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JP2022124714A - 風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置及び風力発電システム - Google Patents

風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置及び風力発電システム Download PDF

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Kazuhiro Saito
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Takashi Harakawa
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Shinji Kubo
研一 奥野
Kenichi Okuno
俊樹 大迫
Toshiki Osako
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Abstract

【課題】信頼度が高く、かつ廉価な風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置及び風力発電システムを提供する。【解決手段】風力発電機のブレード疲労損傷量を、所定期間内の風況である平均風速と乱流強度から計算するブレード疲労損傷量算出部と、タワー胴部の軸方向ひずみを計測するひずみ計測部と、前記ひずみ計測部において測定された前記所定期間内の軸方向ひずみ計測値と、前記所定期間内の発電機の回転数の計測値と、前記所定期間内の風速計測値と、を入力データとして、前記所定期間内のブレード疲労損傷量の修正係数を計算する修正係数算出部と、前記ブレード疲労損傷量算出部で算出された前記ブレード疲労損傷量を、前記修正係数算出部で算出された前記修正係数で修正して、修正済みブレード疲労損傷量を算出する修正済みブレード疲労損傷量算出部と、を具備している。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置及び風力発電システムに関する。
風力発電機の効率的な運用では、部品の損傷管理が重要である。特に風力発電機ブレードは、運転中に破断、折損すると、ブレードの飛散やブレードがタワーへ衝突して大事故になる恐れがある。ブレードの損傷に関しては、落雷やバードストライクのように、個々の発生を予測できないものがある一方、運転による疲労損傷のように経年的な予測が可能なものもある。
ブレードの疲労損傷量は、風力発電機、ブレードの設計情報を用いて、建設時に設置場所の風況から見積もるだけでなく、実際の運転状況、風況によっても見積もることができる。疲労による経年損傷量に基づき、材料強度が低下したブレードを事前に補修・交換することで、ブレードが運転中に破断することを予防できる。しかしながら、ブレードの補修・交換には、高い費用、長い期間がかかる。過度な補修・交換は、風力発電機の効率的な運用を阻害する。
ブレードの適切な補修・交換時期を決める手段としては、風況による変動荷重や実際の使用環境の情報をもとに部材の疲労・耐久度を監視する方法がある。
特許第4939508号公報 特開2004-101417号公報
特許文献1の風車構造体の応力解析装置及び応力解析プログラム並びに風力発電システムでは、変動荷重による疲労劣化等による故障を未然に防止するため、運転環境に関するパラメータに基づいて、荷重時系列データを作成し、対象箇所の応力時系列データを作成している。
特許文献2の監視装置では、装置の耐用期間に影響する所定因子を検出し、その履歴を反映して装置の消耗度合い、耐用期間の残存期間を計算している。
これらの風況や使用情報をもとに部材の疲労・耐久度を監視する方法にて、高い信頼度を担保するためには、十分な入力情報を得ることと、製品の構造、運転、材料強度などの多様なデータベースに基づく計算装置が必要となるが、容易ではない。ブレードの疲労損傷量であるが、上記したような一般的な設計情報をベースにした方法を用いても可能であるが、前述したとおり、実際には建設時に風況から見積もりが行われていることを考慮すると、実際の風況情報をもとに疲労損傷量を累積計算できる。
我々は、ブレードにひずみゲージを設置し、ブレードのひずみの実測値から疲労損傷量を計算した。そして、実際の風況情報をもとに計算した疲労損傷量との比較を行った。その結果、風況情報をもとに計算した疲労損傷量に比べると、実際の疲労損傷量は大きくなることがあり、その原因としては、風況(平均風速、乱流強度)のように一般的な設計情報からだけでは、ブレードのひずみを十分に推定できないことがわかった。
ブレードにひずみゲージを貼るなど直接的にブレードの挙動をモニターし、疲労損傷量を計算することは可能であるが、廉価な方法ではない。すなわち、現状の技術では、ブレードの疲労損傷量の計算精度が低く、疲労損傷量にマージンを見込む必要があるため、風力発電機の効率的な運用を支援できる、廉価なブレードの疲労損傷量の計算手段がないことが課題である。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、信頼度が高く、かつ廉価な風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置及び風力発電システムを提供することを目的とする。
実施形態の風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置は、風力発電機のブレード疲労損傷量を、所定期間内の風況である平均風速と乱流強度から計算するブレード疲労損傷量算出部と、タワー胴部の軸方向ひずみを計測するひずみ計測部と、前記ひずみ計測部において測定された前記所定期間内の軸方向ひずみ計測値と、前記所定期間内の発電機の回転数の計測値と、前記所定期間内の風速計測値と、を入力データとして、前記所定期間内のブレード疲労損傷量の修正係数を計算する修正係数算出部と、前記ブレード疲労損傷量算出部で算出された前記ブレード疲労損傷量を、前記修正係数算出部で算出された前記修正係数で修正して、修正済みブレード疲労損傷量を算出する修正済みブレード疲労損傷量算出部と、を具備している。
実施形態の風力発電システムの構成を示す図。 実施形態の風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置の処理を示すフロー図。 タワーモーメントMを説明するための図。 ブレードの疲労損傷量修正係数を求める方法を説明するための図。 ブレードの疲労損傷量修正係数を求める方法を説明するための図。 ブレードの疲労損傷量修正係数を求める方法を説明するための図。 風況と疲労損傷量との関係を説明するための図。
以下、実施形態に係る風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置及び風力発電システムについて、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る風力発電システム10は、風力発電機20と、風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置30とを具備している。風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置30は、ブレード疲労損傷量算出部31と、修正係数算出部32と、修正済みブレード疲労損傷量算出部33と、疲労損傷量積算部34とを具備している。
風力発電機20は、筐体としてのナセル15と、ナセル15を下方から支持する支柱であるタワー14と、複数のブレード(風車ブレード)12と、ハブを介して複数のブレード12を支持するボス19と、を備えている。
ナセル15は、回転軸17、変速機構16、発電機18を内蔵する。回転軸17の一端部は、ボス19に固定され、回転軸17の他端部は、変速機構16と連結されている。変速機構16は、適宜のカップリング機構などを介して発電機18と連結されている。例えば3つ設けられたブレード12は、それぞれの基端部がボス19(回転軸17)の軸まわりに120度の間隔をおいて各々固定されている。
ここで、風力発電機20の運転中(発電中)には、各ブレード12は、風力を受けて回転するように、各ブレード本体の圧力面(正圧面)及び負圧面の向きが調整される。なお、風力発電機20の運転停止中(非発電中)には、各ブレード12は、風力を受けても例えば回転しないように、各ブレード本体の圧力面及び負圧面の向きが調整される。このような複数のブレード12、並びにボス19及び回転軸17は、ナセル15に対して回転可能に支持されている。
つまり、風力発電機20の運転中において、ボス19及び回転軸17と共に一体となって回転する複数のブレード12は、風力から得た流体エネルギを回転エネルギに変換する。また、回転軸17の回転エネルギ(駆動力)は、変速機構16により減速又は増速されて発電機18へ伝達される。発電機18は、伝達されたこの回転エネルギを用いて発電を行う。
一方、ナセル15には、風速計や風向計などの機能を有する風況計測器(風況センサ)23が設けられている。風向や風速を計測可能な風況計測器23は、風力発電機20の設置された設置場所で、例えば風速の平均及び風速の変化を表す風況情報を計測し、計測したこの風況情報(計測結果)を出力する。なお、風況計測器23は、単に、風速や風向を計測し、この計測結果を、計測した時刻情報と共に出力するものであってもよい。また、ナセル15には、発電機18の回転数、発電機18の出力、ブレード12のピッチなど運転状況を制御・計測する装置(図示せず。)も設けられている。また、タワー14には、タワー14の胴部のひずみを検出するひずみゲージ21、22や、作業者が出入りする出入口24が設けられている。
上記構成の風力発電機20において、ブレード12にひずみゲージを設置し、ブレード12のひずみの実測値から10分間のブレード12の疲労損傷量を計算した。その際、タワー14の胴部にもひずみゲージを設置し、タワー14のひずみ挙動から、10分間のブレード12が受ける荷重とモーメントをモニターした。
こモニターの結果、個々のブレード12は、回転中に異なる荷重、モーメントを受け、その合力がタワー14の荷重、モーメントとして作用していることがわかった。更に、ブレード12の疲労損傷量とブレード12が受ける荷重、モーメントとの相関を分析した結果、ある時間内に生じるブレード12の疲労損傷量は、風況(平均風速、乱流強度)によって変わるほか、その時間内のブレード12に作用するモーメントの変動による影響も受けていることがわかった。
つまり、これまでの一般的な風況から計算したブレード12の疲労損傷量と、ブレード12が受けるモーメントの変動から計算するブレード12の疲労損傷量とを組み合わせることで、ブレード12の疲労損傷量の計算精度が上がることが期待できる。
なお、ブレード12が回転中に受けるモーメントを求めるには、この計測のように、個々のブレード12にひずみゲージを貼ってブレード12のひずみをモニターする、若しくは、個々のブレード12の変形を詳細に計測モニターすることが必要となる。しかしながら、これでは廉価な計測手段を構成できない。
そこで、タワー14の胴部に設置したひずみゲージから、タワー14のひずみ挙動を計測した。これによって計算されるのは、各ブレード12が受ける力とモーメントの合算であり、個々のブレード12が受けるモーメント変動は求まらないため、疲労損傷量の計算ができないというもうひとつの課題があった。
そこで、更に検討を進めた結果、個々のブレード12の瞬間のモーメント、荷重は異なるものの、定速運転中は個々のブレード12にかかる力、モーメントには周期性があること、そしてその周期性との乖離量が、モーメント変動の大きさと相関があることがわかった。より具体的には、モーメントの周期性は、発電機18の回転速度によること、モーメントの乖離量は、風速変化から計算したもとのモーメントの差によって計算できるので、ある期間内の発電機18の回転速度と、風速変化の計測値と、タワー14の胴部のひずみ計測値と、を用いれば、疲労損傷量の修正量を計算することができる。
すなわち、風況からブレード12の疲労損傷量を累積計算する装置に、タワー14に設置したひずみゲージの計測データからブレードの疲労損傷量を計算する装置を組み合わせることで、廉価で高い精度でのブレード12の疲労損傷量のモニタリングができる。この廉価なブレード12の疲労損傷量計算手段によって、発電事業者は、適切な点検、補修時期を判断できるようになり、風力発電機を効率的に運用できる。
図7のグラフは、10分間の風況を示すパラメータと、ブレード12に設けたひずみゲージの計測値から求めた10分間のブレード12の疲労損傷量との関係を示している。パラメータは、ナセル高さ位置に設置した風速計から求めた10分間の平均風速と乱流強度(一定期間中の風速の変化の標準偏差(変動風速の標準偏差)を風速の平均で除した値)を用いて計算している。ブレード12の疲労損傷量は、ブレード12に貼り付けたひずみゲージで計測したブレード12のひずみ振幅データを用いて計算している。このパラメータとブレード12の疲労損傷量には概ね線形の相関が認められる。つまり、この相関を用いれば、平均風速と乱流強度を用いて計算したパラメータから、ブレード12の疲労損傷量が推定できる。
しかしながら、この相関にはかなり広いバンドがある。図7では、パラメータが同じ値でも、ブレード12の疲労損傷量は約2倍の開きがある。安全側をみて、最大側の疲労損傷量、上限のカーブを用いて疲労損傷量を評価した場合、寿命を半分に見積もる可能性がある。ブレード12の交換、補修タイミングを精度良く見積もるためには、ある期間の運転中の疲労損傷量が、この上限カーブと下限カーブで示されるバンドのどこに相当するのかを示す、疲労損傷量修正係数が求められる。
次に、図1、図3を参照して、タワーモーメントについて説明する。図1に示すような、ブレード回転軸を介してタワー14に対して垂直に作用する力、Fを考える。さらに、このブレード回転軸がある高さでタワー14に働くモーメントを、タワーモーメント、Mとする。タワー14には、タワー14の胴部の軸方向のひずみを計測するため、軸方向にひずみゲージ21,22を、高さを変えて2箇所以上で設置している。後述するように、モーメントを計算するためには、高さを変えた2箇所以上にひずみゲージの設置が必要である。
図3は、タワーシェルの軸方向ひずみからタワーモーメントを計算する方法を示している。タワー軸方向のひずみの計測値とタワーの断面係数から、ひずみゲージ貼付高さのモーメントがわかる。先に定義したブレード回転軸高さのFとMを用いると、ひずみゲージ貼付高さのモーメントは、F×モーメントアーム+Mとなる(モーメントアーム:ブレード回転軸高さとひずみゲージ貼付高さとの差)。図3のグラフは、ある瞬間における第2、3、4、6プラットホームの4地点のモーメントをプロットしているが、これらを結んだ直線から、その瞬間のブレード回転軸高さのモーメント、Mが求まること、F×モーメントアーム+Mの関係が成立することがわかる。
次に、タワーモーメントから、ブレード12の疲労損傷量修正係数を求める方法を説明する。図4に示すように3枚のブレード12が120°ピッチで配列しており、それぞれのブレード12がある瞬間にFB1、FB2、FB3の力を受けているとする。FB1~FB3を合計したのがタワー荷重Fであり、FB1、FB2、FB3から生じるモーメントの合計がタワーモーメントMである。
ブレード12にかかる力は、風速の影響が大きいとすると、各ブレード12の位置における風速が3箇所で同じならば、FB1~FB3は同じ大きさになる。このとき、ブレード12が回転しても、その間のタワーモーメントMは一様である。実際のタワーモーメントは時間ごとに変動する。これは、風速の変化によっても起こるが、もし、各ブレード位置における風速変化が同じならば、タワーモーメントの変動は風速の変化と相関がなくてはならない。しかしながら、現実的にはタワーモーメントの変動は、風速の変化だけでは説明できない。
そこで、各ブレード位置によって、ブレード12にかかる力が異なるモデルを考える。ここでは、ブレード回転中の高さの変化に着目して、高さによって風速分布が変化するモデルを考えた。図5は、ブレードが12時位置から6時位置の180度回転した場合にブレード12が受ける荷重の変化量(ΔFB)を模式的に示す。この変化量は、高さによる荷重の分布形態(図5に示す例では、2次と1/2次)によって変わることがわかる。
図6は、2次、1次、0.5次、1/3次、の様々な荷重の分布に対して、タワーモーメントがどのように変わるかを計算した結果を示している。ブレード12が1/3周する間のモーメントの変化は荷重分布によって決まることがわかる。つまり、この関係を用いると、タワーのひずみから計算したタワーモーメントの変化と風速変化から計算したタワーモーメントとの乖離量から、各ブレード12が回転中に受ける力の変化を求めることができる。これは、同じ風況、平均風速、乱流強度の場合でも、高さに着目すると風速差があり、実際にブレード12が受ける変動荷重に違いがあり、疲労損傷量にも差があることになる。
分析の結果、この実際にブレード12が受ける変動荷重の違いによる疲労損傷量の差と図7の風況から求まる疲労損傷量の差には相関があり、図7のバンドを修正する疲労損傷量修正係数を導出することができる。
なお、タワー14のひずみから計算したタワーモーメントの変化と風速変化から計算したタワーモーメントの乖離量から、各ブレード12が回転中に受ける力の変化を求めるにあたっては、周期性を利用する必要がある。ここでは、ブレード12の疲労寿命消費量が高いときは、風車はほぼ定速で運転していることに着目し、発電機回転速度(回転数)の計測データを活用して、周期性を分析している。図6に示したような周期性については、ブレード12に設けたひずみゲージによって実際に測定した波形をフーリエ変換等による周波数解析を行うことによって求めることができる。
図2に示すフロー図のように、図1に示した風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置30では、ブレード疲労損傷量算出部31において、所定期間内の風況(本実施形態では平均風速と乱流強度)から所定期間内のブレードの疲労損傷量を算出する(図2のステップ101)。
また、風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置30では、修正係数算出部32において、タワー14の胴部の軸方向のひずみを検出するひずみゲージ21、22からの所定期間内のひずみ計測値と、所定期間内の発電機の回転数の計測値と、所定期間内の風速計測値を入力データとして、上述したように発電機の回転数の計測値データを活用して得られる周期性を利用して所定期間内のブレードの疲労損傷量の修正係数を算出する(図2のステップ102)。つまり、ひずみ計測値から所定期間内におけるタワーモーメント変化を計算し、所定期間内の発電機の回転数の計測値と所定期間内の風速計測値とから、ブレードが受ける力の変化量を計算し、これらの計算結果から、所定期間内のブレード疲労損傷量の修正係数を計算する。
そして、修正済みブレード疲労損傷量算出部33において、ブレード疲労損傷量算出部31で算出されたブレードの疲労損傷量を、修正係数算出部32で算出された修正係数によって修正し、所定期間内の修正済みブレードの疲労損傷量を算出し(図2のステップ103)、この所定期間内の修正済みブレードの疲労損傷量を疲労損傷量積算部34において積算する(図2のステップ104)。
風力発電機ブレードが回転し、発電を行っている間は、上記したステップ101からステップ104を繰り返して実行し、風力発電機ブレードが停止している間は、これらのステップを終了する。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、廉価な手段である、タワーに設置したひずみゲージの計測データを用いて、タワーの軸方向のモーメントから、ブレードの疲労損傷量に影響を及ぼす実際のブレードの荷重変化を計算し、そこから計算した疲労損傷量修正係数を用いることで、信頼度が高く、かつ廉価な風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置及び風力発電システムを提供することができる。
なお、上記の実施形態では、タワーの胴部に設けたひずみゲージでタワーの軸方向モーメントを求める場合について説明したが、タワーの軸方向ひずみ計測値の代わりに、タワーまたはナセルに設置した加速度センサーによる加速度の計測値を用いてタワーの軸方向モーメントを求めてもよい。さらに、上記の実施形態では、高さによって風速分布が変化するモデルを用いているが、ひずみ計測値や加速度の計測値を用いずに、所定期間内の異なる高さにて実際に計測した風速の計測値と、所定期間内の発電機の回転数の計測値を入力データとして、所定期間内のブレードの疲労損傷量の修正係数を計算する修正係数算出部としてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10……風力発電システム、12……ブレード、14……タワー、15……ナセル、16……変速機構、17……回転軸、18……発電機、19……ボス、20……風力発電機、21……ひずみゲージ、22……ひずみゲージ、30……風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置、31……ブレード疲労損傷量算出部、32……修正係数算出部、33……修正済みブレード疲労損傷量算出部、34……疲労損傷量積算部。

Claims (5)

  1. 風力発電機のブレード疲労損傷量を、所定期間内の風況である平均風速と乱流強度から計算するブレード疲労損傷量算出部と、
    タワー胴部の軸方向ひずみを計測するひずみ計測部と、
    前記ひずみ計測部において測定された前記所定期間内の軸方向ひずみ計測値と、前記所定期間内の発電機の回転数の計測値と、前記所定期間内の風速計測値と、を入力データとして、前記所定期間内のブレード疲労損傷量の修正係数を計算する修正係数算出部と、
    前記ブレード疲労損傷量算出部で算出された前記ブレード疲労損傷量を、前記修正係数算出部で算出された前記修正係数で修正して、修正済みブレード疲労損傷量を算出する修正済みブレード疲労損傷量算出部と、
    を具備したことを特徴とする風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置。
  2. 請求項1記載の風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置において、
    前記ひずみ計測部は、前記タワー胴部の2箇所以上の高さ位置で前記タワー胴部の軸方向ひずみを計測する
    ことを特徴とする風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置。
  3. 請求項2記載の風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置において、
    前記修正係数算出部は、
    前記ひずみ計測部からのひずみ計測値から、前記所定期間内における、タワーモーメント変化を計算し、
    前記所定期間内の発電機の回転数の計測値と、前記所定期間内の風速計測値とから、ブレードが受ける力の変化量を計算し、
    これらの計算結果から、前記所定期間内のブレード疲労損傷量の修正係数を計算する
    ことを特徴とする風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置。
  4. 風力発電機のブレード疲労損傷量を、所定期間内の風況である平均風速と乱流強度から計算するブレード疲労損傷量算出部と、
    前記所定期間内の異なる高さにて計測した風速の計測値と、前記所定期間内の発電機の回転数の計測値を入力データとして、前記所定期間内のブレードの疲労損傷量の修正係数を計算する修正係数算出部と、
    前記ブレード疲労損傷量算出部で算出された前記ブレード疲労損傷量を、前記修正係数算出部で算出された前記修正係数で修正して、修正済みブレード疲労損傷量を算出する修正済みブレード疲労損傷量算出部と、
    を具備したことを特徴とする風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置。
  5. 風力発電機と、
    請求項1乃至4の何れか1項記載の風力発電機ブレードの疲労損傷量計算装置と、
    を具備したことを特徴とする風力発電機システム。
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