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JP2015034001A - 車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車室内空間を広くすると共に車体前部の剛性を向上させる。
【解決手段】 ダッシュパネル1の端部にダッシュサイドパネル2を結合する。ストラットタワー5の上部にダッシュパネル1とダッシュサイドパネル2を結合する。ダッシュサイドパネル2の車体幅方向外側の面にカウルサイドアウターメンバー6を結合し、車体幅方向内側の面にダッシュサイドリンフォースメント7を結合し、車体幅方向においてドアヒンジリンフォースメント3の外面より内側にカウルサイドアウターメンバー6を配置する。ドアヒンジリンフォースメント3の車体下部側にダッシュサイドパネル2を結合し、車体上部側にダッシュサイドリンフォースメント7を結合し、その中間位置にカウルサイドアウターメンバー6を結合する。車体前方から車体後方へ向かって、ダッシュサイドリンフォースメント7の上辺は上方に傾斜し、ダッシュサイドパネル2の下辺2Bは下方に傾斜している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車体前部の構造に関する。
小型コンパクト車では、エンジンルームのスペースを可能な限り小さくし、車室内空間をできるだけ広くすることが求められている。一方で、安全性や走行時の快適さの観点から車体の剛性や強度を維持することが要求されている。例えば、特許文献1では、広い車室内空間を確保するためにフロントガラスの下縁部が前方に位置するようにフロントガラスの傾斜角を緩くするデザインを採用した場合、カウルアッパパネルとエプロンメンバの間に生じる隙間に補強部材を配設することにより、カウルアッパパネル近傍の剛性を高めるカウル構造が提案されている。
特開2010−83321号公報
ストラット式サスペンションを備える車両の場合、車体の左右両端部近傍に配設されたストラットタワーから上下動、左右動、あるいはこれらの動きが合成された振動が伝達される。上記のカウル構造は、カウルアッパパネルとエプロンメンバを薄板状の補強部材で接続して両部材の隙間を埋める構成を有しているため、このようなストラットタワーからの入力に対し脆弱であるという問題があった。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、車室内空間を広くするとともに、車室前部の剛性をより向上させることである。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、車室とエンジンルームを仕切るダッシュパネルの左右両端部が車体前後方向に延びるダッシュサイドパネルに結合され、前記ダッシュパネルの左右両端部近傍にそれぞれ設けられたストラットタワーの上部が前記ダッシュパネルと前記ダッシュサイドパネルに結合されている車体前部構造において、前記ダッシュサイドパネルの車体幅方向外側に向く表面上には、車体前後方向に延びるカウルサイドアウターメンバーが結合され、前記ダッシュサイドパネルの車体幅方向内側に向く表面上には、車体前後方向に延びる板状のダッシュサイドリンフォースメントが結合され、前記ダッシュサイドパネルの車体後方側の端部は、車体上下方向に延びるドアヒンジリンフォースメントの車体下部側に結合され、前記ダッシュサイドリンフォースメントの車体後方側の端部は、前記ドアヒンジリンフォースメントの車体上部側に結合され、 前記ドアヒンジリンフォースメント及び前記ダッシュサイドパネルの結合位置と、前記ドアヒンジリンフォースメント及び前記ダッシュサイドリンフォースメントの結合位置との間において、前記カウルサイドアウターメンバーの車体後方側の端部が前記ドアヒンジリンフォースメントに結合され、前記カウルサイドアウターメンバーは車体幅方向において前記ドアヒンジリンフォースメントの外面よりも内側に配置され、前記ダッシュサイドリンフォースメントの上辺が車体前方から車体後方へ向かって上方に傾斜し、かつ前記ダッシュサイドパネルの下辺が車体前方から車体後方へ向かって下方に傾斜していることを特徴としている。
前記カウルサイドアウターメンバーを、上面部と、該上面部と交差する側面部と、該側面部と交差する下面部により車体前方視でコの字形状を有するようにし、前記ダッシュサイドパネルと前記カウルサイドアウターメンバーにより車体前方視で閉断面を形成し、前記ダッシュサイドパネルの上辺において車体外側に折り曲げられた第1のフランジを形成し、該第1のフランジを前記カウルサイドアウターメンバーの前記上面部に結合するよう構成することができる。
前記ストラットタワーの上部と前記ダッシュサイドパネルとの境界部分を、車体側方視で前記カウルサイドアウターメンバーと重合させることができる。
前記ダッシュサイドリンフォースメントの前記上辺の車体後方への延長線上にフロントピラーが位置し、前記カウルサイドアウターメンバー及び前記ドアヒンジリンフォースメントの結合位置の車体後方側に前記ドアヒンジリンフォースメントの上部ドアヒンジ取付部が位置し、前記ダッシュサイドパネルの前記下辺の車体後方への延長線上に前記ドアヒンジリンフォースメントの下部ドアヒンジ取付部が位置するよう構成することができる。
前記ダッシュサイドリンフォースメントの前記上辺において車体幅方向内側に折り曲げられた第2のフランジを形成し、該第2のフランジには車体前後方向の中間において切欠部を形成し、前記ダッシュサイドリンフォースメントの車体前方の端部が車体側方視で前記カウルサイドアウターメンバーに重合し、かつ該端部が前記ストラットタワーの上部と前記ダッシュサイドパネルとの境界部分よりも下方まで延びるよう構成することができる。
前記ドアヒンジリンフォースメントにおいて、前記カウルサイドアウターメンバーとの結合部分の上部に、前記ダッシュサイドリンフォースメントとの結合部分よりも車体後方に位置する底面を備えた凹部を形成し、前記凹部の底面との間に所定のスペースが形成されるよう、フードヒンジの下部が前記ダッシュサイドパネルの前記第1のフランジの上面に固定することができる。
上述のように、本発明によれば、ストラットタワーの上部がダッシュパネルとダッシュサイドパネルに結合されている車体前部構造において、ダッシュサイドパネルの車体幅方向外側に向く表面上にカウルサイドアウターメンバーが結合され、ダッシュサイドパネルの車体幅方向内側に向く表面上に板状のダッシュサイドリンフォースメントが結合されている。そして、ダッシュサイドパネルの車体後方側の端部は、車体上下方向に延びるドアヒンジリンフォースメントの車体下部側に結合され、ダッシュサイドリンフォースメントの車体後方側の端部は、ドアヒンジリンフォースメントの車体上部側に結合され、ドアヒンジリンフォースメント及びダッシュサイドパネルの結合位置と、ドアヒンジリンフォースメント及びダッシュサイドリンフォースメントの結合位置との間において、カウルサイドアウターメンバーの車体後方側の端部がドアヒンジリンフォースメントに結合されている。さらに、前記カウルサイドアウターメンバーは車体幅方向においてドアヒンジリンフォースメントの外面よりも内側に配置され、ダッシュサイドリンフォースメントの上辺が車体前方から車体後方へ向かって上方に傾斜し、かつダッシュサイドパネルの下辺が車体前方から車体後方へ向かって下方に傾斜している。この構成により、ストラットタワーを車体前方から車体後方へ向かって上下方向に所定の角度で広がる引張り力で支えることができ、ストラットタワーの上下方向の動きを抑制し、水平方向の剛性を向上させることができる。
また、上述のように、ストラットタワーの上部が結合しているダッシュサイドパネルの車体幅方向外側に向く表面上に、車体前後方向に延びるカウルサイドアウターメンバーが結合されている。このように、車体前後方向に延びるカウルサイドアウターメンバーでストラットタワーを車体幅方向の側方から押さえ込む構成とすることにより、ストラットタワーの左右方向及び車体前後方向の移動を低減し、ストラットタワーの幅方向及び車体前後方向の剛性を向上させることができる。
このように、本発明によれば、車体前部構造において、ストラットタワーの水平方向、幅方向、及び車体前後方向の剛性を向上させることができるため、NVH(NOISE、VIBRATION、HARSHNESS)性能を向上させることができる。
また、カウルサイドアウターメンバーを上面部、側面部、下面部により車体前方視でコの字形状を有する構成とし、ダッシュサイドパネルとカウルサイドアウターメンバーにより車体前方視で閉断面を形成し、ダッシュサイドパネルの上辺に車体外側に折り曲げられた第1のフランジを形成し、第1のフランジがカウルサイドアウターメンバーの上面部に結合する構成とすることにより、ダッシュサイドパネルの第1のフランジとカウルサイドアウターメンバーが上下方向で結合するため、ストラットタワーの上下方向の動きをより効果的に抑制することができる。
さらに、ストラットタワーの上部とダッシュサイドパネルとの境界部分が、車体側方視でカウルサイドアウターメンバーと重合するようにすれば、上述の車体前方視で閉断面を形成する部分にストラットタワーの上部とダッシュサイドパネルとの境界部分が位置付けられるため、ストラットタワーをより強固に支持することができる。
ダッシュサイドリンフォースメントの上辺の車体後方への延長線上にフロントピラーが位置し、カウルサイドアウターメンバーとドアヒンジリンフォースメントの連結部分の車体後方側にドアヒンジリンフォースメントの上部ドアヒンジ取付部が位置し、ダッシュサイドパネルの下辺の車体後方への延長線上にドアヒンジリンフォースメントの下部ドアヒンジ取付部が位置するように構成することにより、次のような効果が得られる。すなわち、車体の前方向から荷重が加わったとき、ダッシュサイドリンフォースメントからフロントピラーへ向かう方向、カウルサイドアウターメンバーからドアヒンジリンフォースメントの上部ドアヒンジ取付部へ向かう方向、及びダッシュサイドパネルからドアヒンジリンフォースメントの下部ドアヒンジ取付部へ向かう方向の3方向に荷重が分散され、荷重分散が確実に行われる。
また、ダッシュサイドリンフォースメントの上辺において車両内側に折り曲げられ車体前後方向に延びる第2のフランジを形成し、第2のフランジの車両前後方向の中間において切欠部を形成することにより、車体前方から大きな荷重が加わった場合に潰れやすくなる。さらに、ダッシュサイドリンフォースメントの車体前方の端部が車体側方視でカウルサイドアウターメンバーに重合し、かつ該端部がストラットタワーの上部とダッシュサイドパネルとの境界部分よりも下方まで延びるよう構成することにより、上下方向においてストラットタワーの上部の車体後方側の端部が位置するのと同じ位置にダッシュサイドリンフォースメントとダッシュサイドパネルの結合部分が位置するようになるため、車体前方から大きな荷重が加わった場合にダッシュサイドリンフォースメントが折れやすくなる。このように、車体前方から大きな荷重が加わった場合に、ダッシュサイドリンフォースメントの破損・変形等により当該荷重は吸収され、フロントピラーには伝達されない。従って、フロントピラーのデザインの自由度を上げることができ、軽量化が可能となる。
また、ドアヒンジリンフォースメントにおいて、カウルサイドアウターメンバーとの結合部分の上部に、ダッシュサイドリンフォースメントとの結合部分よりも車体後方に位置する底面を備えた凹部を形成し、凹部の底面との間に所定のスペースが形成されるよう、フードヒンジの下部がダッシュサイドパネルの第1のフランジの上面に固定すれば、歩行者保護性能のためのフードストロークを十分に確保でき、歩行者保護性能を確保することができるフードヒンジレイアウトが可能となる。さらに、車体前方から大きな荷重が加わった場合に、その荷重をドアヒンジリンフォースメントへ逃がすことができ、フロントピラーへの伝達を回避できる。
本発明の実施形態に係る車体前部構造を車体の前方向から示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造を車体の側方から示す図である。 車体前部構造の各部材の結合位置を示す図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造を車体の前方から示す図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造を車体の上方から示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造を車体の側方から示す図である。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る自動車の車体前部構造の右端部近傍を車体の前方から示す斜視図、図2及び図3は車体前部構造を車体の側方から示す図である。図3は一部の部材は省略されている。自動車の車室前部はダッシュパネル1によってエンジン室側と区画され、ダッシュパネル1の右端部には、車体前後方向に延びる薄板状のダッシュサイドパネル2が略直角に結合されている。ダッシュパネル1の上部にはカウルパネル4が結合されている。略円筒状のストラットタワー5はダッシュパネル1の右端部近傍に設けられている。ストラットタワー5の上部にダッシュサイドパネル2が結合されている。すなわち、ストラットタワー5は、車体前後方向の後方側をダッシュパネル1に結合され、車体幅方向の外側をダッシュサイドパネル2に結合されている。
車体側方視で略矩形を呈するカウルサイドアウターメンバー6は、ダッシュサイドパネル2の車体幅方向外側に向く表面上に結合され、ダッシュサイドパネル2の上縁部近傍において車体前後方向に延びている。カウルサイドアウターメンバー6の車体前方側の部分の上下方向の幅は車体後方側の部分の上下方向の幅より短くなっている。さらに、図4に示すように、カウルサイドアウターメンバー6は車体幅方向においてドアヒンジリンフォースメント3の外面よりも内側に配置されている。カウルサイドアウターメンバー6の先端にはエクステンションパネル10が結合されている。板状のダッシュサイドリンフォースメント7は、ダッシュサイドパネル2の車体幅方向内側に向く表面上に重ね合わせられて結合し、車体前後方向に延びており、ダッシュサイドパネル2と共に板状を形成している。
ダッシュサイドパネル2、ダッシュサイドリンフォースメント7、及びカウルサイドアウターメンバー6の車体後方側の端部は、車体上下方向に延びるドアヒンジリンフォースメント3に結合されている。ドアヒンジリンフォースメント3の車体下部側にダッシュサイドパネル2が結合され、車体上部側にダッシュサイドリンフォースメント7が結合されている。ドアヒンジリンフォースメント3の車体上下方向において、ダッシュサイドパネル2との結合位置とダッシュサイドリンフォースメント7との結合位置の中間に相当する位置で、カウルサイドアウターメンバー6は結合している。
図1〜図3に示すように、ダッシュサイドリンフォースメント7の上辺7Uは、車体前方から車体後方へ向かって上方に傾斜している。また、ダッシュサイドパネル2の下辺2Bは車体前方から車体後方へ向かって下方に傾斜している。換言すると、ダッシュサイドパネル2とダッシュサイドリンフォースメント7は、車体側方視でドアヒンジリンフォースメント3との結合部分を底辺とし、カウルサイドアウターメンバー6の長手方向を中線とし、カウルサイドアウターメンバー6の車体前部側の端部を対頂角とする略三角形の形状を呈している。
図1及び図2に示すように、カウルサイドアウターメンバー6は、上面6U、上面6Uと略直角に交差する外側側面6S、外側側面6Sと略直角に交差する下面6Bを有しており、カウルサイドアウターメンバー6の縦断面はコの字形状を形成している。上述のように、カウルサイドアウターメンバー6はダッシュサイドパネル2の車体幅方向外側の面に結合されている。従って、ダッシュサイドパネル2とカウルサイドアウターメンバー6とにより、車体前方視で閉断面が形成されている。
ダッシュサイドパネル2の上辺には、車体外側に折り曲げられ車体前後方向に延びるフランジ2F(第1のフランジ)が形成されており、ダッシュサイドパネル2は、車体前方視でL字形状を有している。フランジ2Fはカウルサイドアウターメンバー6の上面6Uに結合している。フランジ2Fはドアヒンジリンフォースメント3との結合部分と車体側方視で略直角で交差しており、ダッシュサイドパネル2は車体側方視で下辺2Bを斜辺とする略直角三角形の形状を有している。
図3は、各部材の結合状態を明示するため、カウルサイドアウターメンバー6は2点鎖線で示されている。また、ダッシュサイドパネル2とストラットタワー5の境界部分は破線L1で示されている。図3から明らかなように、破線L1は車体側方視でカウルサイドアウターメンバー6と重なり合っている。
図2に示されるように、ダッシュサイドリンフォースメント7の上辺7Uの車体後方の延長線上にはフロントピラー9が位置し、カウルサイドアウターメンバー6とドアヒンジリンフォースメント3の連結部分の後方にはドアヒンジリンフォースメント3の上部ドアヒンジ取付部31が位置し、ダッシュサイドパネル2の下辺2Bの車体後方の延長線上にはドアヒンジリンフォースメント3の下部ドアヒンジ取付部32が位置している。
図4及び図5に明示されるように、ダッシュサイドリンフォースメント7の上辺7Uには車体内側に折り曲げられ車体前後方向に延びるフランジ7F(第2のフランジ)が設けられている。フランジ7Fの車体前後方向の中間には切欠部7Cが形成されている。切欠部7Cの長さはフランジ7Fの車体幅方向の寸法よりも長い。ダッシュサイドリンフォースメント7の車体前方の端部7Aは、図3において破線L2で示されている。図3から明らかなように、端部7Aは、車体側方視でカウルサイドアウターメンバー6に重合しており、かつストラットタワー5とダッシュサイドパネル2との境界部分(上述のように破線L1で示されている)よりも下方まで延びている。
図1〜図3に示されるように、ドアヒンジリンフォースメント3においてカウルサイドアウターメンバー6との連結部分の上部には凹部Pが形成されている。凹部Pの底面は、ドアヒンジリンフォースメント3とダッシュサイドパネルリンフォースメント7との連結部分よりも車体後方に位置している。ダッシュサイドパネル2のフランジ2Fの上面にはフードヒンジ80の下部が固定されており、フードヒンジ80にはフードレバー81が取り付けられている。図6に示されるように、凹部Pの底面との間に所定のスペースが形成されるよう、フードヒンジ80は配置されている。
本実施形態によれば、ストラットタワー5の上部は、ダッシュパネル1とダッシュサイドパネル2とで囲まれ、さらにダッシュサイドパネル2の車体幅方向外側の面に配設されたカウルサイドアウターメンバー6により横方向から抑え込まれている。従って、ストラットタワー5の左右の動きが抑制され、ストラットタワー5の幅方向の剛性が向上する。さらに、上述のように、ダッシュサイドパネル2、カウルサイドアウターメンバー6、及びダッシュサイドリンフォースメント7はドアヒンジリンフォースメント3に連結され、ダッシュサイドパネル2及びカウルサイドアウターメンバー6は全体として薄板状を構成し、ダッシュサイドリンフォースメント7と共に上述した略三角形の形状を構成している。従って、これらの部材により、ストラットタワー5が車体前方から車体後方へ向かって上下方向に所定の角度で広がる引張り力で支えられており、ストラットタワー5の上下方向の動きを抑制し、水平方向の剛性を向上させることができる。また、カウルサイドアウターメンバー6は車体前後方向に延びている。従って、ストラットタワー5の車体前後方向の動きが抑制され、水平方向の剛性を向上させることができる。
このように、本実施形態によればストラットタワー5の上下動、左右動、車体前後方向の動きが抑制され、車体前部の構造における水平方向の剛性、車体幅方向の剛性、車体前後方向の剛性が向上する。その結果、車両のNVH性能を向上させることができる。
ダッシュサイドパネル2とカウルサイドアウターメンバー6は、ダッシュサイドパネル2の上辺に形成されたフランジ2Fとカウルサイドアウターメンバー6の上面6Uとで結合している。従って、ストラットタワー5の上下動がより効果的に抑制され、車体前部構造における水平方向の剛性がより向上し、NVH性能をより向上させることができる。
上述のように、ダッシュサイドパネル2とカウルサイドアウターメンバー6とにより、車体前方視で閉断面が形成されている。そして、ストラットタワー5の上部とダッシュサイドパネル2との境界部分は、車体側方視でカウルサイドアウターメンバー6と重合している。すなわち、ストラットタワー5は車体前方視で閉断面形状を構成する部材により支持されている。従って、ストラットタワー5がより強固に支持される。
また、本実施形態によれば、ダッシュサイドリンフォースメント7の上辺7Uの車体後方の延長線上にフロントピラー9が位置し、カウルサイドアウターメンバー6とドアヒンジリンフォースメント3の連結部分の後方にドアヒンジリンフォースメント3の上部ドアヒンジ取付部31が位置し、ダッシュサイドパネル2の下辺2Bの車体後方の延長線上にドアヒンジリンフォースメント3の下部ドアヒンジ取付部32が位置している。このようにレイアウトすることにより、上述のダッシュサイドパネル2とダッシュサイドリンフォースメント7とで構成される薄板状でかつ略三角形状の構造の剛性が、上部ドアヒンジ取付部31及び下部ドアヒンジ取付部32の剛性により強化される。換言すると、ドアヒンジリンフォースメント3により剛性が強化されている上部ドアヒンジ取付部31及び下部ドアヒンジ取付部32を介して、ダッシュサイドパネル2とダッシュサイドリンフォースメント7とで構成される構造物から伝達される荷重の分散が確実に行われる。
フランジ7Fの車体前後方向の中間には切欠部7Cが形成されており、車両の衝突時のように車体前方からエクステンションパネル10を介して加わる大きな荷重に対して脆弱な構造を有している。従って、このような荷重が加わった場合、フランジ7Fが破損することにより当該荷重は吸収され、フロントピラー9には伝達されない。
また、ダッシュサイドリンフォースメント7の端部7Aは車体側方視でカウルサイドアウターメンバー6に重合する部位に位置している。そして、ダッシュサイドリンフォースメント7の車体前方側の端部7Aは、ストラットタワー5の上部とダッシュサイドパネル2との境界部分(図3及び図5の破線L1)よりも下方まで延びている。これにより、上下方向においてストラットタワー5の上部の車体後方側の端部が位置するのと同じ位置にダッシュサイドリンフォースメント7とダッシュサイドパネル2の結合部分が位置するため、車体前方からエクステンションパネル10を介して大きな荷重が加わった場合にダッシュサイドリンフォースメント7が折れやすくなる。ダッシュサイドリンフォースメント7が折れることにより当該荷重は吸収され、フロントピラー9には伝達されない。
このように、車体前方から大きな荷重が加わった場合に、ダッシュサイドリンフォースメント7の破損・変形等により当該荷重は吸収され、フロントピラー9には伝達されない。従って、フロントピラー9のデザインの自由度が向上し、車体の軽量化を目的とするデザインが可能となる。
また、本実施形態によれば、フードヒンジ80は、ドアヒンジリンフォースメント3の凹部Pにおいて所定のスペースが形成されるよう配置されている。従って、歩行者と衝突しフードに上方向から衝撃が加わっても、フードレバー81は図6で実線で示す位置から破線で示す位置まで下がることができ、衝撃を吸収することができる。このように、凹部Pを形成することにより、歩行者保護性能のためのフードストロークを十分に確保できるとともに、歩行者保護性能を確保することができるフードヒンジレイアウトが可能となる。さらに、上述の衝撃をフードヒンジ80、ダッシュサイドパネル2、カウルサイドアウターメンバー6を介してヒンジリンフォースメント3へ逃がすことができ、フロントピラー9への伝達を回避できる。
車体前部構造の右端部近傍の構造について説明したが、左端部近傍においても上述の構成と同様の構成を有している。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
1 ダッシュパネル
2 ダッシュサイドパネル
3 ドアヒンジリンフォースメント
4 カウルパネル
5 ストラットタワー
6 カウルサイドアウターメンバー
7 ダッシュサイドリンフォースメント
9 フロントピラー
10 エクステンションパネル
80 フードヒンジ
81 フードレバー

Claims (6)

  1. 車室とエンジンルームを仕切るダッシュパネルの左右両端部が車体前後方向に延びるダッシュサイドパネルに結合され、前記ダッシュパネルの左右両端部近傍にそれぞれ設けられたストラットタワーの上部が前記ダッシュパネルと前記ダッシュサイドパネルに結合されている車体前部構造において、
    前記ダッシュサイドパネルの車体幅方向外側に向く表面上には、車体前後方向に延びるカウルサイドアウターメンバーが結合され、
    前記ダッシュサイドパネルの車体幅方向内側に向く表面上には、車体前後方向に延びる板状のダッシュサイドリンフォースメントが結合され、
    前記ダッシュサイドパネルの車体後方側の端部は、車体上下方向に延びるドアヒンジリンフォースメントの車体下部側に結合され、
    前記ダッシュサイドリンフォースメントの車体後方側の端部は、前記ドアヒンジリンフォースメントの車体上部側に結合され、
    前記ドアヒンジリンフォースメント及び前記ダッシュサイドパネルの結合位置と、前記ドアヒンジリンフォースメント及び前記ダッシュサイドリンフォースメントの結合位置との間において、前記カウルサイドアウターメンバーの車体後方側の端部が前記ドアヒンジリンフォースメントに結合され、
    前記カウルサイドアウターメンバーは車体幅方向において前記ドアヒンジリンフォースメントの外面よりも内側に配置され、
    前記ダッシュサイドリンフォースメントの上辺が車体前方から車体後方へ向かって上方に傾斜し、かつ前記ダッシュサイドパネルの下辺が車体前方から車体後方へ向かって下方に傾斜していることを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記カウルサイドアウターメンバーは、上面部と、該上面部と交差する側面部と、該側面部と交差する下面部とを備え、車体前方視でコの字形状を有し、
    前記ダッシュサイドパネルと前記カウルサイドアウターメンバーにより車体前方視で閉断面が形成され、
    前記ダッシュサイドパネルは、上辺において車体外側に折り曲げられた第1のフランジを有し、該第1のフランジは前記カウルサイドアウターメンバーの前記上面部に結合していることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記ストラットタワーの上部と前記ダッシュサイドパネルとの境界部分が、車体側方視で前記カウルサイドアウターメンバーと重合していることを特徴とする請求項2に記載の車体前部構造。
  4. 前記ダッシュサイドリンフォースメントの前記上辺の車体後方への延長線上にフロントピラーが位置し、
    前記カウルサイドアウターメンバー及び前記ドアヒンジリンフォースメントの結合位置の車体後方側に前記ドアヒンジリンフォースメントの上部ドアヒンジ取付部が位置し、
    前記ダッシュサイドパネルの前記下辺の車体後方への延長線上に前記ドアヒンジリンフォースメントの下部ドアヒンジ取付部が位置していることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  5. 前記ダッシュサイドリンフォースメントの前記上辺において車体幅方向内側に折り曲げられた第2のフランジが形成され、該第2のフランジには車体前後方向の中間において切欠部が形成され、
    前記ダッシュサイドリンフォースメントの車体前方の端部が車体側方視で前記カウルサイドアウターメンバーに重合し、かつ該端部が前記ストラットタワーの上部と前記ダッシュサイドパネルとの境界部分よりも下方まで延びていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  6. 前記ドアヒンジリンフォースメントにおいて、前記カウルサイドアウターメンバーとの結合部分の上部に、前記ダッシュサイドリンフォースメントとの結合部分よりも車体後方に位置する底面を備えた凹部が形成され、
    前記凹部の底面との間に所定のスペースが形成されるよう、フードヒンジの下部が前記ダッシュサイドパネルの前記第1のフランジの上面に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の車体前部構造。
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