JP2017052877A - ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド前駆体組成物の製造方法、及びポリイミド成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ポリイミド樹脂の成形体を製造する方法として、その前駆体であるポリアミック酸を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の非プロトン系極性溶媒に溶解したポリイミド前駆体組成物を基材上に塗布して、熱処理によって、乾燥・イミド化することでポリイミド成形体を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
窒素原子を含む非プロトン性極性溶媒、及びラクトン系溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒Aと、カルボニル構造を持つ非水溶性溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒Bと、を含む混合溶媒に、ポリイミド前駆体が溶解しているポリイミド前駆体組成物。
前記有機溶媒Aの沸点が、前記有機溶媒Bの沸点よりも高い請求項1に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記有機溶媒Aが、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミド、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、及びε−カプロラクトンからなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒である請求項1又は請求項2に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記有機溶媒Bが、環状ケトン溶媒、及び環状炭酸溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記有機溶媒Bが、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、及びイソホロンからなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記混合溶媒が、下記混合溶媒MS1〜MS12から選択される1種である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
・MS1 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS2 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS3 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS4 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS5 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS6 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS7 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS8 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS9 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS10: γ−ブチロラクトンとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS11: γ−ブチロラクトンとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS12: γ−ブチロラクトンとイソホロンとを含む混合溶媒
前記混合溶媒が、下記混合溶媒MS1、MS3、MS4、MS6、MS7、MS9、MS10、及びMS12から選択される1種である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
・MS1 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS3 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS4 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS6 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS7 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS9 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS10: γ−ブチロラクトンとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS12: γ−ブチロラクトンとイソホロンとを含む混合溶媒
前記有機溶媒Aの総量と前記有機溶媒Bの総量との比率(前記有機溶媒Aの総量:前記有機溶媒Bの総量)が、質量比で9:1から2:8までの範囲である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記ポリイミド前駆体が、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との縮重合体からなり、前記ジアミン化合物のモル当量数が前記テトラカルボン酸二無水物のモル当量数よりも大きい請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記ポリイミド前駆体が、末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体を含む請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記ポリイミド前駆体の数平均分子量が、2000以上である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
前記ポリイミド前駆体の含有量が、ポリイミド前駆体組成物に対して15質量%以上25質量%以下である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
窒素原子を含む非プロトン性極性溶媒、及びラクトン系溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒Aと、カルボニル構造を持つ非水溶性溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒Bと、を含む混合溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを縮重合することにより、ポリイミド前駆体を得るポリイミド前駆体組成物の製造方法。
窒素原子を含む非プロトン性極性溶媒、及びラクトン系溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒A中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを縮重合することにより、ポリイミド前駆体を得た後、前記有機溶媒Aに、カルボニル構造を持つ非水溶性溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒Bを添加するポリイミド前駆体組成物の製造方法。
請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物を基材上に塗布した後、加熱処理して、ポリイミド成形体を得るポリイミド成形体の製造方法。
請求項2に係る発明によれば、溶媒群Aの各有機溶媒の沸点が溶媒群Bの各有機溶媒の沸点よりも低い場合に比べ、ポリイミド成形体の成形時にポリイミド前駆体組成物が空気に接触する面に生じる、白化が抑制されたポリイミド成形体が得られるポリイミド前駆体組成物が提供される。
請求項3に係る発明によれば、有機溶媒AがN−メチル−2−ピロリドン(NMP)である場合に比べ、ポリイミド成形体の成形時にポリイミド前駆体組成物が空気に接触する面に生じる、白化が抑制されたポリイミド成形体が得られるポリイミド前駆体組成物が提供される。
請求項4、又は5に係る発明によれば、有機溶媒Bが鎖状ケトン溶媒、又は鎖状炭酸溶媒である場合に比べ、ポリイミド成形体の成形時にポリイミド前駆体組成物が空気に接触する面に生じる、白化が抑制されたポリイミド成形体が得られるポリイミド前駆体組成物が提供される。
請求項6、又は7に係る発明によれば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とブチルセロソルブ(BC)との混合溶媒に、ポリイミド前駆体が溶解している場合に比べ、ポリイミド成形体の成形時にポリイミド前駆体組成物が空気に接触する面に生じる、白化が抑制されたポリイミド成形体が得られるポリイミド前駆体組成物が提供される。
請求項8に係る発明によれば、有機溶媒Aの総量と有機溶媒Bの総量との比率が質量比で9:1から2:8までの範囲を外れる場合に比べ、ポリイミド成形体の成形時にポリイミド前駆体組成物が空気に接触する面に生じる、白化が抑制されたポリイミド成形体が得られるポリイミド前駆体組成物が提供される。
請求項9に係る発明によれば、アミン化合物のモル当量数がテトラカルボン酸二無水物のモル当量数よりも小さい場合に比べ、保存安定性に優れたポリイミド前駆体組成物が提供される。
請求項10に係る発明によれば、ポリイミド前駆体の全末端にカルボキシル基を有する場合に比べ、保存安定性に優れたポリイミド前駆体組成物が提供される。
請求項11に係る発明によれば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とブチルセロソルブ(BC)との混合溶媒に、ポリイミド前駆体が溶解している場合に比べ、数平均分子量が2000以上のポリイミド前駆体を適用しても、ポリイミド成形体の成形時にポリイミド前駆体組成物が空気に接触する面に生じる、白化が抑制されたポリイミド成形体が得られるポリイミド前駆体組成物が提供される。
請求項12に係る発明によれば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とブチルセロソルブ(BC)との混合溶媒に、ポリイミド前駆体が溶解している場合に比べ、ポリイミド前駆体の含有量が15質量%以上25質量%以下であっても、ポリイミド成形体の成形時にポリイミド前駆体組成物が空気に接触する面に生じる、白化が抑制されたポリイミド成形体が得られるポリイミド前駆体組成物が提供される。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物は、窒素原子を含む非プロトン性極性溶媒、及びラクトン系溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒A(以下「溶媒群Aの有機溶媒」とも称する)と、カルボニル構造を持つ非水溶性溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒B(以下「溶媒群Bの有機溶媒」とも称する)と、を含む混合溶媒に、ポリイミド前駆体が溶解している。なお、溶解とは、溶解物の残存が目視にて確認でない状態を示す。
ポリイミド前駆体は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体(ポリアミック酸)である。
また、2種以上を組み合わせて併用する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物、又は脂肪族テトラカルボン酸を各々併用しても、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族テトラカルボン酸二無水物とを組み合わせてもよい。
l、m及びnは、各々独立に0又は1以上の整数を示す。l、m及びnは、(2n+m)/(2l+2m+2n)≦0.2の関係を満たすことが好ましい。ただし、l及びmの少なくとも一方は1以上の整数を示す。
一方、Bが表す2価の有機基としては、原料となるジアミン化合物から2つのアミノ基を除いたその残基である。
よって、「(2n+m)/(2l+2m+2n)」を0.2以下の関係とする、つまりポリイミド前駆体のイミド化率を0.2以下とすることにより、ポリイミド前駆体ゲル化や樹脂分の析出分離を引き起こすが抑制される。
・ポリイミド前駆体試料の作製
(i)測定対象となるポリイミド前駆体組成物を、シリコーンウェハー上に、膜厚1μm以上10μm以下の範囲で塗布して、塗膜試料を作製する。
(ii)塗膜試料をテトラヒドロフラン(THF)中に20分間浸漬させて、塗膜試料中の溶媒をテトラヒドロフラン(THF)に置換する。浸漬させる溶媒は、THFに限定されることになく、ポリイミド前駆体を溶解せず、ポリイミド前駆体組成物に含まれている溶媒成分と混和し得る溶媒より選択できる。具体的には、メタノール、エタノールなどのアルコール溶媒、ジオキサンなどのエーテル化合物が使用できる。
(iii)塗膜試料を、THF中より取り出し、塗膜試料表面に付着しているTHFにN2ガスを吹き付け、取り除く。10mmHg以下の減圧下、5℃以上25℃以下の範囲にて12時間以上処理して塗膜試料を乾燥させ、ポリイミド前駆体試料を作製する。
(iv)上記(i)と同様に、測定対象となるポリイミド前駆体組成物をシリコーンウェハー上に塗布して、塗膜試料を作製する。
(v)塗膜試料を380℃にて60分間加熱してイミド化反応を行い、100%イミド化標準試料を作製する。
(vi)フーリエ変換赤外分光光度計(堀場製作所製FT−730)を用いて、100%イミド化標準試料、ポリイミド前駆体試料の赤外吸光スペクトルを測定する。100%イミド化標準試料の1500cm−1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab’(1500cm−1))に対する、1780cm−1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab’(1780cm−1))の比I’(100)を求める。
(vii)同様にして、ポリイミド前駆体試料について測定を行い、1500cm−1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab(1500cm−1))に対する、1780cm−1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab(1780cm−1))の比I(x)を求める。
・式: ポリイミド前駆体のイミド化率=I(x)/I’(100)
・式: I’(100)=(Ab’(1780cm−1))/(Ab’(1500cm−1))
・式: I(x)=(Ab(1780cm−1))/(Ab(1500cm−1))
なお、このポリイミド前駆体のイミド化率の測定は、芳香族系ポリイミド前駆体のイミド化率の測定に適用される。脂肪族ポリイミド前駆体のイミド化率を測定する場合、芳香環の吸収ピークに代えて、イミド化反応前後で変化のない構造由来のピークを内部標準ピークとして使用する。
ポリイミド前駆体において、ジアミン化合物のモル当量数は、テトラカルボン酸二無水物のモル当量数よりも大きいことがよい。これにより、ポリイミド前駆体組成物の保存安定性が高まり易くなる。また、機械的強度の高いポリイミド成形体が得られ易くなる。
この関係は、重合反応の際に使用するジアミン化合物のモル当量を、テトラカルボン酸二無水物のモル当量より過剰にすることで実現される。ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とのモル当量の比は、ジアミン化合物のモル当量を1に対するテトラカルボン酸二無水物のモル当量で、0.900以上0.999以下の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.950以上0.990以下の範囲である。
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とのモル当量の比が0.900以上にすると、成形体の機械強度が高まりやすくなる。また、モル当量の比が0.950以上にすると、ポリイミド前駆体の分子量が大きくなり、例えば、フィルム状のポリイミド成形体としたときに、そのフィルム強度(引裂き強度、引張り強度)が高まりやすくなる。
ポリイミド前駆体は、末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体(樹脂)を含むことがよく、好ましくは全ての末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体とすることがよい。これにより、ポリイミド前駆体組成物の保存安定性が高まり易くなる。また、機械的強度の高いポリイミド成形体が得られ易くなる。
末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体(樹脂)を含むと、ポリイミド成形体の機械強度が高まりやすくなる。また、ポリイミド成形体に各種機能を付与するために添加する各種フィラーの分散を促進し、少量のフィラーでも高い機能が発現されやすくなる。
末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体の末端アミノ基の一部又は全部をジカルボン酸無水物等で封止してもよい。末端アミノ基を封止すると、ポリイミド前駆体組成物の保存安定性が高まりやすくなる。
末端アミノ基の封止に使用されるジカルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水フマル酸等が挙げられる。
ポリイミド前駆体の数平均分子量は、1000以上100000以下であることがよく、より好ましくは5000以上50000以下、更に好ましくは10000以上30000以下である。ポリイミド前駆体の数平均分子量を上記範囲とすると、ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性の低下が抑制され、製膜性が確保され易くなる。
・カラム:東ソーTSKgelα−M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
ポリイミド前駆体の含有量(濃度)は、全ポリイミド前駆体組成物に対して、0.1質量%以上40質量%以下であることがよく、好ましくは0.5質量%以上25質量%以下、より好ましくは1質量%以上20質量%以下である。
混合溶媒は、窒素原子を含む非プロトン性極性溶媒、及びラクトン系溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒A(溶媒群Aの有機溶媒)と、カルボニル構造を持つ非水溶性溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒B(溶媒群Bの有機溶媒)と、を含む。
窒素原子を含む非プロトン性極性溶媒は、双極子モーメントが3.0D以上5.0D以下の溶媒であることがよい。窒素原子を含む非プロトン性極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:沸点202℃)、N−エチル−2−ピロリドン(NEP:沸点218℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI:沸点220℃)、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(MDMPA:沸点215℃)、3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミド(MDBPA:沸点252℃)が例示される。
ラクトン系溶媒としては、無置換のラクトン、置換ラクトンが挙げられる。置換ラクトンとしては、アルキル基(例えば炭素数1以上10以下の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等)、アルコキシ基(例えば炭素数1以上10以下の直鎖状または分岐状のアルコキシ基等)、アシル基(例えば炭素数1以上10以下の直鎖状または分岐状のアシル基)、アリール基(例えばフェニル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基等)から選択される少なくとも一種で置換された置換ラクトンが挙げられる。
カルボニル構造を持つ非水溶性溶媒は、例えば、ケトン溶媒、炭酸溶媒等が挙げられ、各々鎖状構造/環状構造を持つ有機溶媒に分類される。
環状ケトン溶媒としては、例えば、4員環以上8員環以下(好ましくは5員環以上6員環以下)の環を有する溶媒が挙げられ、具体的には、シクロヘキサノン(CH:沸点154℃)、シクロペンタノン(CP:沸点131℃)、イソホロン(IP:沸点215℃)等が例示される。
鎖状炭酸溶媒としては、例えば、炭素数2以上20以下(好ましくは炭素数3以上10以下)のアルキル鎖を有する溶媒が挙げられ、具体的には、炭酸ジメチル(DMC:沸点90℃)、炭酸ジエチル(DEC:沸点126℃)、炭酸ジプロピル(DPC:沸点167℃)、炭酸ジt-ブチル(DtB:沸点56℃)等が例示される。
環状炭酸溶媒としては、例えば、4員環以上8員環以下(好ましくは5員環以上6員環以下)の環を有する溶媒が挙げられ、具体的には、炭酸プロピルレン(PC:沸点240℃)、炭酸エチレン(EC:沸点:261℃)等が例示される。
・MS2 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS3 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS4 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS5 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS6 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS7 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS8 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS9 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS10: γ−ブチロラクトンとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS11: γ−ブチロラクトンとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS12: γ−ブチロラクトンとイソホロンとを含む混合溶媒
また、溶媒群Bの有機溶媒が揮発するとき生じる、ボイド(溶媒が塗膜を突き破って揮発した痕)等の膜欠陥を残留している溶媒群Aの有機溶媒がポリイミド前駆体を溶解することで修復し、良質なポリイミド成形体の成形が発現される。
また、良溶媒である溶媒群Aの有機溶媒単独で使用した場合に比べ、溶媒群Aの有機溶媒の一部を低沸点の溶媒群Bの有機溶媒に置き換えた混合溶媒を使用すると、より低エネルギーでのポリイミド成形体の成形が実現される。
溶媒群Bの有機溶媒の沸点は、ポリイミド成形体の表面の白化抑制、保存安定性向上、製膜性向上の点から、80℃以上250℃以下が好ましく、100℃以上200℃以下がより好ましい。
特に、溶媒群Aの有機溶媒と溶媒群との有機溶媒とを併用することで、上記9:1から2:8までの範囲といった広い混合比範囲でも、ポリイミド前駆体の溶解性が高められ、ポリイミド成形体の表面の白化抑制、保存安定性向上、製膜性向上が図られ易い。
他の溶媒としては、例えば、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのエチレングリコールエーテル系溶剤;プロピレングリコールエーテル系溶剤;プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール系溶剤;水等の周知の溶媒が挙げられる。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物は、これを用いて製造するポリイミド成形体に導電性や、機械強度などの各種機能を付与することを目的として、各種フィラーなどを含んでもよいし、また、イミド化反応促進のための触媒や、製膜品質向上のためのレベリング材などを含んでもよい。
これら導電材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、導電材料が粒子状の場合、その一次粒径が10μm未満、好ましくは1μm以下の粒子であることがよい。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物の製造方法は特に限定されるものではない。例えば、以下の方法が挙げられる。
なお、ポリイミド前駆体の重合反応時の時間は、反応温度により1時間以上24時間以下の範囲とすることがよい。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物は、ポリイミド成形体の形成用塗工液として利用される。ポリイミド成形体の形成用塗工液としては、例えば、ポリイミドフィルム形成用塗工液、ポリイミド被膜形成用塗工液等が挙げられる。
なお、ポリイミド成形体としてのポリイミドフィルムは、フレキシブル電子基板フィルム、銅張積層フィルム、ラミネートフィルム、電気絶縁フィルム、燃料電池用多孔質フィルム、分離フィルム等が例示される。
ポリイミド成形体としてのポリイミド被膜は、絶縁被膜、耐熱性皮膜、ICパッケージ、接着膜、液晶配向膜、レジスト膜、平坦化膜、マイクロレンズアレイ膜、電線被覆膜、光ファイバー被覆膜等が例示される。
その他のポリイミド成形体としては、ベルト部材が挙げられる。ベルト部材としては、駆動ベルト、電子写真方式の画像形成装置用のベルト(例えば、中間転写ベルト、転写ベルト、定着ベルト、搬送ベルト)等が例示される。
本実施形態に係るポリイミド成形体の製造方法は、本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物を基材上に塗布した後、加熱処理して、ポリイミド成形体を得る方法である。なお、ポリイミド前駆体組成物を用いて製造するポリイミド成形体は特に限定されない。
ポリイミド前駆体組成物を脱泡する方法としては、減圧状態にする方法、遠心分離する方法などが挙げられるが、減圧状態とする脱泡が簡便で脱泡能が大きいため適している。
イミド化処理の加熱条件としては、例えば150℃以上400℃以下(好ましくは200℃以上300℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミド樹脂層が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。イミド化の温度は、例えば原料として用いたテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類によって異なり、イミド化が不充分であると機械的特性及び電気的特性に劣るため、イミド化が完結する温度に設定する。
その後、円筒状の基材から、ポリイミド樹脂層を取り外し、無端ベルトを得る。
なお、前記表面抵抗率の常用対数値は、導電材料の種類、及び導電材料の添加量により制御される。
本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物より成形されるポリイミド成形体には、本実施形態に係るポリイミド前駆体組成物に含まれる有機溶媒等が含有されている。
ポリイミド成形体に含有される水性溶媒は、例えば、ポリイミド成形体中、1ppb以上1%未満である。ポリイミド成形体中に含有される有機溶媒の量は、ポリイミド成形体を加熱して発生するガス分をガスクロマトグラフィー法により定量される。
[ポリイミド前駆体組成物(AA−1)の作製]
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、溶媒として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)400gとシクロヘキサノン(CH)400gとを充填した。ここに、ジアミン化合物として、ジアミノジフェニルエーテル(ODA:分子量200.24)82.47g(411.86mmol)を添加し、60℃で30分間攪拌して溶解させた。
この溶液に、テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA:分子量294.22)117.53g(399.46mmol)を添加し、反応温度60℃に保持しながら、24時間攪拌して溶解/反応を行い、ポリイミド前駆体組成物(AA−1)を得た。
なお、生成したポリイミド前駆体のイミド化率は0.03であり、既述の末端アミノ基量の測定の結果、少なくとも末端にアミノ基を有するものを含有するであった。
なお、各測定は以下の通りである。
(粘度測定方法)
粘度は、E型粘度計を用いて下記条件で測定を行った。
・測定装置: E型回転粘度計TV−20H(東機産業株式会社)
・測定プローブ: No.3型ローター3°×R14
・測定温度: 22℃
固形分は、示差熱熱重量同時測定装置を用いて下記条件で測定した。なお、380℃の測定値をもって、固形分はポリイミドとしての固形分率として測定した。
・測定装置: 示差熱熱重量同時測定装置TG/DTA6200(セイコーインスツルメンツ株式会社)
・測定範囲: 20℃以上400℃以下
・昇温速度: 20℃/分
作製したポリイミド前駆体組成物(ワニス試料)をガラス容器に充填、密栓した。30℃環境下、30日後の粘度を測定した(30日後の粘度)。初期粘度からの粘度変化量を下記式により算出し、経時粘度変化率とした。
・経時粘度変化率(%)={(30日後の粘度)−(初期粘度)}/(初期粘度)×100
得られたポリイミド前駆体組成物(A−1)を用いて製膜を行って、無端ベルト形状のフィルムを作製し、その製膜性について評価した。
外径90mm、長さ450mmのステンレス製円筒状金型(円筒状の基材)の外表面にシリコーン系離型剤(信越化学工業(株)製、商品名:KS−700)を塗布・乾燥処理(離型剤処理)を行った。 離型剤処理を施した円筒状金型を周方向に10rpmの速度で回転させながら、円筒状金型端部より、塗工液としてポリイミド前駆体組成物A1を口径1.0mmのディスペンサーより吐出するとともに、金型上に設置した金属ブレードにて一様の圧力で押し付けながら塗布を行った。具体的には、ディスペンサーユニットを円筒状金型の軸方向に100mm/分の速度で移動させることによって円筒状金型上に螺旋状に塗工液を塗布した。塗布後、ブレードを解除して円筒状金型を2分間回転し続けてレベリングを行った。
その後、金型及び塗布物を乾燥炉中で120℃空気雰囲気下、10rpmで回転させながら、30分間乾燥処理を行った。乾燥処理において塗布物より溶媒が揮発することで、塗布物から自己支持性を有するポリイミド前駆体の成形体(無端ベルト本体)を得た。
次いで、クリーンオーブン中で、300℃、30分間加熱処理(焼成処理)を行い、溶媒を留去すると共にイミド化反応を完了させた。
その後、円筒状金型を25℃にして、円筒状金型から成形体を取り外し、円筒状ポリイミド成形体を得た。
ポリイミド前駆体組成物の塗布後、乾燥後、及び得られた円筒状ポリイミド成形体について、以下の観点から目視で製膜性状を評価した。
塗布後のポリイミド組成物が金型面よりタレ落ちの有無を評価した。
A(◎):塗布物にタレ落ちが見られない。
B(○):塗布物の端部にタレ落ちが確認される。
C(△):塗布物の端部と中央部の一部にタレ落ちが確認される。
D(×):塗布物の全体にタレ落ちが確認される。
塗布後のポリイミド組成物が金型面での塗布ハジキ(凝集)の有無を評価した。
A(◎):塗布面に塗布ハジキ(凝集)が見られない。
B(○):塗布面面積の10%未満に塗布ハジキ(凝集)が確認される。
C(△):塗布面面積の10%以上50%未満に塗布ハジキ(凝集)が確認される。
D(×):塗布面面積の50%以上に塗布ハジキ(凝集)が確認される。
乾燥後のポリイミド組成物が金型面での乾燥ハジキ(凝集)の有無を評価した。
A(◎):塗布面に乾燥ハジキ(凝集)が見られない。
B(○):塗布面面積の10%未満に乾燥ハジキ(凝集)が確認される。
C(△):塗布面面積の10%以上50%未満に乾燥ハジキ(凝集)が確認される。
D(×):塗布面面積の50%以上に乾燥ハジキ(凝集)が確認される。
焼成後の円筒状ポリイミド成形体表面のボイド痕の有無を評価した。
A(◎):ボイド痕の発生が見られない。
B(○):成形体表面に1個以上10個未満のボイド痕が確認される。
C(△):成形体表面に10個以上の50未満のボイド痕が点在する。
D(×):成形体表面に無数のボイド痕が一様に発生している。
焼成後の円筒状成形体表面に発生する表面ムラ、模様の有無を評価した。
A(◎):表面ムラ、模様の発生が見られない。
B(○):成形体表面の一部に表面ムラ、模様が僅かに確認される(成形体表面面積の10%未満)。
C(△):成形体表面の一部に表面ムラ、模様が確認される(成形体表面面積の10%以上)。
D(×):成形体表面に表面ムラ、模様が一様に発生している。
円筒状ポリイミド成形体の表面(ポリイミド前駆体組成物が空気と接触していた面)について、以下の基準で評価した。
A(◎):表面の濁り・白化が見られない
B(○):表面の一部で濁りが見られるが、白化は見られない
C(△):表面の一部で白化が見られる
D(×):表面全面で白化が見られる
ポリイミド前駆体組成物の合成条件を、表1〜表8に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体組成物(AA−2)等を作製した。
[ポリイミド前駆体組成物(R0−1)〜(R0−10)等の作製]
ポリイミド前駆体組成物の合成条件を、表9〜表10に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体組成物(R0−1)〜(R0−10)等を作製した。
なお、表1〜表10において、「組成物性状」における「均一溶液」とはポリイミド前駆体が有機溶媒に均一に近い状態で溶解していたことを示し、「不溶」とはポリイミド前駆体が溶媒に析出した状態であることを示す。
・「当量」: テトラカルボン酸二無水物のモル量とジアミン化合物のモル量とのモル比(テトラカルボン酸二無水物のモル量/ジアミン化合物のモル量)
・BPDA: 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・PMDA: ピロメリット酸二無水物
・ODA: 4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
・PDA: p−フェニレンジアミン
・NMP: N−メチル−2−ピロリドン、沸点202℃
・NEP: N−エチル−2−ピロリドン、沸点218℃
・DMI: 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、沸点220℃
・MDMPA: 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、沸点215℃
・MDBPA: 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミド、沸点252℃
・γ−BL: γ−ブチロラクトン:沸点202℃
・δ−VL: δ−バレロラクトン:沸点230℃
・CH: シクロヘキサノン:沸点154℃
・CP: シクロペンタノン:沸点130℃〜131℃
・IP: イソホロン:沸点215℃
・BC: ブチルセロソルブ
Claims (15)
- 窒素原子を含む非プロトン性極性溶媒、及びラクトン系溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒Aと、カルボニル構造を持つ非水溶性溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒Bと、を含む混合溶媒に、ポリイミド前駆体が溶解しているポリイミド前駆体組成物。
- 前記有機溶媒Aの沸点が、前記有機溶媒Bの沸点よりも高い請求項1に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記有機溶媒Aが、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミド、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、及びε−カプロラクトンからなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒である請求項1又は請求項2に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記有機溶媒Bが、環状ケトン溶媒、及び環状炭酸溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記有機溶媒Bが、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、及びイソホロンからなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記混合溶媒が、下記混合溶媒MS1〜MS12から選択される1種である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
・MS1 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS2 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS3 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS4 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS5 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS6 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS7 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS8 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS9 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS10: γ−ブチロラクトンとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS11: γ−ブチロラクトンとシクロペンタノンとを含む混合溶媒
・MS12: γ−ブチロラクトンとイソホロンとを含む混合溶媒 - 前記混合溶媒が、下記混合溶媒MS1、MS3、MS4、MS6、MS7、MS9、MS10、及びMS12から選択される1種である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
・MS1 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS3 : 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS4 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS6 : 3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS7 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS9 : 3−メトキシ−N,N−ジブチルプロパンアミドとイソホロンとを含む混合溶媒
・MS10: γ−ブチロラクトンとシクロヘキサノンとを含む混合溶媒
・MS12: γ−ブチロラクトンとイソホロンとを含む混合溶媒 - 前記有機溶媒Aの総量と前記有機溶媒Bの総量との比率(前記有機溶媒Aの総量:前記有機溶媒Bの総量)が、質量比で9:1から2:8までの範囲である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記ポリイミド前駆体が、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との縮重合体からなり、前記ジアミン化合物のモル当量数が前記テトラカルボン酸二無水物のモル当量数よりも大きい請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記ポリイミド前駆体が、末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体を含む請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記ポリイミド前駆体の数平均分子量が、2000以上である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記ポリイミド前駆体の含有量が、ポリイミド前駆体組成物に対して15質量%以上25質量%以下である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 窒素原子を含む非プロトン性極性溶媒、及びラクトン系溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒Aと、カルボニル構造を持つ非水溶性溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒Bと、を含む混合溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを縮重合することにより、ポリイミド前駆体を得るポリイミド前駆体組成物の製造方法。
- 窒素原子を含む非プロトン性極性溶媒、及びラクトン系溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒A中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを縮重合することにより、ポリイミド前駆体を得た後、前記有機溶媒Aに、カルボニル構造を持つ非水溶性溶媒からなる溶媒群より選択される1種以上の有機溶媒Bを添加するポリイミド前駆体組成物の製造方法。
- 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体組成物を基材上に塗布した後、加熱処理して、ポリイミド成形体を得るポリイミド成形体の製造方法。
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