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JP2018139483A - 制御装置、蓄電装置及び移動体システム - Google Patents

制御装置、蓄電装置及び移動体システム Download PDF

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Abstract

【課題】シャットダウン状態などの省電力状態から容易に復帰可能にする。【解決手段】本制御装置は、(A)人力を補助する動力装置の駆動を制御する駆動制御装置と接続し、蓄電デバイスの充放電に係る電流が流れる第1の接続部と、(B)第1の接続部とは別に設けられ、蓄電デバイスに対する充電に係る電流が電気的接続により流れる第2の接続部と、(C)第2の接続部からの所定の電圧以上の充電電圧を検出すると省電力状態から復帰する、蓄電デバイスに対する制御部とを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、バッテリなどの蓄電デバイスに対する制御装置、当該制御装置を含む蓄電装置、及び当該蓄電装置を含む移動体システムに関する。
例えば電動アシスト自転車のバッテリパックは、一般的に電池の状態を監視し、過放電、過充電、過電流、過熱などの異常状態を検出すると適切に出力制限保護をかける電池状態監視機能を有する。この電池状態監視機能は、オートシャットダウン機能を備えている場合がある。すなわち、ある程度の未使用期間があると、バッテリパックの出力を遮断して電池状態の監視を停止するシャットダウン状態にするものである。これによって、長期にわたる未使用期間の間に、電池状態監視機能自体の自己消費による放電で電池が空になるまで放電され、再度使用する時に充電をある程度行わなければならないという事態を回避できるようになる。
このようなオートシャットダウン機能を備えることで、長期間未使用の状態で放置された場合においてもバッテリパックにはある程度の容量が残るため、シャットダウン状態から復帰させることで、長時間の充電を行うこと無しに、アシスト動力を使用した走行がある程度は可能となる。
一般的な電動アシスト自転車のバッテリパックは、このようなシャットダウン状態ではモータ等を起動できず、一度専用の充電器に接続してシャットダウン状態から復帰させる、という手順を要する。このため、ユーザは電池パックを電動アシスト自転車から取り外し、専用の充電器まで持ち運ぶことになる。専用の充電器は、商用電源に接続して用いるようになっているため、バッテリパックをシャットダウン状態から復帰させることができる場所は商用電源がある場所に限られる。
一方、USB(Universal Serial Bus)端子をさらに備えて携帯端末などの外部装置を充電できるようにした、電動アシスト自転車の電池パックも存在している。
特開2008−283786号公報 特開2014−180208号公報
以上に鑑み、一側面によれば、本発明の目的は、シャットダウン状態などの省電力状態から容易に復帰可能にするための技術を提供することである。
本発明に係る制御装置は、(A)人力を補助する動力装置の駆動を制御する駆動制御装置と接続し、蓄電デバイスの充放電に係る電流が流れる第1の接続部と、(B)第1の接続部とは別に設けられ、蓄電デバイスに対する充電に係る電流が電気的接続により流れる第2の接続部と、(C)第2の接続部からの所定の電圧以上の充電電圧を検出すると省電力状態から復帰する、蓄電デバイスに対する制御部とを有する。
一側面によれば、シャットダウン状態などの省電力状態から容易に復帰可能になる。
図1は、実施の形態に係る電動アシスト車の外観図である。 図2は、実施の形態に係るバッテリパックの外観図である。 図3(a)は、バッテリパックの底面図であり、図3(b)は、充電器の外観図である。 図4は、実施の形態に係るバッテリパックの機能ブロック図である。 図5は、実施の形態に係るバッテリパックの状態遷移を示す図である。 図6は、実施の形態に係る状態遷移に関連して行われる処理を示すフロー図である。 図7は、実施の形態に係る状態遷移に関連して行われる処理を示すフロー図である。
以下、本発明の実施の形態について、電動アシスト自転車の例をもって説明する。しかしながら、本発明の実施の形態の適用対象は、電動アシスト自転車だけに限定されず、人力に応じて移動する移動体(例えば、台車、車いす、昇降機など)に対して当該移動体の移動を補助するモータなどの動力装置のための蓄電装置について適用可能である。なお、バッテリ等の蓄電装置は、移動体と一体化される場合もあれば、移動体とは別途設置される場合もある。
図1に、電動アシスト自転車の外観図を示す。電動アシスト自転車1は、モータ駆動制御装置102と、バッテリパック101と、トルクセンサ103と、ペダル回転センサ104と、モータ105と、操作パネル106と、太陽光発電機107と、ケーブル108とを有する。なお、電動アシスト自転車1は、フリーホイール及び変速機も有している。
バッテリパック101は、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル水素蓄電池などを含み、モータ駆動制御装置102を介してモータ105に対して電力を供給し、回生時にはモータ駆動制御装置102を介してモータ105からの回生電力によって充電も行う。さらに、バッテリパック101には、新たに端子が設けられ、バッテリパック101は、当該端子に接続されたケーブル108を介して太陽光発電機107に接続される。なお、ここではバッテリパック101が太陽光発電機107に接続される例を示しているが、風力発電機その他のエナジーハーベストデバイスが接続されるようにしても良い。また、太陽光発電機107等の設置位置は荷台に限定されるものではなく、他の箇所に設置しても良いし、電動アシスト自転車1に設置せず、他の場所に設置されていてもよい。また、図1には示していないが、携帯電話機やスマートフォンなどの携帯端末を含む様々な外部装置に対して、バッテリパック101は、上記端子に接続されたケーブル108などを介して電力供給できるようにもなっている。
トルクセンサ103は、クランク軸に取付けられたホイールに設けられており、運転者によるペダルの踏力を検出し、この検出結果をモータ駆動制御装置102に出力する。また、ペダル回転センサ104は、トルクセンサ103と同様に、クランク軸に取付けられたホイールに設けられており、回転に応じたパルス信号をモータ駆動制御装置102に出力する。
モータ105は、例えば周知の三相ブラシレスモータであり、例えば電動アシスト自転車1の前輪に装着されている。モータ105は、前輪を回転させるとともに、前輪の回転に応じてローターが回転するように、ローターが前輪に直接又は減速器などを介して連結されている。さらに、モータ105はホール素子等の回転センサを備えてローターの回転情報(例えばホール信号)をモータ駆動制御装置102に出力する。
モータ駆動制御装置102は、モータ105の回転センサ、トルクセンサ103及びペダル回転センサ104等からの信号に基づき所定の演算を行って、モータ105の駆動を制御し、モータ105による回生の制御も行う。
操作パネル106は、例えばアシストの有無に関する指示入力、アシスト有りの場合には希望アシスト比等をユーザから受け付けて、当該指示入力等をモータ駆動制御装置102に出力する。また、操作パネル106は、モータ駆動制御装置102によって演算された結果である走行距離、走行時間、消費カロリー、回生電力量等のデータを表示する機能を有する場合もある。
以下、本実施の形態に係るバッテリパック101の構成について説明する。
図2に、本実施の形態に係るバッテリパック101の外観を示す。
バッテリパック101は、ケース1010に、充放電端子1011と、指示ボタン1012と、充電レベルを表示するためのLED(Light Emitting Diode)群1013と、LED群1013を点灯させるように指示するためのボタン1014と、モータ駆動制御装置102との接続端子群を含む接続部1016とを有する。
LED群1013については、例えば、75%以上100%以下の充電レベルの場合には全LEDを点灯させ、50%以上75%未満の充電レベルの場合には下から3つのLEDを点灯させ、25%以上50未満の充電レベルの場合には下から2つのLEDを点灯させ、5%を超えて25%未満の充電レベルの場合には下から1つのLEDを点灯させ、5%以下の充電レベルの場合には1つもLEDを点灯させない、といったルールに従って点灯させる。但し、これは一例であり、従来から行われているので、これ以上説明しない。
充放電端子1011は、ケーブル108との接続端子であり、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子、Micro USB端子、Mini USB端子、USB−PD(Power Delivery)端子などであってもよい。さらに、PoE(Power over Ether)のコネクタであっても良い。さらに、アウトレットであっても良い。その他、電力入力や電力出力が可能な規格におけるコネクタであっても良い。図2の例では、バッテリパック101の上部に配置しているが、使用態様に併せてどのような位置に配置しても良い。さらに、充放電端子ではなく、単なる充電端子であってもよい。充電端子と放電端子とを別途設けるようにしてもよい。
図2では示していないが、バッテリパック101の筐体表面に充放電端子1011を設ける場合には、防水用のキャップを充放電端子1011に付けるようにしても良い。また、雨などの影響を受けないように防水機能を備えるようにすることが好ましい。
また、指示ボタン1012を、LED群1013を点灯させるように指示するためのボタン1014が兼ねる場合もある。また、指示ボタン1012を設けずに、ケーブル108の端子挿入や充電電流又は放電電流などを検出して、自動的に充電又は放電を開始するようにしても良い。指示ボタン1012については本実施の形態の主旨ではないので以下説明を省略する。
接続部1016の底面は、例えば図3(a)に示すように、電圧印加用の端子1015a(例えば36V)と、信号用の端子1015bと、接地用の端子1015cとを有する。信号用の端子の数は、より多いこともある。
これに併せて、バッテリパック101の充電器120は、図3(b)に示すように、商用電源に接続するための差し込みプラグ1202と、バッテリパック101の端子1015aと接触する電圧印加用の端子1201aと、端子1015bと接触する信号用の端子1201bと、端子1015cと接触する接地用の端子1201cとを有する。このような充電器120は、従来と同じであり、これ以上説明しない。また、本実施の形態においては、モータ駆動制御装置102も、従来と同様に、充電器120と同様の端子を有している。
本実施の形態では、このような充電器120でバッテリパック101に対して充電を行っても良いし、充放電端子1011を介して、太陽光発電機107等で発電された電力にて充電を行うようにしても良い。
図4に、本実施の形態に係るバッテリパック101の機能ブロック構成例を示す。
本実施の形態に係るバッテリパック101は、モータ駆動制御装置用の端子群1015a乃至1015cと、充放電端子1011に含まれる端子1011a乃至1011dと、回路基板1100と、電池セル1150とを有する。
端子1011aは、例えば充電用(5V)の端子であり、端子1011bは、例えば放電(給電とも呼ぶ)用(5V)の端子であり、端子1011cは、例えば信号用の端子であり、端子1011dは、例えば接地用の端子である。
回路基板1100は、電池パック制御基板又はBMS(Battery Management System)基板と呼ばれる基板であり、これを制御装置と呼ぶ場合もある。そして、回路基板1100は、充電FET(Field Effect Transistor)1112と、放電FET1113と、充放電FET駆動部1114と、監視制御部1111と、抵抗1115と、電池セル温度検出素子1116と、FET温度検出素子1117と、電池セル監視部1118と、充放電端子用電源部1119と、制御用電源部1120と、ダイオード1121、ダイオード1122と、FET1123と、ダイオード1124とを有する。
充電FET1112は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であり、そのソースが端子1015aに接続され、ゲートが充放電FET駆動部1114に接続され、ドレインが放電FET1113であるMOSFETのドレインに接続される。放電FET1113は、例えばMOSFETであり、そのソースは電池セル1150の充放電用の端子に接続され、ドレインは充電FET1112のドレインに接続され、ゲートは充放電FET駆動部1114に接続される。
充放電FET駆動部1114は、監視制御部1111の指示に応じて充電FET1112及び放電FET1113を制御して、電池セル1150に対する充放電を開始又は停止する。より具体的には、電池セル1150へ過度な充電、電池セル1150からの過度の放電、異常温度時の充電又は放電が起きないように、電池セル監視部1118により検知された温度情報及び抵抗1115に流れる電流に関する電流情報、電池セル監視部1118により収集された各セルの電圧値といった監視制御部1111で収集された状態に応じて、充放電FET駆動部1114は、充電FET1112及び放電FET1113を制御する。
電池セル監視部1118は、電池セル温度検出素子1116に接続されており、電池セル1150の温度情報を取得する。監視制御部1111は、FET温度検出素子1117に接続されており、充電FET1112及び放電FET1113の温度情報を取得する。電池セル温度検出素子1116及びFET温度検出素子1117は、例えばサーミスタであり、これによって電池セル1150、充電FET1112及び放電FET1113の各温度を検知する。これらの温度検出素子は、サーミスタに限らず、熱電対や赤外線検知などによるセンサでも良い。FET温度の検出は回路保護のため、また電池セル温度検出は電池セル保護のため、各温度が検出されることもある。電池セル温度検出素子1116及びFET温度検出素子1117は、それぞれ例えば熱伝導率の高い熱伝導部材を介して検出対象である電池セル1150や充電FET1112及び放電FET1113に対して熱的に接触されている。
また、電池セル監視部1118は、電池セル1150中における各セルに接続されており、これらの電圧を検出する。具体的には、電池セル監視部1118は、直列接続された各セルの電圧を検出し、また直列接続されたセルの電圧バランスが崩れないように各々のセルに対し放電制御を行い電圧バランスを整える。さらに、電池セル監視部1118は、抵抗1115に接続されており、例えばモータ駆動制御装置102に係る充電及び放電電流を検知する。例えば、抵抗1115のように電流路に直接接続された抵抗の電圧降下の値から電流値を計算してもよい。電流の検知方法についてはこれに限定されるものではなく、ホールセンサといった種々の電流検知方法を用いても良い。
なお、充放電FET駆動部1114、電池セル監視部1118及び監視制御部1111は、一体化されている場合もあれば、これよりも多くの機能要素に分割されている場合もある。
充放電端子用電源部1119は、充放電端子1011に接続されており、電池セル1150の電圧を、充放電端子1011における給電用の端子1011bからの出力電圧に変換したり、充放電端子1011における充電用の端子1011aに印加された電圧を電池セル1150への充電電圧に変換する。なお、充放電端子用電源部1119は、オペアンプ11191と抵抗11192とを含み、抵抗11192に流れる電流に相当する信号をオペアンプ11191で増幅した上で、監視制御部1111に出力するようになっている。これによって監視制御部1111は、充放電端子1011に流れる電流量を検知できるようになる。さらに、充放電端子用電源部1119は、信号用の端子1011cにも接続されており、充放電端子1011に接続される外部装置とネゴシエーションなどを行う場合もある。
ダイオード1121のアノードは、充放電端子1011の充電用の端子1011aに接続されており、ダイオード1121のカソードは、制御用電源部1120に接続されている。ダイオード1122のアノードは、端子群1015における電圧印加用の端子1015aに接続されており、ダイオード1122のカソードは、制御用電源部1120に接続されている。
また、ダイオード1124のアノードは、電池セル1150の充放電用の端子に接続されており、ダイオード1124のカソードは、FET1123のソースに接続されている。FET1123は、電池セル1150から監視制御部1111等への電力供給をオン又はオフするためのMOSFETであり、そのゲートは監視制御部1111に接続されており、そのドレインは制御用電源部1120に接続されている。
制御用電源部1120は、電池セル監視部1118、充放電FET駆動部1114及び監視制御部1111等に対して電力供給を行う。また、制御用電源部1120は、入力判断部11201と、制御用電源回路11202とを有する。入力判断部11201は、ダイオード1121又は1122を介して印加される充電電圧が、制御用電源回路11202及び電池セル監視部1118を動作させるのに十分な所定電圧以上であるか否かを判断して、所定電圧以上であれば、制御用電源回路11202に電力供給を開始させる。すなわち、制御用電源回路11202は、充電電圧を所定電圧に変換して、電池セル監視部1118及び監視制御部1111等に変換後の電圧を出力する。一方、充電電圧が所定電圧未満にあれば、入力判断部11201は、制御用電源回路11202を動作させることなく、待機する。
なお、ダイオード1124を介して電池セル1150から電力供給を受けるようになると、制御用電源回路11202は、電池セル監視部1118、監視制御部1111及び充放電FET駆動部1114などに、所定電圧に変換した後、出力する。
監視制御部1111は、充放電端子1011の充電用の端子1011aと、端子群1015における電圧印加用の端子1015a及び信号用の端子1015bと、充放電端子用電源部1119と、FET1123のゲートと、充放電FET駆動部1114と、FET温度検出素子1117と、制御用電源部1120と、電池セル監視部1118とに接続されている。
監視制御部1111は、電池セル監視部1118等から取得した情報と使用履歴などから、電池残量、劣化状態などを算出し、例えば端子1015b等を介してモータ駆動制御装置102に伝達する。さらに、監視制御部1111は、電池セル監視部1118等から取得した情報をモータ駆動制御装置102に伝達し、モータ駆動制御装置102は、受信した情報に基づき電池セル1150が異常を引き起こすような状態にならないように、適切に、バッテリパック101に対する充放電に係る制御を行う。
また、監視制御部1111は、オペアンプ11191からの出力などに基づき、充放電端子1011を介した充電及び放電が適切ではない場合には、充放電端子用電源部1119の動作を停止させる場合もある。
さらに、監視制御部1111は、動作を停止しているため省電力状態であるシャットダウンモードにおいて、制御用電源回路11202から電力供給が開始されると、起動する。そして、監視制御部1111は、端子群1015の端子1015aから電圧が印加されているのか、充放電端子1011における充電用の端子1011aから電圧が印加されているのかを判断すると共に、電池セル1150を充電可能な所定の電圧以上であるか否かを判断する。電池セル1150を充電可能な所定の電圧以上の電圧が印加されている場合には、監視制御部1111は、シャットダウンモードから復帰して、FET1123をオンにさせる。そうすると、電池セル1150から電力供給が、電池セル監視部1118、監視制御部1111及び充放電FET駆動部1114等に行われるようになる。さらに、監視制御部1111は、充放電FET駆動部1114に、充電FET1112及び放電FET1113もオンにさせる。
なお、監視制御部1111は、例えばマイクロプロセッサ及びメモリなどの記憶領域を有しており、プログラムを実行することで実装される場合がある。そして、監視制御部1111は、この記憶領域に、端子1015aから充電を行っているのか、端子1011aから充電を行っているのかの別を記憶しておき、シャットダウンモードへ遷移するタイミングを制御する。監視制御部1111(又は入力判断部11201)は、タイマを有しており、記憶領域に記憶されている充電元に基づきタイマで時間を計測する。
本実施の形態では、ダイオード1121及び1122と入力判断部11201とを含む待機回路は、シャットダウンモードでも起動したままで待機しており、端子1011a又は端子1015aから充電電圧が印加されたか否かを検出する。待機回路以外の回路部分は、シャットダウンモードになると動作を停止して、省電力が図られる。
本実施の形態におけるバッテリパック101の状態遷移を図5を用いて説明する。
本実施の形態における状態には、過電流保護モードと、温度異常保護モードと、過放電保護モードと、過充電保護モードと、シャットダウンモードと、通常モードとが含まれる。これらの状態の種類は、従来と同じであり、状態間の状態遷移の種類も、従来と同じである。従来と異なるのは、通常モードからシャットダウンモードへの状態遷移の発生条件と、シャットダウンモードから通常モードへの状態遷移の発生条件とである。
過電流保護モードは、故障を回避するために過大な放電電流又は充電電流を検出した場合(例えば放電電流30A以上又は充電電流20A以上)に通常モードから遷移するモードであり、充電FET1112及び放電FET1113が共にオフに設定される。過電流保護モードに遷移して電流が停止した後10秒経過すると、過電流保護モードから通常モードに遷移して、充電FET1112及び放電FET1113が共にオンに設定される。
温度異常保護モードは、故障を回避するために電池セル1150又は充電FET1112及び放電FET1113の温度が異常な温度である場合(例えば検出温度−20℃以下又は80℃以上、又は0℃以下で充電電流検出)に、通常モードから遷移するモードであり、充電FET1112及び放電FET1113が共にオフに設定される。温度異常保護モードに遷移した後、例えば検出温度−20℃以上且つ80℃以下且つ電池セル1150全体の出力電圧5V以下になると、温度異常保護モードから通常モードに遷移して、充電FET1112及び放電FET1113が共にオンに設定される。
過放電保護モードは、電池セル1150の劣化を回避する等のために過放電状態が検出された場合(例えば電池セル1150の全セルのセル電圧のうち最小値が2.8V以下)に、通常モードから過放電保護モードに遷移して、放電FET1113がオフに設定される。過放電保護モードに遷移した後、例えば電池セル1150の全セルのセル電圧のうち最小値が3.0V以上となれば、過放電保護モードから通常モードに遷移して、放電FET1113がオンに設定される。
過放電保護モードにおいて、さらに放電が進むと(例えば電池セル1150の全セルのセル電圧のうち最小値が2.5V以下)、過放電保護モードからシャットダウンモードに遷移して、充電FET1112もオフに設定される。
過充電保護モードは、電池セル1150の劣化を回避する等のために過充電状態が検出された場合(例えば電池セル1150の全セルのセル電圧のうち最大値が4.4V以上)に、通常モードから過充電保護モードに遷移して、充電FET1112がオフに設定される。過充電保護モードに遷移した後、例えば電池セル1150の全セルのセル電圧のうち最大値が4.2V以下になると、過充電保護モードから通常モードに遷移して、充電FET1112がオンに設定される。
本実施の形態では、前回充電が専用の充電器120から行われた場合には2週間充放電が無く且つSOC(State of Charge:電池残量又は充電レベルに相当)が30%以下であるという第1の条件、前回充電が充放電端子1011から行われた場合には1週間充放電が無く且つSOCが30%以下であるという第2の条件、又は100日以上充放電無しという第3の条件のいずれかを満たした場合には、通常モードからシャットダウンモードに遷移して、充電FET1112及び放電FET1113がオフに設定される。さらに、FET1123がオフにされるので、制御用電源回路11202から監視制御部1111、電池セル監視部1118及び充放電FET駆動部1114等に対する電力供給が停止され、省電力状態となる。
上でも述べたように、シャットダウンモードに遷移することで、長期にわたる未使用期間の間に、監視制御部1111、電池セル監視部1118及び充放電FET駆動部1114等の自己消費による放電で電池が空になるまで放電され、再度使用する時に充電をある程度要することになることを防止できるようになる。
また、前回専用の充電器120から充電された場合に比して、前回太陽光発電機107等から充電された場合に、シャットダウンモードに遷移する時間を短くする。例えば、電池1150の容量が200Whとして、専用の充電器120で100Wで充電したとすると空の状態から2時間程度で満充電に至る。一方、充放電端子1011に接続された太陽光発電機107等は数ワット程度の充電能力しかない場合もあり、そのような場合には空の状態からの充電では非常に長い時間がかかるため、ユーザが満充電になる前に途中で充電を止めることが予想される。このため、早期にシャットダウンモードに遷移させることで、自己消費の電力を抑えて、放置後の再使用の時により多くの電力が残り、長時間の充電を介さずにある程度の給電が可能となる。
一方、シャットダウンモードにおいて、モータ駆動制御装置102用の端子群1015における端子1015aの電圧が、電池セル電圧合計値を上回っているという第1の電圧条件、又は充放電端子1011における端子1011aの電圧が所定電圧(例えば4V以上)であるという第2の電圧条件が満たされた場合に、シャットダウンモードから通常モードへ遷移して、充電FET1112及び放電FET1113がオンに設定される。
このようにUSB端子などの充放電端子1011を設けることで、第2の電圧条件を満たすことができるようになるため、ユーザは簡単にバッテリパック101をシャットダウンモードから復帰させることができるようになる。
上で述べた状態間の遷移条件は一例であって、他の条件を採用する場合もある。
次に、本実施の形態に特有である、通常モードからシャットダウンモードへの遷移、シャットダウンモードから通常モードへの遷移等に関する動作について、図6及び図7を用いて説明する。
監視制御部1111は、端子群1015における端子1015aの電圧及び充放電端子1011における端子1011aの電圧など(例えば電池セル監視部1118から通知される電池セル1150の出力電圧等も用いる場合がある)から、充電器が接続されているか否かを判断する(図6:ステップS1)。充電器が接続されている場合には、状態遷移は行われず、通常モードのままとなる。
一方、充電器が接続されていない場合には、監視制御部1111は、電池セル監視部1118から通知されるセル電圧のうち最小値が2.5V以下であるか否かを判断する(ステップS3)。このような条件が満たされる場合には、シャットダウンモードへ遷移することになるので、監視制御部1111は、充放電FET駆動部1114に対して、充電FET1112及び放電FET1113をオフにさせる(ステップS15)。さらに、監視制御部1111は、電池セル1150から監視制御部1111等への電力供給を停止させるために、FET1123をオフにする(ステップS17)。そして、処理は端子Aを介して図7の処理に移行する。
一方、セル電圧最小値が2.5V以下ではない場合には、監視制御部1111は、前回の充電が専用の充電器120から行われたか否かを判断する(ステップS5)。充電元については、専用の充電器120又は充放電端子1011に接続された充電器であるので、いずれであるかが、例えば監視制御部1111における記憶領域に記憶されている。
前回の充電が専用の充電器120から行われた場合には、監視制御部1111は、充放電無しの期間が2週間以上経過したか否かを判断する(ステップS7)。充電完了時又は放電完了時には、例えば監視制御部1111におけるタイマが計測を開始するので、この時点において当該タイマの値で判断する。充放電の有無については、例えば電池セル監視部1118が検出する電流の有無等により判断する。充放電無しの期間が2週間未満であれば、処理はステップS1に戻る。
一方、充放電無しの期間が2週間以上である場合には、監視制御部1111は、電池セル監視部1118からの情報に基づき、電池残量(SOC)が30%以下であるか否かを判断する(ステップS9)。監視制御部1111は、電池セル監視部1118等から得られる電池セル1150への充電電流合算値、放電電流合算値、充放電の温度条件、各セルの電圧、監視制御部1111等の自己消費電流や電池セル1150自体のリーク電流と経過時間などから総合して電池残量を推定する。電池残量30%以下である場合には、処理はステップS15に移行して、シャットダウンモードへ遷移する。
一方、電池残量30%を超えている場合には、監視制御部1111は、充放電無しの期間が100日以上となっているか否かを判断する(ステップS13)。充放電無しの期間が100日未満であれば、シャットダウンモードへの遷移は行われないので、処理はステップS1に戻る。また、充放電無しの期間が100日以上であれば、処理はステップS15に移行して、シャットダウンモードへ遷移する。
このように、図5を用いて説明した、通常モードからシャットダウンモードへの遷移についての第1の条件、又は第3の条件が満たされているか否かが判断されたことになる。
これに対して、前回の充電が専用の充電器120から行われたものではない場合には、本実施の形態では、前回の充電が充放電端子1011に接続された充電器から行われたことになるので、監視制御部1111は、充放電無しの期間が1週間以上であるか否かを判断する(ステップS11)。上で述べたような理由で、短時間でも未使用であればシャットダウンモードへ遷移するようにする。充放電無しの期間が1週間未満であれば、処理はステップS1に戻る。一方、充放電無しの期間が1週間以上であれば、処理はステップS9に移行する。ステップS9の条件が満たされる場合には、シャットダウンモードへ遷移するため、ステップS15に移行する。
このように、図5を用いて説明した、通常モードからシャットダウンモードへの遷移についての第2の条件が満たされているか否かが判断されたことになる。
端子Aを介して図7の処理の説明に移行して、シャットダウンモードでも起動している入力判断部11201は、ダイオード1121又は1122を介して、端子群1015における端子1015a又は充放電端子1011における端子1011aに所定電圧以上の入力があったか否かを判断する(ステップS19)。この所定電圧は、制御用電源回路11202を動作させることができる所定の電圧である。この条件が満たされない場合には、入力判断部11201は、この条件が満たされるまで起動したまま待機する。
一方、ステップS19の条件が満たされた場合には、入力判断部11201は、制御用電源回路11202を起動させる。そうすると、制御用電源回路11202から監視制御部1111及び電池セル監視部1118へ電力供給が行われて、それらは起動される。なお、この状態はまだ通常モードに遷移したわけではなく、電池セル1150からの電力供給は行われておらず、放電も充電も行われていない。
そして、起動した監視制御部1111は、端子群1015における端子1015aに接続されているラインにおいて電圧印加を検出するか否かと充放電端子1011における端子1011aに接続されているラインにおいて電圧印加を検出するか否かの少なくともいずれかに基づき、専用の充電器120がバッテリパック101に接続されたか否かを判断する(ステップS21)。
専用の充電器120が接続されている場合には、監視制御部1111は、第1の電圧条件を満たしているか否かを判断する(ステップS23)。具体的には、図5で説明したように、端子群1015のおける端子1015aの電圧が電池セル電圧合計値を上回っているという条件が満たされているか否かを判断する。電池セル電圧合計値は、電池セル監視部1118からの情報に基づき算出する。
第1の電圧条件が満たされない場合には、第1の電圧条件が満たされるまで待機することになる。但し、電力供給がなされなくなれば、停止してステップS19に戻る。
一方、第1の電圧条件が満たされた場合には、監視制御部1111は、記憶領域に充電元を記憶するか、タイマに充電元に対応する計測期間(2週間又は1週間)を設定する(ステップS27)。これによって、次回シャットダウンモードへの遷移を適切に行うことができるようになる。
さらに、監視制御部1111は、電力供給用のFET1123をオンにして、電池セル1150から電力供給を開始させる(ステップS29)。さらに、監視制御部1111は、充放電FET駆動部1114に、充電FET1112及び放電FET1113をオンにさせる(ステップS31)。そうすることで、シャットダウンモードから通常モードへの復帰がなされたことになる。
通常モードであるから、充電は、充放電端子1011における端子1011a又は端子群1015の端子1015aから行われ、さらに、放電は、充放電端子1011における端子1011b又は端子群1015の端子1015aへ行われる(ステップS32)。
そして処理が終了しない限り、処理は端子Bを介して図6のステップS1に戻る(ステップS33:Noルート)。一方、何らかの理由で処理を終了させることになった場合には、処理を終了する(ステップS33:Yesルート)。
ステップS21で、専用の充電器120が接続されたわけではないと判断された場合には、本実施の形態では充放電端子1011における端子1011aに電圧印加があったことになる。それ以外の状態が存在する場合には、処理はステップS19に戻る。
充放電端子1011における端子1011aに電圧印加があった場合には、監視制御部1111は、第2の電圧条件が満たされたか否かを判断する(ステップS25)。具体的には、図5で説明したように、充放電端子1011における端子1011aに4V以上の電圧印加があったか否かを判断する。
第2の電圧条件が満たされていない場合には、第2の電圧条件が満たされるまで待機することになる。但し、電力供給が無くなれば、ステップS19に戻る。
一方、第2の電圧条件が満たされた場合には、処理はステップS27に移行して、シャットダウンモードから通常モードへの復帰がなされたことになる。
以上のような処理を行うことで、充放電端子1011における端子1011aから充電を行うことで、専用の充電器120を用いることなく、簡単にシャットダウンモードからの復帰が可能となる。
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記の機能を実現するための回路構成や実装方法は様々な方法を採用できる。
なお、バッテリパック101といったケースを有する形で実装する場合には端子はコネクタとして実装されるが、バッテリパック101内部の回路基板1100から見ると、回路基板1100にはコネクタが設けられておらず、コネクタに接続されるケーブルとの接続部が設けられている場合もある。逆に、回路基板1100にコネクタが設けられている場合もある。従って、これらの両ケースを併せて接続部と呼ぶ場合もある。
さらに、上で述べた実施の形態では、電池セルが含まれている例を示したが、キャパシタなどの蓄電デバイスを用いるような形に変更しても良い。その場合には、キャパシタの特性に合わせて充電及び放電を制御する。
また、上で述べた実施の形態では、USB端子のように電極同士が接触するような接続について説明したが、電磁誘導その他の手法により非接触にて電流を流すような場合には非接触ではあるが電気的に接続するような接続手法を採用するようにしても良い。
以上述べた実施の形態をまとめると、以下のようになる。
本実施の形態に係る制御装置は、(A)人力を補助する動力装置の駆動を制御する駆動制御装置と接続し、蓄電デバイスの充放電に係る電流が流れる第1の接続部と、(B)第1の接続部とは別に設けられ、蓄電デバイスに対する充電に係る電流が電気的接続により流れる第2の接続部と、(C)第2の接続部からの所定の電圧以上の充電電圧を検出すると省電力状態から復帰する、蓄電デバイスに対する制御部とを有する。
このように第1の接続部及び第2の接続部を有するような制御装置は、第1の接続部による充電だけではなく、第2の接続部からの所定の電圧以上の充電電圧を検出すると省電力状態から復帰するので、ユーザは、容易に省電力状態からの復帰を行わせることができるようになる。
なお、上で述べた制御部は、蓄電デバイスに対する充放電が所定期間以上行われないという条件を含む所定の条件を満たす場合に省電力状態に遷移するようにしてもよい。この場合、省電力状態に遷移する前に第1の接続部からの充電電流にて充電を行った場合に比して、省電力状態に遷移する前に第2の接続部からの充電電流にて充電を行った場合に、上で述べた所定期間が短くなる場合もある。第2の接続部からの充電が少ないことが想定される場合には、このようにすることで早期に省電力状態に移行して、制御部などによる電力消費を抑制できるようになる。
さらに、上で述べた所定の条件が、蓄電デバイスの状態に関する条件を含むようにしてもよい。例えば、推定蓄電残量が所定レベル以下になったり、蓄電デバイスの出力電圧若しくは蓄電デバイスが複数のセルにて構成される場合には複数のセルのいずれかのセルの出力電圧が所定電圧以下になったりするような条件である。
また、上で述べた制御部は、省電力状態から復帰すると、蓄電デバイスから第1の接続部への放電が可能なように制御するようにしてもよい。例えば、電動アシスト自転車であれば、すぐさま走行可能になる。
さらに、上で述べた制御装置は、(D)第1の接続部とは別に設けられ、蓄電デバイスからの放電に係る電流が電気的接続により流れる第3の接続部をさらに有するようにしてもよい。このような場合、上で述べた制御部は、省電力状態から復帰した後、蓄電デバイスから第1の接続部又は第3の接続部への放電を行うようにしてもよい。第1の接続部だけではなく、第3の接続部への放電も行うことができれば、携帯端末などの外部装置の充電などが可能となり、ユーザの利便性が高まる。
なお、上で述べたような制御装置と蓄電デバイスが一体となった蓄電装置が構成される場合もあれば、さらに駆動制御装置と動力装置とが一体となった移動体システムが構成される場合もある。
このような構成は、実施の形態に述べられた事項に限定されるものではなく、実質的に同一の効果を奏する他の構成にて実施される場合もある。
1100 回路基板
1111 監視制御部
1119 充放電端子用電源部
1114 充放電FET駆動部
1120 制御用電源部
11201 入力判断部
11202 制御用電源回路
1118 電池セル監視部
1150 電池セル

Claims (3)

  1. 人力を補助する動力装置の駆動を制御する駆動制御装置と接続し、蓄電デバイスの充放電に係る電流が流れる第1の接続部と、
    前記第1の接続部とは別に設けられ、前記蓄電デバイスに対する充電に係る電流が電気的接続により流れる第2の接続部と、
    前記第2の接続部からの所定の電圧以上の充電電圧を検出すると省電力状態から復帰する、前記蓄電デバイスに対する制御部と、
    を有する制御装置。
  2. 人力を補助する動力装置の駆動を制御する駆動制御装置と接続し、蓄電デバイスの充放電に係る電流が流れる第1の接続部と、
    前記第1の接続部とは別に設けられ、前記蓄電デバイスに対する充電に係る電流が電気的接続により流れる第2の接続部と、
    前記第1の接続部からの第1の電圧以上の充電電圧を検出すると省電力状態から復帰し、前記第2の接続部からの、前記第1の電圧とは異なる第2の電圧以上の充電電圧を検出しても前記省電力状態から復帰する、前記蓄電デバイスに対する制御部と、
    を有する制御装置。
  3. 人力を補助する動力装置の駆動を制御する駆動制御装置と接続した場合には、蓄電デバイスの充放電に係る電流が流れ、商用電源に接続される充電器に接続された場合には、前記蓄電デバイスの充電に係る電流が流れる第1の接続部と、
    前記第1の接続部とは別に設けられ、前記充電器以外の電力供給装置に接続された場合に、前記蓄電デバイスに対する充電に係る電流が電気的接続により流れる第2の接続部と、
    前記第2の接続部からの所定の電圧以上の充電電圧を検出すると省電力状態から復帰する、前記蓄電デバイスに対する制御部と、
    を有する制御装置。
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