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JP2018131276A - 電線用巻取りドラム - Google Patents

電線用巻取りドラム Download PDF

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JP2018131276A JP2017023883A JP2017023883A JP2018131276A JP 2018131276 A JP2018131276 A JP 2018131276A JP 2017023883 A JP2017023883 A JP 2017023883A JP 2017023883 A JP2017023883 A JP 2017023883A JP 2018131276 A JP2018131276 A JP 2018131276A
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drum
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大輔 竹下
Daisuke Takeshita
大輔 竹下
公威 飯野
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Abstract

【課題】ささくれ、割れ、欠け等の発生が抑制され、電線や作業者に損傷を与え難い、耐衝撃性および安全性に優れた電線用巻取りドラムを実現する。【解決手段】本発明の電線用巻取りドラム100は、電線10を巻き付けるための胴部20と、胴部20の両端にそれぞれ配置される一対の鍔部30と、を備え、鍔部30の少なくとも一方がポリオレフィン系発泡シートにより構成されており、上記ポリオレフィン系発泡シートの密度が0.20g/cm3以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、電線用巻取りドラムに関する。
電線の保管・搬送のために、電線を巻き取るドラム(以下、電線用巻取りドラムと呼ぶ。)が使用されている。
このような電線用巻取りドラムに関する技術としては、例えば、特許文献1(特開2002−87706号公報)、特許文献2(特開2006−69689号公報)および特許文献3(特開2010−254381号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、配電設備から回収されたプラスチック廃材を成形してなることを特徴とする電線ドラムが記載されている。
また、特許文献2には、電線あるいはケーブルを巻き付けるための円筒状胴部と、プラスチックス製の一対の中空二重壁構造をもった円盤状の鍔部とから構成される電線ドラムが記載されている。
また、特許文献3には、筒状のドラム胴部と、該ドラム胴部の両端部に配置される一対のドラム鍔部と、該一対のドラム鍔部を上記ドラム胴部に固定する複数の締結部材とを備える電線・ケーブル用巻取りドラムが記載されている。
特開2002−87706号公報 特開2006−69689号公報 特開2010−254381号公報
本発明者らの検討によれば、プラスチック製や木製の電線用巻取りドラムは、落下や打撃等により、ささくれや割れ、欠け等が生じやすいことが明らかになった。ささくれや割れ、欠け等が生じると、電線や作業者に損傷を与えてしまう懸念がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ささくれ、割れ、欠け等の発生が抑制され、電線や作業者に損傷を与え難い、耐衝撃性および安全性に優れた電線用巻取りドラムを提供するものである。
本発明者らは、ささくれ、割れ、欠け等の発生が抑制され、電線や作業者に損傷を与え難い、耐衝撃性および安全性に優れた電線用巻取りドラムを実現するために鋭意検討した。その結果、本発明者らは、電線用巻取りドラムを構成する鍔部に密度が特定の範囲にあるポリオレフィン系発泡シートを採用することによりささくれ、割れ、欠け等の発生が抑制され、電線や作業者に損傷を与え難い、耐衝撃性および安全性に優れた電線用巻取りドラムを実現できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、以下に示す電線用巻取りドラムが提供される。
[1]
電線を巻き付けるための胴部と、
上記胴部の両端にそれぞれ配置される一対の鍔部と、
を備える電線用巻取りドラムであって、
上記鍔部の少なくとも一方がポリオレフィン系発泡シートにより構成されており、
前記ポリオレフィン系発泡シートの密度が0.20g/cm以上である電線用巻取りドラム。
[2]
上記[1]に記載の電線用巻取りドラムにおいて、
上記ポリオレフィン系発泡シートの厚みが1mm以上30mm以下である電線用巻取りドラム。
[3]
上記[1]または[2]に記載の電線用巻取りドラムにおいて、
上記ポリオレフィン系発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂から選択される少なくとも一種を含む電線用巻取りドラム。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の電線用巻取りドラムにおいて、
ASTM D1238に準拠し、2.16kg荷重の条件で測定される上記ポリオレフィン系発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフローレートが0.1g/10分以上30g/10分以下である電線用巻取りドラム。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の電線用巻取りドラムにおいて、
上記胴部がポリオレフィン系発泡成形体により構成されている電線用巻取りドラム。
[6]
上記[5]に記載の電線用巻取りドラムにおいて、
上記ポリオレフィン系発泡成形体を構成するポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂から選択される少なくとも一種を含む電線用巻取りドラム。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の電線用巻取りドラムにおいて、
上記胴部と上記鍔部とは分離できるように構成されている電線用巻取りドラム。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の電線用巻取りドラムにおいて、
上記ポリオレフィン系発泡シートの密度が0.20g/cm以上0.70g/cm以下である電線用巻取りドラム。
本発明によれば、ささくれ、割れ、欠け等の発生が抑制され、電線や作業者に損傷を与え難い、耐衝撃性および安全性に優れた電線用巻取りドラムを実現することができる。
本発明に係る実施形態の電線用巻取りドラムの構造の一例を模式的に示した斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、数値範囲の「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
<電線用巻取りドラム>
図1は、本発明に係る実施形態の電線用巻取りドラム100の構造の一例を模式的に示した斜視図である。
本実施形態に係る電線用巻取りドラム100は、電線10を巻き付けるための胴部20と、胴部20の両端にそれぞれ配置される一対の鍔部30と、を備える。そして、鍔部30の少なくとも一方がポリオレフィン系発泡シートにより構成されており、好ましくは鍔部30の両方がポリオレフィン系発泡シートにより構成されている。また、ポリオレフィン系発泡シートの密度が0.20g/cm以上である。
前述したように、本発明者らの検討によれば、プラスチック製や木製の電線用巻取りドラムは、落下や打撃等により、ささくれや割れ、欠け等が生じやすいことが明らかになった。ささくれや割れ、欠け等が生じると、電線や作業者に損傷を与えてしまう懸念がある。
そこで、本発明者らは、ささくれ、割れ、欠け等の発生が抑制され、電線や作業者に損傷を与え難い、耐衝撃性および安全性に優れた電線用巻取りドラムを実現するために鋭意検討した。その結果、本発明者らは、電線用巻取りドラムを構成する鍔部に密度が上記範囲にあるポリオレフィン系発泡シートを採用することによりささくれ、割れ、欠け等の発生が抑制され、電線や作業者に損傷を与え難い、耐衝撃性および安全性に優れた電線用巻取りドラムを実現できることを見出した。
すなわち、本実施形態に係る電線用巻取りドラム100によれば、鍔部30として密度が上記範囲にあるポリオレフィン系発泡シートを用いることにより、落下や打撃等が生じた際のささくれや割れ、欠け等の発生を抑制することができる。そのため、本実施形態に係る電線用巻取りドラム100は、電線や作業者に損傷を与え難く、耐衝撃性および安全性に優れている。
本実施形態に係る電線用巻取りドラム100において、胴部20と鍔部30とは分離できるように構成されていることが好ましい。こうすることで、胴部20と鍔部30とで、異なる密度の材料を用いることができ、電線用巻取りドラム100の機械的強度と軽量性とのバランスをより容易に調整することができる。例えば鍔部30には機械的強度に優れる本実施形態に係るポリオレフィン系発泡シートを使用しつつ、胴部20には鍔部30よりも密度が低い軽量な材料を用いることで、機械的強度と軽量性とのバランスにより一層優れた電線用巻取りドラム100を得ることができる。さらに、電線用巻取りドラム100の機械的強度と軽量性とのバランスが向上されるため、軽量化を行うための肉抜き等の複雑な加工を減らすことができ、加工をより容易におこなうことができる。
<鍔部>
鍔部30を構成するポリオレフィン系発泡シートの密度の下限は0.20g/cm以上であるが、好ましくは0.25g/cm以上、より好ましくは0.30g/cm以上、さらに好ましくは0.35g/cm以上、特に好ましくは0.40g/cm以上である。
密度が上記下限値以上であると、ポリオレフィン系発泡シートの曲げ特性や引張特性等の機械的特性をより向上させることができる。これにより、より一層耐衝撃性に優れた電線用巻取りドラム100を得ることができる。
また、鍔部30を構成するポリオレフィン系発泡シートの密度の上限は好ましくは0.70g/cm以下、より好ましくは0.65g/cm以下、さらに好ましくは0.60g/cm以下、さらにより好ましくは0.55g/cm以下、特に好ましくは0.50g/cm以下である。
密度が上記上限値以下であると、より一層軽量な電線用巻取りドラム100を得ることができる。これにより、軽量化のための肉抜き等を減らせるため、より一層耐衝撃性に優れた電線用巻取りドラム100を得ることができる。肉抜き等を減らすことで凹凸部分にたまりやすい埃や塵等の軽減でき保管にも優れるという副次効果も期待できる。
上記ポリオレフィン系発泡シートの密度は、例えば、ポリオレフィン系樹脂の種類や配合量、ポリオレフィン系樹脂の発泡倍率等をそれぞれ適切に制御することにより、上記範囲内に制御することができる。
また、鍔部30の形状は特に限定されないが、例えば、円盤状である。
上記ポリオレフィン系発泡シート中のポリオレフィン系樹脂の含有量は、ポリオレフィン系発泡シートの全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上100質量%以下、より好ましくは70質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下、特に好ましくは95質量%以上100質量%以下である。これにより、軽量性、機械的特性、取扱い性、外観、成形性等のバランスにより優れたポリオレフィン系発泡シートを得ることができる。
上記ポリオレフィン系発泡シートの厚みは特に限定されないが、例えば1mm以上30mm以下であり、好ましくは3mm以上20mm以下である。ポリオレフィン系発泡シートの厚みがこの範囲内であると、軽量性、機械的特性、取扱い性、成形性等のバランスがより優れている。
以下、ポリオレフィン系発泡シートを構成する各成分について説明する。
(ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。
より具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレンと炭素数が4〜20のα−オレフィンとの共重合体等のポリエチレン系樹脂;プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンまたは炭素数が4〜20のα−オレフィンとの共重合体等のポリプロピレン系樹脂;ポリブテン−1;ポリ4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でもポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好ましい。
ここで、プロピレンとエチレンまたは炭素数が4〜20のα−オレフィンとの共重合体における上記炭素数が4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。プロピレンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレンまたは炭素数が4〜10のα−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。これらのα−オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、またブロック共重合体を形成してもよい。エチレンまたは炭素数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有量は、ポリプロピレン系樹脂中に5モル%以下であることが好ましく、2モル%以下であることがより好ましい。
また、エチレンと炭素数が4〜20のα−オレフィンとの共重合体における上記炭素数が4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、炭素数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。これらのα−オレフィンは、エチレンとランダム共重合体を形成してもよく、またブロック共重合体を形成してもよい。炭素数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有量は、ポリエチレン系樹脂中に5モル%以下であることが好ましく、2モル%以下であることがより好ましい。
上記ポリオレフィン系発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂は種々の方法により製造することができる。例えばチーグラー・ナッタ系触媒やメタロセン系触媒等の公知の触媒を用いて製造することができる。
ASTM D1238に準拠し、2.16kg荷重の条件で測定される本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、流動性および成形性の観点から、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.5g/10分以上、さらに好ましくは1.0g/10分以上であり、成形圧力を低下させて、成形性をより向上できる観点から、好ましくは30g/10分以下、より好ましくは15g/10分以下、さらに好ましくは10g/10分以下である。
ここで、ポリエチレン系樹脂のMFRは190℃、2.16kg荷重の条件で測定され、ポリプロピレン系樹脂のMFRは230℃、2.16kg荷重の条件で測定される。
(その他の成分)
本実施形態に係るポリオレフィン系発泡シートは、必要に応じて、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤、架橋剤、耐候安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、脂肪酸金属塩、軟化剤、分散剤、着色剤、滑剤、天然油、合成油、ワックス等の添加剤を配合してもよい。
(ポリオレフィン系発泡シートの製造方法)
ポリオレフィン系発泡シートは、例えば、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂組成物をシート状に発泡成形することにより得ることができる。成形装置および成形条件としては特に限定されず、従来公知の成形装置および発泡成形条件を採用することができる。
本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂組成物は、各成分をドライブレンド、タンブラーミキサー、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、高速二軸押出機、熱ロール等により混合または溶融混練することにより調製することができる。
ポリオレフィン系発泡シートは、例えば、押出成形機を用いて、上述したポリオレフィン系樹脂組成物をシート状に発泡成形することにより得ることができる。
ポリオレフィン系発泡シートの成形の際に発泡剤としては、化学発泡剤、炭酸ガス等が挙げられる。
化学発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、各種カルボン酸塩、水素化ホウ素ナトリウム、アゾジカルボアミド、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)、アゾビスイソブチロニトリル、パラトルエンスルホニルヒドラジッド等が挙げられる。
炭酸ガスとしては、ガス状、液状または超臨界状態のいずれでも供給することが可能である。
化学発泡剤は押出成形機に投入する前にポリオレフィン系樹脂組成物と配合して均一に混合することが好ましい。
また、発泡剤として炭酸ガスを使用する場合は、ポリオレフィン系樹脂組成物が押出成形機内で混練、可塑化された状態になった後、直接押出成形機内へ圧入することが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂組成物の発泡倍率は特に限定されず、得られるポリオレフィン系発泡シートの諸物性を考慮して適宜決定することができる。
<胴部>
本実施形態に係る電線用巻取りドラム100において、胴部20は特に限定されず、木製であっても非発泡性のプラスチック製であってもよいが、耐衝撃性および安全性および軽量性をより向上させる観点から、胴部20がポリオレフィン系発泡成形体により構成されていることが好ましい。
また、胴部20の形状は特に限定されないが、例えば、円筒状である。
(ポリオレフィン系樹脂)
上記ポリオレフィン系発泡成形体を構成するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。
より具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレンと炭素数が4〜20のα−オレフィンとの共重合体等のポリエチレン系樹脂;プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンまたは炭素数が4〜20のα−オレフィンとの共重合体等のポリプロピレン系樹脂;ポリブテン−1;ポリ4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でもポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好ましい。
ここで、プロピレンとエチレンまたは炭素数が4〜20のα−オレフィンとの共重合体における上記炭素数が4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。プロピレンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレンまたは炭素数が4〜10のα−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。これらのα−オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、またブロック共重合体を形成してもよい。エチレンまたは炭素数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有量は、ポリプロピレン系樹脂中に5モル%以下であることが好ましく、2モル%以下であることがより好ましい。
また、エチレンと炭素数が4〜20のα−オレフィンとの共重合体における上記炭素数が4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、炭素数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。これらのα−オレフィンは、エチレンとランダム共重合体を形成してもよく、またブロック共重合体を形成してもよい。炭素数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有量は、ポリエチレン系樹脂中に5モル%以下であることが好ましく、2モル%以下であることがより好ましい。
上記ポリオレフィン系発泡成形体を構成するポリオレフィン系樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(その他の成分)
本実施形態に係るポリオレフィン系発泡成形体は、必要に応じて、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤、架橋剤、耐候安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、脂肪酸金属塩、軟化剤、分散剤、着色剤、滑剤、天然油、合成油、ワックス等の添加剤を配合してもよい。
(ポリオレフィン系発泡成形体の製造方法)
本実施形態に係るポリオレフィン系発泡成形体は、例えば、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂組成物を円筒状に発泡成形することにより得ることができる。成形装置および成形条件としては特に限定されず、従来公知の成形装置および発泡成形条件を採用することができる。
本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂組成物は、各成分をドライブレンド、タンブラーミキサー、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、高速二軸押出機、熱ロール等により混合または溶融混練することにより調製することができる。
上記ポリオレフィン系発泡成形体は、例えば、押出成形機や射出成形機を用いて、上述したポリオレフィン系樹脂組成物を円筒状に発泡成形することにより得ることができる。
上記ポリオレフィン系発泡成形体の成形の際に発泡剤としては、化学発泡剤、炭酸ガス等が挙げられる。
化学発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、各種カルボン酸塩、水素化ホウ素ナトリウム、アゾジカルボアミド、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)、アゾビスイソブチロニトリル、パラトルエンスルホニルヒドラジッド等が挙げられる。
炭酸ガスとしては、ガス状、液状または超臨界状態のいずれでも供給することが可能である。
化学発泡剤は成形機に投入する前にポリオレフィン系樹脂組成物と配合して均一に混合することが好ましい。
また、発泡剤として炭酸ガスを使用する場合は、ポリオレフィン系樹脂組成物が押出成形機内で混練、可塑化された状態になった後、直接押出成形機内へ圧入することが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂組成物の発泡倍率は特に限定されず、得られるポリオレフィン系発泡成形体の諸物性を考慮して適宜決定することができる。
<電線用巻取りドラムの製造方法>
本実施形態に係る電線用巻取りドラム100は、例えば、胴部と、一対の鍔部とを用いて公知の方法により製造することができる。
ここで、鍔部を胴部に固定する方法としては特に限定されないが、例えば、接着剤で固定する方法、ネジで固定する方法等が挙げられる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.評価方法
(1)ポリオレフィン系発泡シートの密度
ポリオレフィン系発泡シートから試験片を切り出し、試験片質量(g)を、試験片の外形寸法から求められる体積(cm)で割って求めた。
(2)ポリオレフィン系樹脂のMFR
ASTM D1238に準拠し、2.16kg荷重の条件で測定した。
ここで、ポリエチレン系樹脂のMFRは190℃、2.16kg荷重の条件で測定し、ポリプロピレン系樹脂のMFRは230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。
(3)電線用巻取りドラムの耐衝撃性評価
円盤状鍔部に対し、打撃を与えたり、落下させたりすることにより損傷を与えた。次いで、目視にて円盤状鍔部の破損状態を観察し、以下の基準で電線用巻取りドラムの耐衝撃性を評価した。
○:潰れている箇所は観察されるものの、ささくれや割れ、欠けは観察されない
△:潰れている箇所に加えて、ささくれ、割れ、および欠けが観察される
×:円盤状鍔部の全体が激しく潰れ、全体の形状が保たれていない
(4)電線用巻取りドラムの電線に与える影響の評価
円盤状鍔部に対し、打撃を与えたり、落下させたりすることにより使用可能な範囲で損傷を与えた。次いで、破損した円盤状鍔部の損傷部に電線を接触させ、電線の破損状態を観察し、以下の基準で電線用巻取りドラムの電線に与える影響を評価した。
○:電線に対して擦過痕や切痕を発生させる可能性が低い
×:電線に対して擦過痕や切痕を発生させる可能性が高い
(5)電線用巻取りドラムの作業者に与える影響の評価
円盤状鍔部に対し、打撃を与えたり、落下させたりすることにより使用可能な範囲で損傷を与えた。次いで、破損した円盤状鍔部を回転させながら軍手を装備した試験冶具を円盤状鍔部に接触させ目視にて軍手や試験冶具の破損状態を観察し、以下の基準で電線用巻取りドラムの作業者に与える影響を評価した。
○:軍手や試験冶具に刺痕や擦過痕、切痕が発生しなかったため、作業者に対して刺創や擦過創、切創を発生させる可能性が低い
×:軍手や試験冶具に刺痕や擦過痕、切痕が発生したため、作業者に対して刺創や擦過創、切創を発生させる可能性が高い
(6)軽量性の評価
以下の基準で電線用巻取りドラムの軽量性を評価した。
〇:円盤状鍔部全体が軽く、巻取りドラムに肉抜き等の軽量化が不要である
×:円盤状鍔部全体が重く、巻取りドラムの一部に肉抜き等の軽量化が必要である
2.円盤状鍔部の作製
[実施例1]
押出成形機にポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン(MFR:1.7g/10分)を装入し、さらに押出成形機に炭酸ガスを4MPaの圧力で圧入して、シリンダーの溶融部温度を185℃に設定し溶融混練し、Tダイ温度を175℃に設定して押出してポリプロピレン系発泡シートを作製した。得られたポリプロピレン系発泡シートの密度は0.46g/cmであり、厚みは5mmであった。
また、得られたポリプロピレン系発泡シートを用いて円盤状鍔部を作製し、各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
[実施例2]
ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレンの代わりに高密度ポリエチレン(MFR:0.6g/10分)を用い、炭酸ガスの注入圧力を4MPa、シリンダーの溶融部温度を180℃、Tダイ温度165℃とした以外は実施例1と同様にして高密度ポリエチレン系発泡シートを作製した。得られた高密度ポリエチレン系発泡シートの密度は0.48g/cmであり、厚みは5mmであった。
また、得られた高密度ポリエチレン系発泡シートを用いて円盤状鍔部を作製し、各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
炭酸ガスの注入量を実施例1の半分の量にした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製した。得られたポリプロピレン系シートの密度は0.75g/cmであり、厚みは5mmであった。
[比較例1]
炭酸ガスの圧入をおこなわず、樹脂を発泡させない以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製した。得られたポリプロピレン系シートの密度は0.91g/cmであり、厚みは3mmであった。
また、得られたポリプロピレン系シートを用いて円盤状鍔部を作製し、各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
木製の円盤状鍔部を作製し、各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
[比較例3]
炭酸ガスの注入量を実施例1の2.5倍の量にした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製した。得られたポリプロピレン系発泡シートの密度は0.15g/cmであり、厚みは5mmであった。
Figure 2018131276
表1から明らかなように、密度が0.20g/cm以上の範囲内であるポリオレフィン系発泡シートを用いた実施例1〜3の円盤状鍔部は、ささくれ、割れ、欠けが観察されなかった。すなわち、実施例1〜3の円盤状鍔部を用いた電線用巻取りドラムは電線や作業者に損傷を与え難く、耐衝撃性および安全性に優れていることが理解できる。
一方、未発泡のポリプロピレン系シートを用いた比較例1の円盤状鍔部や、木製である比較例2の円盤状鍔部はいずれもささくれ、割れ、欠けが観察された。すなわち、比較例1および2の円盤状鍔部を用いた電線用巻取りドラムは電線や作業者に損傷を与えやすいものであることが理解できる。また、密度が0.20g/cm未満であるポリオレフィン系発泡シートを用いた比較例3の円盤状鍔部はささくれ、割れ、欠けは観察されなかったが、変形しやすく形状の維持が難しいものであった。すなわち、比較例3の円盤状鍔部を用いた電線用巻取りドラムは電線や作業者に損傷を与えるものではないものの、ドラムとして使用するには補強等の別に加工を行う必要があることが理解できる。
また、実施例3の円盤状鍔部はささくれ、割れ、欠けは観察されなかったが、円盤状鍔部が重く肉抜き等の軽量化が必要であった。
すなわち、実施例3の円盤状鍔部を用いた電線用巻取りドラムは電線や作業者に損傷を与えるものではないものの、ドラムとして使用するには肉抜きを行う必要があることが理解できる。
10 電線
20 胴部
30 鍔部
100 電線用巻取りドラム

Claims (8)

  1. 電線を巻き付けるための胴部と、
    前記胴部の両端にそれぞれ配置される一対の鍔部と、
    を備える電線用巻取りドラムであって、
    前記鍔部の少なくとも一方がポリオレフィン系発泡シートにより構成されており、
    前記ポリオレフィン系発泡シートの密度が0.20g/cm以上である電線用巻取りドラム。
  2. 請求項1に記載の電線用巻取りドラムにおいて、
    前記ポリオレフィン系発泡シートの厚みが1mm以上30mm以下である電線用巻取りドラム。
  3. 請求項1または2に記載の電線用巻取りドラムにおいて、
    前記ポリオレフィン系発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂から選択される少なくとも一種を含む電線用巻取りドラム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電線用巻取りドラムにおいて、
    ASTM D1238に準拠し、2.16kg荷重の条件で測定される前記ポリオレフィン系発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフローレートが0.1g/10分以上30g/10分以下である電線用巻取りドラム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電線用巻取りドラムにおいて、
    前記胴部がポリオレフィン系発泡成形体により構成されている電線用巻取りドラム。
  6. 請求項5に記載の電線用巻取りドラムにおいて、
    前記ポリオレフィン系発泡成形体を構成するポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂から選択される少なくとも一種を含む電線用巻取りドラム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電線用巻取りドラムにおいて、
    前記胴部と前記鍔部とは分離できるように構成されている電線用巻取りドラム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電線用巻取りドラムにおいて、
    前記ポリオレフィン系発泡シートの密度が0.20g/cm以上0.70g/cm以下である電線用巻取りドラム。
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