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JP2015087086A5 - - Google Patents

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JP2015087086A5
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蓄熱機能付き熱交換器およびその製造方法
この発明は蓄熱機能付き熱交換器およびその製造方法に関する。
たとえば、環境保護や自動車の燃費向上などを目的として、信号待ちなどの停車時にエンジンを自動的に停止させる自動車が提案されている。
しかしながら、通常のカーエアコンにおいては、エンジンを停止させると、エンジンを駆動源とする圧縮機が停止するので、エバポレータに冷媒(冷熱を輸送する媒体)が供給されなくなり、冷房能力が急激に低下するという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、エバポレータに蓄冷機能を付与し、エンジンが停止して圧縮機が停止した際に、エバポレータに蓄えられた冷熱を放冷して車室内を冷却することが考えられている。
この種の蓄冷機能付きエバポレータとして、上下方向にのびるとともに幅方向が通風方向を向いた複数の扁平状冷媒流通管(熱交換管)が、互いに間隔をおいて並列状に配置されており、隣り合う冷媒流通管どうしの間に間隙が形成され、全間隙のうち一部の間隙に冷熱を蓄える蓄熱材である蓄冷材が封入された蓄冷材容器が配置されるとともに、残りの間隙にアウターフィンが配置され、蓄冷材容器が、2枚の金属板の周縁部どうしを接合することにより形成されるとともに、2枚の金属板間に設けられた蓄冷材封入部内に蓄冷材が封入されている蓄冷機能付きエバポレータが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1記載には明示されていないが、蓄冷材容器内に蓄冷材を封入するには、蓄冷材容器に円筒穴からなる蓄冷材注入口を形成しておき、蓄冷材を蓄冷材注入口を通して蓄冷材封入部内に入れた後に蓄冷材注入口を閉じる必要がある。
ところで、特許文献1記載の蓄冷機能付きエバポレータにおいて、蓄冷材容器に円筒穴からなる蓄冷材注入口を簡単に形成するには、各金属板の周縁部にそれぞれ外方突出状半円筒部を設けるとともに、半円筒状部の両側縁部に外向きフランジを設けておき、外向きフランジどうしを接合して蓄冷材注入口を形成することが簡単であると考えられる。また、このような蓄冷材注入口は、蓄冷材の封入後にその内部に円柱状の栓を圧入することによって閉鎖するのが簡単であると考えられる。
通常、上述した蓄冷材容器を構成する2枚の金属板は、最終形状に対応する形状を有する2つの金型を用いて金属素板にプレス加工を施すことにより製造されるが、この場合、半円筒状部の内周面と、半円筒状部の両側縁に形成される外方突出部との連接部に丸みが生じることは避け得ない。したがって、ろう付された両金属板の半円筒状部からなる円筒状蓄冷材注入口内に円柱状の栓を圧入するだけでは、蓄冷材の洩れが発生するおそれがある。また、栓を用意する必要があるので、部品点数が多くなる。
特開2011−12947号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、蓄熱材容器内からの蓄熱材の洩れを効果的に抑制しうる蓄熱機能付き熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)複数の熱交換管と、内部に蓄熱材が封入された複数の金属製蓄熱材容器とを備えており、蓄熱材容器が、周縁帯状部どうしが互いに接合された2枚の金属製容器構成板からなり、両容器構成板のうち少なくともいずれか一方の容器構成板における互いに接合された周縁帯状部を除いた部分が外方に膨出させられることにより蓄熱材容器に蓄熱材封入部が設けられ、蓄熱材容器内の蓄熱材に、熱交換管内を流れかつ熱を輸送する媒体の有する熱が伝わるようになされている蓄熱機能付き熱交換器であって、
蓄熱材容器の両容器構成板の周縁帯状部が外方に変形させられることにより、両周縁帯状部間に蓄熱材封入部を外部に通じさせる円筒穴が形成され、円筒穴内に、内部が蓄熱材注入路となっている金属製蓄熱材注入部材の長さ方向の一端寄りの部分が配置されて蓄熱材容器の両容器構成板にろう付されており、
蓄熱材注入部材の円筒穴内に存在する部分が円筒状であり、蓄熱材注入部材の円筒穴よりも外方に突出した部分における外端側の部分が径方向の両外側から圧潰されて蓄熱材注入部材の周壁が変形することにより、蓄熱材注入部材に圧潰部が形成されて蓄熱材注入路が封止され、蓄熱材注入部材の円筒穴よりも外方に突出した部分における圧潰部を除いた蓄熱材容器側の部分が円筒状非圧潰部となっており、
蓄熱材注入部材の円筒穴内に存在する円筒部の外径が、同じく円筒状非圧潰部の外径よりも小径であるとともに、前記円筒部の内径と円筒状非圧潰部の内径が等しくなっており、蓄熱材注入部材の内端部に蓄熱材封入部内に突出した内方突出部が設けられるとともに、当該内方突出部に、径方向外方に広がった係止部が設けられている蓄熱機能付き熱交換器。
2)蓄熱材注入部材の円筒状非圧潰部の肉厚が0.8mm以上である上記1)記載の蓄熱機能付き熱交換器。
3)蓄熱材注入部材の円筒穴内に存在する円筒部の外周面と、円筒状非圧潰部の外周面とが、蓄熱材注入部材の外端側に向かって徐々に大径となったテーパ部を介して連なっている上記1)または2)記載の蓄熱機能付き熱交換器。
4)蓄熱材注入部材の全体が金属ベア材からなる上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の蓄熱機能付き熱交換器。
5)長手方向が同方向を向くとともに幅方向が通風方向を向いた複数の扁平状熱交換管が、熱交換管の厚み方向に間隔をおいて並列状に配置されており、隣り合う熱交換管どうしの間に間隙が形成され、全間隙のうちの一部でかつ複数の間隙に蓄熱材容器が配置され、残りの間隙にアウターフィンが配置されており、蓄熱材注入部材の円筒穴内に存在する円筒状部分の外径が、蓄熱材容器が配置されている間隙における熱交換管の厚み方向の寸法以下となっている上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の蓄熱機能付き熱交換器。
6)冷熱を輸送する媒体が熱交換管内を流れ、蓄熱材容器の内部に冷熱を蓄える蓄冷材が封入されており、蓄熱材容器内の蓄冷材が、熱交換管内を流れる媒体の有する冷熱により冷却されるようになされており、蓄冷機能付きエバポレータとして用いられる上記5)記載の蓄熱機能付き熱交換器。
7)温熱を輸送する媒体が熱交換管内を流れ、蓄熱材容器の内部に温熱を蓄える蓄熱材が封入されており、蓄熱材容器内の蓄熱材が、熱交換管内を流れる媒体の有する温熱により加熱されるようになされている上記5)記載の蓄熱機能付き熱交換器。
8)上記1)記載の蓄熱機能付き熱交換器を製造する方法であって、
複数の扁平状熱交換管を用意すること、
芯材層および芯材層の両面を覆うろう材層を有するブレージングシートからなる2枚の金属板にプレス加工を施すことによって、少なくともいずれか一方の金属板の周縁帯状部を除いて外方膨出部を形成するとともに、両金属板の周縁帯状部に、蓄熱材容器の内外を通じさせる円筒穴を形成する半円筒部を設けて容器構成板をつくること、
大径円筒部および大径円筒部の一端に連なった小径円筒部からなるとともに、内部が全体に同一径の円筒状蓄熱材注入路となっており、かつ小径円筒部における大径円筒部とは反対側の端部に径方向外方に広がった係止部が設けられている金属製蓄熱材注入部材を用意すること、
2枚の容器構成板を、少なくともいずれか一方の容器構成板の外方膨出部の開口が他方の容器構成板側を向き、かつ両容器構成板の半円筒部間に蓄熱材注入部材の小径円筒部が位置するとともに係止部が外方膨出部内に位置するように組み合わせて複数の容器形成用組み合わせ体をつくること、
両容器構成板の周縁帯状部どうし、両容器構成板の半円筒部と蓄熱材注入部材、および熱交換管と容器構成板とをろう付すること、
蓄熱材注入部材の蓄熱材注入路を通して蓄熱材容器内に蓄熱材を入れること、
蓄熱材注入部材の大径円筒部における外端寄りの部分を径方向の両外側から圧潰して蓄熱材注入部材の周壁を変形させることにより、蓄熱材注入部材に圧潰部を形成して蓄熱材注入路を封止することを含む蓄熱機能付き熱交換器の製造方法。
9)蓄熱材注入部材の大径円筒部の肉厚が0.8mm以上である上記8)記載の蓄熱機能付き熱交換器の製造方法。
10)蓄熱材注入部材の小径円筒部の外周面と、大径円筒部の外周面とが、蓄熱材注入部材の外端側に向かって徐々に大径となったテーパ部を介して連なっている上記8)または9)記載の蓄熱機能付き熱交換器の製造方法。
上記1)〜7)の蓄熱機能付き熱交換器によれば、蓄熱材容器の両容器構成板の周縁帯状部が外方に変形させられることにより、両周縁帯状部間に蓄熱材封入部を外部に通じさせる円筒穴が形成され、円筒穴内に、内部が蓄熱材注入路となっている金属製蓄熱材注入部材の長さ方向の一端寄りの部分が配置されて蓄熱材容器の両容器構成板にろう付されており、蓄熱材注入部材の円筒穴内に存在する部分が円筒状であり、蓄熱材注入部材の円筒穴よりも外方に突出した部分における外端側の部分が径方向の両外側から圧潰されて蓄熱材注入部材の周壁が変形することにより、蓄熱材注入部材に圧潰部が形成されて蓄熱材注入路が封止され、蓄熱材注入部材の円筒穴よりも外方に突出した部分における圧潰部を除いた蓄熱材容器側の部分が円筒状非圧潰部となっており、蓄熱材注入部材の円筒穴内に存在する円筒部の外径が、同じく円筒状非圧潰部の外径よりも小径であるとともに、前記円筒部の内径と円筒状非圧潰部の内径が等しくなっており、蓄熱材注入部材の内端部に蓄熱材封入部内に突出した内方突出部が設けられるとともに、当該内方突出部に、径方向外方に広がった係止部が設けられているので、円筒穴内に円柱状の栓を圧入するだけの場合に比べて、蓄熱材容器内に封入された蓄熱材の洩れを確実に防止することができる。また、別部材としての栓を必要としない。しかも、蓄熱材注入部材の先端部を溶接、接着などにより密封しなくても、蓄熱材容器内からの蓄熱材の洩れを防止することができる。さらに、上記8)の方法で蓄熱機能付き熱交換器を製造する場合、両容器構成板の周縁帯状部どうし、両容器構成板の半円筒部と蓄熱材注入部材、および熱交換管と容器構成板とをろう付する際に、両容器構成板からの蓄熱材注入部材の内側および外側への位置ずれを防止することができる。
上記2)の蓄熱機能付き熱交換器によれば、上記8)の方法で蓄熱機能付き熱交換器を製造する場合、圧潰部を比較的簡単に形成して蓄熱材注入路を封止することができる。
上記3)の蓄熱機能付き熱交換器によれば、蓄熱材注入部材の外周面のテーパ部と、蓄熱材容器の帯状部分における円筒穴の外端開口の周囲部分との間に環状溝が形成され、当該環状溝内にろう材が溜まり易くなる。
上記8)の製造方法によれば、両容器構成板の周縁帯状部どうし、両容器構成板の半円筒部と蓄熱材注入部材、および熱交換管と容器構成板とをろう付する際に、両容器構成板からの蓄熱材注入部材の内側および外側への位置ずれを防止することができる。
また、製造された蓄熱機能付き熱交換器の蓄熱材注入部材の圧潰部において、蓄熱材注入部材の変形した周壁の一部分からなる変形部どうしの密着性が向上し、蓄熱材容器内に封入された蓄熱材の洩れを効果的に防止することができる。特に、蓄熱材注入部材の周壁が変形させることによって材料がのびるので、表面の酸化皮膜が破壊されて新生面が現れることがある。したがって、互いに密着させられた両変形部どうしが少なくとも一部分において圧接されることになり、蓄熱材注入部材の変形した周壁の一部分からなる変形部どうしの密着性が向上する。
上記9)の製造方法によれば、圧潰部を比較的簡単に形成して、蓄熱材注入路を封止することができる。
上記10)の製造方法によれば、両容器構成板の周縁帯状部どうし、両容器構成板の半円筒部と蓄熱材注入部材、および熱交換管と容器構成板とをろう付する際に、蓄熱材注入部材の外周面のテーパ部と、蓄熱材容器の周縁帯状部における円筒穴の外端開口の周囲部分との間に形成された環状溝内に溶融ろう材が溜まり易くなり、ろう付性が向上する。
この発明の蓄熱機能付き熱交換器を適用した蓄冷機能付きエバポレータの全体構成を示す一部切り欠き斜視図である。 図1の蓄冷機能付きエバポレータに用いられる蓄冷材容器を示す左側面図である。 図2のA−A線拡大断面図である。 図1の蓄冷機能付きエバポレータに用いられる蓄冷材容器の上部を示し、左側の容器構成板を切除して示す図3の一部分に相当する図である。 図1の蓄冷機能付きエバポレータに用いられる蓄冷材容器を示す分解斜視図である。 図1の蓄冷機能付きエバポレータに用いられる蓄冷材容器の要部を示す拡大斜視図である。 図6のB−B線拡大断面図である。 図1の蓄冷機能付きエバポレータの蓄冷材容器に用いられている蓄熱材注入部材の圧潰前の状態を示す斜視図である。 図8に示す蓄冷材注入部材を圧潰する方法を示す垂直断面図である。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明の蓄熱機能付き熱交換器を、冷熱を蓄える機能を有する蓄冷機能付きエバポレータに適用したものである。
以下の説明において、通風方向下流側(図1および図2に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとし、前方から後方を見た際の上下、左右、すなわち図1の上下、左右を上下、左右というものとする。
さらに、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
図1はこの発明による蓄冷機能付きエバポレータの全体構成を示し、図2〜図7はその要部の構成を示す。また、図8は蓄冷材注入部材の圧潰前の状態を示し、図9は図8に示す蓄冷材注入部材を圧潰する方法を示す。
図1において、蓄冷機能付きエバポレータ(1)は、長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置されたアルミニウム製第1ヘッダタンク(2)およびアルミニウム製第2ヘッダタンク(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)間に設けられた熱交換コア部(4)とを備えている。
第1ヘッダタンク(2)は、前側(通風方向下流側)に位置する風下側上ヘッダ部(5)と、後側(通風方向上流側)に位置しかつ風下側上ヘッダ部(5)に一体化された風上側上ヘッダ部(6)とを備えている。風下側上ヘッダ部(5)の左端部に冷媒入口(7)が設けられ、風上側上ヘッダ部(6)の左端部に冷媒出口(8)が設けられている。第2ヘッダタンク(3)は、前側に位置する風下側下ヘッダ部(9)と、後側に位置しかつ風下側下ヘッダ部(9)に一体化された風上側下ヘッダ部(11)とを備えている。
熱交換コア部(4)には、長手方向が上下方向を向くとともに幅方向が通風方向(前後方向)を向いた複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(12)が、左右方向(熱交換管(12)の厚み方向)に間隔をおいて並列状に配置されている。ここでは、前後方向に間隔をおいて配置された2つの熱交換管(12)からなる複数の組(13)が左右方向に間隔をおいて配置されており、前後の熱交換管(12)よりなる組(13)の隣り合うものどうしの間に間隙(14A)(14B)が形成されている。前側の熱交換管(12)の上端部は風下側上ヘッダ部(5)に接続されるとともに、同下端部は風下側下ヘッダ部(9)に接続されている。また、後側の熱交換管(12)の上端部は風上側上ヘッダ部(6)に接続されるとともに、同下端部は風上側下ヘッダ部(11)に接続されている。
熱交換コア部(4)における全間隙(14A)(14B)のうち一部の複数の間隙(14A)でかつ隣接していない間隙(14A)に、蓄冷材(蓄熱材)(図示略)が封入されたアルミニウム製蓄冷材容器(15)(蓄熱材容器)が、前後両熱交換管(12)に跨って配置されて熱交換管(12)にろう付されている。
熱交換コア部(4)における全間隙(14A)(14B)のうち残りの間隙(14B)に、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなり、かつ前後方向にのびる波頂部、前後方向にのびる波底部、および波頂部と波底部とを連結する連結部よりなるコルゲート状のアウターフィン(16)が、前後両熱交換管(12)に跨るように配置されて間隙(14B)を形成する左右両側の組(13)を構成する前後両熱交換管(12)にろう付されている。アウターフィン(16)の連結部には、左右方向にのびる複数のルーバ(図示略)が前後方向に並んで設けられている。ここでは、蓄冷材容器(15)が配置された間隙(14A)の左右両側に隣り合う間隙(14B)にはそれぞれアウターフィン(16)が配置されており、左右方向に隣り合う蓄冷材容器(15)間には複数、ここでは2つのアウターフィン(16)が位置している。左右方向に隣り合う蓄冷材容器(15)間に位置するアウターフィン(16)の数は2つに限定されるものではなく、3つ以上でもよい。また、左右両端の熱交換管(12)の組(13)の外側にも両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなるアウターフィン(16)が配置されて前後両熱交換管(12)にろう付され、さらに左右両端のアウターフィン(16)の外側にアルミニウム製サイドプレート(17)が配置されてアウターフィン(16)にろう付されている。
この実施形態のエバポレータ(1)の場合、冷媒は、冷媒入口(7)を通ってエバポレータ(1)の風下側上ヘッダ部(5)内に入り、全熱交換管(12)を通って風上側上ヘッダ部(6)の冷媒出口(8)から流出する。
図2〜図5に示すように、蓄冷材容器(15)は、長手方向を上下方向に向けるとともに幅方向を前後方向に向けた扁平中空状であり、前側熱交換管(12)の前側縁よりも後方に位置し、かつ各組(13)の前後2つの熱交換管(12)にろう付された容器本体部(18)と、容器本体部(18)の前側縁部(風下側縁部)の一部分、ここでは上部のみに連なるとともに前側熱交換管(12)の前側縁よりも前方(通風方向外側)に張り出すように設けられた外方張り出し部(19)とよりなる。蓄冷材容器(15)の内部には、その周縁部を除いて中空状の蓄冷材封入部(15a)が、容器本体部(18)および外方張り出し部(19)に跨るように形成されている。外方張り出し部(19)は、容器本体部(18)の前側縁部の上端から一定の長さにわたって設けられており、外方張り出し部(19)の上下方向の長さは容器本体部(18)の上下方向の長さよりも短くなっている。
蓄冷材容器(15)の容器本体部(18)の左右両側壁(18a)外面に、それぞれ上端から下端に向かって漸次低くなるとともに、上下両端が開口した複数の凝縮水排水路(21)が間隔をおいて形成されている。各凝縮水排水路(21)は、蓄冷材容器(15)の容器本体部(18)の左右両側壁(18a)に設けられて外方に膨出した2つの凸部(22)の間に形成されており、隣り合う2つの凝縮水排水路(21)は、両凝縮水排水路(21)間に位置する凸部(22)を共有している。すべての凸部(22)の膨出頂壁は平坦であるとともに同一平面上に位置しており、凸部(22)の平坦な膨出頂壁が熱交換管(12)に接触した状態でろう付されている。容器本体部(18)の左側壁(18a)の凝縮水排水路(21)および凸部(22)と、右側壁(18a)の凝縮水排水路(21)および凸部(22)とは、一部分が重複するが全体に重複しないように通風方向に若干ずれて設けられている。
蓄冷材容器(15)の容器本体部(18)内には、オフセット状のアルミニウム製インナーフィン(23)が、上下方向のほぼ全体にわたって配置されている。インナーフィン(23)は、上下方向にのびる波頂部(24a)、上下方向にのびる波底部(24b)、および波頂部(24a)と波底部(24b)とを連結する連結部(24c)からなる波状帯板(24)が、上下方向に複数並べられるとともに相互に一体に連結されることにより形成され、上下方向に隣り合う2つの波状帯板(24)の波頂部(24a)どうしおよび波底部(24b)どうしが前後方向に位置ずれしているものである。各波状帯板(24)における波頂部(24a)、波底部(24b)および連結部(24c)の上下方向の長さは等しくなっている。インナーフィン(23)は、蓄冷材容器(15)の容器本体部(18)の左右両側壁(18a)内面、すなわち容器本体部(18)の左右両側壁(18a)の凸部(22)が形成されていない部分にろう付されている。凸部(22)の膨出頂壁は、熱交換管(12)に接触するが、インナーフィン(23)には接触しないので、蓄冷材容器(15)の容器本体部(18)の各側壁(18a)に、インナーフィン(23)に接触する接触部分と、インナーフィン(23)に接触しない非接触部分とが設けられていることになる。
蓄冷材容器(15)の外方張り出し部(19)には、左右両方向に膨らみ、かつ左右方向の寸法が容器本体部(18)の左右方向の寸法よりも大きくなっている膨張部(19a)が設けられており、膨張部(19a)がアウターフィン(16)よりも通風方向外側(通風方向下流側)に位置している。
図5に詳細に示すように、蓄冷材容器(15)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工が施されることにより形成され、かつ周縁帯状部(27)(28)どうしが互いにろう付された2枚の略縦長方形状のアルミニウム製容器構成板(25)(26)よりなる。各容器構成板(25)(26)には、周縁帯状部(27)(28)を除いた部分を外方に膨出させることによって、容器本体部(18)および外方張り出し部(19)を形成する全体に膨出高さの等しい第1膨出部(25a)(26a)と、第1膨出部(25a)(26a)における容器本体部(18)となる部分の膨出頂壁に形成されかつ凸部(22)となる第2膨出部(25b)(26b)と、第1膨出部(25a)(26a)における外方張り出し部(19)となる部分の膨出頂壁に形成されかつ膨張部(19a)となる第3膨出部(25c)(26c)とが設けられている。
蓄冷材容器(15)内へ充填される蓄冷材としては、凝固点が5〜10℃程度に調整されたパラフィン系潜熱蓄冷材が用いられる。具体的には、ペンタデカン、テトラデカンなどが用いられる。蓄冷材容器(15)の蓄冷材封入部(15a)内の内容積に対する封入された蓄冷材の体積の比率である蓄冷材充填率が70〜90%であることが好ましい。ここで、インナーフィン(23)の上端は、蓄冷材容器(15)内に封入された蓄冷材の上端よりも上方に位置していることが好ましい。この場合、蓄冷材に冷熱が蓄えられる蓄冷時、および蓄冷材に蓄えられた冷熱を放出する放冷時のいずれにおいても、常に蓄冷材がインナーフィン(23)に接触する。
図6および図7に示すように、蓄冷材容器(15)の外方張り出し部(19)の上端部には蓄冷材注入部材(31)(蓄熱材注入部材)が固定されており、蓄冷材は、蓄冷材注入部材(31)を通して蓄冷材封入部(15a)内に注入され、蓄冷材注入部材(31)は、蓄冷材封入部(15a)内への蓄冷材の注入後に封止されている。すなわち、蓄冷材容器(15)の両容器構成板(25)(26)の周縁帯状部(27)(28)間に、周縁帯状部(27)(28)を半円筒状に変形させることによって、蓄冷材容器(15)の内外を通じさせる円筒穴(32)が形成され、円筒穴(32)内に、内部が蓄冷材注入路(33)となっているアルミニウムベア材製蓄冷材注入部材(31)の長さ方向の一端寄りの部分が配置されて両容器構成板(25)(26)にろう付され、蓄冷材注入部材(31)の円筒穴(32)よりも外方に突出した部分における外端側の部分が径方向の両外側から圧潰されて蓄冷材注入部材(31)の周壁が変形することにより、蓄冷材注入部材(31)に圧潰部(34)が形成されて蓄冷材注入路(33)が封止されている。蓄冷材注入部材(31)の圧潰部(34)において、蓄冷材注入部材(31)の変形した周壁の一部分からなる変形部(31a)どうしが密着している。両容器構成板(25)(26)の周縁帯状部(27)(28)における円筒穴(32)を形成する半円筒部を(35)で示す。なお、図5には、圧潰部(34)を形成する前の蓄冷材注入部材(31)が示されている。
蓄冷材注入部材(31)の円筒穴(32)よりも外方に突出した部分における圧潰部(34)を除いた蓄冷材容器(15)側の部分が円筒状非圧潰部(36)となっている。円筒状非圧潰部(36)の周壁の肉厚T1は0.8mm以上であることが好ましい。なお、円筒状非圧潰部(34)の周壁の肉厚T1の上限は、1.5mm程度であることが好ましい。蓄冷材注入部材(31)の円筒穴(32)内に存在する部分は円筒状であり、当該円筒部(37)の外径は円筒状非圧潰部(36)の外径よりも小径となり、円筒部(37)の内径と円筒状非圧潰部(36)の内径とは等しくなってっている。したがって、蓄冷材注入部材(31)の円筒部(37)の周壁の肉厚T2は、円筒状非圧潰部(36)の周壁の肉厚T1よりも小さくなっている。蓄冷材注入部材(31)の円筒穴(32)内に存在する円筒部(37)の外周面と、円筒状非圧潰部(34)の外周面とは、蓄冷材注入部材(31)の外端側に向かって徐々に大径となったテーパ部(38)を介して連なっている。また、蓄冷材注入部材(31)の円筒部(37)の内端部に、蓄冷材封入部(15a)内に突出した内方突出部(37a)が設けられ、内方突出部(37a)に、径方向外方に広がって両容器構成板(25)(26)における円筒穴(32)の内端開口の周囲の部分に係止する係止部(39)が設けられている。さらに、蓄冷材注入部材(31)の円筒部(37)の外径は、蓄冷材容器(15)が配置されている間隙(14A)における熱交換管(12)の厚み方向(左右方向)の寸法以下となっていることが好ましい。
上述した蓄冷機能付きエバポレータ(1)は、車両のエンジンを駆動源とする圧縮機、圧縮機から吐出された冷媒を冷却するコンデンサ(冷媒冷却器)、コンデンサを通過した冷媒を減圧する膨張弁(減圧器)とともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして、停車時に圧縮機の駆動源であるエンジンを一時的に停止させる車両、たとえば自動車に搭載される。圧縮機が作動している場合には、圧縮機で圧縮されてコンデンサおよび膨張弁を通過した低圧の気液混相の2相冷媒が、冷媒入口(7)を通って蓄冷機能付きエバポレータ(1)の風下側上ヘッダ部(5)内に入り、全熱交換管(12)を通って風上側上ヘッダ部(6)の冷媒出口(8)から流出する。そして、冷媒が熱交換管(12)内を流れる間に間隙(14B)を通過する空気と熱交換をし、冷媒は気相となって流出する。
圧縮機の作動時には、熱交換管(12)内を流れる冷媒の有する冷熱が、蓄冷材容器(15)の容器本体部(18)の左右両側壁(18a)における熱交換管(12)にろう付されている凸部(22)の膨出頂壁を経て直接蓄冷材容器(15)内の蓄冷材に伝わるとともに、凸部(22)の膨出頂壁から左右両側壁(18a)における熱交換管(12)にろう付されていない部分およびインナーフィン(23)を経て蓄冷材容器(15)内の蓄冷材の全体に伝わって蓄冷材に冷熱が蓄えられる。
また、圧縮機の作動時には、蓄冷材容器(15)表面に凝縮水が発生し、当該凝縮水は凝縮水排水路(21)内に入り、表面張力により凝縮水排水路(21)の両側の凸部(22)に沿うようにして凝縮水排水路(21)内に溜まる。溜まった凝縮水の量が多くなると、溜まった凝縮水に作用する重力が表面張力よりも大きくなって、凝縮水排水路(21)内を流下し、下方に排水される。
圧縮機の停止時には、蓄冷材容器(15)内の蓄冷材に蓄えられた冷熱が、蓄冷材容器(15)の容器本体部(18)の左右両側壁(18a)における熱交換管(12)にろう付されている凸部(22)の膨出頂壁を経て直接熱交換管(12)に伝わるとともに、インナーフィン(23)から左右両側壁(18a)における熱交換管(12)にろう付されていない部分および凸部(22)の膨出頂壁を経て熱交換管(12)に伝わり、さらに熱交換管(12)を通過して当該熱交換管(12)における蓄冷材容器(15)とは反対側にろう付されているアウターフィン(16)に伝わる。アウターフィン(16)に伝わった冷熱は、蓄冷材容器(15)が配置されている間隙(14A)の両隣の間隙(14B)を通過する空気に伝えられる。アウターフィン(16)に伝わった冷熱は、蓄冷材容器(15)が配置されている間隙(14A)の両隣の間隙(14B)を通過する空気に伝えられる。したがって、エバポレータ(1)を通過した風の温度が上昇したとしても、当該風は冷却されるので、冷房能力の急激な低下が防止される。
次に、上述した蓄冷機能付きエバポレータ(1)の製造方法を、図8および図9を参照して説明する。
両ヘッダタンク(2)(3)を形成する部品、冷媒流通管(12)、アウターフィン(16)、サイドプレート(17)、およびインナーフィン(23)を用意する。
また、芯材層および芯材層の両面を覆うろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる金属素板にプレス加工を施すことによって、第1〜第3膨出部(25a)(26a)(25b)(26b)(25c)(26c)と、周縁帯状部(27)(28)と、半円筒部(35)とを有する容器構成板(25)(26)を形成する。
さらに、大径円筒部(41)および大径円筒部(41)の一端に連なった小径円筒部(42)からなるとともに、内部が全体に同一径の円筒状蓄冷材注入路(33)となったアルミニウムベア材製蓄冷材注入部材(31)を用意する。蓄冷材注入部材(31)の小径円筒部(42)における大径円筒部(41)とは反対側の端部に、径方向外方に広がった係止部(39)が設けられている。蓄冷材注入部材(31)の大径円筒部(41)の肉厚T1は0.8mm以上であることが好ましい。なお、大径円筒部(41)の肉厚T1の上限は、1.5mm程度であることが好ましい。蓄冷材注入部材(31)の小径円筒部(42)の周壁の肉厚T2は、大径円筒部(41)の周壁の肉厚T1よりも小さくなっている。また、蓄冷材注入部材(31)の小径円筒部(42)の外周面と、大径円筒部(41)の外周面とは、蓄冷材注入部材(31)の外端側に向かって徐々に大径となったテーパ部(38)を介して連なっている。
ついで、2枚の容器構成板(25)(26)を、インナーフィン(23)を間に挟んで各容器構成板(25)(26)の第1外方膨出部(25a)(26a)の開口が他方の容器構成板(26)(25)側を向き、かつ両容器構成板(25)(26)の半円筒部(35)間に蓄冷材注入部材(31)の小径円筒部(42)が位置するとともに係止部(39)が第3外方膨出部(25c)(26c)内に位置するように組み合わせて複数の容器形成用組み合わせ体をつくる(図9および図5参照)。
ついで、容器形成用組み合わせ体と、両ヘッダタンク(2)(3)を形成する部品、熱交換管(12)、アウターフィン(16)、およびサイドプレート(17)を組み合わせて仮止めし、2枚の容器構成板(25)(26)の周縁帯状部(27)(28)どうし、両容器構成板(25)(26)の半円筒部(35)と蓄冷材注入部材(31)、および両容器構成板(25)(26)とインナーフィン(23)とをろう付することによって蓄冷材容器(15)をつくると同時に、両容器構成板(25)(26)と熱交換管(12)とをろう付し、さらに他の部品を一括してろう付する。上述したろう付時に、溶融ろう材が、蓄冷材注入部材(31)のテーパ部(38)と、両容器構成板(25)(26)の半円筒部(35)の外端面との間に形成される環状溝(43)内に流入してここに保持されるので、両容器構成板(25)(26)の半円筒部(35)と蓄冷材注入部材(31)とのろう付性が優れたものになる。
その後、蓄冷材注入部材(31)の蓄冷材注入路(33)を通して蓄冷材容器(15)内に蓄冷材を注入した後、蓄冷材注入部材(31)における蓄冷材容器(15)の円筒穴(32)よりも外方に突出した部分の先端側を、2つの押圧型(44)を用いて容器構成板(25)(26)の厚み方向の両側、すなわち径方向の両外側から押圧して圧潰することによって蓄冷材注入部材(31)の周壁を変形させる。そして、蓄冷材注入部材(31)の変形した周壁の一部分からなる変形部(31a)どうしが密着した圧潰部(34)を形成して蓄冷材注入路(33)を封止する。こうして、蓄冷機能付きエバポレータ(1)が製造される。
上述した実施形態においては、この発明による蓄熱機能付き熱交換器が、蓄冷機能付きエバポレータとして用いられているが、これに限定されるものではなく、温熱を輸送する媒体が流れる複数の熱交換管、および温熱を蓄える蓄熱材を封入する蓄熱材容器を備えた蓄熱機能付き熱交換器として用いられこともある。
この発明による蓄熱機能付き熱交換器は、停車時に圧縮機の駆動源であるエンジンを一時的に停止させる車両のカーエアコンを構成する冷凍サイクルの蓄冷機能付きエバポレータとして好適に用いられる。
(1):蓄冷機能付きエバポレータ(蓄熱機能付き熱交換器)
(12):熱交換管
(13):組
(14A)(14B):通風間隙
(15):蓄冷材容器(蓄熱材容器)
(15a):蓄冷材封入部(蓄熱材封入部)
(16):アウターフィン
(25)(26):容器構成板
(27)(28):周縁帯状部
(31):蓄冷材注入部材(蓄熱材注入部材)
(31a):変形部
(32):円筒穴
(33):蓄冷材注入路(蓄熱材注入路)
(34):圧潰部
(35):半円筒部
(36):円筒状非圧潰部
(37):円筒部
(38):テーパ部
(39):係止部
(41):大径円筒部
(42):小径円筒部

Claims (10)

  1. 複数の熱交換管と、内部に蓄熱材が封入された複数の金属製蓄熱材容器とを備えており、蓄熱材容器が、周縁帯状部どうしが互いに接合された2枚の金属製容器構成板からなり、両容器構成板のうち少なくともいずれか一方の容器構成板における互いに接合された周縁帯状部を除いた部分が外方に膨出させられることにより蓄熱材容器に蓄熱材封入部が設けられ、蓄熱材容器内の蓄熱材に、熱交換管内を流れかつ熱を輸送する媒体の有する熱が伝わるようになされている蓄熱機能付き熱交換器であって、
    蓄熱材容器の両容器構成板の周縁帯状部が外方に変形させられることにより、両周縁帯状部間に蓄熱材封入部を外部に通じさせる円筒穴が形成され、円筒穴内に、内部が蓄熱材注入路となっている金属製蓄熱材注入部材の長さ方向の一端寄りの部分が配置されて蓄熱材容器の両容器構成板にろう付されており、
    蓄熱材注入部材の円筒穴内に存在する部分が円筒状であり、蓄熱材注入部材の円筒穴よりも外方に突出した部分における外端側の部分が径方向の両外側から圧潰されて蓄熱材注入部材の周壁が変形することにより、蓄熱材注入部材に圧潰部が形成されて蓄熱材注入路が封止され、蓄熱材注入部材の円筒穴よりも外方に突出した部分における圧潰部を除いた蓄熱材容器側の部分が円筒状非圧潰部となっており、
    蓄熱材注入部材の円筒穴内に存在する円筒部の外径が、同じく円筒状非圧潰部の外径よりも小径であるとともに、前記円筒部の内径と円筒状非圧潰部の内径が等しくなっており、蓄熱材注入部材の内端部に蓄熱材封入部内に突出した内方突出部が設けられるとともに、当該内方突出部に、径方向外方に広がった係止部が設けられている蓄熱機能付き熱交換器。
  2. 蓄熱材注入部材の円筒状非圧潰部の肉厚が0.8mm以上である請求項1記載の蓄熱機能付き熱交換器。
  3. 蓄熱材注入部材の円筒穴内に存在する円筒部の外周面と、円筒状非圧潰部の外周面とが、蓄熱材注入部材の外端側に向かって徐々に大径となったテーパ部を介して連なっている請求項1または2記載の蓄熱機能付き熱交換器。
  4. 蓄熱材注入部材の全体が金属ベア材からなる請求項1〜3のうちのいずれかに記載の蓄熱機能付き熱交換器。
  5. 長手方向が同方向を向くとともに幅方向が通風方向を向いた複数の扁平状熱交換管が、熱交換管の厚み方向に間隔をおいて並列状に配置されており、隣り合う熱交換管どうしの間に間隙が形成され、全間隙のうちの一部でかつ複数の間隙に蓄熱材容器が配置され、残りの間隙にアウターフィンが配置されており、蓄熱材注入部材の円筒穴内に存在する円筒状部分の外径が、蓄熱材容器が配置されている間隙における熱交換管の厚み方向の寸法以下となっている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の蓄熱機能付き熱交換器。
  6. 冷熱を輸送する媒体が熱交換管内を流れ、蓄熱材容器の内部に冷熱を蓄える蓄冷材が封入されており、蓄熱材容器内の蓄冷材が、熱交換管内を流れる媒体の有する冷熱により冷却されるようになされており、蓄冷機能付きエバポレータとして用いられる請求項5記載の蓄熱機能付き熱交換器。
  7. 温熱を輸送する媒体が熱交換管内を流れ、蓄熱材容器の内部に温熱を蓄える蓄熱材が封入されており、蓄熱材容器内の蓄熱材が、熱交換管内を流れる媒体の有する温熱により加熱されるようになされている請求項5記載の蓄熱機能付き熱交換器。
  8. 請求項1記載の蓄熱機能付き熱交換器を製造する方法であって、
    複数の扁平状熱交換管を用意すること、
    芯材層および芯材層の両面を覆うろう材層を有するブレージングシートからなる2枚の金属板にプレス加工を施すことによって、少なくともいずれか一方の金属板の周縁帯状部を除いて外方膨出部を形成するとともに、両金属板の周縁帯状部に、蓄熱材容器の内外を通じさせる円筒穴を形成する半円筒部を設けて容器構成板をつくること、
    大径円筒部および大径円筒部の一端に連なった小径円筒部からなるとともに、内部が全体に同一径の円筒状蓄熱材注入路となっており、かつ小径円筒部における大径円筒部とは反対側の端部に径方向外方に広がった係止部が設けられている金属製蓄熱材注入部材を用意すること、
    2枚の容器構成板を、少なくともいずれか一方の容器構成板の外方膨出部の開口が他方の容器構成板側を向き、かつ両容器構成板の半円筒部間に蓄熱材注入部材の小径円筒部が位置するとともに係止部が外方膨出部内に位置するように組み合わせて複数の容器形成用組み合わせ体をつくること、
    両容器構成板の周縁帯状部どうし、両容器構成板の半円筒部と蓄熱材注入部材、および熱交換管と容器構成板とをろう付すること、
    蓄熱材注入部材の蓄熱材注入路を通して蓄熱材容器内に蓄熱材を入れること、
    蓄熱材注入部材の大径円筒部における外端寄りの部分を径方向の両外側から圧潰して蓄熱材注入部材の周壁を変形させることにより、蓄熱材注入部材に圧潰部を形成して蓄熱材注入路を封止することを含む蓄熱機能付き熱交換器の製造方法。
  9. 蓄熱材注入部材の大径円筒部の肉厚が0.8mm以上である請求項8記載の蓄熱機能付き熱交換器の製造方法。
  10. 蓄熱材注入部材の小径円筒部の外周面と、大径円筒部の外周面とが、蓄熱材注入部材の外端側に向かって徐々に大径となったテーパ部を介して連なっている請求項8または9記載の蓄熱機能付き熱交換器の製造方法。
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