JP2016055817A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】トレッドパターンにピッチバリエーションが採用された空気入りタイヤにおいて、優れた排水性を維持しながら転がり抵抗を低減し、且つ、偏摩耗を抑制することを可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】
ショルダー陸部列12Sに複数本のラグ溝13が設けられ、このラグ溝13によりショルダー陸部列12Sが複数のブロック15に区画され、ブロック15とこのブロック15の一方側に隣接するラグ溝13とからなる繰り返し単位のピッチ長が3種類以上存在する空気入りタイヤにおいて、ラグ溝13に底上げ部16を設け、この底上げ部16のタイヤ幅方向長さを主溝11の溝幅の50%〜150%にする一方で、底上げ部16の底上げ高さをピッチ長が小さい繰り返し単位に含まれるラグ溝13の底上げ部16ほど大きくする。
【選択図】図3
【解決手段】
ショルダー陸部列12Sに複数本のラグ溝13が設けられ、このラグ溝13によりショルダー陸部列12Sが複数のブロック15に区画され、ブロック15とこのブロック15の一方側に隣接するラグ溝13とからなる繰り返し単位のピッチ長が3種類以上存在する空気入りタイヤにおいて、ラグ溝13に底上げ部16を設け、この底上げ部16のタイヤ幅方向長さを主溝11の溝幅の50%〜150%にする一方で、底上げ部16の底上げ高さをピッチ長が小さい繰り返し単位に含まれるラグ溝13の底上げ部16ほど大きくする。
【選択図】図3
Description
本発明は、トレッドパターンにピッチバリエーションが採用された空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、優れた排水性を維持しながら転がり抵抗を低減し、且つ、偏摩耗を抑制することを可能にした空気入りタイヤに関する。
従来、トレッドパターンに起因するパターンノイズを低減する等の目的で、ピッチバリエーションを採用したトレッドパターン(例えば、周方向長さの異なる複数のブロックをタイヤ周方向に連ねたブロック列を含むトレッドパターン)を設けることがある。このとき、例えば特許文献1は、ブロック列に含まれる各ブロックの周方向長さが異なることで周方向のブロック剛性が不均一になることを防止するために、ブロック列において各ブロックを区画するラグ溝に溝底を隆起させた底上げ部を設け、周方向長さの大きいブロック間のラグ溝に設けた底上げ部よりも、より周方向長さの小さいブロック間のラグ溝に設けた底上げ部の方が、高剛性であるようにすることを提案している。
しかしながら、このような底上げ部は、底上げ部が形成されたラグ溝に隣接するブロックの剛性を高めて、ブロックの変形を抑制することで、転がり抵抗を低減したり偏摩耗の発生を抑制するには有効であるが、ラグ溝に本来所望される排水性能の妨げになるという問題がある。そのため、ピッチバリエーションを採用したトレッドパターンにおいて、優れた排水性能の維持とブロック(陸部)の剛性の不均一の抑制(即ち、転がり抵抗の低減や偏摩耗の抑制)とを高度に両立することが求められている。
本発明の目的は、トレッドパターンにピッチバリエーションが採用された空気入りタイヤにおいて、優れた排水性を維持しながら転がり抵抗を低減し、且つ、偏摩耗を抑制することを可能にした空気入りタイヤに関する。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に延在する複数本の主溝が設けられ、該主溝により複数の陸部列が形成され、該陸部列のうちタイヤ幅方向最外側に位置するショルダー陸部列に一方の端部が前記主溝に連通しタイヤ幅方向に延在する複数本のラグ溝が設けられ、該ラグ溝により前記ショルダー陸部列が複数のブロックに区画され、該ブロックとこのブロックの一方側に隣接するラグ溝とからなる繰り返し単位のピッチ長が3種類以上存在する空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝に底上げ部を設け、該底上げ部のタイヤ幅方向長さを前記主溝の溝幅の50%〜150%にする一方で、前記底上げ部の底上げ高さをピッチ長が小さい繰り返し単位に含まれるラグ溝の底上げ部ほど大きくしたことを特徴とする。
本発明では、ピッチ長が小さい繰り返し単位に含まれるブロックほど、剛性がより低くなり、より変形が生じ易くなるため、転がり抵抗の悪化や偏摩耗の原因となる傾向にある点に着目し、各ラグ溝に設けられた底上げ部について、ピッチ長が小さい繰り返し単位に含まれるラグ溝の底上げ部ほど底上げ高さを大きくし、より変形し易いブロックがより確実に補強されるようにしている。その結果、効果的に転がり抵抗を低減し、且つ、偏摩耗を抑制することができる。その一方で、ピッチ長が大きい繰り返し単位に含まれるブロックは、ブロック自体が充分な剛性を有し、変形が生じ難く、底上げ部により強固に補強する必要がないので、ピッチ長が大きい繰り返し単位に含まれるラグ溝の底上げ部ほど底上げ高さを小さくし、溝体積を確保するようにしている。その結果、優れた排水性能を充分に維持することができる。即ち、上述のようにブロック高さを変化させることで、ブロックの変形し易さに応じた各ブロックの適切な補強と、ブロックの変形し難さに応じた溝体積の確保とを、バランスよく両立することができ、転がり抵抗の低減及び偏摩耗の抑制と排水性能の維持とを効果的に両立することができる。更に、底上げ部のタイヤ幅方向長さを主溝の溝幅の50%〜150%に限定しているので、この点からも排水性能の悪化を抑制し、優れた排水性能を維持することができる。
本発明では、底上げ部がラグ溝の主溝に連通する側の端部に配置されていることが好ましい。このように底上げ部を主溝側に設けることで、変形の生じやすいブロックの角部を効果的に補強できるので、転がり抵抗を低減し、且つ、耐偏摩耗性能を向上するには有利になる。
本発明では、底上げ部の底上げ高さがラグ溝の溝深さの10%〜50%であることが好ましい。このように底上げ高さを所定の範囲に限定することで、排水性能の悪化を効果的に抑制しながら底上げ部による剛性向上(転がり抵抗の低減及び偏摩耗の抑制)の効果を充分に得ることができる。
本発明では、底上げ部の最大底上げ高さと最小底上げ高さとの比が1.8〜2.3であることが好ましい。このように、底上げ部の底上げ高さをラグ溝によって異ならせるにあたって、底上げ高さの最大値と最小値との関係を上記範囲に設定することで、排水性能の維持と、転がり抵抗の低減及び偏摩耗の抑制とをバランスよく両立することが可能になる。
本発明では、底上げ部の底上げ高さが主溝側に向かって徐々に小さくなることが好ましい。このように底上げ高さを変化させることで、ラグ溝内の水の流れを良好にして、より効果的に排水性能を維持することができる。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、符号CLはタイヤ赤道を表わす。本発明の空気入りタイヤは、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3から構成される。左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では2層)のベルト層7,8が埋設されている。各ベルト層7,8は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7,8において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7,8の外周側にはベルト補強層9が設けられている。ベルト補強層9は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層9において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本発明は、このような一般的な空気入りタイヤに適用されるが、その断面構造は上述の基本構造に限定されるものではない。
本発明の空気入りタイヤのトレッド部1の外表面(トレッド面10)には、図2に例示するように、タイヤ周方向に延在する複数本(図2では4本)の主溝11が設けられ、これら主溝11により複数列(図2では5列)の陸部列12が形成されている。これら主溝11のうち、タイヤ赤道CL側に位置する一対をセンター側主溝11C、タイヤ幅方向外側に位置する一対を外側主溝11Sとする。また、複数列の陸部列12のうち、一対のセンター側主溝11C間に位置するものをセンター陸部列12C、センター側主溝11Cと外側主溝11Sとの間に位置するものを中間陸部列12M、外側主溝11Sのタイヤ幅方向外側に位置するものをショルダー陸部列12Sとする。図2の例では、センター陸部列12Cを除く中間陸部列12M及びショルダー陸部列12Sにタイヤ幅方向に延在するラグ溝13が設けられている。尚、ラグ溝13のうち、中間陸部列12Mに設けられたものを中間ラグ溝13M、ショルダー陸部列12Sに設けられたものをショルダーラグ溝13Sとする。図2の例では、中間ラグ溝13Mはセンター主溝11Cと外側主溝11Sとの両者に連通し、ショルダーラグ溝13Sは一方の端部が外側主溝11Sに連通すると共に他方の端部はショルダー陸部列12S内で終端している。中間陸部列12Mには、中間ラグ溝13Mの他に、主溝11よりも溝幅が小さくタイヤ周方向に延びる周方向細溝14が設けられている。これらラグ溝13と周方向溝14とにより、各陸部列12M,12Sはそれぞれブロック15に区画されている。尚、本発明において、ブロック15とは、主溝11とラグ溝13(と場合によって周方向溝14)とによって四辺が区画されたブロックと、リブ状の陸部において主溝11とラグ溝13(と場合によって周方向溝14)とによって区画された部分(一部が他の部分と連結)との両方を含む。具体的には、中間陸部列12Mは、中間ラグ溝13Mと周方向細溝14とによりタイヤ幅方向に2列かつタイヤ周方向に多数のブロック15(中間ブロック15M)に区画されている。一方、ショルダー陸部12Sは、ショルダーラグ溝13Sによりタイヤ周方向に多数のブロック15(ショルダーブロック15S)に区画されているが、このショルダーブロック15Sは、タイヤ幅方向外側の一部がタイヤ周方向に隣り合う別のショルダーブロック15Sと連結している。
このとき、ラグ溝13が設けられブロック15が区画された1つの陸部列12(図2の場合、中間陸部列12Mとショルダー陸部列12Sとのそれぞれ)において、ブロック15とこのブロック15の一方側に隣接するラグ溝13とを1つの繰り返し単位と見做すと、この繰り返し単位の周方向長さ(ピッチ長P)は全ての繰り返し単位で同一ではなく、図2に示すように、3種類以上(図2では3種類)のピッチ長P(P1〜P3)が存在している。このとき、ピッチ長P1〜P3の大小関係は、P1<P2<P3である。尚、ピッチ長Pはラグ溝13の主溝11に対する連通位置にて測定し、1つのラグ溝13のエッジから隣り合うラグ溝13のエッジまでの距離である(図2の点線を参照)。また、図2では、ショルダー陸部列12Sにおける繰り返し単位についてのみ図示しているが、中間ラグ溝12Mについても同様の構成とすることもできる。
尚、本発明は、後述のように、ショルダー陸部列12Sに設けられたショルダーラグ溝13Sに底上げ部16を設けるものであるので、ショルダー陸部12Sに一方の端部が主溝11(外側主溝11S)に連通したショルダーラグ溝13Sが設けられ、このショルダーラグ溝13Sによりブロック15(ショルダーブロック15S)が区画されて3種類以上のピッチ長Pの繰り返し単位が存在していれば、トレッドパターンは上述の例に限定されるものではない。
このように構成されたトレッド面10において、ショルダーラグ溝13Sには、図3,4に示すように、底上げ部16が設けられている。底上げ部16は、ショルダーラグ溝13Sの溝底を隆起させて構成される。また、この底上げ部16のタイヤ幅方向長さLは、主溝11(外側主溝11S)の溝幅GWの50%〜150%である。尚、図示のように底上げ部16がショルダーラグ溝13Sの溝底と滑らかに連続している場合、底上げ部16のタイヤ幅方向長さLは、底上げ部16の隆起の開始点を基準に測定される。
その一方で、底上げ部16の底上げ高さHは、その底上げ部16が設けられたショルダーラグ溝13Sを含む繰り返し単位のピッチ長Pに応じて変化し、ピッチ長Pが小さい繰り返し単位に含まれるショルダーラグ溝13Sに設けられた底上げ部16ほど底上げ高さHが大きくなっている。具体的には、図3に例示するように、ピッチ長P1の繰り返し単位に含まれるショルダーラグ溝13Sに設けられた底上げ部16の底上げ高さH1、ピッチ長P2の繰り返し単位に含まれるショルダーラグ溝13Sに設けられた底上げ部16の底上げ高さH2、ピッチ長P3の繰り返し単位に含まれるショルダーラグ溝13Sに設けられた底上げ部16の底上げ高さH3が、ピッチ長P1〜P3の大小関係(P1<P2<P3)に対応して、H1>H2>H3という大小関係になっている。
本発明では、ピッチ長Pが小さい繰り返し単位に含まれるショルダーブロック15Sほど、剛性がより低くなり、より変形が生じ易くなるため、転がり抵抗の悪化や偏摩耗の原因となる傾向にある点に着目し、各ショルダーラグ溝13Sに設けられた底上げ部16について、ピッチ長Pが小さい繰り返し単位に含まれるショルダーラグ溝13Sの底上げ部16ほど底上げ高さHを大きくし、より変形し易いショルダーブロック15Sがより確実に補強されるようにしている。その結果、効果的に転がり抵抗を低減し、且つ、偏摩耗を抑制することができる。その一方で、ピッチ長Pが大きい繰り返し単位に含まれるショルダーブロック15Sは、そのショルダーブロック15S自体が充分な剛性を有し、変形が生じ難く、底上げ部16による補強が必ずしも必要ではないので、ピッチ長Pが大きい繰り返し単位に含まれるショルダーラグ溝13Sの底上げ部16ほど底上げ高さを小さくし、ショルダーラグ溝13Sの溝体積を確保するようにしている。その結果、優れた排水性能を充分に維持することができる。即ち、本発明では、上述のように底上げ高さHをショルダーラグ溝13Sごとに変化させることで、ショルダーブロック15Sの変形し易さに応じた各ショルダーブロック15Sの適切な補強と、ショルダーブロック15Sの変形し難さに応じたショルダーラグ溝13S溝体積の確保とを、バランスよく両立することができ、転がり抵抗の低減及び偏摩耗の抑制と排水性能の維持とを効果的に両立することができる。更に、底上げ部16のタイヤ幅方向長さLを主溝11の溝幅GWの50%〜150%に限定しているので、この点からも排水性能の悪化を抑制し、優れた排水性能を維持することができる。
このとき、底上げ部16の高さがピッチ長Pに依らずに全てのショルダーラグ溝13Sにおいて一定であったり、ピッチ長Pが小さい繰り返し単位に含まれるショルダーラグ溝13Sほど底上げ部16の底上げ高さHが小さくなると、ショルダーブロック15Sの変形し易さに応じた適切な補強ができなくなるため、転がり抵抗の低減及び偏摩耗の抑制の効果が得られない。また、底上げ部16のタイヤ幅方向長さLが主溝11の溝幅GWの50%よりも小さいと底上げ部16による補強効果が充分に得られず、逆に、底上げ部16のタイヤ幅方向長さLが主溝11の溝幅GWの150%よりも大きいと溝体積が減少して排水性能が悪化する。
ショルダーブロック15Sに対して周方向両側にショルダーラグ溝13Sが1本ずつ存在するが、これらショルダーラグ溝13Sのうち、ショルダーラグ溝13Sがタイヤ幅方向に対して傾斜することでショルダーブロック15Sの角部が鋭角になっている側のショルダーラグ溝13Sを、繰り返し単位においてショルダーブロック15Sと対となるものとすることが好ましい。即ち、ショルダーブロック15Sの角部のうち鋭角である箇所の方が変形し易いため、この側を底上げ部16によって補強することが転がり抵抗の低減や偏摩耗の抑制には効果的である。尚、ショルダーブロック15Sに対して周方向両側のショルダーラグ溝13Sの両方に底上げ部16を設けると、底上げ部16が多くなるため、溝体積を充分に確保することが難しくなり排水性能に影響がある。
上述のように、ショルダーブロック15Sの角部のうち鋭角である箇所が変形し易いので、この部位を確実に補強できるように、底上げ部16をショルダーラグ溝13Sの主溝11に連通する側の端部に配置することが好ましい。これにより、変形の生じやすいショルダーブロック15Sの角部を効果的に補強できるので、転がり抵抗を低減し、且つ、耐偏摩耗性能を向上するには有利になる。
本発明では、底上げ部16の底上げ高さHがショルダーラグ溝13Sによって変化するが、いずれの底上げ部16であっても、その底上げ高さHが、ショルダーラグ溝13Sの溝深さDの10%〜50%の範囲に収まることが好ましい。このように底上げ高さHを所定の範囲に限定することで、排水性能の悪化を効果的に抑制しながら底上げ部16による剛性向上(転がり抵抗の低減及び偏摩耗の抑制)の効果を充分に得ることができる。このとき、底上げ高さHが、ラグ溝13の溝深さDの10%よりも小さいと底上げ部16を設けることによる剛性向上の効果が充分に得られず、ラグ溝13の溝深さDの50%よりも大きいと排水性能を充分に維持することが難しくなる。
排水性能の維持と転がり抵抗の低減及び偏摩耗の抑制とのバランスを考慮すると、最も底上げ高さHが大きい底上げ部16と最も底上げ高さHが小さい底上げ部16との底上げ高さHの差が極端に大きくなることは好ましくない。そのため、底上げ部16の最大底上げ高さ(図3の場合H1)と最小底上げ高さ(図3の場合H3)との比(図3の場合H1/H3)が1.8〜2.3であることが好ましい。このように、底上げ部16の底上げ高さHをショルダーラグ溝13Sによって異ならせるにあたって、底上げ高さHの最大値と最小値との関係を設定することで、排水性能の維持と転がり抵抗の低減及び偏摩耗の抑制とをバランスよく両立することが可能になる。このとき、底上げ部16の最大底上げ高さと最小底上げ高さとの比が1.8よりも小さいと、実質的に底上げ部16の底上げ高さHが全てのショルダーラグ溝13Sにおいて略一定になるため、ショルダーブロック15Sの変形し易さに応じた適切な補強が充分にできなくなる。逆に、底上げ部16の最大底上げ高さと最小底上げ高さとの比が2.3よりも大きいと、底上げ高さHの最大値と最小値との差が大きくなるため、排水性能の維持と転がり抵抗の低減及び偏摩耗の抑制とをバランスよく達成することが難しくなる。
1つのショルダーラグ溝13Sに設けられた1つの底上げ部16の底上げ高さHは、図4に示すように底上げ部16の全体において一定である必要は無く、図5に例示するように、主溝11側に向かって徐々に小さくなることが好ましい。このように底上げ高さHを変化させることで、ラグ溝13内の水の流れを良好にして、より効果的に排水性能を維持することができる。このとき、底上げ部16の最も主溝11側における底上げ高さが底上げ部の最大底上げ高さの50%以下になるようにすることが好ましい。
タイヤサイズが195/65R15 91Hであり、図1に例示する断面形状を有し、図2に例示するトレッドパターンを基調とし、ショルダー陸部列について、底上げ部の有無、底上げ高さ(H1〜H3)、底上げ高さの最大/最小比、底上げ部のタイヤ幅方向の長さ(底上げ部の長さ)、底上げ高さの変化の有無をそれぞれ表1のように設定した従来例1、比較例1〜4、実施例1〜11の16種類の空気入りタイヤを作製した。
尚、いずれの例も、繰り返し単位としてピッチ長の異なる3種類が含まれ、最も小さいピッチ長P1が33mm、2番目に小さいピッチ長P2が28mm、最も大きいピッチ長P3が22mmである。上述の底上げ高さH1〜H3は、ピッチ長P1〜P3と対応し、ピッチ長P1の繰り返し単位に含まれるラグ溝に設けられた底上げ部の底上げ高さがH1、ピッチ長P2の繰り返し単位に含まれるラグ溝に設けられた底上げ部の底上げ高さがH2、ピッチ長P3の繰り返し単位に含まれるラグ溝に設けられた底上げ部の底上げ高さがH3である。また、後述のように底上げ高さが主溝側に向かって徐々に減少する場合の底上げ高さH1〜H3は、各底上げ部の最大底上げ高さとした。
表1の「底上げ高さの変化の有無」の欄については、底上げ高さが底上げ部の全体に亘って一定であるものを「無」、底上げ高さが主溝側に向かって徐々に減少するものを「有」と示した。
これら16種類の空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、排水性能、転がり抵抗、及び、耐偏摩耗性能を評価し、その結果を表1に併せて示した。
排水性能
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、空気圧を230kPaとして排気量1.8Lの試験車両に装着し、直進路上で水深10±1mmのプールに進入するようにした走行試験を実施し、プールへの進入速度を徐々に増加させ、ハイドロプレーニング現象が発生する限界速度を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど排水性能が優れることを意味する。尚、指数値が「98.5」以上であれば、従来レベルの優れた排水性能を維持している。
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、空気圧を230kPaとして排気量1.8Lの試験車両に装着し、直進路上で水深10±1mmのプールに進入するようにした走行試験を実施し、プールへの進入速度を徐々に増加させ、ハイドロプレーニング現象が発生する限界速度を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど排水性能が優れることを意味する。尚、指数値が「98.5」以上であれば、従来レベルの優れた排水性能を維持している。
転がり抵抗
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、半径854mmのドラムを備えた転がり抵抗試験機に装着し、空気圧230kPa、荷重4.0kN、速度80km/hの条件にて20分間の予備走行を行った後、同条件にて転がり抵抗を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数として示した。この指数が大きいほど転がり抵抗が優れていることを意味する。
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、半径854mmのドラムを備えた転がり抵抗試験機に装着し、空気圧230kPa、荷重4.0kN、速度80km/hの条件にて20分間の予備走行を行った後、同条件にて転がり抵抗を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数として示した。この指数が大きいほど転がり抵抗が優れていることを意味する。
耐偏摩耗性能
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、空気圧230kPaとして排気量1.8Lの試験車両に装着し、アスファルト路面にて1万kmの走行試験を実施した後、ショルダー陸部に発生した偏摩耗量を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐偏摩耗性能が優れていることを意味する。
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付けて、空気圧230kPaとして排気量1.8Lの試験車両に装着し、アスファルト路面にて1万kmの走行試験を実施した後、ショルダー陸部に発生した偏摩耗量を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐偏摩耗性能が優れていることを意味する。
表1から明らかなように、実施例1〜11はいずれも従来例1に対して、排水性能と転がり抵抗及び耐偏摩耗性能とをバランスよく向上した。
一方、底上げ部を一切設けない比較例1は、排水性能は優れるものの、転がり抵抗及び耐偏摩耗性能が悪化した。ピッチ長に対する底上げ高さの大小関係が本発明と逆転した比較例2は、排水性能は従来レベルを維持するものの、転がり抵抗及び耐偏摩耗性能が悪化した。底上げ部の長さが小さ過ぎる比較例3は、排水性能は僅かに向上するものの、充分な補強効果が得られず転がり抵抗及び耐偏摩耗性能が悪化した。底上げ部の長さが大き過ぎる比較例4は、従来レベルの排水性能を維持することができず、排水性能が悪化した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7,8 ベルト層
9 ベルト補強層
10 トレッド面
11 主溝
11C センター主溝
11S 外側主溝
12 陸部列
12C センター陸部列
12M 中間陸部列
12S ショルダー陸部列
13 ラグ溝
13M 中間ラグ溝
13S ショルダーラグ溝
14 周方向細溝
15 ブロック
15M 中間ブロック
15S ショルダーブロック
16 底上げ部
CL タイヤ赤道
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7,8 ベルト層
9 ベルト補強層
10 トレッド面
11 主溝
11C センター主溝
11S 外側主溝
12 陸部列
12C センター陸部列
12M 中間陸部列
12S ショルダー陸部列
13 ラグ溝
13M 中間ラグ溝
13S ショルダーラグ溝
14 周方向細溝
15 ブロック
15M 中間ブロック
15S ショルダーブロック
16 底上げ部
CL タイヤ赤道
Claims (5)
- トレッド部にタイヤ周方向に延在する複数本の主溝が設けられ、該主溝により複数の陸部列が形成され、該陸部列のうちタイヤ幅方向最外側に位置するショルダー陸部列に一方の端部が前記主溝に連通しタイヤ幅方向に延在する複数本のラグ溝が設けられ、該ラグ溝により前記ショルダー陸部列が複数のブロックに区画され、該ブロックとこのブロックの一方側に隣接するラグ溝とからなる繰り返し単位のピッチ長が3種類以上存在する空気入りタイヤにおいて、
前記ラグ溝に底上げ部を設け、該底上げ部のタイヤ幅方向長さを前記主溝の溝幅の50%〜150%にする一方で、前記底上げ部の底上げ高さをピッチ長が小さい繰り返し単位に含まれるラグ溝の底上げ部ほど大きくしたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記底上げ部が前記ラグ溝の前記主溝に連通する側の端部に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記底上げ部の底上げ高さが前記ラグ溝の溝深さの10%〜50%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記底上げ部の最大底上げ高さと最小底上げ高さとの比が1.8〜2.3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記底上げ部の底上げ高さが前記主溝側に向かって徐々に小さくなることを特徴とする請求項1〜4に記載の空気入りタイヤ。
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---|---|---|---|
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JP2014185427A JP2016055817A (ja) | 2014-09-11 | 2014-09-11 | 空気入りタイヤ |
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WO2017187739A1 (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
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