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JP2019114370A - 導電性組成物、導電性ペースト、及び電子部品 - Google Patents

導電性組成物、導電性ペースト、及び電子部品 Download PDF

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JP2019114370A
JP2019114370A JP2017245559A JP2017245559A JP2019114370A JP 2019114370 A JP2019114370 A JP 2019114370A JP 2017245559 A JP2017245559 A JP 2017245559A JP 2017245559 A JP2017245559 A JP 2017245559A JP 2019114370 A JP2019114370 A JP 2019114370A
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剛 川島
Takeshi Kawashima
剛 川島
慎吾 粟ケ窪
Shingo Awagakubo
慎吾 粟ケ窪
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Abstract

【課題】ガラスフリットや酸化物粉末を用いても、突起の形成がない導電性ペーストの提供。【解決手段】導電性粉末と、ガラスフリットと、糖とを含有する導電性組成物であって、前記糖が単糖類および二糖類のうちの少なくとも1種類以上からなり、前記糖を前記導電性粉末100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下含有する。【選択図】なし。

Description

本発明は、バリスタやチップ抵抗器、積層セラミックコンデンサなどの電子部品を製造する際に、セラミック基板上やセラミック焼結体の外表面に導体を形成するために用いる導電性組成物、導電性ペースト、及びその導体が形成された電子部品に関する。
厚膜技術を用いて導体を形成する場合、一般的に、導電率の高い導電性粉末を、有機ビヒクル中に分散させた導電性ペーストをアルミナ基板等のセラミック基板上にスクリーン印刷法などを用いて、所要の形状に塗布し、120℃〜150℃で乾燥させた後、600℃〜900℃で焼成して導体を形成することが行われている。
また、アルミナ基板等のセラミック基板と導体の間の密着力を向上させる目的で、ガラスフリットや金属酸化物粉末などの酸化物粉末を導電性ペーストに含有させることも一般に行われている。導電性粉末のみで導体を形成した場合、導体と基板との密着力が十分に得られず剥離してしまう場合がある。ガラスフリットを導電性ペーストに含有させた場合は、焼成過程でガラスが軟化点温度に達すると、セラミック基板の隙間と焼結した導体の隙間に浸透するため、基板と導体を密着させることができる。また、金属酸化物粉末を導電性ペーストに含有させた場合は金属酸化物粉末が導体の焼結温度を低下させることにより緻密な導体を形成させ、セラミック基板と堅固に密着する導体を形成させることができる。
ところで、上述のような導電性ペーストを用いた厚膜技術により導体を形成する場合、焼結により導体の形成が完了する前の時点で、導電性ペーストの構成材料である有機ビヒクルに含まれるバインダ樹脂などの有機成分を導電性ペースト内から除去することが必要になる。
導電性ペースト中の有機ビヒクルに含まれるバインダ樹脂が焼成過程で燃焼・分解してガス化した後、導体が形成される前にガスが大気中へ抜けなかった場合、導体内にボイドとして存在することとなる。導体内にボイドが存在すると、ボイドが導体を押し上げて膨らみを形成する場合がある。この膨らみは形状が小さい場合は突起として観察される。このような突起が存在すると、表面平滑性に劣り外観を損ねるだけでなく、その下に存在するボイドにより強度低下や導電性の低下を生じる原因となるため好ましくない。また、突起の形成に至らない場合であっても、ボイドが形成されるとその部分は他の導体部分より導電成分が疎となり腐食されやすくなるので好ましくない。
このような突起の形成による不具合は、導体が十分に厚く大きな場合は問題にならないが、近年、電子部品の小型化が進み、導体の薄膜化がより一層進むにつれて、従来問題とならなかった大きさの突起の形成も無視できなくなってきている。
このため、従来においては、優れた導体の特性が得られるガラスフリットであっても、近年においては、ボイドの形成、及びそれによる突起の形成が原因となり使用することができなくなる場合が生じている。
しかるに、特許文献1には、還元剤を用いた液相還元法によりAg粉末を製造する際に、表面処理剤として、平均分子量が600以下の高分子アミンを銀質量に対して0.001質量%以上1質量%未満添加することにより、50℃〜900℃の範囲において50℃における値を基準とした熱膨張率の最大値が0.3%以下となるAg粉末を得る技術が開示されている。そして、このようにして得たAg粉末を用いることで導電性ペーストを焼成する際に膨れの発生がないことが記載されている。
また、特許文献2には、銅で構成される平均粒径が3μm以下の第1粉末と、銅と全率固溶体を生成可能で銅より拡散速度が遅く融点の高い平均粒径が180nm以下の第2の粉末を使用することによって、導体の焼結温度を上げてガスの放出を円滑にし、放射状のクラックやブリスター(突起)の発生率を下げる技術が開示されている。
特開2012−214873号公報 特開2011−124571号公報
しかし、特許文献1に記載の技術は、導電性粉末であるAg粉末の膨張に起因する突起の形成を防止するための技術であり、バインダ樹脂の分解により生じるボイドに起因する突起の形成を抑えるのは困難である。
また、特許文献2に記載の技術では、導体の焼結温度を上昇させることにより、ガスの放出は良好になるものの、焼結時の導体の緻密性が低下して抵抗値が高くなる虞がある。また、特許文献2の実施例にはガラスフリットや酸化物を含有しない導電性ペーストが記載されているが、特許文献2の実施例に記載の導電性ペーストにおけるその他の構成材料として、軟化点が低いガラスや細かい粒子径のガラス、また濡れ性に優れたガラスなどを使用した場合、軟化した際に導電性粉末の隙間にガラスが入り込み、バインダ樹脂の分解によって発生したガスが抜け切る前の時点で導電性粉末の隙間を埋めてしまう虞があり、焼結温度の上昇では突起の形成を抑えることは困難である。
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、従来、突起の形成を生じる原因となっていたガラスフリットや酸化物粉末を用いても、突起の形成がない導電性ペーストを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、導電性粉末と、ガラスフリットを含有する導電性組成物において、単糖類および二糖類のうちの少なくとも1種類以上からなる糖を、導電性粉末100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下含有させると、導電性組成物を主成分とする導電性ペーストを焼成した際に、導体表面に突起が形成されなくなり、しかも、導体の特性を低下させないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による導電性組成物は、導電性粉末と、ガラスフリットと、糖とを含有する導電性組成物であって、前記糖が単糖類および二糖類のうちの少なくとも1種類以上からなり、前記糖を前記導電性粉末100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下含有することを特徴としている。
また、本発明の導電性組成物においては、前記導電性粉末が、Au、Ag、PdおよびPtのうちの少なくとも1種類からなることが好ましい。
また、本発明による導電性ペーストは、上記本発明のいずれかの導電性組成物と有機ビヒクルとを含有することを特徴としている。
また、本発明の導電性ペーストにおいては、前記導電性粉末を導電性ペースト100質量%に対して、30質量%以上80質量%以下含有し、前記ガラスフリットを導電性ペースト100質量%に対して、0.1質量%以上2質量%以下含有することが好ましい。
また、本発明の導電性ペーストにおいては、前記有機ビヒクルが、バインダ樹脂と有機溶剤からなり、前記バインダ樹脂を導電性ペースト100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。
また、本発明による電子部品は、上記本発明のいずれかの導電性ペーストを用いて形成した導体を含有することを特徴としている。
本発明の導電性組成物によれば、従来の技術では防ぐことが困難であった、焼成過程で導体表面の突起の形成を、導体の特性を低下させることなく防止することが可能となる。従って、より微細化の進む電子部品において、表面精度の高い導体を形成することにより、各電子部品の高精度の実装が可能となる。
本発明の一実施例にかかる二糖類の糖を含有する導電性ペーストを用いて形成した導体の表面観察SEM写真である。 本発明の他の実施例にかかる単糖類の糖を含有する導電性ペーストを用いて形成した導体の表面観察SEM写真である。 本発明の一比較例にかかる糖を含有しない従来の導電性ペーストを用いて形成した導体の表面観察SEM写真である。 本発明の他の比較例にかかる本発明の範囲以上に糖を含有する導電性ペーストを用いて形成した導体の表面観察SEM写真である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(導電性粉末)
本発明に用いる導電性粉末は特に限定されることは無く、一般的な導電性ペーストに用いられる導電性粉末を用いることができる。特に、高導電性を示し酸化し難いAu、Ag、PdおよびPtのうちの少なくとも1種類以上からなる導電性粉末を用いることが好ましい。また、上記4種類の金属の中で比較的安価なAg粉末とPd粉末を用いることがより好ましく、更に、導電性粉末中Ag粉末を95質量%以上含有するのがより一層好ましい。
本発明の導電性ペーストにおける導電性粉末の含有量は、求められる特性に応じて、製品として成り立つと考えられる範囲内で適宜選定することができるが、導電性ペースト100質量%に対して導電性粉末を30質量%以上80質量%以下含有するのが好ましい。導電性粉末の含有量が30質量%未満であると、焼成後の導体が緻密にならず導電性に劣ってしまう虞が生じるので好ましくない。一方、導電性粉末の含有量が80質量%を上回ると、残部の液体成分の割合が少なくなってしまい、印刷に適した粘度が得られない虞が生じるので好ましくない。
(ガラスフリット)
本発明で使用するガラスフリットは、特に制限されず一般的な導電性ペーストに使用されるガラスフリットを用いることができる。たとえば、平均粒子径が0.5μm〜5μmで軟化点が500℃〜700℃のホウ珪酸ガラス(SiO−B系)等の無鉛で実質的にアルカリ金属を含まないガラスフリットを使用できる。上記ガラス中には、ガラスと基板との濡れ性や基板と導体との密着性、導体の耐酸化性をさらに向上させる目的でCaO、BaO、ZnO、TiO、Vなどの成分を添加してもよい。
本発明の導電性ペーストにおけるガラスフリットの含有量は、求められる特性に応じて、製品として成り立つと考えられる範囲内で適宜選定することができるが、導電性ペースト100質量%に対してガラスフリットを0.1質量%以上2質量%以下含有するのが好ましい。ガラスフリットの含有量が0.1質量%未満であると、ガラスフリット添加による効果が得られない虞が生じるので好ましくない。一方、ガラスフリットの含有量が2質量%を上回ると、焼成後の導体内にガラスフリットが残留したり、ガラスフリット起因のボイドが発生してしまったりする虞が生じるので好ましくない。
(糖)
本発明で使用する糖は、単糖類および二糖類のうちの少なくとも1種類以上を用いることができる。上記糖は導電性粉末100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の範囲で用いる。導電性粉末100質量部に対して用いる糖が0.5質量部未満では、突起の形成を防止する効果が不十分となり好ましくない。一方、導電性粉末100質量部に対して用いる糖が10質量部を上回ると、突起の形成を防止する効果が導電性粉末100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の範囲で用いた場合とほとんど変わらない一方で、残留炭素量が増加したり、ガラス組成に悪影響を及ぼし、例えばガラスが結晶化したりして抵抗値が増加するなど導体の特性が大きく低下するため好ましくない。
(有機ビヒクル)
本発明で使用する有機ビヒクルは、特に制限されず一般的な導電性ペーストに使用される有機ビヒクルと同様に、バインダ樹脂と有機溶剤から構成され、従来と同様の配合量で使用することができる。
例えばバインダ樹脂としては、エチルセルロース、メタクリレートなどがあげられる。本発明の導電性ペーストにおいては、バインダ樹脂を、導電性ペースト100質量%に対して1質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。バインダ樹脂の含有量が1質量%未満では、ペーストのハンドリング性が悪く、導体を形成する際に必要なペーストの粘度特性が得られない虞があるため好ましくない。一方、バインダ樹脂の含有量が10質量%を上回ると、導電性粉末が密に詰まることを阻害し形成される導体が緻密にならず、導電性を低下させる虞があるため好ましくない。
また、有機溶剤としては、ターピネオール、ブチルカルビトールなどがあげられる。有機溶剤は、バインダ樹脂と共に配合して有機ビヒクルとして用いるほか、最終的な粘度調整用として単独で導電性ペーストに添加することもできる。本発明の導電性ペーストにおける有機溶剤の含有量は特に限定されず、上述のように粘度特性等に応じて、製品として成り立つと考えられる範囲内で適宜調整することができるが、導電性ペーストに対して20質量%以上60質量%以下含有するのが好ましい。
以下、本発明について実施例によりさらに詳細に説明を行うが、本発明の範囲は、この実施例により制限されることはない。
この実施例および比較例では、導電性粉末としてAg粉末とPd粉末を用い、ガラスフリットとして無鉛でアルカリ金属を含まないホウ珪酸ガラスを用いて導電性ペーストを作製し、得られた導電性ペーストをアルミナ基板に塗布し乾燥させた後、得られた乾燥膜を焼成することで、評価用の導体を作製した。作製した導体の表面を観察し、突起形成の有無を確認した。
(実施例1)
(評価試料の作製)
導電性粉末としてAg粉末を、導電性ペースト100質量%に対する含有量が70質量%となる量添加し、ガラスフリットとして軟化点が600℃、平均粒子径が0.9μmのホウ珪酸ガラスを、導電性ペースト100質量%に対する含有量が1.5質量%となる量添加し、エチルセルロース(バインダ樹脂)とターピネオール(有機溶剤)からなる有機ビヒクルを、エチルセルロースの導電性ペースト100質量%に対する含有量が3質量%となる量添加し、糖として二糖類のスクロースを、導電性粉末100質量部に対する含有量が1.5質量部となる量添加し、残部がターピネオールからなる原材料を、3本ロールミルを用いて混合し、評価用の導電性ペーストを作製した。添加した、導電性粉末(Ag粉末)、ガラスフリット(ホウ珪酸ガラス)、バインダ樹脂(エチルセルロース)夫々の導電性ペースト100%に対する含有量、糖の種類と導電性粉末100質量部に対する含有量を表1に示す。
作製した導電性ペーストを、スクリーン印刷機を用いて、幅0.5mm、長さ50mmのパターンで、96%アルミナ基板上に印刷し、印刷した導電性ペーストを、ベルト式乾燥炉を用いて、150℃で5分間乾燥させて乾燥膜を形成した。次に、乾燥膜をピーク温度850℃で9分間、トータル30分間焼成し、評価用の導体を形成した。
(導体表面の突起物の評価)
形成した導体の表面を、光学顕微鏡とSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)で観察し、突起の有無を確認した。評価結果を表1に示す。また、そのときのSEM観察画面の一部を図1に示す。
(導体の抵抗値の評価)
形成した導体の膜厚を、触針式表面粗さ計を用いて測定し、測定した値の平均値を算出した。
次に、デジタルマルチメータを用いて、幅0.5mm、長さ50mmの導体パターンの抵抗値を測定し、先に測定した膜厚の平均値から、膜厚5μmとして換算したときの抵抗値を算出した。算出した導体の膜厚(平均値)及び換算抵抗値を表1に示す。
(実施例2)
スクロースの含有量を導電性粉末100質量部に対し0.5質量部とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、評価用の導体を形成した。添加した、導電性粉末(Ag粉末)、ガラスフリット(ホウ珪酸ガラス)、バインダ樹脂(エチルセルロース)夫々の導電性ペースト100%に対する含有量、糖の種類と導電性粉末100質量部に対する含有量を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、導体表面の突起物の評価、及び導体の抵抗値の評価を行った。算出した導体の膜厚(平均値)及び換算抵抗値を表1に示す。
(実施例3)
スクロースの含有量を導電性粉末100質量部に対し10質量部とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、評価用の導体を形成した。添加した、導電性粉末(Ag粉末)、ガラスフリット(ホウ珪酸ガラス)、バインダ樹脂(エチルセルロース)夫々の導電性ペースト100%に対する含有量、糖の種類と導電性粉末100質量部に対する含有量を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、導体表面の突起物の評価、及び導体の抵抗値の評価を行った。算出した導体の膜厚(平均値)及び換算抵抗値を表1に示す。
(実施例4)
導電性ペースト100質量%に対し、導電性粉末(Ag粉末)の含有量を30質量%、ガラスフリットの含有量を2質量%、バインダ樹脂の含有量を10質量%とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、評価用の導体を形成した。添加した、導電性粉末(Ag粉末)、ガラスフリット(ホウ珪酸ガラス)、バインダ樹脂(エチルセルロース)夫々の導電性ペースト100%に対する含有量、糖の種類と導電性粉末100質量部に対する含有量を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、導体表面の突起物の評価、及び導体の抵抗値の評価を行った。算出した導体の膜厚(平均値)及び換算抵抗値を表1に示す。
(実施例5)
導電性ペースト100質量%に対し、導電性粉末(Ag粉末)の含有量を80質量%、ガラスフリットの含有量を0.1質量%、バインダ樹脂の含有量を1質量%とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、評価用の導体を形成した。添加した、導電性粉末(Ag粉末)、ガラスフリット(ホウ珪酸ガラス)、バインダ樹脂(エチルセルロース)夫々の導電性ペースト100%に対する含有量、糖の種類と導電性粉末100質量部に対する含有量を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、導体表面の突起物の評価、及び導体の抵抗値の評価を行った。算出した導体の膜厚(平均値)及び換算抵抗値を表1に示す。
(実施例6)
糖を単糖類のフルクトースに変更した以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、評価用の導体を形成した。添加した、導電性粉末(Ag粉末)、ガラスフリット(ホウ珪酸ガラス)、バインダ樹脂(エチルセルロース)夫々の導電性ペースト100%に対する含有量、糖の種類と導電性粉末100質量部に対する含有量を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、導体表面の突起物の評価、及び導体の抵抗値の評価を行った。算出した導体の膜厚(平均値)及び換算抵抗値を表1に示す。糖を単糖類に変えた場合の導体表面の状態を示す一例として、SEM観察画面の一部を図2に示す。
(実施例7)
糖を単糖類のグルコースに変更した以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、評価用の導体を形成した。添加した、導電性粉末(Ag粉末)、ガラスフリット(ホウ珪酸ガラス)、バインダ樹脂(エチルセルロース)夫々の導電性ペースト100%に対する含有量、糖の種類と導電性粉末100質量部に対する含有量を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、導体表面の突起物の評価、及び導体の抵抗値の評価を行った。算出した導体の膜厚(平均値)及び換算抵抗値を表1に示す。
(実施例8)
導電性粉末をAg粉末とPd粉末の混合粉に変更し、導電性ペースト100質量%に対し、Ag粉末の含有量を69質量%、Pd粉末の含有量を1質量%とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、評価用の導体を形成した。添加した、導電性粉末(Ag粉末、Pd粉末)、ガラスフリット(ホウ珪酸ガラス)、バインダ樹脂(エチルセルロース)夫々の導電性ペースト100%に対する含有量、糖の種類と導電性粉末100質量部に対する含有量を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、導体表面の突起物の評価、及び導体の抵抗値の評価を行った。算出した導体の膜厚(平均値)及び換算抵抗値を表1に示す。
(比較例1)
糖を添加しなかった以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、評価用の導体を形成した。糖を添加しなかったので、表1中、糖の種類を「−」とし、添加量は0質量部とした。
また、実施例1と同様にして、導体表面の突起物の評価、及び導体の抵抗値の評価を行った。算出した導体の膜厚(平均値)及び換算抵抗値を表1に示す。糖類を添加しない場合、導体表面には無数の突起の形成が確認された。突起の形成が確認された導体表面の状態の一例として、SEM観察画面の一部を図3に示す。
(比較例2)
スクロースの含有量を導電性粉末100質量部に対し15質量部とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、評価用の導体を形成した。添加した、導電性粉末(Ag粉末)、ガラスフリット(ホウ珪酸ガラス)、バインダ樹脂(エチルセルロース)夫々の導電性ペースト100%に対する含有量、糖の種類と導電性粉末100質量部に対する含有量を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、導体表面の突起物の評価、及び導体の抵抗値の評価を行った。算出した導体の膜厚(平均値)及び換算抵抗値を表1に示す。糖類を本発明の範囲を上回って過剰に含有する場合、導体表面に突起の形成は確認されなかったが、ガラスが結晶化している様子が観察された。ガラスが結晶化している様子が確認された導体表面の状態の一例として、SEM観察画面の一部を図4に示す。
表1の結果から分かるように、本発明の範囲内で糖を含有する導電性ペーストを用いて形成した実施例1〜8の導体は、いずれも低い抵抗値を有し、且つ、導体の表面に突起を形成させていないことが確認された。また、図1(実施例1)、図2(実施例4)のSEM写真に示すように、導電性粉末が焼成により相互に結合し合って好適なサイズの結晶粒を形成させている良好な状態が確認された。
ただし、実施例4は導電性粉末の含有量を本発明範囲の下限値とし、ガラスフリット及びバインダ樹脂の含有量を本発明範囲の上限値としており、導電材料の含有量が最も少なくなるため、形成された導体の換算抵抗値は十分低いものの、本発明試料の中で最も高い値を示した。
また、導電性粉末の含有量を本発明範囲の上限値とし、ガラスフリット及びバインダ樹脂の含有量を本発明範囲の下限値とした実施例5は、導電材料の含有量が最も多くなるため、形成された導体の換算抵抗値は、実施例6と共に本発明試料の中で最も低い値を示した。しかしながら、バインダ樹脂量が最も少ないため、導電性ペーストをスクリーン印刷した後のレベリング性が劣り、表面粗さが若干悪化していた。
また、実施例8に示すように、導電性粉末をAg粉末とPd粉末の混合粉とした場合も、Ag粉末を単独で添加した場合と同等の特性が得られることが確認された。
本発明の糖を含有しない従来の導電性ペーストを用いて形成した比較例1の導体は、糖以外の配合量が実施例1の導体と同等であるため、抵抗値は実施例1とほぼ同等の良好な値を示したが、形成された導体の表面に、図3のSEM写真に示すような突起が複数確認され、微小化が進む電子部品にとって好ましくない状態であることが確認された。また、本発明の範囲を上回って糖を含有する導電性ペーストを用いて形成した比較例2の導体は、抵抗値が非常に高くなり、導体として好ましくない状態であることが確認された。図4のSEM写真に示すように、比較例2の導体は導電粉末による結晶粒のサイズが他の試料より小さく、且つ、ボイドが多く観察されることから焼結が進んでいないことが確認された。また、結晶粒界の一部に細かな結晶化したガラスが確認された。このような細かな結晶化したガラスは導体表面だけでなく導体内部にも存在すると考えられ、そのような細かな結晶化したガラスの存在、ボイドの存在、サイズの小さな結晶粒による結晶粒界の増加などを原因として、抵抗値が非常に高くなってしまったものと考えられる。また、このようにガラスが結晶化してしまうと、導体と基板とを結合させるためのガラスが十分に供給されず、密着性が低下してしまう場合があり好ましくない。
本発明の導電性組成物、導電性ペースト、及び電子部品は、ガラスフリットや酸化物粉末を含有する組成物を用いて、微細化の進む電子部品を高精度に実装することが求められる分野に有用である。

Claims (6)

  1. 導電性粉末と、ガラスフリットと、糖とを含有する導電性組成物であって、
    前記糖が単糖類および二糖類のうちの少なくとも1種類以上からなり、
    前記糖を前記導電性粉末100質量部に対し、0.5質量部以上10質量部以下含有することを特徴とする導電性組成物。
  2. 前記導電性粉末が、Au、Ag、PdおよびPtのうちの少なくとも1種類からなることを特徴とする請求項1に記載の導電性組成物。
  3. 請求項1または2に記載の導電性組成物と有機ビヒクルとを含有することを特徴とする導電性ペースト。
  4. 前記導電性粉末を導電性ペースト100質量%に対して、30質量%以上80質量%以下含有し、
    前記ガラスフリットを導電性ペースト100質量%に対して、0.1質量%以上2質量%以下含有することを特徴とする請求項3に記載の導電性ペースト。
  5. 前記有機ビヒクルが、バインダ樹脂と有機溶剤からなり、
    前記バインダ樹脂を導電性ペースト100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下含有することを特徴とする請求項3または4に記載の導電性ペースト。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の導電性ペーストを用いて形成した導体を含有することを特徴とする電子部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001011388A (ja) * 1999-06-29 2001-01-16 Namics Corp 電極ペースト組成物およびそれを用いる積層コンデンサの製造方法
JP2012140480A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Seiko Epson Corp 導体パターン形成用インク
CN104078098A (zh) * 2014-06-04 2014-10-01 乐凯特科技铜陵有限公司 一种低含银量印刷电路板银浆及其制备方法

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