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JP2014216492A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Atsuro Tsuzuki
淳朗 續木
拓也 越後
Takuya Echigo
拓也 越後
田中 正義
Masayoshi Tanaka
正義 田中
惇哉 三宅
Junya Miyake
惇哉 三宅
泰寛 椎名
Yasuhiro Shiina
泰寛 椎名
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Abstract

【課題】太陽電池素子に、より多量の光を入射させることができる太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】太陽電池モジュール10を、複数の太陽電池素子4と、光拡散反射板1と、を備え、光拡散反射板1は、金属板である基板11上に少なくともグランドコート層12とこれに接してトップコート層13を有し、グランドコート層12が白色塗膜層であり、トップコート層13に白色顔料及び粒径の異なる2種の球状粒子14、15を含有する板状の光拡散反射板1であって、太陽電池モジュール10の背面側に配置されているものとする。【選択図】図3

Description

本発明は、太陽電池発電システムに関する。更に詳しくは、本発明は、両面受光型の太陽電池素子を備える太陽電池モジュールに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。
太陽電池は、多数の太陽電池素子を、集電能力を備える回路基板上に一体配置してなる太陽電池モジュールにより構成される。太陽電池モジュールは、光エネルギーを吸収し直接電力に変換して出力する。太陽電池モジュールの太陽電池素子は、受光部として機能する。
この太陽電池モジュールの発電効率を高めるために様々な研究が進んでいる。例えば、両面受光型の太陽電池素子を備える太陽電池モジュールにおいて、太陽電池モジュールに入射した光を、効率的に太陽電池素子へ導く手段についての研究が進んでいる。各太陽電池素子に多量の光を入射させることができれば、高価な太陽電池素子の数量を減じながら同程度の出力を確保することができる。
特開2001−127331号公報
特許文献1に開示された太陽電池モジュールでは、太陽電池素子の背面側に光拡散反射板を設けることが開示されている。又、この光拡散反射板を折り曲げることも開示されている。しかしながら、光拡散反射板の詳細は不明であり、各太陽電池素子に十分な光量の光を入射させるには至っておらず、この点、更なる研究開発の進展が求められていた。
本発明は、より多量の光を入射させることができ、より優れた発電効率を有する太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、太陽電池モジュールに配置する光拡散反射板を、金属基板上に白色塗膜層からなるグランドコート層を設け、その上に粒径の異なる2種の球状粒子及び白色顔料を有するトップコート層を設けた独自の構成を有する光拡散反射板とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 複数の太陽電池素子と、反射板と、を備える太陽電池モジュールであって、前記反射板は、金属板である基板上に少なくともグランドコート層とこれに接してトップコート層を有し、前記グランドコート層が白色塗膜層であり、前記トップコート層に白色顔料及び粒径の異なる2種の球状粒子を含有する板状の光拡散反射板であって、前記太陽電池モジュールの背面側に配置されている太陽電池モジュール。
(2) 前記太陽電池素子が、両面受光型の太陽電池素子である(1)に記載の太陽電池モジュール。
(3) 前記2種の球状粒子が、(A)平均粒径5〜30μmの球状粒子、及び(B)平均粒径15〜55μmの球状粒子であり、球状粒子(A)と球状粒子(B)の平均粒径の差が10μm以上である(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール。
(4) 前記トップコート層中の白色顔料の含有量が2〜15質量%であり、且つ球状粒子(A)及び球状粒子(B)がトップコート層中にそれぞれ5〜24質量%含有される(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール。
(5) 前記グランドコート層の厚さが15〜45μmである(1)から(4)のいずれかに記載の太陽電池発電モジュール。
(6) 前記グランドコート層の厚さが30μmを超えて、45μm未満である(1)から(5)のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
(7) 前記球状粒子が樹脂ビーズである(1)から(6)のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
(8) 前記トップコート層の厚さが15〜30μmである(1)から(7)のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
(9) 前記太陽電池モジュールの受光面側の最外層に配置される透明前面基板と、前記太陽電池素子の両面にそれぞれ配置される封止材と、を更に備える(1)から(8)に記載の太陽電池モジュール。
(10) (1)から(9)のいずれかに記載の太陽電池モジュールを含んで構成される太陽電池モジュール構造であって、前記光拡散反射板が、前記太陽電池モジュール構造が設置されている構造物又は建造物の一部を構成していることを特徴とする太陽電池モジュール構造。
本発明の太陽電池モジュールによれば、より多量の光を入射させることができ、優れた発電効率を有する太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュールの一実施形態の層構成の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの一実施形態の層構成及び両面型の太陽電池素子の受光態様の一例を模式的に示す断面拡大図である。 本発明の太陽電池モジュールの一部を構成する光拡散反射板の層構成を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの他の実施形態を模式的に示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
<太陽電池モジュール>
本発明における太陽電池モジュールとは、入射光の光エネルギーを吸収し直接電力に変換して出力する装置である。光エネルギーを電力に変換可能な複数の太陽電池素子が、回路基板等の集電装置上に配置されて一体化している発電装置全般を含む概念である。具体例としては、入射光の受光面側から、透明前面基板、前面封止材層、太陽電池素子、背面封止材層、及び裏面保護シートが順に積層されている層構成を有するものが最も一般的な構成の太陽電池モジュールとして広く用いられている。但し、本発明の太陽電池モジュールはこのような一般的な構成の太陽電池モジュールに限定されるものではない。好ましくは両面受光型の太陽電池素子と、太陽電池モジュールの背面側に配置される本発明特有の構成からなる光拡散反射板を備え、且つ、複数の太陽電池素子が集電装置上に一体化して発電機能を発揮しうる構成となっている発電装置又は発電機構であれば、上記の一般的な太陽電池モジュールの構成要件を必ずしも全て備えてはいない応用的な実施形態のものや、或いは、これらの太陽電池モジュールの集合体である太陽電池パネル構造等も全て本発明の範囲内である。
又、本明細書において、太陽電池素子とは、光導電効果及び/又は光起電力効果によって光を受けて電流を発生させる最小構成単位の意であり、例えば、10cm×10cm角〜20cm×20cm角のものが挙げられる。
図1は、本発明の一実施形態である太陽電池モジュール10について、その層を模式的に示す断面図である。太陽電池モジュール10は、モジュール本体20と、モジュール本体20に対向し、太陽電池素子4と所定の距離をおいて、太陽電池モジュール10の背面側に配置された光拡散反射板1と、を有している。
図2は、太陽電池モジュール10の層構成及び両面型の太陽電池素子の受光態様の一例を模式的に示す断面拡大図である。図2に示す通り、太陽電池モジュール10の受光面10aより入射した入射光7、7Aのうち、太陽電池素子4の表面側の受光面41に入射しなかった入射光7Aは、光拡散反射板1での拡散反射によって、太陽電池素子4の背面側の受光面42に効率的に導かれるようになっている。
このため、モジュール本体20は、太陽電池素子4へ入射しなかった入射光7Aが光拡散反射板1に到達し得るよう、少なくともいくらかの透過率を有している。又、光拡散反射板1からの反射光(入射光7A)が発電に利用され得るよう、モジュール本体20に含まれる太陽電池素子4は、両面発電型太陽電池素子(両面採光型太陽電池素子)として構成されていること、或いは、或る程度の透光性を有していることが好ましい。但し、太陽電池素子4が、透過性の低い片面発電型太陽電池素子であったとしても、光拡散反射板1からの反射光を受光することは可能であり、この場合にも、光拡散反射板1を設けたことに起因して、後述する入射光の有効利用を図ることができる。
尚、本明細書において、太陽電池モジュール10のパネル面への法線方向に沿った太陽電池モジュール10の受光面の側を「入光側」と呼び、入光側の反対側を「背面側」又は「裏面側」と呼ぶ。
[モジュール本体]
モジュール本体20は、一般的な太陽電池モジュールと同様の構成であり、受光面側から順に、透明前面基板2、前面封止材層3、複数の両面採光型の太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。そして太陽電池モジュール10においては、モジュール本体20の背面側に、反射板として、入射光を効率的に拡散反射することのできる光拡散反射板1が設置されている。
上記の透明前面基板2、前面封止材層3、背面封止材層5、及び裏面保護シート6の各層は、太陽電池素子4が有効に機能を発揮し得るよう太陽電池素子4を保護する機能を期待されている。一般的には、太陽電池モジュール10が設置されるべき場所の環境等を考慮して、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、耐薬品性、耐突き刺し性等の一以上が、これらの層によって、太陽電池モジュール10に付与される。
[モジュール本体の製造方法]
モジュール本体20は、例えば、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
[光拡散反射板]
次に、本発明の太陽電池モジュールを構成する光拡散反射板1について説明する。光拡散反射板1は、太陽電池素子から所定の距離をおいて、モジュール本体20の背面側に配置されている反射板である。光拡散反射板1は、接着剤(粘着剤を含む概念)等を介してモジュール本体20に接合されていてもよいし、或いは、モジュール本体20に対して直接接合されていなくてもよい。例えば、光拡散反射板1は、モジュール本体20を支持するケーシング等を介してモジュール本体20に対して所定の位置に配置されていてもよい。又、光拡散反射板1がモジュール本体20に接合されていない場合、モジュール本体20は光拡散反射板1から離間して配置されていてもよい。モジュール本体20と光拡散反射板1が離間して配置されている場合、反射光による発電効率の向上効果を十分に発揮しうるものとするためには、モジュール本体20の背面側の表面と、光拡散反射板1との間の距離は、150mm以下であることが好ましく、110mm以下であることが更に好ましい。
図3は、光拡散反射板1の層構成を模式的に示す断面図である。光拡散反射板1は、基板11上に少なくともグランドコート層12とこれに接してトップコート層13を有し、当該トップコート層13は白色顔料16及び2種の球状粒子14及び15を含有する。又、所望により、グランドコート層12と基板11の間にプライマー層17を有していてもよい。
(基板)
本発明の光拡散反射板に用いられる基板11としては、基板11にグランドコート層12及びトップコート層13を形成した後の加工性が良好である金属板を用いる。金属板としては、例えば、鋼板、電鋳鉄箔、ステンレス鋼板、アルミニウム板、ジュラルミン板等の板材、或いはこれらに亜鉛、錫、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、鉄等の1種又は2種以上をめっきしたもの等が挙げられる。2種以上のめっきは、例えば、鉄と亜鉛の合金めっき、アルミニウムと亜鉛の合金めっき等がある。この様な金属板の具体例としては、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム合金溶融亜鉛めっき鋼板、ブリキ板、ティンフリースチール板、制振鋼板等の鋼板が挙げられる。これら金属板の厚みは用途によるが、例えば0.3〜10.0mm程度である。又、これらの金属板として、化成処理や表面研磨を施した物を用いてもよい。
(グランドコート層)
本発明の光拡散反射板1におけるグランドコート層12は白色塗膜層であり、光の反射に寄与する機能層である。白色塗膜層としては、ポリエステル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、メラミン樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、塩化ビニル樹脂系塗料等を白色に着色したものが用いられる。又、これらの塗料のうち、ポリエステル樹脂系塗料及びフッ素樹脂系塗料が、曲げ加工性をコントロールできる点から好ましい。又、これらの塗料は硬化剤を含有していてもよく、例えば、ポリエステル樹脂系塗料やフッ素樹脂系塗料に硬化剤としてメラミンやイソシアネートを用いた塗料は、加工性に優れ好適である。当該塗料に用いられる樹脂の分子量としては、数平均分子量として、2000〜50000の範囲であることが好ましい。2000以上であると、加工時に塗膜に亀裂や剥離が発生しにくく、50000以下であると有機溶剤等に溶解しやすく、塗布時の作業性が良好となる。以上の点から、当該樹脂の数平均分子量は10000〜30000の範囲が更に好ましい。
白色塗膜層に用いる白色顔料としては、特に限定されるものではなく、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、炭酸カルシウム等を用いることができる。これらのうち、可視光反射率の高い酸化チタンが好ましい。白色顔料の含有量としては、白色塗膜層の固形分全量に対して、30〜60質量%の範囲が好ましい。30質量%以上であると十分な白色度が得られ、60質量%以下であればバインダーとして十分な樹脂量が確保できるため、塗膜割れ等の問題がない。以上の観点から、白色顔料の含有量は45〜55質量%の範囲が更に好ましい。
グランドコート層12の厚さは15〜45μmであることが好ましい。15μm以上であると、塗膜切れによる表面外観の悪化が見られず、又十分な白色度と拡散反射率が得られる。白色度及び拡散反射率の観点からは、厚さが厚いほど好適であるが、厚すぎると加工性の点で劣るため45μm以下が好ましい。したがって、更に白色度及び拡散反射性を良好にする、具体的には、後に詳述する色差計で測定したY値(以下、単に「Y値」と記載する。)が90を超える光拡散反射板を得るとの観点からは、グランドコート層12の厚さは30μm超であることが特に好ましく、一方、塗膜形成時の発泡等が見られないとの観点から45μm未満であることが好ましい。他方、十分な白色度及び一定の良好な拡散反射率を有しつつ、加工性を重視する場合には、グランドコート層12の厚さは15〜30μmとすることが好ましい。このような厚さとすることにより、より具体的には、Y値が90以下程度であって、極めて加工性の良好な光拡散反射板が得られる。
(トップコート層)
光拡散反射板1は、グランドコート層12と接してトップコート層13を有する。トップコート層13は白色顔料及び平均粒径の異なる2種の球状粒子14、15を含有しており、主に防眩性を付与する機能層である。通常は、樹脂バインダーに上記白色顔料及び球状粒子14、15が添加された樹脂組成物で構成される。樹脂バインダーとしては、グランドコート層12を構成する白色塗膜層で用いられるものと同様の樹脂を用いることができ、グランドコート層12と同様に、曲げ加工性をコントロールできるとの観点から、ポリエステル樹脂及びフッ素樹脂が好適に用いられる。
トップコート層13に用いる白色顔料についても、グランドコート層12を構成する白色塗膜層に用いられる白色顔料と同様のものを用いることができる。グランドコート層12と同様に酸化チタンが高い可視光反射率を有する点から好ましい。トップコート層13中の白色顔料の含有量は、トップコート層13の固形分全量に対して2〜15質量%の範囲である。2質量%以上であると白色度及び光拡散反射性が良好となり、15質量%以下であると防眩性が良好となる。
トップコート層13に含有される平均粒径の異なる2種の球状粒子は、(A)平均粒径5〜30μmの球状粒子及び(B)平均粒径15〜45μmの球状粒子であり、球状粒子(A)と球状粒子(B)の平均粒径の差が10μm以上であることを必須とする。このような平均粒径の異なる2種の球状粒子を用いることにより、本発明の光拡散反射板1に、効果的に防眩性を付与することができる。図3においては、球状粒子(A)が相対的に小さい球状粒子14であり、球状粒子(B)が相対的に大きい球状粒子15で示されている。尚、本発明では、トップコート層13中に、上記球状粒子(A)及び球状粒子(B)の平均粒径の差が10μm以上である異なる2種の粒子を含んでいればよく、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に他の粒子を含んでいてもよい。当該2種の球状粒子の含有量としては、トップコート層13の固形分全量に対して、それぞれ5〜17質量%の範囲である。5質量%以上であると十分な防眩性が得られ、17質量%以下であると加工性が良好である。以上の観点から、2種の球状粒子の含有量は、それぞれ6〜16質量%の範囲であることが更に好ましい。
上記2種の球状粒子14、15しては、上記粒径を有するものであれば特に限定されず、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、無機粒子等を用いることができる。これらのうち、透明性が高い点、比重が軽くトップコート層13を形成するための樹脂組成物の比重と近い点等の理由で樹脂ビーズが好ましい。透明性については、球状粒子14、15の透明性が高いほど、グランドコート層12を構成する白色塗膜層やトップコート層13に含有される白色顔料16の効果が顕著に現れるため、光拡散反射板1に良好な白色度を与える点で好ましい。更に、比重が軽いことによって、トップコート層13の表面に浮きやすくなり、頭出しすることで、より良好な拡散反射性及び防眩性が得られる。
上記樹脂ビーズとしては、種々の樹脂ビーズが例示され、例えばウレタン系樹脂ビーズ、アクリル系樹脂ビーズ、尿素系樹脂ビーズのほか、ベンゾグアナミン/ホルムアルデヒド縮合物ビーズ、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド縮合物ビーズ、ナイロンビーズ及びこれらの混合ビーズを用いることができる。これらの樹脂ビーズは耐熱性が高いために、トップコート層13の形成過程において、焼付け硬化処理が施される場合に有利である。又、製造工程に焼付け硬化処理を経ない場合には、ポリアミド系ビーズ、ポリオレフィン系ビーズ、ポリカーボネート系ビーズ、ポリスチレン系ビーズ等熱可塑性樹脂ビーズを用いることもできる。又、無機粒子としては、例えばシリカ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等が挙げられ、内部に空気層を含む中空ビーズや市販品を使用することもできる。
トップコート層13には、意匠性を付与するために他の顔料等を加えることができる。例えば、本発明の効果を阻害せずに、意匠性を上げる材料として、パール顔料等が好適に挙げられる。パール顔料としては、天然雲母又は人工雲母の表面をチタン、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム、セリウム等の金属の金属酸化物及び/又は金属酸化物水和物で被覆した雲母ベースのパール顔料等が挙げられ、例えば、二酸化チタン被覆雲母が好適に用いられる。当該パール顔料の粒径及び含有量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されないが、粒径としては5〜60μmの範囲であることが好ましく、含有量としては、トップコート層13の固形分全量に対して15質量%以下、好適には11質量%以下である。球状粒子の平均粒子径とは、レーザー解析法等で測定した時の平均粒子径を意味する。
又、トップコート層13の厚さは15〜30μmであることが好ましい。15μm以上であると、塗膜切れによる表面外観の悪化が見られず、30μm以下であると、良好な加工性が得られるとともに、塗膜形成時の発泡等が見られない。尚、本発明におけるトップコート層13の厚さとは層中の樹脂部分の厚さを意味し、樹脂の上に頭出しした球状粒子の部分は含まない。
(プライマー層)
光拡散反射板1は、基板11とグランドコート層12の間に更にプライマー層17を有していてもよい。プライマー層17によって基板11とグランドコート層12又はその他の層との密着性を向上させることができる。プライマー層17は樹脂材料で構成されることが好ましく、具体的には、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。プライマー層17には必要に応じて種々の添加剤を加えることができ、例えば、基板11を構成する金属板の錆を防止するために防錆剤を含有させることが好ましい。プライマー層17の厚さとしては、基板11と他の層との密着性を向上させることができれば特に制限されるものではないが、通常0.5〜5μm程度である。
上記各層には、目的や用途により求められる物性に応じて、又、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、耐摩耗性向上剤、耐候性改善剤、重合禁止剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、着色剤、抗菌剤等が挙げられる。尚、これらの各種添加剤の配合量は、各種添加剤の効果を十分に得つつ、本発明の効果を損なわない範囲において適宜設定される。
以上の構成からなる光拡散反射板1は、白色度が高く、特に光の拡散性に優れるため、太陽電池モジュール10において太陽電池素子4に直接到達し得なかった入射光7Aを拡散反射することにより、入射光7Aを効率的に太陽電池素子4に導くことができる。又、防眩性にも優れることにより、例えば、太陽電池モジュールを屋根に設置した場合に、隣接する民家のベランダ等に太陽光が反射しにくくなり、公害防止の観点で好ましい。
[光拡散反射板の製造方法]
光拡散反射板1は、まず基板11上にグランドコート層12が形成される。グランドコート層12の形成方法としては、グランドコート層形成用樹脂組成物を調製しておき、バーコート法、ロールコート法、フローコート法、スプレーコート法等の公知の塗工法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法等の公知の印刷法により形成する。基板が鋼板又は耐熱性樹脂板の場合は、熱風加熱、遠赤外線加熱等の公知の加熱方式により雰囲気温度180〜280℃、好ましくは200〜250℃で、20〜300秒程度加熱処理することにより、グランドコート層12を硬化させる(焼付け硬化処理)。本発明では、グランドコート層12として白色塗膜層を形成するため、グランドコート層形成用樹脂組成物として、上述のように、樹脂系塗料に白色顔料を混合したものを用いることが好ましい。白色顔料の含有量としては、前述のように、白色塗膜層の固形分全量に対して、30〜60質量%の範囲が好ましいが、これに溶剤を添加して塗膜層を形成しやすい粘度とすることが好ましい。ここで用いる溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。尚、グランドコート層12を形成する前に、基板11とグランドコート層12との密着性を上げるために、所望によりプライマー層17を設けてもよい。
次に、グランドコート層12上にトップコート層13を形成する。トップコート層13の形成もグランドコート層12と同様に、トップコート層形成用樹脂組成物を調製しておき、グランドコート層12と同様の方法で塗工又は印刷する。トップコート層形成用樹脂組成物は、上述のように、バインダー樹脂、白色顔料、及び平均粒径の異なる2種の球状粒子をそれぞれ所望の含有量で有し、溶剤で希釈された後、グランドコート層12上に塗工又は印刷される。溶剤は、グランドコート層12で用いられるものと同様である。焼付けの条件についてもグランドコート層12の焼き付けの条件と同様である。尚、グランドコート層12の焼付け硬化処理を行った後に、トップコート層形成用樹脂組成物を塗布又は印刷し、トップコート層13の焼付け硬化処理を行ってもよいし、グランドコート層形成用樹脂組成物を塗布又は印刷し、続いてトップコート層形成用樹脂組成物を塗布又は印刷し、その後にまとめて焼付け硬化処理を行って、グランドコート層12及びトップコート層13を焼付け硬化処理することもできる。
[太陽電池モジュールの作用]
次に、上記構成からなる太陽電池モジュール10の作用について、主に図2を参照しながら説明する。
太陽電池モジュール10は、例えば、その受光面10aが上方を向くようにして屋外に設置される。この状態において、太陽光が、入射光7、7Aとして、太陽電池モジュール10の受光面10aに入射する。
太陽電池モジュール10に入射した入射光7、7Aのうち、太陽電池素子4の表面側の受光面41に向けて進む入射光7は、そのまま、太陽電池素子4へ入射して発電に利用され得る。但し、典型的な太陽電池素子4として広く利用に供されているシリコン型の太陽電池は、その屈折率が非常に高いことから、極めて高い反射率、例えば30%程度の反射率を呈するため反射防止膜が設けられ反射率を2−10%に下げている。太陽電池素子4の表面側の受光面41に向かう入射光7のうち、ある程度の割合の光は、太陽電池素子4の表面側の受光面41で反射する。このような光は、太陽電池モジュール10内を進む迷光となる、或いは、受光面10aを介して太陽電池モジュール10から出射してしまうこともある。
又、太陽電池モジュール10の平面視において、太陽電池素子4は、太陽電池モジュール10の一部の領域のみを占めており、隣り合う太陽電池素子4間には、隙間が形成されている。したがって、太陽電池モジュール10に入射した光の一部である入射光7Aは、この隙間へ向かう。又、太陽電池素子4の表面側の受光面41で反射して迷光状態となった光も、この隙間に向かう可能性がある。
従来公知の太陽電池モジュールにおいても、上記の隙間に向かった入射光7Aについては、例えば、白色の封止材や裏面保護シートを用いることによっても、入射光7Aの損失を低減可能であり、これにより、1〜2%程度の発電効率の向上が可能である。
ここで、本発明に係る太陽電池モジュール10に配置される光拡散反射板1は、優れた拡散反射機能を有しているため、光拡散反射板1での拡散反射率は非常に高くなる。これにより、光拡散反射板1での反射損失を高い割合で回避して、太陽電池素子4の受光率を大幅に向上させて、太陽電池モジュール10で効率的に発電を行うことができる。これによる発電効率の向上率は、10〜30%に達する。
以上説明した本実施形態の太陽電池モジュール10によれば、各太陽電池素子4に多量の光を入射させることができる。これにより、太陽電池モジュール10の出力を維持しながら、高価な太陽電池素子の数量を低減することができる。即ち、安価な太陽電池モジュール10により優れた効率で発電を行うことができる。
[太陽電池モジュール構造]
上記において説明した本発明の太陽電池モジュールを含んで構成される太陽電池パネル等の太陽電池モジュール構造も本発明の範囲である。図4は、本発明の太陽電池モジュール構造の一例を示す太陽電池モジュール構造100である。
太陽電池モジュール構造100は、太陽電池モジュール10と、それが設置される構造物である支持構造物8とからなる。又、本発明の太陽電池モジュール構造100は、太陽電池モジュール構造100を構成する太陽電池モジュール10の光拡散反射板1が、支持構造物8の一部を構成しているものであってもよい。光拡散反射板1は基材として金属板を採用していることより、太陽電池モジュール構造100に所要の剛性を備えさせること、又、必要に応じた変形加工も可能であることから、その応用実施範囲は極めて広範である。
このような太陽電池モジュール構造の具体的な実施例として、本発明の太陽電池モジュールを含んで構成される両面採光型のトップライト屋根構造、太陽電池モジュールを含んで構成されるカーテンウォール(外壁)、及び太陽電池モジュールを含んで構成される仕切り柵(フェンス)や各種の太陽電池パネル等があげられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例及び比較例1〜2)
モジュール本体として、Perfect Source Tech. Corp製両面発電型モジュール PST230EarthON54−19を用いた。尚、このモジュールは両面受光型の太陽電池素子を搭載しているものである。同モジュール本体を水平面に対して、30度の傾斜になるように、真南向きに設置した。そして、反射板としては、それぞれ下記に詳細を示す光拡散反射板を、それぞれモジュール本体と水平になるように、モジュール本体の背面からの距離が100mmになるように設置し実施例1〜47及び比較例1〜2の太陽電池モジュールとした。
(比較例3)
実施例の太陽電池モジュールにおいて、反射板のみを、光拡散反射板ではなく、アルミ無垢板(厚さ1mm)としたものを比較例3の太陽電池モジュールとした。
(参考例)
実施例、比較例で用いたモジュール本体(反射板なし)を参考例の太陽電池モジュールとした。
(光拡散反射板の製造:実施例1)
フッ素系白色塗料(固形分50質量%)をキシレン及びシクロヘキサノンの混合溶剤(質量比1:1)にて希釈し、粘度0.20Pa・sのグランドコート層形成用樹脂組成物を調製した。次に、0.6mm厚の電気亜鉛めっき鋼板からなる基板上に、該グランドコート層形成用樹脂組成物を焼付け後の厚さが25μmとなるように、バーコート法にて塗布し、基板の最高到達温度210℃の条件で焼き付けて、硬化状態のグランドコート層を形成した。
次いで、フッ素系クリヤ塗料(固形分43質量%)に、球状粒子として、平均粒径20μmのウレタン系樹脂ビーズ(球状粒子(A))を11質量%及び平均粒径40μmのウレタン系樹脂ビーズ(球状粒子(B))を5.5質量%、更に白色顔料として酸化チタン(石原産業株式会製)11質量%を含有させ、これをシクロヘキサノン、酢酸ブチル及びアルキルベンゼン(質量比3:16:1)からなる混合溶剤で希釈して、粘度0.08Pa・sのトップコート層形成用樹脂組成物を調製した。
該トップコート層形成用樹脂組成物をグランドコート層上に、焼付け後の厚さが20μmとなるように、バーコート法にて塗布し、基板の最高到達温度216℃の条件で焼き付けて、完全硬化状態のトップコート層を形成した。
光拡散反射板の各層の構成については表1に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例2〜8)
実施例1において、グランドコート層形成用樹脂組成物を焼付け後の厚さが表1記載される厚さとなるように、バーコート法にて塗布したこと以外は、実施例1と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表1に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例9)
実施例1において、球状粒子として、平均粒径10μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(A))を11質量%、及び平均粒径30μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(B))を5.5質量%用い、グランドコート層の厚さを30μmとしたこと以外は実施例1と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表2に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例10〜12)
実施例9において、グランドコート層形成用樹脂組成物を焼付け後の厚さが表2に記載される厚さとなるように、バーコート法にて塗布したこと以外は、実施例9と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表2に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例13〜16)
実施例1において、トップコート層形成用樹脂組成物を焼付け後の厚さが表2に記載される厚さとなるように、バーコート法にて塗布したこと以外は、実施例1と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表2に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例17)
実施例1において、球状粒子として、平均粒径10μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(A)、前掲)を11質量%、及び平均粒径30μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(B)、前掲)を5.5質量%用いたこと以外は実施例1と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表2に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例18〜20)
実施例17において、トップコート層形成用樹脂組成物を焼付け後の厚さが表2に記載される厚さとなるように、バーコート法にて塗布したこと以外は、実施例17と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表2に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例21〜22)
実施例17において、平均粒径30μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(B)、前掲)に代えて、表2に記載される種類及び粒径の樹脂ビーズ(球状粒子(B))を用いたこと以外は実施例17と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表2示す。
(光拡散反射板の製造:実施例23)
実施例17において、平均粒径30μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(B))に代えて、平均粒径50μmのウレタン系樹脂ビーズ(球状粒子(B))を用いたこと以外は実施例17と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表2に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例24)
実施例1において、平均粒径20μmのウレタン系樹脂ビーズ(球状粒子(A)、前掲)に代えて、平均粒径10μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(A)、前掲)を用いたこと以外は実施例1と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表3に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例25〜26)
実施例24において、平均粒径10μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(A)、前掲)の含有量を表3に記載される含有量としたこと以外は実施例24と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表3に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例27)
実施例24において、平均粒径10μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(A)、前掲)の含有量を表3に記載される含有量としたこと以外は実施例24と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表3に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例28〜29)
実施例24において、平均粒径40μmのウレタン系樹脂ビーズ(球状粒子(B)、前掲)の含有量を第3に記載される含有量としたこと以外は実施例24と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表3に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例30)
実施例24において、平均粒径40μmのウレタン系樹脂ビーズ(球状粒子(B)、前掲)の含有量を表3に記載される含有量としたこと以外は実施例24と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表3に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例31〜35)
実施例1において、トップコート層に含有させる白色顔料の含有量を表3に記載する含有量としたこと以外は実施例1と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表3に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例36〜40)
実施例17において、トップコート層に含有させる白色顔料の含有量を表3に記載する含有量としたこと以外は実施例17と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表3に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例41)
実施例24において、平均粒径10μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(A)、前掲)の含有量を表4に記載される含有量としたこと以外は実施例24と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表4に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例42)
実施例24において、平均粒径40μmのウレタン系樹脂ビーズ(球状粒子(B)、前掲)の含有量を表4に記載される含有量としたこと以外は実施例24と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表4に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例43)
実施例1において、トップコート層に含有させる白色顔料の含有量を表4に記載する含有量としたこと以外は実施例1と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表4に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例44)
実施例1において、トップコート層に含有させる白色顔料の含有量を表4に記載する含有量としたこと以外は実施例1と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表4に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例45〜46)
実施例17において、トップコート層に含有させる白色顔料の含有量を表4に記載する含有量としたこと以外は実施例17と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表4に示す。
(光拡散反射板の製造:実施例47)
実施例17において、平均粒径30μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(B))に代えて、平均粒径5μmのアクリル系樹脂ビーズ(球状粒子(B))を用いたこと以外は実施例17と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表4に示す。
(光拡散反射板の製造:比較例1)
実施例1において、トップコート層に白色顔料を含有させなかったこと以外は実施例1と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成について表4に示す。
(光拡散反射板の製造:比較例2)
実施例17において、トップコート層に白色顔料を含有させなかったこと以外は実施例17と同様にして光拡散反射板を製造した。光拡散反射板の各層の構成については表4に示す。
実施例、比較例、参考例とも、それぞれ発電効率に影響を及ぼし得ない間隔をおいて同様の草地上に配置して、太陽光の照射強度が約1000W/mの時の発電量を測定した。
実施例、比較例の出力については、参考例の出力を反射板なしの実発電量(W)とし、[反射板ありの実発電量(w)/反射板なしの実発電量(W)]×100で表し、以下の評価基準で評価した。評価結果については表1〜表5に示す。
A:出力120%以上
B:出力115〜119%
C:出力110〜114%
D:出力105〜109%
E:出力100%
実施例、比較例の防眩性については、光沢計(日本電色工業株式会社製「VG2000」)を用いて60度における光沢値を測定し、以下の評価基準で評価した。評価結果については表1〜表5に示す。
A:0〜7.4(写り込みなし)
B:7.5〜12.9(写り込みがわずかにあり)
C:13.0〜18.9(B評価とD評価の中間程度の写り込みあり)
D:19.0以上(大きな写り込みあり)
E:測定不可
実施例、比較例の反射率は、島津製作所製 紫外可視分光光度計
UV−3100を使用し、硫酸バリウムの標準板を100とした場合の比較の値とし拡散反射率5°反射測定モードで750−1000nmの波長の平均値とした。結果については表6に示す。
Figure 2014216492
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実施例の太陽電池モジュールは、光拡散反射板による反射光の光拡散均一性の向上、即ち、一方方向から来た光を拡散反射させ、背面側の発電に寄与する光を、均一に拡散させ、安定的に発電を得る事ができるようにしたことにより、大幅に出力を向上させていることが分かる。又、防眩性についても好ましいものであることが分かる。
1 光拡散反射板
11 基板
12 グランドコート層
13 トップコート層
14、15 球状粒子
16 白色顔料
17 プライマー層
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 裏面保護シート
7、7A 入射光
10 太陽電池モジュール
20 モジュール本体
100 太陽電池モジュール構造

Claims (10)

  1. 複数の太陽電池素子と、反射板と、を備える太陽電池モジュールであって、
    前記反射板は、金属板である基板上に少なくともグランドコート層とこれに接してトップコート層を有し、前記グランドコート層が白色塗膜層であり、前記トップコート層に白色顔料及び粒径の異なる2種の球状粒子を含有する板状の光拡散反射板であって、前記太陽電池モジュールの背面側に配置されている太陽電池モジュール。
  2. 前記太陽電池素子が、両面受光型の太陽電池素子である請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記2種の球状粒子が、(A)平均粒径5〜30μmの球状粒子、及び(B)平均粒径15〜55μmの球状粒子であり、球状粒子(A)と球状粒子(B)の平均粒径の差が10μm以上である請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記トップコート層中の白色顔料の含有量が2〜15質量%であり、且つ球状粒子(A)及び球状粒子(B)がトップコート層中にそれぞれ5〜24質量%含有される請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記グランドコート層の厚さが15〜45μmである請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池発電モジュール。
  6. 前記グランドコート層の厚さが30μmを超えて、45μm未満である請求項1から5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記球状粒子が樹脂ビーズである請求項1から6のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記トップコート層の厚さが15〜30μmである請求項1から7のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  9. 前記太陽電池モジュールの受光面側の最外層に配置される透明前面基板と、
    前記太陽電池素子の両面にそれぞれ配置される封止材と、を更に備える請求項1から8に記載の太陽電池モジュール。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の太陽電池モジュールを含んで構成される太陽電池モジュール構造であって、
    前記光拡散反射板が、前記太陽電池モジュール構造が設置されている構造物又は建造物の一部を構成していることを特徴とする太陽電池モジュール構造。
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