JP2019077644A - 医薬組成物及び医薬組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定なCox−2阻害剤のナノサイズの粒子を含有する医薬組成物及び医薬組成物の製造方法を提供する。【解決手段】平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む医薬組成物、及び医薬組成物の製造方法。【選択図】なし
Description
本開示は、医薬組成物及び医薬組成物の製造方法に関する。
治療上及び予防上の少なくともいずれかに有用なCox−2阻害剤(選択的シクロオキシゲナーゼ−2の阻害効果を有する化合物)が報告されており、特定のCox−2に起因する疾患または当該疾患全般の治療または予防に有用であることが開示されている。Cox−2阻害剤は、経口用の非ステロイド性消炎、鎮痛薬、抗がん剤等に有用であり、その他の薬効も種々検討されている。
多くのCox−2阻害剤は疎水性であって水溶性が低い。経口投与される医薬組成物において、治療効果の早期開始が望まれる場合、水溶性が低いために、消化管内において速やかに吸収し得る溶解性を有しないことが問題となることがある。吸収性が良好なCox−2阻害剤の製剤化を目的とて種々の検討がなされている。
例えば、Cox−2阻害剤が、0.01μm〜200μmのD90サイズを有する粒子であり、1μm以上の粒子が存在しない薬学的組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、セレコキシブが、多孔質のマトリックスの形態で提供され、水性媒体に接触した際には、0.01μm〜5μmの粒子サイズであり、且つ、特定の総表面積を有する、溶解速度が速い粉末が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、セレコキシブの新規な結晶形として、セレコキシブを溶媒に溶解させて、水溶液と接触させることで生成するIV型結晶を含有する医薬組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、セレコキシブの新規な結晶形として、セレコキシブを溶媒に溶解させて、水溶液と接触させることで生成するIV型結晶を含有する医薬組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
上述の通り、水溶性に乏しいCox−2阻害剤を医薬組成物に適用する際に、粒子径に着目した提案がなされている。
しかし、特許文献1に記載のCox−2阻害剤は、1μm以下の粒子径を有してはいるが、例えば、経口摂取した際の吸収性を向上させ得ると考えられているナノオーダーの粒子径を実現するには至っていない。さらに、Cox−2阻害剤の粒子を含む粉末製剤についての検討もなされていない。
特許文献2に記載の組成物は、セレコキシブの粉末を有機溶剤系から溶媒留去により作製しており残留溶媒の懸念がある。さらに、特許文献1と同様にナノオーダーのセレコキシブ粒子を得るに至っていない。
特許文献3に記載のセレコキシブの結晶形は従来よりも微細ではあるが、実施例に記載のセレコキシブ粒子の平均粒子径はいずれも1μm以上であり、ナノオーダーのセレコキシブ粒子を得るには至っていない。さらに、賦形剤と共存させて固体製剤として製剤化する点についても考慮されていない。
しかし、特許文献1に記載のCox−2阻害剤は、1μm以下の粒子径を有してはいるが、例えば、経口摂取した際の吸収性を向上させ得ると考えられているナノオーダーの粒子径を実現するには至っていない。さらに、Cox−2阻害剤の粒子を含む粉末製剤についての検討もなされていない。
特許文献2に記載の組成物は、セレコキシブの粉末を有機溶剤系から溶媒留去により作製しており残留溶媒の懸念がある。さらに、特許文献1と同様にナノオーダーのセレコキシブ粒子を得るに至っていない。
特許文献3に記載のセレコキシブの結晶形は従来よりも微細ではあるが、実施例に記載のセレコキシブ粒子の平均粒子径はいずれも1μm以上であり、ナノオーダーのセレコキシブ粒子を得るには至っていない。さらに、賦形剤と共存させて固体製剤として製剤化する点についても考慮されていない。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、安定なCox−2阻害剤のナノサイズの粒子を含有する医薬組成物を提供することである。
本発明の別の一実施形態の課題は、安定なCox−2阻害剤のナノサイズの粒子を含有する医薬組成物の製造方法を提供することである。
本発明の別の一実施形態の課題は、安定なCox−2阻害剤のナノサイズの粒子を含有する医薬組成物の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するための手段は以下の実施形態を含む。
<1> 平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む医薬組成物。
<2> 分散剤が、分子量5万以下のヒドロキシプロピルセルロースを含有する<1>に記載の医薬組成物。
<3> Cox−2阻害剤の粒子の平均粒子径が50nm〜200nmである<1>又は<2>に記載の医薬組成物。
<4> Cox−2阻害剤がセレコキシブである<1>〜<3>のいずれか1つに記載の医薬組成物。
<1> 平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む医薬組成物。
<2> 分散剤が、分子量5万以下のヒドロキシプロピルセルロースを含有する<1>に記載の医薬組成物。
<3> Cox−2阻害剤の粒子の平均粒子径が50nm〜200nmである<1>又は<2>に記載の医薬組成物。
<4> Cox−2阻害剤がセレコキシブである<1>〜<3>のいずれか1つに記載の医薬組成物。
<5> 固体製剤である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の医薬組成物。
<6> さらに、マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースからなる群より選ばれる少なくとも1種の賦形剤を含む<5>に記載の医薬組成物。
<7> さらに、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む<5>又は<6>に記載の医薬組成物。
<8> 錠剤である<5>〜<7>のいずれか1つに記載の医薬組成物。
<6> さらに、マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースからなる群より選ばれる少なくとも1種の賦形剤を含む<5>に記載の医薬組成物。
<7> さらに、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む<5>又は<6>に記載の医薬組成物。
<8> 錠剤である<5>〜<7>のいずれか1つに記載の医薬組成物。
<9> Cox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む混合液を、メディア分散処理して、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子を得る工程を含む医薬組成物の製造方法。
<10> Cox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む混合液を、メディア分散処理して、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子を含む液状組成物を得る工程と、得られた液状組成物と、マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースから選ばれる少なくとも1種の賦形剤とを混合して得られた混合物を、噴霧乾燥法により乾燥して造粒物を得る工程と、を含む医薬組成物の製造方法。
<11> 得られた造粒物を打錠して固形製剤を得る工程をさらに含む<10>に記載の医薬組成物の製造方法。
<10> Cox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む混合液を、メディア分散処理して、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子を含む液状組成物を得る工程と、得られた液状組成物と、マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースから選ばれる少なくとも1種の賦形剤とを混合して得られた混合物を、噴霧乾燥法により乾燥して造粒物を得る工程と、を含む医薬組成物の製造方法。
<11> 得られた造粒物を打錠して固形製剤を得る工程をさらに含む<10>に記載の医薬組成物の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、安定なCox−2阻害剤のナノサイズの粒子を含有する医薬組成物を提供することができる。
本発明の別の一実施形態によれば、安定なCox−2阻害剤のナノサイズの粒子を含有する医薬組成物の製造方法を提供することができる。
本発明の別の一実施形態によれば、安定なCox−2阻害剤のナノサイズの粒子を含有する医薬組成物の製造方法を提供することができる。
以下、本開示の医薬組成物及び医薬組成物の製造方法について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されない。
なお、本明細書において、数値範囲を示す「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されない。
なお、本明細書において、数値範囲を示す「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
<医薬組成物>
本開示の医薬組成物は、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む。
以下、医薬組成物に含まれる各成分について、順次説明する。
本開示の医薬組成物は、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む。
以下、医薬組成物に含まれる各成分について、順次説明する。
(Cox−2阻害剤)
選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害効果を有する化合物(Cox−2阻害剤)は、経口用の非ステロイド性消炎、鎮痛薬、抗がん剤等に有用であり、その他の薬効として、例えば、アレルギー性鼻炎の緩和、炎症関連性循環器疾患、血管形成関連疾患等の治療及び予防などへの適用が検討されている。
本開示の医薬組成物に使用されるCox−2阻害剤にはとくに制限はなく、選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害効果を有する化合物であれば、いずれも使用することができる。
Cox−2阻害剤としては、例えば、セレコキシブ(4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド)、デラコキシブ(4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド)、ヴァルデコキシブ(4-(5-メチル−3−フェニル−1,2−オキサゾール−4−イル)ベンゼン−スルホンアミド)、ロフェコキシブ(4−(4−メタンスルホニルフェニル)−3−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−オン)、エトドラク(2−[1RS]−1,8−ジエチル−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール−1−イル)酢酸)、メロキシカム(4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(5−メチル−2−チアゾリル)−2H−1,2−ベンゾチアジン−3−カルボキサミド−1,1−ジオキシド)、5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン、2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−シクロペンテン−1−オン、(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸等が挙げられる。これらの化合物は、ナトリウム塩など、薬学的に許容される塩の形態であってもよい。
なかでも、セレコキシブ、ヴァルデコキシブ、エトドラク、メロキシカムが、Cox−2阻害活性の選択性が高く、消化管内での副作用が小さい観点から好ましく、セレコキシブがより好ましい。
選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害効果を有する化合物(Cox−2阻害剤)は、経口用の非ステロイド性消炎、鎮痛薬、抗がん剤等に有用であり、その他の薬効として、例えば、アレルギー性鼻炎の緩和、炎症関連性循環器疾患、血管形成関連疾患等の治療及び予防などへの適用が検討されている。
本開示の医薬組成物に使用されるCox−2阻害剤にはとくに制限はなく、選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害効果を有する化合物であれば、いずれも使用することができる。
Cox−2阻害剤としては、例えば、セレコキシブ(4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド)、デラコキシブ(4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド)、ヴァルデコキシブ(4-(5-メチル−3−フェニル−1,2−オキサゾール−4−イル)ベンゼン−スルホンアミド)、ロフェコキシブ(4−(4−メタンスルホニルフェニル)−3−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−オン)、エトドラク(2−[1RS]−1,8−ジエチル−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール−1−イル)酢酸)、メロキシカム(4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(5−メチル−2−チアゾリル)−2H−1,2−ベンゾチアジン−3−カルボキサミド−1,1−ジオキシド)、5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン、2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−シクロペンテン−1−オン、(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸等が挙げられる。これらの化合物は、ナトリウム塩など、薬学的に許容される塩の形態であってもよい。
なかでも、セレコキシブ、ヴァルデコキシブ、エトドラク、メロキシカムが、Cox−2阻害活性の選択性が高く、消化管内での副作用が小さい観点から好ましく、セレコキシブがより好ましい。
Cox−2阻害剤は、本開示の医薬組成物に平均粒子径50nm〜500nmの粒子形状で含まれる。Cox−2阻害剤の平均粒子径は、50nm〜400nmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましく、50nm〜200nmがさらに好ましい。
本明細書においては、Cox−2阻害剤の平均粒子径は、分散液中の粒子径を動的光散乱法により測定し、得られたチャンネルごとの粒子径を、粒子径の小さい方から累積し、累積50%になったところの体積平均粒子径の値(以下、D50又は単に平均粒子径と称することがある)として求めた値を採用している。粒子径測定装置としては、例えば濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000(商品名、大塚電子(株)製)、粒子径分布測定装置ナノトラック(商品名、マイクロトラック・ベル(株)製)、動的光散乱式粒径分布測定装置 LB−500(商品名、(株)堀場製作所製)、ゼータサイザーナノ(商品名、マルバーンインスツルメント製)を用いることができる。
Cox−2阻害剤の平均粒子径が上記範囲において、薬効成分であるCox−2阻害剤の体内への吸収性は良好となり、速やかな薬効の発現が期待できる。
本明細書においては、Cox−2阻害剤の平均粒子径は、分散液中の粒子径を動的光散乱法により測定し、得られたチャンネルごとの粒子径を、粒子径の小さい方から累積し、累積50%になったところの体積平均粒子径の値(以下、D50又は単に平均粒子径と称することがある)として求めた値を採用している。粒子径測定装置としては、例えば濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000(商品名、大塚電子(株)製)、粒子径分布測定装置ナノトラック(商品名、マイクロトラック・ベル(株)製)、動的光散乱式粒径分布測定装置 LB−500(商品名、(株)堀場製作所製)、ゼータサイザーナノ(商品名、マルバーンインスツルメント製)を用いることができる。
Cox−2阻害剤の平均粒子径が上記範囲において、薬効成分であるCox−2阻害剤の体内への吸収性は良好となり、速やかな薬効の発現が期待できる。
Cox−2阻害剤の平均粒子径は、Cox−2阻害剤と後述の分散剤の種類、含有量及び分散条件などを制御することで、適宜調整することができる。
なお、上記Cox−2阻害剤の平均粒子径は、医薬組成物を調製した後の粒子径であり、医薬組成物を調製に用いるCox−2阻害剤原料の粒子径は必ずしも上記範囲である必要はない。
本開示の医薬組成物におけるCox−2阻害剤の含有量は、薬学的に許容される範囲内において、治療又は予防の目的に応じて適宜選択することができる。
一般的には、医薬組成物の1回の投与量として25mg〜500mgの範囲とすることができ、50mg〜400mgの範囲が好ましく、100mg〜300mgの範囲がより好ましい。
一般的には、医薬組成物の1回の投与量として25mg〜500mgの範囲とすることができ、50mg〜400mgの範囲が好ましく、100mg〜300mgの範囲がより好ましい。
<分散剤>
本開示の医薬組成物は、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤(以下、特定分散剤又は単に分散剤と称することがある)を含む。
これら分散剤と共存することで、既述のCox−2阻害剤は、ナノサイズの平均粒子径を有する粒子の形態で、医薬組成物中に安定に存在する。
分散剤としては、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
ヒドロキシプロピルセルロースは、分子量が10万以下であり、5万以下であることが好ましい。即ち、本開示の医薬組成物は、分散剤として分子量5万以下のヒドロキシプロピルセルロースを含むことが好ましい。
分散剤の分子量の下限値には、特に制限はないが、効果の観点からは、1万以上とすることができる。
分散剤の分子量は、市販品を用いる場合には、市販品のカタログ値を採用すればよい。
分散剤の分子量を直接測定する方法としては、ゲルパーパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いる方法が挙げられる。
例えば、水溶性高分子の分子量は、GPCを用いて、ポリスチレン(PST)あるいはプルラン換算の重量平均分子量の値として求めることができる。この方法を適用して重量平均分子量を測定する際、測定用の溶離液にPSTが溶解する場合には、PST換算で測定し、溶離液にプルランが溶解する場合には、プルラン換算で測定すればよい。
本開示の医薬組成物は、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤(以下、特定分散剤又は単に分散剤と称することがある)を含む。
これら分散剤と共存することで、既述のCox−2阻害剤は、ナノサイズの平均粒子径を有する粒子の形態で、医薬組成物中に安定に存在する。
分散剤としては、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
ヒドロキシプロピルセルロースは、分子量が10万以下であり、5万以下であることが好ましい。即ち、本開示の医薬組成物は、分散剤として分子量5万以下のヒドロキシプロピルセルロースを含むことが好ましい。
分散剤の分子量の下限値には、特に制限はないが、効果の観点からは、1万以上とすることができる。
分散剤の分子量は、市販品を用いる場合には、市販品のカタログ値を採用すればよい。
分散剤の分子量を直接測定する方法としては、ゲルパーパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いる方法が挙げられる。
例えば、水溶性高分子の分子量は、GPCを用いて、ポリスチレン(PST)あるいはプルラン換算の重量平均分子量の値として求めることができる。この方法を適用して重量平均分子量を測定する際、測定用の溶離液にPSTが溶解する場合には、PST換算で測定し、溶離液にプルランが溶解する場合には、プルラン換算で測定すればよい。
特定分散剤は、市販品を用いることができる。
ヒドロキシプロピルセルロースの市販品としては、NISSO HPC−SSL(商品名、分子量:4万)、NISSO HPC−SL(商品名、分子量:10万、以上、日本曹達(株)製)、Klucel ELF Pharm(商品名、分子量:4万)、Klucel EF Pharm(商品名、分子量:8万)、Klucel LF Pharm(商品名、分子量:9.5万、以上、Ashland社製)等が挙げられる。
ポリビニルピロリドンとしては、Kollidon 25(商品名、分子量:2.8万〜3.4万)、Kollidon 30(商品名、分子量:4.4万〜5.4万、以上BASF社製)、Plasodone K−25(商品名、分子量:3.4万)、Plasodone K−29/32(商品名、分子量:5.8万、以上、Ashland社製)等が挙げられる。
ヒドロキシプロピルセルロースの市販品としては、NISSO HPC−SSL(商品名、分子量:4万)、NISSO HPC−SL(商品名、分子量:10万、以上、日本曹達(株)製)、Klucel ELF Pharm(商品名、分子量:4万)、Klucel EF Pharm(商品名、分子量:8万)、Klucel LF Pharm(商品名、分子量:9.5万、以上、Ashland社製)等が挙げられる。
ポリビニルピロリドンとしては、Kollidon 25(商品名、分子量:2.8万〜3.4万)、Kollidon 30(商品名、分子量:4.4万〜5.4万、以上BASF社製)、Plasodone K−25(商品名、分子量:3.4万)、Plasodone K−29/32(商品名、分子量:5.8万、以上、Ashland社製)等が挙げられる。
分散剤の含有量は、医薬組成物に含まれるCox−2阻害剤100質量部に対して、5質量部〜120質量部の範囲であることが好ましく、10質量部〜100質量部の範囲であることがより好ましい。
分散剤の含有量が上記範囲において、得られる医薬組成物中のCox−2阻害剤の粒子がより安定に分散され、粒子の凝集がより効果的に抑制される結果、平均粒子径が50nm〜500nmの範囲となり易い。
分散剤の含有量が上記範囲において、得られる医薬組成物中のCox−2阻害剤の粒子がより安定に分散され、粒子の凝集がより効果的に抑制される結果、平均粒子径が50nm〜500nmの範囲となり易い。
本開示の医薬組成物は、既述の特定分散剤と組み合わせる分散助剤を用いてもよい。分散助剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリソルベート80、ポリソルベート65、ポリソルベート40、ポリソルベート20、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、プルロニック類、ラウリル硫酸ナトリウム、デスオキシコール酸ナトリウム等が挙げられる。
医薬組成物を調製する方法としては、分散剤を溶解した溶液に、Cox−2阻害剤を添加して分散処理する方法が挙げられる。しかし、調製方法はこれに限定されない。なお、医薬組成物の好ましい調製方法の詳細については、後述する。
本開示の医薬組成物の剤型は、生体に投与可能な形態であれば、特に制限はない。
剤型としては、例えば、経口投与可能な剤型としては、錠剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、液剤、シロップ剤などが、また、経皮投与可能な剤型としてはローション剤、クリーム剤などが挙げられる。
錠剤には、チュアブル錠、トローチ剤、ドロップ剤、口腔内で速やかに溶解、崩壊し、水なしでも服用できる粒状物を含み、さらに、用時溶解して用いる発泡錠等の再溶解錠を含む。
顆粒剤、散剤および細粒剤は、用時溶解して用いるドライシロップ剤を含み、また、口腔内で速やかに溶解、崩壊し、水なしでも服用できる粒状物、所謂口腔内崩壊錠を含む。
液剤及びシロップ剤は、さらに、薬学的に許容される種々の分散媒を含んでもよい。
本開示の医薬組成物は、後述するように再分散性が良好であるため、保存性がより良好で、容易に携帯しうるという観点から、固形製剤であることが好ましい。
固形製剤としては、製造性及び保存性が良好であり、必要量を服用し易いという観点から、錠剤が好ましい。
剤型としては、例えば、経口投与可能な剤型としては、錠剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、液剤、シロップ剤などが、また、経皮投与可能な剤型としてはローション剤、クリーム剤などが挙げられる。
錠剤には、チュアブル錠、トローチ剤、ドロップ剤、口腔内で速やかに溶解、崩壊し、水なしでも服用できる粒状物を含み、さらに、用時溶解して用いる発泡錠等の再溶解錠を含む。
顆粒剤、散剤および細粒剤は、用時溶解して用いるドライシロップ剤を含み、また、口腔内で速やかに溶解、崩壊し、水なしでも服用できる粒状物、所謂口腔内崩壊錠を含む。
液剤及びシロップ剤は、さらに、薬学的に許容される種々の分散媒を含んでもよい。
本開示の医薬組成物は、後述するように再分散性が良好であるため、保存性がより良好で、容易に携帯しうるという観点から、固形製剤であることが好ましい。
固形製剤としては、製造性及び保存性が良好であり、必要量を服用し易いという観点から、錠剤が好ましい。
本開示の医薬組成物は、効果を妨げない限りにおいて、一般に用いられる種々の製剤添加物を含んでいてもよい。
製剤添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、着香剤、甘味剤および矯味剤等を挙げることができる。
製剤添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、着香剤、甘味剤および矯味剤等を挙げることができる。
本開示の医薬組成物が固形製剤である場合、安定な剤型を維持するため、賦形剤を含むことが好ましい。
賦形剤としては、糖類(例えば、グルコース、乳糖、スクロース、マルトース、トレハロース、デキストリン、シクロデキストリン、白糖等)、糖アルコール(例えば、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール等)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等)、結晶セルロース、カルシウム塩(例えば、無水リン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸、アミノ酸類(例えば、グリシン、アラニン、アスパラギン、トリプロファン等) 等が挙げられる。
なお、マンニトールは光学活性物質であり、d体、l体、ラセミ体などが存在するが、天然に多く存在するd−マンニトールが賦形剤として好適である。
賦形剤としては、崩壊性とCox-2阻害剤の凝集抑制の観点から、糖類もしくは糖アルコール類が好ましい。なかでも、本開示の医薬組成物は、d−マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースからなる群より選ばれる少なくとも1種の賦形剤を含むことが好ましい。
賦形剤としては、糖類(例えば、グルコース、乳糖、スクロース、マルトース、トレハロース、デキストリン、シクロデキストリン、白糖等)、糖アルコール(例えば、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール等)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等)、結晶セルロース、カルシウム塩(例えば、無水リン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸、アミノ酸類(例えば、グリシン、アラニン、アスパラギン、トリプロファン等) 等が挙げられる。
なお、マンニトールは光学活性物質であり、d体、l体、ラセミ体などが存在するが、天然に多く存在するd−マンニトールが賦形剤として好適である。
賦形剤としては、崩壊性とCox-2阻害剤の凝集抑制の観点から、糖類もしくは糖アルコール類が好ましい。なかでも、本開示の医薬組成物は、d−マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースからなる群より選ばれる少なくとも1種の賦形剤を含むことが好ましい。
本開示の医薬組成物は、水溶性高分子を含むことができる。水溶性高分子は、既述の特定分散剤と併用してナノ粒子の分散安定性を向上させることができる。また、固形製剤において結合剤として機能し、固形製剤の安定性を高め、且つ、固形製剤が経口摂取された場合には、速やかに溶解して医薬組成物に含まれる成分を再分散させることができる。
水溶性高分子としては、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、ヒドロキシプロピルスターチ、デキストリン、カルボマー(ポリアクリル酸)、ビニルピロリドン重合体(例えば、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等)、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらのなかでも、水溶性高分子としては、セルロース誘導体、ビニルピロリドン重合体、ポリビニルアルコールが好ましい。
より具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースがより好ましく、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースがさらに好ましい。
なお、水溶性高分子として固形製剤に用い得る上記ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルピロリドンは、既述の分散剤と同じ化合物であってもよく、分子量が10万を超える高分子であってもよい。
水溶性高分子としては、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、ヒドロキシプロピルスターチ、デキストリン、カルボマー(ポリアクリル酸)、ビニルピロリドン重合体(例えば、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等)、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらのなかでも、水溶性高分子としては、セルロース誘導体、ビニルピロリドン重合体、ポリビニルアルコールが好ましい。
より具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースがより好ましく、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースがさらに好ましい。
なお、水溶性高分子として固形製剤に用い得る上記ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルピロリドンは、既述の分散剤と同じ化合物であってもよく、分子量が10万を超える高分子であってもよい。
医薬組成物は、崩壊剤を含有してもよい。固形製剤としての医薬組成物が崩壊剤を含有することで、経口摂取された固体製剤がより速やかに崩壊し、早期の薬効発現が期待できる。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、クロスポピドン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムなどが挙げられる。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、クロスポピドン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムなどが挙げられる。
医薬組成物は、外観及び経口摂取する際の感触向上を目的として、滑沢剤、着色剤、着香剤、甘味剤、矯味剤等を含有してもよい。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
着色剤としては、食用黄色5号色素、食用赤色2号色素、食用青色2号色素、食用レーキ色素、黄色三二酸化鉄、酸化チタンなどの可食着色剤を挙げることができる。
着香剤としては、オレンジ、レモン、その他の経口摂取可能な各種香料などを挙げることができる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
着色剤としては、食用黄色5号色素、食用赤色2号色素、食用青色2号色素、食用レーキ色素、黄色三二酸化鉄、酸化チタンなどの可食着色剤を挙げることができる。
着香剤としては、オレンジ、レモン、その他の経口摂取可能な各種香料などを挙げることができる。
甘味剤としては、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウムなどを挙げることができる。なかでも、アスパルテームはpH調整剤としてナトリウム塩を添加した際、その添加によって生じる塩味を打ち消す効果があり、好ましい。
医薬組成物がアスパルテームを含有する場合の含有量は、固形製剤の全質量に対して、0.01質量%〜2質量%とすることができる。
矯味剤としては、L−メントール、カンフル、ハッカ、L−グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸二ナトリウム、塩化マグネシウムなどを挙げることができる。
なかでも、L−メントールは、清涼感があり、苦味改善効果が向上することから、好ましい。
医薬組成物がL−メントールを含有する場合の含有量は、固形製剤の全質量に対して、0.01質量%〜2質量%とすることができる。
医薬組成物がアスパルテームを含有する場合の含有量は、固形製剤の全質量に対して、0.01質量%〜2質量%とすることができる。
矯味剤としては、L−メントール、カンフル、ハッカ、L−グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸二ナトリウム、塩化マグネシウムなどを挙げることができる。
なかでも、L−メントールは、清涼感があり、苦味改善効果が向上することから、好ましい。
医薬組成物がL−メントールを含有する場合の含有量は、固形製剤の全質量に対して、0.01質量%〜2質量%とすることができる。
既述の製剤添加物は、医薬組成物の製造に際して、適宜、適当な工程で添加すればよい。
<医薬組成物の製造方法>
既述の本開示の医薬組成物の製造方法には特に制限はなく、公知の方法にて製造することができる。なかでも、以下に記載する本開示の医薬組成物の製造方法により製造することが好ましい。
本開示の医薬組成物の製造方法(以下、単に、本開示の製造方法と称することがある)は、Cox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む混合液を、メディア分散処理して、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子を得る工程を含む。
既述の本開示の医薬組成物の製造方法には特に制限はなく、公知の方法にて製造することができる。なかでも、以下に記載する本開示の医薬組成物の製造方法により製造することが好ましい。
本開示の医薬組成物の製造方法(以下、単に、本開示の製造方法と称することがある)は、Cox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む混合液を、メディア分散処理して、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子を得る工程を含む。
上記医薬組成物の製造方法を、本開示の製造方法の第1の実施形態と称する。
以下、本開示の製造方法の第1の実施形態における分散処理について詳述する。
原料として用いるCox−2阻害剤の粒子の平均粒子径は任意である。市販のCox−2阻害剤をそのまま原料として使用してもよい。
好ましくは、まず、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤(特定分散剤)を溶媒に溶解する。溶媒は目的に応じて選択される。なかでも、特定分散剤の溶解性がより良好である点、得られる医薬組成物の処方の自由度がより高い点などを考慮すれば、溶媒としては水を用いることが好ましい。
特定分散剤の溶解に用いられる水は、不純物が少ないという観点から、イオン交換水、純水、超純水、注射用水、精製水等が好ましい。
以下、本開示の製造方法の第1の実施形態における分散処理について詳述する。
原料として用いるCox−2阻害剤の粒子の平均粒子径は任意である。市販のCox−2阻害剤をそのまま原料として使用してもよい。
好ましくは、まず、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤(特定分散剤)を溶媒に溶解する。溶媒は目的に応じて選択される。なかでも、特定分散剤の溶解性がより良好である点、得られる医薬組成物の処方の自由度がより高い点などを考慮すれば、溶媒としては水を用いることが好ましい。
特定分散剤の溶解に用いられる水は、不純物が少ないという観点から、イオン交換水、純水、超純水、注射用水、精製水等が好ましい。
特定分散剤の溶液に、原料としてのCox−2阻害剤を添加した混合液を調製する。なお、以下、Cox−2阻害剤としてセレコキシブを用いた例を挙げて説明するが、これに限定されない。
得られた混合液中のセレコキシブ粒子を、固体分散機を用いて機械的分散処理を行ない、微細なセレコキシブ分散粒子を含む分散物を調製する。
得られた混合液中のセレコキシブ粒子を、固体分散機を用いて機械的分散処理を行ない、微細なセレコキシブ分散粒子を含む分散物を調製する。
分散物の調製に用いられる分散機は、公知の分散機を適宜選択して使用することができる。一般に用いられる固体分散機は、駆動部やメディアを使って分散粒子に直接剪断力を与えるトライポロジー剪断力型分散機と、分散粒子に液媒体を介して剪断力を与えるレオロジー剪断力型分散機がある。
トライポロジー剪断力型分散機としては、固体状の被分散物を含むスラリーを、複数本のロール間を通過させることで分散するロールミル、スラリーに撹拌翼で剪断力を付与するニーダー、スラリー中にビーズ等のメディアを共存させ、メディアを介して剪断力を付与するメディアミル等が挙げられる。
レオロジー剪断力型分散機としては、各種撹拌型分散機、高圧分散機、超音波分散機等が挙げられる。
トライポロジー剪断力型分散機としては、固体状の被分散物を含むスラリーを、複数本のロール間を通過させることで分散するロールミル、スラリーに撹拌翼で剪断力を付与するニーダー、スラリー中にビーズ等のメディアを共存させ、メディアを介して剪断力を付与するメディアミル等が挙げられる。
レオロジー剪断力型分散機としては、各種撹拌型分散機、高圧分散機、超音波分散機等が挙げられる。
本開示の製造方法では、固体状のセレコキシブに直接、高剪断力を付加して分散する機械的分散機を用いることが、微細な分散物粒子を形成し易いという観点から好ましく、トライポロジー剪断力型分散機がより好ましく、メディアミルに代表されるメディア分散機を用いてメディア分散することがさらに好ましい。本開示の製造方法では、メディア分散処理を行なう。
メディア分散機を用いて分散物を調製する場合、セレコキシブ粒子を含む混合物と、目的に応じて選択された素材と粒径を有するメディアとを混合して、メディア分散を行うことで、微細なセレコキシブ粒子が安定に分散された水性分散物を得ることができる。
分散に用いるメディアの材質としては、ジルコニア、アルミナ、ステアタイト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、砂、メノー、鋼球、ステンレス、ガラス等の無機化合物、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド等の高分子樹脂等が挙げられる。なかでも、分散力、耐久性、及びメディアに起因する不純物混入の懸念がないという観点から、ジルコニアビーズが好ましい。
分散に用いるメディアの材質としては、ジルコニア、アルミナ、ステアタイト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、砂、メノー、鋼球、ステンレス、ガラス等の無機化合物、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド等の高分子樹脂等が挙げられる。なかでも、分散力、耐久性、及びメディアに起因する不純物混入の懸念がないという観点から、ジルコニアビーズが好ましい。
メディアに運動力を付加するメディア分散機には、撹拌方式、メディアの分離機構、縦型か横型か、冷却方式等によって種々の分散機が知られているが、特に0.1mmφ以下の微小ビーズの分離機構を備えたビーズミルが好ましい。
0.1mmφ以下の如き微小ビーズ分離機構を有するビーズミル分散機の市販品としては、ウルトラアペックスミル(商品名:寿工業)、スターミル(商品名:アシザワファインテック)、パールミル(商品名:ビューラー)、OBミル(商品名:フロイント産業)、ダイノーミル(商品名:WAB)等が挙げられ、いずれも本開示の医薬組成物の製造方法に使用することができる。なお、分散処理に使用しうる分散装置は既述の例に限定されない。
0.1mmφ以下の如き微小ビーズ分離機構を有するビーズミル分散機の市販品としては、ウルトラアペックスミル(商品名:寿工業)、スターミル(商品名:アシザワファインテック)、パールミル(商品名:ビューラー)、OBミル(商品名:フロイント産業)、ダイノーミル(商品名:WAB)等が挙げられ、いずれも本開示の医薬組成物の製造方法に使用することができる。なお、分散処理に使用しうる分散装置は既述の例に限定されない。
なお、ビーズの分離機構を備えていない分散装置であっても、分散処理後に、ビーズ濾過の後工程を加えることで本開示の製造方法に使用することができる。
本開示の製造方法に使用しうるビーズの分離機構を備えていない分散機としては、ボールミル、サンドグラインダーミル、遊星ボールミルがある。
ボールミルは、回転台の上にスラリーとビーズを入れた磁製、ナイロン製、ポリマー製、ステンレス製等から選ばれる材料により形成されたポットを載せて回転させる分散装置である。
サンドグラインダーミルとしては、スラリーの粘性に応じてアジテーターの形状をピン型、ディスク型に変えることができる形態の装置が多く、レディーミル(商品名:アイメックス)等が知られている。
遊星ボールミルはスラリーとボールを入れたベッセルが自転しながら公転する構造になっており、一般のボールミルより分散効率に優れているが、遊星ボールミルの例としては、遊星型ボールミル(商品名:フリッチュ)、自転・公転ナノ粉砕機NP−100(商品名:シンキー)等が挙げられる。
本開示の製造方法に使用しうるビーズの分離機構を備えていない分散機としては、ボールミル、サンドグラインダーミル、遊星ボールミルがある。
ボールミルは、回転台の上にスラリーとビーズを入れた磁製、ナイロン製、ポリマー製、ステンレス製等から選ばれる材料により形成されたポットを載せて回転させる分散装置である。
サンドグラインダーミルとしては、スラリーの粘性に応じてアジテーターの形状をピン型、ディスク型に変えることができる形態の装置が多く、レディーミル(商品名:アイメックス)等が知られている。
遊星ボールミルはスラリーとボールを入れたベッセルが自転しながら公転する構造になっており、一般のボールミルより分散効率に優れているが、遊星ボールミルの例としては、遊星型ボールミル(商品名:フリッチュ)、自転・公転ナノ粉砕機NP−100(商品名:シンキー)等が挙げられる。
機械的分散処理において、セレコキシブ粒子を含む分散粒子の調製に際してジルコニアビーズを用いたメディア分散処理を行う場合、二段階で分散処理を行うことが好ましい。すなわち、一段目の分散処理はセレコキシブを含む粗大粒子を、ある程度の大きさ、例えば、1μm〜10μm程度まで粉砕する工程である。その後、さらに、微細な粒子を得るための二段目の分散を行なう。
二段階分散を行う際の一段目の分散処理においては、必ずしもメディア分散機を用いなくてもよく、例えば、高速撹拌方式等のレオロジーせん断力型の分散機を使うこともできる。しかしながら、分散効率の観点からは、0.5mmφ以上の比較的大きなビーズを使い、メディア分散機で粗分散を行うことが好ましい。一段目の分散工程、(以下、粗分散工程と称することがある)に続いて、二段目の分散、即ち、本分散を行う。二段目の分散処理には、メディアとして0.3mmφ以下の微小ビーズを用いたメディア分散機を適用することが好ましい。
二段目の分散処理においては、セレコキシブ粒子として、例えば、50nm〜500nm程度まで微細分散する。
二段階分散を行う際の一段目の分散処理においては、必ずしもメディア分散機を用いなくてもよく、例えば、高速撹拌方式等のレオロジーせん断力型の分散機を使うこともできる。しかしながら、分散効率の観点からは、0.5mmφ以上の比較的大きなビーズを使い、メディア分散機で粗分散を行うことが好ましい。一段目の分散工程、(以下、粗分散工程と称することがある)に続いて、二段目の分散、即ち、本分散を行う。二段目の分散処理には、メディアとして0.3mmφ以下の微小ビーズを用いたメディア分散機を適用することが好ましい。
二段目の分散処理においては、セレコキシブ粒子として、例えば、50nm〜500nm程度まで微細分散する。
機械的分散工程において、二段分散処理を行う際、一段目の分散処理である粗分散処理に補助的に用いることのできる、メディア分散機以外の分散機としては、レオロジー剪断力型分散機である、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサー、クレアミックス(商品名:エムテクニック)等の撹拌機、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等を用いることができる。高圧ホモジナイザーとしては、マイクロフルイダイザー(商品名:マイクロフルイディクス)、ナノマイザー(商品名:吉田機械興業)、スターバースト(商品名:スギノマシン)、ゴーリンホモジナイザー(商品名:APV)、ラニエホモジナイザー(商品名:ラニエ)、高圧ホモジナイザー(商品名:ニロ・ソアビ)、ホモゲナイザー(商品名:三和機械)、高圧ホモゲナイザー(商品名:イズミフードマシナリ)、超高圧ホモジナイザー(商品名:イカ)等が挙げられる。
なお、機械的分散処理は、三段以上の多段分散処理であってもよい。
なお、機械的分散処理は、三段以上の多段分散処理であってもよい。
機械的分散処理を行なう際に、原料としてのセレコキシブ粒子と特定分散剤とを共存させてセレコキシブの分散粒子を調製することで、微細化された分散粒子表面の少なくとも一部に、特定分散剤が吸着して所謂保護層を有する如き粒子となり、水を含む分散媒中において、隣接する分散粒子同士の再凝集が抑制される。このため、得られたセレコキシブ粒子を含む分散物は、セレコキシブ粒子の平均粒子径がナノオーダーとなり、且つ、粒子の分散性、及び分散安定性に優れる。
従って、好ましくは、本開示の医薬組成物におけるCox−2阻害剤粒子は、粒子表面の少なくとも一部に、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤を有する。
従って、好ましくは、本開示の医薬組成物におけるCox−2阻害剤粒子は、粒子表面の少なくとも一部に、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤を有する。
機械的分散処理を行なうことで、得られたセレコキシブ粒子の平均粒子径を、既述の500nm以下とすることができる。分散粒子の平均粒子径は50nm〜400nmであることが好ましく、50nm〜300nmであることがより好ましく、50nm〜200nmであることがさらに好ましい。
既述の本開示の製造方法により得られた医薬組成物は、水を含む分散媒中に微細なセレコキシブ粒子が安定に分散された分散物となる。
得られた分散物は、そのまま、液剤、シロップ剤、或いはローション剤として用いてもよい。また、薬学的に許容される種々の分散媒、水を含む溶媒等を用いて希釈し、飲用として適正な物性に調整してもよい。さらに、飲用に適する味、外観などに調製するため、既述の着色剤、着香剤、甘味剤、矯味剤等を、適宜、添加してもよい。既述の調整の少なくともいずれかを行なうことで、飲用により適する医薬組成物とすることができる。
得られた分散物は、そのまま、液剤、シロップ剤、或いはローション剤として用いてもよい。また、薬学的に許容される種々の分散媒、水を含む溶媒等を用いて希釈し、飲用として適正な物性に調整してもよい。さらに、飲用に適する味、外観などに調製するため、既述の着色剤、着香剤、甘味剤、矯味剤等を、適宜、添加してもよい。既述の調整の少なくともいずれかを行なうことで、飲用により適する医薬組成物とすることができる。
次に、固形製剤としての医薬組成物の製造方法について説明する。
固形製剤としての本開示の医薬組成物の製造方法には特に限定はなく、公知の固形製剤の製造方法を適用することができる。
固形製剤としての本開示の医薬組成物の製造方法には特に限定はなく、公知の固形製剤の製造方法を適用することができる。
なかでも、固体製剤は、以下に示す本開示の医薬組成物の製造方法により製造することが好ましい。
本開示の医薬組成物の製造方法は、Cox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む混合液を、メディア分散処理して、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子を含む液状組成物を得る工程(以下、工程(I)と称することがある)と、得られた液状組成物と、マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースから選ばれる少なくとも1種の賦形剤とを混合して得られた混合物を、噴霧乾燥法により乾燥して造粒物を得る工程(以下、工程(II)と称することがある)を含む。
本開示の医薬組成物の製造方法は、Cox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む混合液を、メディア分散処理して、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子を含む液状組成物を得る工程(以下、工程(I)と称することがある)と、得られた液状組成物と、マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースから選ばれる少なくとも1種の賦形剤とを混合して得られた混合物を、噴霧乾燥法により乾燥して造粒物を得る工程(以下、工程(II)と称することがある)を含む。
固体製剤としての医薬組成物を製造する上記医薬組成物の製造方法を、本開示の製造方法の第2の実施形態と称する。
上記工程(I)は、既述の本開示の製造方法の第1の実施形態における分散処理と同様にして行なうことができる。
工程(II)は、工程(I)で得られた液状組成物を乾燥して造粒物を調製する工程である。
上記工程(I)は、既述の本開示の製造方法の第1の実施形態における分散処理と同様にして行なうことができる。
工程(II)は、工程(I)で得られた液状組成物を乾燥して造粒物を調製する工程である。
(工程(II))
得られたセレコキシブ粒子の分散物である液状組成物を、粉末状の医薬組成物の形態とする場合には、工程(I)で得られた液状組成物とマンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースから選ばれる少なくとも1種の賦形剤(以下、特定賦形剤と称することがある)との混合物を調製し、得られた混合物を噴霧乾燥等の乾燥手段により乾燥させればよい。
乾燥手段としては、公知の乾燥手段を用いることができ、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、熱風乾燥、高周波乾燥、超音波乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。乾燥手段は単独で用いてもよいが、2種以上の乾燥手段を組み合わせて用いることもできる。
得られたセレコキシブ粒子の分散物である液状組成物を、粉末状の医薬組成物の形態とする場合には、工程(I)で得られた液状組成物とマンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースから選ばれる少なくとも1種の賦形剤(以下、特定賦形剤と称することがある)との混合物を調製し、得られた混合物を噴霧乾燥等の乾燥手段により乾燥させればよい。
乾燥手段としては、公知の乾燥手段を用いることができ、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、熱風乾燥、高周波乾燥、超音波乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。乾燥手段は単独で用いてもよいが、2種以上の乾燥手段を組み合わせて用いることもできる。
乾燥手段としては、凍結状態にある材料から氷を昇華させて水分を除去する凍結乾燥を適用することもできる。
凍結乾燥に使用しうる市販の凍結乾燥機の例としては、凍結乾燥機VD−800F(商品名、タイテック(株))、フレキシドライMP(商品名、FTSシステムズ社)、デュラトップ・デュラストップ(商品名、FTSシステムズ社)、宝真空凍結乾燥機A型(商品名、(株)宝エーテーエム)、卓上凍結乾燥機FD−1000(商品名、東京理化器械(株))、真空凍結乾燥機FD−550(商品名、東京理化器械(株))、真空凍結乾燥機(商品名、(株)宝製作所)等が挙げられるがこれらに限定されない。
凍結乾燥に使用しうる市販の凍結乾燥機の例としては、凍結乾燥機VD−800F(商品名、タイテック(株))、フレキシドライMP(商品名、FTSシステムズ社)、デュラトップ・デュラストップ(商品名、FTSシステムズ社)、宝真空凍結乾燥機A型(商品名、(株)宝エーテーエム)、卓上凍結乾燥機FD−1000(商品名、東京理化器械(株))、真空凍結乾燥機FD−550(商品名、東京理化器械(株))、真空凍結乾燥機(商品名、(株)宝製作所)等が挙げられるがこれらに限定されない。
また、乾燥手段として、生産効率と品質を両立する観点からは、噴霧乾燥法が好ましい手段として挙げられる。噴霧乾燥法を適用する場合、工程(I)で得られたセレコキシブ粒子の分散物である液状組成物と特定包括剤とを含む混合物を噴霧しながら水分を除去して、造粒物調製すればよい。
噴霧乾燥に用いうる市販の噴霧乾燥機の例としては、噴霧乾燥機スプレードライヤSD−1000(商品名、東京理化器械(株))、スプレードライヤL−8i(商品名、大川原化工機(株))、クローズドスプレードライヤCL−12(商品名、大川原化工機(株))、スプレードライヤADL310(商品名、ヤマト科学(株))、ミニスプレードライヤB−290(商品名、ビュッヒ社)、PJ−MiniMax(商品名、パウダリングジャパン(株))、PHARMASD(商品名、ニロ社)等が挙げられる。
また、例えば流動層造粒乾燥機MP−01(商品名、(株)パウレック)、流動層内蔵型スプレードライヤFSD(商品名、ニロ社)等を用いた処理の如く、既述の装置を用いて、乾燥と造粒とを同時に行う方法をとることもできる。
噴霧乾燥に用いうる市販の噴霧乾燥機の例としては、噴霧乾燥機スプレードライヤSD−1000(商品名、東京理化器械(株))、スプレードライヤL−8i(商品名、大川原化工機(株))、クローズドスプレードライヤCL−12(商品名、大川原化工機(株))、スプレードライヤADL310(商品名、ヤマト科学(株))、ミニスプレードライヤB−290(商品名、ビュッヒ社)、PJ−MiniMax(商品名、パウダリングジャパン(株))、PHARMASD(商品名、ニロ社)等が挙げられる。
また、例えば流動層造粒乾燥機MP−01(商品名、(株)パウレック)、流動層内蔵型スプレードライヤFSD(商品名、ニロ社)等を用いた処理の如く、既述の装置を用いて、乾燥と造粒とを同時に行う方法をとることもできる。
得られた造粒物は、表面の少なくとも一部に、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤を有し、且つ、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子と、マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースから選ばれる少なくとも1種の賦形剤とを含む。
賦形剤の含有量は、Cox−2阻害剤粒子100質量部に対し、10質量部〜500質量部が好ましく、20質量部〜400質量部がより好ましく、50質量部〜300質量部がさらに好ましい。
賦形剤の含有量が上記範囲において、良好な造粒物が得られる。
賦形剤の含有量は、Cox−2阻害剤粒子100質量部に対し、10質量部〜500質量部が好ましく、20質量部〜400質量部がより好ましく、50質量部〜300質量部がさらに好ましい。
賦形剤の含有量が上記範囲において、良好な造粒物が得られる。
得られた造粒物は、そのまま顆粒状の医薬組成物とすることができる。さらに、造粒物を用いて、Cox−2阻害剤粒子を含む錠剤を形成することもできる。
即ち、本開示の製造方法の第2の実施形態は、既述の工程(II)にて得られた造粒物を打錠して固形製剤を得る工程をさらに含むことができる。
即ち、本開示の製造方法の第2の実施形態は、既述の工程(II)にて得られた造粒物を打錠して固形製剤を得る工程をさらに含むことができる。
錠剤を形成する際には、まず、本開示の製造方法の第2の実施形態により得られた本開示の造粒物と、打錠製剤成形用賦形剤と、滑沢剤と、を混合して、混合物を調製する。
打錠製剤成形用賦形剤としては、マンニトール、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、無水乳糖、結晶セルロース、ソルビトール、エリスリトール、及びこれらの混合物が挙げられる。
打錠製剤成形用賦形剤の市販品としては、ロケットジャパン(株)製のペアリトールフラッシュなどが挙げられる。
打錠製剤成形用賦形剤としては、マンニトール、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、無水乳糖、結晶セルロース、ソルビトール、エリスリトール、及びこれらの混合物が挙げられる。
打錠製剤成形用賦形剤の市販品としては、ロケットジャパン(株)製のペアリトールフラッシュなどが挙げられる。
錠剤の形成時に用い得る滑沢剤は、原料粉体の流動性を向上させ、打錠機の臼に一定量が充填されるようにすると同時に、打錠の際のキャッピング、スティッキング及びバインディング等を防止し、錠剤の表面に光沢を与える成分である。
例えば、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、硬化油、タルク、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
滑沢剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
滑沢剤は市販品を使用してもよい。市販品としてはメルク社製のPartek MST(商品名:ステアリン酸マグネシウム)等が挙げられる。
例えば、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、硬化油、タルク、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
滑沢剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
滑沢剤は市販品を使用してもよい。市販品としてはメルク社製のPartek MST(商品名:ステアリン酸マグネシウム)等が挙げられる。
打錠製剤成形用賦形剤の含有量は、既述の造粒物100質量部に対し、10質量部〜500質量部であることが好ましく、20質量部〜300質量部であることがより好ましく、50質量部〜200質量部であることがより好ましい。
混合物を調製する際には、造粒物と固体製剤形成用の結合材とに加えて、その他成分の項で説明した製剤用添加物を適宜混合してもよい。
混合物を調製する際には、造粒物と固体製剤形成用の結合材とに加えて、その他成分の項で説明した製剤用添加物を適宜混合してもよい。
混合方法としては、各成分を混合することができれば、特に制限されない。
混合方法としては、例えば、V型混合器(筒井理化学器械(株)製)等の公知の混合器を用いて、混合することが挙げられる。
混合に要する時間等の混合条件は、造粒物と結合剤との量、種類等により適宜調製することができる。
混合方法としては、例えば、V型混合器(筒井理化学器械(株)製)等の公知の混合器を用いて、混合することが挙げられる。
混合に要する時間等の混合条件は、造粒物と結合剤との量、種類等により適宜調製することができる。
上記で得られた混合物を打錠することで、錠剤を形成することができる。
得られた混合物をそのまま打錠する方法としては、打錠方法として一般に適用されている方法をそのまま適用すればよく、特に制限はない。
打錠する際の打錠圧は特に制限されるものではないが、300N/mm2以下の打錠圧で混合物を打錠することが好ましく、200N/mm2以下であることがより好ましく、150N/mm2以下であることがさらに好ましい。
また、打錠圧(N/mm2)と本開示の製造方法の第2の実施形態によって得られた錠剤の絶対硬度(N/mm2)とが、打錠圧/絶対硬度が15以下であることが好ましい。
混合物を打錠する際の温度としては、特に制限はなく、例えば20℃〜40℃のような通常の温度条件を適用することができる。
得られた混合物をそのまま打錠する方法としては、打錠方法として一般に適用されている方法をそのまま適用すればよく、特に制限はない。
打錠する際の打錠圧は特に制限されるものではないが、300N/mm2以下の打錠圧で混合物を打錠することが好ましく、200N/mm2以下であることがより好ましく、150N/mm2以下であることがさらに好ましい。
また、打錠圧(N/mm2)と本開示の製造方法の第2の実施形態によって得られた錠剤の絶対硬度(N/mm2)とが、打錠圧/絶対硬度が15以下であることが好ましい。
混合物を打錠する際の温度としては、特に制限はなく、例えば20℃〜40℃のような通常の温度条件を適用することができる。
打錠に適用しうる圧縮成型機としては、例えば、ロータリー打錠機(製品名HT−P18A、(株)畑鉄工所製)、高速回転式錠剤機(製品名:AQUARIUS G、菊水製作所(株)製)が挙げられる。
本開示の製造方法の第2の実施形態によって得られた錠剤の大きさ及び形状は医薬上許容されるものであれば特に限定されない。円形錠の場合は、直径7mm〜12mm、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは直径8mm〜11mm、厚さ3.5mm〜6.5mm等が挙げられ、変形錠の場合は、短径:4mm〜8mm、長径8mm〜18mm、好ましくは短径:4mm〜6.5mm、長径:8mm〜15mm等が挙げられ、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは3.5mm〜6.5mm等が挙げられる。
錠剤の硬度は、特に制限はない。
崩壊性、輸送安定性、自動分包機の利用性等の観点から、錠剤硬度計で測定した硬度(N)は、50N〜150Nであることが好ましく、70N〜130Nであることがより好ましく、80N〜120Nであることがさらに好ましい。
なお、本明細書においては、錠剤の硬度はSchleuniger社製の錠剤硬度計Model 8Mを用いて測定した。
崩壊性、輸送安定性、自動分包機の利用性等の観点から、錠剤硬度計で測定した硬度(N)は、50N〜150Nであることが好ましく、70N〜130Nであることがより好ましく、80N〜120Nであることがさらに好ましい。
なお、本明細書においては、錠剤の硬度はSchleuniger社製の錠剤硬度計Model 8Mを用いて測定した。
(再分散性)
本開示の医薬組成物が、造粒物又は錠剤などの固体製剤の形態を有する場合、固体製剤を水又は模擬胃液に浸漬すると速やかに再分散され、再分散された場合にも、Cox−2阻害剤粒子は、50nm〜500nmの粒子サイズを維持する。
従って、要事溶解して服用する場合、及び経口摂取して例えば、胃液に到達した場合のいずれにおいてもCox−2阻害剤粒子は再分散してナノサイズの分散粒子となる。
このため、固形製剤とした場合でも、安定なナノサイズのCox−2阻害剤粒子を含む状態に再分散されるため、良好な吸収性が期待できる。
既述のように、固体製剤である錠剤型、或いは粉末状の医薬組成物を、必要に応じて水などの溶媒に溶解して服用する「要事調製用」の医薬組成物として用いることもできる。
粉末状又は錠剤の医薬組成物と、水又は水溶液等の溶媒とを混合し、固体製剤である医薬組成物を溶媒に溶解又は分散することで、溶媒中に、Cox−2阻害剤が微細な分散粒子状に再分散され、再調製されたCox−2阻害剤も微細な分散粒子となり、分散粒子の分散性、分散安定性は良好である。さらに、良好な吸収性を期待できる。
本開示の医薬組成物が、造粒物又は錠剤などの固体製剤の形態を有する場合、固体製剤を水又は模擬胃液に浸漬すると速やかに再分散され、再分散された場合にも、Cox−2阻害剤粒子は、50nm〜500nmの粒子サイズを維持する。
従って、要事溶解して服用する場合、及び経口摂取して例えば、胃液に到達した場合のいずれにおいてもCox−2阻害剤粒子は再分散してナノサイズの分散粒子となる。
このため、固形製剤とした場合でも、安定なナノサイズのCox−2阻害剤粒子を含む状態に再分散されるため、良好な吸収性が期待できる。
既述のように、固体製剤である錠剤型、或いは粉末状の医薬組成物を、必要に応じて水などの溶媒に溶解して服用する「要事調製用」の医薬組成物として用いることもできる。
粉末状又は錠剤の医薬組成物と、水又は水溶液等の溶媒とを混合し、固体製剤である医薬組成物を溶媒に溶解又は分散することで、溶媒中に、Cox−2阻害剤が微細な分散粒子状に再分散され、再調製されたCox−2阻害剤も微細な分散粒子となり、分散粒子の分散性、分散安定性は良好である。さらに、良好な吸収性を期待できる。
再分散されたCox−2阻害剤粒子の平均粒子径もまた、50nm〜500nmであり、50nm〜400nmであることが好ましく、50nm〜300nmであることがさらに好ましく、50nm〜200nmであることが特に好ましい。
<治療方法>
本開示の他の実施形態は、有効成分としてCox−2阻害剤粒子を含む本開示の医薬組成物を、治療対象となる適用対象者へ経口投与することを含む治療方法も包含する。
本開示の他の実施形態は、有効成分としてCox−2阻害剤粒子を含む本開示の医薬組成物を、治療対象となる適用対象者へ経口投与することを含む治療方法も包含する。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
[粒子分散液の調製]
分散剤としてのヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC−SSL(日本曹達(株)製)10mgを水0.89mL(ミリリットル)に溶解してヒドロキシプロピルセルロース(HPC)水溶液を得た。得られたHPC水溶液と、Cox−2阻害剤としてのセレコキシブ100mgと、メディアとしての直径0.1mmのジルコニア製ビーズ3gとを混合し、混合物を外温5℃にて30時間メディア分散処理し、粉砕されたセレコキシブ粒子を含む分散液を得た。
得られた粒子分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径は、濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000(商品名、大塚電子(株)製)を用いて、動的光散乱法により測定し、D50として求めた。結果を下記表1に示す。
[粒子分散液の調製]
分散剤としてのヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC−SSL(日本曹達(株)製)10mgを水0.89mL(ミリリットル)に溶解してヒドロキシプロピルセルロース(HPC)水溶液を得た。得られたHPC水溶液と、Cox−2阻害剤としてのセレコキシブ100mgと、メディアとしての直径0.1mmのジルコニア製ビーズ3gとを混合し、混合物を外温5℃にて30時間メディア分散処理し、粉砕されたセレコキシブ粒子を含む分散液を得た。
得られた粒子分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径は、濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000(商品名、大塚電子(株)製)を用いて、動的光散乱法により測定し、D50として求めた。結果を下記表1に示す。
(実施例2〜実施例14、比較例1〜比較例6)
Cox−2阻害剤の種類、分散剤の種類及び含有量を下記表1〜表2に記載の如く変えた以外は実施例1と同様にして粒子分散液を得た。
得られた粒子分散液中のCox−2阻害剤の粒子の平均粒子径を、実施例1と同様にして測定した。結果を下記表1に示す。
Cox−2阻害剤の種類、分散剤の種類及び含有量を下記表1〜表2に記載の如く変えた以外は実施例1と同様にして粒子分散液を得た。
得られた粒子分散液中のCox−2阻害剤の粒子の平均粒子径を、実施例1と同様にして測定した。結果を下記表1に示す。
なお、表1で使用した成分の詳細は以下の通りである。なお、下記分散剤の分子量はカタログ値である。
(Cox−2阻害剤)
セレコキシブ(Jiangsu Chiatai Qingjiang PharmaceuticaI Co.,Ltd.製)
エトドラク(和光純薬工業(株)製)
メロキシカム(東京化成工業(株)製)
(Cox−2阻害剤)
セレコキシブ(Jiangsu Chiatai Qingjiang PharmaceuticaI Co.,Ltd.製)
エトドラク(和光純薬工業(株)製)
メロキシカム(東京化成工業(株)製)
(特定分散剤)
ヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC−SSL、日本曹達(株)製、分子量:4万)
ヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC−SL、日本曹達(株)製、分子量:10万)
ポリビニルピロリドン(Kollidon 25、BASF社製、分子量:2.8万〜3.4万)
ポリビニルピロリドン(Kollidon 30、BASF社製、分子量:4.4万〜5.4万)
ヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC−SSL、日本曹達(株)製、分子量:4万)
ヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC−SL、日本曹達(株)製、分子量:10万)
ポリビニルピロリドン(Kollidon 25、BASF社製、分子量:2.8万〜3.4万)
ポリビニルピロリドン(Kollidon 30、BASF社製、分子量:4.4万〜5.4万)
(比較分散剤)
ヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC−L、日本曹達(株)製、分子量:14万)
ポリビニルピロリドン(Kollidon 90F、BASF社製、分子量:100万〜150万)
メチルセルロース(MC SM−15、信越化学工業(株)製)
ポリビニルアルコール(ゴーセノール(登録商標)EG−30P、日本合成化学工業(株)製)
ヒドロキシプロピルメチルセルロースエステル(HPMC2910 TC−5M、信越化学工業(株)製、分子量:2.2万)
ヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC−L、日本曹達(株)製、分子量:14万)
ポリビニルピロリドン(Kollidon 90F、BASF社製、分子量:100万〜150万)
メチルセルロース(MC SM−15、信越化学工業(株)製)
ポリビニルアルコール(ゴーセノール(登録商標)EG−30P、日本合成化学工業(株)製)
ヒドロキシプロピルメチルセルロースエステル(HPMC2910 TC−5M、信越化学工業(株)製、分子量:2.2万)
表1の記載より、実施例1〜実施例14の粒子分散物は、Cox−2阻害剤の平均粒子径はいずれも50nm〜500nmの範囲にあり、ナノサイズの粒子の分散物であることが確認された。ナノサイズのCox−2阻害剤の粒子は、医薬組成物として、Cox−2阻害剤の体内吸収性が良好であることが期待できる。
他方、比較例1〜比較例6の粒子分散物は、分散に劣り、Cox−2阻害剤の粒子が500nmを超えており、分散剤の含有量を多くしても凝集体の形成が抑制されず、安定で微細な粒子分散物が得られなかった。
他方、比較例1〜比較例6の粒子分散物は、分散に劣り、Cox−2阻害剤の粒子が500nmを超えており、分散剤の含有量を多くしても凝集体の形成が抑制されず、安定で微細な粒子分散物が得られなかった。
(実施例15)
[造粒物の調製]
上記実施例2にて得られたCox−2阻害剤(セレコキシブ)の分散液5g(セレコキシブ含有量100mg)に、賦形剤としてのd−マンニトール(メルク製)500mgを含有させて賦形剤を溶解して賦形剤を含む混合液を得た。
得られた混合液を、噴霧乾燥器(Buchi製)にて、入口温度110℃、出口温度50℃、液速度3g/minにて噴霧乾燥してセレコキシブを含有する造粒物を得た。
[造粒物の調製]
上記実施例2にて得られたCox−2阻害剤(セレコキシブ)の分散液5g(セレコキシブ含有量100mg)に、賦形剤としてのd−マンニトール(メルク製)500mgを含有させて賦形剤を溶解して賦形剤を含む混合液を得た。
得られた混合液を、噴霧乾燥器(Buchi製)にて、入口温度110℃、出口温度50℃、液速度3g/minにて噴霧乾燥してセレコキシブを含有する造粒物を得た。
[造粒物の水への再分散性の評価]
得られた造粒物10mgに水90μLを添加し、37℃、125rpm(回転/分)にて30分間撹拌してセレコキシブを水に再分散した再分散液を調製した。
調製した再分散液中の、セレコキシブ粒子の平均粒子径を、濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000(大塚電子(株)製)を用い、動的光散乱法により測定し、D50として求めた。結果を表2に示す。
得られた造粒物10mgに水90μLを添加し、37℃、125rpm(回転/分)にて30分間撹拌してセレコキシブを水に再分散した再分散液を調製した。
調製した再分散液中の、セレコキシブ粒子の平均粒子径を、濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000(大塚電子(株)製)を用い、動的光散乱法により測定し、D50として求めた。結果を表2に示す。
(実施例16〜実施例18)
分散剤の含有量を表2に記載の量とし、賦形剤であるd−マンニトールを表2に記載の賦形剤に変更した以外は、実施例15と同様にして、セレコキシブ粒子を含む造粒物を調製した。
調製した造粒物を水に再分散させて、実施例15と同様にして再分散液を調製し、得られた再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。結果を表2に示す。
分散剤の含有量を表2に記載の量とし、賦形剤であるd−マンニトールを表2に記載の賦形剤に変更した以外は、実施例15と同様にして、セレコキシブ粒子を含む造粒物を調製した。
調製した造粒物を水に再分散させて、実施例15と同様にして再分散液を調製し、得られた再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。結果を表2に示す。
なお、表2で使用した成分の詳細は以下の通りである。その他の成分は表1における成分と同様である。
(賦形剤)
d−マンニトール(商品名:Parteck M−100、メルクミリポア社製)
スクロース(精製白糖、商品名:シュクレーヌSR80/100、塩水港精糖(株)製)
マルトース(マルトース・水和物、和光純薬工業(株)製)
イノシトール(和光純薬工業(株)製)
(賦形剤)
d−マンニトール(商品名:Parteck M−100、メルクミリポア社製)
スクロース(精製白糖、商品名:シュクレーヌSR80/100、塩水港精糖(株)製)
マルトース(マルトース・水和物、和光純薬工業(株)製)
イノシトール(和光純薬工業(株)製)
表2の結果より、実施例2で得た分散液を用いて調製した実施例15〜実施例18の造粒物は、水と混合し、セレコキシブを再分散した場合において、再分散液中におけるセレコキシブ粒子の平均粒径は、いずれも350nm以下であり、優れた再分散性を示すことがわかる。
(実施例19)
[造粒物の調製]
セレコキシブ、特定分散剤及び賦形剤の含有量を表3に記載の量とした以外は、上記実施例2と同様にして分散液を得た。得られたCox−2阻害剤(セレコキシブ)の分散液10質量部(セレコキシブ含有量100mg)に、賦形剤としてのd−マンニトール(メルク製)1質量部(d−マンニトールの含有量200mg)を含有させて賦形剤を溶解し、賦形剤を含む混合液Aを得た。混合液Aに、さらに、水溶性高分子であるMC2910 TC−5E(信越化学工業(株)製)1質量部を含む水溶液10質量部を加え、混合液Bを得た。
得られた混合液Bを、噴霧乾燥器(Buchi製)にて、入口温度110℃、出口温度50℃、液速度3g/minにて噴霧乾燥してセレコキシブを含有する造粒物を得た。
[造粒物の調製]
セレコキシブ、特定分散剤及び賦形剤の含有量を表3に記載の量とした以外は、上記実施例2と同様にして分散液を得た。得られたCox−2阻害剤(セレコキシブ)の分散液10質量部(セレコキシブ含有量100mg)に、賦形剤としてのd−マンニトール(メルク製)1質量部(d−マンニトールの含有量200mg)を含有させて賦形剤を溶解し、賦形剤を含む混合液Aを得た。混合液Aに、さらに、水溶性高分子であるMC2910 TC−5E(信越化学工業(株)製)1質量部を含む水溶液10質量部を加え、混合液Bを得た。
得られた混合液Bを、噴霧乾燥器(Buchi製)にて、入口温度110℃、出口温度50℃、液速度3g/minにて噴霧乾燥してセレコキシブを含有する造粒物を得た。
[造粒物の模擬胃液への再分散性の評価]
得られた造粒物13mgに、模擬胃液としての溶出試験第1液(日本薬局方準拠、関東化学(株)社製)1.25mLを添加し、37℃、125rpmにて30分間撹拌してセレコキシブを模擬胃液に再分散した再分散液を調製した。
調製した再分散液中の、セレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。結果を下記表3に示す。
模擬胃液として用いた溶出試験第1液は、塩化ナトリウム2.0gを塩酸7.0mL(ミリリットル)及び水に溶かして1000mLとした液であり、無色澄明であり、pHは、約1.2である。
得られた造粒物13mgに、模擬胃液としての溶出試験第1液(日本薬局方準拠、関東化学(株)社製)1.25mLを添加し、37℃、125rpmにて30分間撹拌してセレコキシブを模擬胃液に再分散した再分散液を調製した。
調製した再分散液中の、セレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。結果を下記表3に示す。
模擬胃液として用いた溶出試験第1液は、塩化ナトリウム2.0gを塩酸7.0mL(ミリリットル)及び水に溶かして1000mLとした液であり、無色澄明であり、pHは、約1.2である。
(実施例20)
実施例19における混合液Bの調製において、さらに、その他添加剤として、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含有させた以外は、実施例19と同様にして、混合液Bを調製した。それ以外は、実施例19と同様にして、セレコキシブ粒子の模擬胃液への再分散液を調製した。
調製した再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例19と同様にして測定した。結果を表3に示す。
実施例19における混合液Bの調製において、さらに、その他添加剤として、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含有させた以外は、実施例19と同様にして、混合液Bを調製した。それ以外は、実施例19と同様にして、セレコキシブ粒子の模擬胃液への再分散液を調製した。
調製した再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例19と同様にして測定した。結果を表3に示す。
(実施例21)
実施例19において用いた水溶性高分子であるHPMC2910 TC−5Eを表3に記載の化合物に変更した以外は、実施例19と同様にして、混合液Bを調製した。それ以外は、実施例19と同様にして、セレコキシブ粒子の模擬胃液への再分散液を調製した。
調製した再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例19と同様にして測定した。結果を表3に示す。
実施例19において用いた水溶性高分子であるHPMC2910 TC−5Eを表3に記載の化合物に変更した以外は、実施例19と同様にして、混合液Bを調製した。それ以外は、実施例19と同様にして、セレコキシブ粒子の模擬胃液への再分散液を調製した。
調製した再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例19と同様にして測定した。結果を表3に示す。
(実施例22)
水溶性高分子であるHPMC2910 TC−5Eを表3に記載の化合物に変更した以外は、実施例19と同様にして造粒物を得た。
得られた造粒物6mgを、溶出試験第1液1.25mLに添加して、実施例19と同様にしてセレコキシブ粒子の模擬胃液への再分散液を調製した。調製した再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。結果を下記表3に示す。
水溶性高分子であるHPMC2910 TC−5Eを表3に記載の化合物に変更した以外は、実施例19と同様にして造粒物を得た。
得られた造粒物6mgを、溶出試験第1液1.25mLに添加して、実施例19と同様にしてセレコキシブ粒子の模擬胃液への再分散液を調製した。調製した再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。結果を下記表3に示す。
(実施例23)
実施例22で得た造粒物10mgを、溶出試験第1液0.09mLに添加して、実施例19と同様にしてセレコキシブ粒子の模擬胃液への再分散液を調製した。調製した再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。結果を下記表3に示す。
実施例22で得た造粒物10mgを、溶出試験第1液0.09mLに添加して、実施例19と同様にしてセレコキシブ粒子の模擬胃液への再分散液を調製した。調製した再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。結果を下記表3に示す。
(実施例24)
上記実施例19において用いた水溶性高分子であるHPMC2910 TC−5Eを表3に記載の化合物に変更し、さらに、その他添加剤として、SLSを含有させた以外は、実施例19と同様にして、造粒物を得た。
得られた造粒物13mgを、溶出試験第1液1.25mLに添加して、実施例19と同様にしてセレコキシブ粒子の模擬胃液への再分散液を調製した。調製した再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。結果を下記表3に示す。
上記実施例19において用いた水溶性高分子であるHPMC2910 TC−5Eを表3に記載の化合物に変更し、さらに、その他添加剤として、SLSを含有させた以外は、実施例19と同様にして、造粒物を得た。
得られた造粒物13mgを、溶出試験第1液1.25mLに添加して、実施例19と同様にしてセレコキシブ粒子の模擬胃液への再分散液を調製した。調製した再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。結果を下記表3に示す。
なお、表3で使用した成分の詳細は以下の通りである。その他の成分は表1〜表2における成分と同様である。
(水溶性高分子)
HPC2910 TC−5E及びHPC−SSLは、表1にて分散剤として使用した化合物と同じである。
ポリビニルアルコール(PVA:ゴーセノール(登録商標)EG−05P、日本合成化学工業(株)製)
ゴーセノール EG−05PW(日本合成化学工業(株)製)
(その他の添加剤)
ラウリル硫酸ナトリウム(SLS、商品名:エマールOS、花王(株)製)
(水溶性高分子)
HPC2910 TC−5E及びHPC−SSLは、表1にて分散剤として使用した化合物と同じである。
ポリビニルアルコール(PVA:ゴーセノール(登録商標)EG−05P、日本合成化学工業(株)製)
ゴーセノール EG−05PW(日本合成化学工業(株)製)
(その他の添加剤)
ラウリル硫酸ナトリウム(SLS、商品名:エマールOS、花王(株)製)
表3の結果より、実施例19〜実施例24の造粒物は、模擬胃液と混合し、セレコキシブを再分散した場合において、再分散液中におけるセレコキシブ粒子の平均粒径はいずれも300nm以下であり、模擬胃液中においても優れた再分散性を示すことがわかる。
(実施例25)
セレコキシブ、特定分散剤及び賦形剤の含有量を表3に記載の量とした以外は、上記実施例2と同様にして分散液を得た。得られた分散液を、噴霧乾燥器(Buchi製)にて入口温度110℃、出口温度50℃、液速度3g/minにて噴霧乾燥して造粒物を得た。
得られた造粒物350mgに、打錠製剤成形用賦形剤としてペアリトールフラッシュ(マンニトール及びトウモロコシデンプンの混合物:ロケットジャパン(株)製)1050mg、及びPartek MST(ステアリン酸マグネシウム、メルクミリポア社製) 7mgを加え、直径10mmの杵臼を用い、5kNで打錠し、錠剤を得た。
得られた錠剤の硬度をロードセル式錠剤光度計(岡田精工(株)製)で測定した。結果を下記表4に示す。
なお、実施例2と同様にして調製した分散液を用いているため、実施例25に含まれるセレコキシブ粒子は、分散液中では、平均粒子径が154nmであり、実施例25〜実施例29において、水に再分散した場合でも、平均粒径が350nm以下であった。よって、本開示における平均粒径を有するセレコキシブ粒子であることが確認された。
セレコキシブ、特定分散剤及び賦形剤の含有量を表3に記載の量とした以外は、上記実施例2と同様にして分散液を得た。得られた分散液を、噴霧乾燥器(Buchi製)にて入口温度110℃、出口温度50℃、液速度3g/minにて噴霧乾燥して造粒物を得た。
得られた造粒物350mgに、打錠製剤成形用賦形剤としてペアリトールフラッシュ(マンニトール及びトウモロコシデンプンの混合物:ロケットジャパン(株)製)1050mg、及びPartek MST(ステアリン酸マグネシウム、メルクミリポア社製) 7mgを加え、直径10mmの杵臼を用い、5kNで打錠し、錠剤を得た。
得られた錠剤の硬度をロードセル式錠剤光度計(岡田精工(株)製)で測定した。結果を下記表4に示す。
なお、実施例2と同様にして調製した分散液を用いているため、実施例25に含まれるセレコキシブ粒子は、分散液中では、平均粒子径が154nmであり、実施例25〜実施例29において、水に再分散した場合でも、平均粒径が350nm以下であった。よって、本開示における平均粒径を有するセレコキシブ粒子であることが確認された。
(実施例26)
セレコキシブ、特定分散剤及び賦形剤の種類と含有量とを表4に記載の量とした以外は、上記実施例15と同様にして造粒物を得た。得られた造粒物700mgに、ペアリトールフラッシュ700mg、及びPartek MST 7mgを加え、実施例25と同様にして錠剤を形成し、実施例25と同様にして、得られた錠剤の硬度を測定した。
セレコキシブ、特定分散剤及び賦形剤の種類と含有量とを表4に記載の量とした以外は、上記実施例15と同様にして造粒物を得た。得られた造粒物700mgに、ペアリトールフラッシュ700mg、及びPartek MST 7mgを加え、実施例25と同様にして錠剤を形成し、実施例25と同様にして、得られた錠剤の硬度を測定した。
(実施例27)
実施例26で用いた、実施例15と同様にして得た造粒物に変えて、セレコキシブ、特定分散剤及び賦形剤の種類と含有量とを表4に記載の量とした以外は、上記実施例16と同様にして造粒物を得た。得られた造粒物を用いた以外は実施例25と同様にして錠剤を形成し、実施例25と同様にして、得られた錠剤の硬度を測定した。
実施例26で用いた、実施例15と同様にして得た造粒物に変えて、セレコキシブ、特定分散剤及び賦形剤の種類と含有量とを表4に記載の量とした以外は、上記実施例16と同様にして造粒物を得た。得られた造粒物を用いた以外は実施例25と同様にして錠剤を形成し、実施例25と同様にして、得られた錠剤の硬度を測定した。
(実施例28)
実施例26で用いた、実施例15と同様にして得た造粒物に変えて、セレコキシブ、特定分散剤及び賦形剤の種類と含有量とを表4に記載の量とした以外は、上記実施例17と同様にして造粒物を得た。得られた造粒物を用いた以外は実施例25と同様にして錠剤を形成し、実施例25と同様にして、得られた錠剤の硬度を測定した。
実施例26で用いた、実施例15と同様にして得た造粒物に変えて、セレコキシブ、特定分散剤及び賦形剤の種類と含有量とを表4に記載の量とした以外は、上記実施例17と同様にして造粒物を得た。得られた造粒物を用いた以外は実施例25と同様にして錠剤を形成し、実施例25と同様にして、得られた錠剤の硬度を測定した。
(実施例29)
実施例26と同様にして得た分散液に、賦形剤としてのd−マンニトールに代えて乳糖500mgを溶解させ、得られた混合液を、噴霧乾燥器(Buchi製)にて入口温度110℃、出口温度50℃、液速度3g/minにて噴霧乾燥して造粒物を得た。得られた造粒物を用いて実施例25と同様にして錠剤を形成し、得られた錠剤の硬度を実施例25と同様にして測定した。
実施例26と同様にして得た分散液に、賦形剤としてのd−マンニトールに代えて乳糖500mgを溶解させ、得られた混合液を、噴霧乾燥器(Buchi製)にて入口温度110℃、出口温度50℃、液速度3g/minにて噴霧乾燥して造粒物を得た。得られた造粒物を用いて実施例25と同様にして錠剤を形成し、得られた錠剤の硬度を実施例25と同様にして測定した。
(比較例7)
平均粒子径13μmのセレコキシブ294mgに、ペアリトールフラッシュ1106mg、及びPartek MST 7mgを加え、実施例25と同様にして錠剤を形成し、実施例25と同様にして、得られた錠剤の硬度を測定した。
平均粒子径13μmのセレコキシブ294mgに、ペアリトールフラッシュ1106mg、及びPartek MST 7mgを加え、実施例25と同様にして錠剤を形成し、実施例25と同様にして、得られた錠剤の硬度を測定した。
表4の結果より、実施例25〜実施例29の医薬組成物は、打錠製剤とした場合、十分な錠剤硬度を得られることがわかる。他方、平均粒子径がミクロンレベルであるセレコキシブ粒子を用いた比較例7では、実施例に対して得られた錠剤の硬度が低く、実用上十分な硬度を有する錠剤は得られなかった。
(実施例30)
実施例22で得られた造粒物6mgに水5mLを添加し、37℃、125rpmで15分間再分散した。なお、表5中では賦形剤をPVAと記載した。
再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。
得られた造粒物について、セレコキシブとして10mg/kg量を、濃度1mg/mLとなる量で水に懸濁し、絶食条件下、雄ラット(1群5匹)に経口投与した。
投与後30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間及び24時間で経時的に採血してセレコキシブ血漿中濃度をLC−MS/MSにて測定した。
結果を下記表5に示す。
実施例22で得られた造粒物6mgに水5mLを添加し、37℃、125rpmで15分間再分散した。なお、表5中では賦形剤をPVAと記載した。
再分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径を、実施例15と同様にして測定した。
得られた造粒物について、セレコキシブとして10mg/kg量を、濃度1mg/mLとなる量で水に懸濁し、絶食条件下、雄ラット(1群5匹)に経口投与した。
投与後30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間及び24時間で経時的に採血してセレコキシブ血漿中濃度をLC−MS/MSにて測定した。
結果を下記表5に示す。
(実施例31)
実施例21で得られた造粒物を用い、実施例30と同様の方法で再分散、投与、血漿中濃度測定を行った。また、セレコキシブ粒子の粒径は、実施例15と同様にして測定した。
結果を下記表5に示す。
実施例21で得られた造粒物を用い、実施例30と同様の方法で再分散、投与、血漿中濃度測定を行った。また、セレコキシブ粒子の粒径は、実施例15と同様にして測定した。
結果を下記表5に示す。
(比較例8)
セレコキシブ市販製剤を用い、実施例30と同様の方法で投与し、実施例30と同様にして血漿中濃度測定を行った。なお、セレコキシブ粒子の平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定装置((株)堀場製作所製)を用いて求めた。
なお、比較例8で用いた市販製剤は、セレコキシブの含有量が、実施例26、実施例27及び比較例9と同様となる量に、質量を調製して投与した。
結果を下記表5に示す。
セレコキシブ市販製剤を用い、実施例30と同様の方法で投与し、実施例30と同様にして血漿中濃度測定を行った。なお、セレコキシブ粒子の平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定装置((株)堀場製作所製)を用いて求めた。
なお、比較例8で用いた市販製剤は、セレコキシブの含有量が、実施例26、実施例27及び比較例9と同様となる量に、質量を調製して投与した。
結果を下記表5に示す。
(比較例9)
0.5w/v%メチルセルロース400溶液・滅菌済(和光純薬工業(株)製)100gに、ポリソルベート80(非イオン性界面活性剤:ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル、日油(株)製) 100mgを添加し、よく混合して混合液を得た。得られた混合液にセレコキシブ原薬を、セレコキシブとして10mg/kg量を、濃度1mg/mLとなる量で添加し、懸濁して、分散液を得た。得られた分散液を、実施例30と同様の方法で投与して、血漿中濃度測定を行った。
分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径は、比較例8と同様にして測定した。
結果を下記表5に示す。
0.5w/v%メチルセルロース400溶液・滅菌済(和光純薬工業(株)製)100gに、ポリソルベート80(非イオン性界面活性剤:ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル、日油(株)製) 100mgを添加し、よく混合して混合液を得た。得られた混合液にセレコキシブ原薬を、セレコキシブとして10mg/kg量を、濃度1mg/mLとなる量で添加し、懸濁して、分散液を得た。得られた分散液を、実施例30と同様の方法で投与して、血漿中濃度測定を行った。
分散液中のセレコキシブ粒子の平均粒子径は、比較例8と同様にして測定した。
結果を下記表5に示す。
表5より、実施例30〜実施例31の医薬組成物は、Tmaxが比較例に対し極めて小さく、有効成分がより早く血中に吸収されることがわかる。さらに、Cmax、及びAUCの値が、比較例に対して大きく、有効成分の機能が効果的に発揮されることが期待できる。これは、有効成分であるセレコキシブ粒子の平均粒子径が小さく、体内への吸収性が良好であるためと考えられる。
Claims (11)
- 平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子と、
分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む医薬組成物。 - 分散剤が、分子量5万以下のヒドロキシプロピルセルロースを含有する請求項1に記載の医薬組成物。
- Cox−2阻害剤の粒子の平均粒子径が50nm〜200nmである請求項1又は請求項2に記載の医薬組成物。
- Cox−2阻害剤がセレコキシブである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 固体製剤である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- さらに、マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースからなる群より選ばれる少なくとも1種の賦形剤を含む請求項5に記載の医薬組成物。
- さらに、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む請求項5又は請求項6に記載の医薬組成物。
- 錠剤である請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- Cox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む混合液を、メディア分散処理して、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子を得る工程を含む医薬組成物の製造方法。
- Cox−2阻害剤の粒子と、分子量10万以下のヒドロキシプロピルセルロース及び分子量10万以下のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、を含む混合液を、メディア分散処理して、平均粒子径が50nm〜500nmのCox−2阻害剤の粒子を含む液状組成物を得る工程と、
得られた液状組成物と、マンニトール、スクロース、イノシトール、及びマルトースから選ばれる少なくとも1種の賦形剤とを混合して得られた混合物を、噴霧乾燥法により乾燥して造粒物を得る工程と、を含む医薬組成物の製造方法。 - 得られた造粒物を打錠して固形製剤を得る工程をさらに含む請求項10に記載の医薬組成物の製造方法。
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-
2017
- 2017-10-25 JP JP2017206296A patent/JP2019077644A/ja active Pending
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Title |
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