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JP2017031627A - 止水構造 - Google Patents

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JP2017031627A JP2015151477A JP2015151477A JP2017031627A JP 2017031627 A JP2017031627 A JP 2017031627A JP 2015151477 A JP2015151477 A JP 2015151477A JP 2015151477 A JP2015151477 A JP 2015151477A JP 2017031627 A JP2017031627 A JP 2017031627A
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Abstract

【課題】迅速に設置ができ、かつ、高い止水性を発揮できる止水構造を提供する【解決手段】建物の開口2aや地下鉄等の出入口に設置して水の浸入を堰き止める止水板50と、前記止水板50を支持する支持部材7と、の間の隙間の止水構造1において、前記隙間で膨張するように吸水性膨張材8が前記止水板50に取り付けられていることを特徴とする止水構造1。吸水性膨張材8は、吸水することで支持部材7と止水板50との隙間において膨張するので、吸水性膨張材8が隙間を閉塞することができる。このため、支持部材7と止水板50との隙間に止水チューブを設けて気体もしくは液体を封入する必要がなく、隙間に吸水性膨張材8を設けるだけで、止水性を発揮することができる。これによって、ゲリラ豪雨のような突発的な浸水のおそれに対しても迅速に止水対策を講じることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、止水構造に関する。
従来、大雨や洪水などの際、建物や地下鉄駅の出入口に水が浸入するのを防止するために止水板(防水板)を設置して水を堰き止めるようにしている。
特許文献1に記載の防水板の止水構造では、ガイド溝31を有する支柱30に防水板32がガイド溝31に沿って取り付けられ、支柱30と防水板32との間に生じる隙間に止水チューブ33を設けている。
この止水チューブ33は、中空なゴム等の弾性体で形成されており、内部に気体もしくは液体が封入されることで膨張する。このため、支柱30と防水板32との隙間が止水チューブ33により埋められ、止水構造が形成されることとなる。
実開平07−38472号公報
しかしながら、特許文献1に記載の防水板の止水構造では、支柱30に防水板32を取り付けた後、支柱30と防水板32との隙間に設けられた止水チューブ33に気体もしくは液体を封入して止水チューブ33を膨らませて隙間を閉塞し、止水性を発揮している。
このため、支柱30に防水板32を取り付けるだけでは止水性を発揮することができず、止水構造を設置するのに時間を要するという問題がある。
設置に時間を要するため、ゲリラ豪雨など突発的な降雨に対して迅速に対応することができないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、迅速に設置ができ、かつ、高い止水性を発揮できる止水構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば、図1−3に示すように、建造物の開口2aに設置して水の浸入を堰き止める止水板50と、前記止水板50を支持する支持部材7と、の間の隙間の止水構造1において、吸水するにつれて体積が膨張する吸水性膨張材8が前記隙間で膨張するように前記止水板50に取り付けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、建造物の開口2aに設置して水の浸入を堰き止める止水板50と、前記止水板50を支持する支持部材7と、の間の隙間の止水構造1において、吸水するにつれて体積が膨張する吸水性膨張材8が前記隙間で膨張するように止水板50に取り付けられているので、止水板50が水を堰き止める際、支持部材7と止水板50との隙間から浸入する水を吸水性膨張材8により吸水することができる。
また、吸水性膨張材8は、吸水することで支持部材7と止水板50との隙間において膨張するので、吸水性膨張材8が隙間を閉塞することができる。
このため、支持部材7と止水板50との隙間に止水チューブを設けて気体もしくは液体を封入する必要がなく、隙間に吸水性膨張材8を設けるだけで、止水性を発揮することができる。
これによって、ゲリラ豪雨のような突発的な浸水のおそれに対しても迅速に止水対策を講じることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の止水構造において、例えば、図1−3に示すように、前記吸水性膨張材8は、吸水性材料81と、この吸水性材料81を内包する透水性の袋82と、を備えており、前記袋82は、前記吸水性材料81の吸水前においては長尺帯状であり、前記吸水性材料81の吸水後においては前記隙間内で拡張可能に構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、吸水性膨張材8は、吸水性材料81と、この吸水性材料81を内包する透水性の袋82と、を備えており、袋82は、吸水性材料81の吸水前においては長尺帯状であり、吸水性材料81の吸水後においては隙間内で拡張可能に構成されているので、吸水性膨張材8が吸水して膨張することで軟化しても、その後、浸入しようとする水の水圧により押し流されてしまうおそれをなくすことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の止水構造において、前記吸水性膨張材8は前記止水板50に予め取り付けられ、不使用時においては前記吸水性膨張材8の表面が非透水性の保護膜で覆われていることを特徴とする。
例えば、支持部材7が屋外に常設されるような場合であって、かつ、仮に支持部材7に吸水性膨張材8が設けられていると、雨の降り始めの段階で吸水性膨張材8が膨張してしまい、支持部材7に止水板50を支持させられなくなるおそれがある。
これに対して、請求項3に記載の発明によれば、吸水性膨張材8は止水板50に予め取り付けられているので、止水板50を支持部材7に支持させた後に吸水性膨張材8が膨張することになり、支持部材7に止水板50を支持させられなくなるようなおそれがない。
さらに、吸水性膨張材8の表面が非透水性の保護膜で覆われているので、止水板50を取り付ける直前に非透水性の保護膜を剥離すれば、より一層吸水性膨張材8が止水板50を取り付ける前に膨張してしまうおそれをなくすことができる。
このため、ゲリラ豪雨など突発的な降雨によって支持部材7が濡れたとしても止水板50を屋内や屋外収納庫などに格納しておき、止水板50を支持部材7に取り付ける直前に非透水性の保護膜を剥離すれば、吸水性膨張材8が膨張する前に支持部材7に止水板50を取り付けることができる。
つまり、支持部材7を屋外に常設することができ、止水対策を行う際に、止水板50を格納場所から取り出して支持部材7に取り付けるだけで止水対策を講じることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の止水構造において、例えば、図1,3に示すように、前記止水板50は、立てられた状態の複数の板材51が積み重ねられて構成されており、下段の前記板材51の上面が凸状に形成され、上段の前記板材51の下面には前記板材51の上面に重なり嵌合する凹状の溝51bが形成され、前記溝51bの底部に前記吸水性膨張材8が設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、止水板50は、立てられた状態の複数の板材51が積み重ねられて構成されており、下段の板材51の上面が凸状に形成され、上段の板材51の下面には板材51の上面に重なり嵌合する凹状の溝51bが形成され、溝51bの底部に吸水性膨張材8が設けられるので、板材51を支持部材7に取り付ける際、水に濡れにくく、凹状の溝51bの底部に設けられるので、吸水性膨張材8が位置ずれするおそれがない。
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の止水構造において、例えば、図4−6に示すように、前記止水板50の下縁および両側縁に前記吸水性膨張材8が取り付けられ、前記支持部材7は建物のドア枠10であり、前記止水板50はドア30が開いた状態で前記ドア枠10の下部に設置され、前記ドア30を閉めることで、前記ドア枠10の下部と前記ドア30の下部に前記止水板50が圧着され、前記ドア30の下部における下縁および両側縁と、前記ドア枠10の下部における下枠および両側の縦枠14,15と、の間の隙間が、前記止水板50に取り付けられた前記吸水性膨張材8で塞がれることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、止水板50の下縁および両側縁に吸水性膨張材8が取り付けられ、支持部材7は建物のドア枠10であり、止水板50はドア30が開いた状態でドア枠10の下部に設置され、ドア30を閉めることで、ドア枠10の下部とドア30の下部に止水板50が圧着され、ドア30の下部における下縁および両側縁と、ドア枠10の下部における下枠および両側の縦枠14,15と、の間の隙間が、止水板50に取り付けられた吸水性膨張材8で塞がれるので、ドア30を閉じた状態において、吸水性膨張材8が止水板50とドア30との隙間に設けられ、支持部材7と止水板50との隙間にも吸水性膨張材8が設けられるので、開口2aから水が浸入するのを防ぐことができる。
このため、止水構造1とドア30とを一体的に形成することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の止水構造において、例えば、図4−6に示すように、前記止水板50には、前記止水板50の下縁および両側縁から外側へ張り出す軟質止水材53d,55dが設けられ、前記吸水性膨張材8が前記軟質止水材53d,55dの表面に貼り付けられることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、止水板50には、止水板50の下縁および両側縁から外側へ張り出す軟質止水材53d,55dが設けられ、吸水性膨張材8が軟質止水材53d,55dの表面に貼り付けられるので、ドア30を閉じる際に軟質止水材53d,55dと吸水性膨張材8をドア枠10に沿って変形させることにより、止水板50とドア枠10との間だけでなく、吸水性膨張材8をドア枠10とドア30との間にまで設置することができる。
このため、水を堰き止める機能を果たす箇所が増大し、止水性をより向上させることができる。
本発明によれば、迅速に設置ができ、かつ、高い止水性を発揮できる止水構造を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る止水構造を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る止水構造の支持部材と止水板と吸水性膨張材とを示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る止水構造の板材同士の接合を示した断面図である。 本発明の第2実施形態に係る止水構造が設けられたドア装置を屋内側から見て示した正面図である。 図4において示したV−V断面の断面図である。 図4において示したVI−VI断面の断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
本発明の第1実施形態では、図1に示したように、止水構造1が建物の外壁2の1階床からの矩形状の開口2aの外方に設けられている。
この止水構造1は建物の外や中へ出入りするための出入口に適用される。出入口は建物の一階または地階の外壁2に設けられており、豪雨時の屋内への浸水がこの止水構造1によって防止される。
第1実施形態では、建物の開口2aに止水構造1を設けるとしたが、その他の建造物であってもよい。
ここで、建造物としては、例えば建物(例えば、住宅、集合住宅、ビルディング、駅舎その他の建築物)の躯体(特に外壁であり、より具体的には一階又は地階の外壁)、塀、門柱、通路の側壁、地下出入口構造物等である。
また、地下出入口構造物とは、地下施設(例えば、 地下鉄の駅構内、地下通路、地下街、地下室、地下駐車場等)から地上への階段又は通路における地上の出入口を囲う構造物をいう。
止水構造1は、開口2aから浸入しようとする水を堰き止める止水板50と、この止水板50が直立平面となるように支持する支持部材7と、止水板50と支持部材7との隙間に嵌装される吸水性膨張材8と、を備えている。
図1,3に示すように、止水板50は、矩形平板である板材51が立てられた状態で複数積み重ねられて形成される構成である。
立てられた状態の板材51には、上面に断面矩形状の突起51aが設けられ、下面には断面矩形状の溝51bが形成されている。
このため、板材51を積み重ねる際、下段の板材51の上面にある突起51aと、上段の板材51の下面にある溝51bとが嵌合するようになっている。
図1,2に示すように、支持部材7は、開口2aの両側縁部の外壁2に外方から隙間なく当接して設けられている。具体的には、支持部材7と外壁2との間にコーキング材が充填されたり、その他、樹脂製の水密材が設けられたりしている。つまり、支持部材7と外壁2との間が水密になっている。
この支持部材7は、鉛直方向に立設されたコ字状断面の支柱および図示しない地面に設けられる補助下片部材である。支柱のコ字状断面は、離間して設けられる互いの支持部材7に向かって開口しており、厳密にはコ字状断面の縁端部が内側へ向かって直角に折れ曲がっている(例えば、C形鋼が用いられている)。
補助下片部材は、下段の板材51の溝51bに合致する突起(突起51aと同形状)であり、向かい合う支柱同士を地面に沿って接続している。
支持部材7は、向かい合うコ字状断面の開口に板材51の両側端がそれぞれ嵌装されることで板材51を支持している。また、下段の板材51は、その下面の溝51bが補助下片部材に嵌合される。
また、止水板50の上面、つまり、最上段の板材51の上面は、支持部材7に取り付けられる図示しない固定具により上下方向への動きを規制されている。
吸水性膨張材8は、吸水性材料81を備えており、吸水することで膨潤して体積が増大する。
この吸水性材料81としては、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、デンプン系、セルロース系などを用いることができる。
吸水性材料81は、透水性の袋82の中に収容されており、この袋82は長尺帯状に形成されており、幅寸法や長さ寸法に比して厚み寸法が小さく形成されている。吸水性材料81が吸水して膨張する際には、主にこの厚み寸法が増大するように膨張する。
具体的には、袋82にガゼットが形成されている、もしくは、袋82の素材として伸縮性の素材などが用いられている。
また、吸水性膨張材8は、止水板50の下縁および両側縁に取り付けられる。つまり、吸水性膨張材8は、板材51の両側縁および最下段に設けられる板材51の下縁に取り付けられている。
さらに、吸水性膨張材8は、溝51bの底部にも設けられている。このため、板材51を積み重ねることで突起51aと溝51bとの間に吸水性膨張材8が挟み込まれることとなる。
なお、止水板50、すなわち板材51は、支持部材7に嵌装されない状態(すなわち、不使用時)においては、風雨にさらされない格納庫などに乾燥状態を保ったまま収納されている。
吸水性膨張材8は、板材51が支持部材7に嵌装されない状態においては、表面が非透水性の保護膜で覆われている。
この保護膜としては、吸水性膨張材8の表面に膜を形成でき、使用時にはがせるものであればよい。例えば、ポリエチレン等の樹脂製シートによって覆われている。
吸水性膨張材8は、支持部材7に板材51が嵌装された状態において、支持部材7のコ字状断面の内側と、板材51の側端部(屋外側平面、屋内側平面および側端面)との間の隙間に嵌装されている。
また、吸水性膨張材8によって閉塞された隙間に僅かな隙間が残存し水が浸入したとしても吸水性膨張材8が浸入した水を吸水して膨張するので、僅かな隙間も吸水性膨張材8が閉塞することとなる。
また、吸水により膨張する吸水性膨張材8は、板材51の側端部と支持部材7の内面とをそれぞれ押圧するので、それぞれとの接面には大きな圧力が生じることとなり、より一層止水性が向上することとなる。
また、板材51同士の間からの水の浸入に対しても、積み重なる板材51の上面の突起51aと下面の溝51bとの間に吸水性膨張材8が挟み込まれるので、浸入した水が吸水性膨張材8に吸水されるようになっている。
また、最上段の板材51の上面は、支持部材7に取り付けられる図示しない固定具により上下方向への動きが規制されているので、板材51の間の吸水性膨張材8が膨張することで、板材51が浮き上がることがない。このため、吸水性膨張材8と、板材51の突起51aおよび溝51bとの接面における圧力が大きくなり、より一層板材51間の止水性が向上することとなる。
また、このような固定具がない場合は、板材51の重みだけで板材51同士の接面における圧力を確保する必要があるため、十分に重い板材51を用いる必要がある。
これに対し、固定具があれば、軽い板材51を用いることができ、容易に板材51を設置することができる。
なお、吸水性膨張材8は、吸水して膨張した使用後は、廃棄処分して新たなものを板材51に取り付ける。このため、袋82には両面粘着テープが備えられており、膨張した吸水性膨張材8を剥がした後に、新しいものを取り付けるようになっている。
以上のように、第1実施形態では、例えば、図1−3に示すように、建物の開口2a部や地下鉄等の出入口に設置して水の浸入を堰き止める止水板50と、止水板50を支持する支持部材7と、の間の隙間の止水構造1において、隙間で膨張するように吸水性膨張材8が止水板50に取り付けられているので、止水板50が水を堰き止める際、支持部材7と止水板50との隙間から浸入する水を吸水性膨張材8により吸水することができる。
また、吸水性膨張材8は、吸水することで支持部材7と止水板50との隙間において膨張するので、吸水性膨張材8が隙間を閉塞することができる。
このため、支持部材7と止水板50との隙間に止水チューブを設けて気体もしくは液体を封入する必要がなく、隙間に吸水性膨張材8を設けるだけで、止水性を発揮することができる。
これによって、ゲリラ豪雨のような突発的な浸水のおそれに対しても迅速に止水対策を講じることができる。
また第1実施形態では、例えば、図1−3に示すように、吸水性膨張材8は、透水性の袋82に入れられ、長尺の薄い帯状に形成されているので、吸水性膨張材8が吸水して膨張することで軟化しても、その後、浸入しようとする水の水圧により押し流されてしまうおそれをなくすことができる。
また、第1実施形態では、吸水性膨張材8が止水板50に取り付けられ、吸水性膨張材8の表面が非透水性の保護膜で覆われているので、例えば、支持部材7が屋外に常設されるような場合、支持部材7に吸水性膨張材8が設けられていると、雨の降り始めの段階で吸水性膨張材8が膨張してしまい、支持部材7に止水板50を支持させられなくなるようなおそれがない。
さらに、吸水性膨張材8の表面が非透水性の保護膜で覆われているので、止水板50を取り付ける直前に非透水性の保護膜を剥離すれば、より一層吸水性膨張材8が止水板50を取り付ける前に膨張してしまうおそれをなくすことができる。
このため、ゲリラ豪雨など突発的な降雨によって支持部材7が濡れたとしても止水板50を屋内や屋外収納庫などに格納しておき、止水板50を支持部材7に取り付ける直前に非透水性の保護膜を剥離すれば、吸水性膨張材8が膨張する前に支持部材7に止水板50を取り付けることができる。
つまり、支持部材7を屋外に常設することができ、止水対策を行う際に、止水板50を格納場所から取り出して支持部材7に取り付けるだけで止水対策を講じることができる。
また、第1実施形態では、例えば、図1,3に示すように、止水板50が複数の板材51を積み重ねることで形成される構造であり、下段の板材51の上面に矩形状の突起51aが設けられ、上段の板材51の下面には板材51の上面の突起51aに重なり嵌合するコ字状の溝51bが形成され、溝51bの底部に吸水性膨張材8が設けられるので、板材51を支持部材7に取り付ける際、水に濡れにくく、コ字状の溝51bの底部に設けられるので、吸水性膨張材8が位置ずれするおそれがない。
さらに、板材51の間からの水の浸入に対して、浸入してきた水を溝51bの底部に設けられた吸水性膨張材8が吸水するので、水の浸入を防ぐことができる。
また、第1実施形態では、最上段の板材51の上面は、支持部材7に取り付けられる図示しない固定具により上下方向への動きを規制されているので、板材51の間の吸水性膨張材8が膨張することで、板材51の浮き上がりを防止することができる。
このため、吸水性膨張材8の膨張により、吸水性膨張材8と、板材51の突起51aおよび溝51bとの接面における圧力が大きくなり、より一層板材51間の止水性を向上させることができる。
また、このような固定具がない場合は、板材51の重みだけで板材51同士の接面における圧力を確保する必要があるため、十分に重い板材51を用いる必要がある。
これに対し、本実施形態のように固定具があれば、軽い板材51を用いることができ、容易に板材51を設置することができる。
このため、比較的体力のない女性や子供でも設置作業を行うことができ、緊急時において、男手がない状況においても止水構造1を設置することができる。
次に、本発明の第2実施形態では、図4に示したように、建物のドア30の内側に止水構造1が設けられている。
この止水構造1は建物の外や中へ出入りするための出入口に適用される。出入口は建物の一階または地階の外壁2に設けられており、豪雨時の屋内への浸水がこの止水構造1によって防止される。
第2実施形態では、建物のドア30に止水構造を設けるとしたが、その他の建造物であってもよい。
ここで、建造物としては、例えば建物(例えば、住宅、集合住宅、ビルディング、駅舎その他の建築物)の躯体(特に外壁であり、より具体的には一階又は地階の外壁)、塀、門柱、通路の側壁、地下出入口構造物等である。
また、地下出入口構造物とは、地下施設(例えば、 地下鉄の駅構内、地下通路、地下街、地下室、地下駐車場等)から地上への階段又は通路における地上の出入口を囲う構造物をいう。
この止水構造1は、閉じた状態のドア30と戸当り20との間に止水板50を挟み込むことによって、ドア30と戸当り20との間の隙間を通じた浸水を止水板50によって防止するものである。より具体的には、この止水構造1は、屋外に冠水した水の圧力を利用して、止水板50を戸当り20に押し当てることによって止水性を向上させたものである。
続いて、止水構造1の構成について具体的に説明する。
この止水構造1は、ドア枠10、戸当り20、ドア30、ヒンジ40および止水板50等から構成されている。
ドア枠10は外壁2に取り付けられている。より具体的には、外壁2の外側と内側とに通じる矩形状の開口2a(前記出入口)が外壁2に設けられており、ドア枠10がその開口2aの内側でその開口2aの縁に沿って外壁2に固定されている。
ドア枠10は、上枠12、下枠13および左右の縦枠14,15を矩形状に枠組みしたものである。つまり、縦枠14,15が互いに間隔をおいて上下に延在し、上枠12および下枠13が互いに間隔をおいて左右に延在し、上枠12の左右の端が縦枠14,15の上端にそれぞれ連結され、下枠13の左右の端が縦枠14,15の下端にそれぞれ連結されている。
戸当り20は、ドア枠10の内側に凸状に設けられているとともに、正面から見て矩形枠状に設けられている。戸当り20は上部戸当り22、下部戸当り23および縦戸当り24,25から構成されている。上部戸当り22が、上枠12の内側に凸状に設けられているとともに、上枠12に沿って左右に延在する。下部戸当り23が、下枠13の内側に凸状に設けられているとともに、下枠13に沿って左右に延在する。縦戸当り24,25は、それぞれ縦枠14,15の内側に凸状に設けられているとともに、それぞれ縦枠14,15に沿って上下に延在する。
ドア30は開き戸式の扉である。このドア30は、ヒンジ40によって縦枠14に取り付けられて、このヒンジ40によって開閉可能に設けられている。具体的には、ドア30が縦戸当り24よりも屋外において縦枠14にヒンジ結合されており、ドア30が閉じた状態では、ドア30が戸当り20よりも屋外に配置されて、そのドア30が戸当り20に当たる。つまり、このドア30は、屋外へ開く外開き式の扉である。
図5は、図4に示すV−Vに沿った面を矢印方向に向かって見て示した縦断面図である。図5に示すように、上部戸当り22の屋外側の面には、中空に形成されたエラストマー(ゴム弾性体)からなる図示しない上部パッキンが固着され、上部戸当り22に沿って設けられている。同様にして、下部戸当り23の屋外側の面には、中実に形成されたエラストマーからなる下部パッキン63が固着され、この下部パッキン63は下部戸当り23に沿って設けられている。
下部パッキン63は、中実に形成されているため、上部パッキンよりも高い弾性力を有している。
図6は、図4に示すVI−VIに沿った面を矢印方向に向かって見て示した横断面図である。図6に示すように、図1における右側の縦戸当り25の屋外側の面には、エラストマーからなる縦パッキン65が固着され、その縦パッキン65は縦戸当り25に沿って設けられている。同様にして、左側の縦戸当り24の屋外側の面にも縦パッキンが固着され、この左の縦パッキンは縦戸当り24に沿って設けられている。
縦戸当り24,25にそれぞれ設けられる縦パッキン65および左の縦パッキンは、中空に形成されたエラストマーであるが、板材51の側部シール55と当接する箇所のみが中実に形成されている。
縦パッキン65は、中実に形成された箇所が下部パッキン63と同等の高い弾性力を有しており、それ以外の中空に形成された箇所が上部パッキンと同等の弾性力を有している。
なお、縦パッキン65における中実に形成された箇所と中空に形成された箇所は切れ目なく連続している。
図4に示すように、止水板50は、ドア30の屋内側の面の下部に対向して、その面に面接触される。この止水板50は、アタッチメントであって、ドア30に対して着脱・接離可能である。
止水板50は、矩形状に設けられた板材51の縁部にシール52を設けたものである。
この板材51の幅寸法は、縦枠14と縦枠15との離間寸法と略同じ寸法に形成されている。このため、止水板50をドア枠10に取り付ける際、シール52が縦枠14,15に圧着されるようになっている。
また、板材51は透明、半透明または不透明な金属板、樹脂板、木板、ガラス板またはセラミック板である。図4では、板材51が樹脂(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、PVC樹脂、PBT樹脂若しくはポリアミド樹脂またはこれらの中の2以上のアロイ)からなる。
なお、板材51が柔軟性・可撓性を有する薄板(シート)であってもよい。その場合には、板材51が樹脂からなることが好ましい。板材51を折ったり、丸めたりすることができるので、晴天時等において止水板50を使用しない場合には、止水板50をコンパクトにして収納することができる。
シール52はエラストマーからなる。シール52は正面から見てU字型(横コ字型)に形作られており、シール52のうち板材51の左右両側の端部に沿って設けられた部位をそれぞれ側部シール54,55といい、シール52のうち板材51の下端部に沿って設けられた部位を下部シール53という。
図5に示すように、下部シール53は、その一部が横断面U字型に形成され、ここに板材51の下端部が嵌め込まれている。
より具体的に説明すると、下部シール53は、板材51の下端部を被覆するためのウエブ53aと、板材51の前面および後面の下端部を被覆するためのフランジ部53b,53cと、を有する。
このため、板材51の下端部を下部シール53における横断面U字型の箇所に嵌め込むだけで、板材51の下端部が下部シール53のウエブ53aによって被覆され、板材51の前面および後面の下端部が下部シール53のフランジ部53b,53cによってそれぞれ被覆された状態となる。
また、下部シール53には、板材51の下端部側から下方へと張り出す下部軟質止水材53dが設けられている。この下部軟質止水材53dは、止水板50がドア枠10に立て掛けられる際に、下枠13の上面に沿って屋外側へ折曲がって配置される。
なお、この下部軟質止水材53dは、上記の横断面U字型に形成された箇所と一体または一体的に形成されている。
より具体的に説明すると、下部軟質止水材53dは、下部シール53の下端部であるウエブ53aから、板材51と同一平面内において下方へ張り出して設けられている。さらに、止水板50をドア枠10に立て掛ける際、下枠13にウエブ53aが当接されることとなるため、下部軟質止水材53dは、ウエブ53aとの接続部から折れ曲がり下枠13に沿って屋外側へと延出することとなる。
このような下部軟質止水材53dは、ドア30を閉じた状態において、ドア30の下面と下枠13の上面とに挟み込まれている。
吸水性膨張材8は、フランジ部53bの表面(屋内側)に止水板50の幅方向に沿って延設される下部鉛直部83と、下部軟質止水材53dの片面(屋内側)に止水板50の幅方向に沿って延出される下部張出部84と、が設けられている。
また、吸水性膨張材8は、フランジ部53bからウエブ53aを介して下部軟質止水材53dまで下部鉛直部83と下部張出部84とが切れ目なく設けられている。
また、ドア30を閉じた状態において、フランジ部53bおよび下部鉛直部83が止水板50と下部パッキン63とに挟み込まれ、下部軟質止水材53dおよび下部張出部84がウエブ53aから屋外側へと下枠13に沿って折れ曲がり、ドア30の下面と下枠13の上面とに挟み込まれる。
側部シール55も同様にして、その一部が横断面U字型に形成され、ここに板材51の両側縁が嵌め込まれている。
より具体的に説明すると、側部シール54,55は、板材51の両側縁を被覆するためのウエブ55aと、板材51の前面および後面の下縁を被覆するためのフランジ部55b,55cと、を有する。
このため、板材51の両側縁を側部シール54,55における横断面U字型の箇所に嵌め込むだけで、板材51の両側縁が側部シール54,55のウエブ55aによって被覆され、板材51の前面および後面の両側縁が側部シール54,55のフランジ部55b,55cによってそれぞれ被覆された状態となる。
また、側部シール55には、板材51の両側縁から側方へと張り出す側部軟質止水材55dが設けられている。この側部軟質止水材55dは、止水板50がドア枠10に立て掛けられる際に、縦枠14,15の内面に沿って屋外側へ折曲がって配置される。
なお、この側部軟質止水材55dは、上記の横断面U字型に形成された箇所と一体または一体的に形成されている。
より具体的に説明すると、側部軟質止水材55dは、側部シール55の両側縁であるウエブ55aから、板材51と同一平面内において側方へ張り出して設けられている。さらに、止水板50をドア枠10に立て掛ける際、縦枠14,15にウエブ55aが当接されることとなるため、側部軟質止水材55dは、ウエブ55aとの接続部から折れ曲がり縦枠14,15に沿って屋外側へと延出することとなる。
このような側部軟質止水材55dは、ドア30を閉じた状態において、ドア30の側面と縦枠14,15の内面とに挟み込まれている。
吸水性膨張材8は、フランジ部55bの表面(屋内側)に止水板50の高さ方向に沿って延設される側部鉛直部85と、側部軟質止水材55dの片面(屋内側)に止水板50の幅方向に沿って延出される側部張出部86と、が設けられている。
また、吸水性膨張材8は、フランジ部55bからウエブ55aを介して側部軟質止水材55dまで側部鉛直部85と側部張出部86とが切れ目なく設けられている。
また、ドア30を閉じた状態において、フランジ部55bおよび側部鉛直部85が止水板50と右の縦パッキン65および左の縦パッキンとに挟み込まれ、側部軟質止水材55dおよび側部張出部86がウエブ55aから屋外側へと縦枠14,15に沿って折れ曲がり、ドア30の側面と縦枠14,15の内面とに挟み込まれる。
なお、左側の側部シール54は、右側の側部シール55と対称的に形成されているため、その詳細については説明を省略する。
続いて、止水板50の設置について説明する。
まず、ドア枠10に止水板50を設置する。
ドア30を屋外側へ開けて、止水板50の板材51を戸当り20の屋外側で下部戸当り23および縦戸当り24,25に立て掛ける。
このとき、フランジ部53bの表面に設けられた下部鉛直部83を下部パッキン63に当接し、フランジ部55bの表面に設けられた側部鉛直部85を縦戸当り25に設けられた右の縦パッキン65に当接し、側部シール54の表面に設けられた側部鉛直部85を縦戸当り24に設けられた左の縦パッキンに当接する。
同時に、下枠13にウエブ53aが当接されることとなるため、下部軟質止水材53dは、ウエブ53aとの接続部から折れ曲がり下枠13に沿って屋外側へと延出されることとなり、下部軟質止水材53dの片面に設けられた下部張出部84が下枠13の上面に沿って当接されることとなる。
また、縦枠14,15にウエブ55aが当接されることとなるため、側部軟質止水材55dは、ウエブ55aとの接続部から折れ曲がり縦枠14,15に沿って屋外側へと延出されることとなり、側部軟質止水材55dの片面に設けられた側部張出部86が縦枠14,15の内面に沿って当接されることとなる。
次に、ドア30を閉じることにより、板材51の下端部、下部シール53、下部パッキン63および下部鉛直部83がドア30と下部戸当り23との間に挟持される(図5参照)。
また、板材51の左側の端部、側部シール54、左の縦パッキンおよび左の側部鉛直部85がドア30と縦戸当り24との間に挟持され、板材51の右側の端部、側部シール55、右の縦パッキン65および右の側部鉛直部85がドア30と縦戸当り25との間に挟持される(図6参照)。
また、下部軟質止水材53dおよび下部張出部84がドア30の下面と下枠13の上面に挟持され(図5参照)、側部軟質止水材55dおよび側部張出部86がドア30の側面と縦枠14,15の内面とに挟持される(図6参照)。
通常、ドア30と、下部パッキン63、縦パッキン65および左の縦パッキンとの間には何も挟まれることはないが、この箇所に止水板50が挟み込まれることで下部シール53、側部シール54,55、下部パッキン63、右の縦パッキン65、左の縦パッキン、下部鉛直部83および側部鉛直部85が圧縮されるので、これらによってドア30と戸当り20との間の隙間が閉塞される。
また、下部軟質止水材53d、側部軟質止水材55d、下部張出部84および側部張出部86が圧縮されるので、ドア30とドア枠10の隙間が閉塞される。
このため、止水性が向上する。また、ドア30の外が冠水すると、水圧によってドア30が閉じる方向へ押され、下部シール53、側部シール54,55、下部パッキン63、右の縦パッキン65、左の縦パッキン、下部鉛直部83および側部鉛直部85による止水性、並びに、下部軟質止水材53d、側部軟質止水材55d、下部張出部84および側部張出部86による止水性がさらに向上する。
また、ドア30とドア枠10との隙間に水が浸入する場合は、浸入した水を下部張出部84および側部張出部86が吸水することとなる。
吸水した下部鉛直部83および側部鉛直部85が膨張することにより、屋内側ドア30下縁の平面、下部鉛直部83、下部パッキン63および下戸当り23におけるそれぞれの部材の当接圧が高くなる。これと同様に屋内側ドア30両側縁の平面、側部鉛直部85、縦パッキン65、左の縦パッキンおよび縦戸当り24,25におけるそれぞれの部材の当接圧が高くなる。
吸水した下部張出部84および側部張出部86が膨張することにより、下部軟質止水材53d、下部張出部84、ドア30の下面および下枠13の上面におけるそれぞれの部材の当接圧が高くなる。これと同様に、側部軟質止水材55d、側部張出部86、ドア30の側面および縦枠14,15の内面におけるそれぞれの部材の当接圧が高くなる。
このため、吸水性膨張材8が吸水して膨張すると、ドア30とドア枠10との間の止水性がより一層向上することとなる。
なお、止水板50を撤去する際は、ドア30を屋外側へ開き、ドア枠10から止水板50を取り外すことによって行う。
以上のように、第2実施形態では、例えば、図4−6に示すように、止水板50の下縁および両側縁に吸水性膨張材8が取り付けられ、支持部材7は建物のドア枠10であり、止水板50はドア30が開いた状態でドア枠10の下部に設置され、ドア30を閉めることで、ドア枠10の下部とドア30の下部に止水板50が圧着され、ドア30の下部における下縁および両側縁と、ドア枠10の下部における下枠および両側の縦枠14,15と、の間の隙間が、止水板50に取り付けられた吸水性膨張材8で塞がれるので、ドア30を閉じた状態において、吸水性膨張材8が止水板50とドア30との隙間に設けられ、支持部材7と止水板50との隙間にも吸水性膨張材8が設けられるので、開口2aから水が浸入するのを防ぐことができる。
このため、止水構造1とドア30とを一体的に形成することができる。
また、第2実施形態では、例えば、図4−6に示すように、止水板50には、止水板50の下縁および両側縁から屋外側へ張り出す軟質止水材53d,55dが設けられ、吸水性膨張材8が軟質止水材53d,55dの表面に貼り付けられるので、止水板50とドア枠10との間だけでなく、吸水性膨張材8をドア枠10とドア30との間にまで設置することができる。
このため、水を堰き止める機能を果たす箇所が増大し、止水性をより向上させることができる。
以上、本発明を第1,2実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記第1,2実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
第2実施形態では、ドア30を閉じて止水構造を形成したがこれに限らず、例えば、ドア30を開けた状態で止水構造を形成してもよい。
ただし、板材51は極めて剛性の高い材質からなるか、板材51の撓みを抑える撓み抑制手段を併用するものとする。
これは、ドア30を開けた状態に保っても、下部シール53、側部シール54,55、下部パッキン63、縦パッキン65、左の縦パッキン、下部軟質止水材53dおよび側部軟質止水材55dによる止水性を確保することができるからである。
具体的には、屋外が冠水すると、水圧が板材51に直接作用し、板材51が戸当り20に押し付けられ、下部シール53、側部シール54,55、下部パッキン63、縦パッキン65および左の縦パッキンが圧着される。
また、下部軟質止水材53dおよび側部軟質止水材55dは、水圧により、それぞれ下枠13および縦枠14,15に圧着される。
このため、ドア30が開いた状態においても、止水性を発揮することができる。
こうすることで、浸水を防止しつつドア30を開けた状態とすることができるので、緊急時に開口2aを介して屋内から屋外へと避難、または、屋外から屋内へと救助もしくは一時帰宅等をすることができる。
また、第1実施形態では、補助下片部材が突起51aと同形状であるとしたが、これに限らず、例えば、支柱に用いるものと同様のものを用いてもよい。この場合、補助下片部材と板材51との間に吸水性膨張材8を嵌装することで地面と板材51との間の止水性を確保することができる。
また、第1実施形態では、補助下片部材を用いるとしたが、これに限らず、例えば、板材51を設置する箇所が土等である場合、下段の板材51の下面を先鋭形状にして、地面に突き刺すようにしてもよい。
また、第2実施形態では、下部シール53がウエブ53aおよびフランジ部53b,53cにより断面がU字状になるとしたが、これに限らず、例えば、フランジ部53cを設けない構成としてもよい。この場合、軟質止水材53dが止水板50とドア30とを被覆するので、止水性への影響はない。
また、側部シール55においても同様に、フランジ部55cがない構成としてもよい。
1 止水構造
2 外壁
2a 開口
7 支持部材
8 吸水性膨張材
10 ドア枠
12 上枠
13 下枠
14 縦枠
15 縦枠
23 下部戸当り
24 縦戸当り
25 縦戸当り
30 ドア
40 ヒンジ
50 止水板
51 板材
51a 突起
51b 溝
52 シール
53 下部シール
53a ウエブ
53b フランジ部
53c フランジ部
53d 下部軟質止水材
54 側部シール
55 側部シール
55a ウエブ
55b フランジ部
55c フランジ部
55d 側部軟質止水材
63 下部パッキン
65 縦パッキン
81 吸水性材料
82 袋
83 下部鉛直部
84 下部張出部
85 側部鉛直部
86 側部張出部

Claims (6)

  1. 建造物の開口に設置して水の浸入を堰き止める止水板と、前記止水板を支持する支持部材と、の間の隙間の止水構造において、
    吸水するにつれて体積が膨張する吸水性膨張材が前記隙間で膨張するように前記止水板に取り付けられていることを特徴とする止水構造。
  2. 請求項1に記載の止水構造において、
    前記吸水性膨張材は、吸水性材料と、この吸水性材料を内包する透水性の袋と、を備えており、
    前記袋は、前記吸水性材料の吸水前においては長尺帯状であり、前記吸水性材料の吸水後においては前記隙間内で拡張可能に構成されていることを特徴とする止水構造。
  3. 請求項1または2に記載の止水構造において、
    前記吸水性膨張材は前記止水板に予め取り付けられ、
    不使用時においては前記吸水性膨張材の表面が非透水性の保護膜で覆われていることを特徴とする止水構造。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の止水構造において、
    前記止水板は、立てられた状態の複数の板材が積み重ねられて構成されており、
    下段の前記板材の上面が凸状に形成され、
    上段の前記板材の下面には前記板材の上面に重なり嵌合する凹状の溝が形成され、
    前記溝の底部に前記吸水性膨張材が設けられることを特徴とする止水構造。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の止水構造において、
    前記止水板の下縁および両側縁に前記吸水性膨張材が取り付けられ、
    前記支持部材は建物のドア枠であり、
    前記止水板はドアが開いた状態で前記ドア枠の下部に設置され、
    前記ドアを閉めることで、前記ドア枠の下部と前記ドアの下部に前記止水板が圧着され、
    前記ドアの下部における下縁および両側縁と、前記ドア枠の下部における下枠および両側枠と、の間の隙間が、前記止水板に取り付けられた前記吸水性膨張材で塞がれることを特徴とする止水構造。
  6. 請求項5に記載の止水構造において、
    前記止水板には、前記止水板の下縁および両側縁から外側へ張り出す軟質止水材が設けられ、
    前記吸水性膨張材が前記軟質止水材の表面に貼り付けられることを特徴とする止水構造。
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