以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態による電子機器及びその制御方法について図面を用いて説明する。図1及び図2は、本実施形態による電子機器と外部機器とケーブルとを示すブロック図である。図1は、電子機器100のCC端子101bがプルアップ抵抗103に接続され、外部機器200のCC端子201bがプルダウン抵抗204に接続された状態を示している。図2は、電子機器100のCC端子101bがプルダウン抵抗104に接続され、外部機器200のCC端子201bがプルアップ抵抗203に接続された状態を示している。図1に示すように、本実施形態による電子機器100は、ケーブル300を介して外部機器200に接続される。電子機器100は、例えば、電子機器100に装填されたバッテリ(図示せず)から供給される電力によって動作する撮像装置であるものとする。電子機器100は、例えば、後述するTX端子を介して外部機器200に映像信号を送信することが可能である。外部機器200は、例えば、電子機器100等から受信した映像信号に基づいて画像を表示するディスプレイ(表示装置)であるものとする。外部機器200は、例えば、外部から供給される電力によって動作するものであってもよいし、外部機器200に装填されたバッテリ(図示せず)から供給される電力によって動作するものであってもよい。
電子機器100には、USB Type−C規格に準拠したポート150が備えられている。電子機器100のポート150には、コネクタ101が備えられている。外部機器200には、USB Type−C規格に準拠したポート250が備えられている。外部機器200のポート250には、コネクタ201が備えられている。コネクタ101、201は、いずれもレセプタクルである。ケーブル300の一方の端部にはUSB Type−C規格に準拠したコネクタ301aが備えられており、ケーブル300の他方の端部にはUSB Type−C規格に準拠したコネクタ301bが備えられている。コネクタ301a、301bは、いずれもプラグである。電子機器100のポート150と外部機器200のポート250とは、ケーブル300を介して接続される。電子機器100のポート150と外部機器200のポート250との間で受給電を行うことも可能である。
電子機器100は、DFPにもUFPにもなり得るとともに、これらの役割を切り替え得るType−CポートであるDRPを備えた電子機器、即ち、DRP機器である。DFPは、デフォルトにおいてホストとして機能するとともに電力を供給する側のポート、即ち、デフォルトにおいてソースとなるType−Cポートである。UFPは、デフォルトにおいてデバイスとして機能するとともに電力を受け取る側のポート、即ち、デフォルトにおいてシンクとなるTyep−Cポートである。オルタネートモードに対応する電子機器100は、後述するトグリング(Toggling)を行うことを可能にすべく、DRPを備えることを要する。このため、電子機器100は、DRPを備えている。外部機器200がDRP機器である場合、電子機器100のポート150が、電力を供給する側であるソースとなり、外部機器200のポート250が、電力を受け取る側であるシンクとなることがある。この場合には、電子機器100に装填されたバッテリ(図示せず)の残電力、即ち、バッテリ残量が徐々に低下する。バッテリ残量が低下すると、電子機器100は正常に動作し得なくなる。従って、電子機器100のバッテリ残量の低下を防止する観点からは、電子機器100から外部機器200に電力供給がなされないようにすることが好ましい。
図3は、USB Type−Cコネクタのピン配置を示す図、即ち、コネクタ101,201のピン配置を示す図である。USB Type−Cコネクタは、逆挿しした場合であっても正常に動作すべく、点対称なピン配置となっている。コネクタ101には、CC端子(CC1、CC2)101b(図1参照)、即ち、所定の端子が備えられている。即ち、電子機器100のポート150には、CC端子101bが備えられている。コネクタ201には、CC端子(CC1、CC2)201b(図1参照)が備えられている。即ち、外部機器200のポート250には、CC端子201bが備えられている。上述したように、DRPを備えた電子機器は、外部機器に電力を供給する側の機器であるDFP機器になることもできるし、外部機器から電力を受け取る側の機器であるUFP機器になることもできる。各々の機器の役割を決定する際には、CC端子101b、201bが用いられる。CC端子101bとCC端子201bとは、ケーブル300を介して電気的に接続される。CC端子101bの電位Vsは、接続検出部112を介してモニタリングされる。CC端子201bの電位は、後述する接続検出部212を介してモニタリングされる。
コネクタ101には、VBUS端子(電源端子)101aやGND端子(グラウンド端子)が備えられている。コネクタ201には、VBUS端子201aやGND端子が備えられている。一方の機器から他方の機器に対してVBUS端子101a、201aを介して所定の電圧、即ち、VBUSが供給され得る。TX端子(TX1+、TX1−、TX2+、TX2−)は信号送信用の端子であり、RX端子(RX1+、RX1−、RX2+、RX2−)は信号受信用の端子であり、これらは高速データ伝送に対応し得る。SBU端子(SBU1、SBU2)は、サイドバンド信号端子であり、多様な用途に適宜用い得る。D+端子及びD−端子は、USB2.0をサポートするために用いられる。ケーブル300には、図3に示す各々の端子に対応する電線が備えられている。
電子機器100がDFP機器、即ち、デフォルトにおいて電力を供給する側となった場合には、電子機器100は、コネクタ101に備えられたVBUS端子101aに所定の電圧、即ち、VBUSを印加する。VBUSの電圧は、例えば5Vである。電子機器100と外部機器200とは、接続が確立した後に、ソースとシンクの役割を交換するパワーロールスワップ(PR SWAP)を実行することが可能である。しかし、パワーロールスワップが実行されるまでの間は、電子機器100は外部機器200に対して電力を供給せざるをえない。従って、電子機器100のバッテリ400の残量低下を防止する観点からは、電子機器100と外部機器200との接続が確立する際に、電子機器100がDFP機器とならないようにすることが好ましい。
図1に示すように、電子機器100は、コネクタ101と、プルアップ抵抗103と、プルダウン抵抗104と、スイッチ107と、スイッチ制御部109と、接続検出部112と、システム制御部110と、タイマ部111と、電源部116とを備えている。
プルアップ抵抗103の一方の端部は、電源線に接続されている。電源線は所定の電圧の定電圧電源に接続されており、電源線の電位はVCCとなっている。プルアップ抵抗103の他方の端部は、スイッチ107に接続されている。プルアップ抵抗103は、スイッチ107を介してCC端子101bに接続可能である。プルアップ抵抗103の抵抗値は、USB Type−C規格に規定されており、例えば22kΩである。VCCの電圧値は、USB Type−C規格に規定されており、例えば5Vである。VCCは、VBUS端子101aを介して外部機器200に供給される電源、即ち、VBUSとは別個に生成される。
プルダウン抵抗104の一方の端部は、接地線に接続されている。接地線の電位は接地電位GND、即ち、0Vである。プルダウン抵抗104の他方の端部は、スイッチ107に接続されている。プルダウン抵抗104は、スイッチ107を介してCC端子101bに接続可能である。プルダウン抵抗104の抵抗値は、USB Type−C規格に規定されており、例えば5.1kΩである。プルアップ抵抗103は、スイッチ107を介して所定の端子、即ち、CC端子101bに接続可能である。また、プルダウン抵抗104は、スイッチ107を介して所定の端子、即ち、CC端子101bに接続可能である。
スイッチ107は、接続を切り替えるものである。スイッチ107は、ある状態においては、CC端子101bとプルアップ抵抗103とを接続する(プルアップ状態)。スイッチ107は、他の状態においては、CC端子101bとプルダウン抵抗104とを接続する(プルダウン状態)。スイッチ107は、更に他の状態においては、CC端子101bをプルアップ抵抗103にもプルダウン抵抗104にも接続しない(開放状態)。スイッチ107は、スイッチ制御部109によって制御される。
スイッチ制御部(SW制御部)109は、システム制御部110からの指示に基づいてスイッチ107を制御する。スイッチ制御部109は、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続されるようにスイッチ107を制御し得る。CC端子101bをプルアップ抵抗103に接続することによって、電子機器100がホスト機器、即ち、DFP機器であることを外部機器200に対して示し得る。スイッチ制御部109は、CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続されるようにスイッチ107を制御し得る。CC端子101bをプルダウン抵抗104に接続することによって、電子機器100がデバイス機器、即ち、UFP機器であることを外部機器200に対して示し得る。スイッチ制御部109は、スイッチ107を周期的に切り替え得る。スイッチ107を周期的に切り替えることよって、電子機器100がホスト機器にもデバイス機器にもなり得るDRP機器であることを外部機器200に対して示し得る。スイッチ制御部109は、スイッチ107を開放状態に設定し得る。即ち、スイッチ制御部109は、CC端子101bをプルアップ抵抗103とプルダウン抵抗104のいずれにも接続しない状態とし得る。スイッチ制御部109は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが接続検出部112によって判定されるまで、CC端子101bがプルアップ抵抗103とプルダウン抵抗104とに交互に接続されるように制御を行う。CC端子101bをプルアップ抵抗103とプルダウン抵抗104とに交互に周期的に接続することは、トグリングと称される。
接続検出部(接続判定回路、接続検出部)112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたか否かを判定する。接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたか否かの判定結果を、システム制御部110に出力する。即ち、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続された場合、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことを示す情報をシステム制御部110に対して出力する。接続検出部112は、CC端子101bの電位Vsが以下のような式(1)で示される所定の範囲内である場合に、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたと判定する。電圧Vminは、例えば0.2Vであり、電圧Vmaxは、例えば2.04Vである。電圧Vmin、Vmaxは、例えば、USB Type−C規格に規定されている。
Vmin≦Vs<Vmax ・・・(1)
式(1)で示される所定の範囲の上限の電圧Vmaxは、プルアップ抵抗102に接続された電源線の電位、即ち、VCCよりも低い。また、式(1)で示される所定の範囲の下限の電圧Vminは、プルダウン抵抗104に接続された接地線の電位、即ち、GNDよりも高い。
例えば、CC端子101bがスイッチ107を介してプルアップ抵抗103に接続されており、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていない場合には、CC端子101bの電位VsはVCCである。VCCは、式(1)に示す所定の範囲内ではない電位である。この場合、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
また、CC端子101bがスイッチ107を介してプルダウン抵抗104に接続されており、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていない場合には、CC端子101bの電位VsはGND(0V)である。GNDは、式(1)に示す所定の範囲内ではない電位である。この場合、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
このように、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていない場合には、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
CC端子101bとCC端子201bとが電気的に接続されている場合であっても、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続され、CC端子201bがプルアップ抵抗203に接続されている場合、CC端子101bの電位VsはVCCである。VCCは、式(1)に示す所定の範囲内ではない電位である。この場合、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
CC端子101bとCC端子201bとが電気的に接続されている場合であっても、CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続され、CC端子201bがプルダウン抵抗204に接続されている場合、CC端子101bの電位Vsは接地電位GNDである。接地電位GNDは、式(1)に示す所定の範囲内ではない電位である。この場合、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
このように、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されている場合であっても、CC端子101b、201bのいずれもがプルアップ抵抗103,203に接続されている場合には、CC端子101bの電位VsはVCCとなる。また、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されている場合であっても、CC端子101b、201bのいずれもがプルダウン抵抗104,204に接続されている場合には、CC端子101bの電位VsはGNDとなる。従って、これらの場合にも、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
図1に示すように、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続され、CC端子201bがプルダウン抵抗204に接続され、CC端子101bとCC端子201bとがケーブル300を介して接続されている場合には、以下のようになる。即ち、CC端子101bの電位Vsは、式(1)に示す所定の範囲内の電位となる。この場合、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定する。
図2に示すように、CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続され、CC端子201bがプルアップ抵抗203に接続され、CC端子101bとCC端子201bとがケーブル300を介して接続されている場合には、以下のようになる。即ち、CC端子101bの電位Vsは、式(1)に示す所定の範囲内の電位となる。この場合、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定する。
電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていることが接続検出部112によって判定されると、システム制御部110は、トグリングを終了するようにスイッチ制御部109を制御する。トグリングが終了した段階でCC端子101bに接続されている抵抗が、CC端子101bに接続される抵抗としてスイッチ制御部109によって選択された抵抗である。
CC端子101bに接続される抵抗としてプルアップ抵抗103がスイッチ制御部109によって選択された場合、電子機器100は、DFP機器として外部機器200に接続される。即ち、この場合、電子機器100のポート150はソースとなり、外部機器200のポート250はシンクとなる。電子機器100は、CC端子101bにプルアップ抵抗103が接続された状態で外部機器200との接続が確立した場合には、外部機器200にポート150を介して給電可能な接続状態になる。
一方、CC端子101bに接続される抵抗としてプルダウン抵抗104がスイッチ制御部109によって選択された場合、電子機器100は、UFP機器として外部機器200に接続される。即ち、この場合、電子機器100のポート150はシンクとなり、外部機器200のポート250はソースとなる。電子機器100は、CC端子101bにプルダウン抵抗104が接続された状態で外部機器200との接続が確立した場合には、外部機器200からポート150を介して受電可能な接続状態となる。
システム制御部110は、電子機器100の全体の制御を司る。システム制御部110は、電子機器100に備えられた各々の機能ブロック、即ち、スイッチ制御部109、タイマ部111、接続検出部112、及び、電源部116等を制御する。システム制御部110としては、例えばCPU(Central Processing Unit)等が用いられる。システム制御部110は、電子機器100に備えられた各々の機能ブロックから出力される情報を取得し、各々の機能ブロックの動作を制御する信号を出力する。システム制御部110は、スイッチ制御部109と相俟って、スイッチ107を周期的に切り替える制御部(制御手段)として機能し得る。システム制御部110は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されているか否かについての接続検出部112による判定結果に基づいて、トグリングを継続するか否かを示す情報をスイッチ制御部109に対して出力する。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたと接続検出部112が判定した場合には、システム制御部110は、トグリングを終了するようにスイッチ制御部109を制御する。これにより、CC端子101bに接続される抵抗が固定される。また、システム制御部110は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続された後に、CC端子101bに接続されている抵抗を示す情報をスイッチ制御部109から取得し、取得した情報に基づいて以下のような判定を行う。即ち、システム制御部110は、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されたか、UFP機器として外部機器200に接続されたかを判定する。
システム制御部110は、外部機器200との間で情報を送受信するために、CC端子101bの電圧を制御する。システム制御部110は、USB Type−C Power Delivery(PD)規格に準拠した通信、即ち、PD通信を行う。システム制御部110は、CC端子101bを介して、USB Type−C規格に準拠した通信を行う。システム制御部110は、外部機器200との間で接続が確立した後に、送受信の試行を行い、PD通信におけるメッセージ授受が成功したか否かを判定する。PD通信おけるメッセージ授受が成功した場合には、電子機器100と外部機器200の双方がPD規格に対応していると判定され、以後、PD通信を用いた制御が行われる。PD通信におけるメッセージ授受が成功しなかった場合には、電子機器100と外部機器200とのうちのいずれか又は双方がPD規格に対応していないと判定される。電子機器100と外部機器200とのうちの少なくともいずれかがPD規格に対応していない場合には、モニタとの間でDisplayPort(DP)通信をすることが可能なオルタネートモードで動作し得ない。ここでは、電子機器100と外部機器200のいずれもがPD規格に対応しているものとする。
タイマ部111は、時間を計測するものである。タイマ部111によって計測された時間を示す情報は、システム制御部110に供給される。
電源部(電力制御回路)116は、不図示の電圧変換部が備えられている。電圧変換部は、例えばバッテリ(図示せず)等から供給される電力を用いて所定の電圧、即ち、VCCやVBUS等を生成する。電源部116は、電子機器100の内部に備えられた電子回路や駆動部品等への電力の供給を制御する。また、電源部116は、外部機器200から受け取る電力をバッテリに充電する。VBUS_Sourceは、電子機器100から外部機器200に供給されるVBUSを示しており、スイッチ117とVBUS端子101aとを介して外部機器200に供給される。VBUS_Sinkは、外部機器200から電子機器100に供給されるVBUSを示しており、電子機器100に備えられたバッテリ等に供給される。システム制御部110は、電子機器100のポート150をソースとする場合には、スイッチ117をオン状態にするとともに、スイッチ118をオフ状態とする。これにより、電子機器100からVBUS端子101aを介して外部機器200にVBUSが供給される。システム制御部110は、電子機器100のポート150をシンクとする場合には、スイッチ117をオフ状態にするとともに、スイッチ118をオン状態とする。これにより、外部機器200からのVBUSがVBUS端子101aを介して電子機器100のバッテリ等が供給され、当該バッテリに対して充電が行われる。
外部機器200は、電子機器100と同様に、DRPポートを備えた機器、即ち、DRP機器である。外部機器200は、コネクタ201と、プルアップ抵抗203と、プルダウン抵抗204と、スイッチ207と、スイッチ制御部209と、接続検出部212と、システム制御部210と、タイマ部211と、電源部216とを備えている。電源部216には、スイッチ217,218が備えられている。外部機器200の各々の機能ブロックは、電子機器100における同名の機能ブロックと同様であるため、説明を省略する。
電子機器100のCC端子101bがプルアップ抵抗103に接続され、且つ、外部機器200のCC端子201bがプルダウン抵抗204に接続された状態で、電子機器100と外部機器200との接続が確立した場合には、以下のようになる。即ち、電子機器100はDFP機器とされ、外部機器200はUFP機器とされる。一方、電子機器100のCC端子101bがプルダウン抵抗104に接続され、且つ、外部機器200のCC端子101bがプルアップ抵抗203に接続された状態で、電子機器100と外部機器200との接続が確立した場合には、以下のようになる。即ち、電子機器100はUFP機器とされ、外部機器200はDFP機器とされる。
電子機器100のCC端子101bがプルアップ抵抗103に接続された状態で、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていることが検出された場合、以下のような処理が行われる。即ち、電子機器100は、所定時間tVBUSON以内にVBUS端子101aを介して外部機器200に所定の電圧、即ち、VBUSを供給する。所定時間tVBUSONは、Universal Serial Bus Type-C Cable and Connector Specification Revision 1.2において規定されており、275msである。上述したように、電子機器100のポート150が、電力を供給する側であるソースとなり、外部機器200のポート250が、電力を受け取る側であるシンクとなった場合には、以下のようになる。即ち、電子機器100から外部機器200に電力が供給され、電子機器100のバッテリ残量が徐々に低下する。バッテリ残量が低下すると、電子機器100は正常に動作し得なくなる。従って、上述したように、バッテリ残量の低下を防止する観点からは、電子機器100のポート150がソースとならないようにすることが好ましい。
しかしながら、DRP機器は、所定周期tDRPでCC端子101bの極性を変化させることを要する。所定周期tDRPは、Universal Serial Bus Type-C Cable and Connector Specification Revision 1.2において規定されており、50ms〜100msである。CC端子101bの極性が周期的に変化するため、CC端子101bは、プルダウン状態になることもあるし、プルアップ状態になることもある。
CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続されている状態で、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていることが検出された場合、システム制御部110は以下のように動作する。即ち、システム制御部110は、スイッチ107を開放状態にするように、スイッチ制御部109を制御する。これにより、CC端子101bがプルアップ抵抗103にもプルダウン抵抗104にも接続されない状態となる。スイッチ107が開放状態になると、CC端子101bの電位Vsは上記のような式(1)に示す所定の範囲内の電位ではなくなる。CC端子101bの電位Vsが上記のような式(1)に示す所定の範囲内の電位でなくなると、システム制御部110は、電子機器100と外部機器200との接続が切断されたと判定する。電子機器100と外部機器200との接続が切断されたと判定されるため、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されるのを防止することができる。この後、システム制御部110は、トグリングが再開されるようにスイッチ制御部109を制御する。
図4は、本実施形態による電子機器100の動作を示すフローチャートである。
ステップS401において、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されているか否かを判定する。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されているか否かは、CC端子101bの電位Vsが式(1)に示す所定の範囲内であるか否かによって判定される。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定された場合には(ステップS401においてYES)、ステップS402に移行する。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていないと判定された場合には(ステップS401においてNO)、ステップS401が繰り返される。
ステップS402において、システム制御部110は、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続されている否か、即ち、プルアップ状態であるか否かを検出する。CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続されている場合には(ステップS402においてYES)、ステップS403に移行する。CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続されている場合には(ステップS402においてNO)、ステップS404に移行する。
ステップS404において、システム制御部110は、電子機器100をUFP機器として外部機器200に接続する。具体的には、電子機器100のシステム制御部110と外部機器200のシステム制御部210との間でPD通信が行われ、電子機器100と外部機器200との間でPD規格に基づく接続、即ち、PD接続が確立される。電子機器100はUFP機器とされ、外部機器200はDFP機器とされる。電子機器100から外部機器200には電力が供給されない一方、外部機器200から電子機器100に電力が供給される。
ステップS403において、システム制御部110は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが検出されてから所定時間tVBUSON以内にスイッチ107が開放状態になるように、スイッチ制御部109を制御する。即ち、システム制御部110は、USB Type−C等の所定の規格に基づく接続が外部機器200との間で確立する前に、CC端子101bとプルアップ抵抗103とが未接続になるようにスイッチ制御部109を制御する。これにより、CC端子101bの電位Vsが式(1)に示す所定の範囲内の電位となったことが検出されてから所定時間tVBUSON以内にスイッチ107が開放状態になる。所定時間tVBUSONは、上述したように、275msである。スイッチ207が開放状態になると、電子機器100のシステム制御部110と外部機器200のシステム制御部210は、電子機器100と外部機器200との間の接続が切断されたと判定する。これにより、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されることが防止され、電子機器100から外部機器200への電力の供給が回避される。なお、ここでは、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが検出されてから所定時間tVBUSON以内にスイッチ107を開放状態にする場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが検出されてから所定時間tVBUSON以内に、CC端子101bをプルダウン抵抗104に接続するようにしてもよい。CC端子101bをプルダウン抵抗104に接続することによっても、CC端子101bの電位Vsが式(1)に示す所定の範囲内の電位でなくなる。従って、このようにした場合にも、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されることが防止され、電子機器100から外部機器200への電力の供給が回避される。
ステップS405において、システム制御部110は、時間の計測をタイマ部111に開始させる。この後、ステップS406に移行する。
ステップS406において、スイッチ制御部109は、トグリングを再開する。この後、ステップS407に移行する。
ステップ407において、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されているか否かを判定する。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定された場合には(ステップS407においてYES)、ステップS408に移行する。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていないと判定された場合には(ステップS407においてNO)、ステップS407が繰り返される。
ステップS408において、システム制御部110は、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続されている否かを判定する。CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続されている場合には(ステップS408においてYES)、ステップS409に移行する。CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続されている場合には(ステップS408においてNO)、ステップS404に移行する。
ステップS409において、システム制御部110は、タイマ部111によって計測された時間Tが第1の閾値TH1以上であるか否かを判定する。タイマ部111によって計測された時間Tが第1の閾値TH1以上である場合には(ステップS409においてYES)、ステップS410に移行する。タイマ部111によって計測された時間Tが第1の閾値TH1未満である場合には(ステップS409においてNO)、ステップS403に戻る。第1の閾値TH1は、例えば上述したtDRPに基づいて設定することができる。tDRPは、上述したように、50ms〜100msである。ここでは、第1の閾値TH1を例えば100msより長い時間とする。なお、第1の閾値TH1は、適宜設定し得る。
ステップS410において、システム制御部110は、電子機器100をDFP機器として外部機器200と接続する。具体的には、電子機器100のシステム制御部110と外部機器200のシステム制御部210との間でPD通信が行われ、電子機器100と外部機器200との間でPD規格に基づく接続、即ち、PD接続が確立される。電子機器100はDFP機器とされ、外部機器200はUFP機器とされる。電子機器100のCC端子101bは、プルアップ抵抗103に接続されたままの状態が維持される。CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続された状態で、電子機器100と外部機器200とが接続されている状態がステップS407において検出されてから所定時間tVBUSON以内に、システム制御部110は、以下のような処理を行う。即ち、システム制御部110は、コネクタ101のVBUS端子101aを介して外部機器200に電力の供給を開始する。所定時間tVBUSONは、上述したように275msである。電子機器100から外部機器200には電力が供給される一方、外部機器200から電子機器100には電力が供給されない。このように、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続された状態でCC端子101bの電位が所定の範囲内となる状態が生じてから第1の閾値TH1の時間が経過した後においては、システム制御部110は、以下のように動作する。即ち、システム制御部110は、CC端子101bの電位が所定の範囲内となる状態が再び生じた場合であっても、CC端子101bとプルアップ抵抗103とが未接続となるようなスイッチ107の制御を行わない。
なお、ここでは、ステップS410において、電子機器100がDFP機器として外部機器200と接続される場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ステップS410において、電子機器100と外部機器200との間で接続が確立されないようにしてもよい。この場合、電子機器100と外部機器200との間で接続が確立できない旨を、例えば、電子機器100に備えられた不図示のUI(User Interface)等を用いてユーザに告知するようにしてもよい。かかるUIとしては、例えば表示部等が挙げられる。
図5(a)は、本実施形態による電子機器100の動作の例を示すタイムチャートである。図5(a)は、本実施形態による電子機器100と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図5(a)には、本実施形態による電子機器100のCC端子101bの電位Vsと、CC端子101bに接続される抵抗とが示されている。Rpは、電子機器100のCC端子101bがプルアップ抵抗103に接続されている状態を示しており、Rdは、電子機器100のCC端子101bがプルダウン抵抗104に接続されている状態を示している。
図5(a)に示すように、電子機器100に備えられたスイッチ制御部109は、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗が周期的に切り替わるようにスイッチ107を制御する(トグリング)。
タイミングt0からタイミングt2までは、電子機器100のCC端子101bはプルアップ抵抗103に接続される。この際、電子機器100のCC端子101bの電位VsはVCCとなる。
タイミングt2において、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗は、プルアップ抵抗103からプルダウン抵抗104に切り替えられる。これにより、電子機器100のCC端子101bの電位VsはGNDとなる。タイミングt2からタイミングt4までは、電子機器100のCC端子101bにプルダウン抵抗104が接続された状態が維持される。従って、タイミングt2からタイミングt4までは、電子機器100のCC端子101bの電位VsはGNDのまま維持される。
タイミングt4において、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗は、プルダウン抵抗104からプルアップ抵抗103に切り替えられる。これにより、電子機器100のCC端子101bの電位VsはVCCとなる。タイミングt0からタイミングt4までの期間は、電子機器100のスイッチ制御部109がスイッチ107を周期的に制御する際の1周期に相当する。この後も、上記と同様の処理が繰り返される。
図5(b)は、外部機器200の動作の例を示すタイムチャートである。図5(b)は、電子機器100と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図5(b)には、外部機器200のCC端子201bの電位と、CC端子201bに接続される抵抗とが示されている。Rpは、CC端子201bがプルアップ抵抗203に接続されている状態を示しており、Rdは、CC端子201bがプルダウン抵抗204に接続されている状態を示している。
タイミングt0からタイミングt1までは、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗203に接続されている。この際、外部機器200のCC端子201bの電位はVCCとなる。
タイミングt1において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗は、プルアップ抵抗203からプルダウン抵抗204に切り替えられる。これにより、外部機器200のCC端子201bの電位はGNDとなる。タイミングt1からタイミングt3までは、外部機器200のCC端子201bにプルダウン抵抗204が接続された状態が維持される。従って、タイミングt1からタイミングt3までは、外部機器200のCC端子201bの電位はGNDのまま維持される。
タイミングt3において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗は、プルダウン抵抗204からプルアップ抵抗203に切り替えられる。これにより、外部機器200のCC端子201bの電位はVCCとなる。タイミングt3からタイミングt5までは、外部機器200のCC端子201bにプルアップ抵抗203が接続された状態が維持される。従って、タイミングt3からタイミングt5までは、外部機器200のCC端子201bの電位はVCCのまま維持される。
タイミングt5において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗は、プルアップ抵抗203からプルダウン抵抗204に切り替えられる。これにより、外部機器200のCC端子201bの電位はGNDとなる。タイミングt1からタイミングt5までの期間は、外部機器200に備えられたスイッチ制御部209がスイッチ207を周期的に制御する際の1周期に相当する。この後も、上記と同様の処理が繰り返される。
図5(c)は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続された際の動作を示すタイミングチャートである。図5(c)は、電子機器100と外部機器200とがタイミングt0において接続された場合の動作の例を示している。図5(c)には、電子機器100のCC端子101bの電位Vsと、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗と、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗とが示されている。
タイミングt0からタイミングt1までは、電子機器100のCC端子101bはプルアップ抵抗103に接続されており、外部機器200のCC端子201bもプルアップ抵抗203に接続されている。このため、電子機器100のCC端子101bの電位Vsは、VCCとなる。VCCは、上記のような式(1)に示す所定の範囲内の電位ではない。従って、タイミングt0からタイミングt1までの間においては、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていることが接続検出部112によって検出されない。
タイミングt1において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗がプルアップ抵抗203からプルダウン抵抗204に切り替わると、電子機器100のCC端子101bの電位Vsは、式(1)に示す所定の範囲内の電位となる。電子機器100の接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことを検出する。このような状態で電子機器100と外部機器200との接続が確立されると、電子機器100はDFP機器とされ、外部機器200はUFP機器とされる。
本実施形態では、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続された状態で、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていることが検出された場合、システム制御部110は、以下のように動作する。即ち、システム制御部110は、スイッチ107が開放状態となるようにスイッチ制御部109を制御する。これにより、CC端子101bがプルアップ抵抗103にもプルダウン抵抗104にも接続されていない状態となる。例えば、スイッチ制御部109は、タイミングt7において、スイッチ107を開放状態にする。タイミングt7は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていることが接続検出部112によって検出された後、所定時間tVBUSONが経過する前のタイミングである。上述したように、所定時間tVBUSONは275msである。CC端子101bがプルアップ抵抗103にもプルダウン抵抗104にも接続されない状態になると、CC端子101bの電位Vsは上記のような式(1)に示す所定の範囲内の電位ではなくなる。このため、電子機器100のシステム制御部110及び外部機器200のシステム制御部210は、電子機器100と外部機器200との接続が切断されたと判定する。このため、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されるのを防止することができる。
電子機器100と外部機器200との接続が切断されると、外部機器200のシステム制御部210は、トグリングが再開されるようにスイッチ制御部209を制御する。また、電子機器100と外部機器200との接続が切断されると、電子機器100のシステム制御部110も、トグリングが再開されるようにスイッチ制御部109を制御する。タイミングt8は、電子機器100がトグリングを再開するタイミングを示している。タイミングt8においては、電子機器100のCC端子101bはプルダウン抵抗104に接続されており、外部機器200のCC端子201bはプルダウン抵抗204に接続されている。CC端子101bをプルダウン抵抗104に接続した状態からスイッチ107の周期的な切り替えを再開しているのは、電子機器100をUFP機器として外部機器200に接続されやすくするためである。CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続されている場合、CC端子101bの電位Vsは接地電位GNDである。接地電位GNDは、上記のような式(1)に示す所定の範囲内の電位ではない。従って、タイミングt8からタイミングt9までの間においては、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていることは接続検出部112によって検出されない。
タイミングt9において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗がプルダウン抵抗204からプルアップ抵抗203に切り替わると、電子機器100のCC端子101bの電位Vsは、式(1)に示す所定の範囲内の電位となる。電子機器100の接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことを検出する。このような状態で電子機器100と外部機器200との間で接続が確立されると、電子機器100はUFP機器とされ、外部機器200はDFP機器とされる。
なお、ここでは、CC端子101bがプルアップされた状態で、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが検出された場合に、スイッチ107を開放状態にする場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、かかる場合に、CC端子101bをプルダウン抵抗104にも接続するようにしてもよい。この場合には、CC端子101bの電位Vsは接地電位GNDとなり、上記のような式(1)に示す所定の範囲内の電位ではなくなる。従って、電子機器100のシステム制御部110及び外部機器200のシステム制御部210は、電子機器100と外部機器200との接続が切断されたと判定する。従って、このようにしても、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されるのを防止することができる。
図6(a)は、比較例による電子機器の動作の例を示すタイムチャートである。図6(a)は、比較例による電子機器と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図6(a)には、比較例による電子機器のCC端子の電位と、当該CC端子に接続される抵抗とが示されている。Rpは、比較例による電子機器のCC端子がプルアップ抵抗に接続されている状態を示しており、Rdは、比較例による電子機器のCC端子がプルダウン抵抗に接続されている状態を示している。
図6(a)に示すように、比較例による電子機器のCC端子に接続される抵抗が周期的に切り替えられる。タイミングt0からタイミングt1までは、比較例による電子機器のCC端子はプルアップ抵抗に接続される。タイミングt1において、比較例による電子機器のCC端子に接続される抵抗は、プルアップ抵抗からプルダウン抵抗に切り替えられる。タイミングt1からタイミングt3までは、比較例による電子機器のCC端子はプルダウン抵抗が接続される。タイミングt3において、比較例による電子機器のCC端子に接続される抵抗は、プルダウン抵抗からプルアップ抵抗に切り替えられる。タイミングt3からタイミングt5までは、比較例による電子機器のCC端子はプルアップ抵抗に接続される。タイミングt5において、比較例による電子機器のCC端子に接続される抵抗は、プルアップ抵抗からプルダウン抵抗に切り替えられる。タイミングt1からタイミングt5までの期間は、比較例による電子機器に備えられたスイッチ制御部がスイッチを周期的に制御する際の1周期に相当する。この後も、上記と同様の処理が繰り返される。
図6(b)は、外部機器200の動作の例を示すタイムチャートである。図6(b)は、比較例による電子機器と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図6(b)には、外部機器200のCC端子201bの電位と、CC端子201bに接続される抵抗とが示されている。
タイミングt0からタイミングt2までは、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗203に接続される。タイミングt2において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗は、プルアップ抵抗203からプルダウン抵抗204に切り替えられる。タイミングt2からタイミングt4までは、外部機器200のCC端子201bはプルダウン抵抗204に接続される。タイミングt4において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗は、プルダウン抵抗204からプルアップ抵抗203に切り替えられる。タイミングt0からタイミングt4までの期間は、外部機器200に備えられたスイッチ制御部209がスイッチ207を周期的に制御する際の1周期に相当する。この後も、上記と同様の処理が繰り返される。
図6(c)は、比較例による電子機器と外部機器200とがケーブル300を介して接続された際の動作を示すタイミングチャートである。図6(c)は、比較例による電子機器と外部機器200とがタイミングt0において接続された場合の動作を示している。図6(c)には、比較例による電子機器のCC端子の電位と、比較例による電子機器のCC端子に接続される抵抗と、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗とが示されている。
タイミングt0からタイミングt1までは、比較例による電子機器のCC端子はプルアップ抵抗に接続されており、外部機器200のCC端子201bもプルアップ抵抗203に接続されている。このため、比較例による電子機器のCC端子の電位は、VCCとなる。VCCは、上記のような式(1)に示す所定の範囲内の電位ではない。従って、タイミングt0からタイミングt1までの間においては、比較例による電子機器と外部機器200とがケーブル300を介して接続されているとは判定されない。
タイミングt1において、比較例による電子機器のCC端子に接続される抵抗がプルアップ抵抗からプルダウン抵抗に切り替わると、CC端子の電位は、式(1)に示す所定の範囲内の電位となる。比較例による電子機器に備えられた接続検出部は、比較例による電子機器と外部機器200とがケーブル300によって接続されたと判定する。このような状態で比較例による電子機器100と外部機器200との接続が確立されると、比較例による電子機器のポートは、デフォルトにおいて電力を受け取る側のポートであるUFPとされる。一方、外部機器200のポート250は、デフォルトにおいて供給する側のポートであるDFPとされる。
タイミングt1以降においては、USB Type−C接続が確立しているため、比較例による電子機器100のCC端子はプルダウン抵抗に接続されたままとなり、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗203に接続されたままとなる。
タイミングt6において、VBUS端子201aを介して外部機器200から比較例による電子機器100への電力の供給が開始される。タイミングt6は、USB Type−C接続が確立した後、所定時間tVBUSONを経過する前のタイミングであり、上述したように、所定時間tVBUSONは275msである。
図7(a)は、比較例による電子機器の動作の他の例を示すタイムチャートである。図7(a)は、比較例による電子機器と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図7(a)には、比較例による電子機器のCC端子の電位と、当該CC端子に接続される抵抗とが示されている。Rpは、比較例による電子機器のCC端子がプルアップ抵抗に接続されている状態を示しており、Rdは、比較例による電子機器のCC端子がプルダウン抵抗に接続されている状態を示している。
図7(a)に示すように、比較例による電子機器のCC端子に接続される抵抗が周期的に切り替えられる。タイミングt0からタイミングt2までは、比較例による電子機器のCC端子はプルアップ抵抗に接続される。タイミングt2において、比較例による電子機器のCC端子に接続される抵抗は、プルアップ抵抗からプルダウン抵抗に切り替えられる。タイミングt2からタイミングt4までは、比較例による電子機器のCC端子はプルダウン抵抗が接続される。タイミングt4において、比較例による電子機器のCC端子に接続される抵抗は、プルダウン抵抗からプルアップ抵抗に切り替えられる。タイミングt0からタイミングt4までの期間は、比較例による電子機器に備えられたスイッチ制御部がスイッチを周期的に制御する際の1周期に相当する。この後も、上記と同様の処理が繰り返される。
図7(b)は、外部機器200の動作の例を示すタイムチャートである。図7(b)は、比較例による電子機器と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図7(b)には、外部機器200のCC端子201bの電位と、CC端子201bに接続される抵抗とが示されている。
タイミングt0からタイミングt1までは、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗203に接続される。タイミングt1において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗は、プルアップ抵抗203からプルダウン抵抗204に切り替えられる。タイミングt1からタイミングt3までは、外部機器200のCC端子201bはプルダウン抵抗204に接続される。タイミングt3において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗は、プルダウン抵抗204からプルアップ抵抗203に切り替えられる。タイミングt3からタイミングt5までは、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗203に接続される。タイミングt1からタイミングt5までの期間は、外部機器200に備えられたスイッチ制御部209がスイッチ207を周期的に制御する際の1周期に相当する。この後も、上記と同様の処理が繰り返される。
図7(c)は、比較例による電子機器と外部機器200とがケーブル300を介して接続された際の動作を示すタイミングチャートである。図7(c)は、比較例による電子機器と外部機器200とがタイミングt0において接続された場合の動作を示している。図7(c)には、比較例による電子機器のCC端子の電位と、比較例による電子機器のCC端子に接続される抵抗と、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗とが示されている。
タイミングt0からタイミングt1までは、比較例による電子機器のCC端子はプルアップ抵抗に接続されており、外部機器200のCC端子201bもプルアップ抵抗203に接続されている。このため、比較例による電子機器のCC端子の電位は、VCCとなる。VCCは、式(1)に示す所定の範囲内の電位ではない。従って、タイミングt0からタイミングt1までの間においては、比較例による電子機器と外部機器200とがケーブル300を介して接続されているとは判定されない。
タイミングt1において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗がプルアップ抵抗203からプルダウン抵抗204に切り替わると、CC端子201bの電位は、式(1)に示す所定の範囲内の電位となる。比較例による電子機器に備えられた接続検出部は、比較例による電子機器と外部機器200とがケーブル300によって接続されたと判定する。このような状態で比較例による電子機器100と外部機器200との接続が確立されると、比較例による電子機器は、デフォルトにおいて電力を供給する側であるDFP機器とされる。一方、外部機器200は、デフォルトにおいて受け取る側であるUFP機器とされる。
タイミングt1以降においては、USB Type−C接続が確立しているため、比較例による電子機器100のCC端子はプルアップ抵抗に接続されたままとなり、外部機器200のCC端子201bはプルダウン抵抗204に接続されたままとなる。
タイミングt6において、比較例に備えられたVBUS端子を介して比較例による電子機器から外部機器200への電力の供給が開始される。タイミングt6は、USB Type−C接続が確立した後、所定時間tVBUSONを経過する前のタイミングであり、上述したように、所定時間tVBUSONは275msである。
このように、比較例による電子機器においては、当該電子機器がUFP機器として外部機器200に接続されることもあるし、当該電子機器がDFP機器として外部機器200に接続されることもある。
このように、本実施形態による電子機器100は、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続された状態で、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが検出された場合には、以下のように動作する。即ち、本実施形態による電子機器100は、スイッチ107を開放状態にするか、又は、CC端子101bをプルダウン抵抗104に接続する。この後、本実施形態による電子機器100は、トグリングを再開する。このため、本実施形態によれば、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されるのを抑制することができ、電子機器100から外部機器200に電力が供給されるのを抑制することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態による電子機器及びその制御方法について図面を用いて説明する。図1乃至図7に示す第1実施形態による電子機器と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による電子機器100は、CC端子101bがプルアップされた状態で、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが検出された際に場合には、CC端子101bをプルダウン抵抗104に接続するものである。そして、本実施形態による電子機器100は、CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続された状態を維持するものである。
図8は、本実施形態による電子機器100の動作を示すフローチャートである。
ステップS501からステップS504までの動作は、図4を用いて上述した第1実施形態による電子機器100におけるステップS401からステップS404までの動作と同様であるので、説明を省略する。
ステップS505において、システム制御部110は、CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続されるようにスイッチ制御部109を制御する。システム制御部110は、CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続された状態を維持し、トグリングを再開させない。この後、ステップS506に移行する。
ステップS506において、システム制御部110は、時間の計測をタイマ部111に開始させる。この後、ステップS507に移行する。
ステップS507において、接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されているか否かを判定する。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されているか否かは、CC端子101bの電位Vsが式(1)に示す所定の範囲内の電位であるか否かによって判定される。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定された場合には(ステップS507においてYES)、ステップS508に移行する。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていないと判定された場合には(ステップS507においてNO)、ステップS509に移行する。
ステップS508において、システム制御部110は、電子機器100をUFP機器として外部機器200に接続する。具体的には、電子機器100のシステム制御部110と外部機器200のシステム制御部210との間でPD通信が行われ、電子機器100と外部機器200との間でPD規格に基づく接続、即ち、PD接続が確立される。電子機器100はUFP機器とされ、外部機器200はDFP機器とされる。電子機器100から外部機器200には電力が供給されない一方、外部機器200から電子機器100に電力が供給される。
ステップS509において、システム制御部110は、タイマ部111によって計測された時間Tが第1の閾値TH1以上であるか否かを判定する。タイマ部111によって計測された時間Tが第1の閾値TH1以上である場合には(ステップS509においてYES)、ステップS510に移行する。タイマ部111によって計測された時間Tが第1の閾値TH1未満である場合には(ステップS509においてNO)、ステップS507に戻る。
ステップS510において、システム制御部110は、電子機器100をDFP機器として外部機器200と接続する。具体的には、システム制御部110は、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続されるようにスイッチ制御部109を制御する。そして、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが接続検出部112によって検出された後、電子機器100のシステム制御部110と外部機器200のシステム制御部210との間でPD通信が行われる。そして、電子機器100と外部機器200との間でPD規格に基づく接続、即ち、PD接続が確立される。電子機器100はDFP機器とされ、外部機器200はUFP機器とされる。CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続された状態で、電子機器100と外部機器200とが接続されている状態がステップS507において検出されてから所定時間tVBUSON以内に、システム制御部110は、以下のような処理を行う。即ち、システム制御部110は、コネクタ101のVBUS端子101aを介して外部機器200に電力の供給を開始する。所定時間tVBUSONは、上述したように275msである。電子機器100から外部機器200には電力が供給される一方、外部機器200から電子機器100には電力が供給されない。このように、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続された状態でCC端子101bの電位が所定の範囲内となる状態が生じてから第1の閾値TH1の時間が経過した段階では、システム制御部110は以下のように動作する。即ち、USB Type−C等の所定の規格に基づく接続がこの段階で外部機器200との間で確立していない場合には、システム制御部110は、CC端子101bとプルアップ抵抗103とが接続されるようにスイッチ107を制御する。
なお、ここでは、ステップS510において、電子機器100がDFP機器として外部機器200と接続される場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ステップS510において、電子機器100と外部機器200との間で接続が確立されないようにしてもよい。この場合、電子機器100と外部機器200との間で接続が確立できない旨を、例えば、電子機器100に備えられた不図示のUI等を用いてユーザに告知するようにしてもよい。
図9(a)は、本実施形態による電子機器100の動作の例を示すタイムチャートである。図9(a)は、本実施形態による電子機器100と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図9(a)には、本実施形態による電子機器100のCC端子101bの電位Vsと、CC端子101bに接続される抵抗とが示されている。Rpは、電子機器100のCC端子101bがプルアップ抵抗103に接続されている状態を示しており、Rdは、電子機器100のCC端子101bがプルダウン抵抗104に接続されている状態を示している。
図9(a)に示すように、電子機器100に備えられたシステム制御部110は、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗が周期的に切り替えられるように、スイッチ制御部109を制御する。即ち、システム制御部110は、トグリングが行われるようにスイッチ制御部109を制御する。本実施形態による電子機器100におけるタイミングt0からタイミングt7までの動作は、図5(a)を用いて上述した第1実施形態による電子機器100におけるタイミングt0からタイミングt7までの動作と同様であるため、説明を省略する。
図9(b)は、外部機器200の動作の例を示すタイムチャートである。図9(b)は、電子機器100と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図9(b)には、外部機器200のCC端子201bの電位と、CC端子201bに接続される抵抗とが示されている。Rpは、CC端子201bがプルアップ抵抗203に接続されている状態を示しており、Rdは、CC端子201bがプルダウン抵抗204に接続されている状態を示している。
外部機器200におけるタイミングt0からタイミングt7までの動作は、図5(b)を用いて上述した外部機器200におけるタイミングt0からタイミングt7までの動作と同様であるため、説明を省略する。
図9(c)は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続された際の動作を示すタイミングチャートである。図9(c)は、電子機器100と外部機器200とがタイミングt0において接続された場合の動作の例を示している。図9(c)には、電子機器100のCC端子101bの電位Vsと、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗と、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗とが示されている。
タイミングt0からタイミングt1までは、電子機器100のCC端子101bはプルアップ抵抗103に接続されており、外部機器200のCC端子201bもプルアップ抵抗203に接続されている。このため、電子機器100のCC端子101bの電位Vsは、VCCとなる。VCCは、式(1)に示す所定の範囲内の電位ではない。従って、タイミングt0からタイミングt1までの間においては、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていることは接続検出部112によって検出されない。
タイミングt1において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗がプルアップ抵抗203からプルダウン抵抗204に切り替わると、電子機器100のCC端子101bの電位Vsは、式(1)に示す所定の範囲内の電位となる。電子機器100の接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300によって接続されたことを検出する。このように、タイミングt1においては、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続された状態で、電子機器100と外部機器200とがケーブル300によって接続されたことが検出される。
本実施形態では、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続された状態で、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていることが検出された場合、システム制御部110は、以下のように動作する。即ち、システム制御部110は、スイッチ107が開放状態になるようにスイッチ制御部109を制御する。これにより、CC端子101bは、プルアップ抵抗103にもプルダウン抵抗104にも接続されていない状態となる。例えば、スイッチ制御部109は、タイミングt7において、スイッチ107を開放状態にする。タイミングt7は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが接続検出部112によって検出された後、所定時間tVBUSONが経過する前のタイミングである。上述したように、所定時間tVBUSONは275msである。CC端子101bがプルアップ抵抗103にもプルダウン抵抗104にも接続されない状態になると、CC端子101bの電位Vsは、式(1)に示す所定の範囲内の電位ではなくなる。このため、電子機器100のシステム制御部110及び外部機器200のシステム制御部210は、電子機器100と外部機器200との接続が切断されたと判定する。このため、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されるのを防止することができる。
電子機器100と外部機器200との接続が切断されると、外部機器200のシステム制御部210はトグリングを再開する。また、電子機器100と外部機器200との接続が切断されると、電子機器100のシステム制御部110は、CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続されるようにスイッチ制御部109を制御する。タイミングt8は、CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続されるタイミングを示している。タイミングt8においては、電子機器100のCC端子101bはプルダウン抵抗104に接続されており、外部機器200のCC端子201bはプルダウン抵抗204に接続されている。このため、CC端子101bの電位Vsは接地電位GNDとなる。接地電位GNDは、式(1)に示す所定の範囲内の電位ではない。従って、タイミングt8からタイミングt9までの間においては、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていることは接続検出部112によって検出されない。電子機器100のシステム制御部110は、CC端子101bがプルダウン抵抗104に接続されている状態を維持し、トグリングを再開させない。
タイミングt9において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗がプルダウン抵抗204からプルアップ抵抗203に切り替わると、電子機器100のCC端子101bの電位Vsは、式(1)に示す所定の範囲内の電位となる。電子機器100の接続検出部112は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300によって接続されたと判定する。このような状態で電子機器100と外部機器200との接続が確立されると、電子機器100はUFP機器とされ、外部機器200はDFP機器とされる。
このように、本実施形態では、CC端子101bがプルアップ抵抗103に接続されている際に、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが検出された場合には、CC端子101bをプルダウン抵抗104に接続する。そして、本実施形態による電子機器100は、CC端子101bをプルダウン抵抗104に接続した状態を維持し、トグリングを再開しない。このため、本実施形態によれば、電子機器100をUFP機器として外部機器200との接続を速やかに確立し得る。
[第3実施形態]
第3実施形態による電子機器及びその制御方法について図面を用いて説明する。図10は、本実施形態による電子機器100aを示すブロック図である。図1乃至図9に示す第1又は第2実施形態による電子機器と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による電子機器100aは、電圧監視部113を用いて外部機器200のCC端子201bの電位を監視し、外部機器200のCC端子201bがプルアップされている際に、スイッチ114を閉じるものである。
本実施形態による電子機器100aは、第1及び第2実施形態による電子機器100と同様に、コネクタ101、プルアップ抵抗103、プルダウン抵抗104、スイッチ107、システム制御部110、タイマ部111及び接続検出部112を備えている。また、本実施形態による電子機器100aは、電圧監視部113と、スイッチ制御部109aと、スイッチ114とを備えている。
スイッチ114は、開閉動作を行うものである。スイッチ114は、CC端子101bとスイッチ107との間に備えられている。
電圧監視部(電位監視部)113は、コネクタ101に備えられたCC端子101bの電位Vsを監視する。CC端子101bの電位Vsを監視する方法としては、例えば、CC端子101bの電位Vsに悪影響を与えない範囲で抵抗分圧を行うことによって電位Vsを検出する方法や、ボルテージフォロアを用いて電位Vsを検出する方法が挙げられる。CC端子101bの電位Vsの検出方法は、これらに限定されるものではない。
スイッチ制御部109aは、システム制御部110からの指示に基づいてスイッチ107やスイッチ114を制御する。スイッチ制御部109aは、スイッチ107を周期的に切り替えるとともに、スイッチ114の開閉を制御する。スイッチ114を閉じた状態にすると、CC端子101bとスイッチ107とが接続された状態になる。一方、スイッチ114を開放した状態にすると、CC端子101bとスイッチ107とが接続されていない状態になる。CC端子101bがケーブル300を介して外部機器200のCC端子201bに接続されており、且つ、CC端子101bがスイッチ107に接続されていない状態においては、外部機器200のCC端子201bの電位を電圧監視部113によって監視し得る。
システム制御部110は、スイッチ114を開放した状態で電圧監視部113によって検出されるCC端子101bの電位に基づいて、スイッチ114を所定の期間だけ閉じるものである。システム制御部110は、外部機器200のCC端子201bがプルアップ抵抗203に接続されたことが電圧監視部113を介して検出された際には、以下のように動作する。即ち、システム制御部110は、タイマ部111を用いて時間の計測を開始するとともに、スイッチ114が閉じた状態になるようにスイッチ制御部109aを制御する。システム制御部110は、タイマ部111により計測された時間Tが第2の閾値TH2未満である場合には、スイッチ114を閉じた状態に維持する。そして、電子機器100aと外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが接続検出部112によって検出された場合には、電子機器100aをUFP機器として外部機器200に接続する。第2の閾値TH2は、CC端子がプルアップされる期間であるプルアップ期間の最小値に基づいて設定される。タイマ部111により計測された時間Tが、プルアップ期間の最小値未満であれば、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗203に接続されたままである。外部機器200のCC端子201bがプルアップ抵抗203に接続された状態で、CC端子101bの電位Vsが式(1)に示す所定の範囲内の電位になれば、電子機器100aはプルダウン抵抗104に接続されていることとなる。従って、この場合には、電子機器100aをUFP機器として外部機器200に接続し得る。
プルアップ期間の最小値、即ち、下限値は、例えばUSB Type−C規格等において定められており、例えば15msである。一方、クロック信号のばらつき等によって、タイマ部111による時間の計測結果にはばらつきが生じ得る。クロック信号のばらつきに起因するタイマ部111の計測結果のばらつきが例えば1ms程度である場合、第2の閾値TH2は例えば14ms程度に設定し得る。なお、第2の閾値TH2は、これに限定されるものではなく、適宜設定し得る。このように、第2の閾値TH2、即ち、所定の期間は、プルアップ期間についての規格上の下限値よりも短く設定される。
システム制御部110は、タイマ部111により計測された時間Tが第2の閾値TH2以上である場合には、スイッチ114を開放する。タイマ部111により計測された時間Tが第2の閾値TH2以上になると、外部機器200のCC端子201bがプルダウン抵抗204に接続される可能性が生じるためである。
図11(a)は、外部機器200のCC端子201bの状態と、スイッチ114の状態とを示すタイムチャートである。図11(a)に示すように、タイマ部111による計測結果が第2の閾値TH2未満のタイミングにおいては、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗203に接続されている。図11(b)は、比較例におけるタイムチャートである。図11(b)に示すように、タイマ部111による計測結果が第2の閾値TH2以上のタイミングにおいては、外部機器200のCC端子201bがプルダウン抵抗204に接続されている場合がある。
システム制御部110は、CC端子201bの電位の経時的な変化を、電圧監視部113を介して観測し、外部機器200におけるトグリングの周期を把握することも可能である。システム制御部110は、こうして把握した外部機器200におけるトグリングの周期に基づいて、第2の閾値TH2を決定するようにしてもよい。
図12は、本実施形態による電子機器100aの動作を示すフローチャートである。
ステップS801において、システム制御部110は、スイッチ114が開放状態になるようにスイッチ制御部109aを制御する。
ステップS802において、システム制御部110は、トグリングが開始されるようにスイッチ制御部109aを制御する。トグリングは、スイッチ107を周期的に切り替えることによって行われる。
ステップS803において、システム制御部110は、CC端子101bの電位Vsが閾値以上であるか否か、具体的には、第3の閾値TH3以上であるか否かを判定する。CC端子101bの電位が第3の閾値TH3以上であることは、外部機器200のCC端子201bがプルアップ抵抗203に接続されていることを意味する。CC端子101bの電位が第3の閾値TH3未満であることは、外部機器200のCC端子201bがプルアップ抵抗203に接続されていないか、電子機器100aと外部機器200とがケーブル300を介して接続されていないことを意味する。第3の閾値TH3は、外部機器200のCC端子201bがプルアップ抵抗203に接続されていることを判定可能な電位であればよく、適宜設定し得る。CC端子101bの電位Vsが第3の閾値TH3以上である場合には(ステップS803においてYES)、ステップS804に移行する。一方、CC端子101bの電位Vsが第3の閾値TH3未満である場合には(ステップS803においてNO)、ステップS803が繰り返される。
ステップS804において、タイマ部111は、時間の計測を開始する。この後、ステップS805に移行する。
ステップS805において、システム制御部110は、スイッチ114が閉じた状態になるようにスイッチ制御部109aを制御する。これにより、CC端子101bとスイッチ107とが接続された状態になる。この後、ステップS806に移行する。
ステップS806において、システム制御部110は、タイマ部111によって計測された時間Tが第2の閾値TH2以上であるか否かを判定する。タイマ部111によって計測された時間Tが第2の閾値TH2未満である場合には(ステップS806においてNO)、ステップS808に移行する。タイマ部111によって計測された時間Tが第2の閾値TH2未満であるということは、外部機器200のCC端子201bがプルアップ抵抗203に接続されていることを意味する。一方、タイマ部111によって計測された時間Tが第2の閾値TH2以上である場合には(ステップS806においてYES)、ステップS807に移行する。ステップS807において、システム制御部110は、スイッチ114が開放状態になるようにスイッチ制御部109aを制御する。この後、ステップS803に戻る。
ステップS808において、接続検出部112は、電子機器100aと外部機器200とがケーブル300を介して接続されているか否かを判定する。電子機器100aと外部機器200とがケーブル300を介して接続されているか否かは、CC端子101bの電位Vsが式(1)に示す所定の範囲内の電位であるか否かによって判定される。電子機器100aと外部機器200とがケーブル300を介して接続されていないと判定された場合には(ステップS808においてNO)、ステップS806に戻る。一方、電子機器100aと外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定された場合には(ステップS808においてYES)、電子機器100aをUFP機器として外部機器200に接続する(ステップS809)。こうして、図12に示す処理が終了する。
このように、本実施形態によれば、電圧監視部113を用いて外部機器200のCC端子201bの電位を監視し、外部機器200のCC端子201bがプルアップ抵抗203に接続されている際にスイッチ114を閉じる。CC端子101bの電位Vsが式(1)に示す所定の範囲内の電位になった場合には、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗203に接続されており、電子機器100aのCC端子101bはプルダウン抵抗104に接続されている。従って、本実施形態によれば、電子機器100aをUFP機器として外部機器200に速やかに接続することが可能となる。
[第4実施形態]
第4実施形態による電子機器及びその制御方法について図面を用いて説明する。図13は、本実施形態による電子機器を示すブロック図である。図1乃至図12に示す第1乃至第3実施形態による電子機器と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による電子機器100bは、スイッチ114とスイッチ107との間の所定箇所115の電位Vs′を、電圧監視部113を用いて監視するものである。そして、本実施形態による電子機器100bは、当該所定箇所115がスイッチ107を介してプルダウン抵抗104に接続されている際に、スイッチ114を閉じるものである。
電圧監視部113は、スイッチ114とスイッチ107との間の所定箇所115の電位Vs′を監視する。所定箇所115の電位Vs′を監視する方法としては、例えば、所定箇所115の電位Vs′に悪影響を与えない範囲で抵抗分圧を行うことによって電位Vs′を検出する方法が挙げられる。また、所定箇所115の電位Vs′を監視する方法として、ボルテージフォロアを用いて所定箇所115の電位Vs′を検出する方法が挙げられる。しかし、所定箇所115の電位Vs′を監視する方法は、これらに限定されるものではない。
スイッチ制御部109aは、システム制御部110からの指示に基づいてスイッチ107やスイッチ114を制御する。スイッチ114を閉じた状態にすると、CC端子101bとスイッチ107とが接続された状態になる。一方、スイッチ114を開放した状態にすると、CC端子101bとスイッチ107とが接続されていない状態になる。スイッチ114を開放した状態において、電圧監視部113は、所定箇所115がスイッチ107を介してプルアップ抵抗103に接続されているか、それともプルダウン抵抗104に接続されているかを監視し得る。
システム制御部110は、所定箇所115がスイッチ107を介してプルダウン抵抗204に接続されたことが電圧監視部113を介して検出された際には、以下のように動作する。即ち、システム制御部110は、タイマ部111を用いて時間の計測を開始するとともに、スイッチ114が閉じた状態になるようにスイッチ制御部109aを制御する。システム制御部110は、タイマ部111により計測された時間Tが第4の閾値TH4未満である場合には、スイッチ114を閉じた状態に維持する。そして、電子機器100bと外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが接続検出部112によって検出された場合には、電子機器100bをUFP機器として外部機器200に接続する。第4の閾値TH4は、例えば、CC端子101bがプルダウンされる期間であるプルダウン期間に基づいて設定される。第4の閾値TH4は、電子機器100のプルダウン期間よりも短く設定される。タイマ部111により計測された時間Tが、プルダウン期間未満であれば、所定箇所115はプルダウン抵抗204に接続されたままである。所定箇所115がプルダウン抵抗204に接続された状態で、CC端子101bの電位Vsが式(1)に示す所定の範囲内の電位になれば、外部機器200はプルアップ抵抗203に接続されていることとなる。従って、この場合には、電子機器100bをUFP機器として外部機器200に接続し得る。
プルダウン期間は、例えばUSB Type−C規格等を満たすように電子機器100bにおいて設定される。一方、クロック信号のばらつき等によって、タイマ部111による時間の計測結果にはばらつきが生じ得る。クロック信号のばらつきに起因するタイマ部111の計測結果のばらつきと、プルダウン期間とに基づいて、第4の閾値TH4が設定される。なお、第4の閾値TH4は、これに限定されるものではなく、適宜設定し得る。
システム制御部110は、タイマ部111により計測された時間Tが第4の閾値TH4以上である場合には、スイッチ114を開放する。タイマ部111により計測された時間Tが第4の閾値TH4以上になると、電子機器100bのCC端子101bがプルアップ抵抗103に接続される可能性が生じるためである。
なお、ここでは、タイマ部111によって計測された時間Tが第4の閾値TH4以上である場合に、スイッチ114を開放する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。所定箇所115が接続される抵抗がプルダウン抵抗104からプルアップ抵抗105に切り替わるタイミングを、タイマ部111を用いることなく検出するようにし、当該タイミングに応じてスイッチ114を閉じるようにしてもよい。
図14は、電子機器100bの所定箇所115の状態と、スイッチ114の状態とを示すタイムチャートである。図14に示すように、タイマ部111による計測結果が第4の閾値TH4未満のタイミングにおいては、電子機器100bの所定箇所115はプルダウン抵抗104に接続されている。
図15は、本実施形態による電子機器100bの動作を示すフローチャートである。
ステップS1001において、システム制御部110は、スイッチ114が開放状態になるようにスイッチ制御部109aを制御する。
ステップS1002において、システム制御部110は、トグリングが開始されるようにスイッチ制御部109aを制御する。トグリングは、スイッチ107を周期的に切り替えることによって行われる。
ステップS1003において、システム制御部110は、所定箇所115の電位Vs′が閾値未満であるか否か、具体的には、第5の閾値TH5未満であるか否かを判定する。所定箇所115の電位Vs′が第5の閾値TH5未満であることは、所定箇所115がプルダウン抵抗104に接続されていることを意味する。所定箇所115の電位Vs′が第5の閾値TH5以上であることは、所定箇所115がプルダウン抵抗104に接続されていることを意味する。第5の閾値TH5は、所定箇所115がプルダウン抵抗104に接続されていることを判定可能な電位であればよく、適宜設定し得る。所定箇所115の電位Vs′が第5の閾値TH5未満である場合には(ステップS1003においてYES)、ステップS1004に移行する。一方、所定箇所115の電位Vs′が第5の閾値TH5以上である場合には(ステップS1003においてNO)、ステップS1003が繰り返される。
ステップS1004において、タイマ部111は、時間の計測を開始する。この後、ステップS1005に移行する。
ステップS1005において、システム制御部110は、スイッチ114が閉じた状態になるようにスイッチ制御部109aを制御する。これにより、CC端子101bと所定箇所115とが接続された状態になる。この後、ステップS1006に移行する。
ステップS1006において、システム制御部110は、タイマ部111によって計測された時間Tが第4の閾値TH4以上であるか否かを判定する。タイマ部111によって計測された時間Tが第4の閾値TH4未満である場合には(ステップS1006においてNO)、ステップS1008に移行する。タイマ部111によって計測された時間Tが第4の閾値TH4未満であるということは、所定箇所115がプルダウン抵抗104に接続されていることを意味する。一方、タイマ部111によって計測された時間Tが第4の閾値TH4以上である場合には(ステップS1006においてYES)、ステップS1007に移行する。ステップS1007において、システム制御部110は、スイッチ114が開放状態になるようにスイッチ制御部109aを制御する。この後、ステップS1003に戻る。
ステップS1008において、接続検出部112は、電子機器100bと外部機器200とがケーブル300を介して接続されているか否かを判定する。電子機器100bと外部機器200とがケーブル300を介して接続されているか否かは、CC端子101bの電位Vsが式(1)に示す所定の範囲内の電位であるか否かによって判定される。電子機器100bと外部機器200とがケーブル300を介して接続されていないと判定された場合には(ステップS1008においてNO)、ステップS1006に戻る。一方、電子機器100bと外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定された場合には(ステップS1008においてYES)、電子機器100bをUFP機器として外部機器200に接続する(ステップS1009)。こうして、図15に示す処理が終了する。
このように、本実施形態によれば、スイッチ114とスイッチ107との間の所定箇所115の電位Vs′の電位を、電圧監視部113を用いて監視し、所定箇所115がプルダウン抵抗104に接続されている際にスイッチ114を閉じる。CC端子101bの電位Vsが式(1)に示す所定の範囲内の電位になった場合には、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗203に接続されており、電子機器100bのCC端子101bはプルダウン抵抗104に接続されている。従って、本実施形態によれば、電子機器100bをUFP機器として外部機器200に速やかに接続することが可能となる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。