Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2021151226A - 植物の高密度栽培方法 - Google Patents

植物の高密度栽培方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021151226A
JP2021151226A JP2021042443A JP2021042443A JP2021151226A JP 2021151226 A JP2021151226 A JP 2021151226A JP 2021042443 A JP2021042443 A JP 2021042443A JP 2021042443 A JP2021042443 A JP 2021042443A JP 2021151226 A JP2021151226 A JP 2021151226A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
seq
acid sequence
amino acid
functionally equivalent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021042443A
Other languages
English (en)
Inventor
信博 池澤
Nobuhiro Ikezawa
信博 池澤
明知 永島
Akitomo Nagashima
明知 永島
康方 出来島
Yasukata Dekishima
康方 出来島
潤 川端
Jun Kawabata
潤 川端
裕之 田中
Hiroyuki Tanaka
裕之 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Publication of JP2021151226A publication Critical patent/JP2021151226A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Abstract

【課題】植物の高密度栽培において、密植障害の発生を抑制するための技術の提供。【解決手段】DYL1(Dormancy-associated protein-like 1)、AT3G15450(Aluminum induced protein with YGL and LRDR motifs)、IAA6(Indole-3-acetic acid 6)、IAA19(Indole-3-acetic acid inducible 19)、EIN2(NRAMP metal ion transporter family protein)、ROT3(Cytochrome P450 superfamily protein)、XTH17(Xyloglucan endotransglucosylase/hydrolase 17)、WRKY62(WRKY DNA-binding protein 62)、AGB1(GTP binding protein beta 1)、CPK28(Calcium-dependent protein kinase 28)及びこれらのタンパク質に機能的に等価なタンパク質の植物における発現を抑制する手順を含む、植物の高密度栽培方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、植物の高密度栽培方法等に関する。より詳しくは、密植障害に関連するタンパク質の発現を抑制する手順を含む栽培方法及び当該タンパク質の発現が抑制された植物に関する。
葉菜類等の作物の高密度栽培は、単位面積あたりの生産量の向上に寄与する。一方で、高密度栽培には、地上部重量の減少や徒長といった密植障害の問題がある。地上部重量の減少は収穫量の減少につながり、徒長は外観の悪化による商品価値の低下をもたらす。密植障害には、地上部重量の減少や徒長の他に、病害が発生しやすくなるといった収穫量減少要因や、緑色が薄くなったり日持ちや食味が悪化したりするといった商品価値棄損要因がある。
本発明に関連して、特許文献1には、低日照条件下での葉菜類の栽培において徒長を抑制するための技術として、低日照条件の太陽光から波長700nmよりも長波長の光のうち、少なくとも波長700〜800nmの遠赤色光を減らし、夜間に波長400〜500nmの青色光を照射する葉菜類の栽培方法が開示されている。
特開2006−340689号公報
本発明は、植物の高密度栽培において、密植障害の発生を抑制するための技術を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本発明は、以下の[1]−[12]を提供する。
[1] 以下のいずれか一以上のタンパク質の植物における発現を抑制する手順を含む、植物の高密度栽培方法。
(1)配列番号1のアミノ酸配列を含んでなるDYL1(Dormancy-associated protein-like 1)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(2)配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるAT3G15450(Aluminum induced protein with YGL and LRDR motifs)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(3)配列番号5のアミノ酸配列を含んでなるIAA6(Indole-3-acetic acid 6)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(4)配列番号7のアミノ酸配列を含んでなるIAA19(Indole-3-acetic acid inducible 19)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(5)配列番号9のアミノ酸配列を含んでなるEIN2(NRAMP metal ion transporter family protein)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(6)配列番号11のアミノ酸配列を含んでなるROT3(Cytochrome P450 superfamily protein)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(7)配列番号13のアミノ酸配列を含んでなるXTH17(Xyloglucan endotransglucosylase/hydrolase 17)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(8)配列番号15のアミノ酸配列を含んでなるWRKY62(WRKY DNA-binding protein 62)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(9)配列番号17のアミノ酸配列を含んでなるAGB1(GTP binding protein beta 1)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(10)配列番号19のアミノ酸配列を含んでなるCPK28(Calcium-dependent protein kinase 28)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
[2] 前記手順が、前記タンパク質をコードする遺伝子の前記植物における発現を抑制する手順である、[1]の方法。
[3] 前記植物が、葉菜類である、[1]又は[2]の方法。
[4] 前記植物が、アブラナ科又はヒユ科の葉菜類である、[3]の方法。
[5] 前記植物が、ナス科植物である、[1]又は[2]の方法。
[6] 前記植物が、ベンサミアナタバコである、[5]の方法。
[7] 以下のいずれか一以上のタンパク質の発現が抑制された植物(ただし、シロイヌナズナを除く)。
(1)配列番号1のアミノ酸配列を含んでなるDYL1(Dormancy-associated protein-like 1)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
(2)配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるAT3G15450(Aluminum induced protein with YGL and LRDR motifs)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
(3)配列番号5のアミノ酸配列を含んでなるIAA6(Indole-3-acetic acid 6)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
(4)配列番号7のアミノ酸配列を含んでなるIAA19(Indole-3-acetic acid inducible 19)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
(5)配列番号9のアミノ酸配列を含んでなるEIN2(NRAMP metal ion transporter family protein)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
(6)配列番号11のアミノ酸配列を含んでなるROT3(Cytochrome P450 superfamily protein)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
(7)配列番号13のアミノ酸配列を含んでなるXTH17(Xyloglucan endotransglucosylase/hydrolase 17)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
(8)配列番号15のアミノ酸配列を含んでなるWRKY62(WRKY DNA-binding protein 62)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
(9)配列番号17のアミノ酸配列を含んでなるAGB1(GTP binding protein beta 1)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
(10)配列番号19のアミノ酸配列を含んでなるCPK28(Calcium-dependent protein kinase 28)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
[8] 前記タンパク質をコードする遺伝子の発現が抑制された、[7]の植物。
[9] 葉菜類である、[7]又は[8]の植物。
[10] アブラナ科又はヒユ科の葉菜類である、[9]の植物。
[11] ナス科植物である、[7]又は[8]の植物。
[12] ベンサミアナタバコである、[11]の植物。
本発明において、「高密度栽培」とは、隣合って植栽された植物が少なくとも一部で接触する期間が存する栽培を意味する。「少なくとも一部で接触する」は、植物体の地上部どうし、特に葉どうしで接触することを意味し得る。接触を生ずる期間は、栽培全期間又は一部期間であってよい。
高密度栽培は、「密植障害」が生じ始め得る密度ということもできる。密植障害には、地上部重量の減少、病害の発生、徒長、緑色の薄色化、植物体の弱体化や充実性の低下などが包含される。本発明においては、特に徒長を密植障害の指標として用いる。
「機能的に等価なタンパク質」とは、同一生物種内又は2以上の異なる生物種間にみられる、同一又は類似の機能を有するタンパク質を意味する。「機能的に等価なタンパク質」は、同一生物種内又は近縁生物種間においては高い構造類似性を示す。本明細書においては、同一生物種内にみられる「機能的に等価なタンパク質」を「ホモログ」、異なる生物種間にみられる「機能的に等価なタンパク質」を「オルソログ」と称する場合がある。
ホモログは、一般に、共通起源である単一の遺伝子から生じた遺伝子又は該遺伝子にコードされるタンパク質であって、同一生物種内に複数存在し、高い配列相同性を保持し同一又は類似の機能を有すると推定又は確認された遺伝子又はタンパク質をいう。具体的には、例えば、「配列番号1のアミノ酸配列を含んでなるDYL1(Dormancy-associated protein-like 1)タンパク質に機能的に等価なタンパク質」(ホモログ)とは、シロイヌナズナにおいて、DYL1タンパク質(配列番号1のアミノ酸配列を含んでなるタンパク質)と同一又は類似の構造を有し同一又は類似の機能を有すると推定又は確認されたタンパク質であって、DYL1タンパク質とは異なる染色体領域にコードされたタンパク質を指す。
オルソログは、一般に、共通起源である単一の遺伝子から分化に伴って2以上の異なる生物種間に派生した複数の遺伝子又は該遺伝子にコードされるタンパク質であって、高い配列相同性を保持し同一又は類似の機能を有すると推定又は確認された遺伝子又はタンパク質を指す。具体的には、例えば、「配列番号1のアミノ酸配列を含んでなるDYL1(Dormancy-associated protein-like 1)タンパク質に機能的に等価なタンパク質」(オルソログ)とは、シロイヌナズナ以外の植物において、シロイヌナズナにおけるDYL1タンパク質(配列番号1のアミノ酸配列を含んでなるタンパク質)と同一又は類似の構造を有し同一又は類似の機能を有すると推定又は確認されたタンパク質を指す。
ホモログ及びオルソログは、遺伝子又はタンパク質のアミノ酸配列をクエリ配列として公知のデータベースを用いて相同性検索を行うことにより、高い配列同一性を示す一群の遺伝子配列又はアミノ酸配列(ヒット配列)として得ることができる。さらに、必要に応じて、アミノ酸配列(ヒット配列)からなるタンパク質を公知の分子生物学的手法を用いて合成し、機能の同一性を確認することができる。
本発明により、植物の高密度栽培において、密植障害の発生を抑制するための技術が提供される。
シロイヌナズナ用高密度栽培パネルにおける移植位置を示す図である(試験例1)。 シロイヌナズナ用高密度栽培パネルにおける高密度栽培植物の位置を示す図である(試験例1)。 ルッコラ用高密度栽培パネルにおける移植位置を示す図である(試験例2)。 ホウレンソウ用高密度栽培パネルの構成を示す図である(試験例3)。 ホウレンソウ用高密度栽培パネルと通常密度栽培パネルにおける移植位置を示す図である(試験例3)。 植物下方からのLED照射装置の構成とLEDの配設位置を示す図である(参考例1)。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本発明に係る植物の高密度栽培方法は、以下のいずれか一以上のタンパク質の植物における発現を抑制する手順を含むことを技術的特徴とする。
(1)配列番号1のアミノ酸配列を含んでなるDYL1(Dormancy-associated protein-like1)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(2)配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるAT3G15450(Aluminum induced protein with YGL and LRDR motifs)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(3)配列番号5のアミノ酸配列を含んでなるIAA6(Indole-3-acetic acid 6)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(4)配列番号7のアミノ酸配列を含んでなるIAA19(Indole-3-acetic acid inducible 19)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(5)配列番号9のアミノ酸配列を含んでなるEIN2(NRAMP metal ion transporter family protein)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(6)配列番号11のアミノ酸配列を含んでなるROT3(Cytochrome P450 superfamily protein)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(7)配列番号13のアミノ酸配列を含んでなるXTH17(Xyloglucan endotransglucosylase/hydrolase 17)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(8)配列番号15のアミノ酸配列を含んでなるWRKY62(WRKY DNA-binding protein 62)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(9)配列番号17のアミノ酸配列を含んでなるAGB1(GTP binding protein beta 1)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
(10)配列番号19のアミノ酸配列を含んでなるCPK28(Calcium-dependent protein kinase 28)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
IAA6、IAA19、EIN2、ROT3、XTH17、WRKY62、AGB1及びCPK28の各タンパク質は、その発現の抑制によりシロイヌナズナにおいて密植障害の発生を抑制できることが明らかとなった(実施例参照)。シロイヌナズナは、全ゲノム配列の解析が最初になされ分子生物学解析が最も進んだ植物であり、植物全般の生体機序や病態機序等を明らかにするためのモデル植物として汎用されている。シロイヌナズナで得られた知見は、植物全般に適用され得ることが本分野において周知である。したがって、シロイヌナズナ以外の植物においても、IAA6、IAA19、EIN2、ROT3、XTH17、WRKY62、AGB1及びCPK28の各タンパク質に機能的に
等価なタンパク質(ホモログ又はオルソログ)の発現を抑制することでシロイヌナズナと同様に密植障害の発生を抑制できると考えられる。
また、DYL1及びAT3G15450の両タンパク質は、IAA6、IAA19、EIN2、ROT3、XTH17、WRKY62、AGB1及びCPK28の各タンパク質の発現が抑制されたシロイヌナズナ株において共通して発現が抑制されていることが明らかとなった(実施例参照)。DYL1及びAT3G15450の両タンパク質の発現は、IAA6、IAA19、EIN2、ROT3、XTH17、WRKY62、AGB1及びCPK28の各タンパク質の発現抑制の影響下で抑制されていると考えられることから、これらの2タンパク質及びこれに機能的に等価なタンパク質(ホモログ又はオルソログ)を発現抑制することによっても、シロイヌナズナ及びシロイヌナズナ以外の植物において密植障害の発生を抑制できると考えられる。
植物としては、葉菜類が好ましく、この他にも花き園芸植物、果菜類及び穀物類等も特に限定されずに挙げられる。また、植物は、食用や園芸用に栽培されるものに限られず、組換えタンパク質の発現・製造のために用いられる宿主植物であってもよい。組換えタンパク質には、医療用や産業用に用いられるタンパク質が広く包含され得るが、特には医療用タンパク質である。
葉菜類としては、アブラナ科、ヒユ科、オミナエシ科、ヒガンバナ科、セリ科、シソ科、アオイ科、ツルムラサキ科、ハマミズナ科、ヒルガオ科又はキク科の植物が挙げられる。
アブラナ科の植物としては、ルッコラ(ロケット)、ミズナ、コマツナ(ピノグリーン)、カラシミズナ、カラシナ、ワサビナ、クレソン、ハクサイ、ツケナ類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、アスパラ菜、カイワレダイコン、ケール、コウタイサイ、サイシン、タアサイ、タカナ、ナバナ、ノザワナ、ハダイコン、ミブナ、レッドキャベツが挙げられる。
ヒユ科の植物としては、ホウレンソウ、スイスチャード(セイヨウフダンソウ)、ビート(テーブルビート、ビーツ)、フダンソウ、オカヒジキ、ヒユナ(バイアム、ジャワホウレンソウ)が挙げられる。
オミナエシ科の植物としては、マーシュ(ノヂシャ)が挙げられる。
ヒガンバナ科の植物としては、アサツキ、チャイブ、ニラが挙げられる。
セリ科の植物としては、パセリ、イタリアンパセリ、ミツバ、セロリ(セルリー)、セリ、アシタバ、コリアンダー(パクチー)、チャービル、ディル、ホワイトセロリ、ミニセロリが挙げられる。
シソ科の植物としては、シソ、バジル、エゴマ、オレガノ、セージ、レモンバーム、ミントが挙げられる。
アオイ科の植物としては、オカノリ、モロヘイヤが挙げられる。
ツルムラサキ科の植物としては、オカワカメが挙げられる。
ハマミズナ科の植物としてはアイスプラント(ソルトリーフ)、ツルナが挙げられる。
ヒルガオ科の植物としてはクウシンサイ(エンサイ、ヨウサイ)が挙げられる。
キク科の植物としては、レタス類、シュンギク、フキ、チコリー、エンダイブ、スイゼンジナ、ベニバナが挙げられる。レタス類としては、結球性レタス、非結球レタス及び半結球レタスなどが含まれ、例えば、リーフレタス、フリルレタス、ロメインレタス(コスレタス)、グリーンウェーブ、グリーンリーフ、レッドリーフ、フリルアイス(登録商標)、リバーグリーン(登録商標)、フリルリーフ、フリンジグリーン、ノーチップ、モコレタス、サンチュ(チマサンチュ)、サラダナ、ロロロッサ、レッドロメイン、サニーレタス、シルクレタス、マザーグリーン、ピンクロウスター、レッドオーク・リーフレタスが挙げられる。
花き園芸植物としては、ファレノプシス、シンピジウム及びデンドロビウム等のラン類、サボテン類、バラ、カーネーション、ガーベラ、カスミソウ、ユリ及びスターチス等の切り花用途の花き類、パンジー、プリムラ、ベコニア、ペチュニア及びシクラメン等の鉢花用途の花き類が挙げられる。
果菜類としては、トマト、キュウリ、メロン、イチゴ及びピーマンなどが挙げられる。
穀物類としては、トウモロコシ、コムギ、オオムギ及びイネなどが挙げられる。
タンパク質発現の宿主植物としては、双子葉植物では、タバコ、ジャガイモ、トマト等のナス科植物、ルッコラ、コマツナ、ミズナ、カラシナ、シロイズナズナ等のアブラナ科植物、チコリー、エンダイブ、アーティチョーク等のキク科植物、アルファルファ、リョクトウ、ダイズ等のマメ科植物、ホウレンソウ等のヒユ科植物、シソ、バジル等のシソ科植物、ミツバ等のセリ科植物が例示される。また、単子葉植物では、イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ等のイネ科植物、ワタ等のアオイ科植物が例示される。
宿主植物は、ナス科植物が好ましく、タバコ類がより好ましい。タバコ類としては、タバコ(Nicotiana tabacum)、ベンサミアナアタバコ(N. benthamiana)、ハナタバコ(N. alata)、キダチタバコ(N. glauca)、ナガバナタバコ(N. longiflora)、ニコチアナ・ペルシア(N. persica)、ニコチアナ・ルスチカ(N. rustica)、ニコチアナ・シルベストシス(N. sylvestris)などが挙げられる。好ましいタバコ類は、ベンサミアナタバコである。
上述した、密植障害発生に関わるタンパク質の発現抑制は、従来公知の分子生物学的手法によって行うことができ、例えば、遺伝子を破壊する方法が挙げられる。具体的には、ゲノム編集、EMSなどの化学変異剤処理、速中性子線照射、イオンビーム照射、T-DNAの挿入、トランスポゾンの挿入などによる発現抑制対象の遺伝子のコード領域、非コード領域、転写制御領域(プロモーター領域)等に変異又は欠損を導入し、遺伝子破壊変異体を作製する方法があげられる。その他の遺伝子の発現を抑制する方法としては、例えば、アンチセンスRNAを用いる方法、RNA干渉(RNA interference)を用いる方法、各遺伝子のプロモーターに対するデコイ核酸を用いる方法、リボザイムを用いたmRNA切断等が挙げられる。さらに、特定の遺伝子の制御下にある遺伝子の発現を低下させる方法については、特定の遺伝子がコードする蛋白質に対する抗体を用いて、その蛋白質の機能を抑制する方法が挙げられる。例えば、EIN2蛋白質に対する抗体を用いて、EIN2蛋白質の機能を低下させることにより、EIN2の影響下にあるDYL1遺伝子の発現を制御することができる。
上述した遺伝子破壊方法のうち、例として、ゲノム編集による方法を以下に示す。ゲノム編集は、標的とするDNAの塩基配列を改変する技術である。ゲノム編集では、標的二本鎖DNAを切断することで、それに伴うDNA修復時のエラーによって遺伝子破壊を引き起こすことができる。ゲノム編集技術としては、Zinc Finger Nuclease (ZFN)、Transcription Activator-like Effector Nuclease (TALEN)、Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats-CRISPR associated protein 9 (CRISPR-Cas9)を用いた方法等が知られている。
例えばCRISPR-Cas9システムを用いる場合、標的遺伝子の配列20塩基とScaffold配列(共通配列)からなるgRNA(ガイドRNA)を設計する。標的遺伝子の配列20塩基部分はオリゴDNAを作成し、プロモーターとgRNAのScaffold配列(共通配列)の間に配置することでgRNA発現カセットを作成できる。gRNA発現カセットを、目的箇所の切断に働くCas9の発現カセットと併せて植物に導入することで、標的遺伝子破壊株を作成可能となる。
CRISPR-Cas9用カセット(gRNA発現カセット及びCas9発現カセット)を植物に導入する方法としては、種々の公知の方法を用いることができる。例えば、適当なベクターにこれらのカセットを挿入し、該ベクターを植物に導入する方法が有効である。この場合、ベクターに応じて、これらのカセット中には存在せず、ベクター中のカセットを挿入したい部位にのみ存在する制限酵素の認識配列をカセットの5'末端及び3'末端に付加しておくこと等ができる。これらのカセットを挿入するベクターは、形質転換された植物を容易に選別できるように、選別マーカー遺伝子を含有することが望ましい。選別マーカー遺伝子としては、例えば、抗生物質耐性遺伝子を用いることができる。抗生物質耐性遺伝子として、G418、ハイグロマイシン、ブレオマイシン、カナマイシンに対する耐性遺伝子等を挙げることができる。抗生物質耐性遺伝子がベクターに含有されていれば、抗生物質を含む培地中で生育する植物を選択することによって、形質転換された植物、すなわちこれらのカセットが導入された形質転換植物を容易に選択することができる。
前記ベクターを植物に導入する方法としては、アグロバクテリウム属細菌を利用する方法がある。アグロバクテリウム属細菌は植物に感染すると、該細菌内に保有しているプラスミドDNAの一部を植物ゲノム中に移行させる性質を持っており、この性質を利用して、前記CRISPR-Cas9用カセットを植物に導入することができる。また、アグロバクテリウム属細菌を利用しない方法として、カセットを挿入したベクターを直接、植物に導入する方法もある。例えば、マイクロインジェクション法、ポリエチレングリコール法、パーティクルガン法、エレクトロポレーション法等の方法を用いることができる。一般的に、ベクターを導入した植物細胞は、カルスを誘導し、次いでシュートを形成させること等の方法により、植物体へ再生されうる。
本発明は、これらの手法によって上述したタンパク質の発現が抑制された植物をも提供する。
ここで、「発現が抑制された」とは、野生型における発現量と比較して、発現量が低下していることを意味する。発現量の評価は、従来公知の分子生物学的手法によって行うことができ、例えばELISA (Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)、ウェスタンブロット、プロテインチップ等によるタンパク質での測定や、例えばRT-PCR、リアルタイムPCR、ノーザンブロット、DNAマイクロアレイ、次世代シークエンシング(RNA-seq解析)等によるmRNAでの測定を適用できる。
野生型に比した発現量は例えば90%以下、80%以下、70%以下、60%以下であり、好ましくは50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、より好ましくは10%以下、5%以下、特に好ましくは0%(検出下限値未満)である。
また、上述したタンパク質は、明期に植物の下方から補光を行うことによっても発現抑制できることが明らかとなった。より具体的には、明暗サイクルの明期(植物の上方から光を照射する時間帯)に、植栽面から最遠位の葉と、植栽面と、の間に配設した光源から上向光を植物に照射することによってタンパク質の発現を抑制できた。
植物下方からの補光のため、上向光の光源は、植栽面から最遠位の葉と、植栽面と、の間に配設される。ここで、「植栽面から最遠位の葉」は、通常、植物体の垂直方向最上部に位置する葉である。当該葉と植栽面との間は、植物体のうち地上部基部から最上部の葉までの間に相当する。植物体の地上部基部から最上部の葉の間に相当する位置に配設された光源からの光は、少なくともその一部が上向光として植物体に照射される。
補光の光源は、発光ダイオード(LED)が好ましいが、白熱電球、蛍光灯、高圧ナトリウムランプ及びハロゲンランプ等も用いられ得る。
補光の波長は、赤(600-700 nm)、青(400-500 nm)または白(400-700 nm)であってよい。ただし、IAA6、CPK28の発現抑制のためには特に赤又は白の光が好ましい。
補光の強度は、特に限定されないが、例えば光合成光量子束密度(PPFD)2-180 μmol/m2・秒、好ましくは5-100 μmol/m2・秒、より好ましくは10-50 μmol/m2・秒、特に好ましくは10-35μmol/m2・秒とされる。
なお、PPFDは、市販の分光放射計を用いて測定できる。例えば、英弘精機株式会社製分光放射計「MS-720」(保障測定範囲:350-1050 nm(300-350 nmにも感度あり))のようなハンディタイプのものを使用できる。MS-720におけるPPFDの計算方法は、分光放射強度I(λ)にλ(μm)を乗じた値の400-700 nm区間の積分値をhcMで除した値を光合成光量子束密度[μmol・m-2・s-1]とする。
Figure 2021151226
(但し,h = 6.626E-34J・s(プランク定数),c = 2.998E+8m/s(光速),M = 6.022E+23(アボガドロ数))
明期において補光を行う時間は、タンパク質の発現抑制が達せられる限りにおいて特に限定されないが、明期の100%、99%, 98%, 97%、96%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%期間とされ得る。効果を最大化する観点からは、明期の全期間(100%期間)において上向光が照射されることが好ましい。なお、明暗サイクルは、植物種及び栽培の目的に応じて常法にしたがって制御されればよく、例えば明期が14−18時間、暗期を6−10時間の合計24時間が1サイクルとして設定される。明暗サイクルは、明期16時間/暗期8時間が一般的である。
栽培期間中において明期の補光を行う期間は、タンパク質の発現抑制が達せられる限りにおいて特に限定されないが、栽培期間の100%、99%, 98%, 97%、96%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%期間とされ得る。効率的な光照射を行う観点から、補光は、隣合って植栽された植物が少なくとも一部で接触し始める日と収穫日との中間の日より前に開始することが好ましい。補光を行う終期は、効果を最大化する観点から、収穫直前とされる。
また、補光は、タンパク質の発現抑制が達せられる限りにおいて、明暗サイクルの全ての明期に行われる必要はなく、例えば補光を行う明期を含む明暗1サイクルと補光を行わない明期を含む明暗1サイクルとが交互に繰り返されるような態様も採用し得る。
本発明に係る植物の高密度栽培方法に関し、上述した事項以外の点は、従来の植物栽培方法にしたがえばよく、植物種や栽培の目的に応じて適宜設定され得る。
具体的には、栽培は、培土をつめたトレイやポットを用いて発芽・育苗したものを圃場に定植する方法;スポンジキューブ上で発芽させた後、そのまま水耕栽培する方法;養分を含んだ寒天上で無菌的に組織培養し育苗する方法等を採用できる。
好ましくは、養液を循環させて栽培する栽培装置での栽培が採用される。
栽培装置は、勾配をもたせた栽培ベッドと多数の植え穴を穿設した定植パネル板を有し、前記栽培ベッドの底面の上面側に親水性シートを配置し、前記栽培ベッドの底面の上面側に養液を供給して植物を栽培するよう構成されていることが好ましい。
養液は、窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの栄養分を含み、さらに微量の鉄、銅、マンガン、亜鉛、モリブデン、ホウ素などを含むこともある。
栽培装置は、供給する養液を予め設定された温度範囲内に保持する温度調整手段と上記養液の濃度調整手段とを備えてもよい。
温度調整手段は、循環する養液の温度を、年間を通して予め設定された範囲内に保持することができる。この温度調整手段は、養液タンク内の温度を検出する温度センサと、養液タンク内に配置されて養液と熱交換する熱交換器と、この熱交換器に熱媒体を供給する熱媒体供給ライン(温度調整ライン)と、この熱媒体供給ラインに介装されて温度センサからの検出信号により上記熱媒体の熱交換器への供給量を制御する制御弁等から構成することができる。
濃度調整手段は、互いに種類や濃度の異なる養液を貯留する複数の養液の原液タンクと、各々の原液タンク内の養液の原液をポンプによって養液タンクへ送る移送ラインと、これら移送ラインに介装された三方切換弁(開閉弁)等から構成することにより、循環する養液の濃度を調整することができる。
また、栽培は、完全閉鎖型と太陽光型のいずれであってもよい。
完全閉鎖型の栽培は、建築物の内部で人工光源を照射して作物を栽培する形態である。人工光源には、LED、白熱電球、蛍光灯、高圧ナトリウムランプ及びハロゲンランプ等を用いればよく、明暗サイクル、光強度及びLED光源の波長等も植物種や栽培の目的に応じて適宜設定され得る。
太陽光型の栽培は、太陽光透過性を有する農業用被覆資材からなるハウスの内部で作物を栽培する形態あるいは露天での栽培である。農業用被覆資材には、ガラス、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルム等が汎用されている。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[試験例1:シロイヌナズナの高密度栽培と遺伝子発現解析用サンプリング]
1 播種
アブラナ科植物のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana (L.) accession Col-0)種子を滅菌後、植物支持体内の寒天(0.7%)上に播種した。植物支持体は、文献(Conn et al.(2013) Plant Methods. 9:4)記載の方法を参考にして、1.5 mlの黒色マイクロチューブの蓋の中央に直径2mm程度の穴を開け、蓋の内側に寒天(0.7%)を固めて作成した。植物支持体は、フローターラック(24 well floater microtube rack,blue with hinged lid,5100-43,Scientific Specialties社)に差し込んだ。
フローターラックに、育苗用液体肥料(大塚ハウスS1号(大塚アグリテクノ株式会社)0.713 g/L、大塚ハウス5号(同)0.012 g/L、大塚ハウス2号(同)0.475 g/L、pH 5.8)を植物支持体中の寒天部分が漬かる程度まで入れた。フローターラックの蓋をして3日間、4℃、暗所に静置した。
2 育苗
フローターラックの蓋を外し、人工気象器(NC-410HC、日本医化器械製作所)に移した。室温22℃、湿度85%、光合成光量子束密度(PPFD)100-130 μmol/m2・秒、16時間明/8時間暗の光サイクルにて7日間生育させた。育苗中は、植物支持体内の寒天が乾かないように、育苗用液体肥料を適宜追加した。
3 栽培
苗を植物支持体ごと、シロイヌナズナ用高密度栽培パネル(W585 mm×D290 mm、縦14穴横25穴の合計350穴)(図1)に移植した。36株を横6株×縦6株の方形状に最密で配置、あるいは48株を横8株×縦6株の方形状に最密で配置し、周り四方向全てに隣接植物が存在する植物を高密度栽培植物として扱った(図2)。比較のため、植物個体同士が触れ合わないように移植・栽培したものを疎植栽培植物とした。
栽培は、湛液方式(deep flow technique, DFT方式)にて行い、環境条件及び養液条件は以下のとおりに制御した。
[環境条件]
- 気温:22℃
- 相対湿度:70%
- CO2濃度:500 ppm
- 照明:PPFD 100-130μmol/m2・秒、16時間明/8時間暗の光サイクル、三波長蛍光灯「ルピカライン」(三菱電機株式会社)
[養液条件]
液体肥料は、肥料A液(大塚ハウスS1号(大塚アグリテクノ株式会社)150 g/L)、肥料B液(大塚ハウス2号(同)100 g/L)を水に溶解し、等量に混合して使用した。
pH調整には、pH調整剤ダウン(大塚アグリテクノ株式会社)及び4% KOH水溶液を用いた。
液体肥料の電気伝導度(electrical conductivity, EC)及びpHは、「らくらく肥料管理機3」(株式会社セムコーポレーション)を用いてEC 1.4 mS/cm、pH 5.8になるように調整した。
循環養液の温度は22℃に制御した。
4 遺伝子発現解析用サンプリング
栽培中期(播種後24〜25日目)及び栽培後期(播種後30日目)にサンプルを得た。代表的な葉(完全展開した若い本葉のうち最大長のもの)の葉柄割合を、高密度栽培植物と疎植栽培植物のサンプル間で比較し、徒長促進有無を判定した。高密度栽培中期・後期では、徒長促進が顕著であり、密植障害が生じているのが確認できた。
葉柄割合=葉柄の長さ/葉の全長(葉身長軸の長さ+葉柄の長さ)
1株当たり3枚ずつの完全展開している若い本葉(最大長のものを含む)から葉柄を切り分けサンプルとした。サンプルは液体窒素で凍結した。
[試験例2:ルッコラの高密度栽培と遺伝子発現解析用サンプリング]
1 播種
アブラナ科植物のルッコラ(Eruca sativa)(サカタ改良オデッセイロケット、株式会社サカタのタネ)種子を植物支持体(Seedholder ARP-SH500、コスモ・バイオ株式会社)内の寒天(0.65%)上に播種した。試験例1と同様に、種子を播種した植物支持体をフローターラックに差し込み、蓋をして、2日間、24℃、暗所に静置した。
2 育苗
フローターラックの蓋を外し、人工気象器(NC-410HC、日本医化器械製作所)にて育苗を開始した。24℃(明)/20℃(暗)、湿度80%、PPFD 120〜150μmol/m2・秒、16時間明/8時間暗の光サイクルにて2日間生育させた。育苗中は、植物支持体内の寒天が乾かないように、育苗用液体肥料を適宜追加した。
3 栽培
ルッコラ用高密度栽培パネル(W585 mm×D290 mm、縦11穴横25穴の合計275穴)(図3)を用いて、試験例1と同様に苗の移植を行った。栽培は、湛液方式(deep flow technique, DFT方式)にて15日間行い、環境条件及び養液条件は以下のとおりに制御した。
《環境条件》
- 気温:24℃(明)/20℃(暗)
- 相対湿度:70%
- CO2濃度:500 ppm
- 照明:PPFD 120〜150μmol/m2・秒、16時間明/8時間暗の光サイクル、三波長蛍光灯「ルピカライン」(三菱電機株式会社)
《養液条件》
液体肥料の組成及びpH調整剤は、試験例1と同じとした。
液体肥料の電気伝導度及びpHは、2.5 mS/cm、pH 5.8になるように調整した。
循環養液の温度は24℃に制御した。
4 遺伝子発現解析用サンプリング
試験例1と同様にして高密度栽培植物と疎植栽培植物のサンプル間で葉柄割合を比較し、高密度栽培での徒長促進を確認した。
1株当たり2枚ずつの完全展開している若い本葉(最大長のものを含む)から葉柄を切り分けサンプルとした。サンプルは液体窒素で凍結した。
[試験例3:ホウレンソウの高密度栽培と遺伝子発現解析用サンプリング]
1 播種
288穴育苗トレイのセルに、培地(バイドン、三菱ケミカルアグリドリーム株式会社)を充填した。各セルにヒユ科植物のホウレンソウ(Spinacia oleracea)(NPL8号、三菱ケミカルアグリドリーム株式会社)種子を1粒ずつ播種した。播種後、潅水し、トレイをシートで覆って保湿・遮光した上で、20℃程度、3日間静置した。
2 育苗
シートを取り外したトレイを苗テラス(三菱ケミカルアグリドリーム株式会社)内の育苗棚に移して8日間育苗した。
3 栽培
栽培は、太陽光利用型の葉菜類養液栽培システム(ナッパーランド、三菱ケミカルアグリドリーム株式会社)を用いて行った。
ホウレンソウ用高密度栽培パネル(W1000 mm×D600 mm、縦5穴横18穴の合計90穴(図4)3枚と、通常密度栽培パネル(W1000 mm×D600 mm、縦5穴横9穴の合計45穴)3枚を、図5に示すように1台の栽培ベンチにセットした。パネルの図に示した穴に苗を培地ごと移植した。高密度栽培パネルにおいて、植物の周り四方向全てに隣接植物が存在する植物を高密度栽培植物として扱った。通常密度栽培パネルにおいて、植物個体同士が触れ合わないように移植・栽培したものを疎植栽培植物とした。
養液条件に関し、栽培に伴う液体肥料の減少分は、電気伝導度が3程度の液体肥料を追加することで補った。養液温度は20℃に制御した。
4 遺伝子発現解析用サンプリング
高密度栽培初期(播種後21日目)・中期(播種後24日目)・後期(播種後29日目)にサンプルを得た。試験例1と同様にして高密度栽培植物と疎植栽培植物のサンプル間で葉柄割合を比較し、高密度栽培初期・中期・後期における徒長促進を確認した。
1株当たり3枚ずつの完全展開している若い本葉(最大長のものを含む)から葉柄を切り分けサンプルとした。サンプルは液体窒素で凍結した。
[試験例4:網羅的遺伝子発現解析]
1 サンプルからのRNA抽出
液体窒素で凍結したサンプル(シロイヌナズナ、ルッコラ、ホウレンソウ)をそれぞれ乳鉢で破砕し、RNeasy Plant Mini Kit(株式会社キアゲン)を使用してtotal RNAを抽出した。
2 シロイヌナズナの網羅的遺伝子発現解析
シロイヌナズナのトランスクリプトーム解析は、株式会社マクロジェン・ジャパンに依頼し、マイクロアレイ解析(Arabidopsis (v4) Gene Expression 4x44K Microarray、アジレント・テクノロジー株式会社)により行った。
3 ルッコラの網羅的遺伝子発現解析
(1) ルッコラのゲノム解析
ドラフトゲノム解析をタカラバイオ株式会社に依頼した。ゲノム配列シークエンス用ライブラリーは、Chromiumシステム(10X Genomics社)を用いて、リンク情報配列の付加されたLinkedReadシークエンス ライブラリーとして調製した。ライブラリーのシークエンスはNovaSeq6000(イルミナ株式会社)を使用して、シーケンス塩基長150 bp ×2(ペアエンド)の条件で解析した。リンク情報配列に基づきリード配列を分類し、ソフトウェアSupernova(10X Genomics社)を使用してリード配列のアッセンブルを行い、コンティグ(スキャフォールド)配列を得た。コンティグ(スキャフォールド)配列に対して、MAKER2(BMC Bioinformatics. 2011; 12: 491)- AUGUSTUS(Bioinformatics, 2003; 19:ii215-225)を使った機械学習と、RNA-seqの情報を利用して遺伝子予測を行った。アノテーション解析は、全予測遺伝子アミノ酸配列をクエリとして、NCBI KOG(Genome Biol, 2004, 5, R7)、eggNOG(Nucleic Acids Res., 2014; 42: D231-9)およびNCBI nrのデータをデータベースとした相同性検索(Blastp)により行った。
(2) ルッコラの網羅的遺伝子発現解析
HiSeqシステム(イルミナ株式会社)を用いたRNA-seq解析をタカラバイオ株式会社に依頼した。mRNAライブラリーはTruSeq Stranded mRNA Library Prep Kit(イルミナ株式会社)を用いて作製し、HiSeq2500を使用してシーケンス塩基長100 bp×2(ペアエンド)の条件で解析した。
4 ホウレンソウの網羅的遺伝子発現解析
(1) ホウレンソウのゲノム解析
ルッコラと同様に、ドラフトゲノム解析をタカラバイオ株式会社に依頼した。アノテーション解析は、全予測遺伝子アミノ酸配列をクエリとして、NCBI KOG、eggNOGおよび、NCBIのSpinacia oleraceaのデータをデータベースとした相同性検索(Blastp)により行った。
(2) ホウレンソウの網羅的遺伝子発現解析
ルッコラと同様に、HiSeqシステム(イルミナ株式会社)を用いたRNA-seq解析をタカラバイオ株式会社に依頼した。
5 植物3種に共通する徒長シグナル経路の推定
網羅的遺伝子発現解析結果を用いて、シロイヌナズナ、ルッコラ及びホウレンソウの葉柄で高密度栽培時に発現が増加する遺伝子群をそれぞれ選抜した。植物3種で共通して発現増加がみられる150遺伝子を徒長関連遺伝子として抽出した。
[試験例5:遺伝子破壊株の高密度栽培と遺伝子発現解析用サンプリング]
1 徒長抑制の評価
上記150遺伝子を用いて推測した徒長シグナル経路に関わる遺伝子として、以下の遺伝子が破壊されたシロイヌナズナ株をABRC(Arabidopsis Biological Resource Center, The Ohio state university)より入手した。
iaa19-1; iaa6-1:Stock Number CS25222(Plant Cell, 2005; 17: 3282-3300)
ein2-1:Stock Number CS3071(Plant Cell, 1990; 2: 513-523)
rot3-2:Stock Number CS3728(Genes Dev., 1998; 12: 2381-2391)
xth17-1:Stock Number CS859518(Science, 2003; 301: 653-657)
wrky62 :Stock Number CS302721 (Nucleic Acids Res., 2012 ;40: D1211-D1215)
agb1-1:Stock Number CS3976(Plant Cell, 2001; 13: 2631-2641)
cpk28-1:Stock Number CS336535(Nucleic Acids Res., 2012 ;40: D1211-D1215)
各遺伝子破壊株及び野生株(Arabidopsis thaliana (L.) accession Col-0)を試験例1と同様の方法で高密度栽培し、栽培後期(播種後28日目)に得たサンプルを用いて、試験例1と同様にして葉柄割合を測定した。測定結果を表1に示す。表は、12〜13株ずつ測定した葉柄割合の平均値を示す。すべての遺伝子破壊株で、高密度栽培野生株に比して徒長の抑制が有意にみられ(p<0.01)、密植障害の発生が抑制されていることが確認できた。
Figure 2021151226
2 網羅的遺伝子発現解析
1株当たり3枚ずつの完全展開している若い本葉(最大長のものを含む)から葉柄を切り分けサンプルとした。サンプルは液体窒素で凍結した。
試験例4と同様にトランスクリプトーム解析を行い、高密度栽培時の徒長抑制を認めた遺伝子破壊株7種全てにおいて発現が抑制されている遺伝子(DYL1、AT3G15450)を見出した。これら2遺伝子の各遺伝子破壊株における発現量を表2に示す。表は、野生株における発現量を100%とした相対値を示す。
Figure 2021151226
DYL1及びAT3G15450の2遺伝子の発現は、8遺伝子の破壊の影響下に抑制されていると考えられ、これらの2遺伝子を発現抑制することによっても、8遺伝子の発現抑制と同様に密植障害の発生を抑制できる可能性がある。
[試験例6:タバコの高密度栽培と遺伝子発現解析]
1 播種
播種用液体肥料(大塚ハウスS1号(大塚アグリテクノ株式会社)0.78g/L、大塚ハウス2号(大塚アグリテクノ株式会社)0.25g/L、pH5.0)を水耕栽培用ウレタンマット(江松化成W587.5mm×D282mm×H28mm:12×2マス穴径φ9mm)にしみこませ、育苗トレイ(W600mm×D300mm×H300mm)に収め、ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)種子を播種した。
2 育苗
播種後の植物を人工気象器(NC−410HC)(日本医化器械製作所)にて室温28℃、16時間昼/8時間夜の光サイクルにて12日間生育させた。
3 栽培
2で育苗に用いたウレタンマットを1マスずつ分離し、栽培用パネル(W600mm×D300mm、30穴)に移植した。移植後の栽培用パネルを栽培装置にセットし、湛液方式(deep flow technique, DFT方式)にて13日間栽培を行った。環境条件及び養液条件は以下のとおりに制御した。
[環境条件]
−温度:28℃
−相対湿度:60〜80%
−CO2濃度:400ppm
−照明:平均光合成光量子束密度(PPFD):140〜160μmol/m2・秒、24h連続照射、三波長蛍光灯「ルピカライン」(三菱電機株式会社)
[養液条件]
液体肥料は、肥料A液(大塚ハウスS1号150g/L、大塚ハウス5号(大塚アグリテクノ株式会社)2.5g/L)、肥料B液(大塚ハウス2号100g/L)をそれぞれ脱塩素水に溶解し、等量に混合して使用した。pH調整にはpH調整剤ダウン(大塚アグリテクノ株式会社)および4%KOH水溶液を用いた。液体肥料の電気伝導度(electrical conductivity, EC)およびpHは「らくらく肥料管理機3」(株式会社セムコーポレーション)を用いてEC:2.3mS/cm、pH6.0になるように調整した。
4 遺伝子発現解析用サンプリング
試験例1と同様にして高密度栽培植物と疎植栽培植物のサンプル間で葉柄割合を比較し、高密度栽培での徒長促進を確認した。
1株当たり3枚ずつの完全展開している若い本葉(最大長のものを含む)から葉柄を切り分けサンプルとした。サンプルは液体窒素で凍結した。
5 サンプルからのRNA抽出
液体窒素で凍結したサンプルをそれぞれ乳鉢で破砕し、RNeasy Plant Mini Kit(株式会社キアゲン)を使用してtotal RNAを抽出した。
6 cDNA合成
1μgのtotal RNAよりiScript gDNA Clear cDNA synthesis kit (バイオラッド)を使用してcDNAを合成した。
7 リアルタイムPCR
6で合成したcDNAを用いて、リアルタイムPCRによる遺伝子発現定量を行った。リアルタイムPCR機器・試薬はそれぞれ、CFX96 Deep Well(バイオラッド)、SsoAdvanced Universal SYBR Green Supermix(バイオラッド)を用いた。
試験例5で破壊した8遺伝子及びこれらの遺伝子を破壊した株で共通して発現抑制されていた2遺伝子の計10種遺伝子のうち、3種の植物(シロイヌナズナ、ルッコラ、ホウレンソウ)で高密度栽培時の発現増加が認められた遺伝子は5遺伝子(DYL1、AT3G15450、IAA19、XTH17、WRKY62)であった。これらの5遺伝子は、その発現抑制が特に密植障害の抑制に寄与し得る遺伝子と考えられた。
そこで、これら5遺伝子について、ベンサミアナタバコにおける高密度栽培時の発現を調べた。遺伝子発現定量のための内部標準遺伝子にはPP2AA2(Protein phosphatase 2A subunit A2)を用いた。リアルタイムPCRに用いたプライマーセットの塩基配列を、表3及び配列番号21−32に示す。
Figure 2021151226
表4に、各遺伝子の高密度栽培時の発現量を、疎植栽培時の発現量を100%とした相対値で示す。表4には、試験例4で得られたシロイヌナズナ、ルッコラ、ホウレンソウの高密度栽培時における5遺伝子の相対発現量も示した。ベンサミアナタバコ、シロイヌナズナ、ルッコラ及びホウレンソウの全てにおいて、5遺伝子の顕著な発現増加が確認された。
Figure 2021151226
[参考例1:高密度栽培植物への植物下方からのLED補光]
シロイヌナズナ地上部に対して植物下方から補光するため、赤(600-700 nm)、青(400-500 nm)または白(400-700 nm)で発光する幅2.5 mmの超極細テープLED(超極細2.5mm2012テープLED、DC12V専用、LED PARADISE Internet Shop)を使用した。テープLEDは、防水のため、直径3 mmの透明熱収縮シリコンチューブ(スミチューブA、住友電気工業株式会社)に通し、チューブ両端を加熱・密閉した。試験例1と同様にして高密度栽培した植物間に、図6に示すようにテープLEDを設置し、植物下方からの補光を行った。LEDは調光コントローラー(LED PARADISE Internet Shop)及びデジタルタイマースイッチ(LED PARADISE Internet Shop)に接続し、光量と点灯時間を制御した。
高密度栽培用パネルへの移植後12日目から18日目までの期間、明期(植物の上方から光を照射する時間帯。6:00〜22:00)に、植物下方からの補光を行った。植物下方からのLED照射光強度(PPFD)は、テープLEDの真上1 cmの距離で測定し、赤色光は10 μmol/m2・秒、青色光と白色光は35 μmol/m2・秒に制御した。
移植後18日目(播種後28日目)にサンプルを得た。植物の子葉を除いた下から6番目の本葉の葉柄割合を算出した。結果を表5に示す。表は、各色(赤、青、白)は12株ずつ、対照(補光なし)は36株の平均値を示す。
Figure 2021151226
赤、青、白のいずれの色の補光によっても、対照(補光なし)に対して、有意(p < 0.01)に徒長が抑制されることが確認できた。
また、1株当たり3枚ずつの完全展開している若い本葉(最大長のものを含む)から葉柄を切り分けサンプルとし、試験例4と同様にトランスクリプトーム解析を行った。高密度栽培時の徒長抑制を認めた遺伝子破壊株の破壊遺伝子8種及びこれらの遺伝子破壊株で共通して発現抑制されていた遺伝子2種の発現量を表6に示す。表は、対照(補光なし)における発現量を100%とした相対値を示す。
Figure 2021151226
赤、青、白のいずれかの色の補光によって、DYL1、AT3G15450、EIN2、ROT3の発現を抑制できることが確認できた。また、赤又は白の補光によって、IAA6、CPK28の発現を抑制できることが確認できた。補光による徒長抑制にこれらの遺伝子の発現抑制が関与していることが示唆された。
配列番号1:DYL1(Dormancy-associated protein-like 1)のアミノ酸配列
配列番号2:DYL1の核酸配列
配列番号3:AT3G15450(Aluminum induced protein with YGL and LRDR motifs)のアミノ酸配列
配列番号4:AT3G15450の核酸配列
配列番号5:IAA6(Indole-3-acetic acid 6)のアミノ酸配列
配列番号6:IAA6の核酸配列
配列番号7:IAA19(Indole-3-acetic acid inducible 19)のアミノ酸配列
配列番号8:IAA19の核酸配列
配列番号9:EIN2(NRAMP metal ion transporter family protein)のアミノ酸配列
配列番号10:EIN2の核酸配列
配列番号11:ROT3(Cytochrome P450 superfamily protein)のアミノ酸配列
配列番号12:ROT3の核酸配列
配列番号13:XTH17(Xyloglucan endotransglucosylase/hydrolase 17)のアミノ酸配列
配列番号14:XTH17の核酸配列
配列番号15:WRKY62(WRKY DNA-binding protein 62)のアミノ酸配列
配列番号16:WRKY62の核酸配列
配列番号17:AGB1(GTP binding protein beta 1)のアミノ酸配列
配列番号18:AGB1の核酸配列
配列番号19:CPK28(Calcium-dependent protein kinase 28)のアミノ酸配列
配列番号20:CPK28の核酸配列
配列番号21:タバコ 内部標準遺伝子PP2AA2 (Protein phosphatase 2A subunit A2)プライマー配列1
配列番号22:タバコ 内部標準遺伝子PP2AA2プライマー配列2
配列番号23:タバコ DYL1プライマー配列1
配列番号24:タバコ DYL1プライマー配列2
配列番号25:タバコ AT3G15450プライマー配列1
配列番号26:タバコ AT3G15450プライマー配列2
配列番号27:タバコ IAA19プライマー配列1
配列番号28:タバコ IAA19プライマー配列2
配列番号29:タバコ XTH17プライマー配列1
配列番号30:タバコ XTH17プライマー配列2
配列番号31:タバコ WRKY62プライマー配列1
配列番号32:タバコ WRKY62プライマー配列2

Claims (12)

  1. 以下のいずれか一以上のタンパク質の植物における発現を抑制する手順を含む、植物の高密度栽培方法。
    (1)配列番号1のアミノ酸配列を含んでなるDYL1(Dormancy-associated protein-like 1)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
    (2)配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるAT3G15450(Aluminum induced protein with YGL and LRDR motifs)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
    (3)配列番号5のアミノ酸配列を含んでなるIAA6(Indole-3-acetic acid 6)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
    (4)配列番号7のアミノ酸配列を含んでなるIAA19(Indole-3-acetic acid inducible 19)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
    (5)配列番号9のアミノ酸配列を含んでなるEIN2(NRAMP metal ion transporter family protein)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
    (6)配列番号11のアミノ酸配列を含んでなるROT3(Cytochrome P450 superfamily protein)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
    (7)配列番号13のアミノ酸配列を含んでなるXTH17(Xyloglucan endotransglucosylase/hydrolase 17)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
    (8)配列番号15のアミノ酸配列を含んでなるWRKY62(WRKY DNA-binding protein 62)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
    (9)配列番号17のアミノ酸配列を含んでなるAGB1(GTP binding protein beta 1)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
    (10)配列番号19のアミノ酸配列を含んでなるCPK28(Calcium-dependent protein kinase 28)タンパク質又はこれに機能的に等価なタンパク質。
  2. 前記手順が、前記タンパク質をコードする遺伝子の前記植物における発現を抑制する手順である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記植物が、葉菜類である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記植物が、アブラナ科又はヒユ科の葉菜類である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記植物が、ナス科植物である、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記植物が、ベンサミアナタバコである、請求項5に記載の方法。
  7. 以下のいずれか一以上のタンパク質の発現が抑制された植物(ただし、シロイヌナズナを除く)。
    (1)配列番号1のアミノ酸配列を含んでなるDYL1(Dormancy-associated protein-like 1)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
    (2)配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるAT3G15450(Aluminum induced protein with YGL and LRDR motifs)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
    (3)配列番号5のアミノ酸配列を含んでなるIAA6(Indole-3-acetic acid 6)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
    (4)配列番号7のアミノ酸配列を含んでなるIAA19(Indole-3-acetic acid inducible 19)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
    (5)配列番号9のアミノ酸配列を含んでなるEIN2(NRAMP metal ion transporter family protein)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
    (6)配列番号11のアミノ酸配列を含んでなるROT3(Cytochrome P450 superfamily protein)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
    (7)配列番号13のアミノ酸配列を含んでなるXTH17(Xyloglucan endotransglucosylase/hydrolase 17)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
    (8)配列番号15のアミノ酸配列を含んでなるWRKY62(WRKY DNA-binding protein 62)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
    (9)配列番号17のアミノ酸配列を含んでなるAGB1(GTP binding protein beta 1)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
    (10)配列番号19のアミノ酸配列を含んでなるCPK28(Calcium-dependent protein kinase 28)タンパク質に機能的に等価なタンパク質。
  8. 前記タンパク質をコードする遺伝子の発現が抑制された、請求項7に記載の植物。
  9. 葉菜類である、請求項7又は8に記載の植物。
  10. アブラナ科又はヒユ科の葉菜類である、請求項9に記載の植物。
  11. ナス科植物である、請求項7又は8に記載の植物。
  12. ベンサミアナタバコである、請求11に記載の植物。
JP2021042443A 2020-03-19 2021-03-16 植物の高密度栽培方法 Pending JP2021151226A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020048565 2020-03-19
JP2020048565 2020-03-19

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021151226A true JP2021151226A (ja) 2021-09-30

Family

ID=77886296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021042443A Pending JP2021151226A (ja) 2020-03-19 2021-03-16 植物の高密度栽培方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021151226A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022163709A1 (ja) 2021-01-29 2022-08-04 キヤノン株式会社 トナー及び画像の読み取り方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022163709A1 (ja) 2021-01-29 2022-08-04 キヤノン株式会社 トナー及び画像の読み取り方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zsögön et al. Genome editing as a tool to achieve the crop ideotype and de novo domestication of wild relatives: case study in tomato
Soyk et al. Variation in the flowering gene SELF PRUNING 5G promotes day-neutrality and early yield in tomato
Ewing et al. Tuber formation in potato: induction, initiation, and growth
Millenaar et al. Ethylene-induced differential growth of petioles in Arabidopsis. Analyzing natural variation, response kinetics, and regulation
Su et al. Loss of function of the carotenoid isomerase gene BrCRTISO confers orange color to the inner leaves of Chinese cabbage (Brassica rapa L. ssp. pekinensis)
Telias et al. 9 Regulation of Anthocyanin Accumulation in Apple Peel
Dewir et al. Effects of growing substrate, mode of nutrient supply, and saffron corm size on flowering, growth, photosynthetic competence, and cormlet formation in hydroponics
ES2788128T3 (es) Modulación del vigor de las semillas
Klassen et al. Sensitivity of wheat and rice to low levels of atmospheric ethylene
JP2021151226A (ja) 植物の高密度栽培方法
JP5637343B2 (ja) 遺伝子組換えトマト植物体栽培装置
JP7325041B2 (ja) 作物の収穫量を予測する方法及び装置、作物の栽培装置
JP2021145605A (ja) 植物の高密度栽培方法
CN101948870B (zh) 减少植物分枝数量和提高叶绿素和花色素苷含量的方法
Yadava et al. Plant senescence and agriculture
Kamath et al. Dynamic versus concurrent lighting with red and blue light-emitting diodes as the sole light source can potentially improve campanula stock plant morphology for cutting production
Rosen et al. Potato.
Ahmad et al. Speed breeding: a potential tool for mitigating abiotic stresses
JP2007521809A (ja) 高リコペントマト品種及びその使用
Altman et al. Introduction: Horticultural biotechnology: A historical perspective and future prospects
Sharma et al. Role of Post-Harvest Physiology in Evolution of Transgenic Crops
CN103361371A (zh) 一种番茄硫代腺苷甲硫氨酸合酶基因SlSAMS1的克隆及其应用
WO2021040011A1 (ja) 高温耐性、高収量性および単為結果性を示す果実類植物
Van der Ploeg et al. Wild relatives as a source for sub-optimal temperature tolerance in tomato
WO2023191038A1 (ja) 環境記憶型種子及びその利用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240306