面用紙製面体31及び底面用紙製面体32をインサート品として所定位置に設置して、金型50の樹脂充填部に樹脂を充填することで、樹脂製の骨組体20と紙製の筒状体30とが接合されて一体化した収容部10を有する上記複合容器100を製造することができる。
また、本実施の形態では、上述のように、金型50を構成する一方の金型部材51の分割面に凸部51aと凹部51bとを設けておくだけで、側面用紙製面体31の一の端辺部31aと他の端辺部31bとを金型50の分割面の所定の位置に設置して樹脂を充填すれば、側面用紙製面体31の両端辺部31a、31bを折り曲げることができ、各端辺部31a、31bの内面及び外面を両側から接合支柱部21aにより被覆することができる。このように本実施の形態によれば、各端辺部31a、31bを折り曲げた状態で、接合支柱部21aにより接合する場合も、事前に各端辺部31a、31bを折り曲げるといった作業が不要であり、製造効率の向上を図ることができる。
従って、上記実施の形態の複合容器100及び複合容器100の製造方法によれば、樹脂製の骨組体20と紙製の筒状体30と組み合わせることで樹脂量の低減と製造効率の向上を図ることができ、且つ、樹脂製の骨組体20と紙製の筒状体30の天端辺部31dとの接合状態を良好に維持することができる。
ここで、例えば、図5(b)、(c)に示す金型60は、一方の金型部材61と他方の金型部材62とを組み合わせることで接合支柱部形成領域63等の骨組体20の形状に応じた樹脂充填部が構成されている。当該金型60は、一方の金型部材61に、上述した凸部51a、凹部51bが設けられていない点を除いては、上記図4(b)、(c)に示す金型50と略同様の構成を有する。このような金型60を用いた場合も、上記実施の形態と同様に、側面用紙製面体31及び底面用紙製面体32を所定の位置に設置し、金型60の樹脂充填部に樹脂を充填することで、樹脂製の骨組体20と紙製の筒状体30とが接合されて一体化した収容部10を有する上記複合容器100を製造することができる。
しかしながら、この場合、図5(b)に示すように側面用紙製面体31は一方の金型部材61の分割面に内面全面が当接された状態で、接合支柱部形成領域63に樹脂が充填される。そのため、側面用紙製面体31の一の端辺部31a及び他の端辺部31bについてはその外面側は接合支柱部64を構成する樹脂充填材により被覆されるが、図5(c)において白抜矢印Dで示すように内面側には樹脂充填材が十分に周り込まず、そのため各端辺部31a、31bの端面全面を樹脂充填材で被覆することが困難になる。その結果、得られた複合容器100では、側面用紙製面体31の一の端辺部31aと他の端辺部31bの端面は内面側が樹脂で覆われていない露出した状態となる場合がある。端面の一部でも露出していると、当該端面に水分が付着すると、当該端面から水分等が側面用紙製面体31の内側に侵入して剛性が低下するおそれがある。また、側面用紙製面体31が複数のシートを積層した積層紙からなる場合には、積層したシートが表面から剥がれたり、或いは、両端辺部31a、31bの接合強度が低下したり、といった不具合が生じるおそれがある。これに対して、上記実施の形態の複合容器100では、各端辺部31a、31bを接合支柱部21aに埋設したような状態で、両端辺部31a、31bを接合しているため、このような不具合が生じることを防ぐことができる。
以上説明した複合容器100及び複合容器100の製造方法は、本発明に係る複合容器及び複合容器の製造方法の一態様に過ぎず、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。例えば、上記実施の形態では、骨組体20が主として筒状体30(側面用紙製面体31、底面用紙製面体32)の外面側において接合されるようにしたが、本発明に係る複合容器は当該態様に限定されるものではない。例えば、骨組体20が主として筒状体30の内面側において接合され、収容部10の外面側に骨組体20が配置されないようにしてもよいし、骨組体20の一部が筒状体30の外面側から接合され、残りが筒状体30の内面側から接合されるなど種々の態様を適用することができる。
上記実施の形態のように骨組体20を主として筒状体30の外面側に接合するようにすれば、収容部10の内側に骨組体20が突出して存在しないため、例えば、収容部10にヨーグルト、プリン、或いはクリーム等の化粧品等を収容したときに、骨組体20と筒状体30との接合部分にこれらの内容物が付着して内容物をきれいに取り出すことができないといった不具合が生じることを抑制することができる。
一方、骨組体20を主として筒状体30の内面側から接合し、骨組体20を筒状体30で覆うように構成すれば、外部から骨組体20が視認されないようにすることができる。
上記実施の形態では、側骨組体21を接合支柱部21aと補強支柱部21bにより構成したが、例えば、筒状体30に要求される強度(剛性)に応じて側骨組体21を構成する補強支柱部21bの数を増加させた場合など、筒状体30の外面における骨組体20の本数が増加すると外観を損なう場合がある。そのような場合には、骨組体20が筒状体30の主として内側に配置されるように両者を接合することが好ましい。
また、当該複合容器100を浴室等で使用する容器として用いる場合、結露等により複合容器100の外面に水滴が付着することがある。複合容器100の外側に骨組体20が配置されていると、骨組体20に付着した水滴が複合容器100の外面に付着した状態のままになり、側面用紙製面体31等の端辺部31a、31b部分等から水が浸入しやすくなるおそれがある。従って、浴室等の水滴が付着したり、雰囲気中の湿度の影響で結露が生じやすい環境などで使用する容器に対しては、骨組体20は筒状体30の内側に配置されることが好ましい。
上記実施の形態では、側骨組体21を接合支柱部21aと補強支柱部21bにより構成したが、例えば、筒状体30に要求される強度(剛性)に応じて側骨組体21を構成する補強支柱部21bの数を増加させた場合など、筒状体30の外面における骨組体20の本数が増加すると外観を損なう場合がある。そのような場合には、骨組体20が筒状体30の主として内側に配置されるように両者を接合することが好ましい。
また、当該複合容器100を浴室等で使用する容器として用いる場合、結露等により複合容器100の外面に水滴が付着することがある。複合容器100の外側に骨組体20が配置されていると、骨組体20に付着した水滴が複合容器100の外面に付着した状態のままになり、側面用紙製面体31等の端辺部31a、31b部分等から水が浸入しやすくなるおそれがある。従って、浴室等の水滴が付着したり、雰囲気中の湿度の影響で結露が生じやすい環境などで使用する容器に対しては、骨組体20は筒状体30の内側に配置されることが好ましい。
このように内容物や当該複合容器100に求められる外観等に応じて、骨組体20を筒状体30の内側に配置するか、或いは外側に配置するか等については適宜選択することができる。
また、上記実施の形態では、側面用紙製面体31の一の端辺部31a及び他の端辺部31bを径方向外側に突出するように折り曲げた状態で、その外面及び内面を覆うように接合支柱部21aにより両端辺部31a、31bを接合したが、例えば、骨組体20が筒状体30の主として内側に配置されるように両者を接合する場合には、側面用紙製面体31の一の端辺部31a及び他の端辺部31bを径方向内側に突出するように折り曲げた状態で、その外面及び内面を覆うように接合支柱部21aにより側面用紙製面体31の内面側から接合すればよい。
さらに、側面用紙製面体31の一の端辺部31aと他の端辺部31bを折り曲げる際に、例えば、図6(a)に示すように、各端辺部31a、31bから所定の距離だけ離間した位置を折曲部31gとして、各端辺部31a、31bと略平行に筒状体30の外面から突出するように折り曲げてもよい。この場合、図6(b)に示すように、一方の金型部材71と他方の金型部材72とを有する金型70を用い、上記実施の形態と同様に、側面用紙製面体31の一の端辺部31a及び他の端辺部31bを接合支柱部形成領域73に挿入し、当該接合支柱部形成領域73において一方の金型部材71の分割面に設けられた凸部71aにより、一の端辺部31a及び他の端辺部31bを他方の金型部材72側に押し上げた状態で樹脂を充填することにより、側面用紙製面体31の両端辺部31a、31bが折り曲げられた状態で、接合支柱部21aに接合される。
また、上記実施の形態では、側面用紙製面体31の両端辺部31a、31bが折り曲げられた状態で、その内面及び外面の両側が接合支柱部21aにより被覆されるようにして両者を接合する例について説明したが、上記複合容器100において、側面用紙製面体31の両端辺部31a、31bを必ずしも折り曲げる必要はない。側面用紙製面体31を丸めて筒状にする際に、その一の端辺部31aと他の端辺部31bとが、その間に介在し、且つ、一の端辺部31a及び他の端辺部31bにおいて側面用紙製面体31の端面全面を覆う接合部(接合支柱部21a)により接合されていれば、どのような形態であってもよい。
さらに、上記実施の形態では、角丸形状とされた側面用紙製面体31及び円形の底面用紙製面体32を、それぞれ底骨組体22、天骨組体23と接合することで、側面用紙製面体31及び底面用紙製面体32が底骨組体22、天骨組体23との接合部分から剥がれにくくしているが、これらの箇所についても上記一の端辺部31a及び他の端辺部31bと同様に、その内面側及び外面側が各骨組体(22、23)で覆われるようにして接合することも好ましい。またその際に接合端辺部が折り曲げられた状態で、その接合端辺部が骨組体内に埋め込まれるようにして骨組体20と各紙製面体(31、32)とが接合されて一体化されるようにしてもよい。
上記実施の形態では収容部10が、その底面11及び天面13が円形のカップ状に形成された例を示したが、収容部10の具体的な形状は特に限定されるものではない。例えば、深皿状、或いは壜状等に形成されていてもよく、底面11及び天面13の形状についても円形に限らず、正方形、長方形等であってもよいし、多角形状等であってもよい。
上記実施の形態では、1枚の側面用紙製面体31を丸めて、一の端辺部31aと他の端辺部31bとを接合するものとしたが、収容部10の側面12を構成する際に用いる側面用紙製面体31の枚数は特に限定されるものではなく、2枚以上を用いて、各側面用紙製面体31の端辺同士を接合することにより筒状体30を得てもよい。また、1枚の側面用紙製面体31は切り込み部分を有していてもよく、その切断辺同士を上記実施の形態と同様に側骨組体21の一部を用いて接合するようにしてもよい。そのようにすれば多様な形状の収容部10を形成することができる。
さらに、上記実施の形態では、底骨組体22と底面用紙製面体32とを用いて、収容部10の底面11を構成したが、底骨組体22の形状は特に限定されるものではない。底骨組体22には、例えば、十文字等の補強骨が設けられていてもよいし、底面11の全面が樹脂製の底面材により構成されていてもよく、底面11の構成は特に限定されるものではない。なお、底面11の全面を樹脂製の底面材により構成したときは、底面用紙製面体32を用いる必要はなく、このような態様でも本発明に係る複合容器に含まれる。
また、上記実施の形態では、側骨組体21を接合支柱部21aと補強支柱部21bとから構成したが、本発明に係る複合容器において、骨組体は紙製面体の一の端辺部と他の端辺部との間にこれらを接合するための接合部を有していればよく、その他の点については任意である。すなわち、筒状体30がそれ自体で要求される強度を満たしていれば、補強支柱部21bは必要はなく、側骨組体21は接合支柱部21aのみから構成してもよい。また、側骨組体21、底骨組体22、天骨組体23の構成についても本発明にいう接合部がいずれかに存在する限り、これらの具体的な構成については任意である。
10 :収容部
11 :底面
12 :側面
13 :天面
20 :骨組体
21 :側骨組体
21a :接合支柱部(接合部)
21b :補強支柱部
22 :底骨組体
22a :底環状枠
22b :側環状枠
22c :底骨接合部
22d :連結部
23 :天骨組体
23a :内枠体
23b :フランジ部
23c :外枠体
23d :内周リブ
23e :外周リブ
23f :環状凸リブ
30 :筒状体
31 :側面用紙製面体
31a :端辺
31b :端辺
31c :底端辺
31d :天端辺
31e :第一折曲部
31f :第二折曲部
31g :折曲部
32 :底面用紙製面体
50 :金型
51 :金型部材
51a :凸部
51b :凹部
52 :金型部材
53 :接合支柱部形成領域
60 :金型
61 :金型部材
62 :金型部材
63 :接合支柱部形成領域(接合部形成領域)
64 :接合支柱部
70 :金型
71 :金型部材
71a :凸部
72 :金型部材
100 :複合容器
O :中心軸線
11 :底面
12 :側面
13 :天面
20 :骨組体
21 :側骨組体
21a :接合支柱部(接合部)
21b :補強支柱部
22 :底骨組体
22a :底環状枠
22b :側環状枠
22c :底骨接合部
22d :連結部
23 :天骨組体
23a :内枠体
23b :フランジ部
23c :外枠体
23d :内周リブ
23e :外周リブ
23f :環状凸リブ
30 :筒状体
31 :側面用紙製面体
31a :端辺
31b :端辺
31c :底端辺
31d :天端辺
31e :第一折曲部
31f :第二折曲部
31g :折曲部
32 :底面用紙製面体
50 :金型
51 :金型部材
51a :凸部
51b :凹部
52 :金型部材
53 :接合支柱部形成領域
60 :金型
61 :金型部材
62 :金型部材
63 :接合支柱部形成領域(接合部形成領域)
64 :接合支柱部
70 :金型
71 :金型部材
71a :凸部
72 :金型部材
100 :複合容器
O :中心軸線
Claims (6)
- 底面及び側面を有し、樹脂製の骨組体と、紙製の筒状体とを用いて構成された収容部を有し、
前記紙製の筒状体は、一又は複数の紙製面体を筒状にしたものであり、
前記骨組体は、前記紙製面体の一の端辺部と他の端辺部との間に介在するとともに前記一の端辺部及び前記他の端辺部の端面全面を覆う接合部を有する、複合容器。 - 前記一の端辺部及び前記他の端辺部は、折り曲げられて前記筒状体の外面から突出し、前記接合部内に埋設されている請求項1に記載の複合容器。
- 前記骨組体は、前記底面の外縁を構成する底骨組体と、当該収容部の天面の外縁を構成する天骨組体と、前記接合部を含み、前記底骨組体と前記天骨組体とに連結される側骨組体とを備え、
前記収容部の前記側面は、前記側骨組体と、前記接合部に前記一の端辺部及び前記他の端辺部が接合されることで筒状を成す側面用紙製面体とにより構成され、
前記収容部の前記底面は、前記底骨組体と、当該底骨組体に外縁端部分が接合される底面用紙製面体とにより構成され、
前記紙製の筒状体の底端辺部は前記底骨組体に接合され、天端縁部は前記天骨組体に接合される、請求項1又は請求項2に記載の複合容器。 - 請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の複合容器を製造するための複合容器の製造方法であって、
分割面を介して分割される一方の金型部材と、他方の金型部材とを有し、当該一方の金型部材と当該他方の金型部材とを組み合わせることで、前記骨組体に応じた形状の樹脂充填部が形成される金型を用い、
前記樹脂充填部において前記接合部に対応する形状を有する接合部形成領域に、前記紙製面体の端辺部が挿入されるようにして前記紙製面体を前記一方の金型部材と前記他方の金型部材との間に設置して両金型部材により挟持させ、前記樹脂充填部に樹脂を充填することにより、前記紙製面体の前記一の端辺部と前記他の端辺部とが前記接合部により接合されて、前記骨組体と前記筒状体とが一体化された前記複合容器を得る複合容器の製造方法。 - 前記接合部形成領域内において、前記一方の金型部材の前記分割面から前記他方の金型部材側に突出する凸部が設けられ、
前記凸部により前記紙製面体の端辺部が前記他方の金型部材側に押し上げられた状態で、前記樹脂充填部に樹脂が充填される、請求項4に記載の複合容器の製造方法。 - 前記接合部形成領域内の前記端辺部が配置される位置において、前記一方の金型部材の前記分割面には前記凸部の近傍に凹部が設けられ、前記端辺部の前記端面側から前記凸部、前記凹部の順に配置されており、
前記樹脂充填部に前記樹脂を充填すると、樹脂充填圧と前記凹部及び前記凸部とにより、前記端辺部が折り曲げられる請求項5に記載の複合容器の製造方法。
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