JP2019114605A - 超伝導磁気シールド装置、及び脳磁計装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に製造可能な超伝導磁気シールド装置及び脳磁計装置を提供する。【解決手段】超伝導磁気シールド装置11は、筒状の基板20と、基板20の外周側に設けられ、基板20を周方向に囲む周方向超伝導部材21を含むシールド層22と、を備え、周方向超伝導部材21は、基板20の外周に沿って巻かれた巻領域21Aと、巻領域21Aの端部にそれぞれ位置し、基板20から離れるように延伸する2つの延伸領域21Bと、2つの延伸領域21Bを互いに接合する接合部21Cと、を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、超伝導磁気シールド装置、及び脳磁計装置に関する。
従来、例えば脳磁計装置のような微弱な磁場を計測する装置では、外部磁場を遮蔽するために磁気シールド装置が用いられる。特許文献1には、超伝導材料からなる磁気シールドと、磁気シールドを支持する支持体とを有する超伝導磁気シールド装置が記載されている。
上述のような超伝導磁気シールド装置では、基材の周方向に沿って環状に巻かれた超伝導部材(周方向超伝導部材)が用いられる場合がある。このような周方向超伝導部材は、例えば超伝導線材の両端部を接合し、接合部分を焼成することにより構成される。しかしながら、接合部分を焼成する際に、例えば、接合部のみならず、超伝導磁気シールド装置全体を炉に入れる必要性が生じることで、超伝導磁気シールド装置の製造に手間がかかるという問題がある。このため、容易に製造可能な超伝導磁気シールド装置が要請されている。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、容易に製造可能な超伝導磁気シールド装置及び脳磁計装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る超伝導磁気シールド装置は、筒状の基板と、基板の外周側に設けられ、基板を周方向に囲む周方向超伝導部材を含むシールド層と、を備え、周方向超伝導部材は、基板の外周に沿って巻かれた巻領域と、巻領域の端部にそれぞれ位置し、基板から離れるように延伸する2つの延伸領域と、2つの延伸領域を互いに接合する接合部と、を有する。
この超伝導磁気シールド装置の周方向超伝導部材は、基板の外周に沿って巻かれた巻領域と、巻領域の両端にそれぞれ位置し、基板から離れるように延伸する2つの延伸領域と、2つの延伸領域を互いに接合する接合部と、を有している。このように、2つの延伸領域が基板から離れるように延伸し、且つ、接合部が2つの延伸領域を互いに接合していることにより、基板と接合部とが互いに離間した状態となっている。このため、超伝導磁気シールド装置全体を炉に入れる等の必要がなく、接合部のみを焼成することができる。したがって、超伝導磁気シールド装置を容易に製造することができる。
一形態において、2つの延伸領域の延伸方向に延びる面は、互いに対向していてもよい。この構成によれば、延伸領域に接合部を形成しやすくなる。
一形態において、2つの延伸領域は互いに平行であってもよい。この構成によれば、延伸領域において接合部を形成可能な部分が多くなる。したがって、仮に延伸領域の接合が失敗した場合であっても延伸領域の他の部分に接合部を形成できるので、接合部の修繕が可能である。
本発明の一形態に係る脳磁計装置は、超伝導磁気シールド装置を備える。この脳磁計装置は、容易に製造可能な上記の超伝導磁気シールド装置を備えているので、当該脳磁計装置を容易に製造することができる。
本発明によれば、容易に製造可能な超伝導磁気シールド装置及び脳磁計装置が提供される。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示される脳磁計装置1は、計測ユニット1A内の計測位置Hに頭が位置するように着座した被験者Pに対して、脳の神経活動に伴って発生する微弱な磁場を非接触で計測、解析する装置である。この計測ユニット1Aは、脳で発生する磁場を検出するSQUID(Superconducting Quantum Interference Device)センサ3を備えている。この脳磁計装置1では、被験者Pの脳の様々な位置から発生する磁場を検出するため、数十個〜数百個(64個,128個,256個など)といった多数の上記SQUIDセンサ3が、計測位置Hの周囲に配置され、センサホルダ4で固定されている。
計測ユニット1Aは、SQUIDセンサ3を冷却する液体ヘリウム5を収納するためのデュワー(容器)7を備えている。デュワー7は、図1に示されるように、円筒状で有底の断熱容器である。また、デュワー7の底部7bは、被験者Pの頭部を覆うように内に凹んでいる。
センサホルダ4は、SQUIDセンサ3の耐震性を向上させて、生体磁場の計測に対する振動の影響を低減させるべく、デュワー7の内側面7aに固定されている。
更に、計測ユニット1Aは、デュワー7を包囲するように配置され、被験者Pを覆う二重構造の筒型体15を備えている。この二重構造の筒型体15の外筒部15aと内筒部15bとの間には、超伝導磁気シールド装置11が内臓されている。また、筒型体15とデュワー7との間には断熱材19が充填されている。
脳磁計装置1は、被験者Pの脳で発生する極めて微弱な磁場を検出するため、計測位置Hの近傍における外部磁場の影響を除去する必要がある。このため、脳磁計装置1は、中心軸線Cが計測位置Hを通るように配置された筒状の超伝導磁気シールド装置11を備えている。超伝導磁気シールド装置11は、デュワー7を包囲して筒型体15の外筒部15aに支持されると共に、筒型体15の上下寸法とほぼ同じ寸法で延在している。また、計測位置Hは、中心軸線C上に位置すると共に、上下方向においても超伝導磁気シールド装置11の全高のほぼ中央に位置している。
また、脳磁計装置1は、超伝導磁気シールド装置11を冷却するための極低温の冷却ガスを超伝導磁気シールド装置11は送出すると共に、超伝導磁気シールド装置11を冷却した後の冷却ガスが流入する冷凍機1Bを有している。なお、冷凍機1Bとして、GM冷凍機、スターリング冷凍機、パルスチューブ冷凍機等が特に好ましい。また、冷却ガスとして、例えばヘリウムガスを用いることもできる。
次に、本実施形態の周方向超伝導部材21を用いた超伝導磁気シールド装置11の構成について説明する。
図2に示される超伝導磁気シールド装置11は、計測位置Hの近傍において、例えば地磁気、外部磁場の変動等の影響を除去するためのものである。超伝導磁気シールド装置11は、基板20と、基板20を周方向に囲む周方向超伝導部材21を含むシールド層22と、シールド層22(周方向超伝導部材21)を冷却する冷却ガス配管(不図示)と、を備えている。本実施形態では、シールド層22は、複数の周方向超伝導部材21を含んでいる。複数の周方向超伝導部材21は、中心軸線Cに沿って配置されている。冷却ガス配管は、例えば基板20の外周側に配置され、基板20に沿って上下に往復するように取り付けられる。
基板20は、周方向超伝導部材21を支持すると共に、冷却ガスが流通する冷却ガス配管により冷却されることで周方向超伝導部材21を冷却するためのものである。基板20は、中心軸線Cを中心とした中空の円筒形状をなしており、全体の上下寸法は、筒型体15の上下寸法とほぼ同じ寸法となっている。なお、本実施形態では、脳磁計装置1へ好適に適用される超伝導磁気シールド装置11の基板20の一例として、外形寸法が約650mm、基板20全体での上下寸法が約1600mm程度のものを用いる。また、本実施形態における基板20は、ニッケルを含む金属によって構成されているが、SUS304、真鍮、銅等の材料によって構成してもよい。
周方向超伝導部材21は、基板20の外周側に設けられている。周方向超伝導部材21は、超伝導転移温度以下まで冷却されて超伝導状態となることで完全反磁性を示すため、周方向超伝導部材21によって囲まれた基板20の内周側の磁場変動を除去することができる。すなわち、周方向超伝導部材21の完全反磁性によって、基板20に包囲された計測位置Hが外部磁場から遮蔽される。これにより、SQUIDセンサ3では、外部磁場によるノイズの影響をほとんど受けることなく、微弱な磁場の計測が可能になる。
次に、図3及び図4を参照して、周方向超伝導部材21について詳細に説明する。図3は、図1の超伝導磁気シールド装置の周方向超伝導部材を概略的に示す図である。図4は、周方向超伝導部材の接合部を概略的に示す断面図である。図3及び図4に示されるように、周方向超伝導部材21は、全体として略環状をなしている。周方向超伝導部材21は、例えば帯状の超伝導部材の両端部を接合することにより環状に形成されている。周方向超伝導部材21は、超伝導層30と、超伝導層30と覆う保護層31と、を備えている(図4参照)。本実施形態では、周方向超伝導部材21の内周側に超伝導層30が位置し、外周側に保護層31が位置している。超伝導層30及び保護層31は、周方向超伝導部材21の全周に亘って連続して設けられている。
超伝導層30は、ビスマス系酸化物超伝導体であり、磁束侵入長よりも十分に大きい膜厚を有している。超伝導層30の厚さは、例えば、0.1〜0.2mmとすることができる。ここで、周方向超伝導部材21に用いられるビスマス系酸化物超伝導体として、例えば、組成式Bi2Sr2Ca2Cu3Oxで表されるBi2223が好ましい。なお、周方向超伝導部材21に用いられる超伝導体としては、Bi2212等が採用されてもよい。
保護層31は、例えば銀を材料として構成される。なお、保護層31には、銅、ステンレス等を材料として用いてもよい。保護層31は、例えば、超伝導層30の外周面を覆うように形成されている。なお、保護層31は、超伝導層30の内周面及び外周面から挟み込むようにして形成されていてもよいし、超伝導層30の横断面視における四方を囲むようにして形成されていてもよい。保護層31の厚さは、例えば0.02〜0.1mmとすることができる。
周方向超伝導部材21は、巻領域21Aと、2つの延伸領域21Bと、接合部21Cと、を有している。巻領域21Aは、基板20の周囲を囲むように、基板20の外周に沿って湾曲している。本実施形態においては、巻領域21Aは基板20の外周に対して、略全周に亘って巻かれている。また、巻領域21Aは基板20から離間して配置されている。湾曲した巻領域21Aの中心は、基板20の中心軸線Cと略一致しており、これにより巻領域21Aと基板20との離間距離は略一定となっている。巻領域21Aと基板20との離間距離は、例えば20mm〜100mm程度であることが好ましい。
なお、巻領域21Aは基板20の略全周に亘って巻かれていなくてもよく、基板20の外周の一部のみに巻かれていてもよい。この場合、巻領域21Aが基板20の外周の75%以上の領域に巻かれていることが好ましいが、周方向超伝導部材21は環状となっていればよく、巻領域21Aによって巻かれた基板20の外周の領域は75%より少なくてもよい。また、巻領域21Aの中心は、基板20の中心軸線Cと一致していなくてもよく、巻領域21Aと基板20とに離間距離は一定でなくてもよい。さらに、巻領域21Aと基板20とは一部が互いに接触していてもよいし、全周に亘って互いに接触していてもよい。
2つの延伸領域21Bのそれぞれは、巻領域21Aの両端側に設けられ、基板20から離れるように真っ直ぐ延伸している。2つの延伸領域21Bの延伸方向に延びる面は、互いに平行に対向している。2つの延伸領域21Bは、基板20の外周の接線に対して垂直、且つ中心軸線Cに対して垂直に延伸している。延伸領域21Bと巻領域21Aとの境界部分は湾曲している。本実施形態においては、周方向超伝導部材21の同一面(内周面)が互いに接合されている。これにより、周方向超伝導部材21はねじれることなく環状に構成されている。接合部21Cは、2つの延伸領域21Bを互いに接合している。すなわち、接合部21Cは、基板20と離間した状態で2つの延伸領域21Bを互いに接合している。延伸領域21Bは、少なくとも接合部21Cを形成できる(後述の補強部材40を設置できる)程度に延びており、接合部21Cを複数段階ずらして形成できる程度に延びていることが好ましい。
なお、2つの延伸領域21Bが延びる方向は特に限定されず、例えば、基板20の外周の接線に対して傾斜していてもよい。この場合、巻領域21Aと延伸領域21Bとの境界部分は、超伝導部材の許容曲げ直径以上で曲げられていることが好ましく、超伝導部材の許容曲げ直径は例えば200mm程度とすることができる。一例として、基板20の直径が1m、超伝導部材の許容曲げ直径が200mmである場合、基板20の外周の接線と延伸領域21Bとがなす角度は、例えば95°〜135°程度であることが好ましい。なお、この場合の最小値は許容曲げ直径に基づいて算出され、最大値は、基板20の外周の75%の領域に巻領域21Aが巻かれた状態に基づいて算出されている。また、2つの延伸領域21Bは、真っ直ぐに延伸していなくてもよく、その一部が湾曲いていてもよい。さらに、本実施形態では、延伸領域21Bと巻領域21Aとの境界部分は湾曲しているが、延伸領域21Bと巻領域21Aとの境界部分は屈曲していてもよい。
接合部21Cは、補強部材40を含んでいる。補強部材40は、延伸領域21Bに圧力を加えることにより、延伸領域21B同士の接合を補強する部材である。この補強部材40を用いることにより、周方向超伝導部材21の超伝導層30同士を確実に接続することができる。補強部材40は、2つの延伸領域21Bを挟み込む押圧部材41,42を備えている。押圧部材41,42は、板状の部材である。押圧部材41,42のは、その四隅に貫通孔を有している。それぞれの貫通孔には、ボルト43等の締結部材が挿通されている。これにより、押圧部材41,42は、ボルト43の締結力によって2つの延伸領域21Bに圧力を付与している。補強部材40(押圧部材41,42、及びボルト43)は、磁化率の小さい材料によって構成される。なお、補強部材40は、2つの延伸領域21Bに対して圧力を付加し、補強することができる構造であればよく、その構造は適宜変更可能である。
複数の周方向超伝導部材21は、所定のピッチで互いに離間した状態で中心軸線Cに沿って配置されている(図2参照)。これにより、それぞれの周方向超伝導部材21の巻領域21A同士及び延伸領域21B同士は、所定のピッチで互いに離間した状態となっている。また、それぞれの周方向超伝導部材21の延伸領域21Bは、中心軸線Cに沿った方向から見て同じ方向に延伸しており、接合部21Cの位置も揃った状態となっている。なお、それぞれの延伸領域21Bが延びる方向は同じでなく、周方向超伝導部材21ごとに異なっていてもよい。例えば、基板20の上側半分に位置する周方向超伝導部材21の延伸領域21Bが延伸する方向と、基板20の下側半分に位置する周方向超伝導部材21の延伸領域21Bが延伸する方向とを異ならせてもよい。また、接合部21Cの位置は、周方向超伝導部材21ごとに延伸領域21Bが延伸する方向においてずれていてもよい。
次に、図5及び図6を参照して、超伝導磁気シールド装置11の製造方法について説明する。図5は、超伝導磁気シールド装置11の製造方法を示すフローチャートである。図6は、超伝導磁気シールド装置11の製造方法を説明するための図である。
まず、帯状の周方向超伝導部材21を準備し、基板20に対して周方向にそって巻き付けることにより巻領域21Aを形成する。このとき、周方向超伝導部材21の2つの延伸領域21Bを互いに対向させ、超伝導層30が露出した面(内周面)を向き合わせる(ステップS1)。
次に、2つの延伸領域21Bの間に、超伝導層30と同様の超伝導体である原料粉35を塗布する(ステップS2)。
次に、2つの延伸領域21Bの超伝導層30同士を接触させ、図4に示されるように補強部材40によって2つの延伸領域21Bに圧力を加える(ステップS3)。ここで、補強部材40によって加える圧力は、例えば100〜1000MPaとすることができる。以上のステップS1〜ステップS3を繰り返し、複数の周方向超伝導部材21を基板20に対して取り付ける。
次に、補強部材40により圧力を加えた状態で焼成を行う(ステップS4)。焼成は、図7(b)に示されるように、補強部材40が取り付けられた部分(接合部21Cとなる部分)のみを炉Fに入れた状態で行われる。ここでの焼成条件は、例えば830℃〜850℃で50時間〜150時間とすることができる。ステップS3で用いられた補強部材40は、取り外されることなく、2つの延伸領域21Bを加圧した状態を維持しておく。以上の手順により、接合部21Cが形成された状態となり、超伝導磁気シールド装置11が製造される。なお、本実施形態では補強部材40を用いる場合を例に説明しているが、原料粉35を介して2つの延伸領域21Bを直接接合できる場合には補強部材40を用いなくてもよい。また、焼成後に補強部材40が取り外されてもよい。
以上説明したように、超伝導磁気シールド装置11の周方向超伝導部材21は、基板20の外周に沿って巻かれた巻領域21Aと、巻領域21Aの端部にそれぞれ位置し、基板20から離れるように延伸する2つの延伸領域21Bと、2つの延伸領域21Bを互いに接合する接合部21Cと、を有している。本発明とは異なる超伝導磁気シールド装置111では、図7(a)に示されるように、周方向超伝導部材121が延伸領域を有していないので、接合部121Cは基板120と接触した状態となっている。このため、ステップS4において焼成を行う際には、超伝導磁気シールド装置111全体を炉Fに入れる必要がある。これに対し、超伝導磁気シールド装置11では、2つの延伸領域21Bが基板20から離れるように延伸し、且つ、接合部21Cが2つの延伸領域21Bを互いに接合していることにより、基板20と接合部21Cとが互いに離間した状態となっている。このため、図7(b)に示されるように、接合部21Cのみを炉Fに入れることができる。すなわち、超伝導磁気シールド装置11全体を炉に入れる必要がなく、接合部21Cのみを焼成することができる。したがって、超伝導磁気シールド装置11を容易に製造することができる。
また、周方向超伝導部材21に用いられる超伝導材料は、焼成等の熱処理によって悪影響を受ける場合がある。図7(a)に示されるように、周方向超伝導部材121が延伸領域を有していない場合、焼成の際に超伝導磁気シールド装置111全体を炉Fに入れる必要があるので、周方向超伝導部材121全体が熱処理による影響を受ける可能性がある。これに対し、図7(b)に示されるように、超伝導磁気シールド装置11では、接合部21Cのみを焼成することができるので、熱処理による影響を受ける可能性がある部分を低減できる。
また、2つの延伸領域21Bの延伸方向に延びる面は、互いに対向している。これにより、延伸領域21Bに接合部21Cを形成しやすくなる。
また、2つの延伸領域21Bは互いに平行である。これにより、延伸領域21Bにおいて接合部21Cを形成可能な部分が多くなる。したがって、仮に延伸領域21Bの接合が失敗した場合であっても延伸領域21Bの他の部分に接合部21Cを形成できるので、接合部21Cの修繕が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。例えば、上記の実施形態では2つの延伸領域21Bが互いに平行である場合について説明したが、2つの延伸領域21Bは基板20から離れるように延びていればよく、互いに平行でなくてもよい。例えば、一方の延伸領域21Bは基板20の外周の接線に対して垂直に延び、他方の延伸領域21Bは基板20の外周の接線に対して傾斜する方向に延びていてもよい。また、両方の延伸領域21Bが、互いに近づく方向となるように、基板20の外周の接線に対して傾斜して延びていてもよい。さらに、延伸領域21Bに湾曲した部分、及び/又は屈曲した部分が設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、2つの延伸領域21Bの延伸方向に延びる面が互いに対向している場合について説明したが、2つの延伸領域21Bの延伸方向に延びる面は互いに対向していなくてもよい。例えば、一方の延伸領域21Bがねじれた状態であってもよい。
また、上記の実施形態では、周方向超伝導部材21が1つの帯状の超伝導部材から形成されている例について説明したが、周方向超伝導部材21は複数の超伝導部材から形成されていてもよい。例えば、2つの帯状の超伝導部材から周方向超伝導部材21を形成する場合、一方の超伝導部材の巻領域21Aによって基板20の外周の半分を囲い、他方の超伝導部材の巻領域21Aによって基板20の外周の残り半分を囲んでもよい。この場合、それぞれの超伝導部材に2つずつ延伸領域21Bを形成し、2つの接合部21Cによって2つの超伝導部材の延伸領域21B同士を接合することにより、1つの環状の周方向超伝導部材21を形成してもよい。
また、上記の実施形態では、周方向超伝導部材21の内周側に超伝導層30が位置し、外周側に保護層31が位置している例について説明したが、周方向超伝導部材21は、その内周側及び外周側にそれぞれ保護層31を有し、2つの保護層31の間に超伝導層30が設けられた形態であってもよい。この場合、周方向超伝導部材21を製造する際には、ステップS1において、接合する部分の保護層31を剥離してから、超伝導層30が露出した面を向き合わせる。
また、上記の実施形態では、延伸領域21Bにおいて周方向超伝導部材21の内周面同士を接合する例について説明したが、周方向超伝導部材21の内周面と外周面とを接合してもよい。
また、上記の実施形態では、シールド層22が周方向超伝導部材21のみを有している例について説明したが、シールド層22は、基板20の中心軸線Cの方向に沿って延びる軸方向超伝導部材を更に有していてもよい。
1…脳磁計装置、11…超伝導磁気シールド装置、20…基板、21…周方向超伝導部材、21A…巻領域、21B…延伸領域、21C…接合部、22…シールド層。
Claims (4)
- 筒状の基板と、
前記基板の外周側に設けられ、前記基板を周方向に囲む周方向超伝導部材を含むシールド層と、を備え、
前記周方向超伝導部材は、
前記基板の外周に沿って巻かれた巻領域と、
前記巻領域の端部にそれぞれ位置し、前記基板から離れるように延伸する2つの延伸領域と、
前記2つの延伸領域を互いに接合する接合部と、を有する、超伝導磁気シールド装置。 - 前記2つの延伸領域の延伸方向に延びる面は、互いに対向している、請求項1に記載の超伝導磁気シールド装置。
- 前記2つの延伸領域は互いに平行である、請求項1又は2に記載の超伝導磁気シールド装置。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載の超伝導磁気シールド装置を備える、脳磁計装置。
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JP2017245238A JP6951235B2 (ja) | 2017-12-21 | 2017-12-21 | 超伝導磁気シールド装置、及び脳磁計装置 |
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-
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- 2017-12-21 JP JP2017245238A patent/JP6951235B2/ja active Active
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