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JP2021529876A - 表面酸化カーボンブラックナノ粒子及びそれを含む分散液を提供する方法 - Google Patents

表面酸化カーボンブラックナノ粒子及びそれを含む分散液を提供する方法 Download PDF

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JP2021529876A JP2021523096A JP2021523096A JP2021529876A JP 2021529876 A JP2021529876 A JP 2021529876A JP 2021523096 A JP2021523096 A JP 2021523096A JP 2021523096 A JP2021523096 A JP 2021523096A JP 2021529876 A JP2021529876 A JP 2021529876A
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Abstract

カーボンブラックの表面酸化方法が、向流混合リアクター中、有機溶媒又は他の溶媒中の前記カーボンブラックの溶液若しくはスラリーを、前記カーボンブラックの表面酸化のための試薬を含む液体キャリアと連続的に混合することで、前記カーボンブラックを前記試薬と反応させて、前記液体キャリアと前記溶媒との混合物中のナノ粒子分散液としての表面酸化カーボンブラックを形成することを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、表面酸化カーボンブラックの製造方法及びその方法によって得られるナノ粒子分散液に関するものである。
ナノ粒子分散液は、デジタルインクジェット印刷用のインク濃厚液として用いることができる。従って、本発明はまた、デジタルインクジェット印刷用の表面酸化カーボンブラックを含むインク組成物に関するものでもある。
現在、デジタルインクジェット印刷に適したインク濃厚液を製造するには、固体の顔料又は染料を好適なナノ粒子径まで製粉し、その後、湿潤剤又は分散剤などの安定剤を含む好適なキャリア液中にそのナノ粒子を分散させることが必要とされる。
その製造はバッチプロセスであって、特に、必要とされる製粉作業が、通常は長時間を要し、且つ、多大なエネルギーと大量の水及び有機溶媒を消費するために、時間のかかる高コストのプロセスであることが多い。
カーボンブラックは、炭化水素の不完全燃焼によって製造される非晶質の高表面積有機材料である。それはアルベド(反射される光の量の尺度)が低いことから、顔料として用いられる。所与のカーボンブラックの正確な組成は変動し得るものであるが、インクジェット印刷プロセスに用いられる全てのカーボンブラックは、揮発性成分と称される(その成分は、例えば950℃を超える高温で放散され得るため)化学吸着酸素種の外層を有する。
表面の疎水性が高く、水又は水系溶媒中でのカーボンブラック粒子のより容易な分散が可能となることから、高レベルの揮発性成分がコーティング及び顔料塗布には望ましい。
従って、インク濃厚液に好適なカーボンブラックは通常、カーボンブラックをナノ粒子まで製粉し、次にそのカーボンブラックのナノ粒子を表面酸化することで得られる。
水系溶媒中においてより安定なカーボンブラックの分散液を提供するカーボンブラックの表面酸化は、バッチプロセスとして実施され、代表的には、カーボンブラックを塩基性次亜塩素酸塩溶液と混和させる(48時間超)。
その化学反応は非常に発熱的であり、バッチ処理で制御するのが非常に困難であることで、重大な健康上及び安全上の懸念を生じ、そのために費用のかかる予防対策を講じる必要がある。
さらに、バッチプロセスは、バッチごとに若干異なるカーボンブラックを製造する傾向があり、好適にサイジングされたカーボンブラックのナノ粒子を単離するのに、限外濾過などの費用のかかる濾過技術が必要となることが多い。
さらに、バッチプロセスによって製造されるカーボンブラックは、必ずしもインクジェット印刷に適したものではなく、それらの分散及び貯蔵を改善したり、インクジェットノズルの目詰まりなどの問題を減らすためのさらなる処理が必要となり得る。
例えば、JPH1036727A1には、ある種のトリアルキルアンモニウム塩に基づく水溶性カチオン性界面活性剤との分散によって、表面酸化カーボンブラックの改善された分散液を得ることが可能である旨が開示されている。US6468342B1には、アルカリ金属成分を洗い落とすことによって表面酸化カーボンブラックの改善された分散液を得ることができる旨が開示されている。US2005/0120914A1には、特定の粒径のカーボンブラックナノ粒子の表面酸化と同時にナノ粒子径成長を制御する製粉を行うことで、目詰まりしにくいカーボンブラックインクを得ることができる旨が開示されている。US2011/0316947A1には、インクジェットノズルプレートに結合することなく、記録媒体上での固定を改善する樹脂を含むカーボンブラックインクが開示されている。そのインクは、ポリマーを表面酸化カーボンブラックにグラフトしてから製粉することで得られる。JP2002129065A1には、高温(120℃〜550℃)及び高圧(4MPa〜500000MPa)酸化処理によって、優れた水分散性を有するカーボンブラックを得ることができる旨が開示されている。
本発明者らは、驚くべきことに、インクジェット印刷に非常に適した表面変性カーボンブラックの安定な分散液を直接提供する、表面酸化カーボンブラックの連続的製造方法を見出した。
その連続的方法は、バッチ処理における上記の問題を回避するだけでなく、容易に実行されうる。その方法は、原料のカーボンブラックをナノ粒子まで製粉することを必要とせず、高温・高圧処理、複雑な濾過技術、又はイオン交換操作を必要としない。
従って、第1の態様において、本発明は、カーボンブラックの表面酸化方法であって、向流混合リアクター中、有機溶媒他の溶媒中の前記カーボンブラックの溶液若しくはスラリーを、前記カーボンブラックの表面酸化のための試薬を含む液体キャリアと連続的に混合することで、前記試薬によって前記カーボンブラックを酸化させ、前記液体キャリアと溶媒との混合物中のナノ粒子分散液としての表面酸化カーボンブラックを形成すること、を含む方法を提供する。
好適な向流混合リアクターには、金属又は金属酸化物の熱水合成に用いられるものなどがある。それらは通常、第1の溶液用注入口、第2の溶液用注入口、並びに前記第1及び第2の溶液の両方用の排出口を含む。
本発明の方法を実施するのに好適な、国際特許出願WO2005/077505A2に記載の向流リアクターの模式図である。 本発明の一実施形態による、カーボンブラックの表面酸化の模式図である。 本発明のいくつかの実施形態による表面酸化カーボンブラックのFT−IR吸収スペクトラムを示すグラフである。 対応するバッチプロセスによって製造された表面酸化カーボンブラック(SDP−100)のFT−IR吸収スペクトラムと比較した、本発明の一実施形態による表面酸化カーボンブラックのFT−IR吸収スペクトラムを示すグラフである。 市販のカーボンブラック(NIPex(登録商標)160IQ)の安定性と比較して、本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックの分散液の安定性を強調する写真である。 本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックの分散液及び対応するバッチプロセスによって製造された表面酸化カーボンブラック(SDP−100)の分散液の、ナノ粒子径分布を示す動的光散乱によって得られるグラフである。 本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックの分散液及び対応するバッチプロセスによって製造された表面酸化カーボンブラック(SDP−100)の分散液のナノ粒子径分布を示す、単一粒径解析によって得られたグラフである。 本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックの分散液のゼータ電位及び対応するバッチプロセスによって得られた表面酸化カーボンブラック(SDP−100)の分散液のゼータ電位を示すグラフである。 本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックのナノ粒子及び対応するバッチプロセスによって製造された表面酸化カーボンブラック(SDP−100)のナノ粒子の熱脱離を示すグラフである。 本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックのナノ粒子及び対応するバッチプロセスによって製造された表面酸化カーボンブラック(SDP−100)のナノ粒子の熱脱離を示すグラフである。
向流混合リアクターは、T字型又はY字型リアクターであることができる。しかしながら、好ましくは、第2の注入口が直径方向において第1の注入口に対向しており、且つ、排出口に配置されているリアクターである。そのようなリアクターは、例えば、国際特許出願WO2005/077505A2、WO2014/111703A2、及びWO2015/075439A1(これらはいずれも、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。)に記載されている。
従って、向流混合リアクターは、第1の注入口、第2の注入口、及び排出口が同軸配置されている垂直構成を有することができる。第2の注入口は、成形ノズル、特に円錐形漏斗を含むことができる。
向流混合リアクターには、溶液及び液体キャリアの一方又は両方を加熱又は冷却するための1以上の予熱器又は冷却器を設けることができる。
向流混合リアクターには、リアクターを出るナノ粒子分散液中での酸化を停止するための冷却器又は希釈装置の1以上も設けることができる。
向流混合リアクターの部品は、好適な材料から構築されうる。好適な材料としては、ステンレス鋼、及び試薬又は反応混合物がステンレス鋼に対して腐食性である場合にはフッ素含有ポリマー、例えばポリ(フルオロ)アルカンなどがある。
一実施形態において、当該方法は、カーボンブラックを含む溶液又はスラリーを第1の注入口を通って上方に送ること、及びカーボンブラックの表面酸化のための試薬を含む液体キャリアを第2の注入口から下方に送ることを含む。
別の実施形態において、当該方法は、カーボンブラックを含む溶液又はスラリーを第2の注入口から下方に送ること、及びカーボンブラックの表面酸化のための試薬を含む液体キャリアを第1の注入口から上方に送ることを含む。
表面酸化のために、試薬が補助化合物、例えば塩基若しくは酸を必要とする場合、その補助化合物は、カーボンブラックを含む溶液又はスラリーとともに、又は表面酸化のための試薬を含む液体キャリアとともに提供されうる。
カーボンブラックの表面酸化には、従来のバッチ処理によるカーボンブラックの表面酸化に好適な試薬を用いることができる。その試薬は、特には、塩基性次亜塩素酸塩(例えば、次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸カリウム)でありうる。他の好適な試薬には、1以上の酸化剤、例えば過酸化水素、ペルオキソ二硫酸二アンモニウム(過硫酸アンモニウム)、硫酸及び硝酸などがある。
当該方法は、ナノ粒子が1nm〜500nm、例えば1nm〜300nm、1nm〜150nm、又は1nm〜50nmの平均直径を有する、表面酸化カーボンブラックのナノ粒子の分散液を直接提供する。
当該方法はまた、単峰型多分散性を有する表面酸化カーボンブラックのナノ粒子の分散液を直接提供する。これらのナノ粒子分散液の動的光散乱(DLS)多分散性指数は狭く、特に、0.1〜3.0、例えば2.0以下、又はさらには1.0以下でありうる。
当該方法はさらに、D50又はD97直径中央値として10nm〜300nm、例えば10nm〜150nm、特には1nm〜50nmを有する表面酸化カーボンブラックのナノ粒子の分散液を直接提供する。
当該ナノ粒子分散液は、バッチ処理によって得られるナノ粒子分散液のものより小さいD50、D90又はさらにはD97直径中央値を示すことができる。
これらのナノ粒子分散液は、原料のカーボンブラックの粒径とは無関係に得ることができる。原料のカーボンブラックは特に、平均直径10nm〜100μmの粒子を含むことができる。通常は疎水性である好適な原料カーボンブラックには、NIPex(登録商標)160 IQ(ASTMD2414による平均一次粒径20nm及び吸油価128mL/100g;Grolman Ltd(UK)によって供給)などがある。
向流混合リアクターでの酸化に関するプロセスパラメータの1以上における選択、及びそれより小さい程度であるが有機又は他の溶媒及び液体キャリアの選択によって、ナノ粒子の粒径(及び表面積)、カーボンブラックの表面酸化の程度、及びナノ粒子分散液の安定性を制御することができる。
そのプロセスパラメータには、溶液又はスラリー中のカーボンブラックの量、溶液又はスラリー及び液体キャリアのそれぞれの温度及び圧力、リアクター中の溶液又はスラリー及び液体キャリアの流量の比、並びに溶液又はスラリー及び液体キャリアの滞留時間などが含まれる。
その選択は、ナノ粒子分散液の形態及び/又は多分散性、特にはナノ粒子分散液の多分散性指数を制御することもできる。
実施形態において、当該方法は、リアクター温度20℃〜120℃、例えば20℃〜80℃、20℃〜60℃、又は20℃〜25℃で実行される。
これらの実施形態において、当該方法は、環境圧又はそれより高い圧力、特には1バール(0.1MPa)〜250バール(25MPa)、例えば1バール(0.1MPa)〜120バール(12MPa)、1バール(0.1MPa)〜100バール(10MPa)、又は1バール(0.1MPa)の圧力で実行されうる。
実施形態において、溶液又はスラリー中の原料カーボンブラックの濃度は、有機溶媒又は他の溶媒の分子量に応じて5重量%〜50重量%カーボンブラック固体でありうる。それは例えば、溶媒が水である場合、5重量%〜30重量%、5重量%〜20重量%、又は5重量%〜10重量%でありうる。
液体キャリアとカーボンブラックの溶液又はスラリーとの流量の比(リアクターに取り付けられたポンプによって制御可能)は、1:10〜10:1、例えば1:10〜2:1、5:1又は8:1でありうる。
向流混合リアクター中でのカーボンブラックの滞留時間(排出口の長さにおける選択によって少なくとも部分的に制御され得る)は、5秒〜120分、例えば5秒〜60分、30秒〜15分、又は30秒〜5分でありうる。
一実施形態において、当該方法は、流量比2:1及び滞留時間15分にて、20℃〜60℃の温度で、環境圧(0.1MPa)で行われる。
当該方法はさらに、前記有機溶媒又は他の溶媒及び、任意に、前記液体キャリアの少なくとも一部を除去することで、前記分散液を濃縮することをさらに含むことができる。当該方法はさらに、未反応試薬及び/又は反応副生成物を、そのいずれか若しくは両方が存在する場合に、前記分散液から除去することを含みうる。
前記有機溶媒、未反応試薬、及び/又は副生成物は、濾過、限外濾過、遠心などのいずれか好適な方法によって除去されうる。
一実施形態において、当該方法は、遠心によってペレットを濃縮すること及び、洗浄及び乾燥後に、好適な液体キャリア中の表面酸化カーボンブラックを再分散させることを含む。
留意すべき点として、当該方法では、カーボンブラックを含む溶液又はスラリーの密度が液体キャリアの密度と異なることが必要ではなく、カーボンブラックを含む有機溶媒又は他の溶媒が、少なくとも部分的に、液体キャリアと混和性でなければならない。
さらに留意すべき点として、有機溶媒又は他の溶媒及び液体キャリアは必ずしも異なっている必要はない。他の溶媒及び液体キャリアは同一であっても良く、一部の実施形態では、それらは両方とも水を含んでいる。
有機溶媒、他の溶媒、又は液体キャリアは、臨界又は超臨界に近い状態で用いる必要はない。しかしながら、当該方法は、水などの液体キャリアを臨界又は超臨界に近い状態で用いることができる。
有機溶媒又は他の溶媒は、液体又は気体の溶媒でありうる。それは、いずれか好適な有機溶媒又は他の溶媒、例えば水、酢酸エチル、エタノール、メタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びイソプロピルアルコール並びにこれらの混合物などを限定することなく含みうる。
液体キャリアは、水又は水系キャリアであることができる。水系キャリアは、1以上の多価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、又は少なくとも5個の炭素原子を有する多価アルコール、例えば国際特許出願WO2014/127050A1に記載されているものを含みうる。
上記のように、当該方法は、分散液から有機溶媒又は他の溶媒のみを除去することで、分散液を濃縮することを含みうる。
或いは、当該方法は、液体キャリアの一部又は全部とともに、有機溶媒又は他の溶媒を除去することで分散液を濃縮することを含みうる。
その濃縮は、留去、例えば真空若しくは部分真空下でのロータリーエバポレータ留去、遠心、濾過、又は限外濾過などのいずれか好適な方法によって行うことができる。
留去の場合、有機溶媒又は他の溶媒の除去は、第1の温度にて実行され、液体キャリアの除去は第1の温度より高い第2の温度にて実行されうる。
当該方法は、未反応試薬又は副生成物が存在する場合に、これらを除去することも含みうる。その未反応試薬又は副生成物の除去は、遠心、濾過、又は限外濾過などのいずれか好適な方法によって行うことができる。
その除去は、分散液からのナノ粒子の単離を必要とするか、その単離に至り得る。その場合、当該方法は、好適な液体キャリア中にナノ粒子を再懸濁させることをさらに含みうる。当然のことながら、ナノ粒子を、それの再懸濁に先立って洗浄及び/又は乾燥させることができる。
当該方法は、表面酸化カーボンブラックのナノ粒子の濃度が5重量%〜50重量%であるナノ粒子分散液を直接提供する。それは例えば、溶媒が水である場合に、5重量%〜30重量%、5重量%〜15重量%、又は5重量%〜10重量%であることができる。
従って、当該方法は、さらなる処理を行うことなく、インクジェット印刷のためのインク濃厚液として用いることができる表面酸化カーボンブラックのナノ粒子分散液を提供しうる。
当該方法は、カーボンブラックのナノ粒子の対応するバッチ酸化によって得られるものと異なるように見える表面酸化カーボンブラックを提供する。
当該方法は、ナノ粒子の表面酸化の程度が、対応するバッチプロセスによって得られるものより大きい又は小さいナノ粒子分散液を提供することができる。
分散液は、特に、対応するバッチプロセスによって得られる分散液より大きい又は小さい大きさのゼータ電位を有しうる。
試薬が塩基性次亜塩素酸塩(例えば、漂白剤及び水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの混合物)である一実施形態において、当該方法は、カーボンブラックの表面酸化の程度が対応するバッチプロセスによって得られるものより小さい表面酸化カーボンブラックを提供する。
この実施形態によって得られる分散液のゼータ電位の大きさは、対応するバッチプロセスによって得られる分散液のもの(即ち、約63.9mV未満)より小さい。
当該方法は、対応するバッチプロセスによって得られるナノ粒子分散液と同等又はそれより安定であるナノ粒子分散液を提供しうる。ナノ粒子分散液は、特に、標準室温及び標準圧で、6ヶ月超にわたって安定でありうる。
理論に拘束されるものではないが、対応するバッチプロセスによって得られるものと比較して、表面酸化ナノ粒子上の官能基の異なる分布により、当該方法によって得られるナノ粒子分散液の安定性上昇が生じ得るように思われる。
各表面酸化カーボンブラックは、官能基カルボキシレート(−CO )、ラクトン、エーテル、フェノール、カルボニル、エーテル、エポキシド、無水物、又はキノンのうちの1以上を含みうるが、本方法によって得られる表面酸化ナノ粒子は、フェノール、エーテル、及びカルボニル(これらは、文献中で、有機芳香族化合物の酸化におけるカルボキシレート形成のための中間体であることが認められている。)の含有量がより高いものでありうる。
塩基性次亜塩素酸塩の実施形態において、表面酸化ナノ粒子(加熱速度3℃/分で約900℃までの窒素不活性雰囲気での昇温脱着によって測定)の揮発性成分は、対応するバッチプロセスによって得られる表面酸化ナノ粒子の揮発性成分と比較して、5%以上高く、例えば10%〜50%、又は10%〜20%高い。
当該方法は、インク安定性のためだけでなく、インクジェット印刷性能のためにも表面酸化カーボンブラック分散液の調整を可能とし得るものである。
それは、対応するバッチプロセスから得られる表面酸化カーボンブラックのナノ粒子から調製されたインク濃厚液又はインクと比較して、インクジェット印刷媒体への付着が良好なインク濃厚液又はインクを提供しうる。
留意すべき点として、当該方法は、湿潤剤及び/又は分散剤を必要とせずに、自己分散性表面酸化カーボンブラック及び水系溶媒中における表面酸化カーボンブラックの安定なナノ粒子分散液を提供する。
即ち、当該方法は、分散液が実質的に湿潤剤及び/又は分散剤を含まない表面酸化カーボンブラックのナノ粒子の分散液を提供する。その場合、ナノ粒子は、本質的に表面酸化カーボンブラックのナノ粒子からなるものでありうる。
そうではあっても、湿潤剤及び分散剤の1以上を分散液中で提供して、インク組成物の長期貯蔵性又はより良好なインクジェット性能を高めることが有利であろう。排出される分散液に加えること、濃厚分散液に加えること、又は再生した分散液に加えることで、分散液が向流混合リアクターから排出された後に、1以上の湿潤剤及び分散剤を導入することができる。
或いは、1以上の湿潤剤及び分散剤を、向流混合リアクターに導入することができる。その場合、カーボンブラックの溶液又はスラリーは、湿潤剤及び分散剤の1以上を含むことができる。或いは又はさらに、液体キャリアが、湿潤剤及び分散剤の1以上を含むことができる。
一実施形態において、液体キャリアは湿潤剤を含み、当該方法は、有機溶媒及び液体キャリアの少なくとも一部を除去する前に、分散剤をナノ粒子分散液に加えることを含む。別の実施形態において、有機顔料を含む溶液若しくはスラリー、及び/又はカーボンブラックの表面酸化反応物を含む液体キャリアは、湿潤剤のみを含む。
留意すべき点として、1以上の湿潤剤及び分散剤が使用される場合の質量は、バッチ処理によるカーボンブラックの表面酸化後に用いられるべき質量より実質的に少なくすることができる。
1以上の湿潤剤及び分散剤を用いる場合、当該方法は、表面酸化カーボンブラックの最終ナノ粒子分散液中の湿潤剤の濃度を0.5重量%〜5.0重量%、例えば0.5重量%〜3.0重量%とすることができる。
当該方法は、或いは又はさらに、最終のナノ粒子分散液中の分散剤の濃度を0.5重量%〜5.0重量%、例えば0.5重量%〜3.0重量%とすることができる。
1以上の湿潤剤及び分散剤は、インクジェット組成物に従来のように用いられるアニオン系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤を含みうる。
好適なアニオン系界面活性剤としては、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアリールスルホネート(例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホネート)、α−オレフィンスルホネート、アルキルサルフェートのアルカリ金属又はアンモニウム塩、アルキルエーテルサルフェートのアルカリ金属又はアンモニウム塩、アルキルホスフェート、シリコーンホスフェート、アルキルグリセロールスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルタウレート、アルキルサルコシネート、アシルサルコシネート、スルホアセテート、アルキルホスフェートエステル、モノアルキルマレエート、アシルイソチオネート(isothionates)、アルキルカルボキシレート、ホスフェートエステル、スルホスクシネート、リグノスルホネート、及びこれらの組み合わせなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
他の好適なアニオン系界面活性剤としては、ナトリウムラウリルサルフェート、ナトリウムラウリルエーテルサルフェート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、アンモニウムラウリルサルフェート、アンモニウムラウリルエーテルサルフェート、ナトリウムドデシルベンゼンサルフェート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンサルフェート、ナトリウムココイルイソチオネート、ナトリウムラウロイルイソチオネート(isothionate)、及びナトリウムN−ラウリルサルコシネートなどが含まれる。
好適なノニオン系界面活性剤としては、モノ−及びジ−アルカノールアミド、アミンオキサイド、アルキルポリグルコシド、エトキシル化シリコーン、エトキシル化アルコール、エトキシル化カルボン酸、エトキシル化脂肪酸、エトキシル化アミン、エトキシル化アミド、エトキシル化アルキルロールアミド、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化グリセリルエステル、エトキシル化ソルビタンエステル、エトキシル化ホスフェートエステル、ブロックコポリマー(例えば、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポリマー)、グリコールステアレート、グリセリルステアレート、及びこれらの組み合わせなど含まれるが、これらに限定されるものではない。
第2の態様において、本発明は、第1の態様によって得られる又は得ることができる、表面酸化カーボンブラックのナノ粒子の液体キャリア中における分散液を提供する。
第3の態様において、本発明は、第1の態様によって得られる又は得ることができる表面酸化カーボンブラックのナノ粒子を提供する。
第4の態様において、本発明は、本発明の第2の態様の分散液を含む、デジタルインクジェット印刷のためのインク濃厚液を提供する。
第5の態様において、本発明は、ナノ粒子が脱イオン水中において約63.9mV未満の大きさのゼータ電位(負でありうる)を有する、表面酸化カーボンブラックのナノ粒子を提供する。
留意すべき点として、ゼータ電位は、光学的方法、例えばISO13099−2;2012光学的方法による電気泳動光散乱を用いて測定される。それは特に、標準的な温度及び圧力でゼータ電位セルを取り付けたMalvern Instruments(Zetasizer(登録商標))Nano ZS粒子サイザーを用いて測定することができる。
第6の態様において、本発明は、第5の態様のナノ粒子の水系液体キャリア中の分散液を提供する。
第7の態様において、本発明は、第6の態様の分散液を含む、デジタルインクジェット印刷のためのインク濃厚液を提供する。
第8の態様において、本発明は、有機顔料の表面改質方法であって、向流混合リアクター中で、有機溶媒又は他の溶媒中における有機顔料の溶液若しくはスラリーを、顔料の表面改質用試薬を含む液体キャリアと連続的に混合することで、前記有機顔料を前記試薬と反応させて、液体キャリア及び溶媒の混合物中のナノ粒子分散液として表面改質顔料を形成すること;任意的には、未反応試薬及び/又は副生成物が存在する場合には、これらを分散液から除去すること;及び任意的には、前記分散液を濃縮することを含む方法を提供する。
好適な有機顔料としては、アリザリン、アントキサンチン、アリライドイエロー、アゾ染料、ビリン(billin)、ビスタ、芥もくた、カーボンブラック、カルミン、クリムゾン(crimson)、ジアリライド顔料、ジブロモアンサントロン、ドラゴンズブラッド、藤黄、インディアンイエロー、インジゴ染料、ナフトールAS、ナフトールレッド、オモクロム、ペリノン、フタロシアニンブルーBN、フタロシアニングリーンG、ピグメントブルー15:3、ピグメントバイオレット23、ピグメントイエロー10、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー81、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー185、ピグメントレッド208、キナクリドン、ローズ・マダー、リレン(rylene)染料、セピア、及びチリアンパープルなどが含まれる。
第2〜第9の態様の実施形態は、本発明の第1の態様に関する開示から明らかであろう。
有機顔料の表面改質では、従来のバッチ処理による顔料の表面改質に好適な試薬を用いることができる。
その試薬は特には、塩基性次亜塩素酸塩、過酸化水素、硫酸、及び硝酸からなる群から選択される酸化剤でありうる。
その試薬は、酸素(−O)、二酸素(−O 2−)、カルボキシレート(−CO );ナイトライト(−NO )、ニトロソ(−NO)、スルホネート(−SO )、及びそれらのC1−アルキル又はC−C10アリールエステルからなる群から選択される1以上の官能基を含む表面改質顔料を提供することができる。
或いは又はさらに、その試薬は、アリールスルホネート(−Ar−SO−)、アリールカルボキシレート(−Ar−CO−)、アリールエステル(−Ar−COR)[アリールは、置換された又は置換されていないフェニル(Ph)、ナフチル(Np)、ピリジル(Py)などであり、RはC−Cアルキル又はC−C10アリールである。]、及びアミノ酸からなる群から選択される1以上の官能基を含む表面改質顔料を提供することができる。
アリールスルホネートエステルによるカーボンブラック及び他の有機顔料の表面改質(in situジアゾニウム塩形成を介して)は、例えばUS5922118に記載されている。有機顔料の表面改質のための他の試薬は、当業界で使用されるバッチプロセスから公知であろう。
以下、下記の非限定的な実施例及び添付の図面を参照して、本発明についてより詳細に説明する。
図1は、本発明の方法を実施するのに好適な、国際特許出願WO2005/077505A2に記載の向流リアクターの模式図である。
図2は、本発明の一実施形態による、カーボンブラックの表面酸化の模式図である。
図3は、本発明のいくつかの実施形態による表面酸化カーボンブラックのFT−IR吸収スペクトラムを示すグラフである。
図4は、対応するバッチプロセスによって製造された表面酸化カーボンブラック(SDP−100)のFT−IR吸収スペクトラムと比較した、本発明の一実施形態による表面酸化カーボンブラックのFT−IR吸収スペクトラムを示すグラフである。
図5は、市販のカーボンブラック(NIPex(登録商標)160IQ)の安定性と比較して、本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックの分散液の安定性を強調する写真である。
図6は、本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックの分散液及び対応するバッチプロセスによって製造された表面酸化カーボンブラック(SDP−100)の分散液の、ナノ粒子径分布を示す動的光散乱によって得られるグラフである。
図7は、本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックの分散液及び対応するバッチプロセスによって製造された表面酸化カーボンブラック(SDP−100)の分散液のナノ粒子径分布を示す、単一粒径解析によって得られたグラフである。
図8は、本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックの分散液のゼータ電位及び対応するバッチプロセスによって得られた表面酸化カーボンブラック(SDP−100)の分散液のゼータ電位を示すグラフである。
図9−1及び図9−2は、本発明に従って得られた表面酸化カーボンブラックのナノ粒子及び対応するバッチプロセスによって製造された表面酸化カーボンブラック(SDP−100)のナノ粒子の熱脱離を示すグラフである。
ここで図1を参照すると、参照符号10と指定された向流混合リアクターは、第1の注入口11及び排出口12を含み、第2の注入口13は直径方向で第1の注入口11に対向しており、第1の注入口11に配置されている。第1の注入口11及び第2の注入口13は互いに同軸であり、第2の注入口13は円錐形漏斗15の形状のノズル14を提供する。
留意すべき点として、リアクターは、第1の注入口11への上昇流及び第2の注入口13への下降流(不図示)を提供する個々のポンプを含むポンプシステムを伴っている。
実施例
カーボンブラックの表面酸化
国際特許出願WO2005/077505A2に記載の向流混合リアクター中での市販のカーボンブラック(Grolman Ltd, UKからのNIPex(登録商標)160IQ)の表面酸化の試験を行った。
留意すべき点として、本試験において、第1の注入口11及び排出口12を提供するパイプの材料並びに第2の注入口13及びノズル14を提供するパイプの材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
本試験は、最も適した酸化剤、並びに温度管理を可能とするカーボンブラック及び酸化剤の好適な量を決定するための一連の小規模バッチ試験から開始した。
これらの試験において、既知量のカーボンブラック(1g、2g、又は3g)を、過剰量の酸化剤とともに、約8時間の期間にわたり高攪拌した。反応停止(希釈による)した後、表面酸化カーボンブラックを遠心によって回収し、水で洗浄し、乾燥させて粉末とした。
各粉末を、フーリエ変換赤外線(FT−IR)吸収スペクトラムにて解析し、バッチプロセスによって製造された市販の表面酸化カーボンブラック(SensiJet Black;SDP−100;Sensient Colours(UK) Ltd)の吸収スペクトラムと比較した。
ダイヤモンド/ZnSe結晶板を取り付けた減衰全反射(ATR)付属品を有するBruker(登録商標) Tensor 27 FT−IRスペクトル装置が用いられた。
各場合のスペクトラムの品質は低かったが(カーボンブラックの反射率がATRダイヤモンドと似ている)、SDP100のFR−IRスペクトラムは、最も明らかには1555cm−1近傍を中心とする広いピークが存在することで、カーボンブラックのスペクトラムとは明らかな違いを示した。
酸素標識試験(文献で報告)が、この広いピークがカルボニル伸縮モードの芳香環呼吸モードとの重なりによって生じることを示唆している。呼吸モードは、カルボニル基への共役によって強化され、カルボニル基の伸縮振動数は、カーボンブラックへの共役によって赤方偏移する(約1680cm−1に)。
その広いピークの強度は、カーボンブラックの表面酸化の程度の指標であるが、データ品質が低い点には注意を払う必要がある。しかしながら、異なるスペクトラム間でのこのピークにおける強度比較を、酸化によって比較的未変化に留まる約1725cm−1でのカルボニル伸縮バンドを基準として行うことができる。
しかしながら、留意すべき点として、正確な比較には、傾斜した基底線をある程度考慮する必要があり、異なる基底線補正が、広いピークの大きさ及び位置に顕著な効果を有することが観察される。
FT−IRスペクトラムによって、漂白剤単独の5体積%又は10体積%水溶液、30体積%過酸化水素水溶液、5体積%硫酸及び(NH水溶液、並びに5体積%硝酸水溶液と比較して、1質量当量(カーボンブラックに関して)の水酸化ナトリウムを含む漂白剤の5体積%又は10体積%水溶液がカーボンブラックの表面酸化に関して最も効率的であることが明らかになった。
1質量当量の水酸化ナトリウムを含む漂白剤の10体積%水溶液と既知量のカーボンブラック(1g、2g、3g)との反応時の温度は、熱電対及び温度検層システムにより、適切な安全性範囲内にあることが確認された(約10分間で)。
10体積%漂白剤水溶液中の水酸化ナトリウムの質量当量は、さらなる試験中に変動したが(カーボンブラックの質量と比較して1〜5倍)、1550cm−1の広い吸収ピークではなく、約1400cm−1の広い吸収ピークが出現する傾向があった(他のアルコール酸化生成物を示唆)。
最初の流動試験濃度パラメータは、水及び10体積%漂白剤水溶液10mL当たりカーボンブラック約1g及び水酸化ナトリウム1gとなるようにした。
これらの流動試験において、水酸化ナトリウム含有漂白剤水溶液を第2の注入口12に対して下降流でポンプ送りし、カーボンブラックの水中スラリーを第1の注入口11に対して上昇流でポンプ送りした。相対流量は、1:1〜1:2(カーボンブラックスラリー:漂白剤水溶液)で変動させた。表1に、向流混合リアクターを用いる初期流動試験についての濃度パラメータが示されている。
各場合において、液流が装置から排出されると直ちに、反応を停止した(希釈により)。生成物を遠心によって回収し、水で洗浄し、乾燥させて粉末とした。
Figure 2021529876
回収された表面酸化カーボンブラックのFT−IR吸収スペクトラムが、図3にて比較される。それからわかるように、カーボンブラックの表面酸化は、漂白剤水溶液の濃度が10体積%である場合の表面酸化と比較して、漂白剤水溶液についての濃度が5体積%である場合の方が実質的に少ないように見える。
カーボンブラックスラリー及び水酸化ナトリウムを含む漂白剤水溶液の流量比は1〜6で変動したが、図3で示したピーク高さ比にはさほど影響しないように思われる。
さらに、水酸化ナトリウム含有漂白剤水溶液の40℃までの予熱は、図3に示したピーク高さ比に対してほとんど効果がないように思われる(水酸化ナトリウム含有漂白剤水溶液の流量がカーボンブラックの水系スラリーの流量の2倍である場合であっても)。
流動試験における表面酸化程度が小さいことは、バッチ試験と比較して、流動試験での反応時間が短いことと一致している。
リアクターは、異なる温度で滞留時間(上昇流圧及び下降流圧を調節することで)を数分間に増加させるように調整した。表2のセットは異なる温度を示している。
Se−016B〜DについてのFT−IRスペクトラムは同様であったが、SDP−100(即ち、1:2未満)の場合より小さい、1725cm−1のピークの1555cm−1のピークに対する強度比を示した。SE−016AについてのFT−IRスペクトラムは、1723cm−1でピークを全く示さず、それは、所望の酸化以外の何らかの反応を示唆している。
Figure 2021529876
図4を参照すると、Se−016Dについて得られた吸収スペクトラムの直線基底線へのフィッティングによって、カーボンブラックの従来の酸化によって得られた表面酸化カーボンブラック(SDP−100)について認められたものと実質的に同様のカルボキシレートバンド吸収強度となる。
しかしながら、そのフィッティングは、スペクトラムの他の領域ではあまり良好ではない。これらの領域では、指数基底線(log)へのフィッティングによって、より良好な一致を生じるが、カルボキシレートバンド吸収の強度を実質的に低下させる。
Se−016B〜Se−016Dについての分散液は、FR−IR分析に十分なペレットを得るためにかなりの遠心(4500rpmで3時間)を必要とするSFP−100の水中分散液と比較して、驚くべき安定性を示した。
図5を参照すると、表面酸化カーボンブラック(Se−016D、Bと称される)のサンプルの水中分散液を、未処理カーボンブラック(NIPex(登録商標)160IQ、Aと称される)の水中分散液と比較する写真を示している。
これからわかるように、表面酸化カーボンブラック(B)の分散液は、未処理カーボンブラック(A)の分散液と比較して相対的に安定である。
表面酸化カーボンブラックの特性決定
流動試験によって得られた分散液Se−016Dのサンプルを、濃縮及び沈殿物の傾斜法除去後に、動的光散乱(DLS)によって分析した。
粗分散液の室温でのロータリーエバポレータ留去を行い、次に約10〜15重量%の表面酸化カーボンブラック負荷量を有する濃縮液が得られるまで45゜でロータリーエバポレータ留去を行うことで、サンプルを得た。上清液1mLを脱イオン水20mLで希釈することで、分析用に濃縮液を調製した。
入射レーザー光源(波長632.8nmのHe−Neレーザー)を用いる173゜での後方散乱検出器を装着したMalvern Instruments Nano ZS粒子サイザーを用い、10mmキュベット中、25℃でサンプルを分析した。
CONTINアルゴリズムを用いて、散乱光シグナルの畳み込みを解き、粒径分布を得た。その分析は、測定設定のために純水の連続相(粘度=0.8872cP;屈折率=1.330)を仮定した。ナノ粒子のZ−平均粒径を、DLS装置からフィッティングした生キュムラントデータから得た。
図6は、サンプルSe−016Dのナノ粒子径分布を、SDP−100のサンプルの脱イオン水中でのナノ粒子径分布と比較するグラフを示している。
これからわかるように、Se−016D及びSDP−100サンプルのナノ粒子のZ−平均粒径はそれぞれ、約152.5nm及び約128.1nmである。サンプルSe−016D及びSDP−100のDLS多分散性指数を測定し、それぞれ0.250及び0.146であった。
図7は、流動試験Se−016Dから得られた分散液のサンプル及びSDP−100の脱イオン水中分散液のサンプルの単一粒子光学解析(SPOS)によって得られたグラフを示す。その解析は、粒子カウンター及びLE−400−05SUMセンサーを搭載したAccusizer(登録商標)780自動希釈粒子サイジング装置(Particle Sizing Systems、USAから)を用いて行った。
これからわかるように、グラフは、1000nmを超える直径を有する粒子がいずれの分散液にも存在しないこと、そして、Se−016DサンプルのDLSスペクトラム中の微小ピークがアーチファクトであることを示している。従って、分散液Se−016Dは単峰性であることが示されている。
個々の分散液のゼータ電位の試験も、ゼータ電位セルを取り付けたMalvern Instruments Nano ZS粒子サイザーを用いて行った。
ゼータ電位は、溶液中のナノ粒子の表面電荷の尺度である。ナノ粒子と反対電荷のイオンの薄層の間の境界での電位を測定する。
図8は、表面酸化カーボンブラックSe−016Dの脱イオン水中のゼータ電位が−49.0mVであること、及び脱イオン水中のSDP−100のゼータ電位が−69.3mVであることを示している。
これらのゼータ電位測定値は、連続プロセスによって得られた表面酸化カーボンブラックが、バッチプロセスによって得られた表面酸化カーボンブラックの場合の76.7%である表面酸化程度を有することを示唆している。
図9−1及び図9−2は、NIPex(登録商標)160IQ及びSDP−100と比較した、温度の関数としての重量損失パーセント、並びに上記の60℃のリアクター温度及び4分間の滞留時間及び環境圧で、記載の方法に従って製造されたサンプルSe−022Aの従来の熱重量分析によって得られた所定温度での重量損失速度を示す図である。
熱重量分析は、3℃/分の加熱速度で約900℃までの、窒素不活性雰囲気下での昇温脱離を用いて行った。
100℃までの重量損失は、それがほとんど表面吸収された水によるものであるという点で無視することができる。表面酸化カーボンブラックSe−022AとSDP−100の間の差は、酸化プロセスではなく乾燥プロセスによって生じるものであると考えられる。
両方の表面酸化カーボンブラックとも、300℃辺りで重量損失を示しており、それは、文献的には、カルボキシレート官能基の分解によるものである。しかしながら、Se−022Aについての開始温度及びピーク重量損失温度(それぞれ、285℃及び305℃)は、SDP−100のもの(200℃及び250℃)と異なっており、この場合での総重量損失(それぞれ2%及び5%)は、Se−022Aと比較して、SDP−100の表面上に、かなり大きい割合のカルボン酸官能基が存在することを示唆している。
両方の表面酸化カーボンブラックとも、重量損失が580℃から始まり、700℃まで続くことを示しており、それは、文献的には、無水物及びラクトン官能基の分解によるものである。その範囲でのSe−022A(10%)の重量損失の方が、SDP−100(7%)の重量損失より大きく、それは、SDP−100と比較して、Se−022Aの表面上により多くの無水物及びラクトン官能基が存在することを示唆している。
表面酸化カーボンブラックSe−022Aのみが、700℃で開始し、860℃まで続く重量損失を示しており、それは、文献的には、フェノール、エーテル、及びカルボニル官能基の分解によるものである。Se−022Aは、それの開始時重量のさらに14%を失う。SDP−100にフェノール類、エーテル類、及びカルボニル類がないことは、特に、フェノール、エーテル、及びカルボニル化学種が芳香族有機化合物の酸化におけるカルボキシレートのための中間体化学種として観察されることから、Se−022Aと比較して、より完全な酸化を示唆している。
表面酸化カーボンブラックの性能
滞留時間を約1時間に延長した以外は、Se−016Dについて上記の方法に従って、表面酸化カーボンブラックのサンプルSe−018を製造した。初期体積の1/5までの限外濾過による繰り返しの濃縮、及び脱イオン水による元の体積までの希釈によって、サンプルを洗浄した。洗浄したサンプルをそれの初期体積の1/5まで濃縮して、5重量%(SDP−100より低い)固体含有物を含む分散液を得た。
ドローダウン試験をオフィス用プリンター用紙で行って、SDP−100及びNIPex(登録商標)160IQの同様の分散液(脱イオン水中5重量%)と比較して、分散液の色を評価した。各分散液0.1mL液滴を、注射器を用いて紙の上に乗せ、金属スパーテルの平らな辺を用いて引き下ろした。
NIPex(登録商標)160IQの分散液は、紙への付着をほとんど示さなかったが(明灰色トラック)、SDP−100の分散液はより良好に付着し(暗色トラック)、Se−018分散液が最も良好に付着した(最も暗いトラック).
これらの試験は、カーボンブラックの表面酸化のための連続プロセスによってナノ粒子分散液が得られることを明瞭に示している。その連続プロセスによって得られた表面酸化カーボンブラックは、対応するバッチプロセスによって得られたものと異なることができ、より高い安定性及び印刷性能を示すことができる。
従って、本発明は、インクジェット印刷に好適なナノ粒子径を有する表面酸化カーボンブラックの安定な分散液の製造のための単一の連続プロセスを提供する。
その連続プロセスは、バッチプロセスと比較して制御が容易であり、複雑な精製技術や後処理を行うことなく、非常に安定な分散液(例えば、水中分散液)を与えるものである。
その分散液は、インクジェット組成物、又は化粧品組成物(高純度含有量を必要とする)に直接用いることができる。
留意すべき点として、本明細書においてナノ粒子と言う場合、それは、1nm〜500nmの平均直径を有する粒子を指すことを含む。第1の値と第2の値の「間」の範囲という場合、第1の値及び第2の値を含むものである。
さらに留意すべき点として、本明細書においてカーボンブラックの表面酸化のための試薬と言う場合、それは、複数の試薬、特には組み合わせるかカーボンブラックを酸化する化学種を他の形で提供する2以上の化合物の混合物を指すことを含むものである。
さらに留意すべき点として、文脈的に他の形が必要とされる場合を除き、本明細書において対応するバッチプロセスという場合、それは、本発明の方法と同じ試薬又は複数試薬を用いるバッチプロセスを指すものである(ただし、必ずしも同一の濃度、温度、圧力、時間などである必要はない)。

Claims (23)

  1. カーボンブラックの表面酸化方法であって、
    向流混合リアクター中、有機溶媒又は他の溶媒中の前記カーボンブラックの溶液若しくはスラリーを、前記カーボンブラックの表面酸化のための試薬を含む液体キャリアと連続的に混合することで、前記カーボンブラックを前記試薬と反応させて、前記液体キャリアと溶媒との混合物中のナノ粒子分散液としての表面酸化カーボンブラックを形成すること、を含む方法。
  2. 未反応試薬及び/又は副生成物が存在する場合に、これらを前記分散液から除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記分散液を濃縮することをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記方法が、1nm〜500nm、好ましくは10nm〜300nmの平均直径を有する前記表面酸化カーボンブラックのナノ粒子分散液を提供する、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記方法が、単峰型多分散性を有する前記表面酸化カーボンブラックのナノ粒子分散液を提供する、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記方法が、0.1〜3.0、例えば2.0以下、又はさらには1.0以下の動的光散乱(DLS)多分散性指数を有する前記表面酸化カーボンブラックのナノ粒子分散液を提供する、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記方法が、前記カーボンブラックのバッチ酸化によって製造される表面酸化カーボンブラックのナノ粒子に比して、高い揮発性成分を有する前記表面酸化カーボンブラックのナノ粒子分散液を提供する、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記方法が、ナノ粒子濃度が5重量%〜50重量%、例えば5重量%〜30重量%、5重量%〜20重量%、又は5重量%〜10重量%である、前記表面酸化カーボンブラックのナノ粒子分散液を提供する、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記方法が、脱イオン水中で約63.9mV未満の大きさのゼータ電位を有する前記表面酸化カーボンブラックのナノ粒子分散液を提供する、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記方法が、湿潤剤及び/又は分散剤を実質的に含まない前記表面酸化カーボンブラックのナノ粒子分散液を提供する、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記方法が、20℃〜120℃、例えば20℃〜80℃又は20℃〜60℃のリアクター温度で実行される、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記方法が、1バール(0.1MPa)〜250バール(25MPa)、例えば1バール(0.1MPa)〜120バール(12MPa)、又は1バール(0.1MPa)〜100バール(10MPa)の圧力で実行される、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記向流混合リアクター中での前記カーボンブラックの滞留時間が、5秒〜60分である、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記液体キャリアと前記カーボンブラックの溶液又はスラリーとの流量比が、1:10〜10:1である、請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記試薬が、塩基性次亜塩素酸塩を含み、前記有機溶媒又は前記他の溶媒、及び前記液体キャリアのそれぞれが水を含む、請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の方法によって得られる、液体キャリア中の表面酸化カーボンブラックのナノ粒子分散液。
  17. 1nm〜500nmの平均直径を有する表面酸化カーボンブラックのナノ粒子の分散液であって、前記分散液が、単峰型多分散性であり、且つ、0.1〜3.0の動的光散乱(DLS)多分散性指数を有する分散液。
  18. 約63.9mV未満の大きさのゼータ電位を有する、請求項16又は請求項17に記載の分散液。
  19. 湿潤剤及び/又は分散剤を実質的に含まない、請求項16乃至請求項18のいずれか一項に記載の分散液。
  20. 請求項16乃至請求項19のいずれか一項に記載の分散液を含む、デジタルインクジェット印刷用インク濃厚液。
  21. 請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の方法によって得られる表面酸化カーボンブラックのナノ粒子。
  22. 単峰型多分散性を有し、且つ、0.1〜3.0の多分散性指数を有する分散液を提供することができる、1nm〜500nmの平均直径を有する表面酸化カーボンブラックのナノ粒子。
  23. 約63.9mV未満の大きさのゼータ電位を有する脱イオン水中の分散液を提供することができる、請求項21又は請求項22に記載のナノ粒子。
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