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JP2019050329A - 太陽電池セルの製造方法 - Google Patents

太陽電池セルの製造方法 Download PDF

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幸平 澤田
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幸平 澤田
康志 吉川
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Abstract

【課題】本願発明者は、太陽電池セルのパッシベーション膜として酸化アルミニウムを採用した場合に、高温高湿下におけるパッシベーション性の低下の課題があることを見出し、本発明に係る太陽電池セルの製造方法を発明するに至った。【解決手段】本発明の太陽電池セルの製造方法は、シリコン基板に不純物を導入して不純物含有領域を形成する工程と、シリコン基板上に酸化アルミニウムを含むパッシベーション膜を形成する工程と、パッシベーション膜が形成されたシリコン基板を、酸素を含む雰囲気下でアニールするアニール工程と、シリコン基板の不純物含有領域に接続されるように電極を形成する工程とを備える太陽電池セルの製造方法である。【選択図】図2

Description

太陽電池セルの製造方法に関するものである。
近年、地球環境問題への関心が高まりつつある中、自然エネルギーを利用した新しいエネルギー技術が大いに注目されている。そのひとつとして、太陽エネルギーを利用したシステムの関心が高く、特に光電変換効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電は、クリーンなエネルギーを得る手段として広く行われている。
太陽電池セルには、化合物半導体を用いたものや有機材料を用いたものなど様々なものがあるが、現在、シリコン結晶を用いた太陽電池セルが主流となっている。
現在、最も多く製造および販売されている太陽電池セルは、太陽光が入射する側の面(受光面)にn電極が形成されており、受光面と反対側の面(裏面)にp電極が形成された構成の両面電極型太陽電池セルである。また、太陽電池セルの受光面には電極を形成せず、太陽電池セルの裏面のみにn電極およびp電極を形成した裏面電極型太陽電池セルの開発も進められている。
太陽電池セルの表面には、入射した光によって発生したキャリアの再結合を低減するために、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜またはこれらの積層膜からなるパッシベーション膜が設けられることが通常である。パッシベーション膜を設けることによって、太陽電セルの光電変換効率を高めることができる。
例えば、非特許文献1には、高いパッシベーション性を有するパッシベーション膜としてAL膜が示されており、さらに、パッシベーション膜を設けた後に、N2雰囲気においてアニールすることにより、パッシベーション性を向上する技術が示されている。
しかしながら、非特許文献1には太陽電池セルの耐湿性等の長期信頼性の向上について開示はない。
本願発明者は、太陽電池セルのパッシベーション膜として酸化アルミニウムを採用した場合に、高温高湿下におけるパッシベーション性の低下の課題があることを見出し、本発明に係る太陽電池セルの製造方法を発明するに至った。
本発明の太陽電池セルの製造方法は、シリコン基板に不純物を導入して不純物含有領域を形成する工程と、シリコン基板上に酸化アルミニウムを含むパッシベーション膜を形成する工程と、酸素を含む雰囲気下でアニールするアニール工程と、シリコン基板の不純物含有領域に接続されるように電極を形成する工程とを備える太陽電池セルの製造方法であ
る。
また、本発明の別の態様の太陽電池セルの製造方法は、シリコン基板に不純物を導入して不純物含有領域を形成する工程と、シリコン基板上に酸化アルミニウムを含むパッシベーション膜を形成する工程と、パッシベーション膜が形成されたシリコン基板を加熱室内に投入する工程と、加熱室内に酸素を含む気体を導入する工程と、加熱室内でシリコン基板をアニールする工程と、シリコン基板の不純物含有領域に接続されるように電極を形成する工程とを備える太陽電池セルの製造方法である。
本発明によれば、耐湿性が向上した太陽電池セルを得ることができる。
本発明の実施形態を示すものであって、裏面電極型太陽電池セルを裏面側から見た場合の模式図である。 本発明の実施形態を示すものであって、図1における裏面電極型太陽電池セルのA−A´断面を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであって、実施形態の裏面電極型太陽電池セルの製造方法の一例を示す模式的断面図である。 本発明の実施例を示すものであって、パッシベーション膜のパッシベーション性を評価するためのサンプルの概略断面図である。 本発明の実施例を示すものであって、アニール処理の雰囲気における酸素モル濃度と、高温高湿試験前後のJ0変化率との関係を示す図である。 本発明の実施例を示すものであって、裏面電極太陽電池セルの高温高湿試験環境下投入時間と、裏面電極太陽電池セルの出力変化率との関係を示す図である。 本発明の実施例を示すものであって、裏面電極太陽電池セルの高温高湿試験環境下投入時間と、裏面電極太陽電池セルの出力変化率との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[実施形態]
図1は、本実施形態の裏面電極型太陽電池セルを裏面側から見た場合の模式図である。裏面電極型太陽電池セルの裏面には、n電極26、p電極27およびn型集電電力28、p型集電電極29が配置されている。図2は、図1における裏面電極型太陽電池セルのA−A´断面を示す図である。本願における裏面とは、裏面電極型太陽電池セルの受光面の逆の面である。
図2に示すように、裏面電極型太陽電池セル2は、受光面側に凹凸形状を有するシリコン基板21を備える。シリコン基板21の裏面側には、n型不純物が拡散されたn型不純物含有領域23と、p型不純物が拡散されたp型不純物含有領域24とが形成されている。さらに、シリコン基板21の受光側にはパッシベーション膜兼反射防止膜22が形成され、シリコン基板21の裏面側にはパッシベーション膜25が形成されている。
シリコン基板21としては、たとえば、n型またはp型のいずれかの導電型を有する多結晶シリコンまたは単結晶シリコンなどからなる基板を用いることができる。シリコン基板21の厚さは、50μm以上400μm以下程度が望ましい。
n型不純物含有領域23はリンなどのn型不純物を含む領域である。p型不純物含有領域24はボロンあるいはアルミニウムなどのp型不純物を含む領域である。シリコン基板
21は、n型またはp型の導電型を有するものを使用することができる。シリコン基板21の内部では、n型不純物含有領域23またはp型不純物含有領域24とシリコン基板21との界面において、複数のpn接合が形成されている。
裏面側パッシベーション膜25は、酸化アルミニウム膜単膜あるいは酸化アルミニウム膜を含む積層膜からなる。ここで、酸化アルミニウム膜を含むパッシベーション膜はp型シリコン基板上あるいはp型不純物含有領域上に形成されることが望ましく、シリコン基板21がp型の場合には、p型シリコン基板21の受光面側に受光面パッシベーション膜兼反射防止膜22として酸化アルミニウムを含むパッシベーション膜を形成しても良い。また、酸化アルミニウムを含む積層膜を形成する場合、酸化アルミニウム上に、例えば、酸化シリコン膜、窒素シリコン膜を形成してもよい。
受光面パッシベーション膜兼反射防止膜22は、たとえば、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、アモルファスシリコン膜のいずれかあるいはこれらの積層膜か、上記のように酸化アルミニウム膜単膜あるいは酸化アルミニウム膜を含む積層膜で形成することができる。また、受光面パッシベーション膜兼反射防止膜22下のシリコン基板21に、シリコン基板21と同じ導電型でシリコン基板21より不純物濃度が高い受光面不純物領域を形成しても良い。
パッシベーション膜25には、コンタクトホールが設けられており、コンタクトホールを介して、n型不純物含有領域23にn電極26が接続され、p型不純物含有領域24にp電極27が接続されている。n電極26およびp電極27の各々は、シリコン基板21の内部の裏面側に形成された複数のpn接合にそれぞれ対応した電極となる。n電極26およびp電極27として、たとえば、銀などの金属からなる電極を用いることができる。
図1に示すように、n電極26及びp電極27は、それぞれ第一方向に伸びる長尺状の形状とすることができる。n電極26及びp電極27は、第一方向と直交する方向である第二の方向に所定の間隔を開けて1本ずつ交互に配置されていてもよい。また、n電極26の端にはn型集電電極28、p電極27の端にはp型集電電極29を形成しても良い。n型集電電極28は複数個あるn型電極26に電気的に並列接続する電極であり、同様にp型集電電極29は複数個あるn型電極26に電気的に並列接続する電極である。
(裏面電極太陽電池セルの製造方法)
以下に、本実施形態の裏面電極太陽電池セルの製造方法を示す。
本実施形態では一例として、裏面のパッシベーション膜25に酸化アルミニウム膜と酸化シリコン膜を形成し、受光面パッシベーション膜兼反射防止22に窒化シリコン膜を形成する場合の製造方法を示す。
図3は、図1、および図2に示す本実施形態の裏面電極型太陽電池セルの製造方法の一例を示す模式的断面図である。本実施形態の裏面電極型太陽電池セルの製造方法の一例を、図3を用いて説明する。
まず、図3(a)に示すように、まずシリコン基板21を用意する。インゴットからスライスしたものであるため、シリコン基板21の表面にはスライスダメージ21aが形成されている。
次に、図3(b)に示すように、シリコン基板21の表面のスライスダメージ21aを除去する。ここで、スライスダメージ21aの除去は、たとえば上記のスライス後のシリコン基板21の表面をフッ化水素水溶液と硝酸との混酸または水酸化ナトリウムなどのア
ルカリ水溶液などでエッチングすることなどによって行なうことができる。
次に、図3(c)に示すように、シリコン基板21の受光面の全面にテクスチャ構造などの凹凸構造を形成する。シリコン基板21の裏面全面に、たとえば窒化シリコン膜からなるエッチング防止膜を形成する。その後、シリコン基板21の受光面をエッチング液に浸すことによって、シリコン基板21の受光面をエッチングしてテクスチャ構造を形成する。エッチング液としては、たとえば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液にイソプロピルアルコールを添加したものを使用することができる。エッチング液は、たとえば70℃以上80℃以下に加熱される。エッチング処理後、裏面に形成したエッチング防止膜はたとえばフッ化水素水によって剥離できる。
次に、図3(d)に示すように、シリコン基板21の裏面に、n型不純物含有領域23およびp型不純物含有領域24をそれぞれ形成する。n型不純物含有領域23は、たとえば、リンを含むドーピングペーストをシリコン基板21裏面に部分的に塗布し、加熱することで、不純物をシリコン基板21内に拡散させ形成することができる。あるいは、リンを含むドーピング液をシリコン基板21裏面全面にスピンコートし、加熱拡散することや、POCl3のようなリンを含むガスを用いた気相拡散により形成することができる。だ
だし、このようにシリコン基板21裏面全面に拡散される方法において部分的な不純物含有領域を形成する場合は、不純物含有領域以外の領域にたとえば酸化シリコン膜、窒素シリコン膜からなる拡散防止膜を設ける必要がある。p型不純物含有領域24は、n型不純物含有領域23と同様の方法で形成することができる。p型不純物含有領域24は、ボロンあるいはアルミニウムを含むドーピング剤、あるいはBBr3のようなボロンを含むガ
スを用いて、シリコン基板21内にボロンあるいはアルミニウムを拡散することにより形成することができる。また、シリコン基板21の受光面に不純物領域を形成する場合おいても、同様の方法で形成することもできる。さらに、裏面不純物領域形成時に、受光面の拡散防止膜を形成せずに加熱拡散することで、裏面不純物領域と同時に受光面に不純物領域を形成することもできる。不純物領域形成後、たとえば、フッ化水素水に浸漬することで、ドーピング剤残物や高濃度不純物領域をシリコン基板21表面から剥離することができる。剥離後、さらに酸素を含む雰囲気内で加熱し、フッ化水素水等で酸化膜を剥離する工程を追加しても良い。
次に、図3(e)に示すように、シリコン基板21の裏面にパッシベーション膜25として酸化アルミニウム膜と酸化シリコン膜の積層膜を形成する。ここで、酸化アルミニウム膜は、たとえば、ALD(Atomic Layer Deposition)法、スパッタ法、蒸着法またはプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの方法により形成することができる。また、酸化アルミニウム膜上の酸化シリコン膜はプラズマCVD法または常圧CVD法により成膜することができる。パッシベーション膜25の膜厚は、酸化アルミニウム0.1〜4nm、酸化シリコン膜20〜200nm程度が望ましい。
パッシベーション膜25を形成した後、酸素を含む雰囲気下でシリコン基板21をアニール処理する。この時、アニール処理雰囲気の酸素モル濃度[mol%]が、0.1mol%以上であることが望ましく、さらには22mol%以上が望ましい。また、酸素以外の雰囲気は不活性ガスが望ましく、たとえば、窒素がよい。また、水素を含んでいてもよい。アニール処理時のシリコン基板21の温度は620℃以上が望ましい。さらには640℃以上が望ましい。本アニール処理工程により、高温高湿環境下におけるパッシベーション膜25のパッシベーション性の低下を低減することができる。
次に、図3(f)に示すように、シリコン基板21の受光面にパッシベーション膜兼反射防止膜22として窒化シリコン膜を形成する。窒化シリコン膜は、たとえばプラズマC
VD法などにより形成することができる。本実施形態では、パッシベーション膜25を形成し、アニール処理後、パッシベーション膜兼反射防止膜22を形成しているが、工程順はこれに限らず、たとえば、パッシベーション膜25を形成した後、パッシベーション膜兼反射防止膜22を形成し、アニール処理を実施してもよい。
次に、図3(g)に示すように、シリコン基板21の裏面のパッシベーション膜25の一部を除去することによってコンタクトホール25aおよびコンタクトホール25bを形成する。ここで、コンタクトホール25aは、n型不純物含有領域23の表面の少なくとも一部を露出させるように形成され、コンタクトホール25bは、p型不純物含有領域24の表面の少なくとも一部を露出させるように形成される。
なお、コンタクトホール25aおよび25bはそれぞれ、たとえば、リン酸を含むペーストを部分的に塗布し、加熱することでパッシベーション膜25をエッチングし形成する方法や、パッシベーション膜25に部分的にレーザー照射することで、パッシベーション膜25を剥離する方法、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いてコンタクトホールの形成箇所に対応する部分に開口を有するレジストパターンをパッシベーション膜25上に形成した後に、レジストパターンの開口からパッシベーション膜25をエッチングなどにより除去する方法で形成することができる。
次に、図3(h)に示すように、コンタクトホール25aおよびコンタクトホール25bの位置にそれぞれn電極26及びp電極27を形成する。n電極26及びp電極27は、銀を含むペーストを印刷し、焼成することで形成できる。あるいは、銀を含む金属をスパッタ法や蒸着法によって堆積させることによっても形成できる。この時、同時にn集電電極28、p集電電極29を形成しても良い。本実施形態では、コンタクトホールを形成した後、電極26、27を形成しているが、ファイアースルー法を用いて、電極焼成時にコンタクトホールを同時形成してもよい。
本実施形態では、裏面電極型太陽電池セルにおける製造方法を例に示したが、酸化アルミニウムを含むパッシベーション膜を用いた太陽電池セルであればよく、両面電極型太陽電池セルであってもよい。
[実施例]
(パッシベーション膜の評価)
本実施例に係るシリコン基板のパッシベーション膜評価サンプルについて、図4を参照して説明する。図4は、シリコン基板上に成膜されたパッシベーション膜のパッシベーション性を評価するためのサンプルの概略断面図である。評価用サンプルは、N型の導電型を有する単結晶シリコン基板41の両面に、ボロンを拡散したp型不純物領域42を形成し、この上にパッシベーション膜45として、ALD法により酸化アルミニウムを膜厚0.7nm成膜したものである。
このサンプルを、窒素および/または酸素を導入したチューブ炉内において、シリコン基板41を温度630℃で15分間アニール処理した。窒素ガスおよび酸素ガスの流量比を変えることによりアニール処理雰囲気の酸素モル濃度が異なるサンプルを作製した。酸素モル濃度0mol%のサンプルは、窒素ガス72slm,酸素ガス0slm、酸素モル濃度22mol%のサンプルは、窒素72slm、酸素20slm、酸素モル濃度100mol%のサンプルは、窒素0slm、酸素50slmをそれぞれチューブ炉内に導入し、アニール処理した。
アニール処理を施した其々の条件のサンプルについて、QSSPC(Quasi Steady State Photo Conductance)法によりエミッタ飽和電
流密度J0を測定した。J0の測定は、Sinton Instruments社製のライフタイム測定装置WCT−120を用いて行った。J0測定後、高温高湿試験を実施し、再度J0を測定した。高温高湿試験は、サンプルを温度85℃、湿度85%の環境下に24時間置いて実施した。
図5は、アニール処理の雰囲気における酸素モル濃度[mol%]と、高温高湿試験前後のJ0変化率を示す図である。J0変化率とは「J0変化率[%]=(高温高湿試験後のJ0値)÷(高温高湿試験前のJ0値)」として算出した値である。酸素モル濃度が0mol%のサンプルでは、J0変化率が約300%であり、高温高湿試験後のJ0が試験前のJ0に対し、3倍ほど大きくなっている。この結果から、パッシベーション膜のパッシベーション性が低下していること分かる。一方、酸素モル濃度が20mol%のサンプルにおいては、J0変化率が100%より低く、パッシベーション性が改善されている。さらに、酸素モル濃度100mol%のサンプルにおいては、J0変化率がより低く、パッシベーション性がさらに改善されている。
(裏面電極型太陽電池セルへの適用)
本実施例では、図3の製造方法により、図2の構造の裏面電極太陽電池セルを作製した。パッシベーション膜25は、シリコン基板21側から、酸化アルミニウムをALD法により成膜し、酸化アルミニウム膜上に酸化シリコン膜を常圧CVD法により成膜して2層の積層膜とした。パッシベーション膜の膜厚は、酸化アルミニウム0.7nm、酸化シリ
コン膜70nmとした。
パッシベーション膜25を形成した後、シリコン基板21をチューブ炉(加熱室)に投入し、アニールした。この際、評価のため、アニール処理雰囲気における酸素モル濃度およびアニール処理温度をサンプルごとに変えた。酸素モル濃度評価サンプルについて、酸素モル濃度0%のサンプルは、炉内に窒素ガス72slm,酸素ガス0slm、酸素モル濃度0.1mol%のサンプルは、窒素ガス72slm,酸素ガス0.1slm、酸素モル濃度22%のサンプルは、窒素ガス72slm,酸素ガス20slm、酸素モル濃度100[%]のサンプルは、窒素ガス0[slm],酸素ガス50[slm]をチューブ炉内に導入し、シリコン基板41を温度700℃で15分間アニール処理をした。アニール処理温度評価サンプルについて、シリコン基板を温度400℃のチューブ炉に投入し、各サンプルそれぞれ600℃、620℃、640℃、660℃、700℃に昇温し15分間アニール処理した。この時、アニール処理雰囲気は酸素モル濃度0.1mol%(窒素ガス72slm,酸素ガス0.1slmをチューブ炉内に導入)の状態とした。
その後、各太陽電池セルを用いてサンプルモジュールを作製した。1つの太陽電池セルのn集電電極28、p集電電極29それぞれをn電極取出し線、p電極取出し線に導電性接着剤を用いて接続した。さらに、表面にガラス基板、裏面にPETフィルムを用いて、これらの間に太陽電池セルとEVAからなる封止材とを配置し、表面ガラスと裏面フィルム間を真空下で加熱圧着することによって、太陽電池セルを封止し、サンプルモジュールを作製した。p電極取り出し線およびn電極取り出し線は、サンプルモジュール外に取り出して、太陽電池セルの出力測定に用いた。
上述の方法で作製した各アニール条件の太陽電池セルを用いたサンプルモジュールを各2個ずつ作製し、高温高湿試験前後の太陽電池セルの出力Pmを測定した。高温高湿試験は、気温105℃、湿度100%の環境下に、投入して実施した。
図6および図7は、裏面電極太陽電池セルの高温高湿試験環境下投入時間と、裏面電極太陽電池セルの出力Pmの変化率との関係を示す図である。図6中にプロットされている各サンプルは、アニール処理の雰囲気における酸素モル濃度を変えたものであり、図7中
にプロットされている各サンプルは、アニール処理温度を変えたものである。各アニール条件における測定値は、2つのサンプルの平均値である。 図6において、酸素モル濃度0mol%のサンプルの高温高湿環境下50h前後の出力低下が1.4%に対し、酸素モル濃度が0.1mol%および22mol%のサンプルでは、出力低下が1.2%程度に抑えられており、さらに、酸素モル濃度100mol%のサンプルでは出力低下が0.8%程度に抑えられており、酸素が含まれる雰囲気においてアニール処理したサンプルは、高温高湿試験による裏面電極太陽電池セルの出力低下が小さいことが分かる。
図7において、アニール処理温度600℃のサンプルの高温高湿環境下150h前後の
出力低下が3.5%に対し、アニール処理温度620℃では、出力低下が3.1%程度に抑えられており、さらに、アニール処理温度640℃以上のサンプルでは出力低下が2.7%程度以下に抑えられており、アニール処理温度600〜700℃の範囲でアニール処理温度が高いほど、高温高湿試験による裏面電極太陽電池セルの出力低下が小さいことが分かる。
このように、酸化アルミニウムを含むパッシベーション膜を形成した後、酸素を含む雰囲気下でアニール処理することにより、耐湿性が向上した信頼性の高い太陽電池を製造することができる。
以上、実施形態および実施例について具体的に説明を行ったが、本発明はそれらに限定されるものではない。上述した実施形態および実施例それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、今回開示した実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
2 裏面電極型太陽電池セル
21、41 シリコン基板
22 反射防止膜
23 n型不純物含有領域
24、42 p型不純物含有領域
25、45 パッシベーション膜
25a コンタクトホール
25b コンタクトホール
26 n電極
27 p電極
28 n集電電極
29 p集電電極

Claims (6)

  1. シリコン基板に不純物を導入して不純物含有領域を形成する工程と、
    前記シリコン基板上に酸化アルミニウムを含むパッシベーション膜を形成する工程と、
    前記パッシベーション膜が形成された前記シリコン基板を、酸素を含む雰囲気下でアニールするアニール工程と、
    前記シリコン基板の前記不純物含有領域に接続されるように電極を形成する工程と、
    を備える太陽電池セルの製造方法。
  2. 前記アニール工程は、酸素モル濃度が0.1mol%以上の雰囲気で行われる請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。
  3. 前記アニール工程は、酸素モル濃度が22mol%以上の雰囲気で行われる請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。
  4. 前記アニール工程は、620℃以上の温度で行われる請求項1から3の何れか1項に記載の太陽電池セルの製造方法。
  5. 前記アニール工程は、640℃以上の温度で行われる請求項1から3の何れか1項に記載の太陽電池セルの製造方法。
  6. シリコン基板に不純物を導入して不純物含有領域を形成する工程と、
    前記シリコン基板上に酸化アルミニウムを含むパッシベーション膜を形成する工程と、
    前記パッシベーション膜が形成された前記シリコン基板を加熱室内に投入する工程と、
    前記加熱室内に酸素を含む気体を導入する工程と、
    前記加熱室内で前記シリコン基板をアニールする工程と、
    前記シリコン基板の前記不純物含有領域に接続されるように電極を形成する工程と、
    を備える太陽電池セルの製造方法。
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