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JP2014195616A - 医療用撮影装置 - Google Patents

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JP2014195616A JP2013073473A JP2013073473A JP2014195616A JP 2014195616 A JP2014195616 A JP 2014195616A JP 2013073473 A JP2013073473 A JP 2013073473A JP 2013073473 A JP2013073473 A JP 2013073473A JP 2014195616 A JP2014195616 A JP 2014195616A
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篤 二ノ宮
Atsushi Ninomiya
篤 二ノ宮
横山 仁
Hitoshi Yokoyama
仁 横山
和幸 柳瀬
Kazuyuki Yanase
和幸 柳瀬
勝己 宇佐見
Katsumi Usami
勝己 宇佐見
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Abstract

【課題】プロジェクタを利用して、検査を受ける被検者の不安感を軽減し、かつ被検者と操作者とのコミュニケーションを取りやすくする。
【解決手段】撮影部と、撮影部の少なくも一部を内蔵するとともに被検者60が置かれる撮影空間を覆うガントリ10と、ガントリ10に対し被検者10を移動させる移動装置20と、プロジェクタ50とを備え、ガントリ10は被検者が挿入される撮影空間を画定する面14を有し、この面14の少なくとも一部がプロジェクタからの投影像を映し出すスクリーンを兼ねている。このスクリーン面にプロジェクタ50から被検者へのメッセージなどの文字情報や広がり感を与える意匠画像などを投影する。
【選択図】図1

Description

本発明は、MRI、X線CT、PET等の医療用撮影装置に関し、プロジェクタの映像を利用し、被検者の安心感や撮影の利便性を高めた医療用撮影装置に関する。
MRI、X線CT、PET等の医療用撮影装置は、撮影を行う機構部分がガントリに覆われている。ガントリは、撮影空間をトンネル状の内部空間に有するものや撮影空間を挟んで上下に配置されたオープン型と呼ばれるものなどが一般的であり、被検者はベッドに載せられた状態でガントリの開口である撮影空間に搬入される。
また撮影の開始から終了までには、被検者は何度かベッドに載せられた状態で撮影空間内を移動させられる。例えば、MRIでは、検査部位を撮影空間内の最適な位置に配置するために広い領域を簡単に撮影した後、最適な位置に移動させられる。マルチステーション撮影など全身撮影の場合には、ステーションごとにベッドを移動し撮影を行う。
一般に検査を受ける被検者は不安を感じながらベッドに載せられており、その状態で撮影空間に挿入されるときに不安感が高まる。特に子供や閉所恐怖症の傾向がある被検者ではトンネル状の撮影空間への移動は恐怖感を伴う。
また撮影に際しては、検査の部位や目的により、息止めの指示や動作の指示を与えることがあるが、狭い空間におかれた被検者には聞こえにくい場合もある。X線CT装置などでは、ガントリ内部に指示内容を表示する液晶パネル等を配置することが可能であるが、撮影空間が強い磁場空間であるMRI装置では、液晶パネルのような電子機器をガントリの内部に設置することはできない。
一方、医療用画像装置において、検査の利便性を高めるために投影装置(プロジェクタ)を利用することが提案されている(特許文献1、特許文献2)。特許文献1には、MRI検査を心電同期撮影で行う場合に必要な心電波形を、検査室外に置かれたプロジェクタを用いてガントリ正面に投影し、投影された心電波形を用いて検査を行う技術が記載されている。また特許文献2には、医療用装置を操作するための操作要素の画像をプロジェクタから投影し、投影された操作要素の画像を操作するオペレータの手や指の動きを検出することによって装置の操作を行えるようにした技術が開示されている。これら技術は、医療用画像装置を操作する側の利便性の向上に貢献するものであるが、上述した検査を受ける側の問題を解決するものではない。
特開平11−19062号公報 特開平11−313801号公報
本発明は、プロジェクタを利用して、検査を受ける被検者の不安感を軽減し、かつ被検者と操作者とのコミュニケーションを取りやすくすることを課題とする。
上記課題を解決するため本発明は、被検者が置かれる内部空間にプロジェクタからの映像を映し出す構成とする。またプロジェクタからの映像をベッドの移動、すなわち被検者の位置や撮影の進行に関連付けたものとする。さらに複数のプロジェクタを用い、これらプロジェクタの切り替えをベッドの移動や撮影の進行に関連付けたものとする。
本発明によれば、被検者が撮影空間に挿入されるときから撮影が終了するまで、被検者の位置や撮影の進行に対応して、被検者が見ることが可能な撮影空間に、被検者に必要な情報や被検者が安心できる映像などを表示することができる。
本発明の第一実施形態のMRI装置の全体構成を示す図 第一実施形態の機能ブロック図 第一実施形態のベッド装置の詳細を示す図 (a)、(b)は、第一実施形態のMRI装置におけるプロジェクタ配置例を示す図 第一実施形態の動作の手順を示す図 天板部の位置による投影領域の違いを示す図で、(a)は天板部が低い位置にある場合、(b)は天板部が上昇した場合を示す 投影画像の一例を示す図 天板部の位置による投影領域の違いを示す図 投影画像の他の例を示す図 図4とは別のプロジェクタの配置例を示す図 本発明の第二実施形態のMRI装置の全体構成を示す図 第二実施形態におけるプロジェクタの投影領域を示す図 第二実施形態の動作の手順を示す図 本発明の第三実施形態のMRI装置の全体構成を示す図
本実施形態の医療用撮影装置は、撮影部と、撮影部の少なくも一部を内蔵するとともに被検者が置かれる撮影空間を覆うガントリと、ガントリに対し被検者を移動させる移動装置と、プロジェクタと、当該プロジェクタからの光を所定の投影領域に導く導光路とを備え、ガントリは被検者が挿入される撮影空間を画定する面を有し、当該面の少なくとも一部がプロジェクタからの投影像を映し出すスクリーンを兼ねている。
また本実施形態の医療用撮影装置は、プロジェクタが移動装置に固定されている。例えば、移動装置は、被検者を載せる天板部を有し、プロジェクタは、天板部の被検者が載る領域以外の領域に固定されている。
また本実施形態の医療用撮影装置は、プロジェクタの動作を制御する制御部を備えている。制御部は、例えば、撮影部による撮影の進行に合わせて、プロジェクタの動作を制御する。
本実施形態において、プロジェクタが映し出す投影像は、文字情報を含む。プロジェクタが映し出す投影像は、また、撮影空間を画定する面に意匠的効果を与える画像や被検者に対する閉塞感緩和効果を持つ図形または模様である。
以下の実施形態では、医療用撮影装置として、MRI装置を例に取り、説明する。
<第一実施形態>
以下、図1〜図4を参照して、本実施形態のMRI装置の構成を説明する。図1は、本実施形態の全体概要を示す図、図2は機能ブロック図、図3及び図4は、図1のMRI装置のベッド装置の詳細を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のMRI装置100は、トンネル状のガントリ10とガントリ10内に被検者60を搬入・搬出するためのベッド装置20とを備えており、ガントリ10の内部に、静磁場磁石、傾斜磁場コイル、RF送信コイル等の撮影に必要な装置が収納されている。静磁場磁石は、超電導磁石または常電導磁石であり、トンネル内部の撮影空間に、この静磁場磁石によって形成される均一な磁場空間が形成されている。図示するトンネル型の装置の場合、磁場の方向は水平方向である。
傾斜磁場コイルおよびRF送信コイルは、この順に、静磁場磁石側から撮影空間側に配置されている。RF送信コイルは、RF受信コイルを兼ねる場合もあるが、RF送信コイルとは別に被検者に接近してRF受信コイルが設置される。図2の機能ブロック図に示すように、これら静磁場磁石31、傾斜磁場コイル32およびRF送信コイル33は、磁場を遮蔽された検査室200内に置かれている。また傾斜磁場コイル31およびRF送信コイル32は、検査室200の外にある操作室に設置されたコンソール300内に収納された制御手段にケーブルで接続されており、コンソール300の操作により駆動され、撮影が行われる。
コンソール300には、傾斜磁場コイルやRFコイルを所定の撮影方法に則って駆動するための撮影制御部301、RF受信コイルが検出したNMR信号を処理し、画像を再構成する信号処理部302、ベッド装置20の移動を制御するベッド制御部303および投影制御部304、これら各部に指令を与えたり条件を入力するためのマウスやキーボードやトラックボールなどを備えた入力部305、および各部の動作を制御する主制御部310が備えられている。またコンソール300には、磁気ディスク等の記憶装置が備えられるとともに、可搬の記憶装置(メモリ)306を接続することができる。主制御部310が備える撮影制御部301、信号処理部302の機能は、従来のMRI装置と同様であり説明は省略する。ベッド制御部303および投影制御部304の機能および動作については後述する。
ガントリ10は、中央に開口が形成された前面パネル11および裏面パネル13と、これら前面パネル11および裏面パネル13をその外周において連結する側面パネル12と、前面パネル11および裏面パネル13を開口部において連結する内面パネル14とを備えている。内面パネル14は、ほぼ円筒の内面の形状を有しており、円筒の内側が撮影空間である。内面パネル14の底部には、後述するベッド装置20の天板部21を移動させるためのレール(不図示)が敷設されている。
前面パネル11と裏面パネル13とはほぼ同じ形状を有しているが、ベッド装置20が連結される側が前面パネル11であり、そのパネル面には装置の操作に必要な操作ボタンや表示装置などが固定されている。また前面パネル11の開口より下側にベッド装置20を連結するための連結部15が備えられている。
本実施形態のMRI装置のガントリ10の一つの特徴は、前面パネル11の少なくとも一部と内面パネル14の上半分を含む部分が、プロジェクタからの投影像を映し出すスクリーン機能を備えていることである。スクリーン機能は、パネル面の表面を梨地加工やマット処理することによってつや消し表面とすることにより付与できる。また所定の反射特性を持つスクリーン用塗料を塗布することによって付与することもできる。
ベッド装置20は、主として、被検者を寝かせる天板部21と、天板部21を指示するベース部24と、複数の車輪221を備えた走行部22と、走行部22に対しベース部24を垂直方向に移動させるための昇降部23とを備えている。走行部22の一端には、ガントリ10の前面パネル11に設けられた連結部15に連結するための連結部25が備えられている。天板部21が最も上昇した状態で、ベッド装置20をガントリ10に連結したときに、天板部21の底面がガントリ10の開口内のレールに係合する位置にあり、この状態で天板部21を水平方向に移動させて、ガントリ10内の撮影空間に移動する。ベッド装置20のベース部24には、図3に示すように、天板部21の水平方向の移動を検知する検知手段(スイッチ)26が備えられており、天板部21がベース部24に対し水平方向に移動したことを検知手段26が検知すると、その情報はベッド制御部303に送られる。スイッチ26としては光学的なもの、電気的なもの、機械的なものなど公知の検知手段を採用することができるが、MRI装置の場合には光学的な検知手段が好適である。また天板部21の移動は、エンコーダ等の位置検出手段により検出される。
ベッド装置20の天板部21には、さらに小型のプロジェクタ50が組み込まれている。プロジェクタ50が組み込まれた天板部21の概略を図4(a)、(b)に示す。図4(a)はプロジェクタの投影方向が垂直方向となるように設置されている場合、図4(b)は投影方向が水平方向となるように設置され、ミラーを用いて投影方向を垂直方向に向ける場合である。その他、適宜光学系を配置することも可能である。図示するように、天板部21の、ガントリ10に接続される端部21aの下側には、プロジェクタ50を収納する空間51が形成されている。この空間は磁場を遮蔽するシールド部材で覆われており、プロジェクタ50が天板部21とともに撮影空間(静磁場空間)に挿入された場合にも磁場の影響を極力なくすようにしている。プロジェクタ50のサイズは、特に限定されるものではないが、縦横のサイズが数十mm程度、厚みが20mm程度である。天板部21の被検者の頭部が置かれる部分と端部21aとの間には、プロジェクタ50からの光を出射するための窓部21bが形成されている。窓部21bは、ガラスや透明樹脂などの光を透過する部材で覆われている。図4(b)に示すように、ミラー55を用いる場合には、この窓部21bの下側の空間にはミラー55が配置されている。なお窓部21b及び適宜配置されるミラー55や光学系は、プロジェクタからの光を所定の投影領域に導く導光路を形成する。
ミラー55は、ミラー面が所定の角度に固定されていてもよいし、プロジェクタ55に対するミラー面の角度を変化できるように回転可能に支持されていてもよい。ミラー55の角度は、ミラー中心とプロジェクタ55の光出射口とを結ぶ水平な直線に対するミラー面の角度が、基準位置において135度であり、プロジェクタ50から概ね水平方向に出射される投影光を屈折し、概ね垂直方向に向ける。なお、ミラーを回転可能に支持する場合には、駆動機構として小型のモーターなどを用いることができる。ミラー駆動機構は磁場遮蔽された空間内に収納するか、磁場空間に挿入されないベッド装置20の要素例えば走行部22に収納することも可能である。プロジェクタ50の駆動およびミラー55の回転駆動は、投影制御部304によって制御される。
次に以上のように構成されるMRI装置の動作を、プロジェクタ50の動作を中心に、説明する。図5は動作の手順を示す図である。
まずベッド装置の昇降部23を動作させて天板部21を低くし、被検者が載りやすい状態にして、被検者を天板部21に載せ、寝かせた状態で、ベッド装置20をガントリ前面パネル11に対向する位置に移動する(S501)。これと並行して、プロジェクタ50をオンにする(S502)。これにより、図6(a)に示すように、プロジェクタ50からの画像はガントリ前面パネル11に映し出される。
プロジェクタ50から投影される画像は、特に限定されるものではないが、被検者に安心する心理効果を与えるような画像が好ましい。例えば、被検者が子供の場合には、子供が好むキャラクタの動画や静止画でもよいし、花や植物などの画像でもよい。
この状態で、ベッド装置20の昇降部23により天板部21を上昇させて、図6(b)に示すように、ガントリの開口に天板部21を位置付けると、プロジェクタ50からの画像がガントリ10の内面パネル14まで及ぶようになる。この状態で、天板部21のガントリ内への移動を開始し、天板部21の移動をスイッチ25が検知すると(S504)、プロジェクタ50から投影される画像を切り替える(S505)。この画像は、ガントリ内面が広がって見えるような画像を採用することが好ましい。内面パネル14に投影される画像の一例を図7に示す。図中、矢印は天板部21の移動方向を示しており、左側がガントリの前面パネル側、右側がガントリの裏面パネル側である。
図7の上側の画像は、雲を点在させて空を摸した画像であり、雲が被検者に近い側では大きく、被検者から離れるに従って小さくなるように配置されている。このような雲の配置によってガントリ内面14に実際の径よりも広がった感じや実際の長さより短い感じを与え、閉塞感を緩和することができる。図7の下側の画像は、太さが漸次変化する線を入り口側から並べた画像であり、線の太さと間隔を裏面側に向かって狭めることにより、ガントリを短く感じさせる効果があり、上側の画像と同様に閉塞感を緩和することができる。
これら画像のデータは、例えば、可搬のメモリ306に記録したものを被検者の性別や年齢に応じて適宜、選択し、投影制御部304を介してプロジェクタ50に送ることができる。
天板部21がガントリ10内を移動し、撮影が開始するまでは、このような画像の表示を継続する。天板部21の移動に伴い、図8に示すように、投影範囲も変化するが、図7に示すような画像が表示されることにより被検者に閉塞感を感じさせることなく、ガントリ内を移動させることができる。
天板部21が所定の撮影位置に到達して停止し、予備計測や撮影が開始されると(S506)、撮影に必要な指示や案内を映し出すように、投影画像を変化させる(S507)。
ガントリ内面パネル14に投影される指示や案内の画像例を図9に示す。図中、矢印は天板部21の移動方向を示しており、左側がガントリの前面パネル側、右側がガントリの裏面パネル側である。図9の上側の画像は、息止め撮影の場合の指示の例である。その他、指示の例として検査部位の機能を撮影する場合の動作の指示などがある。このような指示を画像で与えることにより、聞こえにくいトンネル内の空間であっても適切な時に適切な指示を与えることができる。また聴力に障害のある障碍者や高齢者であっても指示を与えることができる。図9の下側の画像は、撮影の状況を知らせる案内であり、被検者に安心感を与える。マルチステーション撮影の場合には、現在撮影中のステーションを知らせる文字やマークなどを含んでいてもよい。
なお図9では文字情報として指示や案内を表示した例を示したが、所定の図形やマークなどを用いてもよい。このような画像情報も、前述のガントリ挿入前に前面パネル11に映し出される画像と同様に、検査の種類や言語毎にメモリ306に格納しておくことができ、投影制御部304がメモリから読み出し、プロジェクタ50に送ることにより、投影することができる。これら画像の表示は、撮影の進行に合わせて、適切なタイミングで切り替えられる。表示の切り替えは、コンソール300に備えられた入力部305から操作者が任意のタイミングで行うようにしてもよいし、撮影制御部301が制御する撮影シーケンスのタイミング情報を利用して、自動的に切り換えるようにしてもよい。
撮影の間にガントリ10からの天板部21の出し入れがあった場合には、それに応じてプロジェクタ50からの投影画像の内容を適宜調整するようにしてもよい。撮影が終了したならば、天板部21をベッド装置20に移動し、プロジェクタ50からの投影を終了する(S508〜S510)。
なお図3(b)に示すように、プロジェクタ50がミラー55を備えるものである場合には、ステップS505やS507において画像を切り替えるのに合わせて、あるいはこれらステップとは独立したステップとして、ミラーの角度を変化させて、投影方向を調整することも可能である。
以上、説明したように、本実施形態によれば、被検者が載せられる天板部21にプロジェクタ50を組み込むとともに、天板部21の移動および/撮影の進行に伴い、ガントリ10の前面パネルおよび内面パネルにプロジェクタ50から投影される画像の内容を変化させるにより、検査に入る前および検査中の被検者の不安を極力低減することができるとともに、トンネル内部におかれた被検者と、画像によるコミュニケーションを取ることができ、検査の利便性を向上することができる。
また本実施形態によれば、被検者の性別、年齢、使用言語、障害の有無などに合わせて、適切な画像を選択して表示させることができる。
なお図5に示す動作の手順は、一例にすぎず、天板部21に固定されたプロジェクタ50によりガントリ10の前面パネルおよび/または内面パネルに投影画像を表示するステップを含むものであれば、それ以外のいくつかのステップを省いたり、別のステップを追加することも可能であり、本実施形態に含まれる。例えば、図5に示すフローでは、天板部21の移動や撮影の進行に伴い、画像の内容を変更する場合を説明したが、プロジェクタがミラーを備える場合には、画像の内容と画像の投影方向を適宜変更することや、画像は変化させずに投影位置のみを変化させることも本実施形態に含まれる。さらミラー角度や画像内容の変更は、天板部21の移動のみに連動してもよし、撮影の進行のみに連動する工程とすることも可能である。
また上記実施形態では、天板部21の被検者の頭部が載る部分の裏側にプロジェクタ50を収納するシールド空間を設ける場合を説明したが、プロジェクタを設置する位置やプロジェクタの数は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、図10に示すように、天板部21とともに移動しないにガントリなどの固定部にプロジェクタを備えることも可能であり、この場合もプロジェクタに対しミラーを含む光学系57を適切に配置することにより、ガントリ10の内面パネル14に投影画像を映し出すことができ、天板に設ける場合と同様の効果を得ることができる。
次に、プロジェクタの位置および数を変更した実施形態を説明する。
以下の実施形態の医療用撮影装置は、プロジェクタを複数備えることを特徴とする。またプロジェクタの動作を制御する制御部を備え、制御部は、移動装置による被検者の移動に伴い、複数のプロジェクタを切り替え制御する。
<第二実施形態>
本実施形態のMRI装置は、二つのプロジェクタを備え、これら二つのプロジェクタを切り替えて使用することが特徴である。図11に、本実施形態のMRI装置の全体概要を示す。図11において、図1と同じ要素は同一の符号で示し、その説明を省略する。また本実施形態のMRI装置の機能は、図2に示す第一実施形態のMRI装置の機能と、投影制御部304の機能を除き同様であるので、必要に応じて図2に示す機能ブロック図を援用して説明する。
図示するように、本実施形態のMRI装置もガントリ10とベッド装置20を備え、一つのプロジェクタ50Aは、第一実施形態のプロジェクタと同様にベッド装置20の天板部21に備えられており、同様の構造を有している。もう一つのプロジェクタ50Bは、ガントリ10の裏面パネル13の近傍に備えられる。
これら2つのプロジェクタ50A、50Bから画像が投影される領域を図12に示す。図12に示すように、プロジェクタ50Bは、ガントリ内面14の上側の広い領域に画像を投影する。プロジェクタ50Aは被検者の頭上の比較的狭い領域に画像を投影する。本実施形態では、両プロジェクタ50A、50Bの投影領域の違いを利用して、これらプロジェクタから投影される画像の使い分けや状況に応じた使い分けを行う。
次に本実施形態のMRI装置の、プロジェクタ50の駆動を中心とする動作の一例を、図13のフローをもとに説明する。図5と同じ手順については同じ符号で示す。
まずベッド装置の昇降部22を動作させて天板部21を低くし、被検者が載りやすい状態にして、被検者を天板部21に載せ、寝かせた状態で(S501)、ベッド装置20をガントリ前面パネル11に対向する位置に移動する。これと並行して、プロジェクタ50A及びプロジェクタ50Bをオンにする(S512)。プロジェクタ50Aからは第一実施形態と同様にガントリ前面パネル11に所定の画像が映し出され、プロジェクタ50Bからの画像はガントリ内面パネル14に映し出される。
プロジェクタ50Bから投影される画像は、例えば、図7に示したような、被検者を安心させる画像や、撮影空間の広がりを感じさせたり長さを錯覚させたりする心理効果を与える画像とすることができる。このような画像により、ガントリ10の内部は明るく照らし出され、前面側からガントリ内部を見る被検者に安心感を与え、閉塞感を取り除く心理的な効果を得ることができる。
ベッド装置20がガントリ10に連結されるまでは、プロジェクタ50A、50Bによる投影を継続する。ベッド装置20がガントリ10に連結され、天板部21が移動すると(S504)、プロジェクタ50BをOFFにし、プロジェクタ50Aのみから画像を投影する(S515)。この状態では、プロジェクタ50Aからの映像が被検者の頭上に表示されるので、プロジェクタ50Bの投影はOFFにしてもよい。プロジェクタ50Aから投影される画像は、図7に示すような、被検者に心理的な効果をもたらす画像でもよいし、例えば撮影の開始を案内する文字表示やマーク表示などでもよい。この状態で予備計測や撮影が開始されると(S506)、第一実施形態と同様に、撮影に必要な指示や案内を映し出すように、撮影の進行に合わせて投影画像を変化させる(S507)。
撮影終了後のステップは図5と同様である(S508〜S510)。
以上説明した動作は本実施形態のMRI装置の一例にすぎず、プロジェクタ50A、50Bの使い分けは図13のフローに限定されず、種々の方法を採り得る。例えば、プロジェクタ50Aは文字情報を投影するプロジェクタとして用い、プロジェクタ50Bは模様やオブジェクトを投影するプロジェクタとして用い、両者を同時に用いるようにしてもよい。図13のフローでは、天板部21がガントリに入っていない撮影前の段階ではプロジェクタ50Bから投影する場合を示したが、ミラーの設定によっては、撮影前はプロジェクタ50Aから投影し、天板部21がガントリ内を進行するに従い、プロジェクタ50Aからプロジェクタ50Bに切り替えるようにしてもよい。また少なくとも一方のプロジェクタのミラーに、第一実施形態と同様のミラー角度調整機能を付与し、プロジェクタの切り替えとミラーの調整をともに行うようにしてもよい。
本実施形態によれば、被検者とともに移動する天板部21およびガントリ側に複数のプロジェクタを備えたことにより、プロジェクタからガントリ内面パネル14に表示される画像を多様にすることができる。
<第三実施形態>
以上説明した各実施形態では、ベッド装置20の天板部21やガントリ10などMRI装置側にプロジェクタを固定した実施形態を説明したが、MRI装置に固定されたプロジェクタとは別にプロジェクタを設けることが特徴である。この追加のプロジェクタは、検査室内の所定の位置に設置したものでもよいし、ハンディタイプのものでもよいし、検査室外に置かれたものであってもよい。
図14に、本実施形態のMRI装置の全体概要を示す。図14において、図1及び図11と同じ要素は同一の符号で示し、その説明を省略する。この実施形態でも、天板部21とガントリ裏面に、それぞれプロジェクタ50A、50Bが固定されていることは第二実施形態と同様であるが、この実施形態ではさらに室内の壁或いは任意の構造物に3番目のプロジェクタ50Cが固定されている。
プロジェクタ50Cは、他のプロジェクタ50A、50Bの機能を補足するものであってもよいし、プロジェクタ50A、50Bとは別の種類の画像を表示させるものであってもよい。例えば、プロジェクタ50Cからの投影画像をスポットライトのように利用し、ガントリ前面パネル11に設けられたスイッチ類に投影し、操作者が次に操作すべきスイッチやボタンを照らし出す。これにより操作者は、スポットライトに誘導されて、操作を行うことができる。操作すべきスイッチの順序は、撮影方法によって予め決めておいてもよいし、検査室の外にいる指導者や援助者が適宜決定し、検査室内の操作者を誘導するようにしてもよい。
なお図14に示す実施形態では、MRI装置に備えられた2つのプロジェクタとは別に検査室内にプロジェクタを設置する場合を説明したが、MRI装置に備えられるプロジェクタは天板部21側のプロジェクタ及びガントリ側のプロジェクタのいずれか一方のみであってもよい。例えば、プロジェクタ50Cとプロジェクタ50Bとを備える構成とし、前者をガントリ前面11の投影用として用い、後者をガントリ内面14の投影用として用いることも可能である。或いはプロジェクタ50Cとプロジェクタ50Aとを備える構成としてもよい。
以上、本発明の各実施形態をMRI装置を例にして説明したが、本発明はMRI装置のほか、X線CT装置やPET装置などガントリ内に被検者を誘導して検査する装置であればすべて適用することが可能である。また上記実施形態では、トンネル型のガントリを持つMRI装置について説明したが、例えば、撮影空間を挟んで上下に一対の磁石装置を配置したオープン型のMRI装置についても、同様に適用することができ、同様の効果を得ることができる。
被検者や検診を受ける者にフレンドリで意匠性に優れた医療用撮影装置が提供される。
10・・・ガントリ、11・・・前面パネル、12・・・側面パネル、13・・・裏面パネル、14・・・内面パネル、20・・・ベッド装置、21・・・天板、22・・・走行部、23・・・昇降部、24・・・ベース部、50、50A、50B、50C・・・プロジェクタ、304・・・投影制御部。

Claims (10)

  1. 撮影部と、前記撮影部の少なくも一部を内蔵するとともに被検者が置かれる撮影空間を覆うガントリと、前記ガントリに対し前記被検者を移動させる移動装置と、プロジェクタと、当該プロジェクタからの光を所定の投影領域に導く導光路とを備え、前記ガントリは前記被検者が挿入される撮影空間を画定する面を有し、当該面の少なくとも一部が前記プロジェクタからの投影像を映し出すスクリーンを兼ねていることを特徴とする医療用撮影装置。
  2. 請求項1に記載の医療用撮影装置であって、
    前記プロジェクタは、前記移動装置に固定されていることを特徴とする医療用撮影装置。
  3. 請求項2に記載の医療用撮影装置であって、
    前記移動装置は、前記被検者を載せる天板部を有し、前記プロジェクタは、前記天板部の前記被検者が載る領域以外の領域に固定されていることを特徴とする医療用撮影装置。
  4. 請求項1に記載の医療用撮影装置であって、
    前記プロジェクタを複数備えることを特徴とする医療用撮影装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の医療用撮影装置であって、
    前記プロジェクタの動作を制御する制御部を備えることを特徴とする医療用撮影装置。
  6. 請求項5に記載の医療用撮影装置であって、
    前記制御部は、前記撮影部による撮影の進行に合わせて、前記プロジェクタの動作を制御することを特徴とする医療用撮影装置。
  7. 請求項4に記載の医療用撮影装置であって、
    前記プロジェクタの動作を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記移動装置による前記被検者の移動に伴い、複数のプロジェクタを切り替え制御することを特徴とする医療用撮影装置。
  8. 請求項1に記載の医療用撮影装置であって、
    前記プロジェクタが映し出す投影像は、文字情報を含むことを特徴とする医療用撮影装置。
  9. 請求項1に記載の医療用撮影装置であって、
    前記プロジェクタが映し出す投影画像は、意匠的効果または被検者に対する閉塞感緩和効果を持つ図形または模様であることを特徴とする医療用撮影装置。
  10. 請求項1に記載の医療用撮影装置であって、
    前記撮影部は、静磁場発生磁石と傾斜磁場発生コイルとを含む磁気共鳴撮影部であり、前記プロジェクタは、磁気遮蔽されていることを特徴とする医療用撮影装置。

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