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JP2019187959A - パンツ型吸収性物品、及び、パンツ型吸収性物品の製造方法 - Google Patents

パンツ型吸収性物品、及び、パンツ型吸収性物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】柔らかく、且つ、弾性部材を破断させることなく補強することができるパンツ型吸収性物品を提供する。【解決手段】吸収性コア(13)を有する吸収性本体(10)と、吸収性本体(10)に接合された外装部材(30)とを備え、胴回り開口(BH)及び一対の脚回り開口(LH)が形成されたパンツ型吸収性物品(1)であって、外装部材(30)は、厚さ方向の肌側から非肌側に向かって、第1シート部材(31)、第2シート部材(32)、及び、第3シート部材(33)が順に積層された積層部(30s)を有し、第1シート部材(31)と第2シート部材(32)は、複数の溶着部(60a)によって、間欠的に溶着されて接合されており、第2シート部材(32)と第3シート部材(33)との間には弾性部材(34)が配置されているともに、第2シート部材(32)と第3シート部材(33)は接着剤で接合されている。【選択図】図3

Description

本発明は、パンツ型吸収性物品、及び、パンツ型吸収性物品の製造方法に関する。
従来、吸収性コアを有する吸収性本体と、吸収性本体に接合され胴回り開口と一対の脚回り開口が設けられた外装部材とを備えるパンツ型吸収性物品が知られている。特許文献1では、上腹部の肌側に内側シートが配置され、外表面を形成する外層シートの間に、中間シートが固定されて外装部材が構成されたパンツ型吸収性物品が開示されている。
特開2013−172861号公報
しかしながら、特許文献1に記載のパンツ型吸収性物品では、外層シートと中間シートとの間が非接合状態となっている。このため、例えば、着用者が引き上げる際に非接合状態の部位が縦方向(上下方向)に伸びやすく、伸びた状態において指などで部分的に力がかかるとシートが破壊されてしまうおそれがあった。また、3枚のシートを重ね、そのうちの2枚の間に弾性部材を配置する場合、全てのシートを接着材で接合すると、硬くなってしまうおそれがあり、一方、全てのシートを溶着により接合すると、弾性部材が破断するおそれがあった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、柔らかく、且つ、弾性部材を破断させることなく補強することができるパンツ型吸収性物品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、吸収性コアを有する吸収性本体と、前前記吸収性本体に接合された外装部材と、
を備え、胴回り開口及び一対の脚回り開口が形成されたパンツ型吸収性物品であって、前記外装部材は、厚さ方向の肌側から非肌側に向かって、第1シート部材、第2シート部材、及び、第3シート部材が順に積層された積層部を有し、前記第1シート部材と前記第2シート部材は、複数の溶着部によって、間欠的に溶着されて接合されており、前記第2シート部材と前記第3シート部材との間には弾性部材が配置されているともに、前記第2シート部材と前記第3シート部材は接着剤で接合されている、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、柔らかく、且つ、弾性部材を破断させることなく補強することができる。
おむつ1を腹側から見た概略斜視図である。 展開且つ伸長状態であるおむつ1の平面図である。 図2中のA−A概略断面図である。 腹側内層シート31の表面に設けられた融着部31aのパターンの一例を示す図である。 腹側補強シート32の表面に設けられた融着部32aのパターンの一例を示す図である。 複合シート60に形成される溶着部60aのパターンの一例を示す図である。 複合シート60,70の構成を説明するための図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、吸収性コアを有する吸収性本体と、前記吸収性本体に接合された外装部材と、を備え、胴回り開口及び一対の脚回り開口が形成されたパンツ型吸収性物品であって、前記外装部材は、厚さ方向の肌側から非肌側に向かって、第1シート部材、第2シート部材、及び、第3シート部材が順に積層された積層部を有し、前記第1シート部材と前記第2シート部材は、複数の溶着部によって、間欠的に溶着されて接合されており、前記第2シート部材と前記第3シート部材との間には弾性部材が配置されているともに、前記第2シート部材と前記第3シート部材は接着剤で接合されている、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、3枚のシート部材を積層することで、着用者又は介護者が引き上げる際に破れやすい部位を補強することができる。また、第1シート部材と第2シート部材を間欠的に溶着しているので、柔らかい風合いを維持することができる。また、第2シート部材と第3シート部材を接着剤で接合しているので、弾性部材の破損を防止できる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第2シート部材の前記上下方向の長さは、前記第1シート部材の前記上下方向の長さよりも短く、前記複数の溶着部は、少なくとも前記左右方向の一部で第2シート部材の前記上下方向の一方の端部を跨るように形成されている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、第2シート部材のめくれ上がりを防止でき、確実に上下方向の端までの強度を維持できる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記複数の溶着部は、前記上下方向及び前記左右方向に千鳥状に配置されている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、大きな非接合部分を無くすことができ、指が突き刺さりにくい(破損しにくい)。また、部分的に硬くなりすぎず、全体に亘って柔軟性を出せる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第1シート部材及び前記第2シート部材は、それぞれ、表面に複数の融着部を有し、前記積層部の単位面積当たりに設けられている前記溶着部の面積の割合は、前記第1シート部材の単位面積当たりに設けられている前記融着部の面積の割合、又は、前記第2シート部材の単位面積当たりに設けられている前記融着部の面積の割合の少なくとも一方よりも小さい、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、シートの柔らかい風合いをより維持することができ、身体へのフィット性を向上できる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第1シート部材及び前記第2シート部材は、それぞれ、表面に複数の融着部を有し、前記溶着部の1個当たりの面積は、前記第1シート部材の前記融着部の1個当たりの面積、又は、前記第2シート部材の前記融着部の1個当たりの面積の少なくとも一方よりも小さい、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、シートの柔らかい風合いをより維持することができ、身体へのフィット性を向上できる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記外装部材と前記吸収性本体とが重なる領域の単位面積当たりに設けられている前記溶着部の面積の割合は、他の領域の単位面積当たりに設けられている前記溶着部の面積の割合よりも小さい、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、吸収性本体と重なる部分は使用中に破れにくいので、溶着部の面積率を小さくできる。これにより、柔軟性をより向上することができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記弾性部材は、前記上下方向に間隔を空けて複数設けられ、前記接着剤は、各々の前記弾性部材に塗布されており、隣接する前記弾性部材の間には、前記第2シート部材と前記第3シート部材が前記接着剤で接合されていない部位がある、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、接着剤を効率的に使用できる。また、より柔らかくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記外装部材は、前記胴回り開口の縁に沿った第1伸縮領域、および、前記一対の脚回り開口の縁にそれぞれ沿った一対の第2伸縮領域を備え、前記上下方向において、前記積層部の少なくとも一部は前記第1伸縮領域と前記一対の第2伸縮領域の間に設けられている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、使用中に力がかかりやすい部位を補強できる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第1伸縮領域には、前記上下方向に間隔を空けて配置された複数のウエスト弾性部材が設けられており、前記積層部において隣接する前記弾性部材の間隔は、前記第1伸縮領域において隣接する前記ウエスト弾性部材の間隔よりも大きい、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、胴回り開口側では弾性部材(ウエスト弾性部材)の配置間隔を狭くすることで引き上げる時に指が入りにくくすることができ、また、上下方向への撚れを抑制できる。積層部は締め付け感を低減させることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記外装部材は、着用者の腹側に配される前側胴回り部と、背側に配される後側胴回り部を備え、前記積層部は、前記前側胴回り部又は前記後側胴回り部の少なくとも一方に設けられている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、胴回り部を補強することができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記積層部は、前記前側胴回り部と前記後側胴回り部にそれぞれ設けられており、前記後側胴回り部の前記積層部の前記上下方向の長さが、前記前側胴回り部の前記積層部の前記上下方向の長さよりも長い、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、後側は引き上げ時に指で力を入れやすい領域が広い(臀部の出っ張り分引き上げにくい)ので、効果的に補強することができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第3シート部材は前記胴回り開口の縁で前記厚さ方向の肌側の下方に向けて折り返されており、前記第2シート部材の前記上下方向の上端は、前記第3シート部材の折り返し部位の下端よりも上に位置している、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、より確実に補強することができる。
また、吸収性コアを有する吸収性本体と、前記吸収性本体に接合された外装部材と、を備え、胴回り開口及び一対の脚回り開口が形成されたパンツ型吸収性物品の製造方法であって、第1シート部材と第2シート部材を、複数の溶着部によって、間欠的に溶着する工程と、前記第1シート部材とは反対側の前記第2シート部材の面と、第3シート部材との間に弾性部材を配置し、前記第2シート部材と前記第3シート部材とを接着剤で接合する工程と、を有し、前記外装部材の厚さ方向の肌側から非肌側に向かって、第1シート部材、第2シート部材、及び、第3シート部材が順に積層された積層部を形成することを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法が明らかとなる。
===実施形態===
<おむつ1の基本構成>
パンツ型吸収性物品の一例として、パンツ型使い捨ておむつ1(以下、「おむつ1」とも呼ぶ)の基本的な構成について説明する。図1は、おむつ1を腹側から見た概略斜視図である。図2は、展開且つ伸長状態であるおむつ1の平面図である。図3は、図2中のA−A概略断面図である。なお、図2における「伸長状態」とは、製品(おむつ1)を皺なく伸長させた状態、具体的には、おむつ1を構成する各部材(例えば、後述する前身頃部30等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで伸長した状態のことを言う。
おむつ1は、図1のパンツ型状態において、互いに直交する三方向として上下方向と左右方向(幅方向ともいう)と前後方向とを有している。そして、以下では、上下方向において、着用者の胴側となる側を「上側」とし、着用者の股下となる側を「下側」とする。前後方向において、着用者の腹側となる側を「前側」とし、着用者の背側となる側を「後側」とする。また、左右方向において、おむつ1を前側から見た時の右側を「右側」とし、左側を「左側」とする。
一方、図2、図3の展開状態においては、おむつ1は、互いに直交する三方向として長手方向と左右方向と厚さ方向とを有している。なお、展開状態における上記の左右方向(幅方向)は、パンツ型状態(図1)における上記の左右方向と同じ方向である。また、展開状態の長手方向は、パンツ型状態の上下方向に沿った方向である。また、図3Aに示すように、上下方向(長手方向)及び左右方向と直交する「厚さ方向」のうち、着用対象者(着用者)の肌と当接する側を「肌側」とし、その反対側を「非肌側」とする。
本実施形態のおむつ1は、吸収性本体10と、股下外装部20と、前身頃部30と、後身頃部40と、を有する。なお、股下外装部20、前身頃部30、及び、後身頃部40は、外装部材に相当し、吸収性本体10に接合されている。そして、これらの外装部材により、図2に示すように、腹側胴回り部1A、股間部1B、及び、背側胴回り部1Cが構成されている。なお、本実施形態のおむつ1では外装部材が3部材(股下外装部20、前身頃部30、後身頃部40)で構成されているが、これに限らない。例えば、股下外装部20、前身頃部30、及び、後身頃部40が1つの部材であってもよい。また、股下外装部20を有さない構成としてもよい。
吸収性本体10は、尿等の排泄物を吸収する機能を有し、図2に示すように平面視略長方形をなし、その長手方向をおむつ1の上下方向に沿わせつつ左右方向の中央に配置されている。吸収性本体10は、図3に示すように、厚さ方向の肌側(着用者に接する側)から順に、液透過性のトップシート11と、液透過性のセカンドシート12と、吸収性コア13と、液不透過性のバックシート14と、クロッチ弾性部材被覆シート15とを有する。
トップシート11としては例えば親水性のスパンボンド不織布等を例示でき、セカンドシート12としては例えば親水性のエアスルー不織布等を例示でき、バックシート14としては例えばポリエチレンのフィルム等を例示できる。クロッチ弾性部材被覆シート15は、液透過性シートでも液不透過性シートでもよく、例えば疎水性のスパンボンド不織布を例示できる。なお、セカンドシート12は、トップシート11との密度勾配による吸収性の向上や、排泄物の逆戻り防止等の役割を果たすが、おむつ1がセカンドシート12を有さない形態でもよい。
吸収性コア13は、尿等の排泄物を吸収して保持する部材であり、例えば高吸収性ポリマー(SAP)が混入したパルプ等の液体吸収性繊維により形成される。なお、吸収性コア13がティッシュ等の液透過性シートで被覆されていてもよい。また、吸収性コア13は、2層構造であり、上層コア13aと、上層コア13aよりも厚さ方向の非肌側に配置された下層コア13bと、を有する。
また、吸収性本体10は、幅方向及び長手方向の中央部に、長手方向に伸縮するクロッチ伸縮部16を有する。クロッチ伸縮部16は、糸ゴム等のクロッチ弾性部材161が幅方向に間隔を空けて複数設けられて形成されている。複数のクロッチ弾性部材161は、バックシート14とクロッチ弾性部材被覆シート15との間に長手方向に沿って伸長した状態で取り付けられている。
なお、本実施形態の吸収性コア13は2層構造であるが、これには限られず、1層構造としてもよい。また、おむつ1がクロッチ伸縮部16、クロッチ弾性部材被覆シート15を有さない形態でもよい。
股下外装部20は、おむつ1の着用時に着用者の股下に位置する部位(股間部1Bの一部を構成する部位)である。本実施形態において、股下外装部20はスパンボンド不織布等によって形成されている。
前身頃部30は、おむつ1の着用時に着用者の腹側胴回りに位置する部位(主に腹側胴回り部1Aを構成する部位)である。前身頃部30は、厚さ方向に重ねられた腹側内層シート31と、腹側外層シート33を有する。図3に示すように、腹側内層シート31は厚さ方向の肌側に配置され、腹側外層シート33は厚さ方向の非肌側に配置されている。腹側外層シート33の上端部は腹側内層シート31の上端部よりも上側に突出しており、当該突出した部分は前身頃部30の上端30euの位置にて厚さ方向の肌側の下方に折り返され、折り返し部33fを形成している。本実施形態のおむつ1における折り返し部33fの上下方向の長さは約30mmである。前身頃部30の上端30euが折り返し部33fによって覆われることにより、おむつ1の着用時において前身頃部30の上端エッジ(すなわち胴回り開口BH)が着用者の肌に食い込みにくくなり、腹側胴回り部1Aにおける不快感を生じにくくすることができる。
また、本実施形態のおむつ1では、前身頃部30の腹側内層シート31と腹側外層シート33の間に腹側補強シート32が設けられている。以下、前身頃部30において3枚のシート(腹側内層シート31と腹側補強シート32と腹側外層シート33)が積層された部位を積層部30sともいう。また、腹側内層シート31と腹側補強シート32とが接合されて構成されたシートのことを複合シート60ともいう。積層部30s及び複合シート60の詳細については後述する。
また、複合シート60(腹側内層シート31及び腹側補強シート32)と腹側外層シート33の厚さ方向の間には、糸ゴム等の弾性部材が設けられている。本実施形態では、図2及び図3Aに示すように、前身頃部30の左右方向の右側端部と左側端部との間の領域に、複数の腹側胴回り弾性部材34が設けられている。複数の腹側胴回り弾性部材34は、上下方向に間隔を空けて、且つ、所定の伸長倍率で横方向に伸長された状態で複合シート60と腹側外層シート33との間に挟まれて接合されている。このように設けられた腹側胴回り弾性部材34によって、おむつ1の前身頃部30に幅方向の伸縮性が付与される。なお、弾性部材の「伸長倍率」とは、弾性部材(糸ゴム)の自然長を1としたときの伸び度合いを示したものである。例えば、伸長倍率が1.2の場合、弾性部材は自然長から0.2だけ伸張していることになる。
また、前身頃部30の胴回り開口BHの縁に沿った領域(第1伸縮領域に相当)には複数のウエスト弾性部材35が同様に上下方向に間隔を空けて設けられている。図2、図3、に示すように、腹側胴回り弾性部材34の上下方向の間隔(ピッチ)は、ウエスト弾性部材35の上下方向の間隔よりも大きい。本実施形態では、上下方向に隣接するウエスト弾性部材35の間隔が4mm(4mmピッチ)であるのに対し、上下方向に隣接する腹側胴回り弾性部材34の間隔は10mm(10mmピッチ)である。
このように、胴回り開口BHに近いウエスト弾性部材35の配置間隔を狭くすることでおむつ1を引き上げる時に指が入りにくくすることができ、また、おむつ1の上下方向への撚れを抑制できる。また、腹側胴回り弾性部材34のピッチを大きくしていることにより、締め付け感を低減させることができる。
後身頃部40は、おむつ1の着用時に着用者の背側胴回りに位置する部位(主に背側胴回り部1Cを構成する部位)である。後身頃部40の構造は、前身頃部30と略同様である。すなわち、後身頃部40は、厚さ方向に重ねられた背側内層シート41と背側外層シート43を有している。背側外層シート43の上端部は背側内層シート41の上端部よりも上側に突出しており、当該突出した部分は後身頃部40の上端40euの位置にて厚さ方向の肌側の下方に折り返され、折り返し部43fを形成している。折り返し部43fの上下方向の長さは、折り返し部33fの上下方向の長さと同じ(約30mm)である。これにより、おむつ1の着用時において後身頃部40の上端エッジ(胴回り開口BH)が着用者の肌に食い込みにくくなり、背側胴回り部1Cにおける不快感を生じにくくすることができる。
また、本実施形態の後身頃部40には、前身頃部30と同様に、背側内層シート41と背側外層シート43の間に背側補強シート42が設けられている。以下、後身頃部40において3枚のシート(背側内層シート41、背側補強シート42、背側外層シート43)が積層された部位を積層部40sともいう。また、背側内層シート41と背側補強シート42が接合されて構成されたシートのことを複合シート70ともいう。積層部40sは積層部30sと同様の構成であるが、形成領域の広さ(上下方向の長さ)が異なっている。
また、図2に示すように、後身頃部40の左右方向の右側端部と左側端部との間の領域に、複数の背側胴回り弾性部材44が設けられている。複数の背側胴回り弾性部材44は、上下方向に間隔を空けて、且つ、所定の伸長倍率で左右方向に伸長された状態で複合シート70(背側内層シート41及び背側補強シート42)と背側外層シート43との間に挟まれて接合されている。この背側胴回り弾性部材44によって、おむつ1の後身頃部40に幅方向の伸縮性が付与される。また、後身頃部40の胴回り開口BHの縁に沿った領域(第1伸縮領域に相当)には複数のウエスト弾性部材45が同様に上下方向に間隔を空けて設けられている。
なお、上下方向に隣接する背側胴回り弾性部材44の間隔、及び、ウエスト弾性部材45の間隔は、それぞれ、腹側胴回り弾性部材34の間隔、及び、ウエスト弾性部材35の間隔と同じである。
また、図2に示すように、前身頃部30及び後身頃部40の一対の脚回り開口HLの縁に沿った領域(第2伸縮領域に相当)にも例えば糸ゴム等の脚回り弾性部材36、46がそれぞれ複数設けられている。複数の脚回り弾性部材36、46は、腹側内層シート31と腹側外層シート33の間、及び、背側内層シート41と背側外層シート43の間に、伸長した状態で取り付けられている。そのため、前身頃部30及び後身頃部40は着用者の脚回りにフィットする。
おむつ1の製造工程では、図2の展開状態に各部材を配置していき各部材を接合する。例えば、脚回り弾性部材36、46に沿って、腹側内層シート31、背側内層シート41に接着剤(例えばホットメルト接着剤HMA)がパターン塗布される。また、腹側胴回り部1Aと、背側胴回り部1Cの下部から股間部1Bの左右方向の端部にかけて、腹側外層シート33及び背側外層シート43側に全面に接着剤が塗布される。そして各シートを重ねあわせることでシート間が固定される。
なお、前身頃部30において複合シート60と腹側外層シート33は、複数の腹側胴回り弾性部材34、ウエスト弾性部材35に直接塗布された接着剤で接合されている。このため、隣接する腹側胴回り弾性部材34の間には複合シート60と腹側外層シート33が接着剤で接合されてない部位がある。背側(後身頃部40)についても同様である。
本実施形態ではホットメルト接着剤HMAの塗布方式として、V−スロットノズル方式、スパイラル方式、スロットコーター方式を用いている。
V−スロットノズル方式は、腹側胴回り弾性部材34、ウエスト弾性部材35、背側胴回り弾性部材44、ウエスト弾性部材45の固定に用いられており、これらの弾性部材の長さ方向の全長に塗布している。
スパイラル方式は、折り返し部33f、43fや脚回り弾性部材36、46の固定などに用いられており、サイド接合部(腹側サイド接合部30es及び背側サイド接合部40es)の内側までのパターンで、サイド接合部に重ならないように塗布している。
ストットコーター方式は、一定幅を全面または筋状に塗布する方式である。
なお、複合シート60,70は、それぞれ2枚のシートが間欠的に溶着されて接合されている(後述)。
そして、図2の展開状態に各部材を配置(接合)した後、吸収性本体10の長手方向(上下方向)の所定位置CL10を折り位置として同吸収性本体10が二つ折りされるとともに、この二つ折りの状態において互いに対向する前身頃部30及び後身頃部40が腹側サイド接合部30es及び背側サイド接合部40esにて溶着等で接合される。これにより、前身頃部30及び後身頃部40が環状に繋がって、図1に示すような胴回り開口BH及び一対の脚回り開口LH,LHが形成されたパンツ型状態のおむつ1となる。
<積層部について>
前述したように、本実施形態のおむつ1では、前身頃部30と後身頃部40に、それぞれ、3枚のシートを重ねた積層部30s,40sが設けられている。なお、前身頃部30と後身頃部40の構成は略同様である。以下では、主に前身頃部30側の構成について説明する。
仮に、前身頃部30が腹側内層シート31と腹側外層シート33の2枚のシートで構成されている場合、おむつ1の着用者等がおむつ1を引き上げる際に、指がシート2枚分に突き刺さり破損するおそれがある。そこで、本実施形態では、腹側内層シート31と腹側外層シート33の間に腹側補強シート32を配置し、3枚のシートを積層した積層部30sを設けている。ただし、3枚のシートを全て接着剤で接合すると、硬くなってしまうおそれがあり、3枚のシートを全て溶着により接合すると、弾性部材(例えば、腹側胴回り弾性部材34)が破損するおそれがある。
このため、本実施形態では、腹側内層シート31と腹側補強シート32を溶着により接合し、腹側補強シート32と腹側外層シート33を接着剤で接合している。より具体的には、まず、腹側内層シート31と腹側補強シート32を間欠的に溶着させて複合シート60を形成する。そして、複合シート60と腹側外層シート33の間に、接着剤を塗布した複数の腹側胴回り弾性部材34を上下に間隔を空けて配置し、その接着剤を介して複合シート60と腹側外層シート33を接合している。
まず、前身頃部30の積層部30sを構成するシート部材(腹側内層シート31、腹側補強シート32は、腹側外層シート33)について説明する。本実施形態のおむつ1では、腹側内層シート31と腹側外層シート33にはスパンボンド不織布、腹側補強シート32にはSMS(スパンボンドーメルトブローンースパンボンド)不織布を用いている。そして、これらの不織布の表面には、強度維持のための複数のエンボスが設けられている。以下の説明において、不織布の表面に設けられているエンボスのことを融着部という。
図4は、腹側内層シート31の表面に設けられた融着部31aのパターンの一例を示す図である。腹側内層シート31はスパンボンド不織布であり、腹側内層シート31の表面には、図4に示されるような、横長のエンボス(融着部31a)が全域に亘って規則的に形成されている。融着部31aのピッチは、上下方向及び左右方向についてそれぞれ2〜6mm程度にすることが望ましく、この範囲であれば、不織布の強度を維持しつつ柔軟性を維持しやすくなる。本実施形態における融着部31aは、左右方向に2.0mm、上下方向に0.4mmの矩形状であり、融着部31aの1個当たりの面積は、0.8mm(=2.0mm×0.4mm)である。また、融着部31aは、左右方向に5mmのピッチで、上下方向に4.0mmのピッチで千鳥状に並んで形成されている。これにより、不織布の強度と柔軟性を両立しやすくなっている。
また、図4に示すように、融着部31aは、4mm×5mmの範囲内に2個の割合で設けられている。したがって、腹側内層シート31の単位面積当たりに設けられる融着部31aの面積の割合(以下、「面積率」とも呼ぶ)は、(0.8mm)×2/(4mm×5mm)×100=8.0%である。
図5は、腹側補強シート32の表面に設けられた融着部32aのパターンの一例を示す図である。腹側補強シート32は、SMS不織布であり、腹側補強シート32の表面には、図5に示すようなエンボス(融着部32a)が全域にわたって規則的に設けられている。
腹側補強シート32の融着部32aは、長辺0.5mm及び短辺0.2mmの矩形状のパターンである。腹側補強シート32には、融着部32aが上下方向に並ぶドット列32L1とドット列32L2が形成されている。ドット列32L1は、融着部32aを、長辺が左右方向に沿うようにした状態から、時計回りに45度回転させたパターンが上下方向に間隔を空けて複数並んだものである。ドット列32L2は、融着部32aを、長辺が左右方向に沿うようにした状態から、反時計回りに45度回転させたパターンが上下方向に間隔を空けて複数並んだものである。なお、ドット列32L2の各融着部32aは、上下方向において、ドット列32L1の上下に隣接する融着部32aの間(中間)に位置している。このようなドット列32L1とドット列32L2が左右方向に1列おきにそれぞれ並んで形成されており、これにより、上下方向及び左右方向に千鳥状のパターンとなっている。
融着部32aの1個当たりの面積は、0.1mm(=0.5mm×0.2mm)である。また、融着部32aの面積率は、2.5mm×1.5mmの範囲内に2個の割合であるので、(0.1mm)×2/(2.5mm×1.5mm)×100=5.3%である。
腹側外層シート33は、前述したようにスパンボンド不織布であり、腹側内層シート31と同様のエンボス(融着部)が設けられている。よって、その融着部(不図示)の面積、及び、面積率は、腹側内層シート31の融着部31aに等しい。
続いて、複合シート60の溶着部分について説明する。図6は、複合シート60に形成される溶着部60aのパターンの一例を示す図である。図7は、複合シート60,70の構成を説明するための図である。なお、図7の左側の図は正面図であり、図7の右側の図は側面図である。複合シート60は厚さ方向に重ねられたシート同士(ここでは腹側内層シート31と腹側補強シート32)が、複数の溶着部60aにより間欠的に溶着されて互いに接合されている。
溶着部60aは、腹側補強シート32の融着部32aと同様の矩形状(長辺0.5mm及び短辺0.3mm)のパターンである。複合シート60には、溶着部60aが上下方向に並ぶドット列60L1とドット列60L2が形成されている。ドット列60L1は、溶着部60aを、長辺が左右方向に沿うようにした状態から、時計回りに45度回転させたパターンが上下方向に間隔を空けて複数並んだものである。ドット列60L2は、溶着部60aを、長辺が左右方向に沿うようにした状態から、反時計回りに45度回転させたパターンが上下方向に間隔を空けて複数並んだものである。ドット列60L2の各融着部60aは、上下方向において、ドット列60L1の上下に隣接する融着部60aの間(中間)に位置している。このようなドット列60L1と、ドット列60L2とが左右方向に1列おきにそれぞれ並んで形成されており、これにより、上下方向及び左右方向に千鳥状のパターンとなっている。このように溶着部60aを等間隔で均一な千鳥配列にしているので、大きな非接合領域や集中した溶着領域がない。これにより、均一な強度を出すことができ、硬くなることなく破損を抑制できる。
溶着部60aの1個当たりの面積は、0.15mm(=0.5mm×0.3mm)である。また、溶着部60aの面積率は、4mm×4mmの範囲内に2個の割合であるので、(0.15mm)×2/(4mm×4mm)×100=1.88%である。
このように、本実施形態では、溶着部60aの面積及び面積率が、腹側内層シート31の融着部31aの面積及び面積率よりも小さい。これにより、シートの柔らかい風合いをより維持することができ、身体へのフィット性を向上できる。
なお、本実施形態では、腹側内層シート31の融着部31aの面積及び面積率が、それぞれ、溶着部60aの面積及び面積率よりも大きく形成されていたが、面積と面積率の何れか一方が小さくてもよい。また、腹側補強シート32の融着部32aの面積及び面積率が、溶着部60aの面積及び面積率の少なくとも一方よりも小さくてもよい。望ましくは、溶着部60aの面積、面積率が、腹側内層シート31の融着部31aの面積、面積率よりも共に小さいか、腹側補強シート32の融着部32aの面積、面積率よりも共に小さいとよい。
溶着部60aは、厚さ方向に重ねられた2枚のシート(ここでは、腹側内層シート31と腹側補強シート32)に、超音波溶着(ソニックシール)や熱溶着(ヒートシール)等の溶着が行われて形成される。具体的には、上記2枚のシートが搬送方向(例えば、長手方向)に搬送される間に、搬送方向と直交する方向(例えば、左右方向)に沿って回転軸が設置されたエンボスローラーの外周面に設けられた突起パターンを用いて溶着が行われ、溶着部60aが形成される。なお、本実施形態では、超音波溶着によって溶着部60aを形成している。超音波溶着では、熱溶着と比べてより風合いを保つことができる。なお、溶着部60aは、溶着跡が各シートの非肌側の面につくように形成されている。
図7に示すように、腹側補強シート32は、腹側内層シート31よりも上下方向の長さが短く、また腹側内層シート31の左右方向の両端まで延びる長細い長方形形状である。腹側補強シート32は、腹側内層シート31の非肌側の面に重ねられて、複数の溶着部60aにより間欠的に溶着されて接合され、これにより、腹側内層シート31と腹側補強シート32とによる複合シート60が形成される。同様に、後身頃部40の側では、背側内層シート41と背側補強シート42によって複合シート70が形成される。
本実施形態では、溶着部60aの形成範囲(上下方向の形成範囲)を、腹側補強シート32の上下方向の長さよりも長くしている。具体的には、本実施形態では腹側補強シート32の上下に約5mmずつ外側(図7においてRAで示す範囲)まで溶着部60aを形成している。このように腹側補強シート32の上下端部を跨るように溶着部60aを形成することで、使用中の腹側補強シート32の撚れやめくれを防止することができ、腹側補強シート32を配置した領域を確実に補強することができる。なお、本実施形態では、溶着部60aは腹側補強シート32の上下端部の両方を跨るように形成されているが、少なくとも左右方向の一部で上下端部の少なくとも一方を跨るように形成されていれば、撚れやめくれを防止することができる。
複合シート60の形成後、複合シート60の非肌側の面に、接着剤が塗布された腹側胴回り弾性部材34及びウエスト弾性部材35を上下方向に間隔を空けて配置し、その接着剤を介して腹側外層シート33と複合シート60(腹側内層シート31及び腹側補強シート32)を接合する。これにより、厚さ方向の肌側から非肌側に向かって、腹側内層シート31、腹側補強シート32、腹側外層シート33が順に並んだ積層部30sが形成される。このように本実施形態では、腹側胴回り弾性部材34に塗布された接着剤でシート同士を接合しているので、無駄に接着剤を塗布する必要がない。また、隣接する腹側胴回り弾性部材34の間には、接着剤の無い部位(腹側内層シート31と複合シート60とが接着されていない部位)がある。これにより、接着剤を効率的に使用できる。また、より柔らかくすることができる。
また、上下方向において、積層部30sの少なくとも一部は、胴回り開口BHの縁に沿って複数のウエスト弾性部材35が設けられた伸縮領域(第1伸縮領域に相当)と、一対の脚回り開口HLの縁に沿って複数の脚回り弾性部材36が設けられた伸縮領域(第2伸縮領域に相当)の間に設けられている。これにより、使用中に力がかかりやすい部位を補強することができる。
また、前述したように、腹側外層シート33は、前身頃部30の上端30eu(換言すると胴回り開口BHの縁)で厚さ方向の肌側の下方に折り返され、折り返し部33fが形成されている。図3に示すように、積層部30sの上端(換言すると腹側補強シート32の上端)は、腹側外層シート33の折り返し部33fの下端よりも上に位置している。これにより、折り返し部33fと積層部30sの間に、2枚のシート(腹側内層シート31と腹側外層シート33)のみの領域が無いので、より確実に補強することができる。
また、本実施形態では、腹側補強シート32の上端が、最も下側のウエスト弾性部材35よりも上に位置している。すなわち、腹側補強シート32とウエスト弾性部材35とが一部重なっている。これにより、さらに指が入りにくくすることができる。なお、腹側補強シート32の上端が、最も下側のウエスト弾性部材35よりも下側であってもよい。ただし、その場合、最も下側のウエスト弾性部材35との間隔が5mm以下であることが望ましい。これにより、指が突き刺さることを防止できる。
後身頃部40の側の構成も前身頃部30側と同様である。すなわち、背側内層シート41に背側補強シート42を重ねて、背側補強シート42の上下に約5mmずつ外側(図7においてRBで示す範囲)まで溶着部(不図示:溶着部60aと同様)を形成する。これにより、背側内層シート41と背側補強シート42が、複数の溶着部により間欠的に溶着された複合シート70が形成される。そして、複合シート70の非肌側の面に接着剤が塗布された腹側胴回り弾性部材44を上下方向に間隔を空けて配置し、その接着剤を介して背側外層シート43と複合シート70(背側内層シート41、背側補強シート42)を接合している。これにより、厚さ方向の肌側から非肌側に向かって、背側内層シート41、背側補強シート42、背側外層シート43が順に並んだ積層部40sが形成されている。
なお、本実施形態では、図2、図3に示すように、積層部40sの上下方向の長さ(換言すると背側補強シート42の上下方向の長さ)を、積層部30sの上下方向の長さ(換言すると腹側補強シート32の上下方向の長さ)よりも長くしている。具体的には、積層部30sの下端が、腹側胴回り部1Aの上下方向の中央よりも上に位置しているのに対し、積層部40sの下端は、背側胴回り部1Cの上下方向の中央よりも下に位置している。これは、後側(背側)は引き上げ時に指で力を入れやすい領域が広い(臀部の出っ張り分引き上げにくい)ためである。これにより、効果的に補強することができる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのは言うまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
前述の実施形態では、腹側胴回り弾性部材34などの弾性部材として、糸ゴムを用いる例について説明されていたが、これらの弾性部材は所謂糸ゴム等の線状弾性部材に限られるものではない。例えば、所定の幅を有する平面状(帯状の)弾性部材が用いられてもよい。
前述の実施形態では、前身頃部30と後身頃部40にそれぞれ積層部30s、積層部40sを設けて、腹側と背側の両方を補強していたが、何れか一方のみでもよい。例えば背側(後身頃部40側)のみを補強してもよい。また、前述の実施形態では、胴回り開口BHに近い部位を補強していたが、一対の脚回り開口LHの近くの部位を補強してもよい。すなわち、脚回り弾性部材36,46を積層部30s,40sの弾性部材としてもよい。この場合も脚回り弾性部材36,46の周囲に接着剤を塗布して、シート同士を接合するようにしてもよい。これにより、股間部1Bの風合いと強度を維持できる。
前述の実施形態では補強シート(例えば、腹側補強シート32)が、内層シート(例えば、腹側内層シート31)と外層シート(例えば、腹側外層シート33)の間に配置されていたが、補強シートが最も肌側(内側)に配置されていてもよい。この場合、補強シートが第1シート部材に相当し、内層シートが第2シート部材に相当する。また、この場合、補強シートと内層シートを接合する溶着部を、補強シートの上下両端部を跨るように形成することがより望ましい。これにより、補強シートのめくれ上がりを防止でき、確実に上下方向の端までの強度を維持できる。
前身頃部30において吸収性本体10と重なる領域は、溶着部60aの面積や面積率を、他の領域よりも小さくなるようにしてもよい(後身頃部40についても同様)。吸収性本体10と重なる領域は使用中に破れにくいので、溶着部の面積や面積率を小さくでき、これにより、柔軟性をより向上することができる。
複合シート(例えば複合シート60)を構成する2枚のシート(例えば、腹側内層シート31と腹側補強シート32)の何れか一方を伸縮性不織布で構成してもよい。内側のシート(腹側内層シート31)を伸縮性不織布とした場合、伸縮性不織布1枚では不足する強度を腹側補強シート32で補強でき、伸縮性不織布の効果を発揮できる。また、材料コストを低減できる。
また、中間のシート(腹側補強シート32)を伸縮性不織布で構成した場合、伸縮素材の風合い、伸縮性を損なうことなく、柔らかな肌触りとなる。
各シートの表面に形成されるエンボス(融着部)及びシート同士を接合する溶着部のパターンの形状は前述したものには限られない。例えば、正方形、円形、多角形などの形状でもよい。また、上下方向、及び、左右方向に並ぶパターンの配置(配列)が千鳥状でなくてもよい。例えば格子状でもよい。
1 パンツ型使い捨ておむつ(パンツ型吸収性物品)、
1A 腹側胴回り部、1B 股間部、1C 背側胴回り部、
10 吸収性本体、
11 トップシート、12 セカンドシート、
13 吸収性コア、13a 上層コア、13b 下層コア、
14 バックシート、15 クロッチ弾性部材被覆シート、
16 クロッチ伸縮部、161 クロッチ弾性部材、
20 股下外装部(外装部材)、
30 前身頃部(外装部材)、30s 積層部、
30es 腹側サイド接合部、30eu 上端、
31 腹側内層シート(第1シート部材)、31a 融着部、
32 腹側補強シート(第2シート部材)、32a 融着部、
33 腹側外層シート(第3シート部材)、33f 折り返し部、
34 腹側胴回り弾性部材(弾性部材)、
35 ウエスト弾性部材、
36 脚回り弾性部材、
40 後身頃部(外装部材)、40s 積層部、
40es 背側サイド接合部、40eu 上端、
41 背側内層シート(第1シート部材)、
42 背側補強シート(第2シート部材)、
43 背側外層シート(第3シート部材)、43f 折り返し部、
44 腹側胴回り弾性部材(弾性部材)、
45 ウエスト弾性部材、
46 脚回り弾性部材、
60 複合シート、60a 溶着部、
70 複合シート、
BH 胴回り開口、LH 脚回り開口、
CL10 所定位置

Claims (13)

  1. 互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、
    吸収性コアを有する吸収性本体と、
    前記吸収性本体に接合された外装部材と、
    を備え、胴回り開口及び一対の脚回り開口が形成されたパンツ型吸収性物品であって、
    前記外装部材は、厚さ方向の肌側から非肌側に向かって、第1シート部材、第2シート部材、及び、第3シート部材が順に積層された積層部を有し、
    前記第1シート部材と前記第2シート部材は、複数の溶着部によって、間欠的に溶着されて接合されており、
    前記第2シート部材と前記第3シート部材との間には弾性部材が配置されているともに、前記第2シート部材と前記第3シート部材は接着剤で接合されている、
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  2. 請求項1に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記第2シート部材の前記上下方向の長さは、前記第1シート部材の前記上下方向の長さよりも短く、
    前記複数の溶着部は、少なくとも前記左右方向の一部で第2シート部材の前記上下方向の一方の端部を跨るように形成されている、
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  3. 請求項2に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記複数の溶着部は、前記上下方向及び前記左右方向に千鳥状に配置されている
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記第1シート部材及び前記第2シート部材は、それぞれ、表面に複数の融着部を有し、
    前記積層部の単位面積当たりに設けられている前記溶着部の面積の割合は、前記第1シート部材の単位面積当たりに設けられている前記融着部の面積の割合、又は、前記第2シート部材の単位面積当たりに設けられている前記融着部の面積の割合の少なくとも一方よりも小さい、
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記第1シート部材及び前記第2シート部材は、それぞれ、表面に複数の融着部を有し、
    前記溶着部の1個当たりの面積は、前記第1シート部材の前記融着部の1個当たりの面積、又は、前記第2シート部材の前記融着部の1個当たりの面積の少なくとも一方よりも小さい、
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記外装部材と前記吸収性本体とが重なる領域の単位面積当たりに設けられている前記溶着部の面積の割合は、他の領域の単位面積当たりに設けられている前記溶着部の面積の割合よりも小さい、
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記弾性部材は、前記上下方向に間隔を空けて複数設けられ、
    前記接着剤は、各々の前記弾性部材に塗布されており、
    隣接する前記弾性部材の間には、前記第2シート部材と前記第3シート部材が前記接着剤で接合されていない部位がある、
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記外装部材は、前記胴回り開口の縁に沿った第1伸縮領域、および、前記一対の脚回り開口の縁にそれぞれ沿った一対の第2伸縮領域を備え、
    前記上下方向において、前記積層部の少なくとも一部は前記第1伸縮領域と前記一対の第2伸縮領域の間に設けられている、
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  9. 請求項8項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記第1伸縮領域には、前記上下方向に間隔を空けて配置された複数のウエスト弾性部材が設けられており、
    前記積層部において隣接する前記弾性部材の間隔は、前記第1伸縮領域において隣接する前記ウエスト弾性部材の間隔よりも大きい、
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記外装部材は、着用者の腹側に配される前側胴回り部と、背側に配される後側胴回り部を備え、
    前記積層部は、前記前側胴回り部又は前記後側胴回り部の少なくとも一方に設けられている、
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  11. 請求項10に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記積層部は、前記前側胴回り部と前記後側胴回り部にそれぞれ設けられており、前記後側胴回り部の前記積層部の前記上下方向の長さが、前記前側胴回り部の前記積層部の前記上下方向の長さよりも長い、
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記第3シート部材は前記胴回り開口の縁で前記厚さ方向の肌側の下方に向けて折り返されており、
    前記第2シート部材の前記上下方向の上端は、前記第3シート部材の折り返し部位の下端よりも上に位置している
    ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  13. 吸収性コアを有する吸収性本体と、前記吸収性本体に接合された外装部材と、を備え、胴回り開口及び一対の脚回り開口が形成されたパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    第1シート部材と第2シート部材を、複数の溶着部によって、間欠的に溶着する工程と、
    前記第1シート部材とは反対側の前記第2シート部材の面と、第3シート部材との間に弾性部材を配置し、前記第2シート部材と前記第3シート部材とを接着剤で接合する工程と、
    を有し、前記外装部材の厚さ方向の肌側から非肌側に向かって、第1シート部材、第2シート部材、及び、第3シート部材が順に積層された積層部を形成することを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法。
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