以下、本発明の実施形態の照明装置を備える撮影装置について図面を参照しながら説明する。以下で詳細に説明するように、本実施形態の照明装置は、イルミネーション機能や撮影装置の状態や撮影状況を含む様々な情報を発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)から放射された光によって表示する状態表示機能を有する。なお、以下においては、本発明の一実施形態として、デジタル一眼レフカメラについて説明する。なお、撮影装置は、デジタル一眼レフカメラに限らず、例えば、コンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラ、ビデオカメラ、カムコーダ、タブレット端末、PHS(Personal Handy phone System)、スマートフォン、フィーチャフォン、携帯ゲーム機など、照明装置を有する別の形態の装置に置き換えてもよい。また、照明装置は、撮影装置に着脱可能に装着されてもよく、撮影装置に内蔵されていてもよい。
図1は、本実施形態の照明装置200を備える撮影装置1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、撮影装置1は、システムコントローラ100、操作部101、絞り駆動回路102、シャッタ駆動回路103、フォーカス駆動回路104、撮像素子105、撮像素子駆動回路106、AD変換回路107、DRAM(Dynamic Random Access Memory)108、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)109、LCD(Liquid Crystal Display)110、測光装置111、測距装置112、カード用インタフェース113を備えている。
操作部101には、電源スイッチやレリーズスイッチ、撮影モードスイッチなど、撮影者が撮影装置1を操作するために必要な各種スイッチが含まれる。撮影者により電源スイッチが操作されると、図示省略されたバッテリから撮影装置1の各種回路に電源ラインを通じて電源供給が行われる。
システムコントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)を含む。システムコントローラ100は電源供給後、EEPROM109にアクセスして制御プログラムを読み出してワークエリア(不図示)にロードし、ロードされた制御プログラムを実行することにより、撮影装置1全体の制御を行う。
レリーズスイッチが操作されると、システムコントローラ100は、例えば、撮像素子105により撮像された画像に基づいて計算された測光値や、撮影装置1に内蔵された測光装置111で測定された測光値に基づき適正露出が得られるように、絞り駆動回路102及びシャッタ駆動回路103を介して絞り(不図示)及びシャッタ(不図示)を駆動制御する。より詳細には、絞り及びシャッタの駆動制御は、プログラムAE(Automatic Exposure)、シャッタ優先AE、絞り優先AEなど、撮影モードスイッチにより指定されるAE機能に基づいて行われる。また、システムコントローラ100はAE制御と併せてAF(Autofocus)制御を行う。AF制御には、測距装置112を用いたアクティブ方式が適用される。また、AF制御には、測距装置112を用いず、撮像素子105から出力される画像信号を用いた位相差検出方式、コントラスト検出方式等が適用されてもよい。また、AFモードには、中央一点の測距エリアを用いた中央一点測距モード、複数の測距エリアを用いた多点測距モード等がある。システムコントローラ100は、AF結果に基づいてフォーカス駆動回路104を介して撮影レンズ(不図示)を駆動制御し、撮影レンズの焦点を調整する。なお、この種のAE及びAFの構成及び制御については周知であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
被写体からの光束は、撮影レンズ、絞り、シャッタを通過して撮像素子105の受光面で受光される。撮像素子105は、ベイヤ型画素配置を有する単板式カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。撮像素子105は、受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の画像信号を生成して出力する。なお、撮像素子105は、CCDイメージセンサに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやその他の種類の撮像装置に置き換えられてもよい。撮像素子105はまた、補色系フィルタを搭載したものであってもよい。撮像素子105から出力された画像信号は、AD変換回路107でデジタル信号に変換されてシステムコントローラ100に入力される。
システムコントローラ100は、AD変換回路107より入力される画像信号に対してクランプ、デモザイク等の所定の信号処理を施す。更に、システムコントローラ100は、画像信号に対してマトリクス演算、Y/C分離、ホワイトバランス等の所定の信号処理を施して輝度信号Y、色差信号Cb、Crを生成し、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の所定のフォーマットで圧縮する。DRAM108は、システムコントローラ100による処理の実行時、処理データの一時的な保存場所として用いられる。また、撮影画像の保存形式は、JPEG形式に限らず、最小限の画像処理(例えば、画像領域の黒レベルの補正処理等)しか施されないRAW形式であってもよい。
カード用インタフェース113のカードスロットには、メモリカード300が着脱可能に差し込まれている。システムコントローラ100は、カード用インタフェース113を介してメモリカード300と通信可能である。システムコントローラ100は、生成された圧縮画像信号(撮影画像データ)をメモリカード300(又は撮影装置1に備えられる不図示の内蔵メモリ)に保存する。
また、システムコントローラ100は、生成された輝度信号Y、色差信号Cb、Crをフレームメモリ(不図示)にフレーム単位でバッファリングする。システムコントローラ100は、バッファリングされた信号を所定のタイミングで各フレームメモリから掃き出して所定のフォーマットのビデオ信号に変換し、LCD110に出力する。これにより、被写体の撮影画像がLCD110の表示画面に表示される。撮影者は、AE制御及びAF制御に基づいて適正な露出及びピントで撮影されたリアルタイムのスルー画(ライブビュー)を、LCD110の表示画面を通じて視認することができる。
システムコントローラ100は、撮影者により撮影画像の再生操作が行われると、操作により指定された撮影画像データをメモリカード300又は内蔵メモリより読み出して所定のフォーマットの画像信号に変換し、LCD110に出力する。これにより、被写体の撮影画像がLCD110の表示画面に表示される。
撮影装置1には、照明装置200が着脱可能に装着されている。照明装置200は、暗所など、露出不足となる状況下での撮影を補助するための機器であり、キセノン管210、キセノン管発光制御部211、発光ダイオード(LED)212、LED駆動制御部213を備えている。以下で詳細に説明するように、本実施形態による照明装置200においては、LED212を発光素子としての機能に加え受光素子として用いることにより、イルミネーション機能・状態表示機能に加え、キセノン管210の発光を検知する機能が提供される。
図2(a)、図2(b)は、照明装置200の斜視図及び断面図である。図2(a)、図2(b)に示されるように、照明装置200は、筐体220内に、キセノン管210、リフレクタ214、及びLED212を備えている。リフレクタ214は湾曲形状を有しており、凹状の面に反射面215が形成されている。また、リフレクタ214は、キセノン管210の後方に、キセノン管210を覆うように配置されている。なお、図示の便宜上、図2(a)では筐体220及びLED212の図示を省略しており、図2(a)、図2(b)ではキセノン管発光制御部211及びLED駆動制御部213の図示を省略している。
以下の説明において、図2におけるキセノン管210に対してリフレクタ214が配置されている側を後方と定義し、その反対側を前方と定義する。また、本実施形態において、キセノン管210は一方向に伸びる長尺な形状を有している。このキセノン管210の伸びる方向を左右方向と定義し、前後方向及び左右方向と直交する方向を上下方向と定義する。
リフレクタ214の凹状の面の中心には開口部216が形成されている。開口部216は、キセノン管210の後方に配置されている。また、LED212は、開口部216の後方に配置されている。
LED212は、駆動電流に応じて発光する不図示の発光面を有している。LED212の発光面の前方には、樹脂やガラスなどの透明材料から構成されるレンズ部212Lが設けられている。発光面から放射したLED光(以下、必要に応じて「LED照明光」と記す。)は、レンズ部212Lを通してLED212から放射される。LED212は、LED照明光の主光束が前方に放射されるように配置されている。主光束とは、LED212の発光面に略垂直な方向に放射されるLED照明光であり、他の方向に放射されるLED照明光に比べて発光強度が大きい。
キセノン管210は、大光量の白色の照明光(以下、必要に応じて「ストロボ光」と記す。)を放射することができる。そのため、キセノン管210による照明は、例えば暗所での静止画撮影や遠距離撮影に適している。システムコントローラ100は、例えば、暗所での静止画撮影が行われる場合、静止画撮影と同期したタイミングでキセノン管発光制御部211を介してキセノン管210を駆動し、ストロボ光を放射させる。キセノン管210から前方へ放射されるストロボ光は、リフレクタ214で反射されることなく被写体を照明する。キセノン管210から前方以外の方向へ放射されるストロボ光の大部分は、リフレクタ214の反射面215で反射されて方向が前方に変えられた後、被写体を照明する。
LED212は、LED照明光を持続的に放射することができる。システムコントローラ100は、静止画撮影と同期したタイミング、動画撮影と同期したタイミング、撮影装置1の状態等に応じてLED駆動制御部213を介してLED212を駆動し、LED照明光を放射させる。放射されたLED照明光は前方へ放射され、開口部216に後方から入射される。キセノン管210、開口部216及びLED212は、実質的に同じ平面上(前後方向及び左右方向に平行な平面上)に配置されているため、LED212から放射されたLED照明光の主光束は、キセノン管210に直接入射される。キセノン管210に入射されたLED照明光(主光束)はキセノン管210で反射され、一部は照明装置200の前方へ放射される。また、キセノン管210で反射されたLED照明光の他の一部は、リフレクタ214の反射面215で反射されて放射方向が前方に変えられた後、照明装置200の前方へ放射される。これにより、照明装置200に、LED照明光による状態表示機能やイルミネーション機能を持たせることができる。
状態表示機能とは、撮影装置1の状態を撮影者や被写体に知らせる機能のことである。例えば、LED212を点滅させたり、発光強度を変化させたり、発光色を変化させたりすることによって、撮影装置1に設定されている動作モードや撮影装置1の状態を撮影者や被写体に知らせることができる。また、この状態表示機能にはLED照明光が使用されるため、撮影者や被写体が撮影装置1から離れた位置にいる場合であっても、その位置からLED照明光を視認できれば、撮影装置1の状態を撮影者や被写体に知らせることができる。
イルミネーション機能とは、LED照明光によって撮影装置1又は照明装置200を装飾する機能のことである。このイルミネーション機能により、撮影装置1や照明装置200に高級感を持たせる、或いは目立たせる等の付加価値を持たせることができる。
次に、キセノン管210によるストロボ光の発光制御について説明する。図3は、キセノン管210に接続されたキセノン管発光制御部211を説明する図である。キセノン管発光制御部211は、倍電圧回路30、トリガ回路32、チョークコイル34、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)回路36、メインコンデンサ38、ダイオード40、電源端子42、IGBT制御端子44、GND端子46を備える。
電源端子42に不図示の昇圧回路から出力された電圧が印加されると、この電圧によりメインコンデンサ38が充電される。撮影装置1がストロボ光を発光するように設定されている状態でレリーズスイッチが全押し操作されると、ストロボ光の発光を指示する信号がIGBT制御端子44からIGBT回路36に入力される。これによりIGBT回路36がOFFの状態からONの状態となる。IGBT回路36がONの状態になることにより、トリガ回路32がOFFの状態からONの状態となる。トリガ回路32がONの状態となることにより、メインコンデンサ38に充電された電荷がキセノン管210のアノード側端子からカソード側端子に向けて放電される。また、IGBT回路36がONの状態になると、倍電圧回路30によってキセノン管210のカソード側端子が瞬間的に引き下げられる。例えば、昇圧回路から出力された電圧が+300Vである場合、キセノン管210のカソード側端子の電圧は、倍電圧回路30によって−300Vに引き下げられる。これにより、キセノン管210には、昇圧回路から出力された電圧のおよそ倍(例えば、+300Vから−300Vの600V)の電圧差が発光開始時に印加され、キセノン管210からストロボ光が放射される。また、IGBT回路36がOFFの状態になると、キセノン管210の電荷の放電経路が遮断され、ストロボ光の発光が停止する。ダイオード40はキセノン管210のアノード側端子の電圧を設定している。
以上に説明した倍電圧回路30はストロボの発光に必須な回路ではないが、メインコンデンサ38の充電電圧のバラツキや環境温度のバラツキに対して発光開始時の放電特性の安定に寄与するので、後に説明するストロボ光の光量制御のように、短時間で発光のON、OFFを繰り返す制御に好適な回路である。
また、LED212のアノード側端子にカソード側端子よりも高い電圧が印加されると、LED212からは、ほぼアノード側端子とカソード側端子間の電位差に応じたLED光が放射される。また、LED212は、光を受光すると、ほぼその光の強度に応じてアノード側端子にカソード側端子よりも高い電圧が生じる。そのため、LED212は、発光素子又は受光素子として使用することができる。
次に、LED駆動制御部213によるLED212の制御について説明する。図4は、LED駆動制御部213を説明するための図である。LED駆動制御部213は、トランジスタTr1、Tr2、オペアンプOA、抵抗R1〜R9、端子IN、OUT、Vcc1〜Vcc3、GND1〜GND3を備える。
LED駆動制御部213の端子INに、LED212の発光を指示する信号(例えば、3.3V電圧)が入力されると、トランジスタTr2がOFFの状態からONの状態となる。また、トランジスタTr2がONの状態になることにより、トランジスタTr1もOFFの状態からONの状態となる。これにより、端子Vcc1に印加されている駆動電圧(例えば、5V)により、トランジスタTr1、抵抗R1、LED212、端子GND2を含む経路に駆動電流が流れ、LED212からLED照明光が発光される。また、LED駆動制御部213の端子INに、LED212の発光の停止を指示する信号(例えば、0V電圧)が入力されると、トランジスタTr2、トランジスタTr1がOFFの状態となる。これにより、LED212に駆動電流が流れなくなり、LED212の発光が停止する。
端子INにLED212の発光の停止を指示する信号が入力されている間、LED212を受光素子(フォトダイオード)として使用することができる。このとき、LED212に外部から光が入射されると、LED212からは、受光した光の光量に応じた電圧が出力される。LED212から出力された電圧は、オペアンプOAの反転入力端子(−)に印加される。また、端子Vcc2に印加されている電圧(例えば、5V)により、オペアンプOAの非反転入力端子(+)にはリファレンス電圧Vrが印加される。また、オペアンプOAの端子Vcc3には、駆動電圧(例えば、5V)が印加されている。
オペアンプOAは、反転入力端子(−)に印加された電圧Vmと非反転入力端子(+)とに印加された電圧Vrの大小関係に応じた電圧を出力する比較器(コンパレータ)として動作する。詳しくは、反転入力端子(−)に印加される電圧Vmが非反転入力端子(+)に印加される電圧Vrよりも小さい場合、オペアンプOAの出力端子OUTからハイレベル(例えば、5V)の電圧が出力される。また、反転入力端子(−)に印加される電圧Vmが非反転入力端子(+)に印加される電圧Vr以上である場合、オペアンプOAの出力端子OUTからローレベル(例えば、0V)の電圧が出力される。
LED212は、キセノン管210から放射されるストロボ光を受光する位置に配置されている。そのため、LED212をフォトダイオードとして使用する場合、LED212からは、ストロボ光の光量に応じた電圧が出力される。これにより、LED212及びLED駆動制御部213は、キセノン管210からストロボ光が放射されているか否かの検知に使用されると共に、ストロボ光の光量制御に使用することができる。
図5は、オペアンプOAからの出力電圧を用いたストロボ光の光量制御を説明するための図である。図5には、ストロボ光をフラット発光させているときの、キセノン管210から放射されるストロボ光の光量、オペアンプOAの反転入力端子(−)及び非反転入力端子(+)に印加される電圧、オペアンプOAからの出力電圧、IGBT回路36の状態の時間変化を示している。図5における横軸は時間を示している。フラット発光は、キセノン管210を長時間(数秒〜数十秒)発光させ続ける発光方法であり、例えば、撮影装置1によって短い間隔(数ミリ秒から数十ミリ秒間隔)で高速連写を行う際等に使用される。
図5において、時刻t1は、IGBT回路36がONの状態になってから所定時間経過後の時刻である。時刻t1〜t2の間、IGBT回路36はONの状態となっており、キセノン管210には駆動電圧が印加されている。キセノン管210は、メインコンデンサ38に充電された電荷が放電することでストロボ光の発光を開始し、徐々にストロボ光の発光光量が大きくなるという特性を有する。そのため、時刻t1〜t2の間、ストロボ光の発光光量は徐々に大きくなる。
キセノン管210が発光している間、LED212からは受光されたストロボ光の光量に応じた電圧が出力され、オペアンプOAの非反転入力端子(+)に印加される。図5に示されるオペアンプOAの印加電圧のグラフには、反転入力端子(−)に印加される電圧Vmが実線で示され、非反転入力端子(+)に印加されるリファレンス電圧Vrが破線で示されている。反転入力端子(−)に印加される電圧Vmは、時刻t1の時点ではリファレンス電圧Vrよりも小さく、ストロボ光の光量が大きくなるにつれて徐々に大きくなる。反転入力端子(−)に印加される電圧Vmは、時刻toa1でリファレンス電圧Vrと一致し、時刻toa1より後はリファレンス電圧Vrよりも大きくなる。そのため、オペアンプOAからは、時刻t1から時刻toa1まではハイレベルの電圧が出力され、時刻toa1以降はローレベルの電圧が出力される。
オペアンプOAからの出力電圧は、システムコントローラ100に入力される。システムコントローラ100からは、オペアンプOAからの出力電圧に基づいてIGBT制御端子44に印加する電圧が出力される。詳しくは、システムコントローラ100からは、オペアンプOAからハイレベルの電圧が出力されると、IGBT制御端子44に対してストロボ光の発光を指示する信号が出力される。また、オペアンプOAからローレベルの電圧が出力されると、IGBT制御端子44にストロボ光の発光の停止を指示する信号が入力される。ここで、オペアンプOAからの出力電圧がハイレベルとローレベルとの間で切り替えられる時間(例えば、toa1)から、IGBT制御端子44に入力される信号が切り替えられる時間(例えば、t2)までの間には、時間Δtのタイムラグがある。時間Δtは、例えば、数マイクロ秒から数十マイクロ秒であり、システムコントローラ100や各回路の仕様や処理速度に応じて決まる。また、時間Δtは、予め所定の値に設定されていてもよい。
時刻t2において、IGBT制御端子44にストロボ光の発光の停止を指示する信号が入力され、IGBT回路36がOFFの状態になると、キセノン管210への駆動電圧の印加が停止される。キセノン管210は、駆動電圧の印加が停止されると、徐々に発光光量が小さくなるという特性を有する。そのため、時刻t2以降は、ストロボ光の光量は徐々に小さくなる。ストロボ光の光量が小さくなることに応じて、オペアンプOAの反転入力端子(−)に印加される電圧Vmは小さくなる。反転入力端子(−)に印加される電圧Vmは、時刻toa2でリファレンス電圧Vrと一致し、時刻toa2より後はリファレンス電圧Vrよりも小さくなる。そのため、オペアンプOAからは、時刻toa1から時刻toa2まではローレベルの電圧が出力され、時刻toa2を過ぎるとハイレベルの電圧が出力される。
時刻toa2で、オペアンプOAから出力される電圧がローレベルからハイレベルに切り替えられると、時刻toa2からタイムラグΔtが経過した時刻t3に、システムコントローラ100からIGBT制御端子44に対してストロボ光の発光を指示する信号が出力される。IGBT制御端子44にストロボ光の発光を指示する信号が入力されると、IGBT回路36がONの状態となり、キセノン管210に対して駆動電圧が印加される。そのため、時刻t3以降は、ストロボ光の光量は徐々に大きくなる。
このように、オペアンプOAからの出力電圧を用いてキセノン管210の駆動(IGBT回路36の状態)が制御されることにより、キセノン管210がフラット発光している間、ストロボ光の光量は、図5に示されるストロボ光の光量のグラフに破線で示される目標光量近傍に維持される。
目標光量は、リファレンス電圧Vrの大きさに基づいて決まる。そのため、目標光量は、リファレンス電圧Vrを変更することにより変更可能である。従って、被写体や撮影条件に合わせてリファレンス電圧Vrの大きさを変更することにより、フラット発光時におけるストロボ光の光量を変更することができる。
次に、LED照明光を用いた撮影装置1の状態表示機能について、フローチャートを用いて説明する。LED212から放射されるLED照明光は、照明装置200から前方に向かって放射され、撮影装置1の状態表示に使用することができる。
図6は、LED212が赤色LEDと青色LEDを備えている撮影装置1における、LED照明光を用いた状態表示機能及びストロボ光の光量制御に関するフローチャートである。撮影装置1がストロボ光を発光するように設定されると、図6に示される制御フローが開始される。なお、図6に示されるフローチャートは、撮影装置1のメインフローと並列に動作するサブルーチンとして実行されてもよい。
処理ステップS101では、ストロボ光の発光モードがフラット発光モードに設定されているか否かが判定される。フラット発光モードに設定されている場合(S101:YES)、処理ステップS102に進む。一方、発光モードがフラット発光モードに設定されておらず、通常発光モードに設定されている場合(S101:NO)、処理ステップS111に進む。なお、最初に処理ステップS101が実行される時(図6に示される制御フローが開始した時)、赤色LEDと青色LEDは何れも消灯された状態である。
処理ステップS102では、EEPROM109から、撮影装置1や照明装置200に含まれる各回路をフラット発光モードで動作させるために必要な情報が読み出される。また、処理ステップS102では、撮影者により、フラット発光時におけるストロボ光の光量や発光時間が設定される。
処理ステップS103では、処理ステップS102で読み出された情報に基づいて、LED212のうち赤色LEDのみが点灯される。また、処理ステップS103が実行される前の時点で青色LEDが点灯している場合、処理ステップS103では、青色LEDが消灯される。撮影者は、赤色のLED照明光を視認することにより、照明装置200の発光モードがフラット発光モードに設定されていることを確認することができる。また、赤色のLED照明光は、撮影装置1の前方に向かって放射されるため、撮影装置1の被写体の方からも発光モードを確認することができる。
処理ステップS104では、発光トリガがONになったか否かが判定される。詳しくは、撮影者によってレリーズスイッチが全押し操作されると、発光トリガがONになったと判定され(S104:YES)、次の処理ステップS105に進む。発光トリガがOFFであると判定された場合は(S104:NO)、赤色LEDが点灯している状態で処理ステップS101に戻り、ストロボ光の発光モードの判定が行われる。
処理ステップS105では、赤色LEDが消灯され、LED212はフォトダイオードとして機能する。この時、フォトダイオードとして機能するLED212は、赤色LEDと青色LEDの何れか又は両方でもよいが、少なくとも赤色LEDがフォトダイオードとして使用されることが望ましい。これは、赤色LEDは、青色LEDに比べてバンドギャップエネルギーが小さく、比較的広い波長帯域の光に対して受光感度を有するためである。
処理ステップS106では、キセノン管発光制御部211のIGBT制御端子44に対し、ストロボ光の発光を指示する信号が入力される。これによりIGBT回路36の状態がONとなり、キセノン管210によるフラット発光が開始される。キセノン管210がフラット発光されている間、キセノン管210から放射され、LED212によって受光されたストロボ光の閾値判定処理が行われる。
処理ステップS107では、IGBT回路36がONになっている状態において、ストロボ光の光量が閾値を越えているか否かが判定される。詳しくは、処理ステップS107の判定処理は、LED駆動制御部213のオペアンプOAにおける電圧の比較処理によって実行される。LED212では、ストロボ光の光量に応じた電圧が発生され、オペアンプOAの反転入力端子(−)に印加される。また、オペアンプOAの非反転入力端子(+)にはリファレンス電圧Vrが印加される。反転入力端子(−)に印加される電圧Vmが、非反転入力端子(+)に印加される電圧Vrよりも小さい場合は、ストロボ光の光量は閾値未満であると判定される(S107:NO)。ストロボ光の光量は閾値未満であると判定された場合、IGBT回路36がONの状態に維持されたまま、再度処理ステップS107が実行される。反転入力端子(−)に印加される電圧Vmが、非反転入力端子(+)に印加される電圧Vr以上である場合は、処理ステップS107で、ストロボ光の光量は閾値以上であると判定され(S107:YES)、処理ステップS108に進む。
処理ステップS108では、キセノン管発光制御部211のIGBT制御端子44に対し、ストロボ光の発光の停止を指示する信号が入力される。これによりIGBT回路36がOFFの状態に切り替えられ、キセノン管210によるフラット発光が中断される。キセノン管210によるフラット発光が中断されると、キセノン管210から放射されるストロボ光の光量は徐々に小さくなる。なお、処理ステップS107において、ストロボ光の光量が閾値以上であると判定されてから処理ステップS108でIGBT回路36がOFFの状態となるまでの間には、所定時間Δtのタイムラグがある。
処理ステップS109では、IGBT回路36がOFFの状態において、ストロボ光の光量が閾値未満であるか否かが判定される。ストロボ光の光量が閾値以上であると判定された場合(S109:NO)、IGBT回路36がOFFの状態を維持したまま、再度処理ステップS109が実行される。ストロボ光の光量が閾値未満であると判定された場合(S109:YES)、処理ステップS110に進む。
処理ステップS110では、処理ステップS106でIGBT回路36がONの状態になってから、設定されている発光時間が経過したか否かが判定される。この発光時間は、処理ステップS102において、撮影者によって設定された発光時間である。処理ステップS110で発光時間が経過していないと判定された場合(S110:NO)、処理ステップS106に戻り、IGBT回路36がONの状態に切り替えられる。処理ステップS110で発光時間が経過したと判定された場合(S110:YES)、処理ステップS118に進む。
処理ステップS118では、ストロボ光の発光が停止され、LED照明光を用いた状態表示機能及びストロボ光の光量制御に関する制御フローが終了する。
次に、ストロボ光の発光モードが通常発光モードに設定されている場合の状態表示機能及びストロボ光の制御フローについて説明する。処理ステップS101において、ストロボ光の発光モードが通常発光モードに設定されている場合(S101:NO)、処理ステップS111に進む。
処理ステップS111では、EEPROM109から、撮影装置1や照明装置200に含まれる各回路を通常発光モードで動作させるために必要な情報が読み出される。
処理ステップS112では、処理ステップS111で読み出された情報に基づいて、LED212のうち、青色LEDのみが点灯される。また、処理ステップS112が実行される前の時点で赤色LEDが点灯している場合、処理ステップS112では、赤色LEDが消灯される。撮影者又は被写体は、青色のLED照明光を視認することにより、照明装置200の発光モードが通常発光モードに設定されていることを確認することができる。
処理ステップS113では、発光トリガがONになったか否かが判定される。詳しくは、撮影者によってレリーズスイッチが全押し操作されると、発光トリガがONになったと判定され(S113:YES)、次の処理ステップS114に進む。発光トリガがOFFであると判定された場合は(S113:NO)、青色LEDが点灯している状態で処理ステップS101に戻り、ストロボ光の発光モードの判定が行われる。
処理ステップS114では、青色LEDが消灯される。
処理ステップS115では、キセノン管発光制御部211のIGBT制御端子44に対し、ストロボ光の発光を指示する信号が入力される。これによりIGBT回路36がONの状態となり、キセノン管210によるフラット発光が開始される。
処理ステップS116では、処理ステップS115でIGBT回路36がONの状態になってから、発光時間が経過したか否かが判定される。この発光時間は、通常発光モードにおいて予め設定されている時間、或いはキセノン管210及びキセノン管発光制御部の仕様によって決まる時間であり、例えば、数マイクロ秒から数十マイクロ秒である。なお、通常発光モードにおける発光時間は、撮影者によって設定可能であってもよい。処理ステップS116で、発光時間が経過していないと判定された場合(S116:NO)、IGBT回路36がONの状態を維持したまま、再度処理ステップS116が実行され、発光時間が経過するまで待機する。処理ステップS116で、発光時間が経過したと判定された場合(S116:YES)、処理ステップS117に進む。
処理ステップS117では、IGBT回路36がOFFの状態に切り替えられてストロボ光の発光が停止される。次いで、処理ステップS118に進み、光量制御に関する制御フローが終了する。
このように、本実施形態では、撮影装置1がストロボ光を発光するように設定されている場合、LED照明光の色によって、発光モードがフラット発光モードと通常発光モードの何れに設定されているかを、撮影装置1を操作している撮影者や撮影装置1の前方にいる被写体に報知することができる。そのため、撮影者及び被写体はLED照明光の色によって照明装置200に設定されている発光モードを確認することができる。
また、本実施形態では、キセノン管210がフラット発光モードで発光されている場合、LED212はフォトダイオードとして機能する。LED212から出力される電圧に基づいてキセノン管210の発光及び発光の停止を切り替えることにより、ストロボ光の光量を目標光量近傍に維持することができる。
また、図2(b)に示されるように、LED212は、リフレクタ214に設けられた開口部216の後方に配置されており、開口部216を利用してストロボ光を受光する。そのため、従来のように、キセノン管から放射されたストロボ光を反射板やグラスファイバによってリフクレクタの外部に導光する構成に比べて、ストロボ光を受光するために必要な部材が少なく照明装置200の大型化を抑えることができる。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。
以下では、上述の実施形態に基づく様々な変形例について説明する。
(1)LEDの種類、発光の方法に関する変形例
上述の実施形態では、LED212は赤色LEDと青色LEDを備えており、LED照明光の色を変えることによって設定されている発光モードを撮影者又は被写体に報知しているが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、LED212は、赤色LED及び青色LED以外の色のLEDを備えていてもよく、3つ以上のLEDを備えていてもよい。また、LED212は白色LEDであってもよい。白色LEDは、白色のLED光を放射するLEDで、赤・緑・青等の単色の光を個別に発光制御できないLEDである。白色LEDには、例えば、赤・緑・青色のLED照明光をそれぞれ放射する3つのLEDチップを備えるLEDや、青色のLEDチップと黄色の蛍光を発する蛍光体を備えるLEDが使用される。また、LED212による撮影者又は被写体への報知は、発光パターンの切り替えによって行われてもよい。LED212の発光パターンの切り替えは、例えば、点灯か点滅かを切り替えるものであってもよい。また、LED212の発光パターンの切り替えは、点滅する周期を切り替えるものであってもよい。また、LED212の発光パターンの切り替えは、LED照明光の光量を切り替えるものであってもよい。また、LED212の発光パターンの切り替えは、LED照明光の色や点灯時間、光量等の組み合わせを切り替えるものであってもよい。
(2)報知対象に関する変形例
また、上述の実施形態では、LED照明光は発光モードを報知するために使用されるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。LED照明光は、撮影装置1の様々な状態を撮影者又は被写体に報知するために使用されてもよい。
例えば、LED照明光は、撮影装置1が備える顔認識機能と組み合わせて使用されてもよい。顔認識機能は、撮像素子105から得られる画像信号に基づいて、被写体が人である場合に、人の顔を認識する機能である。顔認識機能を用いることにより、被写体が笑顔であるか否か、又は被写体の目が開いているか否か等を検知することができる。この検知結果を撮影者に報知することにより、撮影者又は被写体にとって好ましいタイミングで撮影を行うことができる。
この例では、LED照明光を用いて、顔認識機能による検知結果を、被写体に知らせることができる。詳しくは、顔認識機能による検知結果に応じて、LED照明光の発光パターンやLED照明光の色を変化させることにより、被写体はLED照明光を見ることによって顔認識機能による検知結果を確認することができる。
また、LED照明光は、撮影装置1が備える動体検知機能と組み合わされて使用されてもよい。動体検知機能は、撮像素子105から得られる画像信号に基づいて、動いている被写体を検知する機能である。動体検知機能を用いることにより、被写体が静止しているか否か、又は動いている被写体が撮影装置1の画角内の所望の位置にいるか否かを検知することができる。この検知結果を撮影装置1を操作している撮影者に報知することにより、撮影者にとって好ましいタイミングで撮影を行うことができる。
この例では、LED照明光を用いて、動体検知機能による検知結果を、被写体に知らせることができる。詳しくは、動体検知機能による検知結果に応じて、LED照明光の発光パターンやLED照明光の色を変化させることにより、被写体はLED照明光を見て動体検知機能による検知結果を確認することができる。
なお、撮影装置1の顔認識機能や動体検知機能による検知結果は、単に撮影者又は被写体に知らされるだけでなく、撮影処理のトリガとして使用されてもよい。これにより、撮影装置1を直接操作することなく、好ましいタイミングで被写体の撮影を行うことができる。
また、LED照明光は、撮影装置1の他の機能と組み合わされて使用されてもよい。
例えば、LED照明光により、撮影装置1のピントが被写体に合っているか否かを撮影者又は被写体に知らせてもよい。また、撮影装置1と被写体との距離に応じてLED照明光の発光パターンや色等を変更してもよい。例えば、撮影装置1は、測距装置によって測定された撮影装置1と被写体との間の距離に基づいて被写体がAF制御によるピントの調整可能な範囲にいるかを否かを判定し、判定結果をLED照明光を用いて撮影者又は被写体に報知してもよい。
また、撮影装置1は、測光装置111で測定された測光値に基づいて、ストロボ光の要否の判定やストロボ光の光量の設定を行い、この判定結果や設定値を、LED照明光を用いて撮影者又は被写体に報知してもよい。
また、LED照明光は、ストロボ光のフラット発光モードと通常発光モード以外の発光モードを撮影者又は被写体に報知するために使用してもよい。ストロボ光の発光モードには、例えば、ストロボ光の光量を手動で調整可能なマニュアル発光モードや、測光装置111で測定された測光値に基づいてストロボ光を放射させるか否か又はストロボ光の光量が自動で設定される外光オート発光モード等がある。この例では、複数の発光モードのうち何れの発光モードが照明装置200に設定されているかをLED照明光の発光パターンや色等によって、撮影者又は被写体に報知してもよい。
また、LED照明光は、撮影装置1の状態を撮影者又は被写体に知らせるために使用されてもよい。例えば、LED照明光は、照明装置200がストロボ光を放射する直前であることを知らせるために使用されてもよい。また、LED照明光は、照明装置200のメインコンデンサ38が充電中であることを知らせるために使用されてもよい。また、LED照明光は、照明装置200に設定されているGN値(ストロボ光の発光光量)を知らせるために使用されてもよい。また、LED照明光は、照明装置200がストロボ光を発光させないように設定されている場合に、撮影装置1のシャッタ動作を知らせるために使用されてもよい。また、LED照明光は、撮影装置1が連写撮影を行う際に、撮影装置1のシャッタ動作や、撮影された画像信号の記録処理が実行中であること知らせるために使用されてもよい。また、LED照明光は、撮影装置1によりタイマー撮影を行う際に、撮影処理が開始されるまでの時間を知らせるために使用されてもよい。また、LED照明光は、撮影装置1のバッテリの残量を知らせるために使用されてもよい。
(3)照明装置の構成に関する変形例
また、図2(a)、図2(b)に示される照明装置200は、開口部216及びLED212は、キセノン管210の後方に配置されているが、本発明の実施形態はこれに限定されない。
図7は、本発明の実施形態の変形例における照明装置200aの断面図である。図7に示されるように、照明装置200aは、筐体220a内に、キセノン管210a、LED212a、リフレクタ214a、及びミラー217aを備えている。LED212aの発光面には、レンズ部212aLが設けられている。リフレクタ214aは湾曲形状を有しており、凹状の面に反射面215aが形成されている。また、リフレクタ214aには、開口部216aが設けられている。開口部216a及びLED212aは、凹状の反射面215aの中心から下方向にずれた位置に配置されている。ミラー217aは、キセノン管210から放射され、開口部216aに入射したストロボ光がLED212aで受光され易くなるようにLED212aの下方に配置されている。
図7に示される照明装置200aでは、LED212aから放射されたLED照明光の主光束は、キセノン管210aに直接入射されずに照明装置200aの前方に放射される。そのため、図7に示される照明装置200aは、図2に示されるLED照明光の主光束がキセノン管210に直接入射する構成に比べてLED照明光が発散しにくく、比較的狭い領域に強い強度を保って放射される。従って、図7に示される照明装置200aは、LED照明光はイルミネーション機能や状態表示機能としてだけでなく、被写体を照明するための照明光としての使用にも適している。LED212aは、キセノン管210aに比べて比較的低い電圧で長時間駆動することが可能である。そのため、LED212aは、連写撮影時やビデオ撮影時において、長時間発光させる照明光として使用することができる。
また、LED212aから放射されるLED照明光の一部は、キセノン管210a及びリフレクタ214aで反射されるため、図2(b)に示される照明装置200と同様に、撮影装置1の状態を撮影者又は被写体に知らせるために使用することができる。また、キセノン管210aから放射されたストロボ光の位置は、直接又はミラー217aで反射された上でLED212aに入射されるため、LED212aをストロボ光の光量制御に使用することができる。なお、LED照明光を、被写体を照明するために使用する場合、LED212aとして白色LEDを使用することが望ましい。
また、図7に示される変形例では、開口部216a及びLED212aは、凹状の反射面215aの中心から下方向にずれた位置に配置されているが、これに限定されない。開口部216a及びLED212aは、凹状の反射面215aの中心から上方向にずれた位置に配置されていてもよく、凹状の反射面215aの中心から左右方向にずれた位置に配置されていてもよい。また、開口部216a及びLED212aは、凹状の反射面215aの中心から、上下方向と左右方向の両方にずれた位置に配置されていてもよい。
また、本発明の実施形態の照明装置200の変形例は図7に示される構成に限定されない。図8は、本実施形態の別の変形例における照明装置200bの断面図である。図8に示されるように、照明装置200bは、筐体220b内に、キセノン管210b、LED212b、リフレクタ214b、ミラー217b、導光路218b、観察窓219bを備えている。LED212bの発光面には、レンズ部212bLが設けられている。リフレクタ214bは湾曲形状を有しており、凹状の面に反射面215bが形成されている。また、リフレクタ214bには、開口部216bが設けられている。導光路218bは、透明な樹脂やガラスによって形成された導光路でも良く、反射面で覆われた中空の形状であってもよい。
図8に示される照明装置200bでは、LED212bから放射されたLED照明光の一部は、開口部216bを通って照明装置200bの前方に放射され、他の一部は導光路218bを通って照明装置200bの後方に導光されて観察窓219bから放射される。このように、LED照明光を、被写体がある方向(前方)とは異なる方向にも導光することにより、撮影者は、撮影装置1(照明装置200)の前方だけでなく、後方からも、LED照明光を確認することができる。なお、観察窓219bが配置される位置は、筐体220bの後方に限定されない。観察窓219bは、筐体220bの上方や左右方向の側面に配置されていてもよい。
また、図2(b)に示される照明装置200では、LED212のレンズ部212Lは、開口部216の後方に配置されているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、レンズ部212Lは、その一部が開口部216よりも前方に飛び出すように配置されていてもよい。これにより、LED照明光を被写体の側(前方)に効率よく放射させることができる。
また、レンズ部212Lが開口部216の前方と後方の何れに配置されているかに拘らず、LED212(LED212のレンズ部212L以外の部分)は開口部216の後方に配置されていることが望ましい。LED212を開口部216の後方に配置することにより、開口部216の大きさを、LED照明光を通すために必要な大きさ、或いはLED212の発光面でストロボ光を受光するために必要な大きさに抑えることができる。そのため、開口部216を通り開口部216よりも後方に放射されるストロボ光の光量を抑えることができる。また、開口部216を通ったストロボ光のLED212で受光される割合を増やすことができる。これにより、ストロボ光の利用効率の低下を抑えることができる。
(4)LED駆動制御部に関する変形例
また、本実施形態のLED駆動制御部213は、図4に示される構成に限定されない。
図9は、本発明の実施形態の変形例におけるLED駆動制御部213cを説明するための図である。図9に示されるLED駆動制御部213cは、LED212と抵抗R4との間にオペアンプOAcを追加し、オペアンプOAに抵抗R10を接続してオペアンプOAを反転増幅器と使用していること以外は、図4に示されるLED駆動制御部213と同じである。なお、図9では、図4と共通する要素については同一の符号を使用している。
図9に示されるLED駆動制御部213cでは、オペアンプOAcは、LED212から出力された電圧を増幅するために使用される。また、オペアンプOAを反転増幅器として使用しているため、端子OUTから出力される電圧は、フォトダイオードとして使用しているLED212から出力された電圧に応じた電圧で、且つ極性が反転している。そのため、LED駆動制御部213cでは、端子OUTからの出力電圧を用いて、キセノン管210から放射されるストロボ光の光量を見積もることができる。見積もられたストロボ光の光量は、例えば、より細かいストロボ光の光量制御や、ストロボ光の寿命の見積もり等に使用することができる。ただし、図9に示されるLED駆動制御部213cの構成は一例であり、LED212から出力された電圧を増幅する構成であれば、LED駆動制御部213cは反転増幅と非反転増幅の何れかに限定されるものではない。
また、本発明の実施形態のLED駆動制御部213の変形例は図9に示される構成に限定されない。図10は、本発明の実施形態の別の変形例におけるLED駆動制御部213dを説明するための図である。図10に示されるLED駆動制御部213dは、DAC(Digital to Analog Converter)を用いてオペアンプOAの非反転入力端子(+)に電圧を印加すること以外は、図4に示されるLED駆動制御部213と同じである。なお、図10では、図4と共通する要素については同一の符号を使用している。
DACは、出力電圧をダイナミックに変化させることが可能である。そのため、図10に示されるLED駆動制御部213dでは、オペアンプOAの非反転入力端子(+)に印加するリファレンス電圧Vrを所定の範囲内で任意に変化させることができる。リファレンス電圧Vrを変化させることにより、オペアンプOAの出力端子OUTからハイレベルの電圧を出力させるか、ローレベルの電圧を出力させるかの閾値が変化する。
オペアンプOAの出力端子OUTから出力される電圧に応じて、キセノン管発光制御部211におけるIGBT回路36のONとOFFの状態が変化する。IGBT回路36のONとOFFの状態の切り替えは、キセノン管210から放射されるストロボ光を目標光量に維持するために行っている。また、目標光量は、リファレンス電圧Vrに対応している。そのため、DACによってリファレンス電圧Vrを変化させることにより、ストロボ光の目標光量を変化させることができる。