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JP2016111888A - ステータ、モータおよび圧縮機 - Google Patents

ステータ、モータおよび圧縮機 Download PDF

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JP2016111888A
JP2016111888A JP2014249830A JP2014249830A JP2016111888A JP 2016111888 A JP2016111888 A JP 2016111888A JP 2014249830 A JP2014249830 A JP 2014249830A JP 2014249830 A JP2014249830 A JP 2014249830A JP 2016111888 A JP2016111888 A JP 2016111888A
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coil
insulator
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明宣 石嵜
Akinobu Ishizaki
明宣 石嵜
英巳 丹治
Hidemi Tanji
英巳 丹治
青田 桂治
Keiji Aota
桂治 青田
昭雄 武藤
Akio Muto
昭雄 武藤
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

【課題】簡単な構成でコイル間絶縁体の軸方向の抜けを確実に防止できるステータを提供する。【解決手段】ステータ5は、周方向に間隔をあけて配列された複数のティース部512を有するステータコア510と、ステータコア510の軸方向の両端面に取り付けられたインシュレータ530と、ステータコア510のティース部512にインシュレータ530を介して巻回されたコイル520と、周方向に互いに隣接するコイル520間に一部が配置されたシート状のコイル間絶縁体100とを備える。コイル間絶縁体100は、軸方向に沿った直線を折目にして2つに折り返され、コイル520間に配置されたコイル間挿入部101と、コイル間挿入部101の軸方向の両端に、軸と直交する平面に沿った切り込みによって設けられ、コイル520に係止するように外側に折り返された係止部102b,102bとを有する。【選択図】図4

Description

この発明は、ステータ、モータおよび圧縮機に関する。
従来、圧縮機としては、集中巻きのコイル間を絶縁するための相間絶縁紙の上下端に軸方向と直交する折目で折り返しされた折り返し部を設けて、相間絶縁紙のずれや落下を防止するステータを有するモータを備えたものがある(例えば、特許第4470168号(特許文献1)参照)。
特許第4470168号
ところで、上記圧縮機のモータでは、相間絶縁紙に熱が加わって折り返し部が熱変形により軸方向に戻ろうとするため、相間絶縁紙のずれや落下を確実に防止することができないという問題がある。また、上記圧縮機のモータでは、相間絶縁紙の折り返し部が折り返しにより変形する方向の回動面が、軸方向に略平行になっているので、相間絶縁紙が軸方向にずれる力が加わると、折り返し部がコイルに当接して折り返し部が軸方向に向かって戻りやすくなっている。このため、上記モータでは、リード線部を結束材を用いて結束することにより、リード線部で折り返し部を抑えているが、構成が複雑になり、組み立てに時間がかかって製造コストが高くなってしまう。
そこで、この発明の課題は、簡単な構成でコイル間絶縁体の軸方向の抜けを確実に防止できるステータを提供することにある。
また、この発明の課題は、上記ステータを備えたモータを提供することにある。
さらに、この発明の課題は、上記モータを備えた圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のステータは、
周方向に間隔をあけて配列された複数のティース部を有するステータコアと、
上記ステータコアの軸方向の両端面に取り付けられたインシュレータと、
上記ステータコアのティース部に上記インシュレータを介して巻回されたコイルと、
周方向に互いに隣接する上記コイル間に一部が配置されたシート状のコイル間絶縁体と
を備え、
上記コイル間絶縁体は、
軸方向に沿った直線を折目にして少なくとも2つに折り返され、上記コイル間に配置されたコイル間挿入部と、
上記コイル間挿入部の軸方向の両端の少なくとも一方に、軸と交差する平面に沿った切り込みによって設けられ、上記コイルまたは上記インシュレータに係止するように外側に曲げられた係止部と
を有することを特徴とする。
上記構成によれば、シート状のコイル間絶縁体のコイル間挿入部が、軸方向に沿った直線を折目にして少なくとも2つに折り返されて、周方向に互いに隣接するコイル間に配置された状態で、コイル間挿入部が弾性変形により折り返しが戻るように開く力が働いてコイル間に保持される。その状態でコイル間挿入部の軸方向の両端に設けられた係止部がコイル(またはインシュレータ)に係止される。この係止部は、シート状のコイル間絶縁体に軸と交差する平面に沿った切り込みによって、コイル(またはインシュレータ)に係止するように外側に曲げられているので、その係止部のシート面でなく縁でコイル(またはインシュレータ)に対して軸方向から接する。このように、コイル間絶縁体の係止部が軸方向に直交する折目で折り返されておらず、係止部のシートの縁がコイル(またはインシュレータ)に当接しているため、コイル間絶縁体に対して軸方向にずれる力が加わっても、係止部の曲げられた状態は戻らない。したがって、結束部材などを用いることなく、簡単な構成でコイル間絶縁体の軸方向の抜けを確実に防止することができる。
なお、コイル間挿入部の軸方向の一方の端のみに係止部を設けたコイル間絶縁体において、コイル間絶縁体に対して係止部側から軸方向の他方にずれる力が加わっても、コイル間絶縁体の抜けを確実に防止することができる。
また、一実施形態のステータでは、
上記コイル間絶縁体の上記コイル間挿入部は、軸に直交する平面視において断面略V字形状に折り返されており、
上記コイル間絶縁体の上記係止部は、軸に直交する平面視において、上記コイル間挿入部の断面V字形状の開口角度よりも開口角度が大きく、かつ、上記コイル間挿入部の断面略V字形状の開口方向と同じ方向に開口する断面略V字形状である。
上記実施形態によれば、コイル間絶縁体のコイル間挿入部は、軸に直交する平面視において断面略V字形状に折り返され、係止部は、軸に直交する平面視において、コイル間挿入部の断面V字形状の開口角度よりも開口角度が大きく、かつ、コイル間挿入部の断面略V字形状の開口方向と同じ方向に開口する断面略V字形状を呈しているので、係止部のシートの縁でコイル(またはインシュレータ)に対して軸方向に接するようにすることで、コイル間絶縁体の係止部を係止させる凹部などをインシュレータに設けることなくコイル間絶縁体の抜けを防止できる。
また、一実施形態のステータでは、
上記コイル間絶縁体の上記コイル間挿入部は、軸に直交する平面視において断面略V字形状に折り返されており、
上記コイル間絶縁体の上記係止部は、軸に直交する平面視において、上記コイル間挿入部の断面略V字形状の開口方向と反対の側に折り返されている。
上記実施形態によれば、コイル間絶縁体のコイル間挿入部は、軸に直交する平面視において断面略V字形状に折り返され、係止部は、軸に直交する平面視において、コイル間挿入部の断面略V字形状の開口方向と反対の側に折り返されているので、係止部のシートの縁を係止する凹部をインシュレータに設けることによって、コイル間絶縁体の抜けをより確実に防止できる。
また、一実施形態のステータでは、
上記コイル間絶縁体の上記コイル間挿入部は、軸に直交する平面視において断面略W字形状に折り返されており、
上記コイル間絶縁体の上記係止部は、軸に直交する平面視において、上記コイル間挿入部の断面略W字形状の2つの開口方向と反対の側に折り返されている。
上記実施形態によれば、コイル間絶縁体のコイル間挿入部は、軸に直交する平面視において断面略W字形状に折り返されているので、コイル間挿入部が弾性変形によりコイル間に保持される力が断面略V字形状よりも大きくなる。さらに、係止部は、軸に直交する平面視において、コイル間挿入部の断面略W字形状の2つの開口方向と反対の側に折り返されているので、係止部のシートの縁を係止させる凹部をインシュレータに設けることによって、コイル間絶縁体の抜けをより確実に防止できる。
また、一実施形態のステータでは、
上記コイル間絶縁体の上記コイル間挿入部は、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向かつロータ側である。
上記実施形態によれば、コイル間絶縁体のコイル間挿入部が、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向かつロータ側になるように、コイル間絶縁体をコイル間に配置することによって、温度上昇による熱変形でコイル間挿入部は断面略V字の開口が外側に広がるので、ステータコアのティース部間から径方向かつロータ側にコイル間絶縁体が抜けるのを防止することができる。
また、一実施形態のステータでは、
上記コイル間絶縁体の上記コイル間挿入部は、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向かつロータと反対の側であって、その断面略V字の底部に軸方向に沿って設けられた飛び出し防止面を有する。
上記実施形態によれば、コイル間絶縁体のコイル間挿入部が、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向かつロータと反対の側になるように、コイル間絶縁体をコイル間に配置することによって、係止部の先端側をインシュレータに当接させて、温度上昇によりコイル間絶縁体の係止部が熱変形して折り返し前の状態に戻ろうとするのをインシュレータで規制することが可能になる。さらに、コイル間挿入部の断面略V字の底部に軸方向に沿って設けられた飛び出し防止面によって、コイル間絶縁体が、ステータコアのティース部間から径方向かつロータ側に抜けてしまうのを防止することができる。
また、この発明のモータでは、
ロータと、
上記ロータと径方向において対向するように配置された上記のいずれか1つのステータと
を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、ステータのコイル間絶縁体の抜けを確実に防止でき、信頼性の高いモータを実現できる。
また、この発明の圧縮機は、
密閉容器と、
上記密閉容器内に配置された圧縮機構部と、
上記密閉容器内に配置され、上記圧縮機構部を駆動する上記モータと
を備えたことを特徴とする。
上記構成よれば、上記モータを用いて圧縮機構部を駆動することによって、密閉容器内の流れる高温高圧の冷媒ガスなどによりステータのコイル間絶縁体に対して軸方向にずれる力が働いてもコイル間絶縁体が抜けることがなく、信頼性の高い圧縮機を実現できる。
以上より明らかなように、この発明によれば、簡単な構成でコイル間絶縁体の軸方向の抜けを確実に防止できるステータおよびそのステータを備えたモータおよびそのモータを備えた圧縮機を実現することにある。
図1はこの発明の第1実施形態の圧縮機の縦断面図である。 図2は上記圧縮機の要部の平面図である。 図3は上記圧縮機のモータを含む要部の横断面図である。 図4は上記モータの要部拡大図である。 図5は図4のV−V線から見た縦断面図である。 図6は上記モータのコイル間絶縁体の展開図である。 図7は上記コイル間絶縁体の斜視図である。 図8は上記コイル間絶縁体の変形例の展開図である。 図9はこの発明の第2実施形態の圧縮機のモータの要部拡大図である。 図10は図9のX−X線から見た縦断面図である。 図11は上記モータのコイル間絶縁体の展開図である。 図12は上記コイル間絶縁体の斜視図である。 図13はこの発明の第3実施形態の圧縮機のモータの要部拡大図である。 図14は図13のXIV−XIV線から見た縦断面図である。 図15は上記モータのコイル間絶縁体の展開図である。 図16は上記コイル間絶縁体の斜視図である。 図17はこの発明の第4実施形態の圧縮機のモータの要部拡大図である。 図18は図17のXVIII−XVIII線から見た縦断面図である。 図19は上記モータのコイル間絶縁体の展開図である。 図20は上記コイル間絶縁体の斜視図である。
以下、この発明のステータを図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の圧縮機の縦断面図を示している。
この第1実施形態の圧縮機は、図1に示すように、密閉容器1と、この密閉容器1内に配置された圧縮機構部2と、密閉容器1内に配置され、圧縮機構部2をシャフト12を介して駆動するモータ3とを備えている。
この圧縮機は、いわゆる縦型の高圧ドーム型のロータリ圧縮機であって、密閉容器1内の下側に、圧縮機構部2を配置し、その圧縮機構部2の上側にモータ3を配置している。このモータ3のロータ6によって、シャフト12を介して、圧縮機構部2を駆動するようにしている。このモータ3は、インナーロータ型のモータである。
上記圧縮機構部2は、アキュームレータ10から吸入管11を通して冷媒ガスを吸入する。この冷媒ガスは、この圧縮機とともに、冷凍システムの一例としての空気調和機を構成する図示しない凝縮器、膨張機構、蒸発器を制御することによって得られる。この冷媒は、例えば、二酸化炭素やHCやR410A等のHFC、R22、R32等のHCFCである。
上記圧縮機は、圧縮した高温高圧の冷媒ガスを、圧縮機構部2から吐出して密閉容器1の内部に満たすと共に、モータ3のステータ5とロータ6との間の隙間を通して、モータ3を冷却した後、モータ3の上側に設けられた吐出管13から外部に吐出するようにしている。
上記密閉容器1内の高圧領域の下部には、潤滑油が溜められた油溜まり部9が形成されている。この潤滑油は、油溜まり部9から、シャフト12に設けられた油通路(図示せず)を通って、圧縮機構部2やモータ3のベアリング等の摺動部に移動して、この摺動部を潤滑する。この潤滑油は、例えば、ポリアルキレングリコール油(ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等)、エーテル油、エステル油、鉱油などである。
上記圧縮機構部2は、密閉容器1の内面に取り付けられるシリンダ21と、このシリンダ21の上下の開口端のそれぞれに取り付けられている上側の端板部材50および下側の端板部材60とを備える。上記シリンダ21と上側の端板部材50と下側の端板部材60によって、シリンダ室22を形成する。
上記上側の端板部材50は、円板状の本体部51と、この本体部51の中央に上方へ設けられたボス部52とを有する。本体部51およびボス部52は、シャフト12が挿通されている。
上記本体部51には、シリンダ室22に連通する吐出口51aが設けられている。上記本体部51に関してシリンダ21と反対側に位置するように、本体部51に吐出弁31が取り付けられている。この吐出弁31は、例えば、リード弁であり、吐出口51aを開閉する。
上記本体部51には、シリンダ21と反対側に、吐出弁31を覆うようにカップ型のマフラカバー40が取り付けられている。このマフラカバー40は、ボルト35などによって本体部51に固定されている。上記マフラカバー40は、ボス部52が挿通されている。
上記マフラカバー40および上側の端板部材50によって、マフラ室42を形成する。上記マフラ室42とシリンダ室22とは、吐出口51aを介して連通されている。
上記マフラカバー40は、マフラ室42とマフラカバー40の外側とを連通する孔部43を有する。
上記下側の端板部材60は、円板状の本体部61と、この本体部61の中央に下方へ設けられたボス部62とを有する。上記本体部61およびボス部62は、シャフト12が挿通されている。
このように、シャフト12の一端部は、上側の端板部材50および下側の端板部材60に支持されている。すなわち、シャフト12は、片持ちである。上記シャフト12の一端部(支持端側)は、シリンダ室22の内部に進入している。
上記シャフト12の支持端側には、圧縮機構部2側のシリンダ室22内に位置するように、偏心ピン26を設けている。この偏心ピン26は、ローラ27に嵌合している。このローラ27は、シリンダ室22内で、公転可能に配置され、このローラ27の公転運動で圧縮作用を行うようにしている。
言い換えると、シャフト12の一端部は、偏心ピン26の両側において、圧縮機構部2のハウジング7で支持されている。このハウジング7は、上側の端板部材50および下側の端板部材60を含む。
次に、圧縮機構部2のシリンダ21の圧縮作用を図2に従って説明する。図2は上記圧縮機の要部の平面図を示している。
図2に示すように、ローラ27に一体に設けたブレード28でシリンダ室22内を仕切っている。すなわち、ブレード28の右側の室は、吸入管11がシリンダ室22の内面に開口して、吸入室(低圧室)22aを形成している。一方、ブレード28の左側の室は、吐出口51a(図1に示す)がシリンダ室22の内面に開口して、吐出室(高圧室)22bを形成している。
上記ブレード28の両面には、半円柱状のブッシュ25,25が密着して、シールを行っている。ブレード28とブッシュ25,25との間は、潤滑油で潤滑される。
そして、偏心ピン26がシャフト12と共に偏心回転して、偏心ピン26に嵌合したローラ27が、このローラ27の外周面をシリンダ室22の内周面に接しながら公転する。
上記ローラ27がシリンダ室22内で公転するに伴って、ブレード28は、このブレード28の両側面をブッシュ25,25によって保持されて進退動する。これにより、吸入管11から低圧の冷媒ガスを吸入室22aに吸入して、吐出室22bで圧縮して高圧にした後、吐出口51a(図1に示す)から高圧の冷媒ガスを吐出する。
その後、図1に示すように、吐出口51aから吐出された冷媒ガスは、マフラ室42を経由して、マフラカバー40の外側に排出される。
図3は上記圧縮機のモータ3を含む要部の横断面図を示している。図3において、図1と同一の構成部には同一参照番号を付している。
図3に示すように、密閉容器1に取り付けられたモータ3は、ロータ6と、このロータ6の径方向外側にエアギャップを介して配置されたステータ5とを有する。
上記ロータ6は、円柱状のロータコア610と、このロータコア610に周方向に間隔をあけて埋設された6つの磁石620とを有する。ロータコア610は、例えば積層された電磁鋼板からなる。ロータコア610の中央の孔部には、シャフト12が取り付けられている。また、磁石620は、平板状の永久磁石である。
上記ステータ5は、ロータ6と径方向において対向するように配置されている。このステータ5は、ステータコア510と、ステータコア510の軸方向の両端面に取り付けられたインシュレータ530と、ステータコア510およびインシュレータ530に共に巻回されたコイル520とを有する。なお、図3では、コイル520およびインシュレータ530を一部省略している。
上記ステータコア510は、例えば積層された複数の鋼板からなり、焼き嵌めなどによって密閉容器1内に嵌め込まれている。ステータコア510は、円筒形状のバックヨーク部511と、このバックヨーク部511の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に略等間隔に配列された9つのティース部512とを有する。
上記コイル520は、各ティース部512にそれぞれ巻かれて複数のティース部512に渡って巻かれていない、いわゆる集中巻きである。上記モータ3は、いわゆる6極9スロットである。このコイル520に電流を流してステータ5に発生する電磁力によって、シャフト12と共にロータ6を回転させる。
上記インシュレータ530は、ステータコア510とコイル520との間に挟持され、ステータコア510とコイル520とを絶縁している。インシュレータ530は、例えば、樹脂によりモールド成型されている。また、インシュレータ530は、環状部531と、この環状部531の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に略等間隔に配列された9つの歯部532と、環状部531の軸方向の端面に立てられた円筒状の外壁部533とを有する。歯部532は、ステータコア510のティース部512の軸方向の両端面のそれぞれに対向して位置している。
上記ステータコア510の周方向において隣り合うティース部512の間の空間であるスロット部514内には、ティース部512およびバックヨーク部511の内周面に沿って、スロット絶縁体90が設けられている。
また、図4はモータ3の要部拡大図を示しており、図3と同一の構成部には、同一参照番号を付している。
図4に示すように、周方向において隣り合うコイル520間に、コイル間絶縁体100を挿入している。コイル間絶縁体100およびスロット絶縁体90は、樹脂製の絶縁フィルムや樹脂成形物などのシート状の樹脂材料からなり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などを用いる。
上記コイル間絶縁体100は、軸方向に沿った直線を折目にして2つに折り返された断面略V字形状のコイル間挿入部101と、支持部102a,102aと、コイル520に係止するように外側に折り返された係止部102b,102bとを有する。この支持部102a,102aと係止部102b,102bは、コイル間挿入部101の軸方向の両端に設けられている。
上記係止部102b,102bは、軸に直交する平面視において、コイル間挿入部101の断面V字形状の開口角度よりも開口角度が大きく、かつ、コイル間挿入部101の断面略V字形状の開口方向と同じ方向に開口する断面略V字形状を呈している。また、上記コイル間挿入部101は、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向内向(ロータ6側)である。
なお、上記スロット絶縁体90は、ティース部512とコイル520との間に挟まれている。スロット絶縁体90は、第1の突出部91と第2の突出部92とを有している。第1の突出部91は、隣接する一方のティース部512の先端部512Aにおける端512aよりもスロット部514側に周方向に突出している。第2の突出部92は、隣接する他方のティース部512の先端部512Aにおける端512bよりもスロット部514側に周方向に突出している。この第1の突出部91の先端と第2の突出部92の先端とは、周方向に対向すると共に、わずかに離隔している。
また、図5は図4のV−V線から見た縦断面図を示しており、図3,図4と同一の構成部には、同一参照番号を付している。
図5に示すように、コイル間絶縁体100のコイル間挿入部101が周方向に互いに隣接するコイル520間に挿入された状態で、そのコイル間挿入部101の軸方向の両端に設けられた係止部102b,102bがコイル520に係止している。これにより、コイル間絶縁体100に対して軸方向にずれる力がどちらの方向に加わっても、係止部102b,102bのシートの縁がコイル520(図4に示す)のコイルエンドに当接していることにより、コイル間絶縁体100の軸方向の抜けを防止する。
図6はコイル間絶縁体100の展開図を示しており、図6に示すように、略長方形状のコイル間挿入部101を有するコイル間絶縁体100の長手方向の上端に、長手方向に対して直交する平面に沿った切り込み103,103を設けている。この切り込み103,103は、コイル間挿入部101の長手方向の中心線L11からの間隔をあけるようにして外側から直線状に設けて、コイル間挿入部101の上側にコイル間挿入部101に連なる支持部102a,102aを残している。このようにして設けた切り込み103,103によって、支持部102a,102aから側方に夫々延びる長方形状の係止部102b,102bを設けている。
なお、この第1実施形態では、コイル間絶縁体100の長手方向の上端に、長手方向に対して直交する平面に沿った直線状の切り込み103,103を設けたが、長手方向に対して直交しないで交差する平面に沿った切り込みでもよい。また、切り込みの形状は直線状に限らない。
また、長方形状のコイル間挿入部101の長手方向の下端にも、同様に、長手方向に対して直交する平面に沿った切り込み103,103を設けている。この切り込み103,103は、コイル間挿入部101の中心線L11からの間隔をあけるようにして外側から直線状に設けて、コイル間挿入部101の上側に支持部102a,102aを残している。このようにして設けた切り込み103,103によって、支持部102a,102aから側方に夫々延びる長方形状の係止部102b,102bを設けている。この係止部102b,102bの先端側は、コイル間挿入部101よりも側方に突出している。
なお、コイル間絶縁体100の切り込み103,103は、直線状に設けたが、切り込みから破れにくいように、切り込みの終端側に円穴などを設けてもよい。また、この実施形態では、係止部102b,102bの先端側は、コイル間挿入部101よりも側方に突出しているが、コイル間挿入部101と同じか、コイル間挿入部101の幅よりも短くてもよい。
上記コイル間挿入部101は、中心線L11を折目にして2つに折り返される。また、各係止部102b,102bは、切り込み103の終端から長手方向(軸方向)外向に延びる直線L12,L12を折目にしてコイル520(図3,図4に示す)のコイルエンドに係止するように外側に折り返される(図7参照)。したがって、コイル間挿入部101の上側および下側の各支持部102aが夫々係止部102bを支持するようになっている。
上記第1実施形態では、長方形状のコイル間挿入部101の長手方向の両端に係止部102b,102bを設けたが、図8に示す変形例のように、長方形状のコイル間挿入部の長手方向の一端のみに係止部を設けてもよい。この場合、コイル間挿入部の長手方向の一端側(係止部側)から他端側に向かってコイル間からコイル間絶縁体が抜けるのを確実に防止することができる。
上記構成のステータ5によれば、シート状のコイル間絶縁体100の2つに折り返されたコイル間挿入部101が周方向に互いに隣接するコイル520間に配置された状態で、コイル間挿入部101が弾性変形により折り返しが戻るように開く力が働いてコイル520間に保持される。その状態でコイル間挿入部101の軸方向の両端に設けられた係止部102bがコイル520に係止される。この係止部は、シート状のコイル間絶縁体100に軸と交差する平面に沿った切り込み103によって、コイル520に係止するように外側に折り返されているので、その係止部102bのシート面でなく縁でコイル520のコイルエンドに対して軸方向から接する。このように、コイル間絶縁体100の係止部102bの折目が軸方向に直交しておらず、係止部102bのシートの縁がコイル520に当接しているため、コイル間絶縁体100に対して軸方向にずれる力が加わっても、係止部102bの折り返しは戻らない。また、係止部102bのシートの縁がコイル520に線接触しているので、コイルエンドから係止部102bが受ける熱も少なくなり、係止部102bの熱変形を抑制できる。したがって、簡単な構成でコイル間絶縁体100の軸方向の抜けを確実に防止することができる。
また、上記ステータ5では、コイル間絶縁体100のコイル間挿入部101は、軸に直交する平面視において断面略V字形状に折り返され、係止部102bは、軸に直交する平面視において、コイル間挿入部101の断面V字形状の開口角度よりも開口角度が大きく、かつ、コイル間挿入部101の断面略V字形状の開口方向と同じ方向に開口する断面略V字形状としている。これにより、係止部102bのシートの縁でコイル520のコイルエンドに対して軸方向に接するようにすることで、コイル間絶縁体100の係止部102bを係止させる凹部などをインシュレータ530に設けることなくコイル間絶縁体100の抜けを防止できる。
また、上記コイル間絶縁体100のコイル間挿入部101が、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向内向になるように、コイル間絶縁体100をコイル520間に配置している。これにより、密閉容器1内の温度上昇(最大130℃〜150℃)による熱変形でコイル間挿入部101の断面略V字の開口が外側に広がることによって、コイル間絶縁体100がコイル520間に保持される力が大きくなると共に、コイル間絶縁体100が、ステータコア510のティース部512間から径方向かつロータ6側に抜けてしまうのを防止することができる。
また、上記構成のモータ3によれば、ステータ5のコイル間絶縁体100の抜けを確実に防止でき、信頼性の高いモータ3を実現することができる。
また、上記構成の圧縮機よれば、モータ3を用いて圧縮機構部2を駆動することによって、密閉容器1内の流れる高温高圧の冷媒ガスなどによりステータ5のコイル間絶縁体100に対して軸方向にずれる力が働いてもコイル間絶縁体100が抜けることがなく、信頼性の高い圧縮機を実現することができる。
上記圧縮機では、密閉容器1内の差圧による押し上げ荷重がコイル間絶縁体100に働き、コイル間絶縁体100が上方に抜けやすくなるため、コイル間絶縁体100の係止部102bを一方にのみ設ける場合は、コイル間絶縁体100の下側すなわちステータ5の下側に係止部102bを設けることが、コイル間絶縁体100の抜けを防止するのに有効である。
なお、上記第1実施形態では、コイル間絶縁体100の係止部102b,102bは、コイル520に係止するように外側に折り返されていたが、コイル間絶縁体の係止部はこれに限らず、折目を設けずに、コイルに係止するように外側に曲げたものでもよい。
〔第2実施形態〕
図9はこの発明の第2実施形態の圧縮機のモータ3の要部拡大図を示している。この第2実施形態の圧縮機のモータ3は、コイル間絶縁体を除いて第1実施形態の圧縮機のモータ3と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
図9に示すように、周方向において隣り合うコイル520間にコイル間絶縁体200を挿入している。このコイル間絶縁体200は、スロット絶縁体90と同様に、樹脂製の絶縁フィルムや樹脂成形物などのシート状の樹脂材料からなり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などを用いる。
上記コイル間絶縁体200は、軸方向に沿った直線を折目にして2つに折り返された断面略V字形状のコイル間挿入部201と、支持部202a,202aと、コイル520に係止するように外側に折り返された係止部202b,202bと、係止部202b,202bの先端側から側方に延びる抜け防止部202c,202cを有する。この支持部202a,202aと係止部202b,202bと抜け防止部202c,202cは、コイル間挿入部201の軸方向の一端に設けられている。
また、インシュレータ530の外壁部533には、係止部202b,202bのシートの縁を係止するための凹部の一例としての溝部534,534を径方向に設けている。
上記コイル間絶縁体200のコイル間挿入部201は、軸に直交する平面視において断面略V字形状に折り返され、係止部202b,202bは、軸に直交する平面視において、コイル間挿入部201の断面略V字形状の開口方向と反対の側に折り返されているので、係止部202b,202bを係止する溝部534,534をインシュレータ530の外壁部533に設けることによって、コイル間絶縁体200の抜けをより確実に防止することができる。また、溝部534,534は、係止部202b,202bの径方向の移動を規制する。
さらに、上記コイル間絶縁体200の係止部202b,202bの先端側の抜け防止部202c,202cによって、係止部202b,202bがインシュレータ530の溝部534,534から抜け落ちるのを防止することができる。
また、上記コイル間挿入部201は、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向内向である。
また、図10は図4のX−X線から見た縦断面図を示しており、図3,図4と同一の構成部には、同一参照番号を付している。
図10に示すように、コイル間絶縁体200のコイル間挿入部201が周方向に互いに隣接するコイル520間に挿入された状態で、そのコイル間挿入部201の軸方向の一端に設けられた係止部202b,202bがインシュレータ530に係止している。これにより、コイル間挿入部201の長手方向の一端側(係止部202b,202b側)から他端側に向かってコイル間絶縁体200が抜けるのを確実に防止することができる。
なお、上記第2実施形態では、長方形状のコイル間挿入部201の長手方向の一端に係止部202b,202bを設けたが、第1実施形態と同様に、長方形状のコイル間挿入部の長手方向の両端に係止部を設けてもよい。この場合、コイル間絶縁体に対して軸方向にずれる力がどちらの方向に加わっても、係止部のシートの縁がインシュレータに当接していることにより、コイル間絶縁体の軸方向の抜けを確実に防止できる。
図11はコイル間絶縁体200の展開図を示しており、図11に示すように、長方形状のコイル間挿入部201を有するコイル間絶縁体200の長手方向の上端に、長手方向に対して直交する平面に沿った切り込み203,203を設けている。この切り込み203,203は、コイル間挿入部201の長手方向の中心線L21からの間隔をあけるようにして外側から直線状に設けて、コイル間挿入部201の上側にコイル間挿入部201に連なる支持部202a,202aを残している。このようにして設けた切り込み203,203によって、支持部202a,202aから側方に夫々延びる長方形状の係止部202b,202bを設けている。また、係止部202b,202bの先端側から側方に延びる抜け防止部202c,202cを設けている。
上記コイル間挿入部201は、長手方向に沿った中心線L21を折目にして2つに折り返される。また、各係止部202b,202bは、切り込み103の終端から長手方向(軸方向)外向に延びる直線L22,L22を折目にしてインシュレータ530(図9に示す)に係止するように外側に折り返され、各抜け防止部202c,202cは、直線L23,L23を折目にして係止部202b,202bと逆の方向に折り返しされる(図12参照)。
上記構成のステータ5によれば、コイル間絶縁体200のコイル間挿入部201は、軸に直交する平面視において断面略V字形状に折り返され、係止部202b,202bは、軸に直交する平面視において、コイル間挿入部201の断面略V字形状の開口方向と反対の側に折り返されているので、係止部202b,202bのシートの縁を係止する溝部534,534をインシュレータ530に設けることによって、コイル間絶縁体200の抜けをより確実に防止できる。
上記第2実施形態のステータ、モータおよび圧縮機は、第1実施形態のステータ、モータおよび圧縮機と同様の効果を有する。
〔第3実施形態〕
図13はこの発明の第3実施形態の圧縮機のモータの要部拡大図を示している。この第3実施形態の圧縮機のモータは、コイル間絶縁体を除いて第1実施形態の圧縮機のモータと同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
図13に示すように、周方向において隣り合うコイル520間にコイル間絶縁体300を挿入している。このコイル間絶縁体300は、スロット絶縁体90と同様に、樹脂製の絶縁フィルムや樹脂成形物などのシート状の樹脂材料からなり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などを用いる。
上記コイル間絶縁体300は、軸方向に沿った直線を折目にして4つに折り返された断面略W字形状のコイル間挿入部301と、支持部302a,302aと、コイル520に係止するように外側に折り返された係止部302b,302bと、係止部302b,302bの先端側から側方に延びる抜け防止部302c,302cを有する。この支持部302a,302aと係止部302b,302bと抜け防止部302c,302cは、コイル間挿入部301の軸方向の一端に設けている。
また、インシュレータ530の外壁部533には、係止部302b,302bのシートの縁を係止するための溝部534,534を径方向に設けている。
上記コイル間絶縁体300のコイル間挿入部301は、軸に直交する平面視において断面略V字形状に折り返され、係止部302b,302bは、軸に直交する平面視において、コイル間挿入部301の断面略W字形状の2つの開口方向と反対の側に折り返されているので、係止部302b,302bを係止する溝部534,534をインシュレータ530の外壁部533に設けることによって、コイル間絶縁体300の抜けをより確実に防止することができる。
さらに、上記コイル間絶縁体300の係止部302b,302bの先端側の抜け防止部302c,302cによって、係止部302b,302bがインシュレータ530の溝部534,534から抜け落ちるのを防止することができる。
図14は図13のXIV−XIV線から見た縦断面図を示しており、図3,図4と同一の構成部には、同一参照番号を付している。
図14に示すように、コイル間絶縁体300のコイル間挿入部301が周方向に互いに隣接するコイル520間に挿入された状態で、そのコイル間挿入部301の軸方向の一端に設けられた係止部302b,302bがインシュレータ530に係止している。これにより、コイル間挿入部301の長手方向の一端側(係止部302b,302b側)から他端側に向かってコイル間絶縁体300が抜けるのを確実に防止することができる。
なお、上記第2実施形態では、長方形状のコイル間挿入部301の長手方向の一端に係止部302b,302bを設けたが、第1実施形態と同様に、長方形状のコイル間挿入部の長手方向の両端に係止部を設けてもよい。この場合、コイル間絶縁体に対して軸方向にずれる力がどちらの方向に加わっても、係止部のシートの縁がインシュレータに当接していることにより、コイル間絶縁体の軸方向の抜けを確実に防止できる。
図15はコイル間絶縁体300の展開図を示しており、図15に示すように、長方形状のコイル間挿入部301を有するコイル間絶縁体300の長手方向の上端に、長手方向に対して直交する平面に沿った切り込み303,303を設けている。この切り込み303,303は、コイル間挿入部301の長手方向の直線L31からの間隔をあけるようにして外側から直線状に設けて、コイル間挿入部301の上側にコイル間挿入部301に連なる支持部302a,302aを残している。このようにして設けた切り込み303,303によって、支持部302a,302aから側方に夫々延びる長方形状の係止部302b,302bを設けている。また、係止部302b,302bの先端側から側方に延びる抜け防止部302c,302cを設けている。
上記コイル間挿入部301は、長手方向に沿った3つの直線L31を折目にして4つに折り返される。この3つの直線L31は、コイル間挿入部301の短手方向の幅を4つに等分割している。また、各係止部302b,302bは、切り込み303,303の終端から長手方向(軸方向)外向に延びる直線L32,L32を折目にしてインシュレータ530(図13に示す)に係止するように外側に折り返され、抜け防止部302c,302cは、直線L33,L33を折目にして係止部302b,302bと逆の方向に折り返しされる(図16参照)。
上記構成のステータ5によれば、コイル間絶縁体300のコイル間挿入部301は、軸に直交する平面視において断面略W字形状に折り返され、係止部は、軸に直交する平面視において、コイル間挿入部301の断面略W字形状の2つの開口方向と反対の側に折り返されているので、コイル間挿入部301が弾性変形によりコイル520間に保持される力が断面略V字形状よりも大きくなると共に、係止部302b,302bのシートの縁を係止させる溝部534,534をインシュレータ530に設けることによって、コイル間絶縁体300の抜けをより確実に防止できる。
上記第3実施形態のステータ、モータおよび圧縮機は、第1実施形態のステータ、モータおよび圧縮機と同様の効果を有する。
〔第4実施形態〕
図17はこの発明の第4実施形態の圧縮機のモータの要部拡大図を示している。この第4実施形態の圧縮機のモータは、コイル間絶縁体を除いて第1実施形態の圧縮機のモータと同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
図17に示すように、周方向において隣り合うコイル520間にコイル間絶縁体400を挿入している。コイル間絶縁体400およびスロット絶縁体90は、樹脂製の絶縁フィルムや樹脂成形物などのシート状の樹脂材料からなり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などを用いる。
上記コイル間絶縁体400は、軸方向に沿った直線を折目にして2つに折り返された断面略V字形状のコイル間挿入部401と、支持部402a,402aと、コイル520に係止するように外側に折り返された係止部402b,402bとを有する。この支持部402a,402aと係止部402b,402bは、コイル間挿入部401の軸方向の一端に設けている。
上記係止部402b,402bは、軸に直交する平面視において、コイル間挿入部401の断面V字形状の開口角度よりも開口角度が大きく、かつ、コイル間挿入部401の断面略V字形状の開口方向と同じ方向に開口する断面略V字形状を呈している。
また、上記コイル間絶縁体400のコイル間挿入部401が、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向外側(ロータ6と反対の側)になるように、コイル間絶縁体400をコイル520間に配置している。そうして、係止部402b,402bの先端をインシュレータ530の外壁部533に当接させることで、コイル間絶縁体400に熱が加わって係止部402b,402bが折り返し前の状態に戻ろうとするのを規制できる。
さらに、コイル間絶縁体400のコイル間挿入部401の断面略V字の底部に軸方向に沿って設けられた飛び出し防止面410によって、コイル520間からコイル間絶縁体400が、ステータコア510のティース部512間(スロット絶縁体90の第1の突出部91と第2の突出部92との間)から径方向内側に抜けてしまうのを防止することができる。なお、飛び出し防止面410は、平坦な面に限らず、曲面であってもよい。
図18は図17のXVIII−XVIII線から見た縦断面図を示しており、図3,図4と同一の構成部には、同一参照番号を付している。
図18に示すように、コイル間絶縁体400のコイル間挿入部401が、周方向に互いに隣接するコイル520間に挿入された状態で、そのコイル間挿入部401の軸方向の一端に設けられた係止部402b,402bがコイル520に係止している。これにより、コイル間挿入部401の長手方向の一端側(係止部402b,402b側)から他端側に向かってコイル間絶縁体400が抜けるのを確実に防止することができる。
なお、上記第4実施形態では、長方形状のコイル間挿入部401の長手方向の一端に係止部402b,402bを設けたが、第1実施形態と同様に、長方形状のコイル間挿入部の長手方向の両端に係止部を設けてもよい。この場合、コイル間絶縁体に対して軸方向にずれる力がどちらの方向に加わっても、係止部のシートの縁がインシュレータに当接していることにより、コイル間絶縁体の軸方向の抜けを確実に防止できる。
図19はコイル間絶縁体400の展開図を示しており、図19に示すように、長方形状のコイル間挿入部401を有するコイル間絶縁体400の長手方向の上端に、長手方向に対して直交する平面に沿った切り込み403,403を設けている。この切り込み403,403は、コイル間挿入部401の長手方向の直線L41からの間隔をあけるようにして外側から直線状に設けて、コイル間挿入部401の上側にコイル間挿入部401に連なる支持部402a,402aを残している。このようにして設けた切り込み403,403によって、支持部402a,402aから側方に夫々延びる長方形状の係止部402b,402bを設けている。
上記コイル間挿入部401は、長手方向に沿った直線L41,L41を折目にして2つに折り返される。また、各係止部402b,402bは、切り込み403の終端から長手方向(軸方向)外向に延びる直線L42,L42を折目にしてコイル520(図3,図4に示す)のコイルエンドに係止するように外側に折り返される(図20参照)。
なお、コイル間挿入部401の直線L41,L41は、所定の間隔をあけるように設定され、直線L41,L41間に飛び出し防止面410が形成される。
上記構成のステータ5によれば、コイル間絶縁体400のコイル間挿入部401が、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向かつロータ6と反対の側になるように、コイル間絶縁体400をコイル520間に配置することによって、係止部402b,402bの先端側をインシュレータ530に当接させることで、温度上昇によりコイル間絶縁体400の係止部402b,402bが熱変形して折り返し前の状態に戻ろうとするのをインシュレータ530で規制できる。さらに、コイル間挿入部401の断面略V字の底部に軸方向に沿って設けられた飛び出し防止面410によって、コイル間絶縁体400が、ステータコア510のティース部512間から径方向かつロータ6側に抜けてしまうのを防止することができる。
上記第4実施形態のステータ、モータおよび圧縮機は、第1実施形態のステータ、モータおよび圧縮機と同様の効果を有する。
上記第4実施形態では、コイル間絶縁体400のコイル間挿入部401の断面略V字の底部に軸方向に沿って飛び出し防止面410を設けたが、飛び出し防止面を有しない点を除いてコイル間絶縁体400と同様のコイル間絶縁体をコイル間に配置してもよい。この場合も、コイル間絶縁体の軸方向の抜けを確実に防止することができる。
上記第1〜第4実施形態では、インナーロータ型のモータを備えた圧縮機について説明したが、アウターロータ型のモータおよびそのモータを備えた圧縮機にこの発明を適用してもよい。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第4実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
1…密閉容器
2…圧縮機構部
3…モータ
5…ステータ
6…ロータ
7…ハウジング
9…油溜まり部
10…アキュームレータ
11…吸入管
12…シャフト
13…吐出管
21…シリンダ
22…シリンダ室
22a…吸入室
22b…吐出室
25,25…ブッシュ
26…偏心ピン
27…ローラ
28…ブレード
31…吐出弁
35…ボルト
40…マフラカバー
42…マフラ室
43…孔部
50…端板部材
51…本体部
51a…吐出口
52…ボス部
60…端板部材
61…本体部
62…ボス部
90…スロット絶縁体
100…コイル間絶縁体
101…コイル間挿入部
102a…支持部
102b…係止部
200…コイル間絶縁体
201…コイル間挿入部
202a…支持部
202b…係止部
202c…抜け防止部
300…コイル間絶縁体
301…コイル間挿入部
302a…支持部
302b…係止部
302c…抜け防止部
400…コイル間絶縁体
401…コイル間挿入部
402a…支持部
402b…係止部
410…飛び出し防止面
510…ステータコア
511…バックヨーク部
512…ティース部
512a,512b…端
512A…先端部
514…スロット部
520…コイル
530…インシュレータ
531…環状部
532…歯部
533…外壁部
534,534…溝部
610…ロータコア
620…磁石
91…第1の突出部
92…第2の突出部

Claims (8)

  1. 周方向に間隔をあけて配列された複数のティース部(512)を有するステータコア(510)と、
    上記ステータコア(510)の軸方向の両端面に取り付けられたインシュレータ(530)と、
    上記ステータコア(510)のティース部(512)に上記インシュレータ(530)を介して巻回されたコイル(520)と、
    周方向に互いに隣接する上記コイル(520)間に一部が配置されたシート状のコイル間絶縁体(100,200,300,400)と
    を備え、
    上記コイル間絶縁体(100,200,300,400)は、
    軸方向に沿った直線を折目にして少なくとも2つに折り返され、上記コイル(520)間に配置されたコイル間挿入部(101,201,301,401)と、
    上記コイル間挿入部(101,201,301,401)の軸方向の両端の少なくとも一方に、軸と交差する平面に沿った切り込み(103,203,303,403)によって設けられ、上記コイル(520)または上記インシュレータ(530)に係止するように外側に曲げられた係止部(102b,202b,302b,402b)と
    を有することを特徴とするステータ(5)。
  2. 請求項1に記載のステータ(5)において、
    上記コイル間絶縁体(100)の上記コイル間挿入部(101)は、軸に直交する平面視において断面略V字形状に折り返されており、
    上記コイル間絶縁体(100)の上記係止部(102)は、軸に直交する平面視において、上記コイル間挿入部(101)の断面V字形状の開口角度よりも開口角度が大きく、かつ、上記コイル間挿入部(101)の断面略V字形状の開口方向と同じ方向に開口する断面略V字形状であることを特徴とするステータ(5)。
  3. 請求項1に記載のステータ(5)において、
    上記コイル間絶縁体(200)の上記コイル間挿入部(201)は、軸に直交する平面視において断面略V字形状に折り返されており、
    上記コイル間絶縁体(200)の上記係止部(202b)は、軸に直交する平面視において、上記コイル間挿入部(201)の断面略V字形状の開口方向と反対の側に折り返されていることを特徴とするステータ(5)。
  4. 請求項1に記載のステータ(5)において、
    上記コイル間絶縁体(400)の上記コイル間挿入部(401)は、軸に直交する平面視において断面略W字形状に折り返されており、
    上記コイル間絶縁体(400)の上記係止部(402b)は、軸に直交する平面視において、上記コイル間挿入部(401)の断面略W字形状の2つの開口方向と反対の側に折り返されていることを特徴とするステータ(5)。
  5. 請求項1から3のいずれか1つに記載のステータ(5)において、
    上記コイル間絶縁体(100,200,300)の上記コイル間挿入部(101,201,301)は、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向かつロータ(6)側であることを特徴とするステータ(5)。
  6. 請求項1から3のいずれか1つに記載のステータ(5)において、
    上記コイル間絶縁体(400)の上記コイル間挿入部(401)は、軸に直交する平面視において断面略V字形状の開口方向が径方向かつロータ(6)と反対の側であって、その断面略V字の底部に軸方向に沿って設けられた飛び出し防止面(410)を有することを特徴とするステータ(5)。
  7. ロータ(6)と、
    上記ロータ(6)と径方向において対向するように配置された請求項1から6のいずれか1つに記載のステータ(5)と
    を備えたことを特徴とするモータ(3)。
  8. 密閉容器(1)と、
    上記密閉容器(1)内に配置された圧縮機構部(2)と、
    上記密閉容器(1)内に配置され、上記圧縮機構部(2)を駆動する請求項7に記載のモータ(3)と
    を備えたことを特徴とする圧縮機。
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