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JP2015220613A - 無線受信装置 - Google Patents

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JP2015220613A JP2014102780A JP2014102780A JP2015220613A JP 2015220613 A JP2015220613 A JP 2015220613A JP 2014102780 A JP2014102780 A JP 2014102780A JP 2014102780 A JP2014102780 A JP 2014102780A JP 2015220613 A JP2015220613 A JP 2015220613A
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Tsuyoshi Furukawa
剛志 古川
旦代 智哉
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Abstract

【課題】無線フレームの誤検出確率および未検出確率を低減できる。
【解決手段】本開示の一実施形態に係る無線受信装置は、検出部、復調部、判定部および設定部を含む。検出部は、受信した際の受信電力レベルがキャリア検出閾値以上となる無線フレームを検出する。復調部は、無線フレームに対して復調処理を行う。判定部は、復調処理に成功したか否かに応じて、他装置と自装置との間の接続状態を判定する。設定部は、接続状態が接続要求フレームの復調処理に成功していない初期状態であれば、キャリア検出閾値を固定値である第1閾値に設定し、接続状態が初期状態以外であれば、キャリア検出閾値を、第1閾値以上かつ可変値である第2閾値に設定する。
【選択図】図2

Description

本開示は、無線受信装置に関する。
無線通信において、無線フレームのキャリア検出を適切に行うためには、キャリア検出のための閾値(以下、キャリア検出閾値)を適当な値に設定する必要がある。閾値が高いと、所望の無線フレームを受信してもキャリアを検出できない確率(以下、未検出確率)が高くなり、通信品質が劣化する。一方、閾値が低いと、干渉波およびノイズの影響により誤ってキャリアであると検出してしまう確率(以下、誤検出確率)が高くなり、通信品質が劣化する。干渉波が存在しない環境においては、誤検出確率を低減するためにノイズのみを考慮すればよいが、干渉波が存在する環境においては、干渉波とノイズとの両方の影響を受ける。一般に干渉波の電力レベルは変動するため、キャリア検出閾値を適応的に設定する手法がある。
しかし、上述した手法では、無線受信装置の接続状態に応じて干渉の影響を受けやすいケースと受けにくいケースとがある場合でも、ケース分けすることなく一様に閾値を設定する。よって、干渉に対して柔軟に対応できず、無線フレームの誤検出確率および未検出確率を適応的に低減させることができない。
特開2010−193446号公報
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、無線フレームの誤検出確率および未検出確率を低減することができる無線受信装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る無線受信装置は、検出部、復調部、判定部および設定部を含む。検出部は、受信した際の受信電力レベルがキャリア検出閾値以上となる無線フレームを検出する。復調部は、前記無線フレームに対して復調処理を行う。判定部は、前記復調処理に成功したか否かに応じて、他装置と自装置との間の接続状態を判定する。設定部は、前記接続状態が接続要求フレームの復調処理に成功していない初期状態であれば、前記キャリア検出閾値を固定値である第1閾値に設定し、前記接続状態が前記初期状態以外であれば、前記キャリア検出閾値を、前記第1閾値以上かつ可変値である第2閾値に設定する。
2つの無線システムに関する概念図。 第1の実施形態に係る無線受信装置を示すブロック図。 本実施形態に係る近接システムの接続確立シーケンスの一例を示す図。 未検出確率と誤検出確率との関係を示す図。 閾値設定部の閾値設定処理を示すフローチャート。 第1の実施形態に係る閾値設定部の閾値設定処理の具体例を示す図。 第1の実施形態に係る無線受信装置の動作の一例を示す図。 第2の実施形態に係る閾値設定部の閾値設定処理の具体例を示す図。 第3の実施形態に係る無線受信装置を示すブロック図。 第3の実施形態に係る無線受信装置の動作の一例を示す図。 従来のキャリア検出閾値の設定手法を示す概念図。
以下、図面を参照しながら本開示の一実施形態に係る無線受信装置について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
(第1の実施形態)
本実施形態で想定する2つの無線システムについて図1の概念図を参照して説明する。
図1は、近接端末101、近接端末102、近距離端末151および近距離端末152を含む。
近接端末101および近接端末102は、例えば60GHz帯を用いる1対1通信に特化しており、通信距離が数センチメートル程度の近接ミリ波無線システム(以下、近接システム100)において利用される。ここでは、近接端末101は、60GHz帯の周波数を用いて無線フレームを近接端末102に送信し、データ通信を行う。
近距離端末151および近距離端末152は、例えば60GHz帯を用いる近距離ミリ波無線システム(以下、近距離システム150という)において利用される。このような近距離システム150の一例としては、例えば通信距離が数メートル程度のWiGig/IEEE802.11adに代表される国際標準規格がある。ここでは、近距離端末151が60GHz帯の周波数を用いて無線フレームを近距離端末152に送信し、データ通信を行う。
近接システム100と近距離システム150とが同一エリアに存在する場合、近距離システム150の方がサービスエリアが広いため、通信距離の関係で相対的に近接システム100の方が干渉の影響を受けやすくなる。以下、近接システムにおける近接端末が送信した無線フレームを所望波と呼び、近距離システムにおける近距離端末が送信した無線フレームを干渉波と呼ぶ。
次に、第1の実施形態に係る無線受信装置について図2のブロック図を参照して説明する。無線受信装置は、例えば図1の近接端末102として用いられる。
第2の実施形態に係る無線受信装置200は、アンテナ201と、送受信部202と、キャリア検出部203と、復調部204と、接続状態判定部205と、受信電力測定部206と、閾値設定部207とを含む。
アンテナ201は、例えば60GHz帯の無線信号を送受信できるような、無線通信に用いる一般的なアンテナであればよいので、ここでの説明は省略する。また、図2では、アンテナ201は1つであるが、複数でもよい。
送受信部202は、アンテナ201を介して、通信相手となる他装置(近接端末)からの無線フレームを受信する。また、送受信部202は、他装置への応答を示す無線フレームであるACKフレームなどを他装置に送信する。
キャリア検出部203は、送受信部202から無線フレームを受け取り、無線フレームの受信した際の受信電力レベルがキャリア検出のための閾値(キャリア検出閾値)以上であるか否かを判定する。受信電力レベルがキャリア検出閾値以上である場合は、キャリアを検出したと判定し、キャリア検出結果を得る。また、キャリア検出部203は、後述する閾値設定部207から新たな閾値が設定された場合は、現在のキャリア検出閾値を新たな閾値に更新する。
復調部204は、キャリア検出部203からキャリア検出結果と検出された無線フレームとを受け取り、キャリア検出結果に基づいて検出されたと示される無線フレームに対して復調処理を行い、復調結果を得る。また、復調部204は、無線フレームを復調する際に自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)で制御した利得値と、AGCで制御した後のプリアンブルのアナログデジタル変換(ADC:Analog-to-digital converter)出力とを生成する。
接続状態判定部205は、復調部204から復調結果を受け取り、復調結果が正しいか否かを判定する。復調結果が正しいか否かの判定としては、例えば、無線フレームに付加される巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)情報が正しいか否かを判定すればよい。以下では、「復調結果が正しい」ことを、「復調処理に成功した」ともいう。また、復調処理に成功すれば、復調処理した無線フレームのフレーム種別に関する情報を得られる。フレーム種別は、例えば、他装置からの接続要求を示す無線フレームである接続要求フレーム、ACKフレーム、データ本体を含むデータフレームが挙げられる。復調処理に成功したか否かの情報およびフレーム種別を判定結果として得る。
接続状態判定部205は、判定結果に応じて、通信相手となる他装置と自装置との間の接続状態を判定する。接続状態としては、本実施形態では、初期状態と、中間状態と、接続確立状態との3つの状態を想定する。初期状態は、他装置からの接続要求を示す無線フレームである接続要求フレームの復調処理に成功していない状態である。中間状態は、接続要求フレームの復調処理に成功した後から他装置と自装置との間の接続が確立する前までの状態である。接続確立状態は、前記他装置と自装置との間の接続が確立した以降の状態である。なお、これに限らず、接続状態として、初期状態と接続確立状態との2つの状態でもよいし、初期状態を含む4つ以上の状態でもよい。
また、接続状態判定部205は、復調結果と接続状態とに応じて、送受信部202にACK等を送信するよう制御信号を出力したり、上位レイヤに制御信号を出力し、上位レイヤからの指示信号を受け取る。
受信電力測定部206は、復調部204から利得値とADC出力とを受け取り、利得値とADC出力とに基づいて、無線フレームの受信電力値を測定する。受信電力値の測定は、一般的な受信信号強度表示(RSSI:Received Signal Strength Indicator)などを計算すればよいので、ここでの説明は省略する。
閾値設定部207は、接続状態判定部205から判定結果および接続状態を、受信電力測定部206から受信電力値を、それぞれ受け取る。閾値設定部207は、判定結果、接続状態および受信電力値に基づいて、キャリア検出部203で用いるキャリア検出閾値を、固定値である第1閾値に設定するか、第1閾値以上でありかつ可変値である第2閾値に設定するかを決定する。キャリア検出閾値の設定方法については、図5および図6を参照して後述する。
次に、本実施形態に係る近接システムの接続確立シーケンスの一例について図3を参照して説明する。
図3は、近接端末101が近接端末102(無線受信装置200)と接続を確立し、データを送信するまでの時系列を示す。近接端末101から無線受信装置200への矢印、および無線受信装置200から近接端末101への矢印は、それぞれ無線フレームを通信相手に送信することを示す。
初期状態310において、近接端末101は、接続要求1として、4マイクロ秒の期間長を有する接続要求フレームを、無線受信装置200から応答があるまで10マイクロ秒間隔で1ミリ秒間連続して送信し続ける。すなわち、近接端末101は、接続要求1をバースト送信する。無線受信装置200は、最初は、近接端末101からの接続要求1の接続要求フレームを干渉波などの影響で受信できないが、タイミング301で初めて接続要求1の接続要求フレームを受信できたとする。
無線受信装置200は、受信した接続要求1の接続要求フレームの復調処理に成功すると、受信した接続要求フレームに対する応答であるACKフレームを近接端末101に送信する。このとき、初期状態310から中間状態311へ推移する。ACKフレームの送信とともに、近接端末101と接続可能か否かを確認する処理を無線受信装置200の上位レイヤで行う。
近接端末101は、無線受信装置200からACKフレームを受信したのち、接続要求2として、接続要求フレームを80マイクロ秒間隔で応答があるまで送信し続ける。接続要求1と接続要求2とで送信される接続要求フレームは、接続要求1がACKフレームを通信相手に要求すること以外は同様のデータを含む無線フレームである。
無線受信装置200は、上位レイヤにより近接端末101と接続可能であると判定されると、接続要求2の接続要求フレームを受け取ったのち(タイミング302)、近接端末101に接続応答を示す無線フレームである接続応答フレームを送信する。
近接端末101は、無線受信装置200から接続応答フレームを受信すると、無線受信装置200にACKフレームを送信する。
無線受信装置200が近接端末101からのACKフレームを受信することで接続が確立され、中間状態311から接続確立状態312へ推移する。
接続確立状態312では、近接端末101は、無線受信装置200にデータ本体を含むデータフレームを送信する。無線受信装置200は、データフレームを受け取り(タイミング303)、データフレームの受信を完了したことを示すACKフレームを近接端末101に送信するともに、データフレームのデータ本体を復調し上位レイヤで処理する。
なお、初期状態310において、無線受信装置200が受信する接続要求1の接続要求フレームは、4マイクロ秒であり、データフレームのフレーム長よりも短いフレーム長であり、さらに約10マイクロ秒間隔という短い周期でバースト送信される。つまり、たとえ干渉波が存在しても、干渉波が途切れるタイミングで接続要求フレームを受信できる可能性が高く、接続要求フレームの復調処理に成功することができる。
次に、未検出確率と誤検出確率との関係について図4を参照して説明する。
図4は、キャリア検出閾値に対する誤検出確率401および未検出確率402を示すグラフであり、横軸がキャリア検出閾値を示し、縦軸が確率を示す。キャリア検出閾値が低いと誤検出確率401が高くなる一方、未検出確率402が低くなる。逆に、キャリア検出閾値が高いと誤検出確率401が低くなる一方、未検出確率402が高くなる。このように誤検出確率401と未検出確率402とはトレードオフの関係にある。
接続状態が初期状態の場合、端末間の距離が離れていても無線フレームを検出する必要があるため、未検出確率が低い方が望ましい。本実施形態で想定する近接システムでは、接続要求1の接続要求フレームは短いフレームを連続的に送信するため、誤検出しても連続するフレームでカバーできる可能性が高い。一方、接続状態が初期状態以外では、スループット向上のため、誤検出確率が低い方が望ましい。
次に、第1の実施形態に係る閾値設定部207の閾値設定処理について図5のフローチャートを参照して説明する。図5に示すステップは、キャリア検出された無線フレームごとに行われる。
ステップS501では、接続状態判定部205から判定結果および接続状態を、受信電力測定部206から受信電力値を、それぞれ受け取る。
ステップS502では、接続状態が初期状態であるか否かを判定する。接続状態が初期状態であれば、ステップS503に進み、接続状態が初期状態以外、すなわち接続状態が中間状態または接続確立状態であれば、ステップS504に進む。
ステップS503では、キャリア検出閾値を第1閾値に設定する。
ステップS504では、判定結果を参照して、無線フレーム(接続要求フレームまたはデータフレーム)の復調処理に成功しているか否かを判定する。復調処理に成功していれば、ステップS505に進み、復調処理に成功していない、すなわち復調処理に失敗していれば、ステップS506に進む。
ステップS505では、キャリア検出閾値を第2閾値に設定する。第2閾値の決定方法としては、例えば、復調処理に成功した最新の無線フレームの受信電力値から、所望波を取り出すために必要な所要の信号対干渉雑音比(SINR:Signal-to-interference-plus-noise ratio)(以下、所要SINRという)を減算した値を第2閾値とすればよい。
ステップS506では、復調処理に失敗しているため、キャリア検出閾値は変更しない。以上で、閾値設定部207の制御処理を終了する。
次に、第1の実施形態に係る閾値設定部207の設定処理の具体例について図6を参照して説明する。
図6は、閾値設定部207においてキャリア検出閾値を設定する際に参照されるテーブルの一例である。なお、このようなテーブル形式に限らず、受信電力、判定結果(CRC情報)に応じてキャリア検出閾値を決定できる方法であればよい。
図6に示すテーブル600は、接続状態601、CRC情報602、受信電力値603、キャリア検出閾値604および設定値605を含む。各値は、無線フレームごとに算出され対応付けられる。
接続状態601は、接続状態判定部205において決定される接続状態である。本実施形態では、初期状態、中間状態および接続確立状態の3つの状態のいずれかを示す。
CRC情報602は、接続状態判定部205において得られる判定結果である。ここでは、CRC情報が正しいか誤りであるか、つまり復調処理が成功したか否かを示す。CRC情報が正しい(復調処理が成功した)場合は「OK」、CRC情報が誤りである(復調処理が成功していない)場合は「NG」とする。
受信電力値603は、受信電力測定部206において測定される受信電力値を示す。
キャリア検出閾値604は、キャリア検出閾値として、第1閾値または第2閾値のどちらを用いるかを示す情報である。
設定値605は、第1閾値または第2閾値として設定される値である。なお、第1閾値は上述したように固定値であり、ここでは、−50dBmに設定する。第2閾値は、初期状態以外の状態に用いる可変値であり、ここでは、−50dBmから−10dBmの間で可変とする。また、所要SINRは、本実施形態では10dBとするが、システムの変調レートに応じて値を適宜設定すればよい。例えば、変調レートが高い場合は、例えば20dBとするなどSINRを10dBよりも高く設定すればよく、変調レートが低い場合は、例えば2dBとするなどSINRを10dBよりも低く設定すればよい。
初期状態では、キャリアの未検出確率を低くするため、閾値をなるべく低い値に設定する。すなわち、キャリア検出閾値として第1閾値が設定される。
中間状態では、直前に受信した無線フレームのCRC情報602が「OK」であれば、キャリア検出閾値として第2閾値を用い、受信電力値603と所要SINRとに基づいて設定値605が算出される。具体的には、CRC情報602が「OK」のときの受信電力値603が「−30dBm」であれば、受信電力値から所要SINR「10dBm」を減算した値「−30dB−10dBm=−40dBm」が設定値605として算出される。
一方、無線フレームのCRC情報602が「NG」であれば、キャリア検出閾値の値は変更しない。具体的には、CRC情報602が「NG」となる場合(図6のフレーム606)は、1つ前の復調処理が成功した無線フレームのキャリア検出閾値「−41dBm」をそのまま用いる。
接続確立状態では、中間状態の処理と同様に、キャリア検出閾値を第2閾値として設定して設定値を算出すればよい。
次に、第1の実施形態に係る無線受信装置200の動作の一例について、図7を参照して説明する。
図7は、無線受信装置200における無線フレームの受信のみを時系列で示した図であり、横軸が時間を示し、縦軸が受信電力レベルを示す。また、図7における時系列に沿った破線は、キャリア検出閾値701である。
接続状態が初期状態である場合、キャリア検出閾値が第1閾値に設定される。通信相手から接続要求1の接続要求フレームを受ける際に、他の無線システムからキャリア検出閾値701以上の受信電力レベルの干渉波を受けるので、接続要求1の先頭の接続要求フレームを受信できない。その後、接続要求1がバースト送信される間に干渉波がなくなるタイミングで、接続要求1の接続要求フレーム702を受信する。
その後、中間状態では、キャリア検出閾値が第2閾値に設定され、受信した接続要求2の接続要求フレームの受信電力値に基づいて、第2閾値が設定される。接続要求フレーム703を受信したときは、接続要求フレーム703の受信電力値から所要SINRを減じた値が第2閾値として設定される。続く接続要求フレーム704の受信電力は、接続要求フレーム703の受信電力よりも高いので、第2閾値の設定値が高く設定される。
以上に示した第1の実施形態によれば、初期状態ではキャリア検出閾値を低い値に固定することで未検出確率を低減することができ、かつ、干渉波の影響で誤検出しても短い無線フレームを短い周期で繰り返し受信するため干渉波の隙間で無線フレームの復調処理が成功する。一方、初期状態以外では、長い無線フレームを受信するため干渉波の影響を受けやすくなるが、直前に復調処理に成功した無線フレームの受信電力レベルに応じた可変値をキャリア検出閾値として設定することで、干渉波の影響を低減し、誤検出確率を低減することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、受信電力値を平均化して第2閾値を設定する点が異なる。このように第2閾値を算出してキャリア検出閾値として設定することで、より信頼性の高い値に設定することができる。
第2の実施形態に係る無線受信装置は、第1の実施形態の無線受信装置200と閾値設定部207の処理以外は同様であるので、ここでの説明を省略する。
第2の実施形態に係る閾値設定部207の閾値設定処理の具体例について図8を参照して説明する。
図8に示すテーブル800は、接続状態601、CRC情報602、受信電力値603、キャリア検出閾値604、設定値605および平均値801を含む。
接続状態601、CRC情報602、受信電力値603、キャリア検出閾値604、設定値605については、図6に示すテーブル600と同様である。
平均値801は、接続状態が中間状態である場合で、かつCRC情報602が「OK」だった場合の受信電力値603を平均化する。
具体的には、例えば、接続要求フレーム802では、CRC情報602が「OK」であるが、中間状態における最初の無線フレームなので、受信電力値を平均化せずに、受信電力値603「−30dBm」から所要SINR「10dBm」を減算して第2閾値の設定値605を「−40dBm」とする。
続いて、接続要求フレーム803を受信した場合は、CRC情報602が「OK」であるので、受信電力値の平均値を算出する。具体的には、接続要求フレーム802と接続要求フレーム803とのそれぞれの受信電力値の平均(0.001mW(−30dBm)+0.003162mW(−25dBm))/2≒0.002081mW(−26.817dBm)を得る。
ここでは、小数点以下を四捨五入するとし、「−27dBm」から所要SINRである「10dBm」を減算した「−37dBm」を第2閾値の設定値605とする。
続いて、接続要求フレーム804を受信するが、CRC情報602が「NG」であるので、設定値605は「−37dBm」のまま変更しない。
続いて、接続要求フレーム805を受信した場合は、CRC情報602が「OK」であるので、以前のCRC情報602が「OK」であった接続要求フレームの受信電力値との平均値を算出する。具体的には、接続要求フレーム802,803および805の平均を取り、(0.001mW(−30dBm)+0.003162mW(−25dBm)+0.000501mW(−33dBm))/3≒0.001554mW(−28.0841dBm)を得る。
よって、所要SINRを減算した−38dBmを第2閾値の設定値605とする。
なお、受信電力値を平均化する処理は、接続状態が中間状態である場合に行うことに限らず、接続確立状態以後に行ってもよい。
以上に示した第2の実施形態によれば、上位レイヤの処理を待っているような状況において、定期的に受信する接続要求の無線フレームを利用し、受信した無線フレームの平均値から第2閾値を設定することで、キャリア検出閾値をより信頼性の高い値に設定することができる。この結果、干渉波の影響を低減し、誤検出確率を低減することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、タイマーにより閾値を設定する点が異なる。このようにすることで無線フレームが検出できない状況が連続して発生し続けることを回避することができる。
第3の実施形態に係る無線受信装置について図9のブロック図を参照して説明する。
第3の実施形態に係る無線受信装置900は、アンテナ201と、送受信部202と、キャリア検出部203と、復調部204と、接続状態判定部205と、受信電力測定部206と、タイマー部901と、閾値設定部902とを含む。
アンテナ201と、送受信部202と、キャリア検出部203と、復調部204と、接続状態判定部205と、受信電力測定部206については、第1の実施形態と同様の処理を行うのでここでの説明は省略する。
タイマー部901は、接続状態判定部205から接続状態および判定結果を受け取る。タイマー部901は、接続状態が中間状態から接続確立状態に推移すると、タイマーを初期化し、経過時間の計測を開始する。タイマー部901はまた、判定結果に含まれるCRC情報が「OK」である、すなわち復調処理に成功した場合、タイマーをリセットして、再び経過時間の計測を開始する。タイマー部901は、経過時間が所定期間を経過した場合は、タイムアウトしたことを示すタイムアウト情報を生成する。
閾値設定部902は、タイマー部901からタイムアウト情報を受け取った場合、接続状態が接続確立状態であれば、キャリア検出閾値を第1閾値に設定する。なお、閾値設定部902は、タイマー部901からタイムアウト情報を受け取ったとき以外の動作は、上述の実施形態に係る閾値設定部207とほぼ同様の処理を行えばよい。
本実施形態に係る無線受信装置で用いられる近接システムによっては、復調処理に失敗する期間が継続すると、システム側のタイマーで設定されるタイムアウト期間により、接続状態が初期状態にリセットされる仕様が実装される場合もある。このような場合は、第3の実施形態に係る無線受信装置900での処理が優先されるように、タイマー部901で設定される所定期間を近接システムのタイマーで設定されるタイムアウト期間よりも短く設定すればよい。
次に、第3の実施形態に係る無線受信装置900のキャリア検出閾値の制御処理について図10を参照して説明する。
図10は、無線受信装置900における無線フレームの受信のみを時系列で示した図であり、図7と同様である。
接続確立状態において、上述の実施形態と同様に、キャリア検出閾値701が第2閾値に設定され、第2閾値の値が、復調処理が成功した無線フレームの受信電力値に応じて変化する。無線フレーム(データフレーム1001)の復調処理に成功すると、タイマー部901がタイマーをリセットし、経過時間の測定を開始する。
データフレーム1001の復調処理が成功した後に、通信相手との距離が離れたと仮定すると、無線受信装置900において受信するデータフレーム1002の受信電力値が小さくなる。この場合、データフレーム1002の受信電力値がキャリア検出閾値よりも小さいので、データフレーム1002の復調処理に失敗する。
経過時間の測定を開始してからこのような復調処理の失敗が継続し、所定期間経過すると、閾値設定部902は、キャリア検出閾値701を第2閾値から第1閾値に変更する。このようにすることで、続くデータフレーム1003の受信電力値がキャリア検出閾値以上となり、データフレーム1003の復調処理に成功することができる。
以上に示した第3の実施形態によれば、接続確立状態においてキャリア検出閾値を第2閾値に設定しており、近接システムにおいて通信相手との距離が急に変化するなどして所望波の未検出が発生している場合に、一定以上の時間が経過するとキャリア検出閾値を最小値である第1閾値に戻す。このようにすることで、未検出が連続して発生し続けることを防ぐことができる。
(従来例)
次に、従来のキャリア検出閾値の設定手法による近接システムにおける干渉波の影響について図11の概念図を参照して説明する。
図11の横軸は時間であり、縦軸は、受信電力レベルである。図11中の破線は、キャリア検出閾値1105である。
近接端末では、所望波1101の受信電力レベルがキャリア検出閾値1105以上であると判定すると、所望波1101のプリアンブルなどでAGCおよび自動周波数制御(AFC:Automatic Frequency Control)などの同期処理を行い、プリアンブルの後に受信するデータを復調する。なお、図11の例では所望波1101の後半部分で干渉波1103を受信するが、所要SINRを満たすため、復調処理に成功する。続いて近接端末は、干渉波1104を受信する。干渉波1104の受信電力レベルがキャリア検出閾値1105以上となるので、干渉波1104に対して、AGCおよびAFCなどの同期処理を行う。ここで、干渉波1104は、所望波1102に含まれるプリアンブルとは受信電力レベルおよび波形レベルが異なるため、同期処理に失敗する。このとき、干渉波1104の後半部分で所望波1102を受信しても、同期処理を行えずに所望波1102の復調処理が失敗する。すなわち、所望波1102が無線受信装置200の所要SINRを満たしていても、所望波1102よりも干渉波1104の方が先にキャリア検出閾値1105以上となるので、所望波1102の復調に失敗することになる。
これに対し、本実施形態に係る無線受信装置によれば、復調処理に成功した無線フレームの受信電力レベルに応じてキャリア検出閾値を設定することで、干渉波の影響を低減し、誤検出確率を低減することができる。
上述の実施形態の中で示した処理手順に示された指示は、ソフトウェアであるプログラムに基づいて実行されることが可能である。汎用の計算機システムが、このプログラムを予め記憶しておき、このプログラムを読み込むことにより、上述した無線受信装置による効果と同様な効果を得ることも可能である。上述の実施形態で記述された指示は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD±RW、Blu−ray(登録商標)Discなど)、半導体メモリ、又はこれに類する記録媒体に記録される。コンピュータまたは組み込みシステムが読み取り可能な記録媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。コンピュータは、この記録媒体からプログラムを読み込み、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させれば、上述した実施形態の無線受信装置と同様な動作を実現することができる。もちろん、コンピュータがプログラムを取得する場合又は読み込む場合はネットワークを通じて取得又は読み込んでもよい。
また、記録媒体からコンピュータや組み込みシステムにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワーク等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
さらに、本実施形態における記録媒体は、コンピュータあるいは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記録媒体も含まれる。
また、記録媒体は1つに限られず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も、本実施形態における記録媒体に含まれ、媒体の構成は何れの構成であってもよい。
なお、本実施形態におけるコンピュータまたは組み込みシステムは、記録媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するためのものであって、パソコン、マイコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
また、本実施形態におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本実施形態における機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…近接システム、101,102…近接端末、150…近距離システム、151,152…近距離端末、200,900…無線受信装置、201…アンテナ、202…送受信部、203…キャリア検出部、204…復調部、205…接続状態判定部、206…受信電力測定部、207,902…閾値設定部、301…タイミング、310…初期状態、311…中間状態、312…接続確立状態、401…誤検出確率、402…未検出確率、600,800…テーブル、601…接続状態、602…CRC情報、603…受信電力値、604,701,1105…キャリア検出閾値、605…設定値、702,703,704,802,803,804,805…接続要求フレーム、801…平均値、901…タイマー部、1001,1002,1003…データフレーム、1101,1102…所望波、1103,1104…干渉波。

Claims (8)

  1. 受信した際の受信電力レベルがキャリア検出閾値以上となる無線フレームを検出する検出部と、
    前記無線フレームに対して復調処理を行う復調部と、
    前記復調処理に成功したか否かに応じて、他装置と自装置との間の接続状態を判定する判定部と、
    前記接続状態が、接続要求フレームの復調処理に成功していない初期状態であれば、前記キャリア検出閾値を固定値である第1閾値に設定し、前記接続状態が前記初期状態以外であれば、前記キャリア検出閾値を、前記第1閾値以上かつ可変値である第2閾値に設定する設定部と、を具備する無線受信装置。
  2. 前記復調処理に成功した無線フレームの受信電力値を測定する測定部をさらに具備し、
    前記設定部は、前記接続状態が初期状態以外である場合、所要の信号対干渉雑音比および前記受信電力値に基づいて、前記第2閾値を決定する請求項1に記載の無線受信装置。
  3. 前記設定部は、前記復調処理に成功した1以上の無線フレームの中で最新の無線フレームの受信電力値を用いて前記第2閾値を決定する請求項2に記載の無線受信装置。
  4. 前記設定部は、前記復調処理に成功した1以上の無線フレームの受信電力値から平均値を算出し、該平均値を用いて前記第2閾値を決定する請求項2に記載の無線受信装置。
  5. 1以上の無線フレームを受信する受信部をさらに具備し、
    前記接続要求フレームのフレーム長は、データフレームのフレーム長よりも短く、1以上の接続要求フレームが前記他装置から第1期間内に第1間隔で連続して送信され、
    前記受信部は、前記接続状態が前記初期状態である場合、前記復調処理に成功するまで連続して前記1以上の接続要求フレームを受信する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線受信装置。
  6. 前記接続状態が前記他装置と自装置との接続が確立した接続確立状態である場合、該接続状態が該接続確立状態に推移してからまたは前記復調処理が成功してからの経過時間を計測するタイマー部をさらに具備し、
    前記設定部は、前記経過時間が第2期間を経過した場合、前記キャリア検出閾値を前記第1閾値に設定する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の無線受信装置。
  7. 1以上のアンテナをさらに具備する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無線受信装置。
  8. 受信した際の受信電力レベルがキャリア検出閾値以上となる無線フレームを検出し、
    前記無線フレームに対して復調処理を行い、
    前記復調処理に成功したか否かに応じて、他装置と自装置との間の接続状態を判定し、
    前記接続状態が、接続要求フレームの復調処理に成功していない初期状態であれば、前記キャリア検出閾値を固定値である第1閾値に設定し、前記接続状態が前記初期状態以外であれば、前記キャリア検出閾値を、前記第1閾値以上かつ可変値である第2閾値に設定する無線受信方法。
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