Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2015051934A - 皮膚の酸化的ストレス抑制剤 - Google Patents

皮膚の酸化的ストレス抑制剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2015051934A
JP2015051934A JP2013184478A JP2013184478A JP2015051934A JP 2015051934 A JP2015051934 A JP 2015051934A JP 2013184478 A JP2013184478 A JP 2013184478A JP 2013184478 A JP2013184478 A JP 2013184478A JP 2015051934 A JP2015051934 A JP 2015051934A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
oxidative stress
extract
butanediol
fruit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013184478A
Other languages
English (en)
Inventor
直子 岩間
Naoko Iwama
直子 岩間
阿部 馨
Kaoru Abe
馨 阿部
正木 仁
Hitoshi Masaki
仁 正木
裕志 北村
Hiroshi Kitamura
裕志 北村
貴弘 河合
Takahiro Kawai
貴弘 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AOMORI PREFECTURAL INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCHCENTER
ROKKA SHUZO KK
Aomori Prefectural Industrial Technology Research Center
Original Assignee
AOMORI PREFECTURAL INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCHCENTER
ROKKA SHUZO KK
Aomori Prefectural Industrial Technology Research Center
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AOMORI PREFECTURAL INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCHCENTER, ROKKA SHUZO KK, Aomori Prefectural Industrial Technology Research Center filed Critical AOMORI PREFECTURAL INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCHCENTER
Priority to JP2013184478A priority Critical patent/JP2015051934A/ja
Publication of JP2015051934A publication Critical patent/JP2015051934A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

【課題】皮膚の酸化的ストレスに対し優れた抑制効果を有し、皮膚に対する刺激性等、安全性および使用性においても問題のない、皮膚の酸化的ストレス抑制剤を提供する。
【解決手段】オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実のエタノールまたはブタンジオールを含む抽出溶媒による抽出物を含有させ、皮膚の酸化的ストレス抑制剤とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、皮膚の酸化的ストレス抑制剤に関する。
紫外線等による活性酸素種の産生亢進、加齢に伴う生体の抗酸化機能の低下等により、皮膚の酸化的ストレスが増大するが、かかる酸化的ストレスが皮膚の炎症、老化等の主な要因の一つであることはよく知られている。
従来より、酸化的ストレスによる皮膚の炎症、老化等を改善または防止するべく、抗酸化作用を有する成分の皮膚外用剤または化粧品への利用が検討されてきた。かかる成分として、たとえば、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム等のアスコルビン酸誘導体、d−δ−トコフェロール、dl−α−トコフェロール等のビタミンE、コメヌカ油、γ−オリザノール、タンニン酸等のポリフェノール、ウイキョウ果実、シソ、シャクヤク、セージ葉、ヨモギ、ルイボス、ローズマリー等の植物抽出物などが、抗酸化、抗老化成分として上市され、広く利用されている。
また、皮膚の酸化的ストレスを抑制し得る成分のスクリーニングも盛んに行われ、真珠貝貝肉抽出物(特許文献1)、3−ヒドロキシアントラニル酸誘導体(特許文献2)、海洋藻類であるナンノクロロプシス抽出物(特許文献3)、転写因子Nrf2(NF-E2 related factor 2)活性化剤(特許文献4、5)、ノニ葉抽出物(特許文献6)、マンニトールエリスリトールリピッド(特許文献7)等が開示されている。
しかしながら、皮膚の酸化的ストレスに対し十分な抑制効果を有し、安全性、使用性等の点でも問題のない皮膚の酸化的ストレス抑制剤が得られているとは言い難い。
特開平10−236941号公報 特開2005−272413号公報 特開2006−232766号公報 国際公開第2006/043671号 特開2007−031315号公報 特開2009−149562号公報 特開2012−025706号公報
本発明は、皮膚の酸化的ストレスに対し優れた抑制効果を有し、皮膚に対する刺激性等、安全性および使用性においても問題のない、皮膚の酸化的ストレス抑制剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、以前に、オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実のアルコール抽出物が抗酸化活性を有し、飲料その他の抗酸化性加工品に利用できることを開示している(特開2006−166726号公報)。その後、皮膚の酸化的ストレスの抑制を目的とした皮膚外用剤や化粧品に応用するべく、種々検討した結果、オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実のエタノールまたはブタンジオールを含む抽出溶媒による抽出物が、皮膚における酸化的ストレスに対し、低濃度で優れた抑制効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[9]に関する。
[1]オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実より、エタノールまたはブタンジオールを含む抽出溶媒により抽出して得られる抽出物を含有する、皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
[2]抽出溶媒中のエタノールの濃度が、50(v/v)%〜100(v/v)%である、上記[1]に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
[3]ブタンジオールが1,3−ブタンジオールである、上記[1]に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
[4]抽出溶媒中のブタンジオールの濃度が50(v/v)%である、上記[1]または[3]に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
[5]皮膚の酸化的ストレスによる炎症の改善または防止用である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
[6]皮膚の酸化的ストレスによる老化の改善または防止用である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
[7]皮膚外用医薬品である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
[8]皮膚外用医薬部外品である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
[9]皮膚用化粧品である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
本発明に係る皮膚の酸化的ストレス抑制剤は、紫外線等により生じる活性酸素種等による酸化的ストレスから皮膚を保護する効果に優れ、前記酸化的ストレスにより生じる皮膚の炎症、老化等を改善または防止する効果に優れる。
また、本発明に係る皮膚の酸化的ストレス抑制剤において、有効成分として含有されるオオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の抽出物は、植物由来であり、高い活性酸素種消去活性を有し、低濃度で十分な皮膚の酸化的ストレス抑制効果を奏するため、皮膚に対する刺激性等、安全性および使用性の点でも有利である。
オオヤマザクラ果実抽出物の過酸化水素による細胞傷害に対する緩和作用を示す図である。 オオヤマザクラ果実抽出物の紫外線(UVB)による細胞傷害に対する緩和作用を示す図である。
本発明の皮膚の酸化的ストレス抑制剤は、オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実より、エタノールまたはブタンジオールを含む抽出溶媒により抽出して得られる抽出物を含有する。
本発明で用いるオオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)は、バラ科(Rosaceae)に属する落葉樹であり、本発明においては、果実を用いる。
オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実は水洗し、そのまま、または細切、乾燥、粉砕等を行うことにより、スラリー状、細粒状、顆粒状または粉末状として抽出に供する。抽出溶媒としては、エタノールまたはブタンジオールを含む抽出溶媒を用いるが、50(v/v)%〜100(v/v)%エタノール、50(v/v)%〜100(v/v)%ブタンジオールが好ましく用いられる。ブタンジオールとしては、1,3−ブタンジオールが好ましく用いられる。また、エタノールを含む抽出溶媒としては、50(v/v)%エタノールが特に好ましく、ブタンジオールを含む溶媒としては、50(v/v)%ブタンジオールが特に好ましい。
抽出は、オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実100gに対し、通常100mL〜500mLの抽出溶媒を用いて行い、200mL〜300mLの抽出溶媒を用いることが好ましい。
抽出は、エタノールを含む抽出溶媒の場合、通常20℃〜30℃で2日間〜60日間行い、25℃〜30℃で2日間〜7日間行うことが好ましい。また、ブタンジオールを含む抽出溶媒の場合は、通常20℃〜30℃で2日間〜60日間行い、25℃〜30℃で7日間〜60日間行うことが好ましい。
抽出後、定法に従い、たとえばろ過、遠心分離等により、抽出液を回収する。
本発明においては、オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の抽出物は、上記溶媒による抽出液をそのまま用いてもよく、該抽出液を希釈もしくは濃縮し、または乾燥して用いてもよく、粗精製または精製して用いてもよい。前記抽出物の粗精製および精製は常法に従って行えばよく、たとえば「ダイヤイオンHP」(三菱化学株式会社製)等のイオン交換樹脂、「Sep−Pak C−18」(ウォーターズ社製)等の吸着剤による吸着および溶出、クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて実施することができる。
上記したオオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の抽出物は、後述するように、強い抗酸化活性を有し、ヒト表皮角化細胞において、過酸化水素や紫外線(UVB)に曝露された際の細胞傷害を緩和する作用を有するため、これを有効成分として含有する皮膚の酸化的ストレス抑制剤は、酸化的ストレスにより生じる皮膚の炎症、老化等の症状の発現または進行を良好に抑制し、かかる症状を改善または防止することができる。また、前記抽出物は植物由来であり、抗酸化活性が強いことから、低濃度で十分な皮膚の酸化的ストレス抑制効果を奏し、皮膚に対する刺激性等、安全性および使用性における問題も生じにくい。
なお、本発明の皮膚の酸化的ストレス抑制剤において、十分な効果を得るためには、オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の抽出物は、エタノールを含む抽出溶媒による抽出物の場合、乾燥重量として、0.005重量%〜0.1重量%含有させることが好ましく、0.05重量%〜0.1重量%含有させることがより好ましい。また、ブタンジオールを含む抽出溶媒による抽出物の場合、ポリフェノール(没食子酸)に換算した量として、0.001(w/v)%〜0.005(w/v)%含有させることが好ましく、0.002(w/v)%〜0.005(w/v)%含有させることがより好ましい。
なお、本発明の皮膚の酸化的ストレス抑制剤には、本発明の特徴を損なわない範囲で、グルコシルルチン、コメヌカ油、シソ抽出物、タンニン酸、d−δ−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、ルイボス抽出物等の他の抗酸化剤;コエンザイムQ10、デオキシリボ核酸ナトリウム、アシタバ抽出物、クロレラ抽出物、酵母抽出物、オタネニンジン抽出物、ヒバマタ抽出物、ロイヤルゼリー抽出物等の細胞賦活剤;アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、アルブチン、コウジ酸、ソウハクヒ抽出物、プラセンタ抽出物等の美白剤;加水分解シルク、カッコン抽出物、シャクヤク抽出物、卵殻膜タンパク質、レチノール等の抗シワ・抗老化剤;アズレン、アラントイン、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、キダチアロエ抽出物、グリチルリチン酸等の抗炎症・肌荒れ防止剤;シコン抽出物、ビサボロール、ヒノキチオール等の抗菌剤;塩化セチルピリジニウム、グルコン酸亜鉛、オウバク抽出物等の抗ざ瘡剤;DL−アラニン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、コンドロイチン、スフィンゴ脂質、セラミド、ヒアルロン酸等の保湿剤;塩化カプロニウム、センブリ抽出物、ハトムギ抽出物等の血行促進剤なども含有させることができる。
さらに、本発明に係る皮膚の酸化的ストレス抑制剤には、上記オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の抽出物の抗酸化活性、および製剤安定性等に影響を与えない範囲で、動植物性油脂、ロウ、脂肪酸、脂肪族アルコール、エステル油、炭化水素油、シリコーン油といった油性成分;非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤といった界面活性剤;エタノール等の低級アルコール;グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール;カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシセルロース等の増粘剤;乳酸およびその塩、クエン酸およびその塩等のpH調整剤;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、L−アルギニン等の塩基;紫外線吸収剤;防菌防黴剤;香料;色素;タルク、酸化亜鉛等の顔料など、製剤化に際し一般的に配合される成分を含有させることができる。
本発明の皮膚の酸化的ストレス抑制剤は、水等の液状担体や粉状担体、ゲル、エマルション、油脂性軟膏、乳剤性軟膏等の各種基剤を用いて、皮膚外用医薬品として提供することができ、ローション剤、粉末剤、ゲル剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、リニメント剤等、種々の形態で提供することができる。
本発明の皮膚の酸化的ストレス抑制剤は、皮膚外用医薬部外品および皮膚用化粧品としても提供することができる。かかる医薬部外品または化粧品は、化粧水、美容液、乳液、クリーム、パック等の形態で提供され得る。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[試験例1]オオヤマザクラ果実抽出物の抗酸化活性の評価
オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実100gを水洗し、蒸留水、50(v/v)%エタノール、100(v/v)%エタノール、50(v/v)%1,3−ブタンジオール各300mLに浸漬し、ときどき撹拌しながら、25℃にて静置して抽出した。蒸留水、50(v/v)%エタノール、100(v/v)%エタノールのそれぞれにより抽出する場合は7日間、50(v/v)%1,3−ブタンジオールにより抽出する場合は、2か月間静置した後、ろ過してろ液を回収した。
上記の各抽出物の抗酸化活性を、抗酸化能測定キット「ラジカルキャッチ」(日立アロカメディカル株式会社製)を用いて測定した。その際、陽性対照として、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)およびTroloxを用いた。フェントン反応により生じる活性酸素に対する50%阻害濃度(IC50)を求めて、表1に示した。なお、オオヤマザクラ果実の抽出物のIC50値については、ポリフェノール(没食子酸)量に換算した値により示した。
Figure 2015051934
表1に示されるように、オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の50(v/v)%および100(v/v)%エタノール抽出物、50(v/v)%1,3−ブタンジオール抽出物について、抗酸化活性が認められた。50(v/v)%1,3−ブタンジオール抽出物については、IC50値が17.82μg/mLと、BHAおよびTroloxと同程度の非常に強い抗酸化活性が認められた。
[試験例2]オオヤマザクラ果実抽出物の過酸化水素による細胞傷害緩和作用の評価
オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の50(v/v)%エタノール抽出物を試料として、ヒト表皮角化細胞(HaCaT Keratinocyte)を用い、過酸化水素による細胞傷害に対する緩和作用を評価した。評価方法を以下に示した。
(1)細胞密度3×10cells/wellのHaCaT細胞分散液を調製し、十分に分散しながら100μLを96wellマイクロプレートの各wellに添加し、細胞播種した(すなわち3×10cells/well播種したこととなる)。
なお、培地は、5%牛胎児血清(FBS)含有ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s modified Eagle’s Medium)(DMEM)(ニッスイ)〈1〉(日水製薬株式会社製、code:5915)と、CERTIFIED FOETAL BOVINE SERUM(BIOLOGICAL INDUSTRIES社製、cat.04-001-1E)を用いて調製した。
(2)COインキュベーター(5%CO濃度)にて、37℃で24時間培養後、各濃度の試料を含有する培地100μLに交換した。なお、試料(オオヤマザクラ果実の50(v/v)%エタノール抽出物)の添加濃度は、抽出物の乾燥重量により示した。
(3)さらに24時間培養後、各wellの細胞を100μLのHanks緩衝液(HBSS+)で2回洗浄した。
(4)150μM過酸化水素溶液100μLを各wellの細胞に添加し、2時間培養した。
なお、対照として、過酸化水素溶液を含有しないHBSS+処理細胞群を同培養条件にて調製した(過酸化水素処理群および対照(過酸化水素未処理群)ともにn=5で実施)。
(5)各wellの細胞をHBSS+で2回洗浄した後、試料を含まない培地で24時間培養した。
(6)各wellの細胞をHBSS+で2回洗浄した後、33mg/Lのニュートラルレッド(3−アミノ−7−ジメチルアミノ−2−メチルフェノジンハイドロクロライド;シグマ−アルドリッチ社製)溶液(NR液)100μLを添加し、2時間培養した。
(7)各wellの細胞をHBSS+で2回洗浄した後、30(v/v)%メタノール含有1M塩酸溶液100μLを添加して細胞を溶解し、細胞内に取り込まれたニュートラルレッドを抽出した。
(8)マイクロプレートリーダーで細胞溶解液の吸光度を550nmおよび650nmにて測定し、その差(Abs550nm−Abs650nm)をニュートラルレッド取込みの吸光度として求めた。
(9)対照(過酸化水素未処理群)の吸光度を100とした場合の百分率により、過酸化水素処理群の細胞生存率を算出した。
結果を図1に示した。図1より、150μM過酸化水素に曝露した場合、オオヤマザクラ果実抽出物無添加細胞群の細胞生存率は約70%にまで低下するものの、オオヤマザクラ果実の50(v/v)%エタノール抽出物を添加した群では、有意に細胞生存率が上昇することが認められた。また、細胞生存率の上昇には濃度依存的な傾向も認められ、1mg/mL濃度のオオヤマザクラ果実抽出物添加群では、細胞生存率が90%以上にまで回復した。
上記結果より、オオヤマザクラエキス果実の50(v/v)%エタノール抽出物によって、過酸化水素曝露による細胞傷害が緩和されたと考えられ、培養細胞においても過酸化水素消去作用が働いていることが認められた。
[試験例3]オオヤマザクラ果実抽出物の紫外線(UVB)による細胞傷害緩和作用の評価
オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の50(v/v)%エタノール抽出物を試料として、ヒト表皮角化細胞(HaCaT Keratinocyte)を用い、紫外線(UVB)による細胞傷害に対する緩和作用を評価した。評価方法を以下に示した。
(1)細胞密度3×10cells/wellのHaCaT細胞分散液を調製し、十分に分散しながら100μLを96wellマイクロプレートの各wellに添加し、細胞播種した(すなわち3×10cells/well播種したこととなる)。
なお、培地は、上記試験例2で用いた培地と同じものを用いた。
(2)COインキュベーター(5%CO濃度)にて、37℃で24時間培養後、試料無添加培地100μLに交換した。
(3)さらに24時間培養後、各wellの細胞を100μLのHBSS+で2回洗浄した。
(4)HBSS+ 100μLを各wellの細胞に添加し、UVBランプ(PHILIPS BROADBAND TL20W12 RS ULTRAVIORET−B)でUVB照射(800mJ/cm(照射強度=0.85mW/cm)で16分)した。その際、対照として、UVB未照射細胞群を同培養条件にて調製した(UVB照射群および対照(UVB未照射群)ともにn=6で実施)。
(5)各wellの細胞をHBSS+で2回洗浄した後、試料無添加培地または各濃度の試料を添加した培地で24時間培養した。なお、試料(オオヤマザクラ果実の50(v/v)%エタノール抽出物)の添加濃度は、抽出物の乾燥重量により示した。
(6)各wellの細胞をHBSS+で2回洗浄した後、NR液100μLを添加し、2時間培養した。
(7)各wellの細胞をHBSS+で2回洗浄した後、30(v/v)%メタノール含有1M塩酸溶液100μLを添加して細胞を溶解し、細胞内に取り込まれたニュートラルレッドを抽出した。
(8)マイクロプレートリーダーで細胞溶解液の吸光度を550nmおよび650nmにて測定し、その差(Abs550nm−Abs650nm)をニュートラルレッド取込みの吸光度として求めた。
(9)対照(UVB未照射群)の吸光度を100とした場合の百分率により、UVB照射群の細胞生存率を算出した。
結果を図2に示した。UVB照射処理によって細胞生存率が約20%まで低下したが、UVB照射処理後にオオヤマザクラ果実の50(v/v)%エタノール抽出物を添加することにより、細胞生存率は有意に回復し、1mg/mLを添加した群では、細胞生存率は40%近くまで回復した。
上記結果より、オオヤマザクラ果実の50(v/v)%エタノール抽出物は、UVBにより生じた細胞傷害を緩和する作用を有することが示唆された。
[実施例1]ローション剤
(1)オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の50(v/v)%1,3−ブタンジオール抽出物 0.05(重量%)
(2)グリセリン 5
(3)ポリエチレングリコール1500 2
(4)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(15E.O.) 2
(5)エタノール 15
(6)水酸化カリウム 0.03
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)精製水 75.82
製法:(1)〜(3)および(6)を(8)に添加して溶解する。(5)に(4)および(7)を溶解して、前記溶液に加えて均一とし、ろ過する。
[実施例2]水中油型乳剤性軟膏
(1)白色ワセリン 25.0(重量%)
(2)ステアリルアルコール 25.0
(3)グリセリン 12.0
(4)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)精製水 36.8
(7)オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の50(v/v)%エタノール抽出物 0.1
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合、溶解して均一とし、75℃に加熱する。一方、(5)を(6)に溶解して75℃に加熱し、これに前記油相成分を添加して乳化し、冷却後40℃にて(7)を添加、混合する。
[実施例3]水中油型クリーム
(1)精製水 全量を100重量%とする量
(2)1,3−ブタンジオール 5(重量%)
(3)グリセリン 10
(4)キサンタンガム 0.15
(5)クエン酸ナトリウム 0.1
(6)エデト酸二ナトリウム 0.01
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.12
(8)精製水 5
(9)オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実の50(v/v)%1,3−ブタンジオール抽出物 0.05
(10)炭酸ジオクチル 3
(11)バチルアルコール 1.8
(12)ベヘニルアルコール 1.2
(13)マイクロクリスタリンワックス 1
(14)ミツロウ 2.5
(15)キャンデリラロウ 0.8
(16)水素添加パーム油 2.5
(17)ヘキサメチルシクロトリシロキサン 25
(18)スクワラン 3
(19)精製ホホバ油 2
(20)マカデミアナッツ油 1
(21)ポリヒドロキシステアリン酸 0.2
(22)トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル 0.3
(23)香料 0.02
製法:(1)に(2)〜(7)を添加、溶解して70℃〜75℃に加熱する(水相成分)。(10)〜(22)を混合し、70℃〜75℃に加熱して均一とする(油相成分)。前記水相成分を撹拌しながら、前記油相成分を徐々に添加して乳化する。40℃まで冷却した後、(8)に溶解した(9)、および(23)を順次添加して混合し、均一とする。
以上詳述したように、本発明により、皮膚の酸化的ストレスに対し優れた抑制効果を有し、酸化的ストレスにより生じる皮膚の炎症、老化等を良好に改善または防止することができ、かつ、皮膚に対する刺激性等、安全性および使用性においても問題のない、皮膚の酸化的ストレス抑制剤を提供することができる。

Claims (9)

  1. オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)の果実より、エタノールまたはブタンジオールを含む抽出溶媒により抽出して得られる抽出物を含有する、皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
  2. 抽出溶媒中のエタノールの濃度が、50(v/v)%または100(v/v)%である、請求項1に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
  3. ブタンジオールが1,3−ブタンジオールである、請求項1に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
  4. 抽出溶媒中のブタンジオールの濃度が50(v/v)%である、請求項1または3に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
  5. 皮膚の酸化的ストレスによる炎症の改善または防止用である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
  6. 皮膚の酸化的ストレスによる老化の改善または防止用である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
  7. 皮膚外用医薬品である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
  8. 皮膚外用医薬部外品である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
  9. 皮膚用化粧品である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚の酸化的ストレス抑制剤。
JP2013184478A 2013-09-05 2013-09-05 皮膚の酸化的ストレス抑制剤 Pending JP2015051934A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013184478A JP2015051934A (ja) 2013-09-05 2013-09-05 皮膚の酸化的ストレス抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013184478A JP2015051934A (ja) 2013-09-05 2013-09-05 皮膚の酸化的ストレス抑制剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015051934A true JP2015051934A (ja) 2015-03-19

Family

ID=52701244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013184478A Pending JP2015051934A (ja) 2013-09-05 2013-09-05 皮膚の酸化的ストレス抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015051934A (ja)

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07309770A (ja) * 1994-05-20 1995-11-28 Narisu Keshohin:Kk ムコ多糖類断片化抑制剤、活性酸素消去剤および化粧料
JPH08245409A (ja) * 1995-03-08 1996-09-24 Ichimaru Pharcos Co Ltd 皮膚外用剤及び浴用剤
JP2001163794A (ja) * 1999-12-03 2001-06-19 Shiseido Co Ltd ヒアルロン酸産生促進剤および皮膚外用剤
JP2002531493A (ja) * 1998-12-11 2002-09-24 ミシガン ステイト ユニヴァーシティー サクランボバイオフラボノイドを使用するシクロオキシゲナーゼ及び炎症の抑制方法
JP2002531473A (ja) * 1998-12-11 2002-09-24 ミシガン ステイト ユニヴァーシティー 酸化防止剤の植物的又は栄養的利益を与えるサクランボ単離物の使用方法
JP2003261454A (ja) * 2002-03-06 2003-09-16 Pias Arise Kk 抗炎症剤、PGE2産生抑制剤、IL−1α産生抑制剤及びIL−6産生抑制剤
JP2006166726A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Aomori Prefecture サクラ果実の圧搾液・圧搾粕抽出液・アルコール抽出液、およびそれを用いた飲料・着色料・抗酸化性物質・抗酸化性加工品
WO2007004771A1 (en) * 2005-06-30 2007-01-11 Amorepacific Corporation Cosmetic composition containing as available ingredient the extracts of equisetum arvense l.
JP2010275243A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Hoyu Co Ltd サクラエキス安定化剤、皮膚外用剤組成物、サクラエキス安定化方法
JP2011063527A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Kao Corp カルニチン産生促進剤及び皮膚外用剤
JP2011516483A (ja) * 2008-04-01 2011-05-26 アントイポデアン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド スキンケア用組成物及び方法
JP2012006905A (ja) * 2010-05-28 2012-01-12 Oriza Yuka Kk 美肌用組成物
US20120276025A1 (en) * 2011-04-06 2012-11-01 Tiffany Florence Topical Skin Care Formulations Comprising Plant Extracts
JP2012229170A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Oriza Yuka Kk 一酸化窒素産生抑制剤

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07309770A (ja) * 1994-05-20 1995-11-28 Narisu Keshohin:Kk ムコ多糖類断片化抑制剤、活性酸素消去剤および化粧料
JPH08245409A (ja) * 1995-03-08 1996-09-24 Ichimaru Pharcos Co Ltd 皮膚外用剤及び浴用剤
JP2002531493A (ja) * 1998-12-11 2002-09-24 ミシガン ステイト ユニヴァーシティー サクランボバイオフラボノイドを使用するシクロオキシゲナーゼ及び炎症の抑制方法
JP2002531473A (ja) * 1998-12-11 2002-09-24 ミシガン ステイト ユニヴァーシティー 酸化防止剤の植物的又は栄養的利益を与えるサクランボ単離物の使用方法
JP2001163794A (ja) * 1999-12-03 2001-06-19 Shiseido Co Ltd ヒアルロン酸産生促進剤および皮膚外用剤
JP2003261454A (ja) * 2002-03-06 2003-09-16 Pias Arise Kk 抗炎症剤、PGE2産生抑制剤、IL−1α産生抑制剤及びIL−6産生抑制剤
JP2006166726A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Aomori Prefecture サクラ果実の圧搾液・圧搾粕抽出液・アルコール抽出液、およびそれを用いた飲料・着色料・抗酸化性物質・抗酸化性加工品
WO2007004771A1 (en) * 2005-06-30 2007-01-11 Amorepacific Corporation Cosmetic composition containing as available ingredient the extracts of equisetum arvense l.
JP2011516483A (ja) * 2008-04-01 2011-05-26 アントイポデアン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド スキンケア用組成物及び方法
JP2010275243A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Hoyu Co Ltd サクラエキス安定化剤、皮膚外用剤組成物、サクラエキス安定化方法
JP2011063527A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Kao Corp カルニチン産生促進剤及び皮膚外用剤
JP2012006905A (ja) * 2010-05-28 2012-01-12 Oriza Yuka Kk 美肌用組成物
US20120276025A1 (en) * 2011-04-06 2012-11-01 Tiffany Florence Topical Skin Care Formulations Comprising Plant Extracts
JP2012229170A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Oriza Yuka Kk 一酸化窒素産生抑制剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101885195B1 (ko) 목서 발효추출물을 유효성분으로 함유하는 화장료 조성물
JP2004300117A (ja) 化粧料組成物
US11213472B2 (en) VEGFC production promoter
KR101026879B1 (ko) 피부주름개선용 화장료 조성물의 제조방법
KR20080105426A (ko) 개여뀌 추출물을 유효성분으로 함유하는 화장료 조성물
JP5770428B2 (ja) 一重項酸素消去剤、並びに該一重項酸素消去剤を用いた皮膚外用剤及び化粧料
US20170196797A1 (en) Composition containing glycine gracilis oil
KR101176526B1 (ko) 조팝나무 추출물을 유효성분으로 함유하는 화장료 조성물
KR20220112447A (ko) 보리밥나무 추출물을 유효성분으로 함유하는 피부개선용 조성물, 이를 포함하는 화장료 조성물 및 건강기능식품 조성물
KR102472370B1 (ko) 항산화 및 미백효능이 우수한 화장료용 조성물
KR101086227B1 (ko) 나도개감채 추출물을 유효성분으로 함유하는 화장료 조성물
KR101558186B1 (ko) 여우구슬 추출물을 함유하는 화장료 조성물
KR20220112446A (ko) 돌가시나무 추출물을 유효성분으로 함유하는 피부개선용 조성물, 이를 포함하는 화장료 조성물 및 건강기능식품 조성물
JP4076477B2 (ja) 皮膚外用剤
JP2009137878A (ja) 光老化防止剤及びこれを含有する皮膚外用剤
JP5769448B2 (ja) Dna修復促進剤及び皮膚外用剤
JP2015051934A (ja) 皮膚の酸化的ストレス抑制剤
KR102468538B1 (ko) 와일드제라늄 추출물이 함유되어 항산화, 미백 및 항염효능이 우수한 피부개선용 조성물
JP2015093848A (ja) 皮膚化粧料及び頭髪化粧料
KR20120129601A (ko) 우뭇가사리, 미역, 밀싹 및 베르가못 혼합 추출물을 함유하는 항산화 효과 및 피부 노화 예방 효과를 갖는 있는 화장용 조성물
JP2012176923A (ja) 抗酸化剤、ハリ・タルミ改善剤、ラジカル消去剤、エラスターゼ活性阻害剤、並びに抗老化剤
KR20220112448A (ko) 찔레버섯 추출물을 유효성분으로 함유하는 피부개선용 조성물, 이를 포함하는 화장료 조성물 및 건강기능식품 조성물
JP2023004549A (ja) メラニン産生抑制用組成物、BMP4発現促進用組成物、c-KIT発現抑制用組成物、及び美白用化粧料
KR20220112449A (ko) 참꽃나무 추출물을 유효성분으로 함유하는 피부개선용 조성물, 이를 포함하는 화장료 조성물 및 건강기능식품 조성물
JP6497690B2 (ja) マトリックスメタロプロテアーゼ−1産生抑制剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160805

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160805

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170714

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170808