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JP2017213550A - 調湿什器 - Google Patents

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JP2017213550A JP2016170873A JP2016170873A JP2017213550A JP 2017213550 A JP2017213550 A JP 2017213550A JP 2016170873 A JP2016170873 A JP 2016170873A JP 2016170873 A JP2016170873 A JP 2016170873A JP 2017213550 A JP2017213550 A JP 2017213550A
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Abstract

【課題】筐体10の内部空気の湿度の調整に要する時間の短縮化を図ること。【解決手段】SPE膜21aの両面に電極対22が設けられて構成され、かつ什器本体である筐体10に形成された通気孔16aを閉塞する態様で配置された調湿素子20と、電極対22に電圧を印加する電圧印加手段30とを備え、筐体10の内部空気の湿度を調整する調湿什器であって、SPE膜21aの両面のうち相対的に電位が高い第1面(陽極面23a)に対して空気を供給するファン40を備えたものである。上記ファン40は、第1面に空気が所定の角度で当たるよう供給することが好ましい。【選択図】図3

Description

本発明は、調湿什器に関し、より詳細には、什器本体である筐体の内部空気の湿度を調整する調湿什器に関するものである。
従来、什器本体である筐体の内部空気の湿度を調整する調湿什器として、調湿素子と電圧印加手段とを備えたものが知られている。
調湿素子は、固体高分子電解質よりなる膜(以下、SPE膜ともいう)の両面に電極対が設けられて構成されている。電圧印加手段は、調湿素子の電極対に直流電圧を印加して、SPE膜の一方の面を陽極とし、他方の面を陰極とするものである。
このような調湿什器では、陽極が筐体の内部を臨むとともに陰極が筐体の外部を臨む態様で調湿素子が筐体に設置されており、陽極では下記式(1)の反応を起こし、陰極では下記式(2)の反応を起こすことで筐体の内部空気の湿度を調整している(例えば、特許文献1参照)。
式(1) HO→2H+1/2O+2e
式(2) 2H+2e+1/2O→H
特開2000−107550号公報
上述した特許文献1の調湿什器では、水を貯留するための水タンク等を用いることなく筐体の内部空気の湿度を調整できるので衛生的であるが、設置面積等に制限があるために水分の処理能力が十分でなく、内部空気の湿度の調整に長時間を要する虞れがあった。
本発明は、上記実情に鑑みて、筐体の内部空気の湿度の調整に要する時間の短縮化を図ることができる調湿什器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る調湿什器は、イオン導電性電解質よりなる膜の両面に電極対が設けられて構成され、かつ什器本体である筐体に形成された通気孔を閉塞する態様で配置された調湿素子と、前記電極対に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記筐体の内部空気の湿度を調整する調湿什器であって、前記膜の両面のうち相対的に電位が高い第1面に対して空気を供給する空気供給手段を備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記調湿什器において、前記空気供給手段は、前記第1面に空気が所定の角度で当たるよう供給することを特徴とする。
また本発明は、上記調湿什器において、前記空気供給手段は、軸部の中心軸回りに回転可能なファンにより構成されており、前記ファンは、前記軸部の中心軸が前記第1面に対して直交する態様で設置されたことを特徴とする。
また本発明は、上記調湿什器において、前記調湿素子は、前記第1面が前記筐体の外部を臨むとともに相対的に電位の低い第2面が前記筐体の内部を臨む態様で配置され、前記空気供給手段は、前記筐体の外部空気を前記第1面に供給することを特徴とする。
また本発明は、上記調湿什器において、前記調湿素子は、前記第1面が前記筐体の内部を臨むとともに相対的に電位の低い第2面が前記筐体の外部を臨む態様で配置され、前記空気供給手段は、前記筐体の内部空気を前記第1面に供給することを特徴とする。
また本発明は、上記調湿什器において、前記筐体の内部に設けられ、かつ自身に供給された冷媒が蒸発することにより該筐体の内部空気を冷却する蒸発器と、冷却運転指令が与えられた場合に、該冷却運転指令に含まれる目標温湿度での水蒸気量が飽和水蒸気量となる温度を前記蒸発器における冷媒の蒸発温度として該内部空気の冷却運転制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記冷却運転制御を行う時点での前記筐体の内部空気の温湿度の水蒸気量が前記目標温湿度の水蒸気量未満となる場合には、前記電圧印加手段を駆動させる加湿制御を行うことを特徴とする。
また本発明は、上記調湿什器において、前記制御手段は、前記加湿制御を行う際に前記空気供給手段を駆動させることを特徴とする。
本発明によれば、空気供給手段が、調湿素子を構成する膜の両面のうち相対的に電位が高い第1面に対して空気を供給するので、相対的に電位の高い第1面と該空気に含まれる水分との単位時間当たりの接触機会を増加させることができ、これにより処理水分量が増大し、筐体の内部空気の湿度の調整に要する時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1である調湿什器を模式的に示す正面図であり、一部を断面で示している。 図2は、図1に示した調湿什器の要部を拡大して示す説明図である。 図3は、図1に示した調湿什器の特徴的な制御系を示す模式図である。 図4は、調湿素子の陽極面に対して外部空気を供給した場合と、陽極面に対して外部空気を供給しなかった場合との実験結果を示す図表である。 図5は、本発明の実施の形態2である調湿什器を模式的に示す正面図である。 図6は、図5に示した調湿什器の特徴的な制御系を示す模式図である。 図7は、図6に示した制御部が実施する冷却運転制御処理の処理内容を示すフローチャートである。 図8は、蒸気圧線図を示す図表である。 図9は、蒸気圧線図を示す図表である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る調湿什器の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である調湿什器を模式的に示す正面図であり、一部を断面で示している。図2は、図1に示した調湿什器の要部を拡大して示す説明図であり、図3は、図1に示した調湿什器の特徴的な制御系を示す模式図である。ここで例示する調湿什器は、筐体10、調湿素子20、電圧印加手段30及びファン40を備えて構成されている。
筐体10は、箱状の形態を成した什器本体であり、内部が収納室11と機械室12とに上下に区画されている。この筐体10は、収納室11を構成する前面(図示せず)が左右両側面13とともに接客面を構成し、かつ該収納室11を構成する後面14に開口(以下、後面開口ともいう)14aが形成されている。
かかる筐体10では、収納室11を構成する各面13等は断熱構造を有する透明なガラス材や樹脂材により構成されており、収納室11が外部から視認可能である。また上記後面開口14aは、扉体15により開閉されるものである。扉体15は、後面開口14aを閉成するのに十分な大きさを有した平板状部材であり、断熱性能を有する透明な樹脂材等から構成されている。更に、上記筐体10においては、上面16の中央部分に矩形状の通気孔16aが形成されている。
調湿素子20は、板状部21及び電極対22を有して構成されている。板状部21は、固定高分子電解質よりなる膜(以下、SPE膜ともいう)21aを、触媒層を含むチタン製メッシュ21bと、触媒層を含むカーボンペーパー21cとで挟み込んで構成されている。ここで本実施の形態1では、SPE膜21aをイオン導電性電解質よりなる膜の一例として示したが、本発明においては、SPE膜21aだけでなく、その他のイオン導電性電解質よりなる膜を用いることができる。
電極対22は、それぞれ板状部21に電気的に接続されており、一方の電極(以下、第1電極ともいう)22aは、板状部21を構成するチタン製メッシュ21bに電気的に接続されてSPE膜21aの一方の面に設けられており、他方の電極(以下、第2電極ともいう)22bは、板状部21を構成するカーボンペーパー21cに電気的に接続されてSPE膜21aの他方の面に設けられている。
このような調湿素子20は、チタン製メッシュ21b及び第1電極22aが陽極を構成し、カーボンペーパー21c及び第2電極22bが陰極を構成している。そして、調湿素子20は、陽極を構成する陽極面(第1面)23aが筐体10の外部を臨むとともに、陰極を構成する陰極面(第2面)23bが筐体10の内部(収納室11)を臨む態様で通気孔16aを閉塞して配置されている。
電圧印加手段30は、電源部31及び電圧調整部32を有している。電源部31は、電極対22を構成する第1電極22aと第2電極22bとの間に直流電圧を印加するものである。電圧調整部32は、制御部50から与えられる指令に応じて第1電極22aと第2電極22bとの間の印加電圧の増減を調整するものである。
ファン40は、筐体10の外部において、調湿素子20の陽極面23aに対向する態様で支持部材45を介して上面16に支持されることで設置されている。このファン40は、駆動源であるファンモータ41が制御部50から指令が与えられて駆動する場合に、軸部42の中心軸L回りに回転するものである。ここで、軸部42の中心軸Lは、調湿素子20の陽極面23a及び陰極面23bに直交している。つまり、ファン40は、軸部42の中心軸Lが陽極面23a及び陰極面23bに対して直交する態様で設置されている。
上記ファン40は、ファンモータ41の駆動により軸部42の中心軸L回りに回転する場合に、筐体10の外部空気を陽極面23aに強制的に供給しており、本発明の空気供給手段を構成している。
そして、軸部42の中心軸Lが陽極面23a及び陰極面23bに対して直交する態様で設置されているので、ファン40が回転することにより、筐体10の外部空気は、陽極面23aに略直交する態様で当接することになる。
以上のような構成を有する調湿什器においては、電圧印加手段30により第1電極22aと第2電極22bとの間に所定の大きさの電圧を印加するとともに、ファン40が回転することにより、筐体10の外部空気、すなわち水蒸気を含む空気が陽極面23aに供給されて当接する。これにより、陽極面23aでは、下記式(3)の反応が起こるとともに、陰極面23bでは、下記式(4)の反応が起こり、陰極面23bで生じた水素が筐体10の内部空気の酸素成分と反応して水分子となることにより、筐体10の内部空気が加湿される。
式(3) HO→2H+1/2O+2e
式(4) 2H+2e+1/2O→H
ここで、調湿素子20の陽極面23aに対して外部空気を供給した場合と、陽極面23aに対して外部空気を供給しなかった場合との実験結果を図4に示す。図4では、陽極面23aに外部空気を供給した場合と、陽極面23aに外部空気を供給しなかった場合との空気流量(L/分)と処理水分量(g/日)との関係を示している。
この図4において、イは、陽極面23aに略直交する態様で外部空気を供給した場合を示し、ロは、陽極面23aに略平行となる態様で外部空気を供給した場合を示し、ハは、外部空気を供給しなかった場合を示している。
図4から、陽極面23aに外部空気を供給した場合(イ、ロ)は、外部空気を供給しなかった場合(ハ)に比して処理水分量が大きく、しかも空気流量が増大するのに対して処理水分量が更に大きくなることが明らかである。そして、陽極面23aに略直交する態様で外部空気を供給した場合(イ)の方が、陽極面23aに略平行となる態様で外部空気を供給した場合(ロ)に比して処理水分量が大きいことが明らかである。
以上説明したように、本発明の実施の形態1である調湿什器によれば、ファン40が回転して調湿素子20の陽極面23aに対して外部空気を供給するので、陽極面23aと外部空気に含まれる水分との単位時間当たりの接触機会を増加させることができ、これにより処理水分量が増大し、筐体10の内部空気の湿度の調整に要する時間の短縮化を図ることができる。
特に本実施の形態1のように後面開口14aが扉体15により開閉される構成を有する筐体10である場合、収納室11に収納される商品の取り出しや収納室11に対する商品の補充等で後面開口14aが開成されることが増大し、結果的に収納室11に外部空気が侵入して収納室11の内部の湿度が乱されることがあるが、筐体10の内部空気の湿度の調整に要する時間の短縮化を図ることにより、収納室11の湿度復帰に要する時間を短縮させることができる。
上記調湿什器によれば、軸部42の中心軸Lが陽極面23a及び陰極面23bに対して直交する態様でファン40が設置されているので、陽極面23aに対して外部空気を略直交する態様で当接させることができ、該外部空気に含まれる水蒸気の処理水分量が増大して筐体10の内部空気の湿度の調整に要する時間の短縮化を更に図ることができる。
<実施の形態2>
図5は、本発明の実施の形態2である調湿什器を模式的に示す正面図であり、一部を断面で示している。図6は、図5に示した調湿什器の特徴的な制御系を示す模式図である。尚、上述した実施の形態1である調湿什器と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
本実施の形態2である調湿什器は、筐体10、調湿素子20、電圧印加手段30、ファン40、冷却ユニット60、循環ファン66、内部温度検出部S1、内部湿度検出部S2、制御部70を備えて構成されている。
冷却ユニット60は、蒸発器61と、圧縮機62と、凝縮器63と、電子膨張弁64とが冷媒管路65により順に接続されて環状に構成されている。蒸発器61は、筐体10の収納室11に設置された熱交換器である。
圧縮機62は、機械室12に設置されており、駆動することにより蒸発器61を通過した冷媒を吸引して圧縮し、高温高圧の冷媒として吐出するものである。凝縮器63は、圧縮機62と同様に機械室12に設置されており、圧縮機62から吐出された冷媒を導入して周囲空気と熱交換させることにより該冷媒を凝縮させるものである。電子膨張弁64は、凝縮器63で凝縮した冷媒を減圧膨張させて蒸発器61に送出するものである。この電子膨張弁64の開度は、制御部70から与えられる開度指令に応じて調整される。
このような冷却ユニット60においては、圧縮機62で圧縮された冷媒が、凝縮器63、電子膨張弁64、蒸発器61の順に循環することにより、蒸発器61を通過する冷媒が蒸発して該蒸発器61の周囲の空気を冷却する。
循環ファン66は、収納室11における蒸発器61の近傍に設置されている。この循環ファン66は、循環ファンモータ66a(図6参照)が駆動することにより回転し、収納室11の内部空気を循環させるものである。このように循環ファン66が駆動することにより、蒸発器61で冷却された空気が収納室11の全体に行き渡り、これにより収納室11の内部空気を冷却することができる。
内部温度検出部S1は、収納室11の内部に設置されている。この内部温度検出部S1は、収納室11の内部温度を検出するもので、検出した内部温度を温度信号として制御部70に送出するものである。
内部湿度検出部S2は、収納室11の内部に設置されている。この内部湿度検出部S2は、収納室11の内部湿度を検出するもので、検出した内部湿度を湿度信号として制御部70に送出するものである。
制御部70は、メモリ75に記憶されたプログラムやデータにしたがって調湿什器の動作を統括的に制御するものであり、入力処理部71、設定処理部72、冷却運転制御部73及び加湿運転制御部74を備えている。尚、制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
入力処理部71は、内部温度検出部S1からの温度信号や、内部湿度検出部S2からの湿度信号、並びに入力手段80からの各種指令を入力するものである。ここで入力手段80は、調湿什器の管理者がテンキーやキーボード、あるいはタッチパネル等で入力を行うものであり、冷却運転を行う旨の冷却運転指令や、該冷却運転指令に含まれる収納室11の目標温湿度(目標温度及び目標湿度)に関する情報を制御部70に与えるものである。
設定処理部72は、入力処理部71を通じて入力した内部温度(温度信号)及び内部湿度(湿度信号)と、メモリ75に予め記憶された蒸気圧線図データにより、水蒸気量を算出するものである。
また設定処理部72は、算出した水蒸気量が入力処理部71を通じて入力した目標温湿度の水蒸気量以上であるか否かを判定するとともに、目標温湿度から蒸発器61での冷媒の蒸発温度を設定するものである。
冷却運転制御部73は、設定処理部72を通じて設定された条件にしたがって、圧縮機62及び循環ファンモータ66aの駆動、並びに電子膨張弁64の開度を調整して冷却運転を制御するものである。
加湿運転制御部74は、設定処理部72の判定結果にしたがって、電圧調整部32に指令を与えて第1電極22aと第2電極22bとの間における印加電圧の増減を調整するとともに、ファンモータ41を駆動させて加湿運転を制御するものである。
図7は、図6に示した制御部70が実施する冷却運転制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる冷却運転制御処理の処理内容を説明しながら調湿什器の動作について説明する。
制御部70は、入力処理部71を通じて入力手段80より冷却運転指令を入力した場合(ステップS101:Yes)、内部温度検出部S1からの温度信号(内部温度)及び内部湿度検出部S2からの湿度信号(内部湿度)の入力待ちとなる(ステップS102)。
入力処理部71を通じて内部温度及び内部湿度を入力した場合(ステップS102:Yes)、制御部70は、設定処理部72を通じて水蒸気量を算出する(ステップS103)。
より詳細に説明すると、内部温度がT3℃で内部湿度が50%であった場合、メモリ75に記憶された蒸気圧線図データを利用することで、図8に示す蒸気圧線図の点Aとなり、かかる蒸気圧線図により水蒸気量がQ3と算出される。
一方、内部温度がT3℃で内部湿度が30%であった場合、メモリ75に記憶された蒸気圧線図データを利用することで、図9に示す蒸気圧線図の点A′となり、かかる蒸気圧線図により水蒸気量がQ3′と算出される。
このようにして水蒸気量を算出した制御部70は、入力処理部71を通じて入力した冷却運転指令に含まれる目標温湿度情報と、蒸気圧線図データとにより設定処理部72を通じて目標温湿度の水蒸気量を算出し、ステップS103で算出した水蒸気量が目標温湿度の水蒸気量以上であるか否かを判定する(ステップS104)。
ここで、目標温湿度が目標温度がT2(<T3)で目標温度が70%であった場合、図8及び図9に示す蒸気圧線図ではそれぞれ点Bとなり、水蒸気量がQ2となる。
そして、水蒸気量が目標温湿度の水蒸気量以上である場合(ステップS104:Yes)、すなわち図8に示すように、点Aの水蒸気量Q3が点Bの水蒸気量Q2以上である場合、制御部70は、設定処理部72を通じて目標温湿度の水蒸気量が飽和水蒸気量となる温度T1を蒸発温度に設定する(ステップS105)。
上記ステップS105にて蒸発温度を設定した制御部70は、冷却運転制御部73を通じて圧縮機62及び循環ファンモータ66aに駆動指令を与えるとともに電子膨張弁64に開度指令を与え(ステップS106,ステップS107)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、収納室11の内部が冷却されて目標温湿度に近似する方向に推移させることができる。しかも、蒸発器61の蒸発温度をT1に設定したことにより、損失水分量の低減化を図ることができる。
一方、水蒸気量が目標温湿度の水蒸気量未満である場合(ステップS104:No)、すなわち図9に示すように、点A′の水蒸気量Q3′が点Bの水蒸気量Q2未満である場合、制御部70は、設定処理部72を通じて目標温湿度の水蒸気量が飽和水蒸気量となる温度T1を蒸発温度に設定する(ステップS108)。
上記ステップS108にて蒸発温度を設定した制御部70は、冷却運転制御部73を通じて圧縮機62及び循環ファンモータ66aに駆動指令を与えるとともに電子膨張弁64に開度指令を与える(ステップS109,ステップS110)。
これによれば、収納室11の内部が冷却される方向に推移する。しかしながら、水蒸気量が目標温湿度の水蒸発量に満たないので、収納室11の内部温度を目標温度T2にしたとしても、目標湿度Q2以下となり、図9の点Cとなってしまう。
そこで、制御部70は、加湿運転制御部74を通じて電圧調整部32に指令を与えて第1電極22aと第2電極22bとの間における印加電圧の増減を調整するとともに(ステップS111)、ファンモータ41に駆動指令を与え(ステップS112)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、筐体10の外部空気、すなわち水蒸気を含む空気が陽極面23aに供給されて当接する。これにより、陽極面23aでは、上記式(3)の反応が起こるとともに、陰極面23bでは、上記式(4)の反応が起こり、陰極面23bで生じた水素が筐体10の内部空気の酸素成分と反応して水分子となることにより、筐体10の内部空気が加湿される。この結果、収納室11の内部を目標温湿度に近似する方向に推移させることができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態2である調湿什器によれば、ファン40が回転して調湿素子20の陽極面23aに対して外部空気を供給するので、陽極面23aと外部空気に含まれる水分との単位時間当たりの接触機会を増加させることができ、これにより処理水分量が増大し、筐体10の内部空気の湿度の調整に要する時間の短縮化を図ることができる。
また、上記調湿什器によれば、制御部70が、冷却運転指令が与えられた場合に、目標温湿度での水蒸気量が飽和水蒸気量となる温度を蒸発器61における冷媒の蒸発温度として内部空気の冷却運転制御を行うので、損失水分量の低減化を図ることができる。しかも、制御部70が、冷却運転制御を行う時点での収納室11の内部空気の温湿度の水蒸気量が目標温湿度の水蒸気量未満である場合には、電圧調整部32を駆動させるとともにファン40を駆動させるので、筐体10の内部空気が加湿され、結果的に目標温湿度に近づけることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態1及び2について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態1及び2では、空気供給手段を構成するファン40が、軸部42の中心軸Lが調湿素子20の陽極面23a等に直交する態様で設置されていたが、本発明においては、調湿素子20の第1面(陽極面23a)に空気を供給することができれば、空気供給手段の形態は特に限定されるものではない。すなわち、空気供給手段を構成するファン40は、回転の軸心となる軸部の中心軸が調湿素子20の第1面に直交していなくてもよい。
上述した実施の形態1では、陽極面23aが筐体10の外部を臨むとともに陰極面23bが筐体10の内部を臨む態様で調湿素子20が設置され、外部空気が陽極面23aに供給されるようにして筐体10の内部空気を加湿していたが、本発明においては、第2面(陰極面23b)が筐体10の外部を臨むとともに第1面(陽極面23a)が筐体10の内部を臨む態様で調湿素子20が設置され、内部空気が第1面に供給されるようにして筐体10の内部空気を除湿してもよい。この場合には、空気供給手段を構成するファン40を筐体10の内部に設置することとなる。
上述した実施の形態1及び2では、筐体10の通気孔16aを閉塞する態様で1つの調湿素子20が設置されていたが、本発明においては、複数の調湿素子20が設置されてもよい。この場合、一の調湿素子20は、第1面が筐体10の外部を臨むとともに第2面が筐体10の内部を臨む態様で設置され、他の調湿素子20は、第1面が筐体10の内部を臨むとともに第2面が筐体10の外部を臨む態様で設置されることが好ましい。これによれば、筐体10の内部空気を加湿する場合には、空気供給手段により一の調湿素子20の第1面に外部空気を供給するようにすればよく、筐体10の内部空気を除湿する場合には、空気供給手段により他の調湿素子20の第1面に内部空気を供給するようにすればよい。
10 筐体
11 収納室
16a 通気孔
20 調湿素子
21 板状部
22 電極対
21a SPE膜
21b チタン製メッシュ
21c カーボンペーパー
22a 第1電極
22b 第2電極
23a 陽極面
23b 陰極面
30 電圧印加手段
31 電源部
32 電圧調整部
40 ファン
42 軸部
50 制御部

Claims (7)

  1. イオン導電性電解質よりなる膜の両面に電極対が設けられて構成され、かつ什器本体である筐体に形成された通気孔を閉塞する態様で配置された調湿素子と、
    前記電極対に電圧を印加する電圧印加手段と
    を備え、
    前記筐体の内部空気の湿度を調整する調湿什器であって、
    前記膜の両面のうち相対的に電位が高い第1面に対して空気を供給する空気供給手段を備えたことを特徴とする調湿什器。
  2. 前記空気供給手段は、前記第1面に空気が所定の角度で当たるよう供給することを特徴とする請求項1に記載の調湿什器。
  3. 前記空気供給手段は、軸部の中心軸回りに回転可能なファンにより構成されており、
    前記ファンは、前記軸部の中心軸が前記第1面に対して直交する態様で設置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の調湿什器。
  4. 前記調湿素子は、前記第1面が前記筐体の外部を臨むとともに相対的に電位の低い第2面が前記筐体の内部を臨む態様で配置され、
    前記空気供給手段は、前記筐体の外部空気を前記第1面に供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の調湿什器。
  5. 前記調湿素子は、前記第1面が前記筐体の内部を臨むとともに相対的に電位の低い第2面が前記筐体の外部を臨む態様で配置され、
    前記空気供給手段は、前記筐体の内部空気を前記第1面に供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の調湿什器。
  6. 前記筐体の内部に設けられ、かつ自身に供給された冷媒が蒸発することにより該筐体の内部空気を冷却する蒸発器と、
    冷却運転指令が与えられた場合に、該冷却運転指令に含まれる目標温湿度での水蒸気量が飽和水蒸気量となる温度を前記蒸発器における冷媒の蒸発温度として該内部空気の冷却運転制御を行う制御手段と
    を備え、
    前記制御手段は、前記冷却運転制御を行う時点での前記筐体の内部空気の温湿度の水蒸気量が前記目標温湿度の水蒸気量未満となる場合には、前記電圧印加手段を駆動させる加湿制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の調湿什器。
  7. 前記制御手段は、前記加湿制御を行う際に前記空気供給手段を駆動させることを特徴とする請求項6に記載の調湿什器。
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