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JP2015041922A - 画像処理装置および画像補正装置 - Google Patents

画像処理装置および画像補正装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 HUD表示システムの表示位置に表示させる画像データを少ない演算量で生成することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】 表示装置50の表示画面上の画素から出た光線が投影面に当たり反射した光線が所定の視点を通過することで画像を生成するヘッドアップディスプレイに用いられる画像処理装置において、静止画関連データ記憶部41は、当該画像の画像データおよび配置座標データに対し、表示画面から投影面を経て当該視点までの経路で生じる歪を各画素毎に補正する補正処理を施すことにより得られた補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを記憶している。読出制御部42は、センサの出力信号に応じて、画像素材の補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを静止画関連データ記憶部41から読み出す。描画部46は、この補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを用いた描画処理を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイを利用した車載用の表示システム等、表示装置から投影面に投射した画像をユーザに提供する表示システムに好適な画像処理装置および画像補正装置に関する。
周知の通り、ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display;以下、HUDと略す)表示システムでは、例えば車のダッシュボード上の表示装置の表示画面から車のフロントガラスに投射した画像をドライバに見せる。ここで、フロントガラスの表面は、曲面になっている。従って、HUDシステムにおいて、ドライバによって視認される画像は、表示装置の表示画面に表示される画像を鏡像反転し、さらに歪ませた画像となる。このようにHUDシステムにおいて、ドライバに視認される画像は、表示装置に表示される画像に対して、一種の変換処理を施した画像となる。そこで、従来の技術では、表示装置に接続された画像処理装置が、この変換処理の逆変換処理に相当する歪補正処理を画像データに施し、表示装置に表示させていた(例えば特許文献1参照)。
特開2008−102518号公報
ところで、上述の表示装置の表示画面(以下、画面Aとする)の各画素に着目すると、1つの画素から発した光線は、フロントガラスによる反射を経てドライバの視覚に届き、ドライバによって視認される画面(以下、画面Bとする)内のある位置の画素となる。そして、HUDシステムでは、同一画素の画面A内での位置と画面B内での位置との間に変化が生じる。典型例を示すと、画面Aにおける左上端の画素は、画面Bでは右上端の位置を占める。また、同一画素の画面A内での位置と画面B内での位置との間の差分は、当該画素の画面A内での位置または画面B内での位置に依存する。例えば、先の例のように、画面Aの左上端の画素は、画面Bでは右上端の位置を占めるので、この場合の当該画素の画面A内での位置と画面B内での位置との間の差分は大きな値となる。しかし、画面Aの中央の画素は、画面Bでもほぼ中央の位置を占めるので、この場合の当該画素の画面A内での位置と画面B内での位置との間の差分は小さな値となる。そこで、従来のHUD表示システムでは、次のようにして上述の歪補正処理を実行していた。まず、画面B内の各画素について、それらが画面A内において占めていた位置を求め、当該画素の画面B内での位置と画面A内での位置との差分を示す補正データをメモリに記憶させる。そして、上述の歪補正処理では、ドライバに視認させたい画像(すなわち、画面Bの画像)の各画素の位置をメモリ内の当該画素に対応した補正データに従って移動させ、表示装置に表示させる画面Aの画像データを生成するのである。この歪補正処理は、画素単位での処理となるため、演算量が多い。従来の画像処理装置は、描画処理においてこの歪補正処理を実行していたため、描画処理の演算量が多くなるという問題があった。また、このような演算量の多い歪補正処理を含む描画処理を画像処理装置に実行させるとなると、演算処理能力の高いプロセッサを画像処理装置に搭載する必要があり、画像処理装置が高価になるという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、少ない演算量でHUD表示システム等の表示装置に表示させる画像データを生成することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
この発明は、表示装置の表示画面上の画素から出た光線が投影面に当たり反射した光線が所定の視点を通過することで画像を生成するヘッドアップディスプレイに用いられる画像処理装置であって、表示画面から投影面を経て当該視点までの経路で生じる歪を各画素毎に補正する補正処理を画像データに施すことにより得られた補正適用画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段から所望の補正適用画像データを読み出す読出制御手段と、前記読出制御手段が読み出した補正適用画像データを前記表示画面に表示させる描画手段とを具備することを特徴とする画像処理装置を提供する。
かかる発明によれば、画像処理装置は少ない演算量で表示画面に表示させる補正適用画像データを生成することができる。
この発明の一実施形態であるHUD表示システムの構成を示すブロック図である。 同実施形態におけるHUD表示の原理を示す図である。 同実施形態においてドライバに視認させる画像と表示装置に表示される画像との関係を示す図である。 この発明の他の実施形態における補正データの作成方法を示す図である。 この発明の他の実施形態における画像データの補正方法を示す図である。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態を説明する。
図1はこの発明の一実施形態であるHUD表示システムの構成を示すブロック図である。また、図2は同HUD表示システムにおけるHUD表示の原理を示す図である。図2に示すように、本実施形態における表示装置50は、表示画面を車両内のフロントガラス60に対向させた姿勢で同車両内のダッシュボード(図示略)に固定される。HUD表示システムでは、表示装置50の表示画面から照射された画像がフロントガラス60によって反射され、ドライバの視点70に到達する。ここで、表示装置50の表示画面に表示された画像は、同表示画面からドライバの視点70まで伝達される過程において、ある種の変換処理を受け、その結果、元の画像に対して歪んだ画像となってドライバの視点に届く。以下では、便宜上、この変換処理を歪変換処理という。本実施形態によるHUD表示システムは、ドライバに視認させるべき画像データに対し、上記歪変換処理の逆変換に相当する歪補正処理を施し、この歪補正処理後の画像データを表示装置50に表示させることにより、画像データを低歪の状態でドライバに視認させるシステムである。
図1に示すように、本実施形態によるHUD表示システムは、画面レイアウト装置10と、画像補正装置20と、補正データ生成装置30と、画像処理装置40と、表示装置50とを有する。
画面レイアウト装置10は、図示しない操作部の操作に応じて、ドライバに視認させる画面を構成する画像素材の画像データと、同画像素材の画面内での位置を示す配置座標データを生成する装置である。図3(A)はドライバに視認させる画面の例を示す図である。図示の例では、車両の速度109km/hが画面に表示されている。この速度表示を例に説明すると、画面レイアウト装置10は、図示しない操作部の操作に基づき、速度の各桁を表す0〜9までの各数値(画像素材)の画像データを生成するとともに、画面内における速度の百の位の数値の表示位置、十の位の数値の表示位置、一の位の数値の表示位置を示す配置座標データを生成する。図3(B)は、この画面レイアウト装置10により生成される画像素材「9」の画像データを例示するものである。
画像補正装置20は、画面レイアウト装置10が出力した画像素材の画像データおよび配置座標データに対して歪補正処理およびフィルタ処理を施し、補正適用画像データおよび補正適用配置座標データとして出力する装置である。歪補正処理は、表示装置50の表示画面内の各画素の位置と、ドライバが視認する画面内における各々対応する各画素の位置との間の位置ずれを示す補正データに基づき、ドライバが視認する画像の歪を低減する処理である。フィルタ処理は、表示装置50の表示画面に表示される画像の画素密度とこの画像がドライバに視認される場合の同画像の画素密度との差に起因した画像の品質の劣化を防止するための処理である。
画像補正装置20が実行する歪補正処理およびフィルタ処理は、上述した歪変換処理の逆変換処理を構成する。ここで、表示装置50の表示画面から照射された画像に対して施される歪変換処理の内容は、表示装置50と、フロントガラス60と、ドライバの視点70との位置関係、フロントガラス60の形状等に依存する。また、表示装置50の表示画面から照射された各画像に対して施される歪変換処理の内容は、各画像の画面内での位置により異なったものとなる。そこで、本実施形態では、補正データ生成装置30が設けられるとともに、画像補正装置20内に補正データ記憶部21が設けられている。
補正データ生成装置30は、表示装置50と、フロントガラス60と、ドライバの視点70との位置関係、フロントガラス60の形状等を示す実機配置情報をユーザから受け取り、この実機配置情報に基づいて、ドライバに視認させる画面内の各画素位置毎に補正データを生成するとともに、フィルタ係数を生成する装置である。
さらに詳述すると、補正データ生成装置30は、実機配置情報に基づいて、レイトレーシング法によるシミュレーションを実行し、表示装置50の表示画面の各画素の放つ光線がフロントガラス60による反射を経てドライバの視点70に到達するまでの経路を求める。そして、補正データ生成装置30は、表示装置50の表示画面の画素毎に求めた光線の経路に基づき、補正データを生成する。すなわち、レイトレーシング法によるシミュレーションの結果、表示装置50の表示画面内の例えば図2の位置VQ’にある画素の放つ光線がフロントガラスによる反射を経てドライバの視点70に到達し、ドライバが視認する画面内の例えば位置VQの画素となった場合、位置VQと位置VQ’との差分を示すベクトルデータをドライバに視認させる画面内の位置VQに対応した補正データとするのである。また、補正データ生成装置30は、レイトレーシング法によるシミュレーションの結果に基づき、上述したフィルタ処理のためのフィルタ係数を生成する。なお、補正データは必ずしもレイトレーシング法を用いて生成する必要はない。実機配置情報に基づいて、表示画面の各画素位置に対する上記ベクトルデータをレイトレーシング法を用いずに算出してもよい。あるいは、その算出結果を予め記憶しておき、入力した実機配置情報に応じて記憶した補正データを適宜使用する方法でもよい。
画像補正装置20内の補正データ記憶部21は、補正データ生成装置30が生成した補正データおよびフィルタ係数を記憶する。画像補正装置20は、補正データ記憶部21内の補正データおよびフィルタ係数を参照して、画面レイアウト装置10が出力した画像素材の画像データおよび配置座標データに対して歪補正処理およびフィルタ処理を施し、補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを生成する。例えば画面レイアウト装置10が図3(A)に示す数値「9」の画像データおよび配置座標データを出力した場合、当該配置座標データが示す画素位置に対応付けられた補正データおよびフィルタ係数を補正データ記憶部21から読み出す。そして、読み出した補正データを用いた歪補正処理を数値「9」の画像データおよび配置座標データに施す。この結果、配置座標データから補正適用配置座標データが得られる。また、画像補正装置20は、読み出したフィルタ係数を用いたフィルタ処理を歪補正処理後の数値「9」の画像データに施す。この結果、数値「9」についての補正適用画像データが得られる。そして、画像補正装置20は、このようにして得られた補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを出力するのである。
図3(D)は、この場合の数値「9」の補正適用画像データの内容を例示するものである。また、図3(C)は数値「9」の補正適用画像データを表示装置50の表示画面の補正適用配置座標データが示す位置に表示させた場合の表示例を示すものである。図3(A)および図3(C)間を跨いで引いた矢印は、ドライバに視認させる画面(図3(A)参照)内において数値「9」の位置に対応付けられた補正データを表している。
図1において、画像処理装置40は、表示装置50に静止画および動画を表示させるための画像処理を行う装置である。図1に示すように、画像処理装置40は、静止画関連データ記憶部41と、読出制御部42と、補正データ記憶部43と、動画補正部44と、描画部46と、表示バッファ47とを有する。好ましい態様において、静止画関連データ記憶部41および補正データ記憶部43は、EEROM(Electronic Erasable Programable Read Only Memory;電気的消去が可能な読出専用メモリ)等の不揮発性メモリにより構成されている。ただし、静止画関連データ記憶部41および補正データ記憶部43は、DRAM等の揮発性メモリでも構成が可能である。
静止画関連データ記憶部41は、画像補正装置20が出力した補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを記憶する手段である。読出制御部42は、表示装置50の垂直走査周期に同期して、静止画関連データ記憶部41から表示対象となる全ての画像素材の補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを読み出し、描画部46に供給する手段である。
補正データ記憶部43は、画像補正装置20内の補正データ記憶部21と同様、補正データ生成装置30によって生成された補正データとフィルタ係数を記憶する手段である。動画補正部44は、動画関連データ記憶部45を有している。この動画関連データ記憶部45は、表示位置が時々刻々と変化する動画の画像素材の画像データと配置座標データとを表示装置50の垂直走査周期に同期してホストコンピュータから受け取って記憶する手段である。動画補正部44は、表示装置50の垂直走査周期に同期し、動画関連データ記憶部45内の画像素材の配置座標データに対応付けられた補正データおよびフィルタ係数を補正データ記憶部43から読み出す。そして、読み出した補正データおよびフィルタ係数を利用して、動画関連データ記憶部45内の画像素材の画像データおよび配置座標データに対して歪補正処理およびフィルタ処理を施し、補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを生成し、描画部46に供給する。
表示バッファ47は、表示装置50に表示させる画像データを記憶するバッファである。この表示バッファ47は、表示装置50の一画面分の画像データを記憶するフレームバッファであってもよく、1ライン分の画像データを記憶するラインバッファであってもよい。
描画部46は、読出制御部42および動画補正部44から供給される画像素材の補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを受け取り、補正適用画像データを補正適用配置座標データにより定まる表示バッファ47内のエリアに書き込む描画処理を実行する。
以上が本実施形態によるHUD表示システムの構成の詳細である。
このHUD表示システムにおいて、画像処理装置40と表示装置50は車両内に搭載される。画面レイアウト装置10と、画像補正装置20と、補正データ生成装置30は、多数の画像処理装置に書き込むためのデータを生成するための装置であり、車両毎に設ける必要はない。
好ましい態様では、画像処理装置40が表示装置50に表示させる各種の画像素材の画像データおよび配置座標データを画面レイアウト装置10が生成して画像補正装置20に与える。また、補正データ生成装置30は、画像処理装置40および表示装置50が搭載される車両内での表示装置50と、フロントガラス60と、ドライバの視点70との位置関係、フロントガラス60の形状等を示す実機配置情報に基づいて、補正データおよびフィルタ係数を生成する。また、画像補正装置20は、画面レイアウト装置10から供給された画像素材の画像データおよび配置座標データに対し、補正データ生成装置によって生成された補正データを用いた歪補正処理およびフィルタ処理を施して補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを生成する。そして、画像補正装置20は、画像処理装置40の静止画関連データ記憶部41に補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを書き込み、補正データ生成装置30は、画像処理装置40の補正データ記憶部43に補正データおよびフィルタ係数を書き込む。このようにして静止画関連データ記憶部41に補正適用画像データおよび補正適用配置座標データが書き込まれ、補正データ記憶部43に補正データおよびフィルタ係数が書き込まれた画像処理装置40が例えば車両のメーカーに出荷され、表示装置50とともに車両に搭載される。
他の好ましい態様では、画像補正装置20により生成された各種の画像素材についての補正適用画像データおよび補正適用配置座標データがCD−ROM、半導体メモリ等の記憶媒体に書き込まれ、この記憶媒体から画像処理装置40の静止画関連データ記憶部41に転送される。また、補正データ生成装置30によって生成された補正データおよびフィルタ係数も、何等かの記憶媒体に書き込まれ、この記憶媒体から画像処理装置40の補正データ記憶部43に転送される。
さらに他の好ましい態様では、画像処理装置40がインターネットを介して画像補正装置20から各種の画像素材についての補正適用画像データおよび補正適用配置座標データをダウンロードするとともに、補正データ生成装置30から補正データおよびフィルタ係数をダウンロードし、静止画関連データ記憶部41および補正データ記憶部43に格納する。
画像処理装置40では次のような動作が行われる。まず、画像処理装置40の読出制御部42には、車速センサによって測定された車速値等、表示装置50の表示画面内の定位置に表示すべき情報を示す外部信号が供給される。読出制御部42は、このようにして供給される外部信号に応じて表示対象とする画像素材を選択し、その画像素材の補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを静止画関連データ記憶部41から読み出して描画部46に供給する処理を垂直走査周期に同期して繰り返す。
図3(C)に示す例では、車速センサから車速値109kmを示す外部信号が読出制御部42に供給された。そこで、読出制御部42は、表示装置50の表示画面内において車速値の100の位の数値表示エリアを示す補正適用配置座標データとこれに対応付けられた数値「1」の補正適用画像データと、10の位の数値表示エリアを示す補正適用配置座標データとこれに対応付けられた数値「0」の補正適用画像データと、1の位の数値表示エリアを示す補正適用配置座標データとこれに対応付けられた数値「9」の補正適用画像データとを静止画関連データ記憶部41から読み出して描画部46に供給する。
描画部46は、このようにして供給される補正適用画像データを補正適用配置座標データにより定まる表示バッファ47内のエリアに書き込む描画処理を実行する。この結果、図3(C)に示すように、鏡像反転され、かつ、歪んだ車速値「109」の画像が表示装置50の表示画面に表示される。そして、この車速値「109」の画像がフロントガラスによる反射を経てドライバの視点に到達する。この結果、図3(A)に示すように、歪補正の施された車速値「109」がドライバによって視認される。
車速センサによって測定される車速値は時々刻々と変化する。その場合の動作も以上と同様であり、読出制御部42は、車速値の各桁の数値表示エリアを示す補正適用配置座標データと、車速値の各桁の数値の補正適用画像データとを静止画関連データ記憶部41から読み出して描画部46に供給する。そして、描画部46は、このようにして供給される補正適用画像データを補正適用配置座標データにより定まる表示バッファ47内のエリアに書き込む描画処理を実行する。
このように本実施形態において、描画部46は、読出制御部42によって静止画関連データ記憶部41から読み出された画像素材の補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを用いて静止画の描画処理を行う。この静止画の描画処理では、歪補正処理は行わない。従って、描画部46は、少ない演算量で静止画の描画処理を行うことができる。
また、本実施形態において、動画に関しては、動画補正部44の動画関連データ記憶部45に書き込まれる動画の画像素材の画像データおよび配置座標データに対し、補正データ記憶部43に記憶された補正データを用いた歪補正処理およびフィルタ係数を用いたフィルタ処理が施され、この結果得られる補正適用画像データと補正適用配置座標データが描画部46に与えられ、描画処理に用いられる。従って、動画に関しては、描画部46の演算量に加えて動画補正部44の演算量が発生する。しかし、静止画および動画のうち前者の画面全体に占める割合が大きい場合には、画像処理装置40の全体としての演算量を少なく抑えることができる。従って、少ない演算量で静止画と動画の両方について歪補正のなされたHUD表示を実現することができる。
<他の実施形態>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)上記実施形態では、表示装置50に動画を表示させるために補正データ記憶部43および動画補正部44を設けたが、表示装置50に静止画のみを表示させる場合には補正データ記憶部43および動画補正部44は不要である。
(2)上記実施形態では、静止画関連データ記憶部41に画像素材の補正適用画像データと補正適用配置座標データの両方を記憶させたが、補正適用画像データのみを記憶させてもよい。例えば画像素材の表示位置が標準化されており、表示位置の変わることが稀であるような場合、その表示位置についての補正適用配置座標データを描画部46が実行する描画プログラムに固定データとして組み込んでおく、といった態様が考えられる。
(3)上記実施形態では、表示画面内の各所に表示させる各画像素材について補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを生成し、静止画関連データ記憶部41に記憶させた。しかし、このような画像素材単位で補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを生成するのではなく、表示画面に表示させる一画面分の画像について補正適用画像データを生成し、静止画関連データ記憶部41に記憶させてもよい。この場合、補正適用配置座標データは不要である。
(4)上記実施形態では、レイトレーシング法に基づくシミュレーションを実行することにより補正データを作成したが、次のようにして補正データを作成してもよい。実車両にて表示装置50が実際に配置される位置おいて、図4に示すように、表示装置50の任意の画素位置にレーザ照射装置51を置き、表示装置50の照射方向に合わせてレーザを照射する。また、ドライバの目の位置にはカメラ70Aを配置する。レーザ照射装置51からのレーザ光は、フロントガラス60に反射してカメラ70Aにより撮像される。このときカメラ70Aの撮像画面(UV座標系)の所望の画素位置にレーザ光の像が現れるように表示装置50の表示画像(XY座標系)におけるレーザ照射装置51の位置を調整し、調整後のレーザ照射装置51の位置(XY座標値)をカメラ70Aの撮像画面(UV座標系)上の画素位置(UV座標値)に対応付けて記録する。この場合、レーザ光の像の位置(UV座標値)からレーザ照射装置51の位置(XY座標値)への変換データが補正データである。この作業を表示装置50上のすべての画素について行うことで、UV座標系の全画素位置についての補正データが得られる。この方法は、レイトレーシング法を用いないで現物合せ的に補正データを作成する方法であり、フロントガラスの曲率等様々なデータは不要であり、複雑な演算処理も不要である。
(5)図5(a)〜(c)は画像データの補正の例を示す図である。図5(b)は図5(a)の画像データの補正処理に用いる補正テーブルを示している。この補正テーブルは、Y座標値を行番号、X座標値を列番号とする補正テーブルである。この補正テーブルにおいて、あるX座標値(列番号)およびY座標値(行番号)に対応した行列要素は、表示装置50の表示画面のXY座標値に対応した位置の像がカメラ70Aの撮像画面(UV座標系)において占める位置(UV座標値)を示す。例えばXY座標値(X、Y)=(3、1)に対応した行列要素は(1、1)であり、UV座標値は(U、V)=(1、1)となる。このような補正テーブルを利用し、次の手順により画像データの補正を行うことが可能である。
a.図5(a)に示すように、配置座標データに従ってドライバに視認させたい画像データをUV座標系に配置する。
b.図5(b)に示す補正テーブルを参照することにより、表示装置50のXY座標系の各画素位置に対応付けられたUV座標系の画素のUV座標値を取得し、そのUV座標値に対応した画素値をUV座標系(図5(a))から取得する。
c.UV座標系から取得した各画素値を補正適用画像データとして、元のXY座標系の各画素位置に配置する。この処理は、画像データから補正適用画像データへの変換と配置座標データから補正適用配置座標データへの変換を合わせて行うものである。
例えば図5(a)のUV座標(U、V)=(5、1)は、図5(b)のXY座標(X、Y)=(7、0)に対応する。従って、図5(b)のUV座標(U、V)=(5、1)は図5(c)のXY座標(X、Y)=(7、0)上に画素を持つ。
このようにしてXY座標系に配置された補正適用画像データ(図5(c))は、フロントガラスによる反射を経てドライバの視点に到達し、歪のない画像データ(図5(a))としてドライバに視認される。
この態様は画像データおよび配置座標データの補正を簡単な演算処理により実行することができる利点がある。
なお、ドライバに動画を視認させる場合には、上記a.〜c.の処理を繰り返せばよい。
(6)上記(4)の態様では、UV座標系の各UV座標値について補正データを求めたが、XY座標系の各XY座標値に対応したUV座標系のUV座標値を求めて、画像データの補正に用いてもよい。
10……画面レイアウト装置、20……画像補正装置、30……補正データ生成装置、40……画像処理装置、50……表示装置、60……フロントガラス、70……視点、70A……カメラ、21,43……補正データ記憶部、41……静止画関連データ記憶部、42……読出制御部、44……動画補正部、45……動画関連データ記憶部、46……描画部、47……表示バッファ。

Claims (5)

  1. 表示装置の表示画面上の画素から出た光線が投影面に当たり反射した光線が所定の視点を通過することで画像を生成するヘッドアップディスプレイに用いられる画像処理装置であって、
    表示画面から投影面を経て当該視点までの経路で生じる歪を各画素毎に補正する補正処理を画像データに施すことにより得られた補正適用画像データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から所望の補正適用画像データを読み出す読出制御手段と、
    前記読出制御手段が読み出した補正適用画像データを前記表示画面に表示させる描画手段と
    を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記記憶手段は、前記補正適用画像データの前記表示画面内での表示位置を指定する補正適用配置座標データをさらに記憶しており、
    前記読出制御手段は、所望の補正適用画像データおよび補正適用配置座標データを読み出し、
    前記描画手段は、当該補正適用画像データを前記表示装置の表示画面内の当該補正適用配置座標データが示す位置に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記読出制御手段は、同一表示位置に表示可能な複数の補正適用画像データの中から1つの補正適用画像データを外部信号に応じて選択して前記記憶手段から読み出すことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 表示装置の表示画面上の画素から出た光線が投影面に当たり反射した光線が所定の視点を通過することで画像を生成するヘッドアップディスプレイに用いられる画像補正装置であって、
    表示画面から投影面を経て当該視点までの経路で生じる歪を各画素毎に補正する補正処理を画像データに施すことにより、補正適用画像データを生成することを特徴とする画像補正装置。
  5. 前記反射した光線が前記視点を通過することで生成される画像の画面内での位置を示す配置座標データに前記補正処理を施すことにより前記補正適用画像データの前記表示装置の表示画面内の位置を示す補正適用配置座標データを生成することを特徴とする請求項4に記載の画像補正装置。
JP2013172625A 2013-08-22 2013-08-22 画像処理装置 Active JP6255797B2 (ja)

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