JP2018037794A - 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 プレビュー画像を描画するシステムで描画できないオブジェクトをプレビュー画像として表示する際に、ユーザの操作性が低下することを抑制する。
【解決手段】 文書編集システム200は、WPF側で描画することができないオブジェクトがある場合、文書編集モジュール220に、そのオブジェクトの画像の作成を依頼する。文書編集システム200は、そのオブジェクトの画像が作成されるまでの間、そのオブジェクトの画像のうち、WPF側で描画できる部分を表示し、その他の部分を表示しない。
【選択図】 図2
【解決手段】 文書編集システム200は、WPF側で描画することができないオブジェクトがある場合、文書編集モジュール220に、そのオブジェクトの画像の作成を依頼する。文書編集システム200は、そのオブジェクトの画像が作成されるまでの間、そのオブジェクトの画像のうち、WPF側で描画できる部分を表示し、その他の部分を表示しない。
【選択図】 図2
Description
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、文書データのプレビュー画像を表示するために用いて好適なものである。
文書編集システムにおいて扱う文書データは、ビットマップデータなどの画像データ、文字列データなどのテキストデータ、および四角形などのグラフィックデータなど様々なデータを描画オブジェクトとして含むことが可能である。文書編集システムは、文書データを構成するページに対して付加する注釈情報として、特定の文字列や、四角形、楕円といった図形などを作成することができる。
一方で、文書データにおいては、テキストデータは横書き・縦書きの両方に対応しているのに対して、文書編集システムは、縦書きのテキストデータに対応していないといったケースが存在する。こういったケースは文書編集システムの利用するUIライブラリの制限によって生じる。例えば、文書データのフォーマットとしてPortable Document Format(以下、PDFと称する)を利用する場合、PDFにおいては、テキストデータは横書き・縦書きの両方に対応している。一方で、文書編集システムが利用するUIライブラリがWindows(登録商標) Presentaion Foundation(以下、WPFと称する)である場合、WPFは横書きのテキストデータにしか対応していない。つまり、WPFを利用する文書編集システムは、WPF単体では縦書きの注釈情報をPDFファイルにどのように付加して描画するのかを判断することができない。そこで、特許文献1には、サーバが、縦書きデータの代替データとしてXMLデータや画像データなどを外部のプログラムに生成させて、縦書きレイアウトに対応していないクライアントに送信し、クライアントでそれを描画する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、代替データの作成を依頼した後、実際に代替データが生成されるまで文書編集システム上では待ち時間が発生することとなり、ユーザの操作性が低下する虞がある。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、プレビュー画像を描画するシステムで描画できないオブジェクトをプレビュー画像として表示する際に、ユーザの操作性が低下することを抑制することを目的とする。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、プレビュー画像を描画するシステムで描画できないオブジェクトをプレビュー画像として表示する際に、ユーザの操作性が低下することを抑制することを目的とする。
本発明の情報処理装置は、文書データと当該文書データと共に表示されるオブジェクトとを含む画像をプレビューするためのプレビュー画像を描画する描画手段と、前記プレビュー画像の表示を制御する表示制御手段と、を有し、前記描画手段は、前記描画手段により描画できない部分が前記オブジェクトにある場合、前記オブジェクトのうち、前記描画手段により描画できる部分の少なくとも一部を描画し、前記オブジェクトのその他の部分を描画しないことを特徴とする。
本発明によれば、プレビュー画像を描画するシステムで描画できないオブジェクトをプレビュー画像として表示する際に、当該オブジェクトの再現性およびユーザの操作性が低下することを抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、情報処理装置の構成の一例を示す図である。情報処理装置は、例えば、PC(Personal Computer)を用いることにより実現される。この情報処理装置は、後述する文書編集システム、文書編集モジュール、および文書管理システムの機能を実現するためのハードウェアの一例である。図1に示されるハードウェアの構成は、一般的な情報処理装置のハードウェアの構成に相当し、本実施形態の情報処理装置には、一般的な情報処理装置のハードウェアの構成を適用できる。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、情報処理装置の構成の一例を示す図である。情報処理装置は、例えば、PC(Personal Computer)を用いることにより実現される。この情報処理装置は、後述する文書編集システム、文書編集モジュール、および文書管理システムの機能を実現するためのハードウェアの一例である。図1に示されるハードウェアの構成は、一般的な情報処理装置のハードウェアの構成に相当し、本実施形態の情報処理装置には、一般的な情報処理装置のハードウェアの構成を適用できる。
図1において、CPU100は、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーション等のプログラムを実行する。このプログラムは、ROM102のプログラム用ROMに記憶されている。また、このプログラムは、ハードディスク109からRAM101にロードされるようにしてもよい。後述する各フローチャートの処理は、CPU100がプログラムを実行することにより実現される。RAM101は、CPU100の主メモリおよびワークエリアなどとして機能する。キーボードコントローラ103は、キーボード108やマウスなど、図示しないポインティングデバイスからの入力を制御する。ディスプレイコントローラ104は、各種ディスプレイ107の表示を制御する。ディスクコントローラ105は、各種データを記憶するハードディスク(HD)109やフレキシブルディスク(FD)等におけるデータアクセスを制御する。NC106は、ネットワークに接続され、当該ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
図2は、情報処理装置のソフトウェアの構成の一例を示す図である。本実施形態では、文書編集システム200、文書管理システム210、および文書編集モジュール220の全ての機能は、情報処理装置110で実行されるプログラムによって実現されるものとする。
文書編集システム200は、GUI(Graphical User Interface)部201、入力制御部202、文書編集部203、保存/更新部204、およびデータ解析部205を有する。GUI部201は、情報処理装置110のディスプレイ107に表示されるGUIの表示を制御する。GUI部201は、GUIに対する入力として、キーボード108やマウスなどの入力デバイスからの入力を受け付ける。入力制御部202は、ユーザによる入力デバイスの操作を、GUI部201を通じて検知し、その操作の内容に応じて、文書データの編集・ファイルの保存などを指示する。文書編集部203は、入力制御部202からの文書データの編集指示に従い、文書編集システム200で編集中の文書データに対して各種の編集処理などを行う。保存/更新部204は、入力制御部202からの保存指示に従い、文書データの保存・更新を指示する処理などを行う。データ解析部205は、文書編集部203の制御に応じて、文書データを解析し、描画オブジェクトを生成する処理などを行う。
文書編集システム200は、GUI(Graphical User Interface)部201、入力制御部202、文書編集部203、保存/更新部204、およびデータ解析部205を有する。GUI部201は、情報処理装置110のディスプレイ107に表示されるGUIの表示を制御する。GUI部201は、GUIに対する入力として、キーボード108やマウスなどの入力デバイスからの入力を受け付ける。入力制御部202は、ユーザによる入力デバイスの操作を、GUI部201を通じて検知し、その操作の内容に応じて、文書データの編集・ファイルの保存などを指示する。文書編集部203は、入力制御部202からの文書データの編集指示に従い、文書編集システム200で編集中の文書データに対して各種の編集処理などを行う。保存/更新部204は、入力制御部202からの保存指示に従い、文書データの保存・更新を指示する処理などを行う。データ解析部205は、文書編集部203の制御に応じて、文書データを解析し、描画オブジェクトを生成する処理などを行う。
文書編集モジュール220は、文書編集部203、保存/更新部204、およびデータ解析部205によって指示された操作を、文書データに対して実行できるよう解析・処理するモジュールである。
ここで、文書編集システム200は、文書データを読み込み、それを編集するための機能をユーザに提供する。本実施形態では、文書データのフォーマットがPDFである場合を例に挙げて説明する。ただし、文書データのフォーマットは、画像データおよびテキストデータを保持できるものであればよい。文書データのフォーマットは、文書編集システム200独自のフォーマットであってもよいし、一般的なアプリケーションのデータファイルを文書編集システム200独自のフォーマットに変換したものでもよい。以下の説明では、この文書データを編集するための文書編集モジュール220を必要に応じてPDF編集モジュール220と称する。更に本実施形態では、文書編集システム200が、縦書きのオブジェクトを扱えないWPFを、図示しないUIライブラリとして利用する場合を例に挙げて説明する。ただし、文書編集システム200は、その他のUIライブラリを用いて実装されていてもよい。
ここで、文書編集システム200は、文書データを読み込み、それを編集するための機能をユーザに提供する。本実施形態では、文書データのフォーマットがPDFである場合を例に挙げて説明する。ただし、文書データのフォーマットは、画像データおよびテキストデータを保持できるものであればよい。文書データのフォーマットは、文書編集システム200独自のフォーマットであってもよいし、一般的なアプリケーションのデータファイルを文書編集システム200独自のフォーマットに変換したものでもよい。以下の説明では、この文書データを編集するための文書編集モジュール220を必要に応じてPDF編集モジュール220と称する。更に本実施形態では、文書編集システム200が、縦書きのオブジェクトを扱えないWPFを、図示しないUIライブラリとして利用する場合を例に挙げて説明する。ただし、文書編集システム200は、その他のUIライブラリを用いて実装されていてもよい。
文書管理システム210は、GUI部211、入力制御部212、文書管理部213、および文書検索部214を有する。GUI部211は、情報処理装置110のディスプレイ107に表示されるGUIの表示を制御する。GUI部211は、GUIに対する入力として、キーボード108やマウスなどの入力デバイスからの入力を受け付ける。入力制御部212は、ユーザによる入力デバイスの操作を、GUI部211を通して検知し、その操作の内容に応じて、文書データの一覧表示、検索、複製、および削除などを指示する。文書管理部213は、入力制御部212からの指示に従い、文書管理システム210で管理対象の文書データに対して各種処理を制御する。文書検索部214は、入力制御部212からの検索指示に従い、文書データの検索を指示する。
図3は、プレビュー画面の一例を示す図である。プレビュー画面は、文書編集システム200のGUI部201により表示される。プレビュー画面は、メインウインドウ301、メニュー/ツールバー302、およびページプレビュー303を有する。メニュー/ツールバー302には、文書編集システム200がもつ各種機能の実行を指示するためのコントロールが配置される。例えば、メニュー/ツールバー302には、コントロール311、312などが含まれる。コントロール311は、文書データに対して注釈を付与するためのコントロールである。コントロール312は、文書全体を異なる形式に変換して保存するためのコントロールである。ページプレビュー303には、文書データの各ページの描画内容がプレビュー画像として表示される。文書データの各ページの描画内容は、後述する原稿データおよび注釈データにより決定される。
図4は、文書検索画面の一例を示す図である。文書検索画面は、文書管理システムのGUI部211により表示される。文書検索画面は、メインウインドウ401、メニュー/ツールバー402、フォルダー表示ペイン403、文書表示ペイン404、および検索ペイン405を有する。メニュー/ツールバー402には、文書管理システム210がもつ各種機能の実行を持するためのコントロールが配置される。フォルダー表示ペイン403には、文書管理部213によって管理されているフォルダー411が表示される。検索ペイン405では、文書管理部213によって管理されているフォルダー411に存在する文書データから特定の条件を満たす文書データを検索する機能を提供する。検索条件入力欄413には、検索を行うための条件が入力される。例えば、文書データ名や文書データに含まれる注釈文字列などを、検索を行うための条件として検索条件入力欄413に入力することが可能である。検索ボタン414は、検索の実行を受け付けるためのボタンである。検索ボタン414が押下されると、文書検索部214は、その時点で検索条件入力欄413に入力されている条件に従って、文書データを検索する。文書表示ペイン404には、フォルダー表示ペイン403で選択されたフォルダーに存在する文書データ412、または、検索ペイン405に対する操作に従って検索された文書データ412の一覧が表示される。
文書編集システム200および文書管理システム210の詳細の一例を言及する前に、文書データのデータ構造の一例について説明する。文書データは、紙媒体の書物を模擬した構造を有する。まず、上位層は「文書」でありる。「文書」には、その文書全般に係る属性(文書属性)が定義される。下位層は「ページ」であり、文書編集システム200で定義された各ページに相当する。尚、各「ページ」にも、ページ毎の属性(ページ属性)を定義することができる。更に、一つの「文書」は複数の「ページ」を含むことができる。「文書」、「ページ」は文書データの構成を示すために用いた用語であり、同等の構成を成していれば他の用語であってもかまわない。
図5は、文書データの形式の一例を模式的に示す図である。図5に示す例では、文書データ500における文書501およびページ502A〜502Dは、それぞれに相当するノードにより示される。一つの文書データ500は一つの文書501を含む。文書501は、その属性値と下位層へのリンクとをその実体として含む。ページ502A〜502Dは、ページ毎のデータを実体として有する。そのため、ページ502A〜502Dは、その属性値の他に、原稿ページの実体(原稿オブジェクトデータおよび注釈オブジェクトデータ)を含む。
図5において、文書501には、当該文書501の属性値が定義されている。また、文書501には、4つのページ502A、502B、502C、502Dがリンクされ、これらページ502A〜502Dが文書501に含まれることが設定される。各ページ502A〜502Dには、それぞれ属性値が定義される。また、各ページ502A〜502Dには、その実体である原稿オブジェクトデータおよび注釈オブジェクトデータが含まれる。また、文書管理システム210が文書データ500を検索するために用いるデータとして文書検索用情報510が、文書データ500と対の状態で存在する。
図6は、原稿オブジェクトリストの一例を示す図である。原稿オブジェクトリスト600は、文書データ500を構成するページ502A〜502D内の原稿データに存在する原稿オブジェクト情報を管理するためのものである。原稿オブジェクト情報610A、610Bには、原稿オブジェクトID601A、601B、原稿オブジェクト種類602A、602B、左上座標603A、603B、および右下座標604A、604Bが含まれる。また、原稿オブジェクト情報610A、610Bには、重なり順序605A、605B、ページ番号606A、606B、および原稿オブジェクト固有情報607A、607Bが更に含まれる。
原稿オブジェクトID601A、601Bは、原稿オブジェクト情報610A、610Bにおける原稿オブジェクトの識別情報である。原稿オブジェクト種類602A、602Bは、原稿オブジェクト情報610A、610Bにおける原稿オブジェクトの種類を示す。左上座標603A、603B、右下座標604A、604Bは、それぞれ、原稿オブジェクト情報610A、610Bにおける原稿オブジェクトの左上、右下の位置を示す。重なり順序605A、605Bは、原稿オブジェクト情報610A、610Bにおける原稿オブジェクトが他の原稿オブジェクトと重なっていた場合にどちらが上または下に描画されるのかの順序を示す。ページ番号606A、606Bは、原稿オブジェクト情報610A、610Bにおける原稿オブジェクトが存在するページの番号である。原稿オブジェクト種類602Aが長方形である場合、原稿オブジェクト固有情報607Aは、例えば、線の種類611、線の色情報612、および塗りつぶし色情報613を有する。線の色情報612は、線の色と透明度の情報を有する。塗りつぶし色情報613は、塗りつぶしの色と透明度の情報を有する。原稿オブジェクト種類602Bがテキスト(文字列)である場合、原稿オブジェクト固有情報607Bは、例えば、文字列621、フォント名622、および文字色情報623を有する。文字色情報623は、文字列の色と透明度の情報を有する。尚、原稿オブジェクト種類は、長方形やテキストに限定されない。このような原稿オブジェクト情報610A、610Bがリスト構造になって、原稿オブジェクトリスト600に格納される。原稿オブジェクトリスト600は、原稿データ全体で1つのリストを保持する形式でも構わないし、ページごとに1つのリストを保持する形式でも構わない。
図7は、注釈オブジェクトリストの一例を示す図である。注釈オブジェクトリスト700は、文書データ500を構成するページ502A〜502D内の注釈オブジェクトデータに存在する注釈オブジェクト情報を管理するためのものである。注釈オブジェクト情報710A、710bには、注釈ID701A、701B、注釈種類702A、702B、左上座標703A、703B、および右下座標704A、704Bが含まれる。また、注釈オブジェクト情報710A、710bには、重なり順序705A、705B、ページ番号706A、706B、および注釈オブジェクト固有情報707A、707Bが更に含まれる。
注釈ID701A、701Bは、注釈オブジェクト情報710A、710Bにおける注釈オブジェクトの識別情報である。注釈種類702A、702Bは、注釈オブジェクト情報710A、710Bにおける注釈オブジェクトの種類を示す。左上座標703A、703B、右下座標704A、704Bは、それぞれ、注釈オブジェクト情報710A、710Bにおける注釈オブジェクトの左上、右下の位置を示す。重なり順序705A、705Bは、注釈オブジェクト情報710A、710bにおける注釈オブジェクトが他の注釈オブジェクトと重なっていた場合にどちらが上または下に描画されるのかの順序を示す。ページ番号706A、706Bは、注釈オブジェクト情報710A、710Bにおける注釈オブジェクトが存在するページの番号である。注釈種類702Aが長方形である場合、注釈オブジェクト固有情報707Aは、例えば、線の種類711、線の色情報712、および塗りつぶし色情報713を有する。線の色情報712は、線の色と透明度の情報を有する。塗りつぶし色情報713は、塗りつぶしの色と透明度の情報を有する。注釈種類702Bがテキスト(文字列)である場合、注釈オブジェクト固有情報707Bは、例えば、文字列721、フォント名722、および文字色情報723を有する。文字色情報723は、例えば、文字列の色と透明度の情報を有する。尚、注釈種類は、長方形やテキストに限定されない。このような注釈オブジェクト情報710がリスト構造になって、注釈オブジェクトリスト700に格納される。注釈オブジェクトリスト700は、注釈オブジェクトデータ全体で1つのリストを保持する形式でも構わないし、ページごとに1つのリストを保持する形式でも構わない。
図8は、文書データの描画層の一例を模式的に示す図である。図8に示す例では、原稿データの原稿オブジェクトの描画層と、注釈オブジェクトデータに存在する注釈オブジェクトの描画層とは異なる層になる。具体的に図8に示す例では、原稿オブジェクトの描画層(オブジェクト描画層)の上に注釈オブジェクトの描画層(注釈描画層)が存在する。つまり、注釈オブジェクトが上位層として描画されることとなる。よって、原稿オブジェクトと同一の座標に注釈オブジェクトが存在する場合には、上位層である注釈オブジェクトが優先的に表示され、原稿オブジェクトが表示されない状態となる。尚、以下の説明では、原稿オブジェクトおよび注釈オブジェクトをまとめて表現する場合には、これらを必要に応じてオブジェクトと表現することとする。
次に、オブジェクトの解析方法と登録方法の一例について説明する。この処理は、文書編集部203からの指示に従って、データ解析部205がハードディスク109に格納されている文書データにアクセスして実行することにより行われる。
図9は、原稿オブジェクトリスト600に格納される情報の一例を示す図である。図9(a)に示す座標に位置する長方形の原稿オブジェクトおよび文字列の原稿オブジェクトは、図9(b)に示す内容によって、原稿オブジェクトリスト600に登録される。図9(b)に示すように、左上座標と右下座標により生成される四角形の領域がオブジェクトの存在する領域となり、ここではその領域をオブジェクトの存在領域と定義する。図9(b)に示す例では、長方形の原稿オブジェクトの重なり順序が「0(ゼロ)」、テキスト(文字列)の原稿オブジェクトの重なり順序が「1」となっている。従って、長方形の原稿オブジェクトの上にテキストの原稿オブジェクトがのっている状態となる。逆に、長方形の原稿オブジェクトの重なり順序が「1」、テキストの原稿オブジェクトの重なり順序が「0(ゼロ)」となる場合、テキストの原稿オブジェクトの上に長方形の原稿オブジェクトがのる状態となる。この場合、テキストの原稿オブジェクトは表示されない状態となる。
図9は、原稿オブジェクトリスト600に格納される情報の一例を示す図である。図9(a)に示す座標に位置する長方形の原稿オブジェクトおよび文字列の原稿オブジェクトは、図9(b)に示す内容によって、原稿オブジェクトリスト600に登録される。図9(b)に示すように、左上座標と右下座標により生成される四角形の領域がオブジェクトの存在する領域となり、ここではその領域をオブジェクトの存在領域と定義する。図9(b)に示す例では、長方形の原稿オブジェクトの重なり順序が「0(ゼロ)」、テキスト(文字列)の原稿オブジェクトの重なり順序が「1」となっている。従って、長方形の原稿オブジェクトの上にテキストの原稿オブジェクトがのっている状態となる。逆に、長方形の原稿オブジェクトの重なり順序が「1」、テキストの原稿オブジェクトの重なり順序が「0(ゼロ)」となる場合、テキストの原稿オブジェクトの上に長方形の原稿オブジェクトがのる状態となる。この場合、テキストの原稿オブジェクトは表示されない状態となる。
図10は、文書データ500の内部フォーマットから、図9と同様の長方形の原稿オブジェクトが読み出され、原稿オブジェクト情報610Aとして取り出される様子の一例を示す図である。図10では、内部フォーマットとしてバイナリーデータを例に挙げて示すが、内部フォーマットは、例えば、XMLのようなテキスト形式のデータであってもよい。ここでは、原稿オブジェクトについての解析方法およびリストの登録方法の一例について図9および図10を用いて説明した。注釈オブジェクトについても、原稿オブジェクトと同様に、データ解析部205が、文書データにアクセスし、注釈オブジェクトを解析し、その解析の結果に基づいて注釈オブジェクトリスト700を生成することができる。従って、注釈オブジェクトについての解析方法およびリストの登録方法の詳細な説明を省略する。
図11は、注釈情報入力画面の一例を示す図である。注釈情報入力画面1100は、新たな注釈オブジェクトの作成のために用いる注釈情報を入力するための画面である。注釈情報入力画面1100は、注釈を付与するためのコントロール311を押下することでGUI部201により表示される。尚、本実施形態において、注釈情報入力画面1100が、テキスト形式の注釈情報を入力する画面である場合を例に挙げて示す。しかしながら、注釈情報入力画面1100は、図形や画像といったテキスト形式以外の注釈情報を入力できてもよい。また、テキスト、図形、および画像といった注釈の種類ごとに、注釈情報入力画面1100を分けてもよいし、一つの注釈情報入力画面1100で注釈の種類を切り替えて情報を入力できるようにしてもよい。
文字列の方向選択ボタン1101は、テキスト注釈の文字列の方向を選択する。本実施形態では、文字列の方向として横書きか縦書きかを選択できる場合を例に挙げて説明する。テキスト入力領域1102は、テキスト注釈の内容となる文字列を入力する領域である。ここで、文字列の方向選択ボタン1101で選択した方向によらず、テキスト入力領域1102で入力した文字列は横書きで表示される。これは、WPFでは縦書きで表示可能なオブジェクトが存在しないためである。注釈設定1104は、テキスト注釈の詳細な設定を入力する領域である。図11においては、フォント・フォントサイズ・枠線の種類・透過性といった設定のみを示すが、これ以外の設定が存在してもよい。また、図11に示した設定のうち、存在しないものがあってもよい。プレビュー領域1103は、注釈オブジェクトが文書データに実際に挿入された際のプレビュー画像を表示する領域である。プレビュー画像における注釈オブジェクトは、文字列の方向選択ボタン1101、テキスト入力領域1102、および注釈設定1104に入力された文字列の情報を組み合わせることにより生成される。尚、プレビュー画像の生成方法の一例の詳細は、図12に示すフローチャートを参照しながら後で説明する。本実施形態では、プレビュー領域1103に表示されるプレビュー画像が、作成されたオブジェクトを文書データと共にプレビューするための画像の一例である。確定ボタン1105は、注釈情報入力画面1100に入力された内容を確定するためのボタンである。文書編集部203は、確定ボタン1105が押下されることで、その時点で注釈情報入力画面1100に入力されている情報を元に、注釈情報を作成する。キャンセルボタン1106は、注釈情報の作成をキャンセルするためのボタンである。文書編集部203は、キャンセルボタン1106が押下されることで、それまでに注釈情報入力画面1100に入力された情報を破棄し、注釈情報の作成をキャンセルする。
図12は、注釈情報入力画面1100においてプレビュー画像を作成する際の処理の一例を説明するフローチャートである。本フローチャートによる処理は、既に注釈情報入力画面1100が開かれており、ユーザが注釈情報を入力できる状態になった後に開始する。
ステップS1201において、文書編集部203は、注釈情報入力画面1100に対するユーザの操作が発生し、注釈情報入力画面1100に入力されている情報に変更があった否かを判定する。この判定の結果、注釈情報入力画面1100に入力されている情報に変更があった場合にはステップS1202に進む。一方、注釈情報入力画面1100に入力されている情報に変更がない場合には後述するステップS1209に進む。
ステップS1201において、文書編集部203は、注釈情報入力画面1100に対するユーザの操作が発生し、注釈情報入力画面1100に入力されている情報に変更があった否かを判定する。この判定の結果、注釈情報入力画面1100に入力されている情報に変更があった場合にはステップS1202に進む。一方、注釈情報入力画面1100に入力されている情報に変更がない場合には後述するステップS1209に進む。
ステップS1202に進むと、文書編集部203は、注釈情報入力画面1100に入力されている情報の収集を行う。本実施形態では、文書編集部203は、注釈情報入力画面1100に記載の文字列の方向選択ボタン1101、テキスト入力領域1102、および注釈設定1104に入力された値を収集するものとする。後述するステップS1209で確定ボタン1105が押下されると判定すると、文書編集部203は、これらの値を用いて注釈情報を作成する。次に、ステップS1203において、文書編集部203は、ステップS1202で収集した情報から、文字列の方向が縦書きか否かを判定する。この判定の結果、文字列の方向が縦書きである場合にはステップS1204に進む。一方、文字列の方向が横書きである場合には後述するステップS1207に進む。
ステップS1204に進むと、文書編集部203は、プレビュー領域1103に表示するプレビュー画像を作成するため、ステップS1202で収集した情報を元に、PDF編集モジュール220に対して画像の作成依頼を行う。尚、本実施形態においては、PDF編集モジュール220を用いて画像の作成を行う場合を例に挙げて示す。しかしながら、PDF以外のフォーマットの画像を作成するモジュールを用いて、画像を作成してもよい。ただし、文書データに実際に挿入される注釈オブジェクトとのズレが小さい方がプレビューとしての効果が高い。このため、文書データを編集するものと同じモジュールを、画像を作成するモジュールとして用いることが好ましい。このように図12のフローチャートでは、ステップS1204の処理により、作成手段の一例が実現される。また、このステップS1204の処理により、表示制御手段が、オブジェクトの画像の作成を、作成手段に依頼することの一例が実現される。
次に、ステップS1205において、文書編集部203は、ステップS1204で作成依頼を行った画像の作成が完了したか否かを判定する。この判定の結果、画像の作成が完了した場合にはステップS1206に進む。一方、画像の作成が完了していない場合にはステップS1210に進む。ステップS1206に進むと、文書編集部203は、PDF編集モジュール220で作成された画像をプレビュー画像として登録する。そして、後述するステップS1208に進む。一方、ステップS1210に進むと、文書編集部203は、PDF編集モジュール220で作成される予定の画像の代わりに、プレビュー画像として表示可能な領域が、データ解析部205で描画され、GUI部201により表示されたか否かを判定する。この判定の結果、プレビュー画像として表示可能な領域が既に表示済みの場合にはステップS1205に戻り、画像の作成が完了するのを待つことになる。一方、プレビュー画像として表示可能な領域がまだ表示されていない場合には、ステップS1211に進む。
ステップS1211に進むと、データ解析部205は、PDF編集モジュール220で作成される予定の画像のうち、WPF側で表示可能な描画領域のみを描画する。そして、GUI部201は、データ解析部205で描画されたWPF側で表示可能な描画領域の描画オブジェクトをプレビュー画像としてプレビュー領域1103に表示する。そして、ステップS1205に戻り、画像の作成が完了するのを待つ。ここで、WPF側で表示可能な描画領域とは、縦書きオブジェクトのうち、文字列の方向に寄らず描画可能な情報を指す。例えば、オブジェクトの大きさや、文字列を囲む枠線、色、透過性といったオブジェクトの設定に関してはWPF側でも描画することが可能である。そこで、文書編集システム200は、縦書きオブジェクトの画像の作成をPDF編集モジュール220に依頼した後、注釈情報の設定のうち、WPF側でもプレビュー画像に反映することが可能な設定をプレビュー画像として表示する。これにより、ユーザは縦書きオブジェクトの画像が作成される前でも、注釈情報の設定の変更のうち、WPF側でもプレビュー画像に反映することが可能な設定の変更に関しては、即座に、その設定の変更による影響を確認することができる。
ここで、データ解析部205は、WPF側で描画・表示されるオブジェクトの大きさを、例えば、注釈情報として入力された文字数から決定してもよい。また、データ解析部205は、文字部分を縦書き・横書きによらない図形、例えば円や四角形で表現してもよい。更に、既にPDF編集モジュール220によって作成された画像が存在している場合に、注釈情報入力画面1100に入力されている情報の変更があり、その変更後の内容の一部を当該画像により表現することができるものとする。
このような場合、データ解析部205は、既にPDF編集モジュール220によって作成された画像を、WPF側でプレビュー画像に反映することが可能な設定に関するオブジェクトとしてもよい。つまり、注釈情報入力画面1100に入力されている情報から、WPF側で描画可能な領域を描画して表示することで、ユーザが、ステップS1204で作成依頼を行った画像が作成されるまでの間、注釈オブジェクトの概略をユーザが掴めるようにする。このことがステップS1211の処理の目的となる。このように図12のフローチャートでは、ステップS1211の処理により、描画手段の一例が実現される。尚、ここでは、WPF側で描画可能な部分の全てをWPF側で描画する場合を例に挙げて説明したが、WPF側で描画可能な部分の少なくとも一部をWPF側で描画していればよい(即ち、WPF側で描画可能な部分の一部をWPF側で描画してもよい)。例えば、注釈オブジェクトの概略をユーザが掴めるようにするために不要な部分については、WPF側で描画しなくてもよい。
前述したようにステップS1203において、文字列の方向が縦書きではないと判定された場合(即ち、横書きであると判定された場合)にはステップS1207に進む。ステップS1207に進むと、データ解析部205は、ステップS1202で収集された、注釈情報入力画面1100に入力されている情報に基づいて、プレビュー画像用のオブジェクトを作成する。このようにWPF側でプレビュー画像用のオブジェクトが作成される。ステップS1207では、注釈情報入力画面1100に対して入力された情報の設定の全てを反映したオブジェクトが描画される。そして、ステップS1208に進む。
ステップS1208に進むと、GUI部201は、ステップS1206またはS1207で作成されたプレビュー画像をプレビュー領域1103に表示する。ステップS1206からステップS1208に進んだ場合、GUI部201は、ステップS1211で表示したWPF側で表示可能な描画領域の描画オブジェクトを、ステップS1206で登録したPDF編集モジュール220で作成された画像に差し替える。そして、ステップS1209に進む。このように図12のフローチャートでは、ステップS1208の処理により、表示制御手段が、描画手段により描画された部分の表示を、作成手段で作成されたオブジェクトの画像に差し替えることの一例が実現される。
ステップS1209に進むと、文書編集部203は、確定ボタン1105が押下されたか否かを判定する。この判定の結果、確定ボタン1105が押下された場合には、文書編集部203は、その時点で注釈情報入力画面1100に入力された情報を用いて注釈情報を作成する。一方、確定ボタン1105が押下されていない場合にはステップS1201に戻り、注釈情報入力画面1100に入力された情報の変更または確定ボタン1105の押下があるまで待機する。尚、本フローチャートには図示しないが、キャンセルボタン1106の押下があった場合には、文書編集部203は、それまでに注釈情報入力画面1100に入力された情報を破棄し、図12のフローチャートによる処理を終了する。
図13は、ページプレビュー303において、文書データに付加された縦書きの注釈オブジェクトを移動する際の様子の一例を示す図である。文書データ1301は、注釈オブジェクトを付加する対象となる文書データである。縦書き注釈オブジェクト1302は、既に文書データ1301に付加され、文書データ1301側で描画されている縦書きの注釈オブジェクトである。移動中縦書きオブジェクト1303は、ユーザが、図示しないマウスカーソルを、縦書き注釈オブジェクト1302が表示されている領域に置いた状態でマウスを押下し、その後ドラッグしている最中に、WPF側(文書編集システム200側)で描画される。移動中縦書きオブジェクト1303は、縦書きのオブジェクトである。
ここで、縦書き注釈オブジェクト1302は文書データ1301側で描画されている。このため、縦書き注釈オブジェクト1302をWPF側で描画される移動中縦書きオブジェクト1303として用いることはできない。そのため、移動中縦書きオブジェクト1303の描画のためのプレビュー画像が必要となる。このプレビュー画像の作成の処理の一例に関しては後述する図14のフローチャートを参照しながら説明する。このように本実施形態では、図13に示す画像が、状態が変更されたオブジェクトの変更後の当該状態をプレビューするための画像(プレビュー画像)の一例である。マウスカーソルの押下が終了すると、移動中縦書きオブジェクト1303が存在していた座標に、縦書き注釈オブジェクト1302が移動され、移動中縦書きオブジェクト1303は削除される。
図14は、ページプレビュー303において文書データに付加された縦書き注釈オブジェクト1302を移動する際の処理の一例を説明するフローチャートである。本フローチャートによる処理は、縦書き注釈オブジェクト1302がマウスで押下、つまり選択された状態になった後に開始する。
ステップS1401において、文書編集部203は、縦書き注釈オブジェクト1302がマウスで押下されたタイミングで、PDF編集モジュール220に対してプレビュー用の画像の作成依頼を行う。PDF編集モジュール220は、この作成依頼に基づいて、プレビュー用の画像の作成の作成を開始する。ここで、文書編集システム200では、ユーザがマウスを押下したまま移動することで、縦書き注釈オブジェクト1302の移動操作が行われる。このように図14のフローチャートでは、ステップS1401の処理により、作成手段の一例が実現される。また、このステップS1204の処理により、表示制御手段が、オブジェクトの画像の作成を、作成手段に依頼することの一例が実現される。
次に、ステップS1402において、データ解析部205は、縦書き注釈オブジェクト1302のうち、WPF側で表示可能な領域のみをプレビュー画像として描画する。そして、GUI部201は、データ解析部205で描画されたプレビュー画像を、移動中縦書きオブジェクト1303として、マウスの操作に応じた位置に表示する。ここで、WPF側で表示可能な領域は、例えば、ステップS1211で説明した方法と同じ方法で決定される。このように図14のフローチャートでは、ステップS1402の処理により、描画手段の一例が実現される。
次に、ステップS1403において、文書編集部203は、マウスが押下されたままであるか否かを判定する。この判定の結果、マウスが押下されたままである場合には、ステップS1404に進む。このとき、データ解析部205は、マウスの操作に応じた位置に、表示中の移動中縦書きオブジェクト1303の表示位置を変更する。一方、マウスが押下されていない場合、つまり縦書き注釈オブジェクト1302の移動が完了している場合には、後述するステップS1407に進む。ステップS1404に進むと、ステップS1402で表示されたプレビュー画像が、ステップS1401で作成されたプレビュー用の画像に差し替え済みであるか否かを判定する。この判定の結果、ステップS1402で表示されたプレビュー画像が、ステップS1401で作成されたプレビュー用の画像に差し替え済みである場合には、ステップS1403に戻り、縦書き注釈オブジェクト1302の移動の完了を待つことになる。一方、ステップS1402で表示されたプレビュー画像が、ステップS1401で作成されたプレビュー用の画像に差し替えられていない場合には、ステップS1405に進む。
ステップS1405に進むと、文書編集部203は、PDF編集モジュール220に作成を依頼したプレビュー用の画像の作成が完了したか否かを判定する。この判定の結果、プレビュー用の画像の作成が完了していない場合には、ステップS1403に戻る。一方、プレビュー用の画像の作成が完了している場合には、ステップS1406に進む。
ステップS1406に進むと、データ解析部205は、WPF側で作成したプレビュー画像を、PDF編集モジュール220で作成されたプレビュー用の画像に差し替える。これにより、ユーザは、PDF編集モジュール220で作成されたプレビュー用の画像を、プレビューすることができる。この処理により、実際に文書データ1301に挿入されている縦書き注釈オブジェクト1302と、移動中縦書きオブジェクト1303の描画イメージが一致することになる。このように図14のフローチャートでは、ステップS1406の処理により、表示制御手段が、描画手段により描画された部分の表示を、作成手段で作成されたオブジェクトの画像に差し替えることの一例が実現される。
前述したように、マウスが押下されていない状態になり、縦書き注釈オブジェクト1302の移動が完了していると判定されると、ステップS1407に進む。ステップS1407に進むと、文書編集部203は、移動中縦書きオブジェクト1303の座標を取得し、その値を縦書き注釈オブジェクト1302の座標として用いるように設定を変更する。このように本実施形態では、ステップS1407の処理を行うことにより、プレビュー画像におけるオブジェクトの状態の変更の指示が完了すると、表示制御手段が、プレビュー画像における前記オブジェクトの状態を変更することの一例が実現される。
次に、ステップS1408において、文書編集部203は、移動中縦書きオブジェクト1303(WPF側で作成されたプレビュー画像)を削除し、描画を終了させる。このように本実施形態では、ステップS1407の処理により、プレビュー画像におけるオブジェクトの状態の変更の指示が完了すると、表示制御手段が、描画手段により描画された部分の表示を削除することの一例が実現される。これらステップS1407およびS1408の処理により、移動後の位置における移動中縦書きオブジェクト1303が削除され、その位置に縦書き注釈オブジェクト1302が表示され、縦書き注釈オブジェクト1302の移動が完了する。
以上説明した通り、本実施形態では、文書編集システム200は、WPF側で描画することができないオブジェクトがある場合、文書編集モジュール220に、そのオブジェクトの画像の作成を依頼する。文書編集システム200は、そのオブジェクトの画像が作成されるまでの間、そのオブジェクトの画像のうち、WPF側で描画できる部分を表示し、その他の部分をそのオブジェクトの通りに表示しない。従って、プレビュー画像を描画する文書編集システム200で全てを描画できないオブジェクトをプレビュー画像として表示する際に、ユーザの操作性が低下することを抑制することができる。また、文書編集モジュール220にオブジェクト画像の作成を依頼する。よって、元のオブジェクト画像と大きく異なるオブジェクト画像が作成されることを抑制することができ、オブジェクト画像の再現性が低下することを抑制することができる。本実施形態では、その具体例として、図12および図14の各フローチャートを提供することで、縦書きに未対応の文書編集システム200(文書編集アプリケーション)上で、文字方向が縦書きの注釈のプレビュー画像を表示することが可能となる。また、文書編集モジュール220でプレビュー用の画像が作成されるまでは、文書編集システム200で描画可能な領域を描画・表示し、当該プレビュー用の画像の作成が完了した後に、表示中の画像を当該プレビュー用の画像に差し替える。従って、プレビュー用の画像が作成されるまでの間もオブジェクトの変更状態や位置を示すことを可能とし、ユーザは待ち時間なく操作を行うことができる。
本実施形態では、文書編集システム200が縦書きに未対応である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、文書データと共に表示されるオブジェクトに、文書編集システム200で描画できない部分があれば、文書編集システム200は、必ずしも縦書きに未対応である必要はない。例えば、注釈オブジェクトが横書きである場合に、文書編集システム200が横書きに未対応であってもよい。また、本実施形態(図13および図14)では、縦書き注釈オブジェクト1302を移動する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、縦書き注釈オブジェクト1302の状態を変更していれば、必ずしも縦書き注釈オブジェクト1302を移動する場合に限定されない。例えば、縦書き注釈オブジェクト1302を拡大または縮小する場合に本実施形態の手法を適用してもよい。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。文書編集システム200では、縦書きの注釈オブジェクトをサポートしていないため、注釈設定1104で設定された縦書きフォントがテキスト入力領域1102で入力された文字全てに有効かを判断できない。そこで、第1の実施形態では、文書編集システム200で描画できない注釈オブジェクトの全てをPDF編集モジュール220の判断で作成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、PDF編集モジュール220は、文書編集システム200から指定されたフォントに対応していない文字が縦書きの注釈オブジェクトにあった場合には、注釈の全文を代替フォントに置き換える。このため、PDF編集モジュール220は、本来であれば文書編集システム200から指定されたフォントで描画できた文字であっても、そのフォントを代替フォントに置き換える。そこで、本実施形態は、よりユーザが意図したものに近いフォントで注釈オブジェクトを作成する。このように本実施形態と第1の実施形態とでは、文書編集システム200が、PDF編集モジュール220に対して注釈オブジェクトの作成を依頼する際の処理およびPDF編集モジュール220の一部が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図14に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
次に、第2の実施形態について説明する。文書編集システム200では、縦書きの注釈オブジェクトをサポートしていないため、注釈設定1104で設定された縦書きフォントがテキスト入力領域1102で入力された文字全てに有効かを判断できない。そこで、第1の実施形態では、文書編集システム200で描画できない注釈オブジェクトの全てをPDF編集モジュール220の判断で作成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、PDF編集モジュール220は、文書編集システム200から指定されたフォントに対応していない文字が縦書きの注釈オブジェクトにあった場合には、注釈の全文を代替フォントに置き換える。このため、PDF編集モジュール220は、本来であれば文書編集システム200から指定されたフォントで描画できた文字であっても、そのフォントを代替フォントに置き換える。そこで、本実施形態は、よりユーザが意図したものに近いフォントで注釈オブジェクトを作成する。このように本実施形態と第1の実施形態とでは、文書編集システム200が、PDF編集モジュール220に対して注釈オブジェクトの作成を依頼する際の処理およびPDF編集モジュール220の一部が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図14に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図15は、注釈オブジェクトを作成する際の処理の一例を説明するフローチャートである。
ステップS1501において、文書編集部203は、PDF編集モジュール220に縦書きの注釈オブジェクトの画像の作成を依頼する際に、縦書き用のフォントをPDF編集モジュール220に対して指定する。縦書き用のフォントは、注釈設定1104のフォントの項目の内容に基づいて決定される。
ステップS1501において、文書編集部203は、PDF編集モジュール220に縦書きの注釈オブジェクトの画像の作成を依頼する際に、縦書き用のフォントをPDF編集モジュール220に対して指定する。縦書き用のフォントは、注釈設定1104のフォントの項目の内容に基づいて決定される。
次に、ステップS1502において、文書編集部203は、ステップS1501で指定した縦書き用のフォントを、縦書きの注釈オブジェクトのテキストの各文字に適用できるか否かをPDF編集モジュール220に対して確認する。即ち、文書編集部203は、PDF編集モジュール220が、縦書きの注釈オブジェクトのテキストの各文字について、ステップS1501で指定した縦書き用のフォントで描画できるか否かを確認する。この段階では、PDF編集モジュール220は、縦書きの注釈オブジェクトの描画処理を行わず、ステップS1501で指定された縦書き用のフォントに存在しない文字と、その代替フォントとを文書編集部203に返却するものとする。
次に、ステップS1503において、文書編集部203は、ステップS1502の結果に基づいて、ステップS1501で指定した縦書き用のフォントを適用できない文字があるか否かを判定する。この判定の結果、ステップS1501で指定した縦書き用のフォントを適用できない文字がある場合には、ステップS1504に進む。一方、ステップS1501で指定した縦書き用のフォントを適用できない文字がない場合には、後述するステップS1507に進む。
ステップS1504に進むと、文書編集部203は、ステップS1503において縦書き用のフォントを適用できないと判定した文字を一文字取得する。次に、ステップS1505において、文書編集部203は、ステップS1504で取得した文字に対して、代替フォントを設定する。ここで、本実施形態においては、ステップS1504で取得した文字の代替フォントとして、PDF編集モジュール220が決定した代替フォントを用いるものとするが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、別のライブラリを用いて代替フォントを決定してもよい。また、文書編集システム200側で、代替フォントとなるフォントの優先順位を決めておいてもよい。このようにする場合、例えば、文書編集部203は、それらのフォントをPDF編集モジュール220で適用できるか否かを、ステップS1502の処理と同様にして順に確認する。このようにことで、文書編集部203は、PDF編集モジュール220で利用可能なフォントを探し、それを代替フォントとして決定してもよい。このように本実施形態では、ステップS1505の処理により作成手段の一例が実現される。尚、ここでは、PDF編集モジュール220は、PDF編集モジュール220において縦書き用のフォントを適用できる全ての文字を、当該縦書き用のフォントで描画する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、PDF編集モジュール220において縦書き用のフォントを適用できる文字の少なくとも一部を、当該縦書き用のフォントで描画していればよい。例えば、縦書き用のフォントを適用できない文字群の間に、縦書き用のフォントを適用できる文字が1つだけ存在している場合には、当該文字を代替フォントとしてもよい。
次に、ステップS1506において、文書編集部203は、ステップS1503において縦書き用のフォントを適用できないと判定した文字のうち、代替フォントが設定されていない文字が他にあるか否かを判定する。この判定の結果、代替フォントが設定されていない文字が他にある場合には、ステップS1504に戻る。そして、ステップS1503において縦書き用のフォントを適用できないと判定した文字の全てに代替フォントが設定されるまで、ステップS1504〜S1506の処理を繰り返し行う。そして、ステップS1503において縦書き用のフォントを適用できないと判定した文字の全てに代替フォントが設定されると、ステップS1507に進む。ステップS1507に進むと、PDF編集モジュール220は、ステップS1501で指定されたフォントまたはステップS1505で設定された代替フォントを用いて、縦書きの注釈オブジェクトを文字毎に作成する。
以上のように本実施形態では、文書編集システム200は、WPF側で描画することができないオブジェクトがある場合、当該オブジェクトと同じ内容でPDF編集モジュール220が描画できる部分を、その内容でPDF編集モジュール220に描画させる。そして、文書編集システム200は、その他の部分を、代替の内容でPDF編集モジュール220に描画させる。本実施形態では、その具体例として、図15のフローチャートを提供することで、文書編集システム200は、PDF編集モジュール220に対して、ユーザによって指定されたフォントを極力用いた注釈オブジェクトの作成を依頼することが可能となる。
本実施形態では、フォントを代替する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、オブジェクトのうち、前記オブジェクトと同じ内容で描画できない部分を、当該内容を代替する内容としていれば、必ずしも、フォントを代替する必要はない。例えば、フォントの代わりに色を代替するようにしてもよい。
尚、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、前述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、前述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
110:情報処理装置、200:文書編集システム、220:文書編集モジュール
Claims (13)
- 文書データと当該文書データと共に表示されるオブジェクトとを含む画像をプレビューするためのプレビュー画像を描画する描画手段と、
前記プレビュー画像の表示を制御する表示制御手段と、を有し、
前記描画手段は、前記描画手段により描画できない部分が前記オブジェクトにある場合、前記オブジェクトのうち、前記描画手段により描画できる部分の少なくとも一部を描画し、前記オブジェクトのその他の部分を前記オブジェクトの通りに描画しないことを特徴とする情報処理装置。 - 前記オブジェクトに対応するオブジェクトの画像を作成する作成手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記描画手段により描画された部分の表示を、前記作成手段で作成された前記オブジェクトの画像に差し替えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記表示制御手段は、前記オブジェクトの画像の作成を、前記作成手段に依頼することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
- 前記作成手段は、前記オブジェクトのうち、前記オブジェクトと同じ内容で作成できる部分の少なくとも一部については、当該内容で当該部分を作成し、前記オブジェクトのうち、前記オブジェクトと同じ内容で描画できない部分については、当該内容を代替する内容で当該部分を作成することを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
- 前記オブジェクトのうち、前記オブジェクトと同じ内容で作成できる部分とは、前記オブジェクトのフォントのうち、前記作成手段で作成できるフォントと同じフォントの部分であることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記プレビュー画像は、新たに設定された前記オブジェクトを前記文書データと共にプレビューするための画像であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の情報処理装置。
- 前記オブジェクトは、前記文書データに対して付加されたオブジェクトであり、
前記プレビュー画像は、状態が変更された前記オブジェクトの変更後の当該状態を前記文書データと共にプレビューするための画像であり、
前記描画手段は、前記プレビュー画像における前記オブジェクトの状態の変更が指示されると、変更後の当該状態に合うように、当該オブジェクトのうち、前記描画手段により描画できる部分の少なくとも一部を描画し、当該オブジェクトのその他の部分を前記オブジェクトの通りに描画しないことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の情報処理装置。 - 前記表示制御手段は、前記プレビュー画像における前記オブジェクトの状態の変更の指示が完了すると、前記プレビュー画像における前記オブジェクトの状態を変更することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
- 前記表示制御手段は、前記プレビュー画像における前記オブジェクトの状態の変更の指示が完了すると、前記描画手段により描画された部分の表示を削除することを特徴とする請求項7または8に記載の情報処理装置。
- 前記オブジェクトの状態の変更は、前記オブジェクトの位置の変更を含むことを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の情報処理装置。
- 前記オブジェクトは、縦書きのテキストを含むオブジェクトであることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の情報処理装置。
- 文書データと当該文書データと共に表示されるオブジェクトとを含む画像をプレビューするためのプレビュー画像を描画する描画工程と、
前記プレビュー画像の表示を制御する表示制御工程と、を有し、
前記描画工程は、前記描画工程により描画できない部分が前記オブジェクトにある場合、前記オブジェクトのうち、前記描画工程により描画できる部分の少なくとも一部を描画して、前記オブジェクトのその他の部分を前記オブジェクトの通りに描画しないことを特徴とする情報処理方法。 - 請求項1〜11の何れか1項に記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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Cited By (3)
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