JP2015152257A - 蓄冷熱交換器およびそれに用いられる注入装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で蓄冷材の封入、封止を簡単に行うことができる蓄冷熱交換器およびそれに用いられる注入装置を提供することを課題とする。【解決手段】蓄冷熱交換器は、内部で冷媒を気化し外部の空気を冷却する蒸発器と、内部に蓄冷材が封入された蓄冷器とが一体化されて設けられており、冷媒タンク室Dpに冷媒を供給する冷媒流入口36pと、冷媒タンク室Dpから冷媒が排出される冷媒流出口36qと、蓄冷材タンク室Sに蓄冷材を注入する蓄冷材注入口36sとを同一のフランジ部材に有してなる熱交換器側フランジ36を備える。蓄冷材注入口36sは、蓄冷材注入後に蓄冷材を封止する封止ボルト50の締結用のネジ部と、シール部材によってシール可能な被シール部とを有している。【選択図】図6
Description
本発明は自動車用の空調ユニットに組み込まれる蓄冷熱交換器およびそれに用いられる注入装置に関する。
車両の一時停止時にエンジンの駆動を停止するアイドリングストップ機能を搭載した車両が提案されている。このアイドリングストップ機能を搭載した車両では、アイドリングストップ時に、エンジンからの駆動により作動している冷媒圧縮用の圧縮機も停止する。冷媒圧縮機が停止すると所望の空調風を車室内に送ることができない。
この対策として、例えば特許文献1には、アイドリングストップ時でも冷風を供給するために蓄冷材を予め蒸発器の近傍に設けておき、蒸発器への冷媒の供給が停止しても蓄冷材と空気との熱交換によって冷風を供給することができるようにした構造の蓄冷熱交換器を、車内に空調風を供給する空調ユニッに搭載することが開示されている。
特許文献1に記載されたこの蓄冷熱交換器は、空気流れの後流側(下流側)に蓄冷材を内蔵した蓄冷器を配置し、通常走行による冷媒圧縮機の作動により形成された冷風で蓄冷器に蓄冷しておき、アイドリングストップ時にこの蓄冷器を通過する空気を冷却している。
ところで、蓄冷熱交換器の材質は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であり、個々の部品をろう付けによって接合している。ここで、アルミニウムやアルミニウム合金のろう付け温度は高温である。このため、ろう付け後に蓄冷材を蓄冷熱交換器に封入し、かつ、封止している。従って、蓄冷材の封入、封止を簡単に行えることが好ましい。
なお、予め別体の容器に蓄冷材を封入しておき、蒸発器単体のろう付け工程を行った後に、ボルト締結などにより蓄冷材入りの容器を組み付ける対策では、作業工程の複雑化や熱交換効率の低下などの弊害が生じ、好ましくない。
そこで、本発明は、簡単な構造で蓄冷材の封入、封止を簡単に行うことができる蓄冷熱交換器およびそれに用いられる注入装置を提供することを課題とする。
上記目的を達成するため本発明に係る蓄冷熱交換器は、内部で冷媒を気化し外部の空気を冷却する蒸発器と、内部に蓄冷材が封入された蓄冷器とが一体化されて設けられた蓄冷熱交換器であって、冷媒タンクに冷媒を供給する冷媒流入口と、冷媒タンクから冷媒が排出される冷媒流出口と、蓄冷材タンクに蓄冷材を注入する蓄冷材注入口とを同一のフランジ部材に有してなる熱交換器側フランジを備え、蓄冷材注入口は、蓄冷材注入後に蓄冷材を封止する封止ボルトの締結用のネジ部と、シール部材によってシール可能な被シール部とを有していることを特徴とする。
また、本発明に係る注入装置は、蓄冷熱交換器に蓄冷材を注入する注入装置であって、蓄冷材を蓄冷熱交換器内部に導く注入管と、注入管の先端に設けられ、蓄冷熱交換器に設けられた熱交換器側フランジの蓄冷材注入口に形成された被シール部に当接する封止部と、蓄冷材注入時に注入管と熱交換器側フランジとを互いに固定するクランプとを有していることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構造で蓄冷材の封入、封止を簡単に行うことができる蓄冷熱交換器およびそれに用いられる注入装置とすることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、図面は模式的なものであり、寸法比などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法比などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための例示であって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。この発明の実施の形態は、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の蓄冷熱交換器を構成する蒸発・蓄冷器を示す斜視図である。図2は、本実施形態の蓄冷熱交換器を構成する蒸発・蓄冷器を示す側面図である。図3は、図2のM−M線断面図である。図4は、本実施形態でチューブを説明する斜視図である。図5は、本実施形態でチューブを説明する平面図である。図6は、本実施形態で、フランジ同士を締結することを説明する斜視図である。図7で、(a)は熱交換器側フランジの正面図(フランジ面側から見た図)、(b)は(a)の矢視7b−7bの断面図である。
まず、第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の蓄冷熱交換器を構成する蒸発・蓄冷器を示す斜視図である。図2は、本実施形態の蓄冷熱交換器を構成する蒸発・蓄冷器を示す側面図である。図3は、図2のM−M線断面図である。図4は、本実施形態でチューブを説明する斜視図である。図5は、本実施形態でチューブを説明する平面図である。図6は、本実施形態で、フランジ同士を締結することを説明する斜視図である。図7で、(a)は熱交換器側フランジの正面図(フランジ面側から見た図)、(b)は(a)の矢視7b−7bの断面図である。
図1〜図5に示すように、本実施形態の蓄冷熱交換器10は、冷媒が通過する冷媒通路12(12p、12q)と蓄冷材が充填される蓄冷材充填路14(14p、14q)とを有する複数のチューブ20と、チューブ20の長手方向両端部側にそれぞれ設けられチューブ20が端部から差し込まれるタンク22と、を備えている。チューブ20は内部に冷媒が供給されるとともに蓄冷材を収容するものである。本実施形態では、チューブ20は上下方向に沿って設けられている。また、チューブ20の配列方向は空気の流れ方向Aに対して交差する方向(主として直交する方向)とされている。隣接するチューブ20の間にはフィン21が配設されている。
タンク22は、中央プレート24と、中央プレート24の上面側に配置された冷媒タンク側プレート26と、中央プレート24の下面側に配置された蓄冷材タンク側プレート28と、を有しており、冷媒が供給される冷媒タンク室D(Dp、Dq)を中央プレート24の上面側に、蓄冷材が充填される蓄冷材タンク室Sを中央プレート24の下面側に形成している。
本実施形態の蓄冷熱交換器10には、上端部が冷媒タンク側プレート26の中央部に、下端部が中央プレート24の中央部にそれぞれ固定された仕切り部材30が設けられている。そして、冷媒タンク室Dは、仕切り部材30によって分けられた2つの冷媒タンク室Dp、Dqからなる。
チューブ20は、中央部に蓄冷材充填用(蓄冷材収容用)の蓄冷材用配管部16p、16qを有し、蓄冷材用配管部16の両サイド側に、冷媒通路を形成する冷媒用配管部18p、18qを有している多穴管である。蓄冷材タンク側プレート28には、蓄冷材用配管部16および冷媒用配管部18が貫通する開口28hが形成されている。中央プレート24には、冷媒用配管部18pが貫通する開口24hp、および、冷媒用配管部18qが貫通する開口24hqが形成されている。
蓄冷材用配管部16p、16qは、それぞれ、蓄冷材充填路14p、14qを形成している。本実施形態では、蓄冷材用配管部16は蓄冷材タンク側プレート28を貫通し、蓄冷材タンク室S内で開口している。また、冷媒用配管部18p、18qは、それぞれ、冷媒通路12p、12qを形成している。冷媒用配管部18pは、蓄冷材タンク側プレート28および冷媒タンク側プレート26を貫通し、冷媒タンク室Dp内で開口している。冷媒用配管部18qは、蓄冷材タンク側プレート28および冷媒タンク側プレート26を貫通し、冷媒タンク室Dq内で開口している。このように、蓄冷材用配管部16p、16qが蓄冷材タンク室S内で開口し、冷媒用配管部18p、18qがそれぞれ冷媒タンク室Dp、Dqに開口するように、冷媒用配管部18と蓄冷材用配管部16とが互いにオフセットされている。
中央プレート24は、タンク長手方向に延設されたレール状の中央プレート嵌合部24tを両サイドに有する。なお、本明細書で「レール状」とは、一本線上に連続したものに限らず、一本線上に断続的に配置されているものも含む。
蓄冷材タンク側プレート28は、中央プレート嵌合部24tに嵌合する蓄冷材タンク側プレート嵌合部28tを両サイドに有する。また、本実施形態では、中央プレート嵌合部24tがタンク内側に向けて凸部24tiを形成していることにより、冷媒タンク側プレート26のタンク内側方向位置が凸部24tiによって位置決められている。
また、本実施形態では、冷媒タンク室Dは、プレート状の流路形成部材31(図2参照)によって複数の室に区分けされており、区分けられた各室を冷媒が経由することで上昇流あるいは下降流が各チューブ内で形成されるようになっている。そして、中央プレート嵌合部24tは、タンク長手方向に沿った一直線上に複数形成されており、各流路形成部材31の両面側に中央プレート嵌合部24tが配設されている。そして、隣り合う凸部24tiの間隔が流路形成部材31の厚みに合わせられている。
(フランジ)
図2に示すように、タンク22の長手方向の片方側の端部には、冷媒流入用配管34p、冷媒流出用配管34q、および、蓄冷材注入用配管34sが、それぞれ長手方向に沿って同方向に延び出している。冷媒流入用配管34pは冷媒タンク室Dpに連通し、冷媒流出用配管34qは冷媒タンク室Dqに連通し、蓄冷材注入用配管34sは蓄冷材タンク室Sに連通している。
図2に示すように、タンク22の長手方向の片方側の端部には、冷媒流入用配管34p、冷媒流出用配管34q、および、蓄冷材注入用配管34sが、それぞれ長手方向に沿って同方向に延び出している。冷媒流入用配管34pは冷媒タンク室Dpに連通し、冷媒流出用配管34qは冷媒タンク室Dqに連通し、蓄冷材注入用配管34sは蓄冷材タンク室Sに連通している。
そして、蓄冷熱交換器10は、タンク22の長手方向の上記片方側の端部に熱交換器側フランジ36を有する。図1、図2、図6、図7に示すように、熱交換器側フランジ36は、冷媒流入用配管34pが挿入され冷媒タンク室Dpに冷媒を供給する冷媒流入口36pと、冷媒流出用配管34qが挿入され冷媒タンク室Dqから冷媒が排出される冷媒流出口36qと、蓄冷材注入用配管34sが挿入され蓄冷材タンク室Sに蓄冷材を注入する蓄冷材注入口36sとを同一のフランジ部材に有してなるものである。
冷媒流入口36p、冷媒流出口36q、および、蓄冷材注入口36sは、いずれも熱交換器側フランジ36を貫通しており、冷媒流入口36pと冷媒流入用配管34p、冷媒流出口36qと冷媒流出用配管34q、および、蓄冷材注入口36sと蓄冷材注入用配管34sは、それぞれろう付けされて隙間が封止されている。
図7(b)に示すように、蓄冷材注入口36sは、座繰り部40と、弾性部材収容部42と、ネジ部44と、シール部材によってシール可能な被シール部46とを有する。
座繰り部40は、蓄冷材注入後に蓄冷材注入口36sにねじ止めされる封止ボルト50の頭部50h(図6参照)を収容する寸法になっている。すなわち、封止ボルト50がねじ止めされた状態では、封止ボルト50の頭部50hが後述の締結面56fよりも蓄冷材注入方向側(熱交換器側であり注入時の下流側)に位置するように座繰り部40の寸法が決められている。
弾性部材収容部42は、座繰り部40の蓄冷材注入方向側(熱交換器側)に隣接しており、封止ボルト50を蓄冷材注入口36s内で全周に亘ってシールする弾性部材(例えばOリング)54を収容するものである。
ネジ部44は、封止ボルト50に形成されているボルトネジ部が係合するものである。被シール部46は、本実施形態では、ネジ部44よりも蓄冷材注入方向側に位置していて円筒内面状の孔部で構成されている。
更に、蓄冷熱交換器10は、熱交換器側フランジ36のフランジ面36fに当接する配管側フランジ56を有する。熱交換器側フランジ36および配管側フランジ56には、それぞれ、締結用のボルトが挿入される熱交換器側締結孔36hおよび配管側締結孔56hが形成されている。
配管側フランジ56には、冷媒の流入配管58pおよび冷媒の流出配管58qがそれぞれ貫通して熱交換器側フランジ36側にやや突き出ている。そして、流入配管58pと配管側フランジ56との隙間、および、流出配管58qと配管側フランジ56との隙間がろう付けで封止されている。
そして配管側フランジ56には、熱交換器側フランジ36に締結されたときに、配管側フランジ56と熱交換器側フランジ36との間をシールするシール材(例えばOリング等の弾性部材)の収容部(図示せず)が形成されている。このシール材は、例えば、流入配管58pや流出配管58qの周囲を覆うものである。
本実施形態では、熱交換器側フランジ36と配管側フランジ56とはフランジ面の寸法が同じにされており、封止ボルト50の頭部50hを配管側フランジ56のフランジ面である締結面56fで覆う構成になっている。
(蓄冷熱交換器の製造)
蓄冷熱交換器10を製造するには、まず、中央プレート24、蓄冷材タンク側プレート28、および、冷媒タンク側プレート26を互いに組み付ける。その際、中央プレート嵌合部24tと蓄冷材タンク側プレート嵌合部28tとを互いに嵌合させる。また、冷媒タンク側プレート26と中央プレート24とを嵌合させる際に冷媒タンク側プレート26の下端を中央プレート嵌合部24tの凸部24tiに当接させることで、中央プレート24に対する冷媒タンク側プレート26の相対位置を位置決めする。
蓄冷熱交換器10を製造するには、まず、中央プレート24、蓄冷材タンク側プレート28、および、冷媒タンク側プレート26を互いに組み付ける。その際、中央プレート嵌合部24tと蓄冷材タンク側プレート嵌合部28tとを互いに嵌合させる。また、冷媒タンク側プレート26と中央プレート24とを嵌合させる際に冷媒タンク側プレート26の下端を中央プレート嵌合部24tの凸部24tiに当接させることで、中央プレート24に対する冷媒タンク側プレート26の相対位置を位置決めする。
そして、フランジ構造物60(図2参照)を組み付ける。ここでフランジ構造物60とは、熱交換器側フランジ36、冷媒流入用配管34p、冷媒流出用配管34q、蓄冷材注入用配管34s、および、エンドプレート(タンク22の長手方向の上記片方側の端部をカバーする部材)を組み付けたものである。
そして、チューブ20を、蓄冷材タンク側プレート28の開口28hにチューブ先端側から挿入し、更に、冷媒用配管部18p、18qをそれぞれ中央プレート24の開口24hp、24hqに貫通させ、蓄冷材タンク側プレート28および中央プレート24に対するチューブ20の相対位置を所定位置とする。この所定位置は、冷媒用配管部18が中央プレート嵌合部24tに当接する位置であってもよい。そして、ろう付けにより接合すべき部位を接合する。
なお、以上の製造手順は前後していてもよく、組み立て手順は特に限定されず、また、ろう付けを複数回行う手順であってもよい。
その後、外部から蓄冷材を注入するための外部配管を蓄冷材注入口36sに挿入し、被シール部46のシール性を利用して蓄冷材タンク室Sをこの外部配管から真空吸引し、更に、蓄冷材を注入することで蓄冷材タンク室Sに蓄冷材を充填する。
蓄冷材の充填後、外部配管を蓄冷材注入口36sから外し、封止ボルト50を挿入してネジ部44でネジ止めする。この結果、封止ボルト50の頭部50hおよび頭部50hに連続するボルト基部によって弾性部材54が蓄冷材注入口36s内で押圧され、蓄冷材注入口36sが封止される。
その後、配管側フランジ56を熱交換器側フランジ36に締結することで、冷媒を冷媒タンク室Dp、Dqに循環させることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態では、蓄冷熱交換器10に熱交換器側フランジ36が設けられており、蓄冷熱交換器10の製造に必要なろう付け工程を完了した後、熱交換器側フランジ36に配管側フランジ56を取り付け、蓄冷材を蓄冷材タンク室Sに充填することができる。従って、簡単な構造で蓄冷材の封入、封止を簡単に行うことができる。
また、蓄冷材注入口36sに弾性部材54が配置されており、座繰り部40内で封止ボルト50に緩む動きが生じて封止ボルト50の締結力が低下しても、弾性部材54の復元する変形により蓄冷材注入口36sを十分に封止できる構造になっている。
また、封止ボルト50の頭部50hが座繰り部40に収容されており、頭部50hがフランジの締結面56fよりも蓄冷材注入方向側(熱交換器側)に位置している。従って、蓄冷熱交換器10の使用中に封止ボルト50に緩む力が加えられても、封止ボルト50の頭部50hが配管側フランジ56の締結面56fに当接して緩む動きが規制されるので、封止ボルト50の脱落が防止されることに加え、封止ボルト50の締結力は一定以上に低下することはなく、長期にわたって蓄冷材の漏洩を十分に封止できるという効果が奏される。
また、蓄冷材注入口36sの被シール部46がネジ部44よりも蓄冷材注入方向側に位置するので、蓄冷材注入口36sを封止する観点で好都合であり、しかも、ネジ部44の径を被シール部46よりも大きくすることが可能である。
また、中央プレート24を介して冷媒タンク室Dp、Dqと蓄冷材タンク室Sとが形成されており、蒸発器と蓄冷器とが一体化して設けられた蓄冷熱交換器10となっているので、蓄冷材を利用するときの熱交換率が高く、しかも別体の蓄冷器を蓄冷熱交換器10の後流側に設ける必要がなくなる。
また、蓄冷熱交換器10を製造する際、中央プレート24と蓄冷材タンク側プレート28とが嵌合しているタンク22にチューブ20を組み付けている。従って、このようにチューブ20を開口28h、24hp、24hqに貫通させる際、本実施形態では、チューブ先端部が中央プレート24に当接しても、中央プレート24と蓄冷材タンク側プレート28との相対位置がずれることが防止されている。
また、中央プレート嵌合部24tがタンク内側に向けて凸部24tiを形成していることにより、冷媒タンク側プレート26の中央プレート24に対する相対位置を凸部24tiによって位置決めることができる。
また、流路形成部材31の両面側に中央プレート嵌合部24tが配設され、隣り合う凸部24tiの間隔が流路形成部材31の厚みに合わせられている。従って、蓄冷熱交換器10の製造中に流路形成部材31を仮保持することができるので、生産性が向上する、すなわち製造時間が短縮される。
なお、本実施形態では、配管側フランジ56の締結面56fが封止ボルト50の頭部50hを全部にわって覆う例で説明したが、頭部50hの一部を覆っていても、締結面56f側への頭部50hの移動を規制でき、頭部50hの全部を覆っている場合と同様の効果を得ることができる。
また、図8に示すように、封止ボルト50が露出するように、配管側フランジ56に比べて寸法を小さくした配管側フランジ66を配置してもよい。これにより、蓄冷熱交換器10の使用後であっても、封止ボルト50を取外して蓄冷材を入れ換えることが可能になる。
また、本実施形態では、被シール部46がネジ部44よりも蓄冷材注入方向側に位置する例で説明したが、ネジ部44が被シール部46よりも蓄冷材注入方向側に位置していてもよい。
また、本実施形態では、中央プレート24が中央プレート嵌合部24tを両サイドに有し、蓄冷材タンク側プレート28が蓄冷材タンク側プレート嵌合部28tを両サイドに有する例で説明したが、図9に示すように、中央プレート24が中央プレート嵌合部24tを有さず、蓄冷材タンク側プレート28が蓄冷材タンク側プレート嵌合部28tを有さない構成にすることも可能である。これにより、タンク22の構成を更に簡素にすることができる。
また、冷媒タンク室Dp、Dqが蓄冷材タンク室Sよりも上方に位置する例で説明したが、冷媒タンク室と蓄冷材タンク室との相対位置は特に限定するものではなく、冷媒タンク室が蓄冷材タンク室よりも下方に位置する形態としてもよいし、更には、冷媒タンク室と蓄冷材タンク室とが横方向(水平方向)に隣り合う構成にすることも可能である。
また、冷媒タンク室Dp、Dqおよび蓄冷材タンク室Sをそれぞれ2つ設けた例で説明したが、その数は単数であっても良く、また、3つ以上であっても良い。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。図10(a)〜(d)は、それぞれ、本実施形態の注入装置を蓄冷熱交換器の熱交換器側フランジに固定して蓄冷材を注入して封止することを説明する工程毎の側面図である。図11は、熱交換器側フランジにネジ止めされる封止ボルトの頭部を説明する平面図である。
次に、第2実施形態を説明する。図10(a)〜(d)は、それぞれ、本実施形態の注入装置を蓄冷熱交換器の熱交換器側フランジに固定して蓄冷材を注入して封止することを説明する工程毎の側面図である。図11は、熱交換器側フランジにネジ止めされる封止ボルトの頭部を説明する平面図である。
本実施形態の注入装置110は、第1実施形態で説明した蓄冷熱交換器10と同様の構造の蓄冷熱交換器に蓄冷材を注入する装置である。本実施形態の注入装置110は、蓄冷材を蓄冷熱交換器内部に導く注入管112と、注入管112の先端に設けられ熱交換器側フランジ136の被シール部146と当接する封止部120と、蓄冷材注入時に注入管112と熱交換器側フランジ136とを固定するクランプ160とを有している。
封止部120はピストン状であり、外周側にシール部材120d(Oリング)が配置されている。熱交換器側フランジ136は、第1実施形態で説明した熱交換器側フランジ36と同様、封止ボルト150の頭部150hを収容する座繰り部140と、弾性部材収容部142と、封止ボルト150がネジ係合するネジ部144と、シール部材120dによってシール可能な被シール部146とを有する。本実施形態では、封止部120が被シール部146に挿入されることで被シール部146の円筒内面146sにシール部材120dが押圧されることでシールされる構造になっている。
クランプ160は、熱交換器側フランジ136を把持するチャック部162と、注入管112を軸方向に摺動させる摺動部164と、チャック部162と摺動部164とを稼働させるレバー166とを有し、レバー166をクランプ固定位置に操作したとき、チャック部162が熱交換器側フランジ136を固定することと、摺動部164が注入管112を先端方向に摺動させることとを同時に行う構成になっている。
本実施形態では、蓄冷熱交換器に蓄冷材を注入する際、クランプ160で熱交換器側フランジ136をクランプしつつ蓄冷熱交換器の被シール部146に注入装置110の封止部120を挿入する(図10(a)および(b)参照)。そして、レバー166を手前側に上げる(作業者側に倒す)ことで、チャック部162に対して注入管112が熱交換器側フランジ136側へ相対的に移動する力が作用して熱交換器側フランジ136と注入装置110とが互いに固定される((図10(c)参照))。
蓄冷材の注入後、レバー166の位置を戻して注入装置110を熱交換器側フランジ136から取り外し、第1実施形態で説明した弾性部材54と同様の弾性部材154(例えばOリング)を弾性部材収容部142に配置し、封止ボルト150で被シール部146を封止する。
本実施形態により、簡単な構造の注入装置110を短時間で蓄冷熱交換器の熱交換器側フランジ136に着脱することができる。
なお、図12(a)および(b)に示すように、注入管112とチャック部162とを別体の構成にし、着脱するためにレバー166を移動させた際に、注入管112がチャック部162に対して注入管112の長手方向に大きく移動する構成の注入装置170としても良い。この場合、封止部120に代えて、例えば図13に示すように、注入管112の先端側に設けられる封止部180を設ける。この封止部180は、先端側に向けて徐々に縮径しているテーパ状の外周面が形成されたテーパ部品182と、テーパ部品182が挿入される凹部を有するとともに弾性を有する部材(例えばシリコーン部材などの弾性部材)で構成され被シール部146に当接する当接部品184と、で構成される。そして、テーパ部品182の少なくとも一部は当接部品184に覆われている(図13ではテーパ部品182の一部が当接部品184によって覆われている例で描画している)。
この構成では、注入管112がチャック部162側へ移動した際に当接部品184の凹部内へテーパ部品182が押込まれて移動する。
従って、注入装置170を熱交換器側フランジ136に固定させるためにレバー166を移動させることで、テーパ部品182が当接部品184の凹部に押込まれるとともに当接部品184には外方へ広がる力(外径が大きくなる力)が作用するので、注入装置を熱交換器側フランジ136に固定した際に封止部180と熱交換器側フランジ136との密閉性をより高めることができる。
また、本実施形態では、第1実施形態で説明した蓄冷熱交換器10と同様の構造の蓄冷熱交換器に蓄冷材を注入する例で説明したが、被シール部146を有する蓄冷材注入口36sが形成されている熱交換器側フランジ136を蓄冷熱交換器が備え、蓄冷材注入時にクランプ160が注入管112と熱交換器側フランジ136とを互いにクランプすることができる限り、どのような構成の蓄冷熱交換器であっても注入装置110で蓄冷材を注入することが可能である。
10 蓄冷熱交換器
34p 冷媒流入用配管
34q 冷媒流出用配管
34s 蓄冷材注入用配管
36 熱交換器側フランジ
36p 冷媒流入口
36q 冷媒流出口
36s 蓄冷材注入口
40 座繰り部
42 弾性部材収容部
44 ネジ部
46 被シール部
50 封止ボルト
50h 頭部
54 弾性部材
56f 締結面
56 配管側フランジ
58p 流入配管(冷媒用配管)
58q 流出配管(冷媒用配管)
110 注入装置
112 注入管
120 封止部
120d シール部材
136 熱交換器側フランジ
140 座繰り部
142 弾性部材収容部
146 被シール部
150 封止ボルト
150h 頭部
154 弾性部材
160 クランプ
162 チャック部
164 摺動部
166 レバー
180 封止部
182 テーパ部品(テーパ部)
184 当接部品(当接部)
D、Dp、Dq 冷媒タンク室(冷媒タンク)
S 蓄冷材タンク室(蓄冷材タンク)
34p 冷媒流入用配管
34q 冷媒流出用配管
34s 蓄冷材注入用配管
36 熱交換器側フランジ
36p 冷媒流入口
36q 冷媒流出口
36s 蓄冷材注入口
40 座繰り部
42 弾性部材収容部
44 ネジ部
46 被シール部
50 封止ボルト
50h 頭部
54 弾性部材
56f 締結面
56 配管側フランジ
58p 流入配管(冷媒用配管)
58q 流出配管(冷媒用配管)
110 注入装置
112 注入管
120 封止部
120d シール部材
136 熱交換器側フランジ
140 座繰り部
142 弾性部材収容部
146 被シール部
150 封止ボルト
150h 頭部
154 弾性部材
160 クランプ
162 チャック部
164 摺動部
166 レバー
180 封止部
182 テーパ部品(テーパ部)
184 当接部品(当接部)
D、Dp、Dq 冷媒タンク室(冷媒タンク)
S 蓄冷材タンク室(蓄冷材タンク)
Claims (7)
- 内部で冷媒を気化し外部の空気を冷却する蒸発器と、内部に蓄冷材が封入された蓄冷器とが一体化されて設けられた蓄冷熱交換器であって、
冷媒タンクに冷媒を供給する冷媒流入口と、前記冷媒タンクから冷媒が排出される冷媒流出口と、蓄冷材タンクに蓄冷材を注入する蓄冷材注入口とを同一のフランジ部材に有してなる熱交換器側フランジを備え、
前記蓄冷材注入口は、
蓄冷材注入後に蓄冷材を封止する封止ボルトの締結用のネジ部と、
シール部材によってシール可能な被シール部と
を有していることを特徴とする蓄冷熱交換器。 - 前記蓄冷材注入口は、前記封止ボルトの頭部を収容する座繰り部を有し、
前記封止ボルトを前記蓄冷材注入口に挿入して締結すると、前記頭部が前記座繰り部内に位置することで前記頭部が前記熱交換器側フランジの締結面から蓄冷材注入方向側に位置しており、
前記冷媒流入口および前記冷媒流出口にそれぞれ対応する冷媒用配管が固定された配管側フランジと前記熱交換器側フランジとが締結されると、前記配管側フランジによって前記頭部の一部または全部が覆われることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷熱交換器。 - 前記蓄冷材注入口は、締結された前記封止ボルトを前記蓄冷材注入口内で全周に亘ってシールする弾性部材を収容するための弾性部材収容部を前記座繰り部に隣接して有することを特徴とする請求項2に記載の蓄冷熱交換器。
- 前記被シール部が前記ネジ部よりも蓄冷材注入方向側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の蓄冷熱交換器。
- 蓄冷熱交換器に蓄冷材を注入する注入装置であって、
蓄冷材を前記蓄冷熱交換器内部に導く注入管と、
前記注入管の先端に設けられ、前記蓄冷熱交換器に設けられた熱交換器側フランジの蓄冷材注入口に形成された被シール部に当接する封止部と、
蓄冷材注入時に前記注入管と前記熱交換器側フランジとを互いに固定するクランプと
を有していることを特徴とする注入装置。 - 前記クランプは、
前記熱交換器側フランジを把持するチャック部と、
前記注入管を軸方向に摺動させる摺動部と、
前記チャック部と前記摺動部とを稼働させるレバーとを有し、
前記レバーをクランプ固定位置に操作したとき、前記チャック部が前記熱交換器側フランジを固定することと、前記摺動部が前記注入管を先端方向に摺動させることとを同時に行うことを特徴とする請求項5に記載の注入装置。 - 前記注入管先端部は、
弾性部材から成る当接部と、
一端が前記注入管に接続されもう一端が先端方向に向かうにつれて縮径しているテーパ部とを有し、
前記テーパ部は、先端側の少なくとも一部が前記当接部に覆われていることを特徴とする請求項6に記載の注入装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014027328A JP2015152257A (ja) | 2014-02-17 | 2014-02-17 | 蓄冷熱交換器およびそれに用いられる注入装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014027328A JP2015152257A (ja) | 2014-02-17 | 2014-02-17 | 蓄冷熱交換器およびそれに用いられる注入装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015152257A true JP2015152257A (ja) | 2015-08-24 |
Family
ID=53894709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014027328A Pending JP2015152257A (ja) | 2014-02-17 | 2014-02-17 | 蓄冷熱交換器およびそれに用いられる注入装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015152257A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017132427A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 株式会社デンソー | 蓄冷熱交換器 |
-
2014
- 2014-02-17 JP JP2014027328A patent/JP2015152257A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017132427A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 株式会社デンソー | 蓄冷熱交換器 |
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