JP2014215150A - バイオセンサ用電極、バイオセンサ、バイオセンサ用導電性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、安価で、電極系および配線部の導電性が良好なバイオセンサ用電極等を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系および配線部とを有するバイオセンサ用電極であって、上記電極系および上記配線部が、上記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有し、上記導電性樹脂層中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするバイオセンサ用電極を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系および配線部とを有するバイオセンサ用電極であって、上記電極系および上記配線部が、上記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有し、上記導電性樹脂層中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするバイオセンサ用電極を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
本発明は、血液等の液体試料中の特定成分を測定するバイオセンサに関する。
血液等の生体試料中の特定成分について迅速かつ簡便に濃度等を測定する方法として、電気化学的検出手段によるバイオセンサが実用化されている。バイオセンサは、一般に、作用極および対極を含む電極系、酵素および電子受容体を基本構成として備えている。このようなバイオセンサの一例として、電気化学的に血液中のグルコースを定量化するグルコースセンサがある。
グルコースセンサにおいては、酵素は血液中のグルコースを選択的に酸化してグルコン酸を生成し、また同時に電子受容体を還元して還元体を生じる。この還元体に電極系で一定の電圧を印加することで還元体が再び酸化され、その際に電流が発生する。この電流が血液中のグルコース濃度に依存することから、血液中のグルコースを定量化することができる。
また、一般にエンドトキシンという細菌壁毒素が知られており、近年では、電気化学法を用いてエンドトキシンの濃度を測定する方法が研究されている。エンドトキシンは、大腸菌やサルモネラ菌をはじめとするグラム陰性菌の外膜を構成している毒性物質である。このエンドトキシンが極微量(例えば、ng/mLオーダー)でも血液中等に混入した場合、ショック症状等を引き起こし、最悪死に至る可能性もある。ただし、空気中にはエンドトキシンが広く存在している。このため、透析液等の医薬品にエンドトキシンが存在していないか等の検査が実施されている。
例えば、被検体および試薬の混合物に電極を入れ、ディファレンシャルパルスボルタンメトリー(DPV)に基づく測定を行う技術が知られている(特許文献1参照)。
例えば、被検体および試薬の混合物に電極を入れ、ディファレンシャルパルスボルタンメトリー(DPV)に基づく測定を行う技術が知られている(特許文献1参照)。
バイオセンサにおいては、電極材料として、従来から白金、金等の貴金属材料やカーボン材料等の導電性材料が一般に用いられている。これらの電極材料は、試料中の水分や電子受容体(メディエータ)と接触した場合も酸化還元されにくいといった性質を有するものである。しかしながら、白金、金等の貴金属材料は高価でありコスト増を招くという問題がある。また、カーボン材料は安価に電極を形成することができるものの、所望の導電性を示すカーボン電極を安定して形成することが難しく、個々のバイオセンサの性能にばらつきが生じやすいという問題がある。
そこで、上述したバイオセンサの電極材料の代わりに、例えば、ニッケル等の比較的安価で、酸化還元されにくい金属材料を用いることが検討されている(例えば、特許文献2)。
そこで、上述したバイオセンサの電極材料の代わりに、例えば、ニッケル等の比較的安価で、酸化還元されにくい金属材料を用いることが検討されている(例えば、特許文献2)。
ところで、従来から、金属材料を用いた場合のバイオセンサにおける電極系の形成方法としては、例えば、基材上の全面に真空蒸着やスパッタリング、めっき、金属箔接着等により金属膜を形成し、その後パターニングする方法が提案されている(例えば、特許文献3)。しかしながら、このような方法では使用する金属量が多く、金属膜の不要部分は除去されてしまうことから、コスト増を招くという問題や、製造工程が煩雑であるという問題があった。
グルコースセンサ等に代表される医療用のバイオセンサは使い捨てで、患者は次の検査時には新しいバイオセンサを使用する。このような使い捨て型のバイオセンサにおいては、安価に製造できることが主として望まれる。
そこで、本発明者は安価なバイオセンサの製造方法について種々検討を重ね、ニッケル等の耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層(後述する図7参照)を用いて電極系および配線部を印刷法によって形成することを試みたところ、上記組成の導電性樹脂層は、バイオセンサの電極系および配線部として機能する程度の導電性を示すことが困難であることを知見した。上記知見を得た本発明者はさらに検討を重ね、上述した金属微粒子およびバインダー樹脂に加え、少量のカーボンナノチューブを導電性樹脂層に含有させることにより、所望の導電性を示す電極系および配線部を安定的に形成することができることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
本発明は、安価で、電極系および配線部の導電性が良好なバイオセンサ用電極、バイオセンサ、およびバイオセンサ用導電性樹脂組成物を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系および配線部とを有するバイオセンサ用電極であって、上記電極系および上記配線部が、上記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有し、上記導電性樹脂層中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするバイオセンサ用電極を提供する。
本発明によれば、上記電極系および上記配線部が上述した組成の導電性樹脂層を有することにより、安価で、上記電極系および上記配線部の導電性が良好なバイオセンサ用電極とすることができる。
上記発明においては、上記導電性樹脂層中に含有される導電性材料が、上記金属微粒子および上記カーボンナノチューブのみであることが好ましい。
上記発明においては、上記耐腐食性を有する卑金属がニッケルであることが好ましい。バイオセンサにおいて、試料中の成分や反応部の電子受容体(メディエータ)との接触による酸化還元反応等を好適に防止することができる電極系および配線部とすることができる。
本発明は、支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系および配線部と、上記電極系上に配置された反応部と、上記支持基材上に配置され、上記電極系および上記反応部に試料を供給する試料供給路を形成するスペーサと、上記スペーサ上に配置されたカバーと、を有するバイオセンサであって、上記電極系および上記配線部が、上記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有し、上記導電性樹脂層中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするバイオセンサを提供する。
本発明によれば、上記電極系および上記配線部が上述した組成の導電性樹脂層を有することにより、安価で、上記電極系および上記配線部の導電性が良好なバイオセンサとすることができる。
上記発明においては、上記導電性樹脂層中に含有される導電性材料が、上記金属微粒子および上記カーボンナノチューブのみであることが好ましい。
本発明は、バイオセンサの電極系および配線部の形成に用いられるバイオセンサ用導電性樹脂組成物であって、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、バインダー樹脂、および溶剤を含有し、上記バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするバイオセンサ用導電性樹脂組成物を提供する。
本発明によれば、上記バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分が上述した組成であることにより、安価で、上記電極系および上記配線部の導電性が良好なバイオセンサを製造することができる。また、所望の導電性を有する電極系および配線部を安定的に形成することができるため、得られる個々のバイオセンサにおける導電性にばらつきが少ないものとすることができる。
上記発明においては、上記バイオセンサ用導電性樹脂組成物中に含有される導電性材料が、上記金属微粒子および上記カーボンナノチューブのみであることが好ましい。
本発明によれば、上述した導電性樹脂層を用いることにより、安価で、電極系および配線部の導電性が良好なバイオセンサ用電極等を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明のバイオセンサ用電極、バイオセンサ、およびバイオセンサ用導電性樹脂組成物について説明する。
A.バイオセンサ用電極
本発明のバイオセンサ用電極は、支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系および配線部とを有するものであって、上記電極系および上記配線部が、上記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有し、上記導電性樹脂層中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするものである。
なお、「耐腐食性を有する卑金属」については、後述する。
本発明のバイオセンサ用電極は、支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系および配線部とを有するものであって、上記電極系および上記配線部が、上記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有し、上記導電性樹脂層中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするものである。
なお、「耐腐食性を有する卑金属」については、後述する。
本発明のバイオセンサ用電極について図を用いて説明する。
図1(a)は本発明のバイオセンサ用電極の一例を示す概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図であり、図1(c)は図1(b)の破線部分の拡大図である。
図1(a)〜(c)に示すように、本発明のバイオセンサ用電極1は、支持基材2と、支持基材2上に形成された電極系14および配線部15とを有するものである。電極系14は、通常、作用極11と対極12とを有している。また、配線部15は、電極系14と一体に形成されている。また、配線部15は、通常、端子部16と電気的に接続するように形成されている。
本発明においては、電極系14および配線部15が、支持基材2上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子3、カーボンナノチューブ4、およびバインダー樹脂5を含有する導電性樹脂層6を有し、導電性樹脂層6中のカーボンナノチューブ4の含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とする。
図1(a)は本発明のバイオセンサ用電極の一例を示す概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図であり、図1(c)は図1(b)の破線部分の拡大図である。
図1(a)〜(c)に示すように、本発明のバイオセンサ用電極1は、支持基材2と、支持基材2上に形成された電極系14および配線部15とを有するものである。電極系14は、通常、作用極11と対極12とを有している。また、配線部15は、電極系14と一体に形成されている。また、配線部15は、通常、端子部16と電気的に接続するように形成されている。
本発明においては、電極系14および配線部15が、支持基材2上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子3、カーボンナノチューブ4、およびバインダー樹脂5を含有する導電性樹脂層6を有し、導電性樹脂層6中のカーボンナノチューブ4の含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とする。
図2(a)は本発明のバイオセンサ用電極を備えるバイオセンサの一例を示す分解斜視図であり、図2(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
図2(a)、(b)に示すように、バイオセンサ100は、支持基材2と、支持基材2上に形成された電極系14および配線部15と、電極系14の作用極11上に配置された反応部20と、支持基材2上に配置され、電極系14および反応部20に試料を供給する試料供給路31および空気抜き流路32を形成するスペーサ30と、スペーサ30上に試料供給路31を覆うように配置されたカバー40と、を有するものである。
スペーサ30は、作用極11上の反応部20および対極12が露出するように、例えば、試料供給路31と試料供給路31に通じる空気抜き流路32とを形成するように配置されている。
このバイオセンサ100においては、試料供給路31と空気抜き流路32とが形成されていることで試料供給路31から毛細管現象を利用し、測定する試料を作用極11上の反応部20および対極12の上部を通過させ、試料の目的成分を測定することができる。
図2(a)、(b)に示すように、バイオセンサ100は、支持基材2と、支持基材2上に形成された電極系14および配線部15と、電極系14の作用極11上に配置された反応部20と、支持基材2上に配置され、電極系14および反応部20に試料を供給する試料供給路31および空気抜き流路32を形成するスペーサ30と、スペーサ30上に試料供給路31を覆うように配置されたカバー40と、を有するものである。
スペーサ30は、作用極11上の反応部20および対極12が露出するように、例えば、試料供給路31と試料供給路31に通じる空気抜き流路32とを形成するように配置されている。
このバイオセンサ100においては、試料供給路31と空気抜き流路32とが形成されていることで試料供給路31から毛細管現象を利用し、測定する試料を作用極11上の反応部20および対極12の上部を通過させ、試料の目的成分を測定することができる。
本発明によれば、上記電極系および上記配線部が上述した組成の導電性樹脂層を有することにより、安価で、上記電極系および上記配線部の導電性が良好なバイオセンサ用電極とすることができる。
より具体的には、本発明によれば、上記電極系および上記配線部が、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有することにより、バイオセンサ用電極において上記電極系および上記配線部を印刷法を用いて形成することができる。よって、従来の蒸着法、メッキ法等を用いた金属電極を有する場合に比べて、簡便な方法で、また、製造にかかるコストを抑えてバイオセンサ用電極を製造することができる。また、貴金属を用いないことからも、本発明のバイオセンサ用電極を安価なものとすることができる。
また、本発明によれば、導電性樹脂層が、上述した組成を有することにより、電極系および配線部の導電性を良好なものとすることができる。この理由については、以下のように推量される。
図7は、金属微粒子およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層の一例を示す概略断面図である。図7に示すように、支持基材2上に形成された金属微粒子3およびバインダー樹脂5を含有する導電性樹脂層6’においては、バインダー樹脂5中に分散された金属微粒子3同士が接点を有さず、導通を図ることができない部分が生じていることから、導電性を十分なものとすることができないことが推量される。
これに対して、図1(c)に示すように、本発明における導電性樹脂層6においては、バインダー樹脂5中に金属微粒子3に加えてカーボンナノチューブ4が分散されていることから、上述した接点を有さない金属微粒子3同士の間にカーボンナノチューブ4を介在させることでき、両者を導通させることができるため、良好な導電性を示すことができることが推量される。
図7は、金属微粒子およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層の一例を示す概略断面図である。図7に示すように、支持基材2上に形成された金属微粒子3およびバインダー樹脂5を含有する導電性樹脂層6’においては、バインダー樹脂5中に分散された金属微粒子3同士が接点を有さず、導通を図ることができない部分が生じていることから、導電性を十分なものとすることができないことが推量される。
これに対して、図1(c)に示すように、本発明における導電性樹脂層6においては、バインダー樹脂5中に金属微粒子3に加えてカーボンナノチューブ4が分散されていることから、上述した接点を有さない金属微粒子3同士の間にカーボンナノチューブ4を介在させることでき、両者を導通させることができるため、良好な導電性を示すことができることが推量される。
なお、上述した金属微粒子およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層において、金属微粒子同士の接点を増加させるため、金属微粒子の含有量を増加させた場合は、導電性樹脂層を形成するために用いられる導電性樹脂組成物(インキ)中における金属微粒子の分散性が低下する等の導電性樹脂組成物の安定性が保てない、支持基材への導電性樹脂組成物の塗布性が低下する等の問題が生じるおそれがある。
また、金属微粒子の代わりにカーボンナノチューブおよびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層においては、導電性樹脂組成物中で微細な繊維状のカーボンナノチューブが凝集しやすく導電性樹脂組成物の安定性が保てないという問題や、導電性樹脂層全体においてカーボンナノチューブ同士が接触して分散するように制御して形成するために煩雑な工程が必要であるという問題や、上述のように導電性樹脂層を形成すること自体が困難であるという問題が生じるおそれがある。また、カーボン材料を用いることから、安定した導電性を有するバイオセンサ用電極が得られない問題が生じるおそれがある。
これに対して、本発明においては、導電性樹脂層が、金属微粒子、カーボンナノチューブおよびバインダー樹脂を含有することから、導電性樹脂組成物(バイオセンサ用導電性樹脂組成物)における金属微粒子およびカーボンナノチューブの分散性についても良好なものとすることができるため、安定的に所望の導電性を示す電極系および配線部を有するバイオセンサ用電極を製造することができる。よって、生産性が良好なバイオセンサ用電極とすることができる。
また、金属微粒子の代わりにカーボンナノチューブおよびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層においては、導電性樹脂組成物中で微細な繊維状のカーボンナノチューブが凝集しやすく導電性樹脂組成物の安定性が保てないという問題や、導電性樹脂層全体においてカーボンナノチューブ同士が接触して分散するように制御して形成するために煩雑な工程が必要であるという問題や、上述のように導電性樹脂層を形成すること自体が困難であるという問題が生じるおそれがある。また、カーボン材料を用いることから、安定した導電性を有するバイオセンサ用電極が得られない問題が生じるおそれがある。
これに対して、本発明においては、導電性樹脂層が、金属微粒子、カーボンナノチューブおよびバインダー樹脂を含有することから、導電性樹脂組成物(バイオセンサ用導電性樹脂組成物)における金属微粒子およびカーボンナノチューブの分散性についても良好なものとすることができるため、安定的に所望の導電性を示す電極系および配線部を有するバイオセンサ用電極を製造することができる。よって、生産性が良好なバイオセンサ用電極とすることができる。
また、本発明によれば、金属微粒子が、耐腐食性を有する卑金属であることから、バイオセンサにおいて、電極系および配線部がバイオセンサの試料の成分、反応部に含まれる電子受容体(メディエータ)と接触することによる酸化還元反応についても抑制することができる。
以下、本発明のバイオセンサ用電極の詳細について説明する。
1.電極系および配線部
本発明に用いられる電極系および配線部は、支持基材上に形成されるものであり、上記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有し、カーボンナノチューブの含有量が所定の範囲内である導電性樹脂層を有するものである。
本発明においては、電極系および配線部は、通常、連続的に形成されているものである。また、配線部は、通常、後述する端子部と電気的に接続するように形成されているものである。
本発明に用いられる電極系および配線部は、支持基材上に形成されるものであり、上記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有し、カーボンナノチューブの含有量が所定の範囲内である導電性樹脂層を有するものである。
本発明においては、電極系および配線部は、通常、連続的に形成されているものである。また、配線部は、通常、後述する端子部と電気的に接続するように形成されているものである。
(1)電極系
電極系は、少なくとも作用極および対極を有するものであり、さらに参照極を有していてもよい。作用極は、還元体の電子受容体に電圧を印加するための一方の電極である。対極は、電子受容体から作用極に放出された電子によって流れた電流を計測するための一方の電極である。また、参照極は、作用極の電位を決定する際の基準となる電極である。作用極、対極および参照極には配線部が電気的に接続され、配線部には、通常、後述する端子部が電気的に接続されており、端子部により電極系への電圧印加、電気信号の取り出しを行うことができる。
電極系は、少なくとも作用極および対極を有するものであり、さらに参照極を有していてもよい。作用極は、還元体の電子受容体に電圧を印加するための一方の電極である。対極は、電子受容体から作用極に放出された電子によって流れた電流を計測するための一方の電極である。また、参照極は、作用極の電位を決定する際の基準となる電極である。作用極、対極および参照極には配線部が電気的に接続され、配線部には、通常、後述する端子部が電気的に接続されており、端子部により電極系への電圧印加、電気信号の取り出しを行うことができる。
電極系の形態としては、バイオセンサにおける一般的な電極系の形態であれば特に限定されるものではない。例えば、図1(a)等に示すように、支持基材2上に2本の配線部15および端子部16が形成され、一方の配線部15に作用極11が接続され、他方の配線部15に対極12が接続されていてもよく、図3(a)に示すように、支持基材2上に2本の配線部15および端子部16が形成され、一方の配線部15に作用極11が接続され、他方の配線部15に対極12および参照極13が別々に接続されていてもよく、図3(b)、(c)に例示するように、支持基材2上に3本の配線部15および端子部16が形成され、3本の配線部15にそれぞれ作用極11、対極12および参照極13が接続されていてもよい。
(2)配線部
本発明における配線部は、支持基材上に形成されるものである。配線部には作用極、対極および参照極と後述する端子部とが電気的に接続されている。
配線部は、通常、電極系と一体に形成されるものである。
本発明における配線部は、支持基材上に形成されるものである。配線部には作用極、対極および参照極と後述する端子部とが電気的に接続されている。
配線部は、通常、電極系と一体に形成されるものである。
配線部の形態としては、バイオセンサにおける一般的な配線部の形態であれば特に限定されるものではなく、例えば上述の図1(a)、図3(a)〜(c)に示すような形態が挙げられる。
(3)導電性樹脂層
本発明における導電性樹脂層は、支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子と、カーボンナノチューブと、バインダー樹脂とを含有するものである。導電性樹脂層は、電極系および配線部における電極として機能するものである。
本発明における導電性樹脂層は、支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子と、カーボンナノチューブと、バインダー樹脂とを含有するものである。導電性樹脂層は、電極系および配線部における電極として機能するものである。
導電性樹脂層の抵抗値としては、導電性樹脂層が電極として機能する程度であれば特に限定されないが、例えば、測定条件として厚み100μm、幅10mm、長さ50mmの導電性樹脂層の長さ方向の端から端までをテスターで測定した際の抵抗値が15MΩ以下、なかでも10MΩ以下、特に2MΩ以下であることが好ましい。導電性樹脂層の表面抵抗率が上記値を超える場合は、電極として機能しない可能性があるからである。
導電性樹脂層の表面抵抗率としては、導電性樹脂層が電極として機能する程度であれば特に限定されないが、例えば、106Ω/□以下の範囲内であることが好ましい。導電性樹脂層の表面抵抗率が上記値を超える場合は、電極として機能しない可能性があるからである。
導電性樹脂層の体積抵抗率としては、導電性樹脂層が電極として機能する程度であればよく、導電性樹脂層の厚さに応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、導電性樹脂層の厚さが0.1μm以上200μm以下の範囲内である場合には300Ωcm以下であることが好ましい。体積抵抗率が上記範囲よりも高いと、電極としての導電性が得られないおそれがある。
ここで、抵抗値、表面抵抗率および体積抵抗率は、三菱化学株式会社製の抵抗率計ロレスタを用いて測定した値である。
導電性樹脂層は、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子と、カーボンナノチューブと、バインダー樹脂とを含有するものである。
また、導電性樹脂層は、通常、導電性材料として、金属微粒子およびカーボンナノチューブのみを含有するものである。
また、導電性樹脂層は、通常、導電性材料として、金属微粒子およびカーボンナノチューブのみを含有するものである。
ここで、導電性材料とは、導電性樹脂層および後述する導電層に導電性を付与する材料をいう。
また、導電性材料の導電性とは、例えば体積抵抗率が10−1Ω・m以下であることをいい、なかでも10−3Ω・m以下であることが好ましく、特に10−5Ω・m以下であることが好ましい。測定方法としては、例えば金属膜であればJIS K7194(四探針法)で測定できる。その他の材料系では別の測定方法等で測定したものでも構わない。
また、導電性材料の導電性とは、例えば体積抵抗率が10−1Ω・m以下であることをいい、なかでも10−3Ω・m以下であることが好ましく、特に10−5Ω・m以下であることが好ましい。測定方法としては、例えば金属膜であればJIS K7194(四探針法)で測定できる。その他の材料系では別の測定方法等で測定したものでも構わない。
導電性樹脂層に用いられる金属微粒子は、耐腐食性を有する卑金属で構成されるものである。
「耐腐食性を有する卑金属」とは、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムおよびオスミウム以外の金属であって、一般的には空気中で容易に酸化されにくいものであり、標準電極電位が−1.0V以上の金属をいう。また、「耐腐食性を有する卑金属」は、バイオセンサの反応部に含まれる電子受容体(メディエータ)や、外部から供給される試料中の成分と接触した場合に腐食を生じにくい金属をいう。また、本発明においては、「耐腐食性を有する卑金属」のなかでも、例えば塩素イオンに対しても容易に腐食されないような金属が好ましい。
「耐腐食性を有する卑金属」とは、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムおよびオスミウム以外の金属であって、一般的には空気中で容易に酸化されにくいものであり、標準電極電位が−1.0V以上の金属をいう。また、「耐腐食性を有する卑金属」は、バイオセンサの反応部に含まれる電子受容体(メディエータ)や、外部から供給される試料中の成分と接触した場合に腐食を生じにくい金属をいう。また、本発明においては、「耐腐食性を有する卑金属」のなかでも、例えば塩素イオンに対しても容易に腐食されないような金属が好ましい。
耐腐食性を有する卑金属としては、具体的には、ニッケル、亜鉛、銅、コバルト、カドミウム等が挙げられる。
本発明においては、上記耐腐食性を有する卑金属がニッケルであることが好ましい。バイオセンサにおいて、試料中の成分や反応部の電子受容体(メディエータ)との接触による酸化還元反応等を好適に防止することができる電極系および配線部とすることができる。
本発明においては、上記耐腐食性を有する卑金属がニッケルであることが好ましい。バイオセンサにおいて、試料中の成分や反応部の電子受容体(メディエータ)との接触による酸化還元反応等を好適に防止することができる電極系および配線部とすることができる。
金属微粒子の平均粒径としては、導電性樹脂層中に含有させることができ、所望の導電性を示すことができれば特に限定されない。金属微粒子の平均粒径としては、例えば、10nm〜20μmの範囲内、なかでも50nm〜10μmの範囲内、特に100nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。金属微粒子の平均粒径が上述した範囲内であることにより、導電性樹脂層に所望の導電性を付与することができるからである。また、本発明に用いられる金属微粒子としては、上述した数値範囲のうち、特に平均粒径の値が小さいものを用いることが好ましい。導電性樹脂層は、通常、上述の金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂組成物を用いて印刷法により形成される。この際、金属微粒子の平均粒径が大きいと導電性樹脂組成物中で均一に拡散させることができず、上記導電性樹脂組成物の組成を安定させることが困難となり、金属微粒子が均一に分散された導電性樹脂層を形成することが困難となる可能性があるからである。
また、金属微粒子が大きすぎると、印刷用版からの転写が困難になり、良好な導電性樹脂層を形成しにくくなる可能性があるからである。
なお、上記平均粒径は、金属微粒子を電子顕微鏡で観察し、算術平均により求めた値である。
また、金属微粒子が大きすぎると、印刷用版からの転写が困難になり、良好な導電性樹脂層を形成しにくくなる可能性があるからである。
なお、上記平均粒径は、金属微粒子を電子顕微鏡で観察し、算術平均により求めた値である。
導電性樹脂層中の金属微粒子の含有量としては、導電性樹脂層が所望の導電性を示すことができる程度であれば特に限定されないが、40質量%〜94質量%の範囲内、なかでも60質量%〜90質量%の範囲内、特に70質量%〜85質量%の範囲内であることが好ましい。金属微粒子の含有量が少なすぎる場合は、導電性樹脂層の導電性を十分なものとすることが困難となる可能性があるからであり、金属微粒子の含有量が多すぎる場合は、導電性樹脂層を形成することが困難となる場合や、導電性樹脂層が脆くなる可能性があるからである。
なお、本明細書において、導電性樹脂層中の各成分の含有量とは、導電性樹脂層全体を100質量%とした場合における各成分の含有比率をいうものである。
なお、本明細書において、導電性樹脂層中の各成分の含有量とは、導電性樹脂層全体を100質量%とした場合における各成分の含有比率をいうものである。
導電性樹脂層に用いられるカーボンナノチューブは、金属微粒子とともに導電性樹脂層に導電性を付与するために用いられるものである。
カーボンナノチューブの平均径(直径)としては、導電性樹脂層に所望の導電性を付与することができれば特に限定されないが、例えば、10nm〜2000nmの範囲内、なかでも50nm〜1000nmの範囲内、特に50nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
また、カーボンナノチューブの平均長さとしては、導電性樹脂層に所望の導電性を付与することができれば特に限定されないが、例えば、0.5μm〜20μmの範囲内、なかでも1μm〜15μmの範囲内、特に5μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。
カーボンナノチューブの平均径および平均長さが上述した数値範囲内であることにより、導電性樹脂層に所望の導電性を付与することができ、また、導電性樹脂層を印刷法により好適に形成することができるからである。
なお、上記平均径および平均長さは、カーボンナノチューブを電子顕微鏡で観察し、算術平均により求めた値である。
また、カーボンナノチューブの平均長さとしては、導電性樹脂層に所望の導電性を付与することができれば特に限定されないが、例えば、0.5μm〜20μmの範囲内、なかでも1μm〜15μmの範囲内、特に5μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。
カーボンナノチューブの平均径および平均長さが上述した数値範囲内であることにより、導電性樹脂層に所望の導電性を付与することができ、また、導電性樹脂層を印刷法により好適に形成することができるからである。
なお、上記平均径および平均長さは、カーボンナノチューブを電子顕微鏡で観察し、算術平均により求めた値である。
導電性樹脂層中のカーボンナノチューブの含有量としては、バイオセンサの用途等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、1質量%以上、20質量%以下の範囲内、なかでも1質量%以上、15質量%以下の範囲内、特に2質量%以上、10質量%以下の範囲内であることが好ましい。カーボンナノチューブの含有量が上記値に満たない場合は、導電性樹脂層に所望の導電性を付与することが困難となるおそれがあるからである。一方、カーボンナノチューブの含有量が上記値を超える場合は、導電性樹脂層に安定して所望の導電性を付与することが困難となり、得られるバイオセンサ用電極の導電性にばらつきが生じやすくなるおそれや、カーボンナノチューブが凝集して導電性樹脂層中に均一に分散させることが困難となるおそれがあるからである。
導電性樹脂層に用いられるバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エステル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
導電性樹脂層中のバインダー樹脂の含有量としては、支持基材上に導電性樹脂層を形成することができれば特に限定されないが、5質量%以上、50質量%以下の範囲内、10質量%以上、40質量%以下の範囲内、特に15質量%以上、30質量%以下の範囲内であることが好ましい。バインダー樹脂の含有量を上記範囲内とすることにより、所望の導電性を示す導電性樹脂層を好適に形成することができるからである。
上記導電性樹脂層においては、金属微粒子、カーボンナノチューブおよびバインダー樹脂に、必要に応じて他の導電性顔料、硬化剤や架橋剤のような反応試薬、加工適性改善のための助剤や添加剤等を混合してもよい。
上記導電性樹脂層の厚さとしては、所望の導電性を示すことができれば特に限定されないが、0.1μm〜200μmの範囲内、なかでも0.5μm〜100μmの範囲内、特に1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。導電性樹脂層の厚さが上記範囲未満であると、本発明の導電性樹脂層の強度を十分なものとすることが困難となる場合や、導電性樹脂層を形成すること自体が困難となる可能性があるからである。また、導電性樹脂層の厚さが上記範囲よりも厚いと、抵抗が高くなるおそれがある。
導電性樹脂層の形成方法としては、支持基材上に電極系および配線部のパターンを有する導電性樹脂層を形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、上述の金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂組成物を用いて印刷する方法が挙げられる。ピンホールの発生を抑制するためには、導電性樹脂組成物を複数回印刷することが好ましい。印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等が挙げられる。中でも、グラビア印刷法、フレキソ印刷法が好ましく用いられる。上述したように導電性樹脂層は厚くなると抵抗が高くなるが、これらの方法では導電性樹脂層の薄膜化が可能である。
導電性樹脂組成物の詳細については、後述する「C.バイオセンサ用導電性樹脂組成物」の項で説明する。
導電性樹脂組成物の詳細については、後述する「C.バイオセンサ用導電性樹脂組成物」の項で説明する。
また、導電性樹脂層の表面に機械的研磨やコロナ・プラズマのような放電手法による物理的エッチング等を施して、表面の活性化を向上させてもよい。
(4)端子部
本発明における端子部は、支持基材上に形成されるものである。端子部は、配線部と電気的に接続されて設けられるものであり、端子部により電極系への電圧印加、電気信号の取り出しを行うことができる。
本発明における端子部は、支持基材上に形成されるものである。端子部は、配線部と電気的に接続されて設けられるものであり、端子部により電極系への電圧印加、電気信号の取り出しを行うことができる。
上記端子部は、配線部と電気的に接続されて設けることができれば特に限定されない。例えば図1(a)に示すように、端子部16は、配線部15と一体に導電性樹脂層6のみで形成されていてもよい。また例えば図4(a)、(b)に示すように、端子部16は、導電性樹脂層6と導電層7との積層体で形成されていてもよい。この場合、図4(a)、(b)に示すように、端子部16の積層体としては支持基材2、導電性樹脂層6および導電層7の順に積層されてもよく、図示はしないが、支持基材、導電層、および導電性樹脂層の順に積層されてもよい。また、例えば図示しないが、端子部は、導電層のみで形成されていてもよい。この場合、通常、支持基材上において配線部の導電性樹脂層の一部と導電層とが積層する。
なお、図4(a)は本発明のバイオセンサ用電極の他の例を示す概略平面図であり、図4(b)は図4(a)のC−C線断面図である。
なお、図4(a)は本発明のバイオセンサ用電極の他の例を示す概略平面図であり、図4(b)は図4(a)のC−C線断面図である。
端子部が導電層を有する場合、導電層に用いられる導電性材料としては、例えば、金、白金、銀、パラジウム、銅、鉄、アルミニウム、クロム、スズ、コバルト、ニッケル、チタン、セリウム、タンタル等の金属、またはこれらの金属を含む合金等を用いることができる。また、導電層は、カーボンおよびバインダー樹脂を含有するものであってもよい。
また、端子部に用いられる導電層は単層であってもよく、2層以上を積層させてもよい。
また、端子部に用いられる導電層は単層であってもよく、2層以上を積層させてもよい。
導電層の厚さは、導電性材料の種類に応じて異なるが、例えば0.005μm以上40μm以下の範囲内であることが好ましく、0.01μm以上0.1μm以下の範囲内であることがより好ましい。厚さが上記範囲未満であると、抵抗が高くなり目的とする電極が得られなくなるおそれがある。また、厚さが上記範囲より大きくなると、導電層の割れ、剥離等が生じやすくなるおそれがあるからである。
導電層の形成方法としては、所定のパターン状に導電層を形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、金属ペーストをグラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法等により印刷する方法、真空蒸着法やスパッタリング法等の物理蒸着法、金属箔をエッチングする方法、カーボンおよびバインダー樹脂を含有するインキをグラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法等により印刷する方法、レーザーアブレーション法等が挙げられる。また、支持基材上に水溶性レジスト層をパターン状に形成し、水溶性レジスト層が形成された支持基材上の全面に物理蒸着法等により導電層を形成し、水洗により水溶性レジスト層を溶解して水溶性レジスト層上の導電層を除去し、導電層をパターニングする方法を用いることもできる。
端子部の形態としては、バイオセンサにおける一般的な端子部の形態であれば特に限定されるものではなく、例えば上述の図1(a)、図3(a)〜(c)、図4(a)、(b)に示すような形態が挙げられる。
2.支持基材
本発明に用いられる支持基材は、電極系、配線部および端子部を支持するものであり、電極系、配線部および端子部が形成される面は絶縁性を有する。
支持基材としては、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、少なくとも表面が絶縁された半導体基材や金属基材等を用いることができる。樹脂基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
支持基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。また、支持基材は、剛性を有していてもよく、弾性を有していてもよい。
本発明に用いられる支持基材は、電極系、配線部および端子部を支持するものであり、電極系、配線部および端子部が形成される面は絶縁性を有する。
支持基材としては、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、少なくとも表面が絶縁された半導体基材や金属基材等を用いることができる。樹脂基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
支持基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。また、支持基材は、剛性を有していてもよく、弾性を有していてもよい。
3.バイオセンサ用電極
本発明のバイオセンサ用電極は、バイオセンサに用いられるものである。本発明のバイオセンサ用電極を備えたバイオセンサの詳細については、後述する「B.バイオセンサ」の項で説明するため、ここでの説明は省略する。
本発明のバイオセンサ用電極は、バイオセンサに用いられるものである。本発明のバイオセンサ用電極を備えたバイオセンサの詳細については、後述する「B.バイオセンサ」の項で説明するため、ここでの説明は省略する。
B.バイオセンサ
本発明のバイオセンサは、支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系および配線部と、上記電極系上に配置された反応部と、上記支持基材上に配置され、上記電極系および上記反応部に試料を供給する試料供給路を形成するスペーサと、上記スペーサ上に配置されたカバーと、を有するものであって、上記電極系および上記配線部が、上記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有し、上記導電性樹脂層中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするものである。すなわち、本発明のバイオセンサは上述のバイオセンサ用電極を備えるものである。
本発明のバイオセンサは、支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系および配線部と、上記電極系上に配置された反応部と、上記支持基材上に配置され、上記電極系および上記反応部に試料を供給する試料供給路を形成するスペーサと、上記スペーサ上に配置されたカバーと、を有するものであって、上記電極系および上記配線部が、上記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有し、上記導電性樹脂層中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするものである。すなわち、本発明のバイオセンサは上述のバイオセンサ用電極を備えるものである。
本発明のバイオセンサについて図を用いて説明する。
図2(a)は本発明のバイオセンサの一例を示す分解斜視図であり、図2(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
図2(a)、(b)の詳細については、上述した「A.バイオセンサ用電極」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
図2(a)は本発明のバイオセンサの一例を示す分解斜視図であり、図2(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
図2(a)、(b)の詳細については、上述した「A.バイオセンサ用電極」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
図5は本発明のバイオセンサの他の例を示す分解斜視図である。
図5に示すように、本発明のバイオセンサ100は、支持基材2と、支持基材2上に形成された電極系14および配線部15と、電極系14の作用極11上に配置された反応部20と、支持基材2上に配置され、電極系14および反応部20に試料を供給する試料供給路31を形成するスペーサ30と、スペーサ30上に試料供給路31を覆うように配置され、空気孔41を有するカバー40と、を有するものである。
スペーサ30は、作用極11上の反応部20および対極12が露出するように、例えばカバー40の空気孔41に通じる試料供給路31を形成するように配置されている。
このバイオセンサ100においては、試料供給路31と空気孔41とが形成されていることで、試料供給路31から毛細管現象を利用し、測定する試料を作用極11上の反応部20および対極12の上部を通過させ、試料の目的成分を測定することができる。
図5に示すように、本発明のバイオセンサ100は、支持基材2と、支持基材2上に形成された電極系14および配線部15と、電極系14の作用極11上に配置された反応部20と、支持基材2上に配置され、電極系14および反応部20に試料を供給する試料供給路31を形成するスペーサ30と、スペーサ30上に試料供給路31を覆うように配置され、空気孔41を有するカバー40と、を有するものである。
スペーサ30は、作用極11上の反応部20および対極12が露出するように、例えばカバー40の空気孔41に通じる試料供給路31を形成するように配置されている。
このバイオセンサ100においては、試料供給路31と空気孔41とが形成されていることで、試料供給路31から毛細管現象を利用し、測定する試料を作用極11上の反応部20および対極12の上部を通過させ、試料の目的成分を測定することができる。
本発明によれば、上記電極系および上記配線部が上述した組成の導電性樹脂層を有することにより、安価で、上記電極系および上記配線部の導電性が良好なバイオセンサとすることができる。
以下、本発明のバイオセンサの詳細について説明する。
なお、電極系、配線部、端子部、および支持基材については、上述した「A.バイオセンサ用電極」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、電極系、配線部、端子部、および支持基材については、上述した「A.バイオセンサ用電極」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
1.反応部
本発明における反応部は、電極系の上部に配置されるものである。
本発明において、反応部は生体由来物質を含み、基質特異的な物質の変化移動に伴う、化学ポテンシャル、熱あるいは光学的な変化を電気信号へ変換する。
本発明における反応部は、電極系の上部に配置されるものである。
本発明において、反応部は生体由来物質を含み、基質特異的な物質の変化移動に伴う、化学ポテンシャル、熱あるいは光学的な変化を電気信号へ変換する。
反応部は、生体由来物質として、例えば、酵素と電子受容体とを含む。
グルコース濃度を測定する場合には、酵素として、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用いることができる。グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼは、純度の高いものが好ましく、後述の範囲の活性を有するものであれば特に由来となる生物種は限定されず、例えば、グルコースオキシダーゼとしては、東洋紡社製GLO−201を用いることができる。
電子受容体としては、フェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体、オスミューム誘導体等を用いることができる。
グルコース濃度を測定する場合には、酵素として、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用いることができる。グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼは、純度の高いものが好ましく、後述の範囲の活性を有するものであれば特に由来となる生物種は限定されず、例えば、グルコースオキシダーゼとしては、東洋紡社製GLO−201を用いることができる。
電子受容体としては、フェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体、オスミューム誘導体等を用いることができる。
また、エンドトキシン濃度を測定する場合、反応部には、カブトガニの血球成分(Limulus Amebosyte Lysate;LAL)を用いることができる。例えば、反応部には、C因子、B因子、凝固酵素前駆体および色素が結合したペプチドを含むものを挙げることができる。具体的には、C因子、B因子および凝固酵素前駆体を含む物質としては、カブトガニ・アメボサイト・ライセート(カブトガニ血球抽出液)が挙げられる。また、色素が結合したペプチドとしては、一端に色素が結合し、他端にペプチド保護基が結合したオリゴペプチドを用いることができる。オリゴペプチドは、例えば、X−A−Y(式中、Xは保護基、Yは色素、Aはオリゴペプチドである)で示されるものを挙げることができる。保護基Xは、ペプチドの保護基、例えば、t−ブトキシカルボニル基(BoC)、ベンゾイル基等を挙げることができ、色素Yとしては、例えば、pNA(p−ニトロアニリン)、MCA(7−メトキシクマリン−4−酢酸)、DNA(2、4−ジニトロアニリン)、Dansyl色素等が挙げられる。オリゴペプチドとしては、アミノ酸数が2〜10、好ましくは2〜5、さらには3〜4のものがよく、トリペプチドとしては、Leu−Gly−ArgおよびThr−Gly−Arg等を例示することができる。
この場合、エンドトキシンを含む試料を、C因子、B因子、凝固酵素前駆体、および色素が結合したペプチドを含む反応部に接触させて、C因子から活性型C因子を、B因子から活性型B因子を、凝固酵素前駆体から活性型凝固酵素を次々に発生させるカスケード反応と、活性型凝固酵素によるペプチドからの色素の遊離反応とを生じさせて、遊離反応後の試料および反応部に対して、ディファレンシャルパルスボルタンメトリを適用し、測定される電流値に基づいてエンドトキシンを定量することができる。
カスケード反応により生じた活性型凝固酵素によって、試料および反応部中には、色素が結合したペプチドから色素が遊離する。例えば、色素が結合したペプチドがBoc−Leu−Gly−Arg−pNAである場合、色素はpNAである。
なお、このようなエンドトキシン濃度の測定方法については、例えば特開2012−127695号公報を参照することができる。
この場合、エンドトキシンを含む試料を、C因子、B因子、凝固酵素前駆体、および色素が結合したペプチドを含む反応部に接触させて、C因子から活性型C因子を、B因子から活性型B因子を、凝固酵素前駆体から活性型凝固酵素を次々に発生させるカスケード反応と、活性型凝固酵素によるペプチドからの色素の遊離反応とを生じさせて、遊離反応後の試料および反応部に対して、ディファレンシャルパルスボルタンメトリを適用し、測定される電流値に基づいてエンドトキシンを定量することができる。
カスケード反応により生じた活性型凝固酵素によって、試料および反応部中には、色素が結合したペプチドから色素が遊離する。例えば、色素が結合したペプチドがBoc−Leu−Gly−Arg−pNAである場合、色素はpNAである。
なお、このようなエンドトキシン濃度の測定方法については、例えば特開2012−127695号公報を参照することができる。
また、バイオセンサは、反応部の酵素を変更することで、グルコースセンサ、エンドトキシンセンサのみならず、コレステロールセンサ、アルコールセンサ、スクロールセンサ、乳酸センサ、フルクトースセンサ等の酵素に関与する反応系に広く用いることができる。各バイオセンサに用いる酵素としては、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等の反応系に合ったものを適宜用いることができる。
酵素と電子受容体は、適宜溶媒で希釈して用いる。溶媒としては、例えば、水、アルコール、水−アルコール混合溶媒が挙げられる。また、酵素と電子受容体は、直鎖、環状の炭化水素貧溶媒に均一分散させてもよい。
酵素および電子受容体はそれぞれ1試験体当り0.3ユニット以上10ユニット以下の範囲内および0.5μg以上200μg以下の範囲内とすることが好ましい。反応部の酵素および電子受容体は、酵素量(力価/ユニット)に準じた反応量が得られるが、反応部の性能を担保する最適質量部の小過剰でよい。
酵素および電子受容体はそれぞれ1試験体当り0.3ユニット以上10ユニット以下の範囲内および0.5μg以上200μg以下の範囲内とすることが好ましい。反応部の酵素および電子受容体は、酵素量(力価/ユニット)に準じた反応量が得られるが、反応部の性能を担保する最適質量部の小過剰でよい。
また、反応部は、その面積に比例した検出電流が得られるため、可能な範囲で広く設定することが好ましい。
反応部には、親水性高分子や界面活性剤を含有させてもよい。親水性高分子を含有させると、血液はゲル状となり応答電流値は若干低下するが、赤血球や他のタンパク質等のセンサ応答への影響を低減することができる。界面活性剤を含有させると、粘度の高い試料であっても反応部へ試料を容易に導くことができる。
親水性高分子としては、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニル酢酸、ポリビニルブチラール等、またはこれらの混合物を用いることができる。
反応部に用いる界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくはポリエチレングリコール類等が挙げられる。
親水性高分子としては、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニル酢酸、ポリビニルブチラール等、またはこれらの混合物を用いることができる。
反応部に用いる界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくはポリエチレングリコール類等が挙げられる。
反応部は、電極系の作用極上に、酵素および電子受容体を含む溶液を塗布した後、乾燥させ溶媒成分を除去して形成することができる。
酵素および電子受容体を含む溶液の塗布方法としては、例えばディスペンサー法を用いることができる。
反応部を形成する場合、酵素は40℃以上で長時間放置すると活性を失うため、溶媒の乾燥は40℃以下で行い、乾燥後は速やかに室温に戻すことが好ましい。
酵素および電子受容体を含む溶液の塗布方法としては、例えばディスペンサー法を用いることができる。
反応部を形成する場合、酵素は40℃以上で長時間放置すると活性を失うため、溶媒の乾燥は40℃以下で行い、乾燥後は速やかに室温に戻すことが好ましい。
反応部の形成位置は、作用極の上部であればよく、例えば、反応部を作用極上に形成してもよく、反応部をスペーサおよびカバーの間に形成し、空間を介して作用極に対向するように配置してもよい。
2.スペーサ
本発明におけるスペーサは、上記支持基材上に配置され、上記電極系および上記反応部に試料を供給する試料供給路を形成するものである。また、スペーサは、バイオセンサにおいて支持基材とカバーとの間に間隙を設け、上記試料供給路を形成するために設けられるものである。
スペーサは、通常、支持基材の電極系および配線部側の表面上に配置され、試料供給路、および必要により形成される空気抜き流路が配置される領域以外の領域に配置される。
本発明におけるスペーサは、上記支持基材上に配置され、上記電極系および上記反応部に試料を供給する試料供給路を形成するものである。また、スペーサは、バイオセンサにおいて支持基材とカバーとの間に間隙を設け、上記試料供給路を形成するために設けられるものである。
スペーサは、通常、支持基材の電極系および配線部側の表面上に配置され、試料供給路、および必要により形成される空気抜き流路が配置される領域以外の領域に配置される。
スペーサの材料としては、所定の厚さを有するスペーサを形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、接着剤等を用いることができる。光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、安価にスペーサを形成することができる。接着剤を用いる場合には、精度良くスペーサを形成することができる。また、スペーサとして樹脂基材を用いることもできる。
接着剤としては、例えば、合成接着剤としてはアクリル系接着剤、エステル系接着剤、ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤等、天然接着剤としてはニカワ、天然ゴム、樹液等の澱粉のり・天然高分子等を用いることができる。また、ホットメルト型接着剤を用いることもできる。また、接着剤として両面テープを用いてもよい。
接着剤としては、例えば、合成接着剤としてはアクリル系接着剤、エステル系接着剤、ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤等、天然接着剤としてはニカワ、天然ゴム、樹液等の澱粉のり・天然高分子等を用いることができる。また、ホットメルト型接着剤を用いることもできる。また、接着剤として両面テープを用いてもよい。
スペーサの厚さは、試料供給路の高さとなるため、15μm以上500μm以下の範囲内であることが好ましい。スペーサの厚さが薄すぎると、毛細管現象による試料供給が安定しなくなるおそれがある。また、スペーサの厚さが厚すぎると、反応部に均一に試料が流れず、反応部の一部に試料が流れない可能性がある。
スペーサは試料供給路を形成するものである。試料供給路は、スペーサを水平方向に貫通して設けられた流路であり、外部から供給される試料を電極系および反応部に導く。
試料供給路の幅は0.5mm以上5mm以下の範囲内であることが好ましい。試料供給路の幅が狭すぎると、毛細管現象による安定した試料供給が困難になる場合や、また反応部の面積が小さくなり感度が低くなる場合がある。また、試料供給路の幅が広すぎると、バイオセンサを多面付けで製造した場合に個々のバイオセンサに切断する際、スペーサがアーチ状につぶれ、試料供給路内の容積が変化し易くなるおそれがある。試料供給路の幅は、全体にわたって均一の幅であってもよく、試料供給路の奥から入口に向かって幅が広くなっていてもよい。
試料供給路の幅は0.5mm以上5mm以下の範囲内であることが好ましい。試料供給路の幅が狭すぎると、毛細管現象による安定した試料供給が困難になる場合や、また反応部の面積が小さくなり感度が低くなる場合がある。また、試料供給路の幅が広すぎると、バイオセンサを多面付けで製造した場合に個々のバイオセンサに切断する際、スペーサがアーチ状につぶれ、試料供給路内の容積が変化し易くなるおそれがある。試料供給路の幅は、全体にわたって均一の幅であってもよく、試料供給路の奥から入口に向かって幅が広くなっていてもよい。
また、スぺーサは、試料供給路とは別の空気抜き流路をさらに形成するために配置されていてもよい。毛細管現象による試料供給を促進することができる。
空気抜き流路は、試料供給路に通じるように配置される。通常、試料供給路が配置される領域において、電極系および反応部よりも奥の領域に空気抜き流路が配置される。
空気抜き流路の形状としては、毛細管現象による試料供給を促進することができれば特に限定されるものではなく、例えば、試料供給路と空気抜き流路とを合わせてT字状の流路を構成することができる。このような構成とすることで、外部から試料が供給された場合に、試料供給路内の空気が逃げる空気抜き流路が機能する。
空気抜き流路の幅は、例えば0.3mm以上10mm以下の範囲内とすることができる。
空気抜き流路は、試料供給路に通じるように配置される。通常、試料供給路が配置される領域において、電極系および反応部よりも奥の領域に空気抜き流路が配置される。
空気抜き流路の形状としては、毛細管現象による試料供給を促進することができれば特に限定されるものではなく、例えば、試料供給路と空気抜き流路とを合わせてT字状の流路を構成することができる。このような構成とすることで、外部から試料が供給された場合に、試料供給路内の空気が逃げる空気抜き流路が機能する。
空気抜き流路の幅は、例えば0.3mm以上10mm以下の範囲内とすることができる。
スペーサの形成方法としては、所定のパターン状にスペーサを形成することができる方法であればよく、スペーサの材料等に応じて適宜選択される。例えば、光硬化性樹脂組成物を用いる場合には、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法を挙げることができる。また、接着剤として両面テープを用いる場合には、両面テープに打ち抜き加工等により試料供給路等を形成した後、基材上に両面テープを貼付する方法が挙げられる。また、スペーサとして樹脂基材を用いる場合には、樹脂基材に打ち抜き加工等により試料供給路等を形成した後、接着層を介して基材上にスペーサを貼付する方法が挙げられる。
接着層に用いられる接着剤としては、スペーサに用いられる接着剤と同様とすることができる。
接着層に用いられる接着剤としては、スペーサに用いられる接着剤と同様とすることができる。
3.カバー
本発明に用いられるカバーは、上記スペーサ上に配置されるものである。また、カバーは、通常、スペーサ上に電極系および反応部を覆うように、かつ試料供給路を覆うように配置されるものである。
本発明に用いられるカバーは、上記スペーサ上に配置されるものである。また、カバーは、通常、スペーサ上に電極系および反応部を覆うように、かつ試料供給路を覆うように配置されるものである。
カバーとしては、通常、基材が用いられる。カバーに用いられる基材としては、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、半導体基材、金属基材等を用いることができる。樹脂基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
また、基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。
また、バイオセンサを多面付けで製造する場合、基材は長尺であってもよく枚葉であってもよい。
また、基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。
また、バイオセンサを多面付けで製造する場合、基材は長尺であってもよく枚葉であってもよい。
基材は透明であってもよく不透明であってもよいが、中でも透明であることが好ましい。透明基材の場合には、バイオセンサの使用時に試料の導入を目視することができる。
透明基材の場合、可視光領域における透過率は80%以上であることが好ましい。ここで、透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
透明基材の場合、可視光領域における透過率は80%以上であることが好ましい。ここで、透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
カバーの形状は、バイオセンサにおける電極系、配線部および端子部の配置等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、カバーは端子部が露出するように切欠部を有していてもよい。
カバーは、図5に例示するようにカバー40を貫通する空気孔41を有していてもよい。バイオセンサにおいて毛細管現象による試料供給を促進することができる。
空気孔は、本発明のバイオセンサにおいて、試料供給路に通じるように配置される。通常、試料供給路が配置される領域において、電極系および反応部よりも奥の領域に空気孔が配置される。
空気孔の直径は、例えば0.3mm以上2mm以下の範囲内とすることができる。
空気孔の形状は、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。
空気孔の形成方法としては、例えばレーザー加工、打ち抜き加工等が挙げられる。
空気孔は、本発明のバイオセンサにおいて、試料供給路に通じるように配置される。通常、試料供給路が配置される領域において、電極系および反応部よりも奥の領域に空気孔が配置される。
空気孔の直径は、例えば0.3mm以上2mm以下の範囲内とすることができる。
空気孔の形状は、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。
空気孔の形成方法としては、例えばレーザー加工、打ち抜き加工等が挙げられる。
カバーの配置方法としては、バイオセンサの構成等に応じて適宜選択される。例えば、スペーサに両面テープを用いる場合には、スペーサを介して電極系、配線部および端子部が形成された支持基材とカバーとを貼合することができる。また、支持基材上にスペーサを熱硬化性樹脂、または光硬化性樹脂を用いて形成する場合には、接着層を介してスペーサが形成された支持基材とカバーとを貼合することができる。
4.その他の構成
本発明のバイオセンサは、必要に応じて、上記以外の構成についても適宜選択して用いることができる。
このような構成としては、例えば、絶縁層を挙げることができる。
本発明のバイオセンサは、必要に応じて、上記以外の構成についても適宜選択して用いることができる。
このような構成としては、例えば、絶縁層を挙げることができる。
絶縁層は、支持基材上に形成され、電極系、反応部および端子部が露出し、配線部が覆われるように形成されるものである。配線部を覆うように絶縁層が形成されていることにより、配線部の酸化をより好適に防止するとともに、ショートを防ぐことができる。
また、絶縁層上には、通常、スペーサが配置される。
また、絶縁層上には、通常、スペーサが配置される。
絶縁層の材料としては、例えば光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、接着剤等を用いることができる。光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、安価に絶縁層を形成することができる。接着剤を用いる場合には、精度良く絶縁層を形成することができる。
なお、接着剤については、スペーサに用いられる接着剤と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、接着剤については、スペーサに用いられる接着剤と同様であるので、ここでの説明は省略する。
絶縁層の厚さは、例えば3μm以上50μm以下の範囲内とすることができる。中でも、絶縁層の厚さは、電極系および反応部を合わせた厚さ、ならびに配線部の厚さよりも厚いことが好ましい。
絶縁層の形成位置としては、配線部を覆い、かつ電極系、反応部および端子部を覆わないように絶縁層を形成すればよい。
絶縁層の形成方法としては、所定のパターン状に絶縁層を形成することができる方法であればよく、絶縁層の材料等に応じて適宜選択される。例えば、光硬化性樹脂組成物を用いる場合には、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法が挙げられる。また、接着剤として両面テープを用いる場合には、両面テープを打ち抜き加工等によりパターニングした後、基材に両面テープを貼付する方法が挙げられる。
絶縁層の形成方法としては、所定のパターン状に絶縁層を形成することができる方法であればよく、絶縁層の材料等に応じて適宜選択される。例えば、光硬化性樹脂組成物を用いる場合には、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法が挙げられる。また、接着剤として両面テープを用いる場合には、両面テープを打ち抜き加工等によりパターニングした後、基材に両面テープを貼付する方法が挙げられる。
5.バイオセンサの製造方法
バイオセンサの製造方法としては、一般的なバイオセンサの製造方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明において、バイオセンサの製造は多面付けで行ってもよい。この場合、電極系および配線部が形成された支持基材とスペーサとカバーとを貼合した後、断裁して個々のバイオセンサを得ることができる。
バイオセンサの製造方法としては、一般的なバイオセンサの製造方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明において、バイオセンサの製造は多面付けで行ってもよい。この場合、電極系および配線部が形成された支持基材とスペーサとカバーとを貼合した後、断裁して個々のバイオセンサを得ることができる。
6.測定装置
図6(a)、(b)は、本発明のバイオセンサを測定装置に接続した様子を示す模式図であり、図6(a)は全体図であり、図6(b)は図6(a)の破線部における測定装置の内部を説明する図である。
図6(a)、(b)に例示するように、測定装置200は、公知の測定装置であって、バイオセンサ100を接続して、試料中に含まれる被検出物を検出する装置である。測定装置200は、例えば、バイオセンサ100で生じた電気信号を受信するための接続電極203、演算部(図示せず)、電源(図示せず)、表示部201および操作部202を備える。バイオセンサ100は、測定装置200の装着部に装着されると、バイオセンサ100の2本の端子部16が測定装置200の接続電極203にそれぞれ接続される。この接続により、バイオセンサ100で生じた電気信号は、測定装置200に伝達される。
図6(a)、(b)は、本発明のバイオセンサを測定装置に接続した様子を示す模式図であり、図6(a)は全体図であり、図6(b)は図6(a)の破線部における測定装置の内部を説明する図である。
図6(a)、(b)に例示するように、測定装置200は、公知の測定装置であって、バイオセンサ100を接続して、試料中に含まれる被検出物を検出する装置である。測定装置200は、例えば、バイオセンサ100で生じた電気信号を受信するための接続電極203、演算部(図示せず)、電源(図示せず)、表示部201および操作部202を備える。バイオセンサ100は、測定装置200の装着部に装着されると、バイオセンサ100の2本の端子部16が測定装置200の接続電極203にそれぞれ接続される。この接続により、バイオセンサ100で生じた電気信号は、測定装置200に伝達される。
測定方法としては、例えば、測定者がバイオセンサ100を測定装置200に装着し、バイオセンサ100の先端からスペーサに設けられた試料供給路に試料を導入し、操作部202を操作して、測定を開始する。試料供給路に導入された試料に被検出物が含まれる場合は、被検出物と、反応部に配設された生体由来物質とが反応し、電気信号がバイオセンサ100の電極系で検出され、電極系および配線部を介して端子部16から、測定装置200の接続電極203を介して、測定装置200に伝達される。測定装置200は、バイオセンサ100から受信した電気信号を演算部で測定値に変換する。得られた測定値は、表示部201に表示され、測定者は測定結果を視覚的に認識することができる。
C.バイオセンサ用導電性樹脂組成物
本発明のバイオセンサ用導電性樹脂組成物は、バイオセンサの電極系および配線部の形成に用いられるものであって、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、バインダー樹脂、および溶剤を含有し、上記バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明のバイオセンサ用導電性樹脂組成物は、バイオセンサの電極系および配線部の形成に用いられるものであって、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、バインダー樹脂、および溶剤を含有し、上記バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分中の上記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分が上述した組成であることにより、安価で、上記電極系および上記配線部の導電性が良好なバイオセンサを製造することができる。また、所望の導電性を有する電極系および配線部を安定的に形成することができるため、得られる個々のバイオセンサにおける導電性にばらつきが少ないものとすることができる。
以下、バイオセンサ用導電性組成物の詳細について説明する。
1.バイオセンサ用導電性樹脂組成物の成分
本発明のバイオセンサ用導電性樹脂組成物は、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、バインダー樹脂、および溶剤を含有するものである。
本発明のバイオセンサ用導電性樹脂組成物は、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、バインダー樹脂、および溶剤を含有するものである。
本発明に用いられる金属微粒子、カーボンナノチューブ、バインダー樹脂、および他の添加剤等についての詳細は、上述した「A.バイオセンサ用電極」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分中の金属微粒子、カーボンナノチューブ、バインダー樹脂の含有量については、上述した「A.バイオセンサ用電極」の項で説明した導電性樹脂層中の金属微粒子、カーボンナノチューブ、バインダー樹脂の含有量と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分中の各成分の含有量とは、バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分全体を100質量%とした場合における各成分の含有比率をいうものである。
なお、バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分中の各成分の含有量とは、バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分全体を100質量%とした場合における各成分の含有比率をいうものである。
本発明に用いられる溶剤としては、上述した固形分を変質させずに分散させることができるものであれば特に限定されない。このような溶剤としては、例えば、イソホロン、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ニトロプロパン、ミネラルスピリット、ベンゼン、キシレン、トルエン、ソルベントナフサ、ナフテン系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸オクチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、テレビン油、ジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジオキサン、ジメチレンクロライド、トリクロロエチレンまたは水などの少なくとも一種が用いられる。
バイオセンサ用導電性樹脂組成物中の溶剤の含有量は、バイオセンサの製造時における印刷法に応じて適宜選択することができる。上記溶剤の含有量としては、例えば、10質量%〜85質量%程度、好ましくは10質量%〜60質量%の範囲内とすることができる。
なお、バイオセンサ用導電性樹脂組成物中の溶剤の含有量とは、固形分および溶剤の総質量を100質量%とした場合の溶剤の含有比率をいう。
なお、バイオセンサ用導電性樹脂組成物中の溶剤の含有量とは、固形分および溶剤の総質量を100質量%とした場合の溶剤の含有比率をいう。
2.バイオセンサ用導電性樹脂組成物
バイオセンサ用導電性樹脂組成物の粘度としては、バイオセンサの製造時における印刷法に応じて適宜選択され特に限定されない。バイオセンサ用導電性樹脂組成物が、例えばスクリーン印刷法において用いられる場合、25℃における粘度が1000cP〜80000cPの範囲内、なかでも5000cP〜50000cPの範囲内、特に10000cP〜40000cPの範囲内であることが好ましい。バイオセンサ用導電性樹脂組成物の粘度が上述した範囲内であることにより、支持基材上に良好な厚さを有する導電性樹脂層で構成される電極系および配線部を形成することができるからである。
上記粘度は、小型振動式粘度計(VIBRO VISCOMETER CJV5000、A&D社製)によって測定した25℃における値を意味するものとする。
バイオセンサ用導電性樹脂組成物の粘度としては、バイオセンサの製造時における印刷法に応じて適宜選択され特に限定されない。バイオセンサ用導電性樹脂組成物が、例えばスクリーン印刷法において用いられる場合、25℃における粘度が1000cP〜80000cPの範囲内、なかでも5000cP〜50000cPの範囲内、特に10000cP〜40000cPの範囲内であることが好ましい。バイオセンサ用導電性樹脂組成物の粘度が上述した範囲内であることにより、支持基材上に良好な厚さを有する導電性樹脂層で構成される電極系および配線部を形成することができるからである。
上記粘度は、小型振動式粘度計(VIBRO VISCOMETER CJV5000、A&D社製)によって測定した25℃における値を意味するものとする。
本発明のバイオセンサ用導電性樹脂組成物の製造方法については、一般的なインキの製造方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明のバイオセンサ用導電性樹脂組成物は、上述のバイオセンサ用電極における電極系および配線部を形成するために用いられる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
(導電性樹脂層の導電性評価)
[実施例]
下記の組成で導電性樹脂組成物を調製した。なお、下記において質量%は導電性樹脂組成物中の固形分全体を100質量%とした場合の各成分の含有比率を示している。
<導電性樹脂組成物の組成>
・ポリビニルブチラール…3.0g(50質量%)
・ニッケル粒子(平均粒径0.2μm)…2.5g(42質量%)
・カーボンナノチューブ(VGCF(登録商標))…0.5g(8質量%)
・酢酸エチル…27g
[実施例]
下記の組成で導電性樹脂組成物を調製した。なお、下記において質量%は導電性樹脂組成物中の固形分全体を100質量%とした場合の各成分の含有比率を示している。
<導電性樹脂組成物の組成>
・ポリビニルブチラール…3.0g(50質量%)
・ニッケル粒子(平均粒径0.2μm)…2.5g(42質量%)
・カーボンナノチューブ(VGCF(登録商標))…0.5g(8質量%)
・酢酸エチル…27g
支持基材として、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材(東洋紡製 エステルフィルム E5100)を準備し、導電性樹脂組成物を塗布する側の表面にコロナ処理を行った。上述した導電性樹脂組成物を#6のミヤバーを用いて塗布した後、100℃で5分間乾燥させることで、厚さ約100μm、10mm×50mm四方の導電性樹脂層(測定サンプル)を3つ作製した。
[比較例1]
下記の組成で導電性樹脂組成物を調製したこと以外は、実施例と同様の手順で測定サンプルを3つ作製した。
<導電性樹脂組成物の組成>
・ポリビニルブチラール…3.0g(50質量%)
・ニッケル粒子(平均粒径0.2μm)…3.0g(50質量%)
・酢酸エチル…27g
下記の組成で導電性樹脂組成物を調製したこと以外は、実施例と同様の手順で測定サンプルを3つ作製した。
<導電性樹脂組成物の組成>
・ポリビニルブチラール…3.0g(50質量%)
・ニッケル粒子(平均粒径0.2μm)…3.0g(50質量%)
・酢酸エチル…27g
[評価]
実施例および比較例で得られた各測定サンプルの抵抗値を下記の方法により測定した。厚み約100μm、幅10mm、長さ50mmの測定サンプルの両端にテスター(デジタルマルチテスタ CDM-2000D カスタム社製)を当て、抵抗値を確認した。
実施例および比較例で得られた各測定サンプルの抵抗値を下記の方法により測定した。厚み約100μm、幅10mm、長さ50mmの測定サンプルの両端にテスター(デジタルマルチテスタ CDM-2000D カスタム社製)を当て、抵抗値を確認した。
導電性を示す材料としてニッケル粒子およびカーボンナノチューブを含有する実施例の測定サンプルはいずれも導電性を示すことが確認できた。一方、導電性を示す材料としてニッケル粒子のみを含有する比較例の測定サンプルはいずれも導電性を示さないことが確認された。
(導電性樹脂組成物の安定性)
[実施例および比較例2]
上述の実施例の導電性樹脂組成物と、下記の組成を有する比較例2の導電性樹脂組成物とを、調製直後および調製から1時間静置後における分散性を確認した。
[実施例および比較例2]
上述の実施例の導電性樹脂組成物と、下記の組成を有する比較例2の導電性樹脂組成物とを、調製直後および調製から1時間静置後における分散性を確認した。
<比較例2の導電性樹脂組成物の組成>
・ポリビニルブチラール…3.0g(50質量%)
・ニッケル粒子(平均粒径0.2μm)…1.7g(28.3質量%)
・カーボンナノチューブ(VGCF(登録商標))…1.3g(21.7質量%)
・酢酸エチル…27g
なお、上記において質量%は導電性樹脂組成物中の固形分全体を100質量%とした場合の各成分の含有比率を示している。
・ポリビニルブチラール…3.0g(50質量%)
・ニッケル粒子(平均粒径0.2μm)…1.7g(28.3質量%)
・カーボンナノチューブ(VGCF(登録商標))…1.3g(21.7質量%)
・酢酸エチル…27g
なお、上記において質量%は導電性樹脂組成物中の固形分全体を100質量%とした場合の各成分の含有比率を示している。
実施例1の導電性樹脂組成物を用いた場合は、調製直後および1時間静置後のいずれの場合も、支持基材上に印刷をして導電性樹脂層を形成することが可能であった。
一方、比較例2の導電性樹脂組成物を用いた場合は、調製直後は支持基材上に印刷をして導電性樹脂層を形成することが可能であったが、1時間静置後は導電性樹脂組成物の低部にニッケル粒子やカーボンナノチューブが多く沈降しており、再度攪拌を十分にしなければ製膜が困難であった。
一方、比較例2の導電性樹脂組成物を用いた場合は、調製直後は支持基材上に印刷をして導電性樹脂層を形成することが可能であったが、1時間静置後は導電性樹脂組成物の低部にニッケル粒子やカーボンナノチューブが多く沈降しており、再度攪拌を十分にしなければ製膜が困難であった。
1 … バイオセンサ用電極
2 … 支持基材
3 … 金属微粒子
4 … カーボンナノチューブ
5 … バインダー樹脂
6 … 導電性樹脂層
11 … 作用極
12 … 対極
13 … 参照極
14 … 電極系
15 … 配線部
16 … 端子部
20 … 反応部
30 … スペーサ
31 … 試料供給路
32 … 空気抜き流路
40 … カバー
41 … 空気孔
100 … バイオセンサ
200 … 測定装置
2 … 支持基材
3 … 金属微粒子
4 … カーボンナノチューブ
5 … バインダー樹脂
6 … 導電性樹脂層
11 … 作用極
12 … 対極
13 … 参照極
14 … 電極系
15 … 配線部
16 … 端子部
20 … 反応部
30 … スペーサ
31 … 試料供給路
32 … 空気抜き流路
40 … カバー
41 … 空気孔
100 … バイオセンサ
200 … 測定装置
Claims (7)
- 支持基材と、前記支持基材上に形成された電極系および配線部とを有するバイオセンサ用電極であって、
前記電極系および前記配線部が、前記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有し、
前記導電性樹脂層中の前記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするバイオセンサ用電極。 - 前記導電性樹脂層中に含有される導電性材料が、前記金属微粒子および前記カーボンナノチューブのみであることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ用電極。
- 前記耐腐食性を有する卑金属がニッケルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバイオセンサ用電極。
- 支持基材と、
前記支持基材上に形成された電極系および配線部と、
前記電極系上に配置された反応部と、
前記支持基材上に配置され、前記電極系および前記反応部に試料を供給する試料供給路を形成するスペーサと、
前記スペーサ上に配置されたカバーと、
を有するバイオセンサであって、
前記電極系および前記配線部が、前記支持基材上に形成され、耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、およびバインダー樹脂を含有する導電性樹脂層を有し、
前記導電性樹脂層中の前記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするバイオセンサ。 - 前記導電性樹脂層中に含有される導電性材料が、前記金属微粒子および前記カーボンナノチューブのみであることを特徴とする請求項4に記載のバイオセンサ。
- バイオセンサの電極系および配線部の形成に用いられるバイオセンサ用導電性樹脂組成物であって、
耐腐食性を有する卑金属で構成される金属微粒子、カーボンナノチューブ、バインダー樹脂、および溶剤を含有し、
前記バイオセンサ用導電性樹脂組成物の固形分中の前記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることを特徴とするバイオセンサ用導電性樹脂組成物。 - 前記バイオセンサ用導電性樹脂組成物中に含有される導電性材料が、前記金属微粒子および前記カーボンナノチューブのみであることを特徴とする請求項6に記載のバイオセンサ用導電性樹脂組成物。
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