[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係るシフト装置としてのシフトレバー装置50が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、シフトレバー装置50の前方を矢印FRで示し、シフトレバー装置50の右方を矢印RHで示し、シフトレバー装置50の上方を矢印UPで示す。
本実施形態に係るシフトレバー装置50は、フロア式のものにされて、車両(自動車)の車室の床部(車体側)における車幅方向中央部に設置されており、シフトレバー装置50の前方、左方及び上方は、それぞれ車両の前方、左方及び上方に向けられている。
図1に示す如く、シフトレバー装置50には、支持体(収容体)としての樹脂製で略直方体形箱状のプレート12(ハウジング)が設けられている。
プレート12の左側部分には、第1支持部(第1収容部)としての略直方体形箱状の左プレート12A(図2の(A)〜(C)参照)が設けられており、左プレート12A内は、右側に開放されている。左プレート12Aは、車室の床部に締結(結合)されており、これにより、プレート12が車室の床部に設置されている。
左プレート12A内の前側部分には、第1規制部を構成する台形柱状の前端規制部14が形成されており、前端規制部14は、左プレート12Aの左壁と一体にされている。前端規制部14は、左プレート12Aの左壁から右方へ突出されており、前端規制部14の後面は、左右方向に平行にされると共に、下方へ向かうに従い前方へ向かう方向に傾斜されている。
左プレート12A内の後側部分には、第1規制部を構成する台形柱状の後端規制部16が形成されており、後端規制部16は、左プレート12Aの左壁と一体にされている。後端規制部16は、左プレート12Aの左壁から右方へ突出されており、後端規制部16の前面は、左右方向に平行にされると共に、下方へ向かうに従い後方へ向かう方向に傾斜されている。
左プレート12A内の前後方向中間部分には、前端規制部14及び後端規制部16の下側において、平面視L字形板状の下端規制部18が形成されており、下端規制部18は、左プレート12Aの左壁、前端規制部14及び後端規制部16と一体にされている。下端規制部18は、左プレート12Aの左壁から右方へ突出されると共に、前端規制部14及び後端規制部16から下方に突出されており、下端規制部18の上面は、左右方向に平行にされると共に、下記左右中心軸線Wを中心軸線として凹状に湾曲されている。下端規制部18の前側部分の右面は、第2規制部を構成する前規制面18Aにされており、前規制面18Aは、左右方向に垂直な平面にされている。下端規制部18の後側部分の前面は、第1規制部を構成する中規制面18Bにされており、中規制面18Bは、前後方向に垂直な平面にされている。下端規制部18の後側部分の右面は、第2規制部を構成する後規制面18Cにされており、後規制面18Cは、左右方向に垂直な平面にされている。
左プレート12A内の前後方向中間部分には、前端規制部14の後側かつ下端規制部18の上側において、第1規制部及び第2規制部を構成する略直方体状の上規制部22が形成されており、上規制部22は、前端規制部14と一体にされると共に、左プレート12Aの左壁及び下端規制部18から離間されている。上規制部22は、前端規制部14から後側へ突出されており、上規制部22の後面は、前後方向に垂直な平面にされると共に、上規制部22の左面及び右面は、左右方向に垂直な平面にされている。上規制部22の下面は、左右方向に平行にされると共に、下記左右中心軸線Wを中心軸線として凸状に湾曲されている。また、上規制部22の上部は、左プレート12Aの左壁に連結されている。
左プレート12A内の前後方向中間部分には、上規制部22の後側において、第2規制部を構成する略直方体状の後規制部52が形成されており、後規制部52は、左プレート12Aの左壁及び後端規制部16と一体にされると共に、下端規制部18から離間されている。後規制部52は、後端規制部16から前側へ突出されており、後規制部52の前面は、前後方向に垂直な平面にされると共に、後規制部52の右面は、左右方向に垂直な平面にされている。後規制部52の下面は、左右方向に平行にされると共に、下記左右中心軸線Wを中心軸線として凸状に湾曲されている。
左プレート12Aの上端部には、前後方向中央部の右面において、第2規制部を構成する上規制面24が形成されており、上規制面24は、前後方向に平行な平面にされると共に、上方へ向かうに従い左方へ向かう方向に傾斜されている。
プレート12の右側部分には、第2支持部(第2収容部)としての略直方体形箱状の右プレート12Bが設けられており、右プレート12B内は、左側に開放されている。右プレート12Bは、左プレート12Aに締結(結合)されており、右プレート12Bは、左プレート12Aを介して車室の床部に固定されている(車室の床部に締結されていない)。右プレート12Bの右側には、断面略逆U字形板状の収容枠12Cが一体に設けられており、収容枠12C内は、右側に開放されている。
プレート12の上部には、支持部としての球面状の軸受面26が形成されており、軸受面26は、左プレート12Aと右プレート12Bとに分割されて形成されている。軸受面26内は、上側及び下側に開放されており、左プレート12A上端部の上規制面24は、軸受面26内の上側への開放部分の周面を構成している。
プレート12内には、シフト体としての樹脂製で略円柱状のレバー28(図3の(A)及び(B)参照)が挿入されており、レバー28の上下方向(長手方向、軸方向)中間部には、被支持部としての略球状の球軸30が設けられている。球軸30の外周面には、球面30Aが形成されており、球軸30は、球面30Aにおいて、プレート12の軸受面26に嵌合されている。レバー28は、球面30Aにおいて、軸受面26に前後方向(シフト方向、第1方向)及び左右方向(セレクト方向、第2方向)に回動可能に支持されており、レバー28は、球軸30を中心として、前後方向及び左右方向に回動可能にされている。また、球軸30(球面30A)の中心Oを通過しかつ左右方向に平行な直線が左右中心軸線Wにされている。
レバー28の上端部は、プレート12の上側に延出されており、レバー28は、上端部において図示しないノブを把持して、車両の乗員(例えば運転手)が回動操作可能にされている。レバー28は、シフト位置(所定シフト位置)としての「H」位置(ホーム位置)に配置されており、レバー28は、「H」位置から後側に回動操作されて、シフト位置としての「M」位置(マニュアル位置)(「B」位置(ブレーキ位置)でもよい)に配置されると共に、「H」位置から左側(右側でもよい)に回動操作されて、シフト位置としての「N」位置(ニュートラル位置)に配置される。さらに、レバー28は、「N」位置から前側に回動操作されて、シフト位置としての「R」位置(リバース位置)に配置されると共に、「N」位置から後側に回動操作されて、シフト位置としての「D」位置(ドライブ位置)に配置される。
レバー28の上部には、球軸30の直上において、上周面28Aが形成されており、上周面28Aは、レバー28と同軸上に湾曲されている。レバー28の下側部分には、球軸30より下側において、下周面28Bが形成されており、下周面28Bは、レバー28と同軸上に湾曲されている。
レバー28の下部には、突出部としてのL字形棒状のフック32が形成されており、フック32は、レバー28と一体にされている。フック32の基端側部分は、レバー28から左方に突出されており、フック32の先端側部分は、フック32の基端側部分から上方に突出されている。フック32の摺動面としての下面32Aは、凸状に湾曲されており、下面32Aの右側部分は、左右方向に平行にされると共に、下面32Aの左側部分は、左方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されている。フック32の前面32E(下面32Aを除く)は、前後方向に垂直な平面にされており、フック32の先端側部分の摺動面としての右面32Cは、上下方向に平行にされると共に、凸状に湾曲されている。フック32の先端側部分の上面は、先端面32Bにされており、先端面32Bは、前後方向に平行な平面にされると共に、右方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されている。
レバー28の下部には、円柱状の挿入孔36が同軸上に形成されており、挿入孔36(図3(A)参照)は、レバー28の下方に開放されている。挿入孔36には、節度手段を構成する付勢部材としての略円柱状の節度ピン38が同軸上に嵌入されており、節度ピン38は、下方に突出されると共に、下面が凸状に湾曲されている。挿入孔36の上面(底面)と節度ピン38の上面との間には、節度手段を構成する付勢手段としての圧縮コイルスプリング(図示省略)が挿入されており、圧縮コイルスプリングは、節度ピン38の上側に配置されて、節度ピン38を下側に付勢している。
レバー28の下側には、節度手段を構成する当接部材としての略直方体状のディテントスロープ40(図2(A)参照)が配置されており、ディテントスロープ40は、左プレート12Aの下壁に固定されている。ディテントスロープ40の上面は、傾斜面としての節度面40Aにされると共に、節度面40Aの左側部の前後方向中央は、底部(下端部)にされており、節度面40Aは、底部へ向かうに従い下側へ向かう方向に傾斜されている。節度ピン38の下面は、圧縮コイルスプリングの付勢力により節度面40Aの底部に当接されており、これにより、上述の如くレバー28が「H」位置に配置されている。レバー28が「H」位置から回動操作される際には、節度ピン38の下面が圧縮コイルスプリングの付勢力に抗して節度面40Aを上昇される。レバー28が「H」位置以外の回動位置に配置された状態から回動操作力を作用されなくなった際には、節度ピン38の下面が圧縮コイルスプリングの付勢力により節度面40Aを底部まで下降されて、レバー28が「H」位置に復帰される。
右プレート12Bの収容枠12C内には、検出機構としてのセンサ機構42が収容されており、センサ機構42は、レバー28の前後方向及び左右方向への回動位置を検出して、レバー28のシフト位置を検出する。
右プレート12Bの収容枠12Cの右側には、被覆部材としての略直方体形箱状のカバー44が組付けられており、カバー44は、内部が左側に開放されて、収容枠12C内を右側から被覆している。
次に、本実施形態の作用を説明する。
以上の構成のシフトレバー装置50では、プレート12がレバー28を回動可能に支持しており、センサ機構42がレバー28のシフト位置を検出する。また、レバー28のフック32が左側に突出されている。
ここで、レバー28が「H」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの下端規制部18の中規制面18Bによって後側への回動を規制されて、レバー28の前側への回動操作が規制される。さらに、レバー28の下周面28Bが下端規制部18の前規制面18Aによって左側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。
レバー28が「H」位置と「M」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー28の下周面28Bが下端規制部18の前規制面18Aに対し前後方向に摺動されると共に、レバー28のフック32右面32Cが左プレート12Aの上規制部22左面に対し前後方向に摺動される(図4の実線参照)。
レバー28が「M」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの前端規制部14後面によって前側への回動を規制されて、レバー28の後側への回動操作が規制される。さらに、レバー28の下周面28Bが下端規制部18の前規制面18Aによって左側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。しかも、フック32の右面32Cが左プレート12Aの上規制部22左面によって右側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。
レバー28が「H」位置と「N」位置との間を左右方向に回動される際には、フック32の前面32Eが上規制部22の後面に対し左右方向に摺動されると共に、レバー28の下周面28Bが下端規制部18の中規制面18Bに対し左右方向に摺動される(図4の2点破線参照)。
レバー28が「N」位置に配置される際には、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24によって左側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。
レバー28が「N」位置と「R」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24に対し前後方向に摺動されると共に、レバー28のフック32先端面32Bが左プレート12Aの後規制部52下面に対し前後方向に摺動される。
レバー28が「R」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの後端規制部16前面によって後側への回動を規制されて、レバー28の前側への回動操作が規制される。さらに、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24によって左側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。しかも、フック32の先端面32Bが後規制部52の下面によって上側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。
レバー28が「N」位置と「D」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24に対し前後方向に摺動されると共に、レバー28のフック32先端面32Bが左プレート12Aの上規制部22下面に対し前後方向に摺動される。
レバー28が「D」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの前端規制部14後面によって前側への回動を規制されて、レバー28の後側への回動操作が規制される。さらに、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24によって左側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。しかも、フック32の先端面32Bが上規制部22の下面によって上側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。
このように、レバー28が「H」位置から「M」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの下端規制部18の前規制面18Aによって左側への回動を規制されて、レバー28の右外側への回動操作が規制される。さらに、レバー28が「R」位置から「D」位置に配置される際には、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24によって左側への回動を規制されて、レバー28の左外側への回動操作が規制される。このため、プレート12が左プレート12Aにおいてレバー28の左右方向両外側への回動操作を規制する。これにより、プレート12の右プレート12Bにレバー28の左右方向外側への回動操作の規制荷重が作用されることを抑制でき、右プレート12Bの強度を低くできる。
しかも、上述の如く、プレート12が左プレート12Aにおいてレバー28の回動操作の規制の全てを行う。このため、プレート12の右プレート12Bにレバー28の回動操作の規制荷重が作用されることを効果的に抑制でき、右プレート12Bの強度を効果的に低くできる。また、左プレート12Aとは別にレバー28の回動操作を規制する部品を設ける必要をなくすことができ、シフトレバー装置50を小型化できる。
さらに、左プレート12Aが車室の床部に締結されると共に、右プレート12Bが左プレート12Aに締結されることで、右プレート12Bが左プレート12Aを介して車室の床部に固定されている。このため、上述の如く右プレート12Bにレバー28の左右方向外側への回動の規制荷重が作用されることが抑制されることで、右プレート12Bが左プレート12Aに対する左右方向への離間力を作用されることを抑制でき、プレート12の強度を効率的に向上できて、右プレート12Bの左プレート12Aへの締結力を小さくできる。
また、レバー28が「N」位置より「R」位置側に配置される際には、レバー28のフック32先端面32Bが左プレート12Aの後規制部52下面によって上側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。このため、後規制部52の左右方向寸法を小さくしても、レバー28の回動操作を規制するための後規制部52の強度を容易に確保でき、シフトレバー装置50の左右方向寸法を小さくできる。
さらに、レバー28が「N」位置より「D」位置側に配置される際には、フック32の先端面32Bが左プレート12Aの上規制部22下面によって上側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。このため、上規制部22の左右方向寸法を小さくしても、レバー28の回動操作を規制するための上規制部22の強度を容易に確保でき、上規制部22の左右方向寸法の自由度を大きくできる。
しかも、レバー28のフック32右面32Cが凸状に湾曲されている。このため、フック32の右面32Cが左プレート12Aの上規制部22左面に対し前後方向に摺動される際に、フック32の右面32Cが上規制部22の左面に対し線接触されることで、フック32の回動抵抗を低減でき、レバー28に軸周りの回転力が作用することを抑制できる。
また、節度ピン38が圧縮コイルスプリング及びディテントスロープ40(節度面40A)によってレバー28を「H」位置側に付勢しており、節度ピン38のレバー28からの下側への突出部分がフック32のレバー28軸方向側方に配置される(例えば節度ピン38がフック32のレバー28径方向側方に配置される)。このため、レバー28のシフト位置に対するフック32の配置精度を高くでき、左プレート12Aによるレバー28の回動操作の規制位置を正確にできる。これにより、レバー28のシフト位置に対するレバー28への節度ピン38による付勢力の精度を高くできると共に、センサ機構42によるレバー28のシフト位置の検出精度を高くできる。
さらに、センサ機構42がプレート12の右プレート12Bに設けられている。このため、上述の如く右プレート12Bにレバー28の左右方向外側への回動の規制荷重が作用されることが抑制されることで、センサ機構42によるレバー28のシフト位置の検出精度を高くできる。
(第1変形例)
図5(A)には、本発明の第1実施形態の第1変形例に係るシフト装置としてのシフトレバー装置60の主要部が後方から見た後面図にて示されている。
図5(A)に示す如く、本変形例に係るシフトレバー装置60では、プレート12の左プレート12Aにおいて、上規制部22の下面及び後規制部52の下面が、左方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されると共に、左右中心軸線Wを中心軸線として凸状に湾曲されている。
レバー28におけるフック32の先端面32Bは、左方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されている。
ここで、本変形例でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
さらに、上規制部22の下面及び後規制部52の下面が左方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されている。このため、上規制部22の下面及び後規制部52の下面がフック32の先端面32Bの左側への回動を効果的に規制でき、レバー28の右側への回動操作を効果的に規制できる。
(第2変形例)
図5(B)には、本発明の第1実施形態の第2変形例に係るシフト装置としてのシフトレバー装置70の主要部が後方から見た後面図にて示されている。
図5(B)に示す如く、本変形例に係るシフトレバー装置70では、プレート12の左プレート12Aにおいて、上規制部22及び後規制部52の下面の右側部分が、左右方向に平行されると共に、左右中心軸線Wを中心軸線として凸状に湾曲されている。さらに、上規制部22及び後規制部52の下面の左側部分が、左方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されると共に、左右中心軸線Wを中心軸線として凸状に湾曲されている。
レバー28におけるフック32の先端面32Bは、右側部分において、右方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されており、フック32の先端面32Bは、左側部分において、左方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されている。
ここで、本変形例でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
さらに、上規制部22の下面及び後規制部52の下面が、左側部分において、左方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されている。このため、上規制部22の下面及び後規制部52の下面が左側部分においてフック32の先端面32Bの左側への回動を効果的に規制でき、レバー28の右側への回動操作を効果的に規制できる。
(第3変形例)
図6には、本発明の第1実施形態の第3変形例に係るシフト装置としてのシフトレバー装置80の主要部が後方から見た後面図にて示されている。
本変形例に係るシフトレバー装置80は、上記第1変形例とほぼ同様であるが、以下の点で異なる。
図6に示す如く、本変形例に係るシフトレバー装置80では、プレート12の左プレート12Aの下端規制部18の上面に、第2規制部としての断面台形状の凹部82が形成されており、凹部82の右面は、右方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されると共に、左右中心軸線Wを中心軸線として凹状に湾曲されている。
レバー28におけるフック32の左部の下面32Aは、左方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されており、フック32の下面32Aは、凸状に湾曲されている。
ところで、レバー28が「N」位置に配置される際には、レバー28のフック32下面32Aが左プレート12Aの凹部82右面によって右側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。
レバー28が「N」位置と「R」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー28のフック32下面32Aが凹部82の右面に対し前後方向に摺動されると共に、フック32の先端面32Bが後規制部52の下面に対し前後方向に摺動される。
レバー28が「R」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの後端規制部16前面によって後側への回動を規制されて、レバー28の前側への回動操作が規制される。さらに、レバー28のフック32下面32Aが左プレート12Aの凹部82右面によって右側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。しかも、フック32の先端面32Bが後規制部52の下面によって上側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。
レバー28が「N」位置と「D」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー28のフック32下面32Aが凹部82の右面に対し前後方向に摺動されると共に、フック32の先端面32Bが左プレート12Aの上規制部22下面に対し前後方向に摺動される。
レバー28が「D」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの前端規制部14後面によって前側への回動を規制されて、レバー28の後側への回動操作が規制される。さらに、レバー28のフック32下面32Aが左プレート12Aの凹部82右面によって右側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。しかも、フック32の先端面32Bが上規制部22の下面によって上側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。
ここで、本変形例でも、上記第1変形例と同様の作用及び効果を奏することができる。
特に、レバー28が「H」位置から「M」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの下端規制部18の前規制面18Aによって左側への回動を規制されて、レバー28の右外側への回動操作が規制される。さらに、レバー28が「R」位置から「D」位置に配置される際には、レバー28のフック32下面32Aが左プレート12Aの凹部82右面によって右側への回動を規制されて、レバー28の左外側への回動操作が規制される。このため、プレート12が左プレート12Aにおいてレバー28の左右方向両外側への回動操作を規制する。これにより、プレート12の右プレート12Bにレバー28の左右方向外側への回動操作の規制荷重が作用されることを抑制でき、右プレート12Bの強度を低くできる。
さらに、左プレート12Aの凹部82右面が右方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されている。このため、凹部82の右面がフック32の下面32Aの右側への回動を効果的に規制でき、レバー28の右側への回動操作を効果的に規制できる。
また、レバー28のフック32下面32Aが凸状に湾曲されている。このため、フック32の下面32Aが左プレート12Aの凹部82右面に対し前後方向に摺動される際に、フック32の下面32Aが凹部82の右面に対し線接触されることで、フック32の回動抵抗を低減でき、レバー28に軸周りの回転力が作用することを抑制できる。
[第2実施形態]
図10には、本発明の第2実施形態に係るシフト装置としてのシフトレバー装置90の主要部が後方から見た後面図にて示されている。
本実施形態に係るシフトレバー装置90は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施形態に係るシフトレバー装置90では、プレート12の左プレート12A(図7の(A)〜(C)参照)において、後規制部52が左プレート12Aの左壁、後端規制部16及び下端規制部18と一体にされている。
レバー28(図8の(A)及び(B)参照)におけるフック32の左面32Dは、右方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されると共に、凸状に湾曲されている。
ところで、図9(B)に示す如く、レバー28が「H」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの下端規制部18の中規制面18Bによって後側への回動を規制されて、レバー28の前側への回動操作が規制される。さらに、レバー28の下周面28Bが下端規制部18の前規制面18Aによって左側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。
レバー28が「H」位置と「M」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー28の下周面28Bが下端規制部18の前規制面18Aに対し前後方向に摺動されると共に、レバー28のフック32右面32Cが左プレート12Aの上規制部22左面に対し前後方向に摺動される(図10の実線参照)。
図9(A)に示す如く、レバー28が「M」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの前端規制部14後面によって前側への回動を規制されて、レバー28の後側への回動操作が規制される。さらに、レバー28の下周面28Bが下端規制部18の前規制面18Aによって左側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。しかも、フック32の右面32Cが上規制部22の左面によって右側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。
レバー28が「H」位置と「N」位置との間を左右方向に回動される際には、フック32の前面32Eが上規制部22の後面に対し左右方向に摺動されると共に、レバー28の下周面28Bが下端規制部18の中規制面18Bに対し左右方向に摺動される(図10の2点破線参照)。
図9(D)に示す如く、レバー28が「N」位置に配置される際には、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24によって左側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。
レバー28が「N」位置と「R」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24に対し前後方向に摺動されると共に、レバー28のフック32左面32Dが後規制部52の右面に対し前後方向に摺動される。
図9(E)に示す如く、レバー28が「R」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの後端規制部16前面によって後側への回動を規制されて、レバー28の前側への回動操作が規制される。さらに、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24によって左側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。しかも、フック32の左面32Dが後規制部52の右面によって左側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。
レバー28が「N」位置と「D」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24に対し前後方向に摺動されると共に、レバー28のフック32左面32Dが左プレート12Aの上規制部22右面に対し前後方向に摺動される。
図9(C)に示す如く、レバー28が「D」位置に配置される際には、レバー28の下周面28Bが左プレート12Aの前端規制部14後面によって前側への回動を規制されて、レバー28の後側への回動操作が規制される。さらに、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24によって左側への回動を規制されて、レバー28の左側への回動操作が規制される。しかも、フック32の左面32Dが上規制部22の右面によって左側への回動を規制されて、レバー28の右側への回動操作が規制される。
ここで、本実施形態でも、レバー28のフック32先端面32Bが左プレート12Aの上規制部22下面及び後規制部52下面によって上側への回動を規制されることによる作用及び効果を除き、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
特に、レバー28のフック32の左面32Dが凸状に湾曲されている。このため、フック32の左面32Dが左プレート12Aの上規制部22右面及び後規制部52右面に対し前後方向に摺動される際に、フック32の左面32Dが上規制部22の右面及び後規制部52の右面に対し線接触されることで、フック32の回動抵抗を低減でき、レバー28に軸周りの回転力が作用することを抑制できる。
なお、上記第1実施形態(第1変形例及び第2変形例を含む)及び第2実施形態では、レバー28の上周面28Aが左プレート12Aの上規制面24によって左側への回動を規制されて、レバー28の左外側への回動操作が規制される。しかしながら、レバー28のフック32の下面32Aが左プレート12Aの第2規制部を構成する下端規制部18上面によって下側への回動を規制されて、レバー28の左外側への回動操作が規制されてもよい。
また、上記第1実施形態(第1変形例及び第2変形例を含む)及び第2実施形態では、レバー28の上周面28Aが、左プレート12Aの上規制面24によって左側への回動を規制されると共に、上規制面24に対し前後方向に摺動される。しかしながら、レバー28の上周面28Aに突出部を設けると共に、当該突出部を左側に突出させることで、当該突出部が、左プレート12Aの上規制面24によって左側への回動を規制されると共に、上規制面24に対し前後方向に摺動されてもよい。
さらに、上記第1実施形態(第1変形例〜第3変形例を含む)及び第2実施形態では、レバー28の下周面28Bが、左プレート12Aの下端規制部18の前規制面18Aによって左側への回動を規制されると共に、前規制面18Aに対し前後方向に摺動される。しかしながら、レバー28の下周面28Bに突出部を設けると共に、当該突出部を左側に突出させることで、当該突出部が、左プレート12Aの下端規制部18の前規制面18Aによって左側への回動を規制されると共に、前規制面18Aに対し前後方向に摺動されてもよい。
また、上記第1実施形態では、レバー28のフック32右面32Cが左プレート12Aの上規制部22左面に対し線接触される。しかしながら、レバー28のフック32右面32Cが左プレート12Aの上規制部22左面に対し面接触されてもよい。
さらに、上記第1実施形態の第3変形例では、レバー28のフック32下面32Aが左プレート12Aの凹部82右面に対し線接触される。しかしながら、レバー28のフック32下面32Aが左プレート12Aの凹部82右面に対し面接触されてもよい。
しかも、上記第2実施形態では、レバー28のフック32左面32Dが左プレート12Aの上規制部22右面及び後規制部52右面に対し線接触される。しかしながら、レバー28のフック32左面32Dが左プレート12Aの上規制部22右面及び後規制部52右面に対し面接触されてもよい。
また、上記第1実施形態(第1変形例〜第3変形例を含む)及び第2実施形態では、プレート12の左プレート12Aと右プレート12Bとを別体にした。しかしながら、プレート12の左プレート12Aと右プレート12Bとを一体にしてもよい。
さらに、上記第1実施形態(第1変形例〜第3変形例を含む)及び第2実施形態では、シフトレバー装置50、60、70、80、90をフロア式のものにして車室の床部に設置した。しかしながら、シフトレバー装置50、60、70、80、90を車室のインストルメントパネルやステアリングコラムに設置してもよい。