<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態における通信システム1の概略図である。同図において、マクロセル基地局装置100の通信領域であるマクロセル11内にピコセル基地局装置200が配置されている。ピコセル基地局装置200は、マクロセル基地局装置100の通信範囲と重複する通信範囲にピコセル12を有し、そして、マクロセル基地局装置100よりも通信範囲が狭い。
ピコセル基地局装置200は、例えば、半径数メートルから数十メートルの通信範囲を有し、おもに屋内で使用される小型基地局装置である。マクロセル基地局装置100およびピコセル基地局装置200は、各基地局装置を制御するコアネットワーク制御装置(ネットワーク制御装置ともいう)300と接続している。キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggrigation)技術を用いた通信(CA通信)では、PCCを介して制御情報とデータ情報が送信され、SCCを介してデータ情報のみが送信される。
移動局装置500は、ピコセル基地局装置200のピコセル12内に位置し、マクロセル基地局装置100およびピコセル基地局装置200と通信を行う。
例えば、ある時刻に位置P1に存在した移動局装置500は、別の時刻に位置P2に移動する。位置P1に存在した移動局装置500およびP2に存在する移動局装置500は、ピコセル12内に存在するため、どちらの位置においてもマクロセル基地局装置100およびピコセル基地局装置200と通信が可能である。
本実施形態において、移動局装置500は、自装置の移動速度を測定し、測定した移動速度がゼロもしくは低速だった場合、マクロセル基地局装置100をSCC、ピコセル基地局装置200をPCCとしてCA通信を行う。ここで、低速とは、予め決められた閾値速度以下の速度のことである。
マクロセル基地局装置100は、移動局装置500の移動速度を基に、ピコセル基地局装置200との間で、PCCとSCCの割り当ての切り替えを行う。すなわち、マクロセル基地局装置100は、移動局装置の移動速度が低速から中速移動へと変化した場合、マクロセル基地局装置100の割り当てをSCCからPCCへ、ピコセル基地局装置200の割り当てをPCCからSCCへ変更する。
本実施形態の初期の設定では、一例として、マクロセル基地局装置100が利用するコンポーネントキャリアA(Component Carrier_A、以下で「CC_A」と言うことがある。)をSCCとする。ここで、CC_Aは、周波数帯域Aを利用する。マクロセル基地局装置100は、CC_Aで通信を行う。
また、初期の設定では、一例として、ピコセル基地局装置200が利用するコンポーネントキャリアB(Component Carrier_B、以下で「CC_B」と言うことがある。)をPCCとする。ここで、CC_Bは、一例として、周波数帯域Aとは異なる周波数帯域Bを利用する。ピコセル基地局装置200は、CC_Bで通信を行う。
移動局装置500がピコセル12内に移動して静止いるときは、マクロセル基地局装置100をSCC、ピコセル基地局装置200をPCCとしてCA通信を行う。
移動局装置500が、図1のようにピコセル基地局装置200の通信領域であるピコセル12内を位置P1で静止または低速で移動中から位置P2へ中速以上の速度で移動する場合について、以下、説明する。
図2は、第1の実施形態における通信システム1の構成を示す概略ブロック図である。同図において、通信システム1は、マクロセル基地局装置100と、ピコセル基地局装置200と、コアネットワーク制御装置300と、移動局装置500とを備える。
移動局装置500は、アンテナ511、アンテナ521、アンテナ531、アンテナ541、S受信部512、P受信部522、S送信部532、P送信部542、制御部551、速度検出部561、およびセル判定部571を備える。
なお、移動局装置500の構成要素としては、本実施形態の説明に必要なもののみ示し、その他の移動局装置500が備える通常の無線通信に用いられる構成要素の説明及び図示は省略する。
マクロセル基地局装置100は、アンテナ111、アンテナ121、B送信部112、B受信部122、および制御部131を備える。マクロセル基地局装置100のアンテナ111、112は無線通信用アンテナである。なお、マクロセル基地局装置100の構成要素としては、本実施形態の説明に必要なもののみ示し、その他のマクロセル基地局装置100が備える通常の無線通信に用いられる構成要素の説明および図示は省略する。
ピコセル基地局装置200は、アンテナ211、アンテナ221、A送信部212、A受信部222、および制御部231を備える。なお、ピコセル基地局装置200の構成要素としては、本実施形態の説明に必要なもののみ示し、その他のピコセル基地局装置200が備える通常の無線通信に用いられる構成要素の説明および図示は省略する。
コアネットワーク制御装置300は、制御部311を備える。また、コアネットワーク制御装置300の構成要素としては、本実施形態の説明に必要なもののみ示し、その他のコアネットワーク制御装置300が備える通常の無線通信に用いられる構成要素の説明および図示は省略する。
以下、本実施形態の通信システム1の処理を説明する。まず、移動局装置500が備える各部の処理について説明する。
S受信部512は、マクロセル基地局装置100のアンテナ111から送信された信号を、アンテナ511を介して受信する。S受信部512は、受信した信号をベースバンドへ落とし、A/D変換(Analog to Digital Conversion、以下で「アナログ/ディジタル変換」と言うことがある。)を行った後のディジタル信号に対して、フーリエ変換を施し、フーリエ変換後の周波数軸上の信号からCC_Aの周波数帯域の信号を抽出する。
S受信部512は、抽出したCC_Aの信号を復調及び復号する。これにより、S受信部512は、マクロセル基地局装置100から送信された信号を復元することができる。S受信部512は、復号後の信号を制御部551へ出力する。
P受信部522は、ピコセル基地局装置200のアンテナ211から送信された信号を、アンテナ521を介して受信する。P受信部522は、受信した信号をベースバンドへ落とし、A/D変換を行った後のディジタル信号に対してフーリエ変換を施し、フーリエ変換後の周波数軸上の信号からCC_Bの周波数帯域の信号を抽出する。P受信部522は、抽出したCC_Bの信号を復調及び復号する。これにより、P受信部522は、ピコセル基地局装置200から送信された信号を復元することができる。そして、P受信部522は、復号後の信号を制御部551へ出力する。
S送信部532は、制御部551による制御に基づいて、制御部551から入力された信号を符号化し、符号化後の信号を変調する。S送信部532は、変調後の信号をCC_Bに割り当てる。S送信部532は、割り当て後の信号を逆フーリエ変換する。S送信部532は、逆フーリエ変換後の時間軸上の信号にD/A変換(Digital to Analog Conversion、以下で「ディジタル/アナログ変換」と言うことがある。)を行い、変換後のアナログ信号を無線周波数帯にアップコンバージョンした後にアンテナ531からマクロセル基地局装置100のアンテナ121へ信号を送信する。なお、上の逆フーリエ変換後の時間軸信号にCP(Cyclic Prefix、サイクリックプリフィックス)を付加することができる。
P送信部542は、制御部551による制御に基づいて、制御部551から入力された信号を符号化し、符号化後の信号を変調する。そして、P送信部542は、変調後の信号をCC_Aの周波数帯域に割り当てる。そして、P送信部542は、割り当て後の信号を逆フーリエ変換する。そして、P送信部542は、逆フーリエ変換後の時間軸上の信号にCPを付加した後D/A変換を行い、変換後のアナログ信号をアップコンバージョンして、アンテナ541からピコセル基地局装置200のアンテナ221へ信号を送信する。
速度検出部561は、例えば、予め決められた周期で、移動局装置500の移動速度を検出する。具体的には、例えば、速度検出部561は、以下の処理により、移動局装置500の移動速度を検出する。速度検出部561は、例えば、加速度センサを備え、移動局装置500を保持して移動するユーザの歩幅を示す歩幅情報を保持する。速度検出部561は、例えば、予め決められた検出期間(例えば、10秒)におけるそのユーザの歩行ピッチを加速度センサにより検出する。速度検出部561は、例えば、歩行ピッチに歩幅を乗じた値を、歩行ピッチを検出した検出期間で割ることにより、移動局装置500の移動速度を検出する。なお、速度検出部561における移動速度の検出方式は、これに限定されない。
速度検出部561は、検出した移動速度を示す移動速度情報を制御部551へ出力する。制御部551は、速度検出部561から入力された移動速度情報をセル判定部571へ出力する。
セル判定部571は、移動局装置500がマクロセル基地局装置100及びピコセル基地局装置200、双方の通信範囲にあるか否か判定する。セル判定部571は、セル判定結果がマクロセル基地局装置100及びピコセル基地局装置200双方の通信範囲にあることを示す場合、以下の処理を行う。
セル判定部571は、速度検出部561から入力された移動速度情報が示す移動速度に基づいて、PCCの割り当てを、ピコセル基地局装置200からマクロセル基地局装置100に変更すると判定する。より詳細には、セル判定部571は、移動速度が中速移動の場合に、マクロセル基地局装置100にPCCを割り当て、ピコセル基地局装置200にSCCを割り当てると判定する。換言すれば、セル判定部571は、移動速度に基づいて、マクロセル基地局装置100とピコセル基地局装置200との間で、PCCとSCCの割り当てを切り替えるか否か判定する。
具体的には、例えば、セル判定部571は、移動速度が予め決められた閾値速度より遅い場合すなわち低速移動の場合、ピコセル基地局装置200にPCCを割り当て、マクロセル基地局装置100にSCCを割り当てている状態を変更しないと判定する。移動局装置500が移動局装置500の中速以上の速度での移動を検出した時、すなわち中速での移動を検出した場合は、ピコセル基地局装置200の領域内に短時間しか滞在しないとみなせるため、PCCをマクロセル基地局装置100に、ピコセル基地局装置200をSCCへと変更すると判定する。
セル判定部571は、PCCとSCCの切り替えを指示する切替指示信号を制御部551へ出力する。また、セル判定部571は、PCCが割り当てられた基地局装置を示すPCC基地局装置情報及びSCCが割り当てられた基地局装置を示すSCC基地局装置情報を保持する。
制御部551は、セル判定部571から入力された切替指示信号が示すPCCとSCCの切り替えに応じて、S送信部532とP送信部542へ出力するデータを切り替える。具体的には、例えば、移動局装置500が中速で移動しているときには、マクロセル基地局装置100にPCCが割り当てられているので、制御部551は、制御情報とデータ情報をP送信部542へ出力する。ここで、中速とは、予め決められた閾値速度を越える速度である。一方、PCCとSCCの割り当てが切り替わりマクロセル基地局装置100にSCCが割り当てられた場合、制御部551は、データ情報のみをS送信部532へ出力する。
また、例えば、移動局装置500が中速で移動している場合、ピコセル基地局装置200にSCCが割り当てられているので、制御部551は、データ情報のみをS送信部532へ出力する。一方、移動局装置500が静止(または低速移動)している場合、移動局装置500は、PCCとSCCの割り当てを切り替え、ピコセル基地局装置200にPCCが割り当てられるので、制御部551は、制御情報とデータ情報をP送信部542へ出力する。
マクロセル基地局装置100の各部の処理を説明する。
移動局装置500が中速で移動している場合の、マクロセル基地局装置100の処理を説明する。マクロセル基地局装置100には、PCCが割り当てられるので、マクロセル基地局装置100は、移動局装置500との間で、制御情報とデータ情報の通信を行う。
制御部131は、制御情報とデータ情報をB送信部112へ出力する。B送信部112は、制御部131の制御に従って、制御情報とデータ情報を符号化し、符号化された信号を変調する。B送信部112は、変調後の信号をCC_Bの周波数帯域に割り当てて、D/A変換、無線周波数帯域へのアップコンバージョンの後にアンテナ111から移動局装置500へ送信する。
B受信部122は、アンテナ121を介して移動局装置500から送信された信号を受信する。B受信部122は、移動局装置500のP送信部542から送信された信号をベースバンドへ落とした後に、A/D変換し、変換後のディジタル信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の周波数軸上の信号からCC_Aの周波数帯域の信号を抽出する。B受信部122は、抽出した信号を復調し、復調後の信号を復号する。これにより、B受信部122は、移動局装置500から送信された制御情報とデータ情報を復元する。B受信部122は、復元した制御情報とデータ情報を制御部131へ出力する。
制御部131は、コアネットワーク制御装置300と通信し、ハンドオーバー(以下で、「HO」と言うことがある。)に関する処理を行う。ハンドオーバーの場合のマクロセル基地局装置100の各部の処理について説明する。最初、マクロセル基地局装置100にSCCが割り当てられているので、この場合は、マクロセル基地局装置100は、移動局装置500との間で、データ情報のみの通信を行っている。
制御部131は、マクロセル基地局装置100にPCCが割り当てられている場合と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。
制御部131は、データ情報のみをB送信部112へ出力している。
B送信部112は、マクロセル基地局装置100にPCCが割り当てられている場合と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。
すなわち、B送信部112は、制御部131の制御に従って、データ情報のみについて符号化などの処理をする。
B受信部122は、マクロセル基地局装置100にPCCが割り当てられている場合と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。
すなわち、B受信部122が復号後の信号は、データ情報のみを含む。B受信部122は、そのデータ情報を制御部131へ出力する。
ピコセル基地局装置200の各部の処理を説明する。
まず、ピコセル基地局装置200にSCCが割り当てられている場合のピコセル基地局装置200の各部を説明する。ピコセル基地局装置200にSCCが割り当てられている場合、ピコセル基地局装置200は、移動局装置500との間で、データ情報のみの通信を行う。
制御部231は、データ情報をA送信部212へ出力し、A送信部212を制御する。A送信部212は、制御部231の制御に従って、データ情報を符号化し、符号化された信号を変調する。A送信部212は、変調後の信号をCC_Aの周波数帯域に割り当てる。A送信部212は、割り当て後の信号に対して逆フーリエ変換を施す。A送信部212は、逆フーリエ変換を施した後の信号に基づいて、D/A変換、無線周波数帯域へのアップコンバージョンを行って送信信号を生成する。そして、A送信部212は、生成した送信信号をアンテナ211から移動局装置500へ送信する。
A受信部222は、アンテナ221を介して移動局装置500から送信された信号を受信する。A受信部222は、移動局装置500のS送信部532から受信した該信号をベースバンドへ落とし、A/D変換後のディジタル信号に対してフーリエ変換し、フーリエ変換後の信号からCC_Aの周波数帯域の信号を抽出する。そして、A受信部222は、抽出した信号を復調し、復調後の信号を復号する。これにより、A受信部222は、移動局装置500から送信されたデータ情報を復元する。A受信部222は、復元したデータ情報を制御部231へ出力する。
制御部231は、移動局装置500からPCCとSCCの切替要求がマクロセル基地局装置100に対してあった場合、制御部231は、コアネットワーク制御装置300とハンドオーバーに関する通信を行う。
ハンドオーバーにより、ピコセル基地局装置200にSCCが割り当てられた場合における、ピコセル基地局装置200の各部の処理について説明する。
制御部231は、ピコセル基地局装置200にSCCが割り当てられた場合と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。すなわち、制御部231は、制御情報とデータ情報をA送信部212へ出力する。
A送信部212は、ピコセル基地局装置200にSCCが割り当てられた場合と同様の機能を有するが以下の点で異なる。すなわち、A送信部212は、制御情報とデータ情報を符号化する。
A受信部222は、ピコセル基地局装置200にSCCが割り当てられた場合と同様の機能を有するが以下の点で異なる。すなわち、A受信部222の出力は、復調後に得られる信号であるところの制御情報とデータ情報とを含む。A受信部222は、この制御情報とデータ情報を制御部231へ出力する。
コアネットワーク制御装置300の制御部311は、マクロセル基地局装置100と、ピコセル基地局装置200との、通信を制御する。例えば、マクロセル基地局装置100からHO要求を受信した場合、制御部311は、マクロセル基地局装置100とピコセル基地局装置200との、HOに関する通信を制御する。制御部311の処理の詳細は、後述する。
図3は、第1の実施形態における通信システム1の処理の一例を示すシーケンス図である。
移動局装置500は、マクロセル基地局装置100をSCC(CC_B)として利用し、ピコセル基地局装置200をPCC(CC_A)として利用して、CA通信を行う。移動局装置500は、CA通信を行いながら、周期的に移動速度を検出する。例えば、移動局装置500は、図1の位置P1から位置P2まで移動する。この時、移動局装置500のセル判定部571は、ピコセル基地局装置200をPCCとして利用していることを記憶している。
移動局装置500が図1の位置P2の地点まで中速で移動している時、移動局装置500は、ピコセル基地局装置200に対し、中速以上の移動速度で移動局装置500が移動していることをPCCであるピコセル基地局装置200に報告する。ピコセル基地局装置200は、移動局装置500から切替要求を受けると、自装置をPCCからSCCへと変更し、マクロセル基地局装置100をSCCからPCCへ変更する。具体的には、例えば、通信システム1は、以下のような動作する。
T101において、移動局装置500は、PCCとしてピコセル基地局装置200と通信する。また、T102において、T101と並行して、移動局装置500は、SCCとしてマクロセル基地局装置100と通信する。
T103において、移動局装置500は、マクロセル基地局装置100をSCCとしてCA通信していることを把握しつつ、自装置の移動速度を測定する。移動局装置500が測定した移動速度が低速であるので、セル判定部571は、PCCとSCCとを切り替えないと判定する。
T104において、移動局装置500は、PCCとしてピコセル基地局装置200と通信する。T105において、T104と並行して、移動局装置500は、SCCとしてマクロセル基地局装置100と通信する。
T106において、移動局装置500は、自装置の移動速度を測定する。移動局装置500が測定した移動速度が中速であるので、移動局装置500のセル判定部571は、PCCとSCCとを切り替えると判定する。ここで、中速とは、低速と高速の中間の速さのことである。
T106において、移動局装置500は、自装置の移動速度が中速であるのを検出したので、T107においてSCCとして利用していたCC_BをPCCとして利用するように切替要求をピコセル基地局装置200へ通知する。ここで、切替要求通知には、どの周波数帯域のPCCをSCCとして利用し、また、SCCをPCCとして利用するための切り替え情報が含まれる。なお、移動局装置500の移動速度が中速に限らず、移動局装置500の移動速度が高速である場合も、移動局装置500は、SCCとして利用していたCC_BをPCCとして利用するように切替要求を通知する。
T108において、ピコセル基地局装置200は、移動局装置500から切替要求通知を受信し、CC_BをSCCからPCCへ切り替えるようにHO要求をコアネットワーク制御装置300へ送信する。
T109において、コアネットワーク制御装置300は、ピコセル基地局装置200から受信したHO要求に対して、HO可能か否かをマクロセル基地局装置100のリソース状況等から判断する。そして、コアネットワーク制御装置300は、HO可能ならばマクロセル基地局装置100へHO要求を通知する。
マクロセル基地局装置100は、コアネットワーク制御装置300からのHO要求に従ってHOの準備を行う。T110において、マクロセル基地局装置100は、HO準備完了後、HOを許諾するHO応答をコアネットワーク制御装置300に通知する。
T111において、コアネットワーク制御装置300は、マクロセル基地局装置100から受信したHO応答をピコセル基地局装置200へ通知する。T112において、ピコセル基地局装置200は、HO応答を受信した後に、そのHO応答を移動局装置500へ送信する。
T113において、ピコセル基地局装置200からHO要求を受信した移動局装置500は、マクロセル基地局装置100へHOするためランダムアクセス要求をマクロセル基地局装置100へ送信する。T114において、マクロセル基地局装置100は、移動局装置500から受信したランダムアクセス要求に応じて、移動局装置500へランダムアクセス応答を送信する。
T115において、マクロセル基地局装置100へのHO処理が完了したら、マクロセル基地局装置100は、HO完了応答をコアネットワーク制御装置300へ送信する。
T116において、コアネットワーク制御装置300は、受信したHO完了応答をピコセル基地局装置200へ送信する。
T117において、移動局装置500は、マクロセル基地局装置100及びピコセル基地局装置200におけるPCCとSCCの割り当てを切り替える。
T118において、移動局装置500は、ピコセル基地局装置200をSCCとして通信を開始する。また、T118と並行して、T119において、移動局装置500は、マクロセル基地局装置100をPCCとして通信を開始する。以上で、本シーケンスの処理を終了する。
図4は、第1の実施形態における移動局装置500の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、移動局装置500は、マクロセル基地局装置100に割り当てられたSCCとピコセル基地局装置200に割り当てられたPCCとでCA通信を行う。
ステップS102において、セル判定部571は、SCCがマクロセル基地局装置100に割り当てられている否かを判定する。SCCがマクロセル基地局装置100に割り当てられていない場合(ステップS102 NO)、制御部551は、PCCがマクロセル基地局装置100に割り当てられた通信を維持し、ステップS101の処理に戻る。
一方、SCCがマクロセル基地局装置100に割り当てられている場合(ステップS102 YES)、制御部551は、移動局装置500の移動速度を速度検出部561から取得し、(ステップS104)、ステップS105の処理へ進む。
ステップS105において、セル判定部571は、移動速度が中速以上であるか否かを判定する。移動速度が中速未満である場合(ステップS105 NO)、セル判定部571は、PCCがピコセル基地局装置200に割り当てられた通信を維持すると判定し、ステップS101の処理に戻る。
一方、ステップS105において、移動速度が中速以上である場合(ステップS105 YES)、セル判定部571は、PCCとSCCの割り当ての切り替えると判定する(ステップS107)。
ステップS108において、制御部551は、PCCでピコセル基地局装置200へ切替要求を通知する。ステップS109において、制御部551は、PCCでピコセル基地局装置200から送信されたHO応答を受信する。
ステップS110において、制御部551は、マクロセル基地局装置100に対してランダムアクセス要求を送信して、HO処理を行う。ステップS111において、制御部551は、PCCとSCCの割り当てを切り替える。すなわち、制御部551は、CC_BをPCCとし、CC_AをSCCとする。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
<第1の実施形態の効果>
以上、第1の実施形態における移動局装置500は、マクロセル基地局装置100とピコセル基地局装置200とでCA通信を実行中に、移動局装置500の移動速度の検出を行う。そして、移動局装置500は、自装置の移動速度が中速以上であることを検出した場合、PCCを割り当てる基地局装置をピコセル基地局装置200からマクロセル基地局装置100に変更すると判定する。
マクロセル基地局装置100は、ピコセル基地局装置200より広い通信範囲を有する。このため、移動局装置500が静止(または低速で移動)している状態から中速以上の移動速度で移動し始めたとき、移動局装置500は、予めプライマリコンポーネントキャリアを用いる基地局装置をピコセル基地局装置200からマクロセル基地局装置100に切り替えることで、移動局装置500の通信の切断の可能性を低く抑えることができるという利点がある。
なお、本実施形態では、移動局装置500が、移動局装置500の移動速度だけに基づいてPCCとSCCの割り当てを切り替えるか否かを判定し、中速以上の移動速度での移動を検出した時に、PCCとSCCの割り当てを切り替える例を説明したが、これに限定されない。
移動局装置500にセル判定部571は、周期的に測定された移動速度とPCCの受信品質とSCCの受信品質に基づいて、PCCとSCCの割り当てを切り替えるか否かを判定してもよい。ここで、この受信品質として、RSRP(参照信号受信電力:Reference Signal Received Power)、RSRQ(参照信号受信品質:Reference Signal Received Quality)又はパスロスを用いてもよい。
速度検出部561が、移動速度として中速以上の移動速度を検出した場合、セル判定部571は、PCCとSCCの受信品質を確認する。そして、セル判定部571は、PCCの受信品質とSCCの受信品質の差が閾値Sp[dB]以内であれば(P−S≦Sp)、PCCとして利用していた基地局装置をSCCとして利用するように切替要求を通知してもよい。
もしくは、セル判定部571がP−S≦Spを検出したことによって、測定報告(Measurement Report)をピコセル基地局装置200へ送信してもよい。その場合、ピコセル基地局装置200は、測定報告(Measurement Report)を移動局装置500からの切替要求と判断して動作してもよい。
ここで、閾値Spの値は、移動速度に応じて変更されてもよい。例えば、セル判定部571は、移動局装置500が中速以上の移動速度で移動している場合は、閾値Spの値を静止、または低速で移動している時よりも大きくしてもよい。ここで、低速とは、例えば、予め決められた第1の閾値速度以下の速度で、中速とは、例えば、その第1の閾値速度よりも速い速度であって、予め決められた第2の閾値速度(但し、第1の閾値速度より速い速度)以下の速度である。これにより、セル判定部571が、切替の条件を満たしやすくなり、移動局装置500がコアネットワーク制御装置300へPCCとSCCの切り替えを要求しやすくなる。
また、移動局装置500の移動速度が遅いほど、閾値Spを小さくする傾向であってもよい。また、制御部551は、閾値Spの値を、移動速度のみではなく、セルのサイズ等により各基地局装置固有の値を考慮して設定してもよい。
移動局装置500へ閾値Spの値を通知する方式としては、各基地局装置の報知情報に格納してもよいし、測定制御メッセージ(Measurement Control message)で移動局装置500へ通知してもよい。
上記をまとめると、セル判定部571は、移動局装置500の移動速度と、プライマリコンポーネントキャリアの受信品質及びセカンダリコンポーネントキャリアの受信品質の差に基づいて、マクロセル基地局装置100にプライマリコンポーネントキャリアを割り当てると判定する。より詳細には、セル判定部571は、移動局装置500の移動速度と、プライマリコンポーネントキャリアの受信品質及びセカンダリコンポーネントキャリアの受信品質の差と移動局装置500の移動速度に応じた閾値との比較に基づいて、マクロセル基地局装置100にプライマリコンポーネントキャリアを割り当てると判定する。
また、例えば、セル判定部571は、移動局装置500が中速以上の移動速度で移動しており、かつセカンダリコンポーネントキャリアの受信品質が予め決められた閾値受信品質より良い場合に、マクロセル基地局装置100にプライマリコンポーネントキャリアを割り当てると判定する。すなわち、セル判定部571は、移動局装置500の移動速度とセカンダリコンポーネントキャリアの受信品質に基づいて、マクロセル基地局装置100にプライマリコンポーネントキャリアを割り当てると判定してもよい。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第1の実施形態において移動局装置500は、自装置の移動速度を検出することでPCCとSCCとを切り替えるか否かを判断した。第2の実施形態における移動局装置500bは、速度検出部561の代わりにGPS(Global Positioning System)測位を周期的に行うことにより、自装置が中速以上の移動速度で移動していることを判定する。
図5は、第2の実施形態における通信システム1bの構成を示す概略ブロック図である。なお、第1の実施形態における通信システム1(図2)と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図5の通信システム1bの構成は、図2の通信システム1の構成に対して、移動局装置500が移動局装置500bに変更されたものとなっている。図5の移動局装置500bの構成は、図2の移動局装置500の構成に対して、速度検出部561が削除されて、GPS受信部581が追加され、制御部551が制御部551bに、セル判定部571がセル判定部(判定部)571bに変更されたものになっている。
GPS受信部581は、複数のGPS衛星からの電波を受信してそれぞれとの距離を算出することにより、予め決められた周期で、移動局装置500の現在位置を測定する。ここで、現在位置は、緯度及び経度を含むものとする。そして、GPS受信部581は、移動局装置500の現在位置を示す位置情報を制御部551bへ出力する。
制御部551bは、第1の実施形態の制御部551と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。制御部551bは、GPS受信部581から入力された位置情報をセル判定部571bに出力する。
セル判定部571bは、制御部551bから入力された位置情報に基づいて、移動局装置500がピコセル基地局装置200のピコセル12内に滞在しているか否か判定する。セル判定部571bは、移動局装置500がピコセル基地局装置200のピコセル12内を中速以上で移動している判定した場合、PCCとSCCの割り当てを切り替え、マクロセル基地局装置100にSCCを割り当て、ピコセル基地局装置200にPCCを割り当てると判定する。セル判定部571bは、PCCとSCCの割り当ての切り替えを指示する切替指示信号を制御部551bへ出力する。
制御部551bは、セル判定部571bから切替指示信号が入力された場合、マクロセル基地局装置100へPCCとSCCの割り当ての切り替えを要求する。これにより、マクロセル基地局装置100は、該切り替え要求に基づいて、ピコセル基地局装置200との間で、PCCとSCCの割り当てを切り替える処理を実行する。
以上、第1の実施形態と第2の実施形態の処理を鑑みると、セル判定部(571または571b)は、マクロセル基地局装置100及びピコセル基地局装置200双方の通信範囲にある移動局装置(500または500b)の移動に関する情報に基づいて、マクロセル基地局装置100にPCCを割り当てると判定する判定部として機能する。ここで、移動に関する情報は、移動局装置(500または500b)の移動速度または位置を含むものである。
<第2の実施形態の効果>
第2の実施形態では、移動局装置500bの移動に関する情報は、移動局装置500bの位置である。セル判定部571bは、移動局装置500bの位置に基づいて、ピコセル基地局装置200にプライマリコンポーネントキャリアを割り当てると判定する。
これにより、マクロセル基地局装置100は、ピコセル基地局装置200より広い通信範囲を有する。このため、移動局装置500bが静止(または低速で移動)している状態から中速以上の移動速度で移動し始めたとき、移動局装置500bは、予めプライマリコンポーネントキャリアを用いる基地局装置をピコセル基地局装置200からマクロセル基地局装置100に切り替えることで、移動局装置500bの通信の切断の可能性を低く抑えることができる。
第2の実施形態によれば、移動局装置500bはGPSにより位置検出を行っているので、速度ではなく位置によって、プライマリコンポーネントキャリアとセカンダリコンポーネントキャリアの割り当てを切り替えている。そのため、第2の実施形態の移動局装置500bは、第1の実施形態の移動局装置500に比べて、その切り替えの判定を、より適切に行うことができる。
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第1の実施形態において移動局装置500は、自装置の移動速度を検出することでPCCとSCCとを切り替えるか否かを判断した。それに対し、第3の実施形態では、ピコセル基地局装置200が移動速度を測定し、コアネットワーク制御装置(ネットワーク制御装置)300cへ移動速度を報告する。移動局装置500の移動速度が中速以上だった場合、コアネットワーク制御装置300cは、ピコセル基地局装置200におけるPCCとSCCの切り替えを行うと判定する。
図6は、第3の実施形態における通信システム1cの構成を示す概略ブロック図である。
なお、第1の実施形態における通信システム1(図2)と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図6の通信システム1cの構成は、図2の通信システム1の構成に対して、移動局装置500が移動局装置500cに、マクロセル基地局装置100がマクロセル基地局装置100cに、コアネットワーク制御装置300がコアネットワーク制御装置300cに変更されたものになっている。
以下、第3の実施形態の通信システム1cの処理の概要について説明する。コアネットワーク制御装置300cは、マクロセル基地局装置100cから移動局装置500の移動速度が中速以上であると報告された場合、以下の処理を行う。コアネットワーク制御装置300cは、ピコセル基地局装置200cのリソース状況等を確認し、HO可能ならばSCCとして利用していたCC_Bを、PCCとして利用するようにマクロセル基地局装置100へ切替要求通知を送信する。切替要求通知には、どの周波数帯域のPCCをSCCとして利用し、また、どのSCCをPCCとして利用するかを示すための切り替え情報が含まれる。
図6の移動局装置500bの構成は、図2の移動局装置500の構成に対して、速度検出部561とセル判定部571が削除され、制御部551が制御部551cに変更されたものになっている。
また、図6のマクロセル基地局装置100cの構成は、図2のマクロセル基地局装置100の構成に対して、制御部131が制御部131cに変更されたものになっている。
制御部131cは、第1の実施形態の制御部131と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。制御部131cは、移動局装置500cがマクロセル基地局装置100cのマクロセル11内に存在するか否かの第1の存在情報をコアネットワーク制御装置300cへ出力する。
図6のピコセル基地局装置200cの構成は、図2のピコセル基地局装置200の構成に対して、速度検出部241が追加され、制御部231が制御部231cに変更されたものになっている。
速度検出部241は、例えば、予め決められた周期で、移動局装置500cの移動速度を検出する。例えば、移動局装置500cから周期的に送信するリファレンス信号に基づいて、移動局装置500cの移動速度を検出する。具体的には、例えば、移動局装置500cがピコセル基地局装置200cから放射状方向へ移動したことを仮定して、移動局装置500cから受信したリファレンス信号の電力の変化に基づいて、移動局装置500cの移動速度を検出する。そして、速度検出部241は、検出した移動速度を示す移動速度情報を制御部231cへ出力する。
制御部231cは、第1の実施形態の制御部231と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。すなわち、制御部231cは、速度検出部241から移動速度情報をコアネットワーク制御装置300cへ出力する。また、制御部231cは、移動局装置500cがピコセル基地局装置200cのピコセル12内に存在するか否かの第2の存在情報をコアネットワーク制御装置300cへ出力する。
図6のコアネットワーク制御装置300cの構成は、図2のコアネットワーク制御装置300の構成に対して、制御部311が制御部311cに変更され、セル判定部(判定部)321が追加されたものになっている。
制御部311cは、第1の実施形態の制御部311と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。制御部311cは、マクロセル基地局装置100cから受信した第1の存在情報をセル判定部321へ出力する。また、制御部311cは、ピコセル基地局装置200cから受信した第2の存在情報をセル判定部321へ出力する。また、制御部311cは、ピコセル基地局装置200cから受信した移動速度情報をセル判定部321へ出力する。
セル判定部321は、マクロセル基地局装置100cから入力された第1の存在情報及びピコセル基地局装置200cから入力された第2の存在情報に基づいて、移動局装置500cがマクロセル基地局装置100c及びピコセル基地局装置200c双方のセル11、12内に存在するか否かを判定する。セル判定部321は、マクロセル基地局装置100c及びピコセル基地局装置200c双方のセル11、12内に存在すると判定した場合、制御部311cから入力された移動速度情報が示す移動局装置500cの移動速度に基づいて、マクロセル基地局装置100cにPCCを割り当てるか否か判定する。
一方、セル判定部321は、移動局装置500cが、マクロセル基地局装置100c及びピコセル基地局装置200c双方のセル11、12内に存在しないと判定した場合、マクロセル基地局装置100cにPCCを割り当てるか否かの判定を行わない。
具体的には、例えば、セル判定部321は、移動速度が予め決められた閾値速度より早い場合すなわち中速以上の場合、マクロセル基地局装置100cにPCCを割り当てるか否かを判定する。セル判定部321は、PCCとSCCの切り替えを指示する切替指示信号を制御部311cへ出力する。制御部311cは、セル判定部321から切替指示信号が入力されると、切替要求をピコセル基地局装置200cへ通知する。
また、セル判定部321は、PCCが割り当てられた基地局装置を示すPCC基地局装置情報及びSCCが割り当てられた基地局装置を示すSCC基地局装置情報を保持する。
図7は、第3の実施形態における通信システム1cの処理の一例を示すシーケンス図である。同図のシーケンスでは、移動局装置500cがピコセル基地局装置200cをPCCに割り当て、マクロセル基地局装置100cをSCCに割り当ててCA通信を行う。同図のシーケンスでは、移動局装置500cが図1の位置P1から位置P2移動するケースを想定する。ピコセル基地局装置200cは、周期的に移動局装置500cの移動速度を測定し、コアネットワーク制御装置300cに報告する。
コアネットワーク制御装置300cは、マクロセル基地局装置100cをSCCとしてCA通信していることを把握しつつ、ピコセル基地局装置200cからの移動速度の測定結果を監視する。ここで、コアネットワーク制御装置300cは、移動局装置500cがマクロセル基地局装置100cをSCCとして利用していることをセル判定部321で記憶している。
移動局装置500cが図1の位置P2の地点まで中速以上の移動速度で移動しているとき、コアネットワーク制御装置300cは、移動局装置500cがピコセル基地局装置200cのピコセル12内から外へ移動する可能性があると判断する。通信システム1cは、マクロセル基地局装置100cをデータ情報のみ送信するSCCから制御情報とデータ情報を送信するPCCに変更する。上記の処理の詳細を以下説明する。
T201において、移動局装置500cは、PCCとしてピコセル基地局装置200cと通信する。T202において、T201と並行して、移動局装置500cは、SCCとしてマクロセル基地局装置100cと通信する。T203において、ピコセル基地局装置200cは、移動速度の測定結果をコアネットワーク制御装置300cへ報告する。
T204において、コアネットワーク制御装置300cのセル判定部321は、ピコセル基地局装置200cから受信した移動速度の測定結果から移動速度が低速の場合、PCCとSCCの割り当てを切り替えないと判定する。
T205において、移動局装置500cは、PCCとしてピコセル基地局装置200cと通信する。T206において、T205と並行して、移動局装置500cは、SCCとしてマクロセル基地局装置100cと通信する。T207において、ピコセル基地局装置200cは、移動局装置500cの移動速度の測定結果をコアネットワーク制御装置300cへ報告する。
T208において、移動速度の測定結果から、移動局装置500cの移動速度が中速以上である場合、コアネットワーク制御装置300cのセル判定部321は、PCCとSCCの割り当てを切り替えると判定する。
T209において、コアネットワーク制御装置300cは、SCCとして利用していたCC_BをPCCとして利用するように、切替要求通知をピコセル基地局装置200cへ送信する。T211において、PCC(CC_A)で切替要求通知を移動局装置500cへ送信する。
T211において、コアネットワーク制御装置300cは、マクロセル基地局装置100cに対してHOを要求する。これにより、マクロセル基地局装置100cは、コアネットワーク制御装置300cからのHO要求に従ってHOの準備をする。
T212において、マクロセル基地局装置100cは、HO準備完了後、HOを許諾する旨のHO応答をコアネットワーク制御装置300cへ送信する。T213において、コアネットワーク制御装置300cは、マクロセル基地局装置100cから受信したHO応答をピコセル基地局装置200cへ送信する。
T214において、ピコセル基地局装置200cは、HO応答を受信すると、そのHO応答を移動局装置500cへ送信する。T215において、移動局装置500cは、マクロセル基地局装置100cへHOするため、ランダムアクセス要求をマクロセル基地局装置100cへする。
T216において、マクロセル基地局装置100cは、そのランダムアクセス要求に応じて、ランダムアクセス応答を移動局装置500cへ送信する。HO処理が完了すると、T217において、マクロセル基地局装置100cは、HO処理が完了したことを示すHO完了応答をコアネットワーク制御装置300cへ送信する。T218において、コアネットワーク制御装置300は、マクロセル基地局装置100cから受信したHO完了応答をピコセル基地局装置200cへ送信する。
T219において、移動局装置500cは、マクロセル基地局装置100c及びピコセル基地局装置200cにおいてPCCとSCCを割り当てる基地局装置を切り替える。これにより、T220において、ピコセル基地局装置200cは、SCCで移動局装置500cとの通信を開始する。また、T221において、マクロセル基地局装置100cは、PCCで移動局装置500cとの通信を開始する。以上で、本シーケンスの処理を終了する。
図8は、第3の実施形態におけるコアネットワーク制御装置300cの処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートのコアネットワーク制御装置300cの処理は、図4の移動局装置500の処理と同様の処理である。
ステップS201において、移動局装置500cは、ピコセル基地局装置200cに割り当てられたPCCとマクロセル基地局装置100cに割り当てられたSCCでCA通信を行う。
ステップS202において、コアネットワーク制御装置300cのセル判定部321は、SCCがマクロセル基地局装置100cに割り当てられているか否かを判定する。SCCがマクロセル基地局装置100cに割り当てられていない場合(ステップS202 NO)、移動局装置500cは、PCCがマクロセル基地局装置100cに割り当てられた通信を維持し、ステップS201の処理に戻る。
一方、SCCがマクロセル基地局装置100cに割り当てられている場合(ステップS202 YES)、セル判定部321は、移動局装置500cの移動速度をピコセル基地局装置200cの速度検出部241から取得し、(ステップS204)、ステップS205の処理へ進む。
ステップS205において、セル判定部321は、移動速度が中速以上であるか否かを判定する。移動速度が中速未満である場合(ステップS205 NO)、セル判定部571は、PCCがピコセル基地局装置200cに割り当てられた通信を維持すると判定し、ステップS201の処理に戻る。
一方、ステップS205において、移動速度が中速以上である場合(ステップS205 YES)、セル判定部321はPCCとSCCの割り当ての切り替えを決定する(ステップS207)。ステップS208において、ピコセル基地局装置200cは、PCCで移動局装置500cへ切替要求を通知する(図7のT210に対応)。ステップS209において、ピコセル基地局装置200cは、PCCでHO要求を移動局装置500cへ送信する(図7のT214に対応)。
ステップS210において、移動局装置500cは、マクロセル基地局装置100cに対して、ランダムアクセス要求を送信するHO処理を行う(図7のT215に対応)。ステップS211において、移動局装置500cは、マクロセル基地局装置100c及びピコセル基地局装置200cにおいてPCCとSCCの割り当てを切り替える。すなわち、移動局装置500c、マクロセル基地局装置100c及びピコセル基地局装置200cは、CC_BをPCCとし、CC_AをSCCとする。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
<第3の実施形態の効果>
以上、第3の実施形態におけるマクロセル基地局装置100cは、移動局装置500cがマクロセル基地局装置100cとピコセル基地局装置200cでCA通信を実行中に、移動局装置500cの移動速度の検出を行う。そして、コアネットワーク制御装置300cのセル判定部321が、移動局装置500cの中速以上の移動を検出した場合、PCCを割り当てる基地局装置をピコセル基地局装置200cからマクロセル基地局装置100cに変更すると判定する。
マクロセル基地局装置100cは、ピコセル基地局装置200cより広い通信範囲を有する。このため、移動局装置500cが静止(または低速で移動)している状態から中速以上の移動速度で移動し始めたとき、移動局装置500cは、予めプライマリコンポーネントキャリアを用いる基地局装置をピコセル基地局装置200cからマクロセル基地局装置100に切り替えることで、移動局装置500cの通信の切断の可能性を低く抑えることができる。
なお、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、セル判定部321が、移動局装置500cの移動速度だけに基づいて、PCCとSCCの割り当ての切り替えを判定したが、これに限ったものではない。セル判定部321は、移動速度のみではなく、セルのサイズ等、各基地局固有の値を考慮して判定してもよい。
また、セル判定部321は、移動局装置500cの移動速度とPCCの受信品質とSCCの受信品質とに基づいて、PCCとSCCの割り当ての切り替えを判定してもよい。この判定処理を、以下の処理により実現してもよい。ピコセル基地局装置200cは、PCCの受信品質とSCCの受信品質を、それぞれ移動局装置500cからの測定報告メッセージ(Measurement Report)から確認してもよい。
ここで、各基地局装置の品質については、RSRP(参照信号受信電力:Reference Signal Received Power)、RSRQ(参照信号受信品質:Reference Signal Received Quality)又はパスロスを用いることで確認してもよい。
そして、ピコセル基地局装置200cが、移動局装置500cの中速移動を検出した場合、中速移動である旨を示す移動速度結果とPCCの受信品質とSCCの受信品質をコアネットワーク制御装置300cへ報告する。
コアネットワーク制御装置300cは、ピコセル基地局装置200cから受信した移動速度結果とPCCの受信品質とSCCの受信品質を確認する。PCCの受信品質とSCCの受信品質の差が閾値Sp[dB]以内であれば(P−S≦Sp)、コアネットワーク制御装置300cは、ピコセル基地局装置200cへSCCとして利用していたCC_BをPCCとして利用するように切替要求を通知してもよい。
もしくは、ピコセル基地局装置200cが、移動速度とPCCの受信品質とSCCの受信品質の差が閾値Sp[dB]以内であるか否かを判定する。移動速度が中速かつ受信品質の差が閾値Sp[dB]以内(P−S≦Sp)であれば、ピコセル基地局装置200cは、SCCとして利用していたCC_BをPCCとして利用するように切替要求をコアネットワーク制御装置300cへ通知してもよい。
ここで、閾値Spの値は、移動速度応じて変更されてもよい。例えば、中速移動の場合には、閾値Spの値を低速または静止時よりも大きくしてもよい。これにより、コアネットワーク制御装置300cへPCCとSCCの切替を要求するための条件が満たしやすくなる。また、移動局装置500cの移動速度が遅いほど、閾値Spが大きくなる傾向に変更されてもよい。
上記の処理をまとめると、セル判定部321は、移動局装置の移動速度と、プライマリコンポーネントキャリアの受信品質及びセカンダリコンポーネントキャリアの受信品質の差に基づいて、マクロセル基地局装置100cにプライマリコンポーネントキャリアを割り当てるか否か判定してもよい。より詳細には、セル判定部321は、移動局装置の移動速度と、プライマリコンポーネントキャリアの受信品質及びセカンダリコンポーネントキャリアの受信品質の差と移動局装置の移動速度に応じた閾値との比較に基づいて、マクロセル基地局装置100cにプライマリコンポーネントキャリアを割り当てるか否かを判定してもよい。
また、例えば、セル判定部321は、移動局装置500cが中速移動しており、かつセカンダリコンポーネントキャリアの受信品質が予め決められた閾値受信品質より良い場合に、マクロセル基地局装置100cにプライマリコンポーネントキャリアを割り当てるか否かを判定してもよい。すなわち、セル判定部321は、移動局装置500cの移動速度とセカンダリコンポーネントキャリアの受信品質に基づいて、マクロセル基地局装置100cにプライマリコンポーネントキャリアを割り当てるか否かを判定してもよい。
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第3の実施形態においてピコセル基地局装置200cは、移動局装置500cが中速以上で移動していることを、移動局装置500cの移動速度を検出することで判断した。第4の実施形態におけるピコセル基地局装置200dは、速度検出の代わりにGPS(地球位置測定システム:Global Positioning System)測位を周期的に行うことにより、移動局装置500dが移動していることを判定する。
図9は、第4の実施形態における通信システム1dの構成を示す概略ブロック図である。なお、第1の実施形態における通信システム1(図2)と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図9の通信システム1dの構成は、図2の通信システム1の構成に対して、移動局装置500が移動局装置500dに、ピコセル基地局装置200がピコセル基地局装置200dに、コアネットワーク制御装置300がコアネットワーク制御装置300dに変更されたものとなっている。
第4の実施形態の通信システム1dの処理の概要について説明する。コアネットワーク制御装置300dは、移動局装置500dから周期的にGPS測位の結果を報告させることにより、移動局装置500dの位置を把握する。コアネットワーク制御装置(ネットワーク制御装置)300dが、移動局装置500dがピコセル基地局装置200dのピコセル12内を中速以上で移動していると判定した場合、移動局装置500dへPCCとSCCの割り当ての切り替えを要求する。移動局装置500dは、切り替え要求に基づいて、PCCとSCCの割り当ての切り替え処理を行う。
図9の移動局装置500dの構成は、図2の移動局装置500の構成に対して、速度検出部561が削除されて、GPS受信部581が追加され、制御部551が制御部551dに変更されたものになっている。GPS受信部581は、第2の実施形態のGPS受信部581と同様の処理を行うので、その説明を省略する。
制御部551dが、GPS受信部581から入力された位置情報をGPS測位結果として、P送信部542からピコセル基地局装置200dへ送信する。
図9のピコセル基地局装置200dの構成は、図2のピコセル基地局装置200の構成に対して、制御部231が制御部231dに変更されたものになっている。制御部231dは、移動局装置500dから送信されたGPS測位結果をコアネットワーク制御装置300dに送信する。
図9のコアネットワーク制御装置300dの構成は、図2のコアネットワーク制御装置300の構成に対して、セル判定部(判定部)321dが追加されたものになっている。セル判定部321dは、図6の第3の実施形態のセル判定部321と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。
セル判定部321dは、ピコセル基地局装置200dから送信されたGPS測位結果に基づいて、移動局装置500dがマクロセル基地局装置100及びピコセル基地局装置200d双方のセル11、12内に存在するか否かを判定する。移動局装置500dがマクロセル基地局装置100及びピコセル基地局装置200d双方のセル11、12内に存在する場合、セル判定部321dは、ピコセル基地局装置200dから送信されたGPS測位結果に基づいて、移動局装置500dの移動速度を算出する。セル判定部321dは、算出した移動速度に基づいて、マクロセル基地局装置100にPCCを割り当てるか否かを判定する。
一方、移動局装置500dがマクロセル基地局装置100のマクロセル11内に存在しし、ピコセル基地局装置200dのセル12内に存在しない場合、セル判定部321dは、移動速度を算出せず、マクロセル基地局装置100dにPCCを割り当てるか否かを判定しない。
図10は、第4の実施形態における通信システム1dの処理の一例を示すシーケンス図である。同図のシーケンスでは、移動局装置500dがピコセル基地局装置200dをPCCに割り当て、マクロセル基地局装置100をSCCに割り当ててCA通信を行う。同図のシーケンスでは、移動局装置500dが図1の位置P1から位置P2に移動するケースを想定する。
T301において、移動局装置500dは、PCCとしてピコセル基地局装置200dと通信する。T302において、T301と並行して、移動局装置500dは、SCCとしてマクロセル基地局装置100と通信する。T303において、移動局装置500dは、自装置の現在位置を取得し、取得した現在位置を示すGPS測位結果をピコセル基地局装置200dへ送信する。
T304において、ピコセル基地局装置200dは、移動局装置500dから受信したGPS測位結果をコアネットワーク制御装置300dへ送信する。
T305において、コアネットワーク制御装置300dのセル判定部321dは、ピコセル基地局装置200dから受信したGPS測位結果に基づいて、移動局装置500dの移動速度を算出する。セル判定部321dは、算出した移動速度が低速の場合、ピコセル基地局装置200dとマクロセル基地局装置100との間で、PCCとSCCの割り当てを切り替えないと判定する。
T306において、移動局装置500dは、PCCとしてピコセル基地局装置200dと通信する。T307において、T306と並行して、移動局装置500dは、SCCとしてマクロセル基地局装置100と通信する。
T308において、移動局装置500dは、自装置の現在位置を取得し、取得した現在位置を示すGPS測位結果をピコセル基地局装置200dへ送信する。
T309において、ピコセル基地局装置200dは、移動局装置500dから受信したGPS測位結果をコアネットワーク制御装置300dへ送信する。
T310において、コアネットワーク制御装置300dのセル判定部321dは、ピコセル基地局装置200dから受信したGPS測位結果に基づいて、移動局装置500dの移動速度を算出する。セル判定部321dは、算出した移動速度が中速以上の移動速度で移動している場合、ピコセル基地局装置200dとマクロセル基地局装置100との間で、PCCとSCCの割り当てを切り替えると判定する。
T311〜T323の処理は、図7のT209〜T221の処理と同一であるので、その説明を省略する。以上で、本シーケンスの処理を終了する。
<第4の実施形態の効果>
以上、第4の実施形態によれば、コアネットワーク制御装置300dのセル判定部321dは、GPS測位結果に基づいて、移動局装置500dの移動速度を算出する。そして、セル判定部321dは、算出した移動速度に基づいて、マクロセル基地局装置100にプライマリコンポーネントキャリアを割り当てるか否か判定する。
これにより、マクロセル基地局装置100は、ピコセル基地局装置200dより広い通信範囲を有する。このため、移動局装置500dが静止(または低速で移動)している状態から中速以上の移動速度で移動し始めたとき、移動局装置500dは、予めプライマリコンポーネントキャリアを用いる基地局装置をピコセル基地局装置200dからマクロセル基地局装置100に切り替えることで、移動局装置500dの通信の切断の可能性を低く抑えることができる。
なお、第4の実施形態では、セル判定部321dは、算出した移動速度に基づいて、PCCとSCCの割り当てを切り替えるか否か判定したがこれに限ったものではない。第4の実施形態の変形例において、セル判定部321dは、GPS測位結果による移動局装置500dの移動速度に基づいて、PCCとSCCの割り当てを切り替えてもよい。
具体的には、例えば、セル判定部321dは、移動局装置500dの現在位置がマクロセル基地局装置100の通信範囲内であるか否か判定する。そして、セル判定部321dは、マクロセル基地局装置100の通信範囲内である場合、PCCとSCCの割り当てを切り替えて、マクロセル基地局装置100にPCCを割り当て、ピコセル基地局装置200dにSCCを割り当ててもよい。
以上の第4の実施形態本文と、第4の実施形態の変形例における処理とに鑑みると、セル判定部321dは、ピコセル基地局装置200d及びマクロセル基地局装置100双方の通信範囲にある移動局装置500dの移動に関する情報に基づいて、ピコセル基地局装置200dとマクロセル基地局装置100との間で、PCCとSCCの割り当てを切り替えるか否か判定する。ここで、移動に関する情報は、例えば、移動局装置500dの移動速度又は移動局装置500dの位置である。
<各実施形態の変形例>
上記、各実施形態において、通信システムの各装置が、PCCとSCCを切り替えるときに、HO要求や、HO応答などで、HO(ハンドオーバー)のメッセージを利用したが、これに限ったものではない。各実施形態において、通信システムの各装置は、CC切り替え要求、CC切替応答などの別なメッセージを設けて通知してもよい。
また、各実施形態において、通信システムの各装置は、HOに関するメッセージの中に、CC切り替えのための別なパラメータを追加することで、従来のHO要求と本変形例で用いるCC切替要求を区別してもよい。具体的には、現在の規格のHO処理では、別な新たな周波数帯を利用して通信を開始すると、HO後にあらかじめ接続している通信は、切断処理してしまう。それに対し、本変形例では、最初にPCCとして接続していたCCの通信の切断処理を行わず、SCCとして通信を継続する目的のためのパラメータを追加してもよい。また、移動局装置は、ランダムアクセス要求及びランダムアクセス応答を利用せずにマクロセル基地局装置に接続してもよい。
各実施形態では、移動局装置とマクロセル基地局装置との間、又は移動局装置とピコセル基地局装置との間は、すでに通信接続が確立されており、移動局装置と各基地局装置とは、通信タイミングが分かっている。そこで、各実施形態において、通信システムは、CC切替要求を通知する以前のタイミング情報を流用しながら、PCCとSCCの割り当てを切り替えてもよい。
なお、各実施形態において、マクロセル基地局装置の通信範囲がピコセル基地局装置の通信範囲を包含する例について説明したが、これに限らず、マクロセル基地局装置の通信範囲とピコセル基地局装置の通信範囲が少なくとも一部重複していればよい。
また、各実施形態において、移動局装置又はコアネットワーク制御装置(ネットワーク制御装置)がセル判定部を備えるとして説明したが、これに限らず、マクロセル基地局装置又はピコセル基地局装置がセル判定部を備える構成でもよい。すなわち、通信システムが有するいずれか一つの装置が、セル判定部を備えていればよい。
なお、各実施形態では、移動局装置の移動に関する情報に基づいて、マクロセル基地局装置をPCCに、ピコセル基地局装置をSCCに切り替える例について説明したがこれに限らず、マクロセル基地局装置にSCCに、ピコセル基地局装置にPCCに切り替えてもよい。この場合、移動局装置が中速以上の移動速度で移動している状態から、低速での移動または静止をしている状態に変化することを、速度検出部が検出することにより、セル判定部は、PCCとSCCを切り替えると判定すればよい。
また、各実施形態の移動局装置またはコアネットワーク制御装置の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、移動局装置またはコアネットワーク制御装置に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。