JP2016006311A - ディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料性状にバラツキがある場合でも、ディーゼルエンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置の機能を確実に回復させる。【解決手段】ディーゼルエンジンの排気浄化装置は、エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置と、排気浄化装置よりも上流側の排気通路に設けられた酸化触媒と、酸化触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段とを備える。また、エンジンに燃料を供給するための燃料を貯留する燃料タンク51と、燃料タンク内の燃料をエンジンに供給するための燃料供給通路52と、この燃料供給通路に設けられた燃料ポンプ54と、燃料タンクと燃料ポンプとの間の燃料供給通路に設けられ、燃料タンクからの燃料と、燃料タンクの燃料よりも硫黄分の少ない燃料を供給する別の燃料供給源55からの燃料とを切り替えてエンジンに供給するようにした切替え装置57を備えている。【選択図】図4
Description
本発明は、ディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法に係わり、特に、排気浄化触媒の劣化を再生するようにした建設機械におけるディーゼルエンジンの排気浄化装置に関する。
例えば、建設機械としての油圧ショベル等の作業車両は、その駆動源としてディーゼルエンジンを搭載しているが、このディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(以下、PMともいう)の排出量は、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等と共に、年々規制が強化されてきている。
このような規制に対して、ディーゼルエンジンの排気中に含まれるNOxを浄化するための排気浄化装置として、エンジン排気管に選択還元型NOx触媒(Selective Catalytic Reduction)(以下、SCR触媒という)を設けた排気浄化装置が知られている。このSCR触媒の排気上流には、エンジンの運転状態に応じて液体還元剤(尿素水)又はその前駆体が噴射供給され、前記SCR触媒上でNOxを選択還元反応させることで、NOxを無害成分に浄化するようにしている。
また、エンジンの排気中に含まれる前記粒子状物質(PM)を除去するために、エンジン排気管に前記PMを捕集して燃焼除去するDPF(Diesel Particulate Filter)を設けるようにしたものもある。
なお、ディーゼルエンジンの排気通路において、前記SCR触媒や前記DPF等の排気浄化装置よりも上流側に、酸化機能を有する前段触媒(前段酸化触媒)を設ける場合が多い。
なお、ディーゼルエンジンの排気通路において、前記SCR触媒や前記DPF等の排気浄化装置よりも上流側に、酸化機能を有する前段触媒(前段酸化触媒)を設ける場合が多い。
例えば、前記DPF上にPMが堆積すると、該DPFの前後の差圧(上流側と下流側の差圧)が大きくなり、その差圧が所定値を越えた場合、前記DPFを再生させる必要がある。この再生時には、該DPFの温度を上昇させる必要があり、このため前記前段酸化触媒の上流側に還元剤(燃料など)を供給し、供給された還元剤は前記前段酸化触媒により酸化されて、そのときに発生する酸化熱により前記DPFが昇温される。DPFが昇温されることで、DPFに捕集され堆積しているPMが燃焼除去される。前記還元剤の供給は、燃料をポスト噴射することなどにより行われる。
また、前記排気浄化装置として、前記SCR触媒を備えている場合も、前記前段酸化触媒の上流側に還元剤を供給することにより、前記前段酸化触媒で発生する酸化熱により前記SCR触媒を昇温し、これにより、SCR触媒が活性化されて、エンジン排気中に含まれているNOxを浄化することができる。
現在各国で進められている排気ガス規制の対応として、燃料性状の規制(硫黄やリンなどの不純物の含有量の規制)も同時に進められている。しかし、国や地域によって燃料性状に大きなバラツキがあり、このため、性状の良好な上質燃料を使用できる地域や国では、油圧ショベルやトラックなどの建設機械の稼動に支障を起こさないが、良好な燃料の入手が困難であったり、或いは燃料の性状を良好に保つための管理に問題がある等の国や地域において建設機械などを稼動させた場合には、性状の悪い燃料の使用により、排気浄化装置を劣化させることがある。
排気浄化装置が劣化すると、排気浄化性能が低下し、未浄化或いは十分に浄化されない排気ガスが大気に放出されてしまうという課題がある。
排気浄化装置が劣化すると、排気浄化性能が低下し、未浄化或いは十分に浄化されない排気ガスが大気に放出されてしまうという課題がある。
特許第4665924号公報(特許文献1)のものには、内燃機関の排気通路に、排気浄化装置と、該排気浄化装置よりも上流側の排気通路に設けられた酸化機能を有する前段触媒と、この前段触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段を備える内燃機関の排気浄化システムについて記載されている。そして、前記還元剤供給手段は、前段触媒に還元剤を供給することで前記排気浄化装置を昇温させ、それによって排気浄化装置の機能を回復させる回復制御を実行するようにしている。
また、前記前段触媒の劣化度合いを検出し、前記回復制御の実行が禁止される内燃機関の運転領域である回復制御禁止領域を、前記劣化度合いに基づいて設定する禁止領域設定手段を備え、前記禁止領域設定手段は、前記前段触媒の劣化度合いが高いほど、回復制御禁止領域の機関トルクおよび機関回転数の最大値をより高い値に設定するようにしたものが記載されている。
また、特開2011−169161号公報(特許文献2)には、排気通路に、粒子状物質(PM)を捕集するパティキュレートフィルタ(DPF)と、このDPFの上流側に設けられている酸化触媒とを有し、差圧センサで前記DPFの目詰まりを検出した場合、エンジンに供給する燃料をバイオディーゼル燃料(BDF)から、このBDFよりも低い沸点を有する軽油に切換えると共に、軽油をポスト噴射させ、軽油の未燃料ガスを前記酸化触媒で酸化させて、そのときの反応熱で排気温度を昇温させ、前記DPFに堆積されているPMを燃焼除去する発明が記載されている。
上記特許文献1に記載のものでは、前段触媒の劣化度合いが高いほど、回復制御禁止領域の機関トルクおよび機関回転数の最大値をより高い値に設定する、即ち前段触媒の劣化度合いに基づいて、エンジン(機関)のトルクと回転数を制御して、排気温度を高く設定するようにしているので、排気浄化装置の機能をある程度回復させることができる。しかし、引用文献1のものでは、使用する燃料の性状の影響を考慮していなかったため、排気浄化装置の機能回復効果は必ずしも高くはない。
また、上記特許文献2に記載のものでは、ディーゼル燃料としてバイオディーゼル燃料を使用するものにおいて、DPFに堆積されているPMを燃焼除去する際には、燃料を軽油に切換えて、該軽油をポスト噴射させるように構成しているので、確実に排気温度を昇温させてDPFの再生を実行できる。
しかし、主燃料(バイオディーゼル燃料)を貯留する主燃料タンクの他に、従燃料(軽油)を貯留する従燃料タンクを備え、更に燃料を供給するための関連配管などを、油圧ショベルなどの作業車両に追加設置する必要があるため、燃料供給系の装置が大型になり、従燃料タンクやその関連配管の設置スペースも確保する必要がある。このため、コストアップするという課題がある。
また、従燃料タンクの燃料は、DPFに堆積されているPMを燃焼除去する際に使用されるだけであるので、従燃料タンクの燃料が長時間使用されない可能性がある。燃料が長時間使用されないまま、燃料タンク内に貯留されたままにされると、従燃料タンク内の軽油の酸化劣化が進行する。この酸化劣化した燃料を使用すると、燃料系統の部材(ゴムや金属等)を劣化させる恐れがある。ディーゼルエンジン用燃料等に使用される軽油は、酸化すると、変色し、沈澱性の重合物(スラッジ)を生成したり、粘度上昇等が発生する。また、酸化によって生じた過酸化物(ペルオキシド)は、燃料系統の部材(ゴムや金属)を劣化させるという課題がある。
本発明の目的は、国や地域によってディーゼルエンジンに使用される燃料性状にバラツキがある場合でも、エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置の機能を確実に回復させることができるディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法を得ることにある。
本発明の他の目的は、燃料供給系統のレイアウトの大幅な変更をすることなく、安価に排気浄化装置の機能を回復させることができるディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法を得ることにある。
本発明の他の目的は、燃料供給系統のレイアウトの大幅な変更をすることなく、安価に排気浄化装置の機能を回復させることができるディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、ディーゼルエンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置と、該排気浄化装置よりも上流側の排気通路に設けられた酸化触媒と、該酸化触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段とを備えるディーゼルエンジンの排気浄化装置において、前記ディーゼルエンジンに燃料を供給するための燃料を貯留する燃料タンクと、該燃料タンク内の燃料を前記ディーゼルエンジンに供給するための燃料供給通路と、この燃料供給通路に設けられた燃料ポンプと、前記燃料タンクと前記燃料ポンプとの間の燃料供給通路に設けられ、前記燃料タンクからの燃料と、前記燃料タンクの燃料よりも硫黄分の少ない燃料を供給する別の燃料供給源からの燃料とを切り替えて前記ディーゼルエンジンに供給するようにした切替え装置とを備えることを特徴とする。
上記において、更に、前記排気浄化装置の再生制御を行うための制御装置と、前記再生制御の実施を指令するための外部入力手段とを備え、前記切替え装置に前記別の燃料供給源を接続した状態で、前記外部入力手段から、前記浄化装置の再生制御を実行させる指令が前記制御装置に対して為されると、前記切替え装置は前記別の燃料供給源からの燃料が前記燃料ポンプに流れるように自動的に切り替え制御されるように構成することが好ましい。
また、前記切替え装置により、前記別の燃料供給源からの硫黄分の少ない燃料が前記燃料ポンプに流れるように切り替えられた後、設定時間経過後に、前記制御装置は前記排気浄化装置の再生制御を実施するように制御すると良い。
なお、前記設定時間は、前記切替え装置を切替え動作させたときから、前記別の燃料供給源からの硫黄分の少ない燃料の供給が開始された後、この供給された硫黄分の少ない燃料の余剰燃料が、全て主燃料タンク51に回収されるまでの時間、或いは燃料タンクへの燃料戻り通路に達するまでの時間にすると良い。
本発明の他の特徴は、ディーゼルエンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置を備えるディーゼルエンジンの排気浄化方法であって、通常運転時には通常使用される燃料を前記ディーゼルエンジンに供給し、ディーゼルエンジンからの排気を前記排気浄化装置で浄化し、前記排気浄化装置の再生制御を実施する場合には、前記通常使用される燃料よりも硫黄分の少ない燃料に切り替えて前記ディーゼルエンジンに供給し、前記排気浄化装置の再生制御を実施することにある。
本発明によれば、国や地域によってディーゼルエンジンに使用される燃料性状が変化しても、エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置の機能を確実に回復させることができるディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法を得ることができる効果がある。
また、本発明によれば、燃料供給系統のレイアウトの大幅な変更をすることなく、安価に排気浄化装置の機能を回復させることができるディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法を得ることができる。
また、本発明によれば、燃料供給系統のレイアウトの大幅な変更をすることなく、安価に排気浄化装置の機能を回復させることができるディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法を得ることができる。
以下、本発明のディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法の具体的実施例を、図面を用いて説明する。各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
以下、本発明の実施例1を図1〜図7を用いて説明する。
図1は、本発明のディーゼルエンジンの排気浄化装置の実施例1を示す概略構成図である。図1において、1はディーゼルエンジン(エンジン)、2はエンジン1の排気通路、3はこの排気通路2に連設された排気浄化装置を示している。エンジン1は各気筒共通のコモンレール4を備えている。コモンレール4に蓄えられた高圧の燃料(軽油)は、各気筒に設けられたインジェクタ5に供給され、各インジェクタ5からそれぞれの気筒内に噴射されている。
なお、エンジンのピストン、クランクシャフト及びコネクティングロッドなどの各摺動部には、エンジンオイル潤滑機構(図示せず)によリエンジンオイルが供給されて潤滑されるようになっている。
図1は、本発明のディーゼルエンジンの排気浄化装置の実施例1を示す概略構成図である。図1において、1はディーゼルエンジン(エンジン)、2はエンジン1の排気通路、3はこの排気通路2に連設された排気浄化装置を示している。エンジン1は各気筒共通のコモンレール4を備えている。コモンレール4に蓄えられた高圧の燃料(軽油)は、各気筒に設けられたインジェクタ5に供給され、各インジェクタ5からそれぞれの気筒内に噴射されている。
なお、エンジンのピストン、クランクシャフト及びコネクティングロッドなどの各摺動部には、エンジンオイル潤滑機構(図示せず)によリエンジンオイルが供給されて潤滑されるようになっている。
吸気通路6にはターボチャージャ7が装備されていて、エアクリーナ(図示せず)から吸入された吸気は、吸気通路6からターボチャージャ7のコンプレッサ7aへと流入し、コンプレッサ7aで過給された吸気はインタークーラ8及び吸気制御弁9を介して吸気マニホールド10に導入される。
一方、前記エンジン1からの排気は、排気マニホールド11及び前記ターボチャージャ7のタービン7bを介して前記排気通路2に流入している。前記排気マニホールド11と吸気マニホールド10との間には、EGR弁12を介して連通するEGR通路13が設けられている。前記排気通路2の一端側はターボチャージャ7のタービン7bの吐出側に接続され、該排気通路2の他端側は前記排気浄化装置3の一端側に接続されている。
前記タービン7bの回転軸はコンプレッサ7aの回転軸と連結されている。前記排気通路2に流入する排気が、タービン7bのタービン翼(図示せず)に衝突してタービン7bを回転させ、これにより前記コンプレッサ7aが駆動されるように構成している。
前記排気浄化装置3は、本実施例では、排気通路の上流から順に前段の酸化触媒(前段酸化触媒)30、SCR触媒31、後段の酸化触媒(後段酸化触媒)32及びサイレンサ33から構成されている。なお、前記前段酸化触媒30と前記SCR触媒31との間に、排気ガスに含まれるPMを捕集するDPFを備えるようにしても良い。
前段の前記酸化触媒30は、排気中のNOを酸化させてNO2を生成し、このNO2を前記SCR触媒31に供給するものである。また、前段の酸化触媒30は、排気中の未燃ガスに含まれているCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素)を排気中の酸素と反応させて酸化処理するものである。
更に、この前段の酸化触媒30に、比較的多くの未燃ガス(還元剤)を、ポスト噴射(燃料を燃焼行程終了から排気行程にかけて追加噴射すること)などの手段により供給することにより、この未燃ガスが酸化する際の反応熱(酸化熱)で排気を昇温し、高温化された排気熱により、前記SCR触媒31を昇温する。これにより前記SCR触媒31が活性化されて、エンジン排気中に含まれるNOxを浄化することができる。
なお、前段の前記酸化触媒30は、CO、HC、NOを酸化できる触媒で有れば特に限定されないが、例えば、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウムなどの貴金属の少なくとも1種類を、チタニア、ジルコニア、アルミナなどに担時した触媒成分をコージェライトハニカム構造体などに担時した触媒などが好適である。
前記SCR触媒31の上流には、SCR触媒入口側の排気温度を検出する排気温度センサ42と、尿素水溶液を噴射供給する噴射ノズル(図示せず)とが設けられている。この噴射ノズルから噴射された尿素水溶液は、排気熱により熱分解又は加水分解してアンモニアとなり、SCR触媒31に供給される。
前記SCR触媒31は、供給されたアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを浄化して無害なN2とするものである。
前記SCR触媒31は、通常脱硝に用いられている触媒であれば特に限定されないが、例えば酸化チタンにバナジウム、タングステン等の脱硝活性成分を担時した触媒や、銅、鉄、セリウムなどの遷移金属をイオン交換したゼオライトを、コージェライトハニカム構造体などに担時した触媒などが好適である。
前記SCR触媒31の下流側には、後段の前記酸化触媒32が設けられている。この後段酸化触媒32は、前記SCR触媒31への還元剤(アンモニア)の過剰供給又は急激な温度変化により、NOxと反応せずにSCR触媒31から流出したアンモニア(アンモニアスリップ)を酸化分解し、無害なN2として排出するものである。
なお、この後段の酸化触媒32も、前段の前記酸化触媒30と同様のもので良い。
このようにして浄化された排気ガスは前記サイレンサ33を通って大気中に放出されるように構成されている。
なお、この後段の酸化触媒32も、前段の前記酸化触媒30と同様のもので良い。
このようにして浄化された排気ガスは前記サイレンサ33を通って大気中に放出されるように構成されている。
前記排気通路2には、前段の前記酸化触媒30の前(上流側)の排気の温度を検出する第1の排気温度センサ41、前記SCR触媒31の前(上流側)の排気の温度を検出する第2の排気温度センサ42、前記SCR触媒31の前の窒素酸化物(NOx)の濃度を検出するSCR上流NOxセンサ45、後段の酸化触媒32の前(上流側)の排気温度を検出する第3の排気温度センサ46、後段の前記酸化触媒32の後流(下流側)のNOx濃度を検出するSCR後流NOxセンサ47が設けられている。
このように排気通路2の上流側から順に、前段の前記酸化触媒30、前記SCR触媒31を配置することにより、NOの一部が前段の前記酸化触媒30で酸化され、NO2に変換される。また、前記前段酸化触媒30では、排気ガス中に未燃燃料(炭化水素HC)やCO等があるとこれを酸化し、この酸化する際の反応熱で排気を昇温し、この排気熱により下流側に配置した前記SCR触媒31を昇温し、該SCR触媒31を活性化させることができる。これにより、エンジン排気中に含まれるNOxを、前記SCR触媒31に供給されたアンモニアと反応させて無害なN2にすることができ、浄化することができる。
前段の前記酸化触媒30に未燃燃料を供給するには、例えば前述したポスト噴射を行う。即ち、燃料をエンジン気筒内にメイン噴射した後に、再度気筒内に燃料の追加噴射(ポスト噴射)を行うことにより、噴射タイミングを大幅に遅らせる。これにより、噴射された燃料は燃焼せず、大量の未燃燃料(未燃ガス)となり筒外に排出され、前段の前記酸化触媒30に供給される。
前記ポスト噴射は還元剤(未燃燃料)供給手段に相当する。
前記ポスト噴射は還元剤(未燃燃料)供給手段に相当する。
50は前記コモンレール4に高圧の燃料(軽油)を供給するための燃料供給システムで、燃料タンク(主燃料タンク)51、燃料供給通路52、この燃料供給通路52に設けられた燃料フィルタ53及び前記コモンレール4に燃料を供給するための燃料ポンプ(サプライポンプ)などで構成されている。
本実施例では、前記燃料フィルタ53と前記燃料ポンプ54との間の燃料供給通路52に、燃料の供給源を切替えるための切替え装置57が設けられており、この切替え装置57には後述する従燃料タンク(サブ燃料タンク;別の燃料供給源)55(図4参照)からの従燃料供給通路52bと接続ジョイント58を介して接続できるように構成されている。
従って、本実施例では、主燃料タンク51からの燃料と、従燃料タンク55からの燃料を切り替えて前記コモンレール4に供給できるようになっている。
従って、本実施例では、主燃料タンク51からの燃料と、従燃料タンク55からの燃料を切り替えて前記コモンレール4に供給できるようになっている。
60はエンジンコントロールユニット(ECU;電子制御装置)で、このECU60は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、各種手順を実行する演算部(CPU)と、予め各種設定値を記憶する記憶部(メモリ)と、入出力装置等を備えており、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行うものである。
前記ECU60の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した第1〜第3の排気温度センサ41,42,46、SCR上流NOxセンサ45、SCR後流NOxセンサ47の他、エンジン回転数を検出する回転数センサなどの各種センサ類が接続されている。また、前記ECU60の出力側には、演算した制御量に基づき制御が行われる各気筒のインジェクタ5、前記吸気制御弁9及び前記EGR制御弁12などの各種デバイス類が接続されている。
更に、本実施例では、前記ECU60に多機能マルチモニタ90が接続されており、エンジン冷却温度計91、エンジン燃料計92、警告ランプ93、エンジンや機器などの累積稼働時間を表示するためのアワーメータ(時間計)等の稼動情報表示領域などが備えられている。前記多機能マルチモニタ90の表示制御は前記ECU60により行われる。
次に、上記燃料供給システム50について詳細に説明する。
まず、図2により従来の燃料供給システムについて説明する。図2に示すように、従来の燃料供給システム50は、燃料タンク51、燃料供給通路52、この燃料供給通路52を通過する燃料の不純物を除去する燃料フィルタ53、燃料ポンプ54、コモンレール4、インジェクタ5等から構成されている。前記燃料タンク51には使用される燃料(軽油)が貯留されている。前記燃料タンク51内の燃料は、ディーゼルエンジンの気筒内で燃焼させて駆動力を発生させるために使用されるだけでなく、前記排気浄化装置3へ未燃燃料を供給するためのポスト噴射時にも使用されるようになっている。
まず、図2により従来の燃料供給システムについて説明する。図2に示すように、従来の燃料供給システム50は、燃料タンク51、燃料供給通路52、この燃料供給通路52を通過する燃料の不純物を除去する燃料フィルタ53、燃料ポンプ54、コモンレール4、インジェクタ5等から構成されている。前記燃料タンク51には使用される燃料(軽油)が貯留されている。前記燃料タンク51内の燃料は、ディーゼルエンジンの気筒内で燃焼させて駆動力を発生させるために使用されるだけでなく、前記排気浄化装置3へ未燃燃料を供給するためのポスト噴射時にも使用されるようになっている。
56は燃料戻り通路で、エンジンの気筒内に供給されなかった余剰燃料を前記燃料タンク51に戻すものであり、前記コモンレール4、前記インジェクタ5、前記燃料ポンプ54のリターン側に各々連通接続されている。
図3は、排気浄化装置における触媒の劣化再生における燃料性状の影響を説明する線図である。排気浄化装置3における前記SCR触媒31が劣化すると、これを再生する必要がある。この再生時には、前述したポスト噴射を行うことにより、未燃燃料を前記前段酸化触媒30に供給して酸化させ、その反応熱で排気を昇温することで前記SCR触媒31を昇温し、これにより前記SCR触媒31を活性化させて再生させることができる。
図3は、SCR触媒の入口温度(排気温度)に対するSCR触媒の浄化率(NOxの浄化率)を示しており、ある程度の温度までは、触媒入口温度が高くなるほど浄化率が上昇し、前記入口温度が低下するほど浄化率も低下することを示している。
また、図3における点線の折れ線Aは、新しいSCR触媒を、硫黄(S)分やリン(P)のない性状の良好な燃料を使用して排気の浄化に用いた場合の触媒入口温度に対する浄化率の変化を示している。
また、図3における点線の折れ線Aは、新しいSCR触媒を、硫黄(S)分やリン(P)のない性状の良好な燃料を使用して排気の浄化に用いた場合の触媒入口温度に対する浄化率の変化を示している。
実線の折れ線B(黒三角で示す折れ線)は、SCR触媒の被毒後、即ち被毒により性能が低下したSCR触媒を使用して排気浄化に用いた場合の触媒入口温度に対する浄化率の変化を示している。
実線の折れ線CとDは、前記SCR触媒31を昇温し、該SCR触媒31を活性化させることで再生処理した後のSCR触媒を使用して排気浄化に用いた場合の触媒入口温度に対する浄化率の変化を示している。
また、白四角で示す折れ線Cは、Sを含む(或いは更にPも含む)性状の悪い燃料を使用して再生処理及び再生処理後の運転を継続したため、排気ガス中にSO2を含む環境でSCR触媒が排気浄化に使用された場合の触媒入口温度に対する浄化率の変化を示している。
白丸で示す折れ線Dは、SやP分の無い性状の良い上質燃料を使用してSCR触媒の再生処理及び再生処理後の運転を継続した場合の触媒入口温度に対する浄化率の変化を示している。
また、白四角で示す折れ線Cは、Sを含む(或いは更にPも含む)性状の悪い燃料を使用して再生処理及び再生処理後の運転を継続したため、排気ガス中にSO2を含む環境でSCR触媒が排気浄化に使用された場合の触媒入口温度に対する浄化率の変化を示している。
白丸で示す折れ線Dは、SやP分の無い性状の良い上質燃料を使用してSCR触媒の再生処理及び再生処理後の運転を継続した場合の触媒入口温度に対する浄化率の変化を示している。
この図3から、供給燃料にSなどを含む性状の悪い燃料を使用して運転すると、排気温度を上昇させて再生しても、折れ線Cに示すように、SCR触媒の性能が回復していないことがわかる。その理由は、燃料中にS分などが多いと、排気ガス中にSOx分が含まれ、回復したものが再度被毒されることによるものと考えられる。
なお、SやP分の無い性状の良い燃料を使用してSCR触媒の再生処理した場合には、再生処理後の運転時に、性状が必ずしも良くない通常使用の燃料に切り替えて使用しても、新品のSCR触媒とほぼ同等の性能(浄化率)が得られることもわかった。従って、少なくとも再生処理時にS分などを含まない或いはS分などの少ない性状の良い燃料を使用することにより、新品のSCR触媒とほぼ同等の性能を得ることができる。
図4は、本発明の実施例1におけるディーゼルエンジンの燃料供給システムを説明する回路図である。図4において、50はコモンレール4に高圧の燃料(軽油)を供給するための燃料供給システムで、燃料タンク(主燃料タンク)51、燃料供給通路52、主燃料供給通路52a、この燃料供給通路52aに設けられた燃料フィルタ53a及び前記コモンレール4に燃料を供給するための燃料ポンプ54などで構成されている。
また、前記燃料フィルタ53aと前記燃料ポンプ54との間の燃料供給通路52には、燃料の供給源を切替えるための切替え装置57が設けられており、この切替え装置57には、従燃料タンク(別の燃料供給源)55からの従燃料供給通路52bと接続ジョイント58を介して接続できるように構成されている。前記従燃料タンク55にはS分の少ない或いはS分の無い性状の良い燃料が貯留されている。53bは前記従燃料供給通路52bの途中に設けられた燃料フィルタである。
このように燃料供給システム50を構成することにより、主燃料タンク51からの燃料と、従燃料タンク55からの燃料を、前記切替え装置57により切り替えて前記コモンレール4側に供給できるようになっている。従って、国や地域により、S分の多い性状の悪い燃料を通常の燃料として使用せざるを得ない場合であっても、触媒の再生時には前記従燃料タンク55からS分の少ない或いはS分の無い性状の良い燃料を供給して再生処理をすることができ、SCR触媒を新品の触媒とほぼ同等の性能になるように触媒の再生処理をして運転を継続することができる。よって、触媒の寿命を長くすることができ、触媒交換の期間を長くすることができる。
なお、本実施例では、燃料戻り通路56は1本のみで構成しており、従燃料タンク55からの性状の良い燃料を使用して運転する場合にも、エンジンの気筒内に供給されなかった余剰燃料は前記主燃料タンク51に戻されるようにしている。これにより構造を簡素化できると共に、性状の低下した燃料を従燃料タンク55に戻さないようにして、従燃料タンク55内の燃料性状を常に良好な状態に保つようにしている。
前記切替え装置57は、通常はA側(主燃料タンク51側)が開とされ、B側(従燃料タンク55側)は閉とされ、通常は主燃料タンク51からの燃料を、C側(燃料ポンプ54側)のポートから、前記燃料ポンプ54、前記コモンレール4及び前記インジェクタ5に供給している。
また、触媒の再生処理運転を行う場合には、まず、従燃料供給通路52bを接続ジョイント58に接続した後、前記切替え装置57のA側を閉とし、B側を開とする。これにより従燃料タンク55からの性状の良い燃料を、C側のポートから、燃料ポンプ54、コモンレール4及びインジェクタ5に供給することができ、性状の良い燃料を使用して触媒の再生処理を行うことができる。
なお、前記切替え装置57の切替え操作は、前述したECU60からの制御で自動的に行うようにすることもできる。即ち、前記ECU60を排気浄化装置の再生制御を行うための制御装置とし、前記多機能マルチモニタ90などに、前記再生制御の実施を指令するための外部入力手段を備える構成とする。
また、前記切替え装置57には前記従燃料タンク(別の燃料供給源)55を接続した状態としておく。これにより、前記外部入力手段から前記浄化装置の再生制御を実施する指令が前記制御装置(ECU60)に対して為されると、前記切替え装置57は前記従燃料タンク55からの燃料が前記燃料ポンプ54に流れるように自動的に切り替え制御されるように構成することができる。
また、前記従燃料タンク55や従燃料供給通路52bは、通常は油圧ショベルなどの作業車両に設置せずに、触媒の再生処理運転を行う場合にのみ、作業車両の前記接続ジョイント58に接続し、前記切替え装置57を操作して再生処理を行うようにすれば、作業車両の構造を簡素化でき、前記従燃料タンク55や従燃料供給通路57のための設置スペースを作業車両に確保する必要がなくなるから、本発明を安価に実施することができる。
また、前記従燃料タンク55や従燃料供給通路52bを作業車両に設置して、前記切替え装置57に従燃料タンク55を常時接続した状態にしても良く、このように構成した場合には、触媒の再生処理を定期的に、或いは触媒の劣化を検出できるように構成して、劣化を検出した場合には、前述したように、前記ECU60により自動的に前記切替え装置57を切替え操作し、触媒の再生運転を常に自動的に行わせるようにすることが可能となる。
図5は図4に示す切替え装置57の部分の構造の一例を詳細に説明する説明図である。この図5に示すように、前記切替え装置57は、3ポートの単動電磁弁などを使用することができる。即ち、通常時は、電磁弁に通電されておらず、電磁弁は消磁されていて、ポートAとポートCが連通した状態となっている。従って、図4に示すように、主燃料タンク51からの燃料を燃料ポンプ54側に供給するようになっている。
また、SCR触媒の再生処理運転時には、電磁弁に通電することにより電磁弁は励磁され、ポートBとポートCが連通した状態となる。これにより、図4に示すように、従燃料タンク55からの性状の良い燃料を燃料ポンプ54側に供給することができる。
図6は図1に示す前段酸化触媒30の劣化度合いに応じた温度上昇率を説明する線図である。横軸は時間、縦軸は酸化触媒の温度である。新品とは触媒が新品であることを示し、劣化度合い1,2は劣化が進行している触媒を示している。劣化度合い2は劣化度合い1よりも触媒の劣化が更に進んでいるものである。
この図6に示すように、酸化触媒30が新品である場合にはその温度上昇率が高く、触媒の劣化度合いが進行するほどその温度上昇率は低くなっていることがわかる。
この図6は予め実験で求めておき、図1に示すECU60に劣化度合いマップとして記憶させておく。従って、酸化触媒30の温度上昇率を求めれば、その酸化触媒の劣化度合いを知ることができる。
この図6は予め実験で求めておき、図1に示すECU60に劣化度合いマップとして記憶させておく。従って、酸化触媒30の温度上昇率を求めれば、その酸化触媒の劣化度合いを知ることができる。
図7は本発明の実施例1おける触媒再生制御(パージ制御)を説明するフローチャートで、この図7を用いて、上述したECU60で実行される、劣化した触媒の再生処理についての制御を説明する。
ディーゼルエンジンがスタートされると、先ずステップS1で、エンジンの運転領域が前段の酸化触媒30の活性領域にあるか否かを判定する。この判定は、例えば前段酸化触媒30の前に設けた前記第1の排気温度センサ41で検出した排気温度が、所定の温度以上になっているか否で判定する。エンジンの運転領域が酸化触媒30の活性領域にないと判定した場合(NOの場合)は、そのまま終了するか、制御時間経過後に再びステップS1を実行する。
ディーゼルエンジンがスタートされると、先ずステップS1で、エンジンの運転領域が前段の酸化触媒30の活性領域にあるか否かを判定する。この判定は、例えば前段酸化触媒30の前に設けた前記第1の排気温度センサ41で検出した排気温度が、所定の温度以上になっているか否で判定する。エンジンの運転領域が酸化触媒30の活性領域にないと判定した場合(NOの場合)は、そのまま終了するか、制御時間経過後に再びステップS1を実行する。
ステップS1でエンジンの運転領域が前段酸化触媒30の活性領域にあると判定した場合はステップS2へ進み、前記第1の排気温度センサ41及び前記第2の排気温度センサ42で検出された前段酸化触媒30の入口側と出口側の排気温度から前段酸化触媒30での排気温度の上昇率、即ち触媒温度上昇率△Tdを次式により求める。
△Td=(入口温度―出口温度)/時間
△Td=(入口温度―出口温度)/時間
ステップS3では、ステップS2で求められた触媒温度上昇率ΔTdを、判定しきい値△Tsと比較する。その比較の結果、触媒温度上昇率△Tdが判定しきい値△Ts以上の場合(△Td≧△Ts)、酸化触媒30は正常と判定し、そのまま終了する。一方、触媒温度上昇率△Tdが判定しきい値△Ts未満の場合(△Td<△Ts)、前段酸化触媒30に触媒劣化が発生していると判定し、ステップS4へ進む。
ステップS4では、燃料切替え装置57の入口側を、主燃料タンク51側(A口)から従燃料タンク55側(B口)に切り替え、燃料切替え装置57の入口側は従燃料タンク55側に切り替わる。即ち、主燃料供給通路52aが遮断され、主燃料タンク51に貯留されている燃料の供給が遮断される。一方、従燃料供給通路52bが連通されるため、従燃料タンク55に貯留されている良質の燃料が燃料ポンプ54に吸引される。
その後、ステップS5へ進む。このステップS5では、従燃料供給通路52bに切り替わってからの経過時間timを測定し、この経過時間timが第1の設定時間t1を経過するまで待機するように制御される。この第1の設定時間tlは、燃料供給通路52を、主燃料タンク51から従燃料タンク55に切換えた後、従燃料タンク55内の燃料(性状の良い上質燃料)がインジェクタ5から噴射され、余剰燃料が全て主燃料タンク51に回収されるまでの時間、或いは主燃料タンク51への燃料戻り通路56に達するまでの時間とする。即ち、前記第1の設定時間tlは上質燃料に切り替わるまでの時間であり、予め実験などから求めて設定する。
上記ステップS5で、経過時間timが第1の設定時間t1に達した後(tim≧t1)、ステップS6へ進み、このステップS6では、エンジン10の排気温度を上昇させる排気昇温制御を実行する。
排気昇温制御としては、例えば、エンジン1における膨張行程時に、副燃料噴射(ポスト噴射)を実行する制御や、吸気制御弁11の開度を小さくする制御などにより実行することができる。また、EGR弁12の開度を大きくし、吸気通路に導入する排気ガス(EGRガス)の量を増加させる制御によっても実行することができる。即ち、燃焼に寄与しないポスト噴射により噴射された燃料などが、未燃燃料(未燃ガス)の状態で前段酸化触媒30に供給され、ここで酸化されるので、そのときの反応熱によって排気を昇温させることができる。
排気昇温制御としては、例えば、エンジン1における膨張行程時に、副燃料噴射(ポスト噴射)を実行する制御や、吸気制御弁11の開度を小さくする制御などにより実行することができる。また、EGR弁12の開度を大きくし、吸気通路に導入する排気ガス(EGRガス)の量を増加させる制御によっても実行することができる。即ち、燃焼に寄与しないポスト噴射により噴射された燃料などが、未燃燃料(未燃ガス)の状態で前段酸化触媒30に供給され、ここで酸化されるので、そのときの反応熱によって排気を昇温させることができる。
その後、ステップS7に進み、前段酸化触媒30の後流の排気温度Tgを前記第2排気温度センサ42で検出し、この排気温度Tgが目標温度Tgs以上まで上昇したか否かを判別する。このステップS7において、条件を満足した場合(YESの場合)にはステップS8に進み、条件を満たさない場合(NOの場合)にはこのステップS7を繰り返す。
前記目標温度Tgsは、図6で説明した前段酸化触媒30の劣化度合いに基づいて設定する。即ち、予め実験などにより、酸化触媒の劣化度合いと触媒温度上昇率ΔTdとの関係を求めておき、前記ステップS2で求めた触媒温度上昇率ΔTdの値に基づいて前段酸化触媒30の劣化度合いを求め、この劣化度合いに応じて前記目標温度Tgsが設定される。
前記目標温度Tgsは、図6で説明した前段酸化触媒30の劣化度合いに基づいて設定する。即ち、予め実験などにより、酸化触媒の劣化度合いと触媒温度上昇率ΔTdとの関係を求めておき、前記ステップS2で求めた触媒温度上昇率ΔTdの値に基づいて前段酸化触媒30の劣化度合いを求め、この劣化度合いに応じて前記目標温度Tgsが設定される。
ステップS8では、前記排気昇温制御により排気温度Tgが目標温度Tgs以上まで上昇しているので、前段酸化触媒30の下流側に設けられているSCR触媒31の温度が上昇して該SCR触媒31が活性化され、その再生制御が実行される。その後、ステップS9へ進み、SCR触媒31の再生制御が実行されている経過時間timを求めて、この経過時間timが設定時間t2に達するまでSCR触媒31の再生制御を実行する。そして、経過時間timが設定時間t2以上になるとステップS10へ進み、燃料の前記切替え装置57の入口側を、従燃料タンク55側(B口)から主燃料タンク51側(A口)に切り替え、触媒再生制御は終了となる。
このように、本実施例によれば、触媒再生制御を行う場合、エンジンを稼働させる燃料を主燃料タンク51に貯留された通常燃料から、従燃料タンク55に貯留された硫黄(S)分が少ない上質燃料に切り替えるようにし、エンジン気筒内での燃焼に寄与しないポスト噴射などを実行することにより、未燃燃料を前段酸化触媒30に供給して酸化させ、そのときの反応熱によって排気を昇温して、下流側のSCR触媒31の再生を行うように構成している。従って、ディーゼルエンジンに使用される燃料の性状が、国や地域によって変化しても、触媒再生制御時には硫黄分の少ない良質な性状の燃料に切り替えて運転できるので、エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置の機能を確実に回復させることができる。
また、本実施例によれば、燃料を切替えるための切替え装置57を設けると共に、良質な燃料を貯留する従燃料タンク(別の燃料供給源)と接続するための接続ジョイント58を備える構成としているので、油圧ショベルなどの作業車両に、従燃料タンク55やその燃料供給通路52bなどを設置しておく必要がないから、燃料供給システム50のレイアウトを大幅に変更をすることなく、安価に排気浄化装置の機能を回復させるように構成することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した各実施例では建設機械としての油圧ショベル等の作業車両に本発明を適用した例について説明したが、ダンプトラックなどの作業車両など、ディーゼルエンジンを搭載した車両であれば同様に本発明を適用するができる。
また、上記実施例では、前段の酸化触媒30の下流に排気浄化装置としてSCR触媒31と後段酸化触媒32を設けているもので説明したが、これに限るものではなく、前記SCR触媒31の代わりに、或いは前記SCR触媒31と共に、PMを捕集して燃焼除去するDPFを備えるようにしたものでも、本発明は同様に実施できるものである。
更に、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
更に、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1:ディーゼルエンジン(エンジン)、2:エンジン排気通路、3:排気浄化装置、
4:コモンレール、5:インジェクタ、6:吸気通路、
7:ターボチャージャ、7a:コンプレッサ、7b:タービン、
8:インタークーラ、9:吸気制御弁、
10:吸気マニホールド、11:排気マニホールド、
12:EGR制御弁、13:EGR通路、
30,32:酸化触媒(30:前段酸化触媒、32:後段酸化触媒)
31:SCR触媒、
41,42,46:排気温度センサ、
45:SCR上流NOxセンサ、47:SCR後流NOxセンサ、
50:燃料供給システム、51:燃料タンク(主燃料タンク)、
52:燃料供給通路、52a:主燃料供給通路、52b:従燃料供給通路、
53:燃料フィルタ、53a:主燃料フィルタ、53b:従燃料フィルタ、
54:燃料ポンプ(サプライポンプ)、
55:従燃料タンク(別の燃料供給源)、56:燃料戻り通路、
57:切替え装置(燃料切換え弁)、58:接続ジョイント、
60:ECU(エンジンコントロールユニット;制御装置)、
90:多機能マルチモニタ、
91:エンジン冷却温度計、92:エンジン燃料計、93:警告ランプ。
4:コモンレール、5:インジェクタ、6:吸気通路、
7:ターボチャージャ、7a:コンプレッサ、7b:タービン、
8:インタークーラ、9:吸気制御弁、
10:吸気マニホールド、11:排気マニホールド、
12:EGR制御弁、13:EGR通路、
30,32:酸化触媒(30:前段酸化触媒、32:後段酸化触媒)
31:SCR触媒、
41,42,46:排気温度センサ、
45:SCR上流NOxセンサ、47:SCR後流NOxセンサ、
50:燃料供給システム、51:燃料タンク(主燃料タンク)、
52:燃料供給通路、52a:主燃料供給通路、52b:従燃料供給通路、
53:燃料フィルタ、53a:主燃料フィルタ、53b:従燃料フィルタ、
54:燃料ポンプ(サプライポンプ)、
55:従燃料タンク(別の燃料供給源)、56:燃料戻り通路、
57:切替え装置(燃料切換え弁)、58:接続ジョイント、
60:ECU(エンジンコントロールユニット;制御装置)、
90:多機能マルチモニタ、
91:エンジン冷却温度計、92:エンジン燃料計、93:警告ランプ。
Claims (4)
- ディーゼルエンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置と、該排気浄化装置よりも上流側の排気通路に設けられた酸化触媒と、該酸化触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段とを備えるディーゼルエンジンの排気浄化装置において、
前記ディーゼルエンジンに燃料を供給するための燃料を貯留する燃料タンクと、
該燃料タンク内の燃料を前記ディーゼルエンジンに供給するための燃料供給通路と、
この燃料供給通路に設けられた燃料ポンプと、
前記燃料タンクと前記燃料ポンプとの間の燃料供給通路に設けられ、前記燃料タンクからの燃料と、前記燃料タンクの燃料よりも硫黄分の少ない燃料を供給する別の燃料供給源からの燃料とを切り替えて前記ディーゼルエンジンに供給するようにした切替え装置と
を備えることを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装置。 - 請求項1に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置おいて、前記排気浄化装置の再生制御を行うための制御装置と、前記再生制御の実施を指令するための外部入力手段とを備え、前記切替え装置に前記別の燃料供給源を接続した状態で、前記外部入力手段から、前記浄化装置の再生制御を実行させる指令が前記制御装置に対して為されると、前記切替え装置は前記別の燃料供給源からの燃料が前記燃料ポンプに流れるように自動的に切り替え制御されることを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装置。
- 請求項2に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置おいて、前記切替え装置により、前記別の燃料供給源からの硫黄分の少ない燃料が前記燃料ポンプに流れるように切り替えられた後、設定時間経過後に、前記制御装置は前記排気浄化装置の再生制御を実施するように制御することを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装置。
- ディーゼルエンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置を備えるディーゼルエンジンの排気浄化方法であって、
通常運転時には通常使用される燃料を前記ディーゼルエンジンに供給し、ディーゼルエンジンからの排気を前記排気浄化装置で浄化し、
前記排気浄化装置の再生制御を実施する場合には、前記通常使用される燃料よりも硫黄分の少ない燃料に切り替えて前記ディーゼルエンジンに供給し、前記排気浄化装置の再生制御を実施する
ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014127204A JP2016006311A (ja) | 2014-06-20 | 2014-06-20 | ディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法 |
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ID=55224851
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JP2014127204A Pending JP2016006311A (ja) | 2014-06-20 | 2014-06-20 | ディーゼルエンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法 |
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JP (1) | JP2016006311A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102016015334A1 (de) | 2016-01-15 | 2017-07-20 | Shimano Inc. | Fahrradscheibenbremsrotor |
CN113153545A (zh) * | 2021-04-12 | 2021-07-23 | 上汽依维柯红岩商用车有限公司 | 一种柴油商用车双油箱切换控制系统及其控制方法 |
JP2021134756A (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-13 | いすゞ自動車株式会社 | 診断装置及び診断方法 |
WO2023167202A1 (ja) | 2022-03-04 | 2023-09-07 | コベルコ建機株式会社 | 作業機械、酸化触媒の劣化検知装置、酸化触媒の劣化検知方法、および、酸化触媒の劣化検知プログラム |
-
2014
- 2014-06-20 JP JP2014127204A patent/JP2016006311A/ja active Pending
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