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JP2017030686A - 注意喚起装置、注意喚起方法、および注意喚起システム - Google Patents

注意喚起装置、注意喚起方法、および注意喚起システム Download PDF

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JP2017030686A JP2015155535A JP2015155535A JP2017030686A JP 2017030686 A JP2017030686 A JP 2017030686A JP 2015155535 A JP2015155535 A JP 2015155535A JP 2015155535 A JP2015155535 A JP 2015155535A JP 2017030686 A JP2017030686 A JP 2017030686A
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林 邦彦
Kunihiko Hayashi
邦彦 林
成宏 羽田
Naruhiro Haneda
成宏 羽田
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Abstract

【課題】不快感を与えることなく歩行者の頭部に光を照射して注意喚起をする。
【解決手段】車両の周囲を撮影した画像を解析して、注意喚起を要する歩行者の頭部に、0.6秒以下に設定された所定の照射時間の光を照射する。光の照射時間が長くなると、眩しくさせてやろうという悪意を歩行者が感じて不快になるが、照射時間が短ければ悪意を感じることはない。照射時間が0.6秒以下であれば、頭部に光を照射されても歩行者が悪意を感じることはないことが実験的に確かめられている。また、照射時間が0.6秒以下の短い時間でも、頭部に光を照射してやれば、歩行者は光が照射されたことを確実に認識することができる。このため、歩行者に不快感を与えることなく歩行者の頭部に光を照射して、確実に注意喚起することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両側から歩行者の注意を喚起するための技術に関する。
周囲に存在する歩行者に対して、車両から注意喚起する必要が生じる事態はしばしば発生する。このような事態が発生する状況を大きく分けると、周囲に存在する歩行者の全体を対象として漠然と注意喚起すれば良い状況と、対象となる歩行者を特定して注意喚起する必要がある状況とに分けることができる。
このうち、前者の状況では、クラクションを鳴らすなどのように警報音を出力して注意喚起することが一般的である。音は周囲に伝播するので、警報音を出力すれば、周囲に存在する歩行者などの全体を対象として注意喚起することができる。
これに対して、後者の状況で注意喚起する方法としては、歩行者に向けて光を照射して注意喚起する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。光は直進性が高いので、周囲に存在する歩行者の中から対象を特定して注意喚起することができる。
もっとも、照射した光が歩行者の顔に当たると眩しく感じて、歩行者を不快にさせてしまう虞がある。そこで、このようなことを回避するために、歩行者の足元に向けて照射したり、歩行者の進行方向前方の路面を照射したりするなど、様々な対策がなされている。
特開2013−124092号公報
しかし、歩行者の足元や前方の路面に光を照射したのでは、光が照射されていることに歩行者が気付かない場合や、歩行者が気付くまでに時間が掛かってしまって有効な注意喚起が行えない場合があるという問題があった。これは、歩行者は常に足元や前方を見ながら歩いているわけではなく、光が照射された時にたまたま足元や前方を見ていなかった場合には、照射された光に気付かないか、気付くまでに時間が掛かってしまうためである。そして、注意喚起しても歩行者が気付くまでに時間が掛かったのでは、注意喚起する目的が達せられ難くなるため、有効な注意喚起とはならない場合があるためである。
この発明は、従来技術が有する上記の課題に対応してなされたものであり、歩行者に不快感を与えることなく、歩行者の顔に光を照射することによって有効な注意喚起を可能とする技術の提供を目的とする。
上述した課題を解決するために本発明の注意喚起装置、注意喚起方法、および注意喚起システムは、車両の周囲を撮影した画像を解析して注意喚起を要する歩行者を特定したら、その歩行者の頭部に向かって、0.6秒以下に設定された所定の照射時間の光を照射する。
歩行者が頭部に光を照射されて不快に感じるのは、光を照射されて眩しく感じるからではなく、その眩しさが継続するためである。そして、光の照射が人為的になされたものであった場合には、眩しくさせてやろうという悪意を感じ取ることになって、不快感は特に大きくなる。このことから、短い時間であれば、光を照射されて眩しく感じても不快に感じたり、悪意を感じ取ったりすることはないと考えられる。その一方で、短い時間であっても光を照射されれば眩しく感じるので、歩行者は光を照射されたことに気が付く筈である。また、照射時間が長くなるほど、光を照射されたことに気付き易くはなるが、照射時間がある程度まで長くなると、不快に感じるようになると考えられる。そこで、頭部に光を照射されても不快に感じない時間を実験的に調べたところ、0.6秒以下であれば、不快に感じないとの結果が得られた。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、注意喚起を要する歩行者を検出すると、その歩行者の頭部に向かって、0.6秒以下に設定された所定の照射時間の光を照射する。こうすることで、歩行者に不快感を与えることなく、歩行者の頭部に向かって光を照射することで確実に注意喚起することが可能となる。
本実施例の注意喚起装置10を搭載した車両を示す説明図である。 注意喚起装置10の内部の構造を示すブロック図である。 注意喚起装置10の内部で実行される注意喚起処理のフローチャートである。 歩行者が車両の進行経路に向かっている様子を示す説明図である。 歩行者がスポット光の照射に気付いた時の様子を示す説明図である。 網膜反射が生じている時に撮影された前方画像を示す説明図である。 スポット光の照射を繰り返す場合の照射時間および待機時間の設定例を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.本実施例の装置構成 :
図1には、本実施例による注意喚起装置10を搭載した車両1が示されている。図示されるように、車両1には、注意喚起装置10に加えて、車載カメラ2と、照射装置3とが搭載されている。また、車載カメラ2と照射装置3とは1つのユニット4に収納されている。
車載カメラ2は、車両1から前方の状況を撮影して、得られた画像(以下、前方画像)を注意喚起装置10に出力する。
また、照射装置3は、注意喚起装置10の制御の下で、車両1の前方に向けてスポット光を照射する。ここでいうスポット光とは、照射範囲が絞り込まれた光を指し、例えば、光源から発散する光をレンズや凹面鏡などの光学系を用いて集光した光や、レーザー光のような指向性の高い光をスポット光として用いることが考えられる。
そして、注意喚起装置10は、車載カメラ2から取得した前方画像に基づいて歩行者を検出し、その歩行者の位置に応じてスポット光を照射するように照射装置3を制御する。
また、図1には、車両1の前方の状況が例示されており、車両1が走行している前方を歩行者が横切ろうとしている。このような状況では、照射装置3を用いて歩行者の前方の路面にスポット光を照射することが提案されている。しかし、前方の路面にスポット光を照射しても、歩行者がスマートフォン等を見ていた場合は、照射されたスポット光に気付かず、注意喚起できない虞がある。
そこで、本実施例の注意喚起装置10は、図中の実線で示されるように、歩行者の頭部に向けてスポット光を照射する。こうすれば、歩行者が何処を見ていても、スポット光が照射されたことに直ぐに気付かせることができる。また、本実施例の注意喚起装置10は、後述するように特殊な態様でスポット光を照射するので、歩行者に不快感を与える虞もない。以下では、注意喚起装置10の構造について簡単に説明した後、それを踏まえて、スポット光を照射して歩行者に注意喚起する処理について説明する。
図2には、注意喚起装置10の内部の構造を表すブロック図が示されている。図示されるように、注意喚起装置10は、画像取得部11と、歩行者特定部12と、光照射制御部13と、判断部14とを備えている。
画像取得部11は、車載カメラ2が撮影した前方画像を取得する。
歩行者特定部12は、前方画像を解析して注意喚起の対象となる歩行者を特定する。前方画像中から検出された歩行者が注意喚起を要する歩行者であれば、その歩行者を注意喚起の対象とする。そして、その歩行者の位置を取得することによって、歩行者の頭部にスポット光を照射することが可能となる。
光照射制御部13は、注意喚起を要すると特定された歩行者に対してスポット光を照射し、所定の時間が経過したら照射を止めるように照射装置3を制御する。
判断部14は、スポット光を所定の時間だけ照射した後、更にスポット光の照射を繰り返す必要があるか否かを判断する。この判断は、スポット光を照射した状態で画像取得部11が取得した前方画像に基づいて行う。そして、スポット光の照射を繰り返す必要があると判断された場合には、光照射制御部13は、再度、歩行者に対してスポット光を照射するように、照射装置3を制御する。
尚、画像取得部11、歩行者特定部12、光照射制御部13、判断部14の4つの「部」は、注意喚起装置10の内部を機能の観点から分類した概念であり、注意喚起装置10が物理的に区分されることを表すものではない。従って、これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーやタイマーを含む電子回路として実現することもできるし、これらを組み合わせることによって実現することもできる。
また、図2には、注意喚起装置10に加えて、照射装置3の大まかな内部構造についても示されている。尚、これら注意喚起装置10および照射装置3は、本発明の「注意喚起システム」に対応する注意喚起システム20を構成する。
照射装置3は、光源31と、光源が放射した光を集光してスポット光を生成する集光部32と、スポット光の照射位置を変更するための駆動部33とを備える。駆動部33は、照射装置3の向きを水平方向と鉛直方向とで別々に駆動するいわゆるパン・チルトアクチュエーターである。
スポット光の大きさは、任意に設定してよいが、歩行者の頭部より一回り大きな範囲に照射される程度に設定することが望ましい。これは、スポット光を大きく広げた方が、車両1から離れた歩行者の頭部に照射し易くなる一方で、大きく広げすぎると、注意喚起の対象ではない歩行者に対してもスポット光が当たる可能性が高くなり、光量を増やす必要も生じるからである。
B.注意喚起処理 :
図3には、注意喚起装置10が実行する注意喚起処理のフローチャートが示されている。この注意喚起装置10は、車両1が走行する間、繰り返し実行される処理である。注意喚起処理を開始すると、先ず始めに、車載カメラ2から車両1の前方画像を取得する(S101)。車載カメラ2は、毎秒30枚の間隔で撮影を続けるビデオカメラであり、注意喚起装置10は、このS101の処理を実行するタイミングで最新の前方画像を取得する。
続いて、取得した前方画像から、車両1と接触する虞のある歩行者が検出されるか否かを判断する(S102)。
図4には、車両1と接触する虞のある歩行者が検出される状況が例示されている。車両1と接触する虞のある歩行者を検出するために、先ず、歩行者の移動方向を取得する。図示されるような状況を車載カメラ2が撮影すると、その前方画像からは歩行者Aおよび歩行者Bが検出される。また、図示された状況より少し前のタイミングで撮影された前方画像からも歩行者Aおよび歩行者Bが検出されるため、二つの前方画像から検出位置の差を求めれば、歩行者Aおよび歩行者Bそれぞれの移動方向を取得できる。図中にはそうした移動方向が矢印で示されている。尚、画像中から歩行者を検出する方法については、種々の技術が周知となっているため、説明を省略する。
また、車両1と接触する虞のある歩行者を検出するために、歩行者の移動方向に加えて、車両1の走行領域についても取得する。車両1の現在の速度や、アクセル開度、ステアリング角度を取得すれば、車両1が直後に通過する走行領域を予測することができる。図中にはこのようにして予測された走行領域が斜線を施して示されている。
こうして取得される歩行者の移動方向と、車両1の走行領域とに基づいて、車両1と接触する虞のある歩行者を検出することができる。たとえば図示された状況では、歩行者Aの移動方向は車両1の走行領域に向かっていることから、歩行者Aは車両1と接触する虞のある歩行者として検出される。一方、歩行者Bについては、移動方向が車両1の走行領域に向かっていないことから、車両1と接触する虞のある歩行者としては検出されない。
尚、車両1と接触する虞のある歩行者の検出の方法は、これに限られるものではない。例えば、歩行者の移動方向を考慮することなく、単に車両1との距離が所定距離以下であれば、その歩行者を、車両1と接触する虞のある歩行者として検出してもよい。
以上のようにしてS102の判断をした結果、車両1と接触する虞のある歩行者が検出されなかった場合には(S102:no)、注意喚起処理を終了するか否かを判断し(S111)、処理を終了しない場合は(S111:no)、先頭に戻って再び前方画像を取得する(S101)。
これに対して、車両1と接触する虞のある歩行者が検出された場合には(S102:yes)、スポット光の照射を開始する(S103)。歩行者の頭部に向かってスポット光を照射するために、歩行者の頭部の位置を前方画像上で取得して、これに基づいて照射装置3の水平方向と鉛直方向の角度を調整しておく。ここで、照射装置3の角度を調整するためには、車両1から歩行者までの距離の情報が必要となる。しかし、本実施例の車載カメラ2で得られる前方画像には車載カメラ2の位置から見て歩行者が存在する方向についての情報は含まれているものの、歩行者までの距離の情報は含まれていない。そこで、本実施例では、車載カメラ2と照射装置3とを1つのユニット4に収納して車両1に搭載している(図1参照)。こうすれば、車載カメラ2から見て歩行者が存在する方向を照射装置3から見て歩行者が存在する方向として流用することができるので、歩行者までの距離が分からなくても、歩行者の頭部にスポット光を照射することができる。
スポット光の照射を開始したら(S103)、前方画像を再度取得する(S104)。前方画像は、S101で既に取得しているが、このS104の処理では、スポット光を照射している状態で撮影された前方画像を取得する。尚、このように前方画像を取得し直すのは、スポット光の照射に、歩行者が気付いたか否かを、後で判断するためである。
続いて、照射時間(ここでは0.6秒)が経過したか否かを判断する(S105)。本実施例では、歩行者の頭部に向かってスポット光を照射することから、歩行者に不快感を与えないようにするために、照射時間を短く設定している。これは次のような理由に基づくものである。
先ず、スポット光が照射された直後の歩行者は、たまたま何かの光がよぎったのではないかと考えるため、スポット光が照射されたからといって直ぐに不快に感じることはない。ただし、スポット光の照射時間が長くなると、歩行者は、眩しく感じさせてやろうとする悪意を感じ取るようになり、その結果として不快に感じることになると考えられる。従って、歩行者が悪意を感じ取らない程度に短い時間であれば、歩行者の頭部に向かってスポット光を直接照射しても、歩行者を不快にさせることはない。
そこで、本願の発明者は、スポット光を照射可能な時間を実験的な手法を用いて調査した。その結果、照射時間が0.6秒以内であれば、歩行者が不快に感じるまでには至らないとの結果が得られた。本実施例ではこのような理由から0.6秒の照射時間で歩行者にスポット光を照射しているのである。
照射時間(ここでは0.6秒)が未だ経過していない間は(S105:no)、前方画像の再取得を繰り返しながら(S104)、待機する。そして、照射時間が経過したら(S105:yes)、スポット光の照射を終了する(S106)。
このようにして所定の時間、スポット光を照射したら(S103〜S106)、次に、スポット光の照射中に取得した前方画像(S104)に基づいて、注意喚起されたことに歩行者が気付いたか否かを判断する(S107)。
図5(a)には、歩行者にスポット光の照射を開始した直後の様子が例示されている。この時、歩行者は手元のスマートフォンを見ていて、車両1の接近には気付いていない。もっとも、スポット光は歩行者の頭部に向けて照射されているので、歩行者は直ぐにスポット光の照射に気付くことになる。そうすると、図5(b)に示されるように、歩行者はスポット光が照射されてくる方向に目を向けることとなり、このとき、車両1からは歩行者の網膜反射が観察される。ここで、網膜反射とは、瞳に対して正面から光を照射すると、網膜で光が反射して明るく光って見える現象を言う。
網膜反射は瞳に対する角度が正面方向から数度ずれても観察されなくなるので、網膜反射が観察されたということは、歩行者が照射されたスポット光の方向を真っ直ぐに見たことを示している。従って、スポット光の照射中に、網膜反射が観察されたら、それは歩行者が注意喚起に気付いた証拠と考えてよい。本実施例では、このことを利用して、歩行者が注意喚起に気付いたか否かを判断する。
図6には、網膜反射が生じている時に撮影された前方画像が示されている。網膜反射は明るく光るため、前方画像中では、網膜反射が生じていない他の部分、すなわち、歩行者の目以外の部分よりも明るい輝点を生じさせる。このことから、網膜反射が生じていることを確認するためには、前方画像の輝度値を解析して輝点の有無を調べればよい。図6では、わかり易く表すために前方画像の一部を拡大しているが、歩行者が小さく写っていて、たとえ歩行者の顔の向きや目の位置が分からないとしても、歩行者の頭部に輝点があれば、網膜反射が生じていると判断できる。
このことから、網膜反射を利用すれば、前方画像の解像度が低かったり、歩行者が車両1の遠くに居たりしても、歩行者が注意喚起に気付いたか否かを判断することができる。更には、歩行者が顔の向きを変えることなく、目の動きだけで車両1の方を見た場合であっても、瞳に対して正面からスポット光が当たって網膜反射が生ずるため、歩行者が注意喚起に気付いたことを検出することができる。
また、人間の網膜反射は赤色に見えることが知られている。このことから、単に輝点を検出するのではなく、赤色の波長範囲の輝点を検出してもよい。こうすれば、照射したスポット光が、たとえばヘルメットやサングラスなどで反射することによって生じた輝点を、人間の網膜反射によるものと誤判断してしまう事態を回避することが可能となる。
このようにして歩行者が気付いたか否かを判断した結果(図3のS107)、歩行者が気付いたと判断されたら(S107:yes)、この注意喚起処理を終了する。
これに対して、歩行者が気付いたと判断されなかったら(S107:no)、再度、注意喚起するために以下の処理を実行する。
先ず、歩行者が未だ車両1と接触する虞があるか否かを判断する(S108)。この判断は、S102で車両1と接触する虞のある歩行者を検出したときと同様にして行えばよい(図4参照)。その結果、車両1と接触する虞が無くなっていれば(S108:no)、この注意喚起処理を終了する。歩行者が注意喚起されたことに気付いていなくても、歩く方向を変えた場合や、車両1が歩行者と接触しないように進路変更した場合には、それ以上は注意喚起する必要が無くなるからである。
一方、未だ車両と接触の虞があると判断された場合には(S108:yes)、もう一度スポット光を照射して注意喚起することになるが、その前に、待機時間が経過したか否かを判断する(S109)。これは、待機することなくスポット光の照射を新たに開始すると、連続して照射し続けるのと殆んど同じことになってしまうからである。待機時間は1〜2秒の範囲で適宜選択すればよい。
待機時間が経過したか否かの判断の結果(S109)、未だ経過していない場合は(S109:no)、同様の判断(S109)を繰り返すことによって待機状態となり、待機時間が経過したら(S109:yes)、前方画像を再度取得する(S110)。最新の前方画像を取得し直すことで、現在の歩行者の位置に応じてスポット光の照射位置を修正することができる。そして、先程と同じようにして、再びスポット光を照射する(S103〜S106)。
このように、歩行者が注意喚起に気付くか(S107:yes)、車両1と接触する虞が無くなるまでは(S108:no)、スポット光の照射を何回も繰り返すことで(S103〜S110)、より確実な注意喚起が可能となる。スポット光の照射を繰り返す場合には、照射時間や待機時間を変更してもよい。
図7には、スポット光の照射を繰り返す場合の照射時間および待機時間の設定例が示されている。図7(a)に示した例では、毎回のスポット光の照射時間および待機時間が固定されている。こうすれば、スポット光の照射を繰り返す場合でも、歩行者に不快感を与えることなく、歩行者が気付くまでスポット光の照射を繰り返すことができる。
もっとも、車両1が走行している場合には、スポット光の照射を繰り返している間も、車両1が歩行者に接近していく。このため、歩行者に早く気付かせる必要性が増加していく事態が起こり得る。
そこで、このような場合には、図7(b)に例示されるように、スポット光を照射するたびに、照射時間を長くしてもよい。この場合、次第に照射時間が長くなるので、当初は歩行者が不快に感じなかったとしても、照射を繰り返すに従って歩行者に不快感を与える可能性が高くなる。その一方で、照射時間を長くすれば、歩行者に気付き易くすることができる。
そこで、車両1の走行に伴って、歩行者に早く気付かせる必要性が増加することに対応して、少しずつ照射時間を長くしていく。こうすれば、歩行者に早く気付かせる必要性がそれほど高くない間は、歩行者の気付き易さよりも不快感を与えないことを優先した照射時間でスポット光を照射することができる。そして、早く気付かせる必要性が高くなるに伴って、歩行者の気付き易さを少しずつ優先させて、適切な照射時間でスポット光を照射することが可能となる。
図7(a)および図7(b)には、スポット光の照射を開始した後、歩行者が気付いたタイミングが、白抜きの矢印で示されている。図7(a)および図7(b)に示されるように、歩行者が気付くまでに要する時間は、照射の度に照射時間を長くすることによって短縮することが可能となる。
また、スポット光の照射時間を次第に長くするということは、スポット光の連続照射に近付けていくことでもあるから、連続照射に近付けることで、不快感を与え易くなり、その反面で歩行者に気付き易くさせていると考えることができる。そして、連続照射に近付けるのであれば、照射時間を長くするだけでなく、照射と照射との間の待機時間を短くしていくことによっても実現することができる。
すなわち、図7(c)に示されるように、スポット光を照射するたびに、次の照射までの待機時間を短くしてもよい。この場合も、待機時間が短くなるに従って、歩行者に不快感を与える可能性は増加するものの、歩行者に気付き易くさせることができる。
図7(c)には、スポット光の照射を開始した後に歩行者が気付いたタイミングが、白抜きの矢印で示されている。図7(a)と図7(c)を比較すれば、照射の度に待機時間を短くすることによって、照射を開始してから歩行者が気付くまでに要する時間を短縮可能なことが分かる。
無論、図7(d)に例示したように、照射時間を徐々に長くするとともに、待機時間を徐々に短くして、歩行者が気付くまでに掛かる時間をいっそう短くするようにしてもよい。このようにしても、照射を開始してから歩行者が気付くまでに要する時間を短縮することが可能となる。
スポット光の色については、任意に設定してよいが、次のようにしてもよい。すなわち、スポット光を緑色や、青色、紫色などの人為的な印象を与える色にするとよい。人為的な色であれば、歩行者が日光の反射など何らかの偶然で光が当たったと考えて、注意喚起に気付くことが遅れることを防止することができる。
また、スポット光の色を黄色や、オレンジ色、赤色にすると、これらは一般に警告の印象を与える色であるため、注意喚起として歩行者の目を引き易いと考えられる。
以上、本実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において更に種々の態様で実施することができる。
1…車両、 2…車載カメラ、 3…照射装置、
10…注意喚起装置、 11…画像取得部、 12…歩行者特定部、
13…光照射制御部、 14…判断部、 31…光源、
32…集光部、 33…駆動部。

Claims (11)

  1. 車両(1)に搭載されて、該車両の周囲の歩行者に対して注意喚起する注意喚起装置(10)であって、
    前記車両から周囲を撮影した画像を取得する画像取得部(11)と、
    前記画像を解析して前記注意喚起を要する前記歩行者を特定する歩行者特定部(12)と、
    前記歩行者特定部によって特定された前記歩行者の頭部に向かって、0.6秒以下に設定された所定時間幅で光を照射する光照射制御部(13)と
    を備える注意喚起装置。
  2. 請求項1に記載の注意喚起装置であって、
    前記光の照射を繰り返す必要の有無を判断する判断部(14)を備え、
    前記光照射制御部は、前記光の照射を繰り返す必要があると判断された場合には、前記歩行者の頭部に向かって再び前記光を照射する
    ことを特徴とする注意喚起装置。
  3. 請求項2に記載の注意喚起装置であって、
    前記光照射制御部は、前記光の照射を繰り返すに従って、該光を照射する時間幅を前記所定時間幅よりも長くする
    ことを特徴とする注意喚起装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の注意喚起装置であって、
    前記光照射制御部は、前記光の照射を繰り返すに従って、該照射の時間間隔を短くする
    ことを特徴とする注意喚起装置。
  5. 請求項2ないし請求項4の何れか一項に記載の注意喚起装置であって、
    前記判断部は、前記光の照射中に撮影された前記画像の中から前記歩行者の頭部に輝点が検出された場合には、前記光の照射を繰り返す必要は無いと判断する
    ことを特徴とする注意喚起装置。
  6. 請求項5に記載の注意喚起装置であって、
    前記判断部は、前記画像から所定波長範囲の前記輝点が検出された場合に、前記光の照射を繰り返す必要は無いと判断する
    ことを特徴とする注意喚起装置。
  7. 車両(1)に搭載されて、該車両の周囲の歩行者に対して注意喚起する注意喚起装置(10)と、該注意喚起装置によって駆動される光照射装置(3)とを有する注意喚起システム(20)であって、
    前記注意喚起装置は、
    前記車両から周囲を撮影した画像を取得する画像取得部(11)と、
    前記画像を解析して前記注意喚起を要する前記歩行者を特定する歩行者特定部(12)と、
    前記歩行者特定部によって特定された前記歩行者の頭部に向かって、0.6秒以下に設定された所定時間幅で光を照射するように、前記光照射装置を駆動する光照射制御部(13)と
    を備える注意喚起システム。
  8. 請求項7に記載の注意喚起システムであって、
    前記光照射装置は、
    光源(31)と、前記光源が放射した光を集光する集光部(32)と
    を備える注意喚起システム。
  9. 請求項7または請求項8に記載の注意喚起システムであって、
    前記光照射装置は、可視光の波長範囲の中で、青から緑の波長範囲の光の強さの平均値が、残余の波長範囲の光の強さの平均値よりも大きな光を照射する
    ことを特徴とする注意喚起システム。
  10. 請求項7または請求項8に記載の注意喚起システムであって、
    前記光照射装置は、可視光の波長範囲の中で、黄から赤の波長範囲の光の強さの平均値が、残余の波長範囲の光の強さの平均値よりも大きな光を照射する
    ことを特徴とする注意喚起システム。
  11. 車両に適用されて、該車両の周囲の歩行者に対して注意喚起する注意喚起方法であって、
    前記車両から周囲を撮影した画像を取得する工程(S101)と、
    前記画像を解析して前記注意喚起を要する前記歩行者を特定する工程(S102)と、
    前記歩行者特定部によって特定された前記歩行者の頭部に向かって、0.6秒以下に設定された所定時間幅で光を照射する工程(S103〜S106)と
    を備える注意喚起方法。
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