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JP2019054993A - 血流計測装置 - Google Patents

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Kota Fujii
宏太 藤井
誠 雜賀
Makoto Saiga
誠 雜賀
酒井 潤
Jun Sakai
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Abstract

【課題】光コヒーレンストモグラフィを利用した眼底血流計測における、計測位置の再現性を向上させた血流計測装置を提供する。【解決手段】血流計測装置は、記憶部と、固視標投影部と、制御部210とを含む。記憶部は、被検眼の眼底に対する過去の血流動態計測において適用された過去固視位置を示す固視位置情報を記憶する。固視標投影部は、眼底に固視標を投影する。制御部は、固視標による固視位置を所定の初期固視位置から過去固視位置まで移動させるように固視標投影部を制御する。血流計測装置は、固視標による固視位置が過去固視位置まで移動された後に、眼底の血流動態計測を実行する。【選択図】図4

Description

この発明は血流計測装置に関する。
光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)は、対象の形態の計測だけでなく、その機能の計測にも利用される。例えば、OCTを用いて生体の血流計測を行うための装置が知られている。OCT血流計測は、眼底の血流動態の計測に応用されている。
特開2013−184018号公報 特開2009−165710号公報 特表2010−523286号公報
眼科のみならず多くの診療科において、経過観察や術前術後観察が行われている。経過観察等では、各回のデータを同じ条件で取得することが望ましい。経過観察等にOCT血流計測を利用する場合、同じ血管の同じ位置を繰り返し計測することが望ましい。
この発明の目的は、眼底のOCT血流計測における計測位置の再現性を向上させることにある。
実施形態の第1の態様は、光コヒーレンストモグラフィを用いて眼底の血流動態を計測する血流計測装置であって、被検眼の眼底に対する過去の血流動態計測において適用された過去固視位置を示す固視位置情報を記憶する記憶部と、前記眼底に固視標を投影するための固視標投影部と、前記固視標による固視位置を所定の初期固視位置から前記過去固視位置まで移動させるように前記固視標投影部を制御する制御部とを含み、前記固視標による固視位置が前記過去固視位置まで移動された後に、前記眼底の血流動態計測を実行する。
実施形態の第2の態様は、第1の態様の血流計測装置であって、前記記憶部は、前記過去の血流動態計測において前記過去固視位置が適用されているときに前記眼底を撮影して取得された過去正面画像を更に記憶し、前記眼底を撮影して正面画像を取得する眼底撮影部を更に含み、前記制御部は、前記眼底撮影部により取得された前記正面画像と前記過去正面画像とに基づいて前記固視標による固視位置の移動制御を行い、前記移動制御の後に前記血流動態計測を実行することを特徴とする。
実施形態の第3の態様は、第2の態様の血流計測装置であって、前記固視標による固視位置が前記過去固視位置まで移動された後、前記制御部は、前記過去正面画像と略同一の正面画像が前記眼底撮影部により取得されるように前記移動制御を行うことを特徴とする。
実施形態の第4の態様は、第1の態様の血流計測装置であって、前記記憶部は、前記過去の血流動態計測において前記過去固視位置が適用されているときに前記眼底を撮影して取得された過去正面画像を更に記憶し、前記眼底を撮影して正面画像を取得する眼底撮影部を更に含み、前記制御部は、前記眼底撮影部により取得された前記正面画像と前記過去正面画像とを表示手段に表示させ、前記固視標による固視位置を移動させるための操作部を更に含み、前記固視標による固視位置が前記過去固視位置まで移動され、且つ、前記操作部を用いた前記固視位置の移動操作が行われた後に、前記血流動態計測を実行することを特徴とする。
実施形態の第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれかの血流計測装置であって、前記固視標投影部は、固視標画像を表示する表示部と、前記表示部に表示された前記固視標画像を前記被検眼に導く光学系とを含み、前記制御部は、前記表示部による前記固視標画像の表示位置を変更することにより前記固視標による固視位置を移動させることを特徴とする。
実施形態の第6の態様は、第1〜第4の態様のいずれかの血流計測装置であって、前記固視標投影部は、複数の発光部がマトリクス状に配列された光源部と、前記光源部から出力された光を前記被検眼に導く光学系とを含み、前記制御部は、前記複数の発光部を選択的に点灯させることにより前記固視標による固視位置を移動させることを特徴とする。
実施形態によれば、眼底のOCT血流計測における計測位置の再現性を向上させることが可能である。
実施形態に係る血流計測装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を説明するための概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を説明するための概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を表すフローチャートである。
例示的な実施形態に係る血流計測装置について図面を参照しながら詳細に説明する。実施形態の血流計測装置は、OCTを用いて生体の断層像や3次元画像を形成する。本明細書に記載の引用文献の内容を実施形態に援用することができる。
以下の実施形態では、フーリエドメインOCT(特にスウェプトソースOCT)を用いて生体眼の眼底を計測することが可能な血流計測装置について説明する。OCTのタイプはスウェプトソースには限定されず、例えばスペクトラルドメインOCT又はタイムドメインOCTであってもよい。実施形態の血流計測装置はOCT装置と眼底カメラを組み合わせた装置であるが、眼底カメラ以外の眼底撮影装置とOCT装置とを組み合わせてもよい。そのような眼底撮影装置の例として、走査型レーザー検眼鏡(SLO)、スリットランプ顕微鏡、眼科手術用顕微鏡などがある。
〈構成〉
図1に示すように、血流計測装置1は、眼底カメラユニット2、OCTユニット100及び演算制御ユニット200を含む。眼底カメラユニット2には、被検眼の正面画像を取得するための光学系や機構が設けられている。OCTユニット100には、OCTを実行するための光学系や機構の一部が設けられている。OCTを実行するための光学系や機構の他の一部は、眼底カメラユニット2に設けられている。演算制御ユニット200は、各種の演算や制御を実行する1以上のプロセッサを含む。これらに加え、被検者の顔を支持するための部材(顎受け、額当て等)や、OCTの対象部位を切り替えるためのレンズユニット(例えば、前眼部OCT用アタッチメント)等の任意の要素やユニットが血流計測装置1に設けられてもよい。
本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。プロセッサは、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
〈眼底カメラユニット2〉
眼底カメラユニット2には、被検眼Eの眼底Efを撮影するための光学系が設けられている。取得される眼底Efの画像(眼底像、眼底写真等と呼ばれる)は、観察画像、撮影画像等の正面画像である。観察画像は、近赤外光を用いた動画撮影により得られる。撮影画像は、フラッシュ光を用いた静止画像である。
眼底カメラユニット2は、照明光学系10と撮影光学系30とを含む。照明光学系10は被検眼Eに照明光を照射する。撮影光学系30は、被検眼Eからの照明光の戻り光を検出する。OCTユニット100からの測定光は、眼底カメラユニット2内の光路を通じて被検眼Eに導かれ、その戻り光は、同じ光路を通じてOCTユニット100に導かれる。
照明光学系10の観察光源11から出力された光(観察照明光)は、凹面鏡12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ系17、リレーレンズ18、絞り19、及びリレーレンズ系20を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて被検眼E(眼底Ef)を照明する。観察照明光の被検眼Eからの戻り光は、対物レンズ22により屈折され、ダイクロイックミラー46を透過し、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過し、ダイクロイックミラー55を透過し、撮影合焦レンズ31を経由し、ミラー32により反射される。更に、この戻り光は、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、集光レンズ34によりイメージセンサ35の受光面に結像される。イメージセンサ35は、所定のフレームレートで戻り光を検出する。なお、撮影光学系30のフォーカスは、眼底Ef又は前眼部に合致するように調整される。
撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。被検眼Eからの撮影照明光の戻り光は、観察照明光の戻り光と同じ経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、集光レンズ37によりイメージセンサ38の受光面に結像される。
液晶ディスプレイ(LCD)39は固視標(固視標画像)を表示する。LCD39から出力された光束は、その一部がハーフミラー33Aに反射され、ミラー32に反射され、撮影合焦レンズ31及びダイクロイックミラー55を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した光束は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投射される。
LCD39の画面上における固視標画像の表示位置を変更することにより、固視標による被検眼Eの固視位置を変更できる。固視位置の例として、黄斑部を中心とする画像を取得するための固視位置や、視神経乳頭を中心とする画像を取得するための固視位置や、黄斑部と視神経乳頭との間の眼底中心を中心とする画像を取得するための固視位置や、黄斑から大きく離れた部位(眼底周辺部)の画像を取得するための固視位置などがある。このような典型的な固視位置の少なくとも1つを指定するためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)等を設けることができる。また、固視位置(固視標の表示位置)をマニュアルで移動するためのGUI等を設けることができる。
固視位置を変更可能な固視標を被検眼Eに提示するための構成はLCD等の表示デバイスには限定されない。例えば、複数の発光部(発光ダイオード等)がマトリクス状(アレイ状)に配列された固視マトリクスを表示デバイスの代わりに採用することができる。この場合、複数の発光部を選択的に点灯させることにより、固視標による被検眼Eの固視位置を変更することができる。他の例として、移動可能な1以上の発光部によって、固視位置を変更可能な固視標を生成することができる。
アライメント光学系50は、被検眼Eに対する光学系のアライメントに用いられるアライメント指標を生成する。発光ダイオード(LED)51から出力されたアライメント光は、絞り52、絞り53、及びリレーレンズ54を経由し、ダイクロイックミラー55により反射され、孔開きミラー21の孔部を通過し、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22を介して被検眼Eに投射される。アライメント光の被検眼Eからの戻り光(角膜反射光等)は、観察照明光の戻り光と同じ経路を通ってイメージセンサ35に導かれる。その受光像(アライメント指標像)に基づいてマニュアルアライメントやオートアライメントを実行できる。
フォーカス光学系60は、被検眼Eに対するフォーカス調整に用いられるスプリット指標を生成する。撮影光学系30の光路(撮影光路)に沿った撮影合焦レンズ31の移動に連動して、フォーカス光学系60は照明光学系10の光路(照明光路)に沿って移動される。反射棒67は、照明光路に対して挿脱される。フォーカス調整を行う際には、反射棒67の反射面が照明光路に傾斜配置される。LED61から出力されたフォーカス光は、リレーレンズ62を通過し、スプリット指標板63により2つの光束に分離され、二孔絞り64を通過し、ミラー65により反射され、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21に反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22を介して被検眼Eに投射される。フォーカス光の被検眼Eからの戻り光(眼底反射光等)は、アライメント光の戻り光と同じ経路を通ってイメージセンサ35に導かれる。その受光像(スプリット指標像)に基づいてマニュアルフォーカシングやオートフォーカシングを実行できる。
孔開きミラー21とダイクロイックミラー55との間の撮影光路に、視度補正レンズ70及び71を選択的に挿入することができる。視度補正レンズ70は、強度遠視を補正するためのプラスレンズ(凸レンズ)である。視度補正レンズ71は、強度近視を補正するためのマイナスレンズ(凹レンズ)である。
ダイクロイックミラー46は、眼底撮影用光路とOCT用光路(測定アーム)とを合成する。ダイクロイックミラー46は、OCTに用いられる波長帯の光を反射し、眼底撮影用の光を透過させる。測定アームには、OCTユニット100側から順に、コリメータレンズユニット40、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、ミラー44、及びリレーレンズ45が設けられている。
光路長変更部41は、図1に示す矢印の方向に移動可能とされ、測定アームの長さを変更する。測定アーム長の変更は、例えば、眼軸長に応じた光路長補正や、干渉状態の調整などに利用される。光路長変更部41は、例えば、コーナーキューブと、これを移動する機構とを含む。
光スキャナ42は、実質的に、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置に配置される。光スキャナ42は、測定アームにより導かれる測定光LSを偏向する。光スキャナ42は、例えば、2次元走査が可能なガルバノスキャナである。
OCT合焦レンズ43は、測定アームのフォーカス調整を行うために測定アームに沿って移動される。撮影合焦レンズ31の移動、フォーカス光学系60の移動、及びOCT合焦レンズ43の移動を連係的に制御することができる。
〈OCTユニット100〉
図2に例示するように、OCTユニット100には、スウェプトソースOCTを実行するための光学系が設けられている。この光学系は干渉光学系を含む。この干渉光学系は、波長可変光源(波長掃引型光源)からの光を測定光と参照光とに分割し、被検眼Eからの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光を検出する。干渉光学系により得られた検出結果(検出信号)は、干渉光のスペクトルを表す信号であり、演算制御ユニット200に送られる。
光源ユニット101は、例えば、出射光の波長を高速で変化させる近赤外波長可変レーザーを含む。光源ユニット101から出力された光L0は、光ファイバ102により偏波コントローラ103に導かれてその偏光状態が調整される。更に、光L0は、光ファイバ104によりファイバカプラ105に導かれて測定光LSと参照光LRとに分割される。測定光LSの光路は測定アームなどと呼ばれ、参照光LRの光路は参照アームなどと呼ばれる。
参照光LRは、光ファイバ110によりコリメータ111に導かれて平行光束に変換され、光路長補正部材112及び分散補償部材113を経由し、コーナーキューブ114に導かれる。光路長補正部材112は、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長とを合わせるよう作用する。分散補償部材113は、参照光LRと測定光LSとの間の分散特性を合わせるよう作用する。コーナーキューブ114は、参照光LRの入射方向に移動可能であり、それにより参照光LRの光路長が変更される。
コーナーキューブ114を経由した参照光LRは、分散補償部材113及び光路長補正部材112を経由し、コリメータ116によって平行光束から集束光束に変換され、光ファイバ117に入射する。光ファイバ117に入射した参照光LRは、偏波コントローラ118に導かれてその偏光状態が調整され、光ファイバ119を通じてアッテネータ120に導かれてその光量が調整され、光ファイバ121を通じてファイバカプラ122に導かれる。
一方、ファイバカプラ105により生成された測定光LSは、光ファイバ127により導かれてコリメータレンズユニット40により平行光束に変換され、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、ミラー44及びリレーレンズ45を経由し、ダイクロイックミラー46により反射され、対物レンズ22により屈折されて被検眼Eに投射される。測定光LSは、被検眼Eの様々な深さ位置において散乱・反射される。測定光LSの被検眼Eからの戻り光は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ105に導かれ、光ファイバ128を経由してファイバカプラ122に到達する。
ファイバカプラ122は、光ファイバ128を介して入射された測定光LSと、光ファイバ121を介して入射された参照光LRとを重ね合わせて干渉光を生成する。ファイバカプラ122は、生成された干渉光を所定の分岐比(例えば1:1)で分岐することで一対の干渉光LCを生成する。一対の干渉光LCは、それぞれ光ファイバ123及び124を通じて検出器125に導かれる。
検出器125は、例えばバランスドフォトダイオードを含む。バランスドフォトダイオードは、一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを有し、これらにより得られた一対の検出結果の差分を出力する。検出器125は、この出力(検出信号)をデータ収集システム(DAQ)130に送る。
データ収集システム130には、光源ユニット101からクロックKCが供給される。クロックKCは、光源ユニット101において、波長可変光源により所定の波長範囲内で掃引される各波長の出力タイミングに同期して生成される。光源ユニット101は、例えば、各出力波長の光L0を分岐して2つの分岐光を生成し、これら分岐光の一方を光学的に遅延させ、これら分岐光を合成し、得られた合成光を検出し、その検出結果に基づいてクロックKCを生成する。データ収集システム130は、検出器125から入力される検出信号のサンプリングをクロックKCに基づいて実行する。データ収集システム130は、このサンプリングの結果を演算制御ユニット200に送る。
本例では、測定アーム長を変更するための要素(光路長変更部41等)と、参照アーム長を変更するための要素(コーナーキューブ114等)との双方が設けられているが、一方の要素のみが設けられていてもよい。また、測定アーム長と参照アーム長との間の差(光路長差)を変更するための要素はこれらに限定されず、任意の要素(光学部材、機構など)であってよい。
〈制御系〉
血流計測装置1の制御系の構成例を図3及び図4に示す。制御部210、画像形成部220及びデータ処理部230は、演算制御ユニット200に設けられる。
〈制御部210〉
制御部210は、各種の制御を実行する。制御部210は、主制御部211と記憶部212とを含む。
〈主制御部211〉
主制御部211は、プロセッサを含み、血流計測装置1の各部(図1〜図4に示された要素を含む)を制御する。なお、図示しない撮影合焦駆動部によって撮影合焦レンズ31及びフォーカス光学系60が移動され、図示しないOCT合焦駆動部によってOCT合焦レンズ43が移動される。また、OCTユニット100に設けられた参照駆動部114Aは、コーナーキューブ114を移動する。
移動機構150は、例えば、少なくとも眼底カメラユニット2を3次元的に移動する。典型的な例において、移動機構150は、±x方向(左右方向)に移動可能なxステージと、xステージを移動するx移動機構と、±y方向(上下方向)に移動可能なyステージと、yステージを移動するy移動機構と、±z方向(奥行き方向)に移動可能なzステージと、zステージを移動するz移動機構とを含む。各移動機構は、パルスモータ等のアクチュエータを含み、主制御部211により制御される。
主制御部211は、LCD39を制御する。例えば、主制御部211は、LCD39の画面における予め設定された位置に固視標を表示する。また、主制御部211は、LCD39に表示されている固視標の表示位置を徐々に変更することができる。固視位置の移動制御については後述する。
〈記憶部212〉
記憶部212は各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、OCT画像や眼底像や被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者情報や、左眼/右眼の識別情報や、電子カルテ情報などを含む。
本実施形態では、被検眼Eの眼底Efに対する過去のOCT血流計測(血流動態計測)において適用された固視位置(過去固視位置)を示す固視位置情報が、記憶部212に記憶される。過去固視位置は、例えば、LCD39における固視標画像の表示位置(画素の座標)によって表現される。この座標は、例えば、LCD39の表示画面において予め定義された2次元座標系で表される座標である。固視マトリクスが用いられる場合、過去固視位置は、例えば、点灯された発光部の位置(座標)によって表現される。この座標は、例えば、複数の発光部の配列面において予め定義された2次元座標系で表される座標である。
〈画像形成部220〉
画像形成部220は、データ収集システム130から入力された信号(サンプリングデータ)に基づいて、眼底Efの断層像の画像データと位相画像の画像データとを形成する。これらの画像については後述する。画像形成部220は、例えば、前述の回路基板やマイクロプロセッサを含んで構成される。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づく「画像」とを同一視することがある。画像形成部220は、断層像形成部221と位相画像形成部222を含む。
本実施形態では、眼底Efに対して2種類の走査(第1走査及び第2走査)を行う。第1走査では、眼底Efの注目血管に交差する第1断面を測定光LSで反復的に走査する。第2走査では、この注目血管に交差し、かつ、第1断面の近傍に位置する第2断面を測定光LSで走査する。ここで、第1断面と第2断面は、例えば、注目血管の走行方向に対して略直交するように向き付けられる。本実施形態では、例えば、図5の眼底像Dに示すように、眼底Efの視神経乳頭Daの近傍に位置する1つの第1断面C0と2つの第2断面C1及びC2とが、注目血管Dbに交差するように設定される。2つの第2断面C1及びC2の一方は、第1断面C0に対して注目血管Dbの上流側に位置し、他方は下流側に位置する。
例えば、第1走査は、患者の心臓の少なくとも1心周期の間にわたって実行される。それにより、全ての心時相における血流動態を把握することが可能となる。なお、第1走査を実行する時間は、予め設定された一定の時間であってもよいし、患者ごとに又は検査ごとに設定された時間であってもよい。前者の場合、標準的な心周期よりも長い時間が設定される(例えば2秒間)。後者の場合、患者の心電図等の生体データを参照することができる。ここで、心周期以外のファクターを考慮することも可能である。このファクターの例としては、検査に掛かる時間(患者への負担)、光スキャナ42の応答時間(走査時間間隔)、検出器125の応答時間(走査時間間隔)などがある。
〈断層像形成部221〉
断層像形成部221は、第1走査においてデータ収集システム130より得られたサンプリングデータに基づいて、第1断面における形態の時系列変化を表す断層像(第1断層像)を形成する。この処理についてより詳しく説明する。第1走査は、上記のように第1断面C0を繰り返し走査するものである。断層像形成部221には、この繰り返し走査に応じて、データ収集システム130からサンプリングデータが逐次に入力される。断層像形成部221は、第1断面C0の各走査に対応するサンプリングデータに基づいて、第1断面C0の1枚の断層像を形成する。断層像形成部221は、この処理を第1走査の反復回数だけ繰り返すことで、時系列に沿った一連の断層像を形成する。ここで、これら断層像を複数の群に分割し、各群に含まれる断層像群を重ね合わせて画質の向上を図ってもよい(画像の加算平均処理)。
また、断層像形成部221は、第2断面C1及びC2に対する第2走査においてデータ収集システム130により得られたサンプリングデータに基づいて、第2断面C1の形態を表す断層像(第2断層像)と、第2断面C2の形態を表す断層像(第2断層像)とを形成する。第2断層像を形成する処理は、第1断層像を形成する処理と同様にして実行される。ここで、第1断層像は時系列に沿う一連の断層像であるが、第2断層像は1枚の断層像であってもよい。また、第2断層像は、第2断面C1及びC2のそれぞれを複数回走査して得られた複数の断層像を重ね合わせて画質の向上を図ったものであってもよい(画像の加算平均処理)。
このような断層像を形成する処理は、従来のフーリエドメインOCTと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、高速フーリエ変換(FFT)などを含む。他のタイプのOCT装置の場合、断層像形成部221は、そのタイプに応じた公知の処理を実行する。
〈位相画像形成部222〉
位相画像形成部222は、第1走査においてデータ収集システム130により得られたサンプリングデータに基づいて、第1断面における位相差の時系列変化を表す位相画像を形成する。位相画像の形成に用いられるサンプリングデータは、断層像形成部221による第1断層像の形成に用いられるサンプリングデータと同じである。よって、第1断層像と位相画像との間の位置合わせをすることが可能である。つまり、第1断層像の画素と位相画像の画素との間に自然な対応関係を設定することが可能である。
位相画像の形成方法の一例を説明する。この例の位相画像は、隣り合うAライン複素信号(つまり、隣接する走査点に対応する信号)の位相差を算出することにより得られる。換言すると、この例の位相画像は、第1断層像の画素値(輝度値)の時系列変化に基づいて形成される。第1断層像の任意の画素について、位相画像形成部222は、その画素の輝度値の時系列変化のグラフを作成する。位相画像形成部222は、このグラフにおいて所定の時間間隔Δtだけ離れた2つの時点t1及びt2(t2=t1+Δt)の間における位相差Δφを求める。そして、この位相差Δφを時点t1(より一般に、時点t1と時点t2との間の任意の時点)における位相差Δφ(t1)として定義する。予め設定された多数の時点のそれぞれについてこの処理を実行することにより、当該画素における位相差の時系列変化が得られる。
位相画像は、各画素の各時点における位相差の値を画像として表現したものである。この画像化処理は、例えば、位相差の値を表示色や輝度で表現することで実現できる。このとき、時系列に沿って位相が増加した場合の表示色(例えば赤色)と、減少した場合の表示色(例えば青色)とを変更することができる。また、位相の変化量の大きさを表示色の濃度で表現することもできる。このような表現方法を採用することで、血流の向きや大きさを表示色で明示することが可能となる。以上の処理を各画素について実行することにより位相画像が形成される。
なお、位相差の時系列変化は、上記の時間間隔Δtを十分に小さくして位相の相関を確保することにより得られる。このとき、測定光LSの走査において断層像の分解能に相当する時間未満の値に時間間隔Δtを設定したオーバーサンプリングが実行される。
〈データ処理部230〉
データ処理部230は、画像形成部220により形成された画像に対して各種の画像処理や解析処理を施す。例えば、データ処理部230は、画像の輝度補正や分散補正等の各種補正処理を実行する。また、データ処理部230は、眼底カメラユニット2により得られた画像(眼底像、前眼部像等)に対して各種の画像処理や解析処理を施す。
データ処理部230は、眼底Efの3次元画像データを形成することができる。3次元画像データとは、3次元座標系により画素の位置が定義された画像データを意味する。3次元画像データの例として、スタックデータやボリュームデータがある。
スタックデータは、複数の走査線に沿って得られた複数の断層像を、走査線の位置関係に基づいて3次元的に配列させて得られた画像データである。すなわち、スタックデータは、元々個別の2次元座標系により定義されていた複数の断層像を、1つの3次元座標系により表現する(つまり、1つの3次元空間に埋め込む)ことにより得られた画像データである。
ボリュームデータは、3次元的に配列されたボクセルを画素とする画像データであり、ボクセルデータとも呼ばれる。ボリュームデータは、スタックデータに補間処理やボクセル化処理などを適用することで形成される。
データ処理部230は、3次元画像データに対してレンダリング処理を施すことで、表示用の画像を形成することができる。適用可能なレンダリング法の例として、ボリュームレンダリング、サーフェスレンダリング、最大値投影(MIP)、最小値投影(MinIP)、多断面再構成(MPR)などがある。
データ処理部230は、血管領域特定部231と、血流情報生成部232とを含む。血流情報生成部232は、傾き算出部233と、血流速度算出部234と、血管径算出部235と、血流量算出部236とを含む。更に、データ処理部230は断面設定部237を含む。
〈血管領域特定部231〉
血管領域特定部231は、第1断層像、第2断層像、及び位相画像のそれぞれについて、注目血管Dbに対応する血管領域を特定する。この処理は、各画像の画素値を解析することによって実行することが可能である(例えば閾値処理)。
なお、第1断層像と第2断層像は解析処理の対象として十分な解像度を持っているが、位相画像は血管領域の境界を特定できるほどの解像度を持っていない場合がある。しかし、位相画像に基づき血流情報を生成する以上、その血管領域を高精度かつ高確度で特定する必要がある。そこで、例えば次のような処理を行うことで、位相画像中の血管領域をより正確に特定することができる。
前述のように、第1断層像と位相画像は同じサンプリングデータに基づいて形成されるため、第1断層像の画素と位相画像の画素との間の自然な対応関係を定義することが可能である。血管領域特定部231は、例えば、第1断層像を解析して血管領域を求め、この血管領域に対応する位相画像中の画像領域を当該対応関係に基づき特定し、特定された画像領域を位相画像中の血管領域として採用する。これにより、位相画像の血管領域を高精度かつ高確度で特定することができる。
〈血流情報生成部232〉
血流情報生成部232は、第1断面と第2断面との間の距離、血管領域の特定結果、及び位相画像の血管領域における位相差の時系列変化に基づいて、注目血管Dbに関する血流情報を生成する。ここで、第1断面と第2断面との間の距離(断面間距離)は、事前に決定される。その一例は、断面設定部237の説明において後述する。血管領域は、血管領域特定部231により特定される。位相画像の血管領域における位相差の時系列変化は、位相画像の血管領域内の画素についての位相差の時系列変化として得られる。以下、この処理を実行するための構成の一例を説明する。前述のように、血流情報生成部232は、傾き算出部233と、血流速度算出部234と、血管径算出部235と、血流量算出部236とを含む。
〈傾き算出部233〉
傾き算出部233は、断面間距離と血管領域の特定結果とに基づいて、第1断面における注目血管Dbの傾きを算出する。注目血管Dbの傾きの算出方法について図6を参照しつつ説明する。符号G0、G1及びG2は、それぞれ、第1断面C0における第1断層像、第2断面C1における第2断層像、及び第2断面C2における第2断層像を示す。また、符号V0、V1及びV2は、それぞれ、第1断層像G0の血管領域、第2断層像G1の血管領域、及び第2断層像G2の血管領域を示す。図6に示すz座標軸は、測定光LSの投射方向と実質的に一致する。また、隣接する断層像の間隔(断面間距離)をdとする。
傾き算出部233は、3つの血管領域V0、V1及びV2の間の位置関係に基づいて、第1断面C0における注目血管Dbの傾きAを算出する。この位置関係は、例えば、3つの血管領域V0、V1及びV2を接続することによって求められる。その具体例として、傾き算出部233は、3つの血管領域V0、V1及びV2のそれぞれの特徴位置を特定し、これら特徴位置を接続することができる。この特徴位置としては、中心位置、重心位置、最上部(z座標値が最小の位置)、最下部(z座標値が最大の位置)などがある。また、これら特徴位置の接続方法としては、線分で結ぶ方法、近似曲線(スプライン曲線、ベジェ曲線等)で結ぶ方法などがある。
更に、傾き算出部233は、3つの血管領域V0、V1及びV2から特定された特徴位置の間を接続する線に基づいて傾きAを算出する。線分で接続する場合、例えば、第1断面C0の特徴位置と第2断面C1の特徴位置とを結ぶ第1線分の傾きと、第1断面C0の特徴位置と第2断面C2の特徴位置とを結ぶ第2線分の傾きとに基づき傾きAを算出することができる。この算出処理の例として、2つの線分の傾きの平均値を求めることが可能である。また、近似曲線で結ぶ場合の例として、近似曲線が第1断面C0に交差する位置におけるこの近似曲線の傾きを求めることができる。なお、断面間距離dは、例えば、線分や近似曲線を求める処理において、断層像G0〜G2をxyz座標系に埋め込むときに用いられる。
この例では、3つの断面における血管領域を考慮しているが、2つの断面を考慮して傾きを求めるように構成することも可能である。その具体例として、上記第1線分又は第2線分の傾きを目的の傾きとすることができる。また、この例では1つの傾きを求めているが、血管領域V0中の2つ以上の位置(又は領域)についてそれぞれ傾きを求めるようにしてもよい。この場合、得られた2つ以上の傾きの値を別々に用いることもできるし、これら傾きの値を統計的に処理して得られる値(例えば、平均値、最大値、最小値、中間値、最頻値など)を傾きAとして用いることもできる。
〈血流速度算出部234〉
血流速度算出部234は、位相画像として得られる位相差の時系列変化に基づいて、注目血管Db内を流れる血液の第1断面C0における血流速度を算出する。この算出対象は、或る時点における血流速度でもよいし、この血流速度の時系列変化(血流速度変化情報)でもよい。前者の場合、例えば心電図の所定の時相(例えばR波の時相)における血流速度を選択的に取得することが可能である。また、後者における時間の範囲は、第1断面C0を走査した時間の全体又は任意の一部である。
血流速度変化情報が得られた場合、血流速度算出部234は、計測期間における血流速度の統計値を算出することができる。この統計値としては、平均値、標準偏差、分散、中央値、最頻値、最大値、最小値、極大値、極小値などがある。また、血流速度の値に関するヒストグラムを作成することもできる。
血流速度算出部234は、ドップラーOCTの手法を用いて血流速度を算出する。このとき、傾き算出部233により算出された第1断面C0における注目血管Dbの傾きAが考慮される。具体的には、傾き算出部233は次式を用いる。
Figure 2019054993
ここで:
Δfは、測定光LSの散乱光が受けるドップラーシフトを表す;
nは、媒質の屈折率を表す;
vは、媒質の流速(血流速度)を表す;
θは、測定光LSの照射方向と媒質の流れベクトルとが成す角度を表す;
λは、測定光LSの中心波長を表す。
本実施形態では、nとλは既知であり、Δfは位相差の時系列変化から得られ、θは傾きAから得られる(又はθは傾きAとして得られる)。これらの値を上記の式に代入することにより、血流速度vが算出される。
〈血管径算出部235〉
血管径算出部235は、第1断面C0における注目血管Dbの径を算出する。この算出方法の例として、眼底像(正面画像)を用いた第1の算出方法と、断層像を用いた第2の算出方法がある。
第1の算出方法が適用される場合、第1断面C0の位置を含む眼底Efの部位の撮影が予め行われる。それにより得られる眼底像は、観察画像(のフレーム)でもよいし、撮影画像でもよい。撮影画像がカラー画像である場合には、これを構成する画像(例えばレッドフリー画像)を用いてもよい。また、撮影画像は、眼底蛍光造影撮影(フルオレセイン蛍光造影撮影など)により得られた蛍光画像でもよいし、OCT血管造影(OCTアンジオグラフィ)により得られた血管強調画像(アンジオグラム、モーションコントラスト画像)でもよい。
血管径算出部235は、撮影画角(撮影倍率)、ワーキングディスタンス、眼球光学系の情報など、画像上のスケールと実空間でのスケールとの関係を決定する各種ファクターに基づいて、眼底像におけるスケールを設定する。このスケールは実空間における長さを表す。具体例として、このスケールは、隣接する画素の間隔と、実空間におけるスケールとを対応付けたものである(例えば画素の間隔=10μm)。なお、上記ファクターの様々な値と、実空間でのスケールとの関係を予め算出し、この関係をテーブル形式やグラフ形式で表現した情報を記憶しておくことも可能である。この場合、血管径算出部235は、上記ファクターに対応するスケールを選択的に適用する。
更に、血管径算出部235は、このスケールと血管領域V0に含まれる画素とに基づいて、第1断面C0における注目血管Dbの径、つまり血管領域V0の径を算出する。具体例として、血管径算出部235は、血管領域V0の様々な方向の径の最大値や平均値を求める。また、血管領域235は、血管領域V0の輪郭を円近似又は楕円近似し、その円又は楕円の径を求めることができる。なお、血管径が決まれば血管領域V0の面積を(実質的に)決定することができるので(つまり両者を実質的に一対一に対応付けることができるので)、血管径を求める代わりに当該面積を算出するようにしてもよい。
第2の算出方法について説明する。第2の算出方法では、典型的には、第1断面C0における断層像が用いられる。この断層像は、第1断層像でもよいし、これとは別個に取得されたものでもよい。
この断層像におけるスケールは、OCTの計測条件などに基づき決定される。本実施形態では、図5に示すように第1断面C0を走査する。第1断面C0の長さは、ワーキングディスタンス、眼球光学系の情報など、画像上のスケールと実空間でのスケールとの関係を決定する各種ファクターに基づいて決定される。血管径算出部235は、例えば、この長さに基づいて隣接する画素の間隔を求め、第1の算出方法と同様にして第1断面C0における注目血管Dbの径を算出する。
〈血流量算出部236〉
血流量算出部236は、血流速度の算出結果と血管径の算出結果とに基づいて、注目血管Db内を流れる血液の流量を算出する。この処理の一例を以下に説明する。
血管内における血流がハーゲン・ポアズイユ流(Hagen−Poiseuille flow)と仮定する。また、血管径をwとし、血流速度の最大値をVmとすると、血流量Qは次式で表される。
Figure 2019054993
血流量算出部236は、血管径算出部235による血管径の算出結果wと、血流速度算出部234による血流速度の算出結果に基づく最大値Vmとを、この数式に代入することにより、目的の血流量Qを算出する。
〈断面設定部237〉
主制御部211は、表示部241に眼底Efの正面画像を表示させる。この正面画像は、任意種別の画像であってよく、例えば、観察画像、撮影画像、OCTアンジオグラム、OCTプロジェクション画像、及びOCTシャドウグラムのいずれかであってよい。
例えば、ユーザーは、操作部242を操作することで、表示された正面画像に対して第1断面C0を指定する。断面設定部237は、指定された第1断面C0と、この正面画像とに基づいて、第2断面C1及びC2を設定することができる。なお、前述のように、第1断面COは所望の注目血管Dbを横切るように指定される。
他の例において、断面設定部237は、眼底Efの正面画像を解析して1以上の注目血管を特定し、各注目血管に対して1以上の第1断面及び1以上の第2断面を設定することができる。ここで、注目血管の特定は、例えば、血管の太さや、視神経乳頭に対する位置や、血管の種別(例えば動脈)などに基づき実行される。
以上のように機能するデータ処理部230は、例えば、プロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等を含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、上記機能をプロセッサに実行させるコンピュータプログラムが予め格納されている。
〈ユーザーインターフェイス240〉
ユーザーインターフェイス(UI)240は、表示部241と操作部242とを含む。表示部241は、図1に示す表示装置3や他の表示デバイスを含む。操作部242は、任意の操作デバイスを含む。ユーザーインターフェイス240は、例えばタッチパネルのように、表示機能と操作機能の双方を備えたデバイスを含んでいてもよい。
〈動作〉
血流計測装置1の動作の例を説明する。
図7は、経過観察や術前術後観察のために実施される繰り返し計測における初回の計測の例を表す。なお、患者IDの入力、アライメント、フォーカス調整などの準備的処理は既に行われたとする。更に、アライメント及びフォーカス調整の後、トラッキングを開始してもよい。また、光路長調整などのOCT計測条件設定は、例えば従来と同様に適当なタイミングで行われる。
(S1:血流計測条件(固視位置を含む)を設定)
例えば、ユーザー(医師、コメディカルなど)は、眼底Efの観察画像を参照しつつ注目血管を探索する。このとき、ユーザーは、操作部242を用いて固視位置を移動することで、血流計測の対象位置(前述した第1断面C0。注目断面と呼ぶ。)をOCT適用可能範囲内に導く。
(S2:血流計測位置を設定)
次に、ユーザーは、OCT血流計測の対象となる注目断面を、操作部242を用いて設定する。
(S3:OCT血流計測)
続いて、血流計測装置1は、ステップS2で設定された注目断面におけるOCT血流計測を実行する。
(S4:眼底正面画像を取得)
この段階では、ステップS1でユーザーにより設定された固視位置であって、注目断面のOCT血流計測に好適な固視位置が適用されている。この固視状態において、血流計測装置1は、眼底Efの正面画像を取得する。
この眼底正面画像は、この段階で取得された観察画像のフレームであってもよいし、この段階の撮影で取得された撮影画像でもよいし、この段階で取得されたOCT画像でもよい。
また、眼底正面画像を取得するタイミングは、OCT血流計測の後である必要はなく、OCT血流計測の前又は最中であってもよい。一般に、注目断面のOCT血流計測に好適な固視位置が適用されている期間における任意のタイミングで、眼底正面画像を取得することが可能である。
(S5:計測条件、眼底正面画像、血流情報を保存)
主制御部211は、ステップS1で設定された計測条件(ユーザーにより設定された固視位置を少なくとも含む)と、ステップS3のOCT血流計測で取得された血流情報と、ステップS4で取得された眼底正面画像とを、患者IDに関連付ける。そして、主制御部211は、患者IDに関連付けられた計測条件と血流情報と眼底正面画像とを、記憶部212又は他の記憶装置に保存する。以上で、初回計測は終了となる。
図8は、繰り返し計測における2回目以降の計測の例を表す。
(S11:患者IDを入力)
まず、患者IDが入力される。患者IDの入力方法の例として、操作部242を用いた手入力、患者カード等の読み取りなどがある。また、指紋認証や虹彩パターン認証などの生体認証を適用することも可能である。
(S12:過去固視位置、過去正面画像を読み出し)
主制御部211は、ステップS1で入力された患者IDに関連付けられた情報を記憶部212又は他の記憶装置から読み出す。患者IDに関連付けられた情報は、ステップS5で保存された計測条件(少なくとも過去固視位置を含む)と眼底正面画像(過去正面画像と呼ぶ)とを含む。また、後述のステップS20で用いられる過去血流情報を更に読み出してもよい。
(S13:眼底観察を開始)
主制御部211は、眼底カメラユニット2を制御して眼底Efの観察画像の取得を開始させ、この観察画像を表示部241に表示させる。
(S14:初期固視位置に対応する固視標画像を表示)
主制御部211は、所定の初期固視位置に対応する固視標画像をLCD39に表示させる。初期固視位置は、例えば、黄斑部を中心とする画像を取得するための固視位置である。この初期固視位置は、例えば、LCD39の表示画面において撮影光学系30の光軸が交差する位置(典型的には、表示画面の中心位置)である。なお、初期固視位置は予め設定され、その固視標画像の表示位置は、例えばLCD39の表示画面の座標として記憶されている。
(S15:初期固視位置から過去固視位置まで固視位置を移動)
主制御部211は、ステップS12で読み出された過去固視位置に基づいて、固視標による固視位置を所定の初期固視位置から過去固視位置まで移動させるようにLCD39を制御する。
この制御は、例えば、初期固視位置に対応するLCD39の座標と過去固視位置に対応する座標とを結ぶ線分に沿って、固視標画像の表示位置を所定の速さで移動させるように実行される。固視標画像の移動速度は予め設定され、例えば、移動する固視標を被検者が余裕をもって追従できるような速さに設定される。また、固視標画像の移動軌跡は直線状軌跡には限定されず、曲線状軌跡や折れ線状軌跡など、任意形状の軌跡であってよい。
(S16:眼底正面画像を取得)
固視標による固視位置が過去固視位置まで移動された後、血流計測装置1は眼底正面画像を取得する。この段階では、初回計測において適用された固視位置が再現されている。
取得される眼底正面画像は、この段階で取得された観察画像のフレームであってもよいし、この段階の撮影で取得された撮影画像でもよいし、この段階で取得されたOCT画像でもよい。
(S17:眼底正面画像と過去正面画像に基づき固視位置を調整)
主制御部211は、ステップS16で取得された眼底正面画像とステップS12で読み出された過去正面画像とに基づいて、固視標による固視位置の移動制御を行う。
この眼底正面画像と過去正面画像とは、同じ固視位置が適用された状態で取得された正面画像である。よって、理想的には、眼底正面画像と過去正面画像とは同じ画像となる。しかし、実際には、様々な条件により、これらが完全に同じ画像となることは極めて稀であると考えられる。ステップS17では、眼底正面画像と過去正面画像との間のズレを打ち消すように固視位置が調整される。
ステップS17で実行される処理の例を説明する。ステップS15において固視標による固視位置が過去固視位置まで移動された後、主制御部211は、ステップS12で読み出された過去正面画像と略同一の正面画像が血流計測装置1(例えば、眼底カメラユニット2)により取得されるように、固視標による固視位置の移動制御を行う。
この移動制御は、例えば、眼底Efの観察画像を取得しつつ実行される。例えば、主制御部211(及びデータ処理部230)は、逐次に取得されるフレームと過去正面画像との間の変位(変位方向及び変位量)を特徴抽出や画像相関等の画像処理により特定する処理と、特定された変位を打ち消すような固視標画像の移動方向及び移動量を求める処理と、求められた移動方向及び移動量に基づいてLCD39を制御する処理とを、繰り返し実行する。主制御部211は、例えば、フレームと過去正面画像との変位量が所定閾値以下になったときに、この一連の処理(ステップS17の処理)を終了する。
(S18:血流計測位置を設定)
次に、ユーザー又は血流計測装置1は、今回のOCT血流計測の対象となる注目断面を設定する。
ユーザーが注目断面を設定する場合の例を説明する。主制御部211は、初回計測での注目断面を示す画像とともに表示された過去正面画像と、観察画像とを、表示部241に表示させる。ユーザーは、双方の画像を比較しつつ、観察画像に対して注目断面を設定することができる。
血流計測装置1が注目断面を設定する場合の例を説明する。データ処理部230は、ステップS17の後に取得された眼底正面画像と過去正面画像とを比較して、過去正面画像における初回計測の注目断面に対応する当該眼底正面画像中の位置を特定する。主制御部211は、データ処理部230により特定された当該眼底正面画像の位置に注目断面を設定することができる。ここで、自動で設定された注目断面をユーザーが手動で調整することができる。
(S19:OCT血流計測)
続いて、血流計測装置1は、ステップS18で設定された注目断面におけるOCT血流計測を実行する。なお、今回のOCT血流計測は、例えば、初回計測で適用された計測条件の下に実行される。
(S20:血流情報を比較表示)
主制御部211は、ステップS19で取得された血流情報と、ステップS12又はそれ以降に任意のタイミングで読み出された過去血流情報とを、互いに比較可能な態様で表示部241に表示させる。過去血流情報は、今回の計測よりも前に実施された1回以上の計測で得られた1つ以上の血流情報のうちの少なくとも1つの血流情報を含む。
例えば、主制御部211は、ステップS19で取得された計測値と過去の計測値とを並べて表示させたり、ステップS19で取得された血流グラフと過去の血流グラフとを並べて表示させたりすることができる。血流グラフは、例えば、血流速度又は血流量の時系列変化を表す。
(S21:血流情報を保存)
主制御部211は、ステップS19のOCT血流計測で取得された血流情報を患者IDに関連付ける。そして、主制御部211は、患者IDに関連付けられた血流情報を記憶部212又は他の記憶装置に保存する。
なお、主制御部211は、ステップS19のOCT血流計測で取得された血流情報に加えて、このOCT血流計測で適用された計測条件(例えば、固視位置を含む)と、任意のタイミングで取得された眼底正面画像とを、患者IDに関連付け、これらを保存するようにしてもよい。以上で、今回の計測は終了となる。
図9は、繰り返し計測における2回目以降の計測の他の例を表す。図8に示す例では固視位置の調整を自動で行うが、本例では固視位置の調整をユーザーが手動で行う。
(S31:患者IDを入力)
ステップS11と同様に、患者IDが入力される。
(S32:過去固視位置、過去正面画像を読み出し)
ステップS12と同様に、過去固視位置、過去正面画像、過去血流情報などが読み出される。
(S33:眼底観察を開始)
ステップS13と同様に、眼底観察が開始される。
(S34:過去正面画像と観察画像を表示)
主制御部211は、ステップS32で読み出された過去正面画像と、ステップS33で取得が開始された観察画像とを、表示部241に並べて表示させる。
(S35:初期固視位置に対応する固視標画像を表示)
ステップS14と同様に、初期固視位置に対応する固視標画像がLCD39に表示される。
(S36:初期固視位置から過去固視位置まで固視位置を移動)
ステップS15と同様に、固視標による固視位置が初期固視位置から過去固視位置まで移動される。
(S37:ユーザーが固視位置を調整する)
ステップS36において固視標による固視位置が過去固視位置まで移動された後、ユーザーは、ステップS34で表示が開始された過去正面画像と観察画像とを参照しつつ、操作部242を用いて固視位置を調整する。ユーザーは、過去正面画像と略同一の観察画像が血流計測装置1(眼底カメラユニット2)により取得されるように、固視標による固視位置を手動で移動させる。
(S38:血流計測位置を設定)
ステップS18と同様に、血流計測位置(注目断面)が設定される。
(S39:OCT血流計測)
ステップS19と同様に、OCT血流計測が実行される。
(S40:血流情報を比較表示)
ステップS20と同様に、血流情報の比較表示が実行される。
(S41:血流情報を保存)
ステップS21と同様に、血流情報等が保存される。以上で、今回の計測は終了となる。
〈作用・効果〉
実施形態に係る血流計測装置の作用及び効果について説明する。
実施形態の血流計測装置は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を用いて眼底の血流動態を計測する。更に、実施形態の血流計測装置は、記憶部(212)と、固視標投影部(LCD39、撮影光学系30の一部)と、制御部(主制御部211、データ処理部230)とを含む。
記憶部は、被検眼の眼底に対する過去の血流動態計測(OCT血流計測)において適用された過去固視位置を示す固視位置情報を記憶する。固視標投影部は、眼底に固視標を投影する。制御部は、固視標による固視位置を所定の初期固視位置から過去固視位置まで移動させるように固視標投影部を制御する。
更に、実施形態の血流計測装置は、固視標による固視位置が過去固視位置まで移動された後に、眼底の血流動態計測を実行する。つまり、実施形態の血流計測装置は、固視標による固視位置が過去固視位置まで移動された後に設定された注目断面に対してOCT血流計測を適用する。
このような実施形態によれば、まず、予め設定された初期固視位置に対応する固視標が提示される。典型的には、初期固視位置は、黄斑計測用固視位置や、光軸上の位置のように、被検者が容易に視認できる位置に設定される。その後、固視位置が、過去のOCT血流計測で適用された過去固視位置まで移動される。そして、過去固視位置まで固視位置が移動された後に、今回のOCT血流計測が実行される。
このように、初期固視位置から過去固視位置まで誘導するように固視標を移動する構成としたことにより、被検者の固視状態を、過去のOCT血流計測において適用された固視状態まで比較的確実に誘導することができる。したがって、眼底のOCT血流計測における計測位置の再現性を向上させることができ、経過観察や術前術後観察を好適に行うことが可能となる。
実施形態において、記憶部は、過去の血流動態計測において過去固視位置が適用されているときに眼底を撮影して取得された過去正面画像を更に記憶してよい。また、実施形態の血流計測装置は、眼底を撮影して正面画像を取得する眼底撮影部を更に含んでいてよい。加えて、制御部は、眼底撮影部により取得された正面画像と過去正面画像とに基づいて固視標による固視位置の移動制御を行うように構成されてよい。実施形態の血流計測装置は、この移動制御の後に血流動態計測を実行する。
このような構成によれば、眼底の正面画像を利用して固視位置の調整を自動で行うことができる。
更に、実施形態において、固視標による固視位置が過去固視位置まで移動された後、制御部は、過去正面画像と略同一の正面画像が眼底撮影部により取得されるように、固視標による固視位置の移動制御を行うように構成されてよい。
このような構成によれば、被検眼の固視状態が過去固視位置まで誘導された後のズレを自動で修正することが可能である。
実施形態において、記憶部は、過去の血流動態計測において過去固視位置が適用されているときに眼底を撮影して取得された過去正面画像を更に記憶してよい。また、実施形態の血流計測装置は、眼底を撮影して正面画像を取得する眼底撮影部を更に含んでいてよい。加えて、制御部は、眼底撮影部により取得された正面画像と過去正面画像とを表示手段(表示部241)に表示させるように構成されてよい。また、実施形態の血流計測装置は、固視標による固視位置を移動させるための操作部を更に含んでいてよい。更に、実施形態の血流計測装置は、固視標による固視位置が過去固視位置まで移動され、且つ、操作部を用いた固視位置の移動操作が行われた後に、血流動態計測を実行する。
このような構成によれば、眼底の正面画像を利用して固視位置の調整を手動で行うことができる。
なお、表示手段は、実施形態の血流計測装置の要素であってもよいし、実施形態の血流計測装置に接続された外部表示デバイスであってもよい。
実施形態において、固視標投影部は、固視標画像を表示する表示部(LCD39)と、表示部に表示された固視標画像を被検眼に導く光学系(LCD39から対物レンズ22までの光路を形成する光学部材群)とを含んでいてよい。更に、制御部は、表示部による固視標画像の表示位置を変更することにより固視標による固視位置を移動させるように構成されてよい。
実施形態において、固視標投影部は、複数の発光部がマトリクス状に配列された光源部(固視マトリクス)と、光源部から出力された光を被検眼に導く光学系とを含んでいてよい。更に、制御部は、複数の発光部を選択的に点灯させることにより固視標による固視位置を移動させるように構成されてよい。
なお、固視標投影部の構成は、これらに限定されない。また、実施形態に係る血流計測装置の他の要素についても、本実施形態において説明された構成には限定されない。
以上に説明した構成は、この発明の実施態様の例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を施すことが可能である。
1 血流計測装置
2 眼底カメラユニット
39 液晶ディスプレイ
100 OCTユニット
210 制御部
211 主制御部
212 記憶部
220 画像形成部
230 データ処理部

Claims (6)

  1. 光コヒーレンストモグラフィを用いて眼底の血流動態を計測する血流計測装置であって、
    被検眼の眼底に対する過去の血流動態計測において適用された過去固視位置を示す固視位置情報を記憶する記憶部と、
    前記眼底に固視標を投影するための固視標投影部と、
    前記固視標による固視位置を所定の初期固視位置から前記過去固視位置まで移動させるように前記固視標投影部を制御する制御部と
    を含み、
    前記固視標による固視位置が前記過去固視位置まで移動された後に、前記眼底の血流動態計測を実行する、
    血流計測装置。
  2. 前記記憶部は、前記過去の血流動態計測において前記過去固視位置が適用されているときに前記眼底を撮影して取得された過去正面画像を更に記憶し、
    前記眼底を撮影して正面画像を取得する眼底撮影部を更に含み、
    前記制御部は、前記眼底撮影部により取得された前記正面画像と前記過去正面画像とに基づいて前記固視標による固視位置の移動制御を行い、
    前記移動制御の後に前記血流動態計測を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の血流計測装置。
  3. 前記固視標による固視位置が前記過去固視位置まで移動された後、前記制御部は、前記過去正面画像と略同一の正面画像が前記眼底撮影部により取得されるように前記移動制御を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の血流計測装置。
  4. 前記記憶部は、前記過去の血流動態計測において前記過去固視位置が適用されているときに前記眼底を撮影して取得された過去正面画像を更に記憶し、
    前記眼底を撮影して正面画像を取得する眼底撮影部を更に含み、
    前記制御部は、前記眼底撮影部により取得された前記正面画像と前記過去正面画像とを表示手段に表示させ、
    前記固視標による固視位置を移動させるための操作部を更に含み、
    前記固視標による固視位置が前記過去固視位置まで移動され、且つ、前記操作部を用いた前記固視位置の移動操作が行われた後に、前記血流動態計測を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の血流計測装置。
  5. 前記固視標投影部は、
    固視標画像を表示する表示部と、
    前記表示部に表示された前記固視標画像を前記被検眼に導く光学系と
    を含み、
    前記制御部は、前記表示部による前記固視標画像の表示位置を変更することにより前記固視標による固視位置を移動させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の血流計測装置。
  6. 前記固視標投影部は、
    複数の発光部がマトリクス状に配列された光源部と、
    前記光源部から出力された光を前記被検眼に導く光学系と
    を含み、
    前記制御部は、前記複数の発光部を選択的に点灯させることにより前記固視標による固視位置を移動させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の血流計測装置。

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