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JP2016110926A - 電池ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】電池ユニットの小型化を図りつつ、発熱素子の熱を適正に放熱する。【解決手段】電池ユニットは、組電池モジュール11と、スイッチング素子が実装された制御基板と、組電池モジュール11及び制御基板を収容する収容ケースと、収容ケース内に設けられ、スイッチング素子を放熱するヒートシンク60と、を備えている。ヒートシンク60は、制御基板に重なる受熱面を有する受熱部62と、該受熱部62で受熱した熱を収容ケースの側に伝える伝熱部63とを有し、受熱部62と伝熱部63とが互いに異なる方向に延び庇形状をなしている。【選択図】 図12

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載され、電池モジュールと制御基板とを収容ケース内に収容してなる電池ユニットに関するものである。
従来、複数の単電池を備えてなる蓄電池(組電池モジュール)を制御基板等と一体化して電池ユニットを構成する技術が知られている。また、こうした電池ユニットにおいては、制御基板に半導体スイッチング素子等の発熱素子が実装されており、発熱素子で生じた熱をユニット外部に逃がすための放熱構造が各種提案されている。
例えば特許文献1の電池ユニットでは、収容ケース内に組電池モジュールと制御基板とを互いに対向させて収容しており、収容ケースを構成するベースにおいて組電池モジュールの横並びとなる位置に放熱部が設けられている。そして、この放熱部により、制御基板に実装されたスイッチング素子の熱がユニット外部に放出されるようになっている。
特開2014−165100号公報
上記従来の電池ユニットでは、収容ケースのベースにおいて組電池モジュールの横並びとなる位置にスイッチング素子用の放熱部が設けられており、換言すれば、制御基板の平面視においてスイッチング素子の実装領域と組電池モジュールとが重複しないように配置されている。しかしながらかかる構成では、制御基板において組電池モジュールに重複しない領域にしか放熱対象のスイッチング素子を実装できないといった制約が生じる。したがって、仮にスイッチング素子の数を増やしたりする場合には、電池ユニットの体格の大型化が強いられる等の不都合が懸念される。そのため、放熱構造に関して、改善の余地があると考えられる。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、小型化を図りつつ、発熱素子の熱を適正に放熱することができる電池ユニットを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
本発明の電池ユニットは、電池モジュール(11)と、発熱素子(P)が実装された基板(12)と、前記電池モジュール及び前記基板を収容する収容ケース(13)と、前記収容ケース内に設けられ、前記発熱素子の熱を放熱するヒートシンク(60)と、を備えている。そして、前記ヒートシンクは、前記基板に重なる受熱面を有する受熱部(62)と、該受熱部で受熱した熱を前記収容ケースの側に伝える伝熱部(63)とを有し、前記受熱部と前記伝熱部とが互いに異なる方向に延び庇形状をなしている。
上記構成によれば、収容ケース内に庇形状をなすヒートシンクが設けられており、そのヒートシンクでは、発熱素子で生じた熱が、基板に重なる受熱面を有する受熱部に伝わり、さらにその受熱部に対して交差する方向に延びる伝熱部を介して収容ケースの側に伝わる。この場合、発熱素子の熱を逃がす放熱経路を好適に設けることができる。また特に、ヒートシンクが庇形状をなしていることから、庇内側となる部分を利用して電池モジュールやその他部品を配置することが可能となる。その結果、電池ユニットの小型化を図りつつ、発熱素子の熱を適正に放熱することができる。
電池ユニットの全体構成を示す斜視図。 電池ユニットの主要な構成を分解して示す分解斜視図。 ベースの斜視図。 ベースの平面図。 組電池モジュールの斜視図。 組電池モジュールがベースに組み付けられた状態を示す平面図。 制御基板の平面図。 制御基板がベースに組み付けられた状態を示す平面図。 ヒートシンクの斜視図。 ヒートシンクの横断面図。 組電池モジュール及びヒートシンクがベースに組み付けられた状態を示す平面図。 図11のXII−XII線断面図。 電源システムの電気的な構成を示す回路図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両に搭載される電源システムに具体化した場合を想定しており、本電源システムは、車載の各種電気負荷に電力を供給するための蓄電部(電源部)において充電や放電を逐次制御するものとなっている。車両は、内燃機関であるエンジンと、エンジンやその他各部を制御する車載ECUと、エンジンにより駆動されて発電する発電機(オルタネータ)と、発電機の発電電力により充電される蓄電部とを備えるものであり、特に蓄電部として、鉛蓄電池とリチウムイオン蓄電池とを用いる構成としている。本実施形態では、リチウムイオン蓄電池として機能するLi電池ユニット(以下、単に電池ユニットという)について詳しく説明する。
まずは、電池ユニットの具体的な構成の説明に先立って、本電池ユニットが適用される電源システムについて概要を図13を用いて説明する。
図13に示すように、本電源システムは、鉛蓄電池101、リチウムイオン蓄電池102、電動発電機である回転機103、各種の電気負荷104,105、半導体スイッチ111〜114、及び制御部115を備えている。このうち、リチウムイオン蓄電池102と各スイッチ111〜114と制御部115とは筐体(収容ケース)に収容されることで一体化され、電池ユニット10として構成されている。電池ユニット10では、各スイッチ111〜114と制御部115とが同一の回路基板に実装された状態で筐体内に収容されている。制御部115は、各スイッチ111〜114のオン(閉鎖)とオフ(開放)との切替を実施し、これにより各蓄電池101,102の充放電を制御する。
電池ユニット10には外部端子として第1端子P1、第2端子P2及び第3端子P3が設けられており、第1端子P1には鉛蓄電池101と電気負荷104とが接続され、第2端子P2には回転機103が接続され、第3端子P3には電気負荷105が接続されるようになっている。
回転機103は、エンジンのクランク軸の回転により発電(回生発電)を行う発電機能と、クランク軸に回転力を付与する動力出力機能とを備え、ISG(Integrated Starter Generator)を構成するものとなっている。鉛蓄電池101とリチウムイオン蓄電池102とは回転機103に対して並列に電気接続されており、回転機103からの電力供給により各蓄電池101,102が充電される。回転機103から各蓄電池101,102への充電量や、各蓄電池101,102から回転機103等への放電量は、各蓄電池101,102のSOC(State of charge)等に基づいて制御される。
鉛蓄電池101は周知の汎用蓄電池である。これに対し、リチウムイオン蓄電池102は、鉛蓄電池101に比べて、充放電における電力損失が少なく、出力密度、及びエネルギ密度の高い高密度蓄電池である。リチウムイオン蓄電池102は、複数の電池セルを直列に接続してなる組電池により構成されている。
電池ユニット10内には、ユニット内電気経路として、各端子P1〜P3及びリチウムイオン蓄電池102を相互に接続する複数の接続経路L1〜L4が設けられている。このうち、
・第1接続経路L1は、第1端子P1と第2端子P2とを接続する電気経路であり、
・第2接続経路L2は、第1接続経路L1上の接続点N2とリチウムイオン蓄電池102とを接続する電気経路であり、
・第3接続経路L3は、第1接続経路L1上の接続点N1と第3端子P3とを接続する電気経路であり、
・第4接続経路L4は、第2接続経路L2の接続点N3と第3接続経路L3の接続点N4とを接続する電気経路である。
そして、
・第1接続経路L1(詳しくはN1−N2の間)にスイッチ111が設けられ、
・第2接続経路L2(詳しくはN2−N3の間)にスイッチ112が設けられ、
・第3接続経路L3(詳しくはN1−N4の間)にスイッチ113が設けられ、
・第4接続経路L4(詳しくはN3−N4の間)にスイッチ114が設けられている。
なお、第1端子P1及び第2端子P2が電力入出力端子に相当し、スイッチ111が第1スイッチング素子に相当し、スイッチ112が第2スイッチング素子に相当する。
各スイッチ111〜114は、いずれも2×n個のMOSFET(電力用半導体スイッチング素子)を備え、その2つ一組のMOSFETの寄生ダイオードが互いに逆向きになるように直列に接続されている。この寄生ダイオードによって、各スイッチ111〜114をオフ状態とした場合にそのスイッチが設けられた経路に流れる電流が完全に遮断されるようになっている。
また、電気負荷105は、供給電力の電圧が概ね一定であるか、又は、電圧変動が所定範囲内であり安定していることが要求される定電圧要求電気負荷であり、各蓄電池101,102のいずれかからの給電が行われる。電気負荷105の具体例としては車載ナビゲーション装置や車載オーディオ装置が挙げられる。電気負荷104は、電気負荷105(定電圧要求電気負荷)以外の一般的な電気負荷であり、具体例としてはヘッドライト、フロントウインドシールド等のワイパ、空調装置の送風ファン、リヤウインドシールドのデフロスタ用ヒータ等が挙げられる。
次に、電池ユニット10の全体構成について図1及び図2を用いて説明する。なお、以下の説明では便宜上、電池ユニット10を水平面に設置した状態である図1を基準に、電池ユニット10の上下方向を規定することとしている。
電池ユニット10は、主要な構成として、複数のラミネート型単電池を有してなる組電池モジュール11と、組電池モジュール11における充放電の制御等を制御する制御基板12と、これら組電池モジュール11及び制御基板12を収容する収容ケース13とを備えている。収容ケース13は、本電池ユニット10の搭載場所に固定されるベース14と、ベース14の上方に取り付けられるカバー15と、ベース14及びカバー15の間に設けられる中間ケース16とを備えている。組電池モジュール11と制御基板12とは、組電池モジュール11が下、制御基板12が上になるように互いに上下に対向配置され、それぞれベース14に対して固定されている。カバー15及び中間ケース16も同様に、それぞれベース14に対して固定されている。
また、電池ユニット10は、電力の入出力が行われる端子台ユニット17と、車載ECU等に対して電気的に接続されるコネクタ部18とを有している。端子台ユニット17は、Pb接続用のPb端子台ユニット17Aと、ISG接続用のISG端子台ユニット17Bとからなる。Pb端子台ユニット17Aは、図13における第1端子P1を構成するPb端子電極19Aを有し、ISG端子台ユニット17Bは、図13における第2端子P2を構成するISG端子電極19Bを有している。各端子台ユニット17A,17Bは互いに横並びとなる位置に設けられている。
コネクタ部18には、制御部115との通信が可能な車載ECUが接続されるとともに、本電池ユニット10からの電力供給対象となる各種の電気負荷にも接続可能となっている。コネクタ部18は、信号線コネクタとパワーラインコネクタとを有する。コネクタ部18により図13の第3端子P3が構成されている。端子台ユニット17及びコネクタ部18は、収容ケース13の一側面において電池ユニット10の外部に露出した状態で設けられている。
次に、電池ユニット10の各部構成について詳しく説明する。
<収容ケース13のベース14>
まずは収容ケース13のベース14について説明する。図3はベース14の斜視図であり、図4はベース14の平面図である。
ベース14は、例えばアルミニウム等の金属材料により形成されており、底板部21と、その底板部21から起立して設けられる立ち壁部22とを有している。底板部21は略四角形状をなしており、その周縁部又は周縁部付近を取り囲んで立ち壁部22が設けられている。底板部21は、組電池モジュール11が載置されるモジュール載置部となっており、底板部21上に組電池モジュール11が載置された状態ではその組電池モジュール11が立ち壁部22により取り囲まれるようになっている。
図4において、符号23で示す底板部21の中央部分が、組電池モジュール11が当接した状態で載置されるモジュール載置面である。このモジュール載置面23はその外側の部分よりも若干突出して設けられ、その上面は研磨加工等が施された平坦面となっている。立ち壁部22は、組電池モジュール11を囲むように連続して環状に設けられている。
ベース14には、組電池モジュール11、制御基板12、カバー15及び中間ケース16がそれぞれ固定されるようになっており、これら各部材を固定するための複数の固定部24(24a〜24d)が設けられている。このうち、固定部24aは、制御基板12を固定するための固定部であり、固定部24bは中間ケース16を固定するための固定部である。これらの固定部24a,24bは、立ち壁部22の内側に、上方に延びる複数の支柱部として設けられている。固定部24a,24bは、立ち壁部22の上端部よりも上方に(すなわち反底板部側に)延びるように設けられており、この固定部24a,24bの上端部にて制御基板12や中間ケース16がそれぞれ固定されるようになっている。
また、固定部24cは、組電池モジュール11を固定するための固定部であり、これは立ち壁部22の内側に設けられている。固定部24cは、立ち壁部22の上端よりも背の低い支柱部として設けられている。さらに、固定部24dは、カバー15を固定するための固定部であり、これは立ち壁部22の外側に設けられている。
各固定部24a〜24dは、その上端面が底板部21の底面と同方向に延びる平坦面となっており、各固定部24a〜24dの上端部にはネジ孔がそれぞれ形成されている。各固定部24a〜24dには、その上端面に、組電池モジュール11や制御基板12、カバー15、中間ケース16のそれぞれの被固定部が当接した状態とされ、その状態で固定ネジNによってこれら各部材が固定されるようになっている。なお、各固定部24a〜24dは、組電池モジュール11や制御基板12、カバー15、中間ケース16をそれぞれ固定できる構成であれば、任意に変更可能である。例えばこれらの各固定部24a〜24dは立ち壁部22の内側及び外側のいずれに設けられていてもよい。
ベース14には、組電池モジュール11や制御基板12にて生じた熱を外部に放出する放熱手段が設けられている。この放熱手段として、立ち壁部22の内側には、立ち壁部22よりも低位の位置に平坦面を有するベース放熱部25が設けられている。ベース放熱部25は、ベース14の2辺の立ち壁部22に沿う略L字状をなしており(図4参照)、その背面側(ケース外側)には放熱用のリブ26が形成されている。ベース放熱部25は、図9に示すヒートシンク60と共に放熱手段を構成するものであるが、詳細は後述する。
なお、ベース14には、端子台ユニット17を固定するための端子台固定部27が設けられている。ベース放熱部25と端子台固定部27とは、ベース14の一頂点の付近に集約して配置されている。
<カバー15、中間ケース16>
収容ケース13を構成するカバー15と中間ケース16とについては、図2に示される範囲で簡単に説明する。カバー15は、ベース14と同様に例えばアルミニウム等の金属材料により形成されている。カバー15は、略四角形状をなしており、平面視においてベース14とほぼ同じ大きさを有している。
また、中間ケース16は、ベース14及びカバー15に比べて低剛性な構成となっており、具体的には合成樹脂材料により形成されている。中間ケース16は、ベース14に組み付けられることで、立ち壁部22に連続してその上方に延び、さらにその上にカバー15が組み付けられる中間部材である。中間ケース16は、平面視で略四角形の環状をなす中間壁部31を有しており、その中間壁部31の下端部の環状溝(図示略)が、ベース14の立ち壁部22の上端部に対して組み付けられるようになっている。
中間ケース16には、中間壁部31よりも下方に延びるようにして一対の絶縁壁部32が設けられている。この場合、中間ケース16がベース14に取り付けられた状態では、絶縁壁部32は、中間壁部31からベース14の底板部21に向けて延びて立ち壁部22の内側に重なるようになっている。絶縁壁部32は、組電池モジュール11の電極部(後述の電極タブ44)と立ち壁部22との電気的な接続(接触)を抑制するものであり、その組電池モジュール11の電極部と立ち壁部22との間に介在するようにして二カ所に設けられている。
<組電池モジュール11>
次に、組電池モジュール11について説明する。図5は、組電池モジュール11の斜視図である。組電池モジュール11が、図13のリチウムイオン蓄電池102に相当する。
組電池モジュール11は、複数(本実施形態では4つ)の単電池43を有してなる電池アッシー41と、その電池アッシー41に組み付けられる電池ホルダ42とを有している。電池アッシー41は、ラミネート型電池よりなる複数の単電池43を有し、各単電池43が上下に積層されて構成されている。単電池43は、板状をなし電池本体から外方へ引き出された一対の電極タブ44を有している。一対の電極タブ44は、電池本体の相対向する2辺側にそれぞれ設けられており、一方が正極タブ、他方が負極タブとなっている。
上下に積層される各単電池43は、上下に隣り合う単電池同士で正極タブと負極タブとが互い違いになる向きで配置されており、上下に隣り合う単電池同士で、正極タブと負極タブとが互いに結合されることにより、各単電池43が直列に接続されるようになっている。なお、4層の単電池43のうち最上の単電池43の上には、例えば鉄板よりなる剛性プレート45が取り付けられている。
一方、電池ホルダ42は、各単電池43の電極タブ44に電気的に接続される複数のバスバー46を有している。各バスバー46は、その先端が制御基板12に接続されるようになっており、接続状態において単電池43ごとの端子電圧の検出等が可能となっている。
図6は、組電池モジュール11がベース14に組み付けられた状態を示す平面図である。図6に示すように、組電池モジュール11は、端子台固定部27の側から見て、電池本体を挟んで一対の電極タブ44が左右に並ぶ向きで配置されている。また、組電池モジュール11は、ベース14においてベース放熱部25に横並びになる位置に配置されている。
<制御基板12>
次に、制御基板12について説明する。図7は、制御基板12の構成を示す平面図であり、図8は、制御基板12がベース14に組み付けられた状態を示す平面図である。なお図8には、説明の便宜上、組電池モジュール11の設置場所(詳しくは剛性プレート45)を破線にて示している。
制御基板12は、基板面に回路パターンが形成されたプリント基板よりなり、その基板面には各種の電子部品が実装されている。電子部品には、組電池モジュール11の充放電制御の処理等を実行するCPU(制御演算素子)や、発熱素子である複数のスイッチング素子Pが含まれている。スイッチング素子Pの開閉(オン/オフ)により、組電池モジュール11に対する電力の入出力(すなわち組電池モジュール11の充放電)や、基板上の各電力経路を通じての導通の状態が適宜制御される。
制御基板12に実装されるスイッチング素子Pは、図7に示すように、4つのスイッチ部SW1〜SW4に分けて設けられている。これら4つのスイッチ部SW1〜SW4は、図13の各スイッチ111〜114に相当するものであり、
・スイッチ部SW1によりスイッチ111が構成され、
・スイッチ部SW2によりスイッチ112が構成され、
・スイッチ部SW3によりスイッチ113が構成され、
・スイッチ部SW4によりスイッチ114が構成されている。
各スイッチ部SW1〜SW4のうちスイッチ部SW1,SW2(スイッチ111,112)は、比較的大きな電流の通電及び遮断を行うものであり、図示の構成では各々6個、4個のスイッチング素子Pにより構成されている。これらスイッチ部SW1,SW2は、制御基板12において4つの頂点部のうち1つに近づけて設けられている。
図8に示すように、制御基板12は、その一部が組電池モジュール11の側方にはみ出るように配置され、組電池モジュール11に対向する対向部分及び対向しない非対向部分にそれぞれスイッチング素子Pが実装されている。
制御基板12の略中央部には、開口部48が形成されている。開口部48は、組電池モジュール11を押圧保持する押圧バネ51(図2参照)を挿通させるための挿通孔である。収容ケース13内に組電池モジュール11を収容する際には、筒状のホルダ52(図2参照)に収容した状態で、圧縮状態で押圧バネ51を組電池モジュール11の上面とカバー15との間に介在させる。これにより、押圧バネ51のバネ力により組電池モジュール11がベース14側に押圧される。
<放熱構造>
次に、スイッチング素子Pにより生じた熱をケース外部に放出するための放熱構造について詳しく説明する。図9は、放熱手段を構成するヒートシンク60の斜視図であり、図10は、ヒートシンク60の横断面の構成を示す横断面図である。また、図11は、組電池モジュール11及びヒートシンク60がベース14に組み付けられた状態を示す平面図である。図12は、図11のXII−XII線断面図である。
ヒートシンク60は、ベース14に設けられたベース放熱部25の上に載置され、ネジ等により固定されるものであり、スイッチング素子Pの熱をベース14側に伝達する役目を有する。具体的には、ヒートシンク60は、放熱性の良い材料により構成され、本実施形態ではベース14と同様、アルミニウム等の金属材料により構成されている。また、ヒートシンク60は、ベース放熱部25に対して固定される鍔状の被固定部61を有するとともに、その上方に受熱部62と伝熱部63とを有している。受熱部62は、制御基板12の裏面側に対向しこれに重なる平坦な受熱面62aを有し、スイッチング素子Pの熱を受け取る部分であり、伝熱部63は、受熱部62で受熱した熱をベース14の側に伝える部分である。
ヒートシンク60は、受熱部62と伝熱部63とが互いに異なる方向に延びことで庇形状をなすものとなっている。本実施形態では、受熱部62と伝熱部63とは互いに直交する向きに延びている。伝熱部63は、組電池モジュール11の側方に配置され、受熱部62は、伝熱部63から、組電池モジュール11と制御基板12との間の隙間部分に延びるように配置されている。この場合、受熱部62の下方空間、すなわち庇内側となる空間部を利用して、組電池モジュール11が配置されている。すなわち、図12に示すように、組電池モジュール11はベース14の底板部21上に固定されており、その組電池モジュール11に対して片側から覆い被さるようにしてヒートシンク60が設けられている。
受熱部62の平面視形状は、ベース放熱部25と同様に略L字状をなしている。また、受熱部62は、制御基板12においてスイッチング素子Pの実装部分に対向するように設けられており、受熱部62とスイッチング素子P(スイッチ部SW1,SW2)との位置を照合すると、図8に示すとおりである。この場合、制御基板12においては組電池モジュール11の位置にかかわらずスイッチング素子Pの実装領域が拡張されている。つまり、制御基板12においては放熱可能領域が拡張されており、スイッチング素子Pの実装領域を、組電池モジュール11に対向する部分にまで拡張しても、同スイッチング素子Pの放熱を適正に実施できるようになっている。
また、制御基板12には、基板面の直交方向から見て、組電池モジュール11において2辺が交差する頂部付近となる位置にスイッチング素子Pが実装されており(図8参照)、伝熱部63は、組電池モジュール11の頂部を挟んで一方及び他方の2辺に沿って設けられている。
ヒートシンク60の受熱部62には、制御基板12を固定する基板固定部としての複数のネジ孔部64が設けられている。つまり、受熱部62は、組電池モジュール11に対向して設けられているため、組電池モジュール11に対向する対向部分にネジ孔部64が設けられるようになっている。この場合、組電池モジュール11の周囲よりも内側で制御基板12の固定が可能となり、組電池モジュール11を囲う位置でのみ基板固定する構成に比べて、制御基板12の安定保持が可能となっている。
なお、受熱部62の受熱面62aと制御基板12との間には絶縁シート67が挟み込まれており(図2参照)、絶縁シート67によって受熱部62と制御基板12とが電気的に絶縁されている。
また、ヒートシンク60の伝熱部63には、組電池モジュール11の電極タブ44との干渉避けのための切欠部65が形成されている。この切欠部65を設けることにより、ヒートシンク60が邪魔になることなく、組電池モジュール11をベース14の立ち壁部22に近接して配置できる。
電池ユニット10の動作時には、スイッチング素子Pのスイッチング動作により熱が生じる。この熱は、受熱部62に伝わり、さらに伝熱部63を介してベース放熱部25に伝わる。そして、ベース14からユニット外部に放出される。この場合、スイッチング素子Pの熱を逃がす放熱経路が好適に形成される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
上記構成の電池ユニット10では、収容ケース13内において庇形状をなすヒートシンク60が設けられていることから、庇内側となる部分を利用して組電池モジュール11を配置することが可能となる。その結果、電池ユニット10の小型化を図りつつ、スイッチング素子Pの熱を適正に放熱することができる。
組電池モジュール11と制御基板12との間のスペースにヒートシンク60の受熱部62を配置したため、制御基板12においてスイッチング素子Pの放熱性能を確保した上で、同スイッチング素子Pの実装エリアを拡張できる。これにより、組電池モジュール11に対して収容ケース13の体格を過剰に大きくしなくても、各スイッチ部SW1,SW2における所望の放熱性能を実現できる。
ヒートシンク60を庇形状で形成する場合、受熱部62を保持する上での安定感(強度)が損なわれるおそれがあるが、伝熱部63を二方に延びるように平面視L字状に設けたため、受熱部62を保持する上での安定感を高めることが可能となる。
ヒートシンク60の伝熱部63に切欠部65を設けたことにより、組電池モジュール11の電極タブ44に対してヒートシンク60が干渉することを抑制できる。これにより、組電池モジュール11の漏電を抑制できる。
組電池モジュール11に対向させて制御基板12を設ける場合には、組電池モジュール11との対向部分での基板固定が困難になるため、制御基板12を固定する固定部同士の離間距離が大きくなることが想定されるが、ヒートシンク60の受熱部62での基板固定を行う構成とすることで、固定部同士を近づけることができ、制御基板12の安定化を図ることができる。
電力経路である第1接続経路L1及び第2接続経路L2を有し、それら各接続経路L1,L2にそれぞれスイッチ111,112が設けられる構成では、電池ユニット10における放熱対象の素子が多くなる。特にスイッチ部SW1,SW2は、他のスイッチ部SW3,SW4よりも素子数が多いため、放熱対象のエリアが広くなる。この点、ヒートシンク60を庇形状とし、組電池モジュール11に覆い被せるようにしてヒートシンク60を配置したため、放熱対象の素子数が多くても好適なる放熱を実施できる。
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ベース14に対してヒートシンク60を別体で構成したが、これを変更し、ベース14とヒートシンク60とを一体で構成することも可能である。また、これ以外に、ヒートシンク60の受熱部62と伝熱部63とのうち伝熱部63をベース14に一体で設けるとともに、別体の受熱部62を伝熱部63に対してネジ等により組み付ける構成でもよい。
・収容ケース13内において、ヒートシンク60の受熱部62の下方空間には、組電池モジュール11以外の部品が配置される構成であってもよい。例えば、リレー部品等が配置されるとよい。
・上記実施形態では、4つのスイッチ部SW1〜SW4のうち大電流の通電及び遮断を行うスイッチSW1,SW2についてのみヒートシンク60による放電を行う構成としたが、これを変更し、4つ全てのスイッチ部SW1〜SW4についてヒートシンク60による放電を行う構成としてもよい。
・上記実施形態では、縦断面が略L字状の庇形状をなすようにしてヒートシンク60を構成したが(図12参照)、これを変更し、縦断面が略T字状の庇形状をなすようにしてヒートシンク60を構成してもよい。要するに、ヒートシンク60において組電池モジュール11とは反対側にも庇を設ける構成としてもよい。
・上記実施形態では、収容ケース13を、ベース14、カバー15及び中間ケース16からなる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、中間ケース16を無くし、ベース14及びカバー15により収容ケース13を構成する。
・上記実施形態では、単電池としてラミネート型電池を用いたが、これに代えて缶型の単電池を用いてもよい。また、単電池としてリチウムイオン蓄電池を用いる構成としたが、これを変更し、単電池としてニカド蓄電池や複数のニッケル水素蓄電池など、他の二次電池を用いる構成としてもよい。
・上記実施形態の電池ユニット10を、内燃機関とモータとの両方を車両走行の駆動源とするハイブリッド車両に適用してもよいし、内燃機関を持たず、モータのみを車両走行の駆動源とする電気車両に適用してもよい。
10…電池ユニット、11…組電池モジュール、12…制御基板、13…収容ケース、60…ヒートシンク、62…受熱部、63…伝熱部、P…スイッチング素子(発熱素子)。

Claims (6)

  1. 電池モジュール(11)と、
    発熱素子(P)が実装された基板(12)と、
    前記電池モジュール及び前記基板を収容する収容ケース(13)と、
    前記収容ケース内に設けられ、前記発熱素子の熱を放熱するヒートシンク(60)と、
    を備える電池ユニット(10)であって、
    前記ヒートシンクは、前記基板に重なる受熱面を有する受熱部(62)と、該受熱部で受熱した熱を前記収容ケースの側に伝える伝熱部(63)とを有し、前記受熱部と前記伝熱部とが互いに異なる方向に延び庇形状をなしていることを特徴とする電池ユニット。
  2. 前記収容ケース内において、基板面が前記電池モジュールに対向するようにして前記基板が配置され、前記基板において前記電池モジュールに対向する対向部分に前記発熱素子が実装されており、
    前記ヒートシンクの前記伝熱部は、前記電池モジュールの側方に配置され、前記受熱部は、前記伝熱部から、前記電池モジュールと前記基板との間の隙間部分に延びるように配置されている請求項1に記載の電池ユニット。
  3. 前記基板には、基板面の直交方向から見て、前記電池モジュールにおいて2辺が交差する頂部付近となる位置に前記発熱素子が実装されており、
    前記ヒートシンクの前記伝熱部は、前記電池モジュールの前記頂部を挟んで一方及び他方の2辺に沿って設けられている請求項2に記載の電池ユニット。
  4. 前記電池モジュールは、側方に延びる電極部(44)を有しており、
    前記ヒートシンクの前記伝熱部には、前記電極部との干渉避けのための切欠部(65)が形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電池ユニット。
  5. 前記ヒートシンクの前記受熱部には、前記電池モジュールに対向する対向部分に、前記基板を固定する基板固定部(64)が設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電池ユニット。
  6. 電力の入出力端子である第1端子(P1)と第2端子(P2)とを接続する第1接続経路(L1)に設けられ、該第1接続経路を開閉する前記発熱素子としての第1スイッチング素子(111)と、
    前記第1接続経路の途中位置と前記電池モジュールとを接続する第2接続経路(L2)に設けられ、該第2接続経路を開閉する前記発熱素子としての第2スイッチング素子(112)と、
    を備え、
    前記ヒートシンクの前記受熱部は、前記基板において前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の実装領域に対向して配置されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電池ユニット。
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