JP2013239563A - ウェーハの分割方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チップ間隔が狭くなることをより確実に抑制し、かつ、より短時間で実施可能とする技術を提供する。
【解決手段】ウェーハとフレームとの間のエキスパンドテープに裏面側から環状押さえ部材に向かって加熱部材を押圧し、回転移動ステップで発生したエキスパンドテープの皺を熱圧着によって固定し、チップ間隔形成ステップで発生したエキスパンドテープの弛みを解消せしめるテープ熱圧着ステップと、を含むウェーハの分割方法とする。
【選択図】図8
【解決手段】ウェーハとフレームとの間のエキスパンドテープに裏面側から環状押さえ部材に向かって加熱部材を押圧し、回転移動ステップで発生したエキスパンドテープの皺を熱圧着によって固定し、チップ間隔形成ステップで発生したエキスパンドテープの弛みを解消せしめるテープ熱圧着ステップと、を含むウェーハの分割方法とする。
【選択図】図8
Description
本発明は、環状のフレームに装着されたエキスパンドテープに貼着されたウェーハを、所定のストリートに沿って複数個のチップに分割するウェーハの分割方法に関する。
導体デバイス製造工程では、略円板形状である半導体ウェーハの表面に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって区画された複数の領域に、ICやLSI等のデバイスを形成することが行われる。
そして、半導体ウェーハをストリートに沿って切断することによってデバイスが形成された領域毎にウェーハを分割加工し、個々のデバイスチップを製造することが行われている。また、サファイヤ基板等で形成される光デバイスウェーハも同様の分割加工がなされることが知られている。
このような半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等を分割予定ラインに沿って分割する方法として、特許文献1に開示されるように、ウェーハに対して透過性を有する波長のパルス状の加工用レーザービーム(パルスレーザー光線)を照射してウェーハ内部に改質層を形成し、その後外力を与えて分割する方法が知られている。
この方法によれば、外力を付与する際にウェーハを貼着したエキスパンドテープ(ウェーハシート)を拡張させてチップ間距離が形成され、後の工程へと搬送される際や、チップをピックアップする際にチップ同士が当たってエッジ部が欠けたりすることが防がれる。
また、特許文献2に開示されるように、エキスパンドテープ(熱吸収性粘着テープ)のウェーハ貼着領域と環状のフレームとの間の収縮領域について、拡張後に加熱、収縮させ、拡張前と変わらない状態にエキスパンドテープの弛みを無くし、チップ同士が当たることや次工程以降で問題なくハンドリングできることを可能とする技術が知られている。
しかしながら、特許文献2に開示されるように、エキスパンドテープを拡張後、収縮領域(延びた領域)を局所的に加熱して収縮したとしても、ウェーハ貼着領域のテープも多少縮んでしまうため、チップ間隔が狭くなりやすい。
また、収縮させるため発熱体を近づけたり熱風等で収縮領域のテープを加熱したりするのに時間が掛かってしまうという課題もあった。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、チップ間隔が狭くなることをより確実に抑制し、かつ、より短時間で実施可能とする技術を提供することである。
請求項1に記載の発明によると、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウェーハを、分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウェーハの分割方法であって、ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを分割予定ラインに沿って照射し、ウェーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成ステップと、改質層形成ステップの前、又は、後に、環状のフレームに貼着されたエキスパンドテープの粘着面にウェーハの裏面が貼着されたウェーハユニットを形成するウェーハユニット形成ステップと、ウェーハの直径より大きくフレームの内径より小さい直径の保持面を有するチャックテーブルにエキスパンドテープを介してウェーハを載置するウェーハ載置ステップと、フレームとチャックテーブルを保持面に対して垂直方向に相対移動させてエキスパンドテープを拡張し、エキスパンドテープに貼着されたウェーハに外力を付与し、改質層が形成された分割予定ラインに沿ってウェーハを個々のチップに破断し、さらにチップ間の間隔を広げるチップ間隔形成ステップと、チップ間隔形成ステップの後に、外径がチャックテーブルの直径より大きく、内径がウェーハの直径より大きくチャックテーブルの直径より小さい環状押さえ部材をエキスパンドテープの粘着面側からチャックテーブルに向かって押圧し、エキスパンドテープのウェーハとフレームとの間の領域を固定するテープ固定ステップと、テープ固定ステップの後に、フレームとチャックテーブルとを相対的に円周方向に回転させる前、或いは、回転させながら、フレームとチャックテーブルを保持面に対して垂直方向に相対移動させてフレームとチャックテーブルの保持面を略同等の高さに位置付ける回転移動ステップと、回転移動ステップの後に、ウェーハとフレームとの間のエキスパンドテープに裏面側から環状押さえ部材に向かって加熱部材を押圧し、回転移動ステップで発生したエキスパンドテープの皺を熱圧着によって固定し、チップ間隔形成ステップで発生したエキスパンドテープの弛みを解消せしめるテープ熱圧着ステップと、を含むウェーハの分割方法が提供される。
本発明によると、テープ固定ステップによってその後の工程中にチップ間隔が狭くなることを確実に抑制することができる。また、発熱体を近づけたり熱風等で加熱することで延びたテープを熱収縮させるのではなく、テープを捻ることで皺を形成し、皺の部分を熱圧着させることで熱収縮の場合と同様の状況とするため、熱収縮の場合と比較して、チップ間隔が狭くなることをより短時間で抑制できる。
本発明は、複数の交差する分割予定ラインが設定されたウェーハを分割予定ラインに沿って分割するウェーハの分割方法であり、以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、被加工物となる半導体ウェーハ11(以下、単に「ウェーハ11」とも記載される)について示す図である。ウェーハ11は、例えば厚さが200μmのシリコンウェーハからなっており、表面11aに複数の交差する分割予定ライン(ストリート)13が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ライン13によって区画された複数の領域にそれぞれデバイス15が形成されている。
このように構成されたウェーハ11は、デバイス15が形成されているデバイス領域17と、デバイス領域17を囲繞する外周余剰領域19を備えている。ウェーハ11の外周にはシリコンウェーハの結晶方位を示すマークとしてのノッチ12が形成されている。
なお、被加工物となるウェーハ11の形状については、図1に示すような円盤形状のものに限定されるものではなく、四角形状(正四角形、長方形)などの矩形のものも想定される。また、半導体ウェーハのほか、光デバイスウェーハなども被加工物とされることが想定される。
以上のようなウェーハ11について、本発明にかかるウェーハの分割方法が実施される。まず、図2に示すように、ウェーハ11に対して透過性を有する波長のレーザービーム6を分割予定ライン13に沿って照射し、ウェーハ11の内部に分割予定ライン13に沿って改質層14を形成する改質層形成ステップが実施される。
図2には、ウェーハ11の内部に分割予定ライン13に沿って改質層14を形成するレーザー加工装置1の要部が示されている。レーザー加工装置1は、ウェーハ11を保持するチャックテーブル10と、チャックテーブル10に保持されたウェーハ11にレーザービームを照射するレーザービーム照射ユニット2と、を具備して構成できる。
チャックテーブル10は、ウェーハ11を吸引保持するように構成されており、図示しない移動機構により図2において矢印Xで示す加工送り方向、及び、図2の紙面に垂直な方向となる割り出し送り方向(図1の矢印Y方向)に移動される。
レーザービーム照射ユニット2は、YAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器等のパルスレーザー発振器及び繰り返し周波数設定手段を備えたパルスレーザー発振手段を備え、パルスレーザー発振手段から発振されたパルスレーザービームを集光するための集光器8からレーザービーム6がウェーハ11に対して照射されるようになっている。
以上の構成とするレーザー加工装置を用い、集光器8からウェーハ11に対して透過性を有するレーザービーム6を照射しつつ、チャックテーブル10を矢印X方向に所定の送り速度で移動させることで、ウェーハ11の内部に分割予定ライン13に沿った改質層(溶融再硬化層)が形成される。
改質層は、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲とは異なる状態になった領域をいう。改質層形成の際の加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :LD励起Qスイッチ Nd:YVO4パルスレーザー
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :100kHz
パルス出力 :10μJ
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :100mm/秒
光源 :LD励起Qスイッチ Nd:YVO4パルスレーザー
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :100kHz
パルス出力 :10μJ
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :100mm/秒
この改質層の形成は、第1の方向(図2におけるX軸方向)に伸長する全ての分割予定ライン13に沿って実施した後、チャックテーブル10を90度回転してから、第1の方向と直角の第2の方向に伸長する全ての分割予定ライン13に沿って実施される。
以上のようにして、改質層形成ステップが実施される。そして、この改質層形成ステップの前、又は、後に、図3に示すように、環状のフレームFに貼着されたエキスパンドテープTの粘着面Taにウェーハ11の裏面11bが貼着されたウェーハユニットUを形成するウェーハユニット形成ステップが実施される。
なお、本実施形態では、図2に示す改質層形成ステップの前に、図1に示すようにウェーハ11をフレームFに貼着して図3のウェーハユニットUを構成した上で、図2に示すようにエキスパンドテープTに貼着されたウェーハ11に対して改質層の形成が行われることとしている。
エキスパンドテープTは、後述する分割ステップを実施する際に、分割予定ラインにウェーハ11を分離させる外力を付与するためのものである。エキスパンドテープTは、フレームFで囲まれた領域を塞ぐように設けられ、ウェーハ11をエキスパンドテープTに貼着すると、ウェーハ11がエキスパンドテープTを介してフレームFに固定される。
次いで、図4に示すように、ウェーハ11の直径より大きくフレームFの内径より小さい直径の保持面Hを有するチャックテーブル31にエキスパンドテープTを介してウェーハ11を載置するウェーハ載置ステップが実施される。
この図4は、本実施形態で用いる分割装置30の概要を示すものであり、チャックテーブル31と、ウェーハユニットUのフレームFを保持するクランプ32と、を有して構成される。
円盤状に構成されるチャックテーブル31は、垂直方向Zに移動可能、かつ、回転方向Kに角度変更可能な支持軸31aの上端部に設けられている。チャックテーブル31の上部には、図示せぬ吸引源に接続される多孔質体からなる吸着チャック31bが設けられており、吸着チャック31bの上面に負圧が生じるように構成される。
この負圧によって、吸着チャック31bの上面において吸引力を発揮する保持面Hが構成され、ウェーハユニットUのウェーハ11の部位がエキスパンドテープTを介して保持面Hに吸着保持される。
ウェーハユニットUの環状のフレームFは、複数箇所においてクランプ32にて挟持される。ここで、保持面Hを有するチャックテーブル31は、環状のフレームFの内径よりも小さく構成されており、チャックテーブル31の半径方向の外側となる位置にフレームFとクランプ32が位置付けられることで、チャックテーブル31の垂直方向Zの移動が許容されることになる。
次に、図5に示すように、フレームFとチャックテーブル31を保持面Hに対して垂直方向Zに相対移動させてエキスパンドテープTを拡張し、エキスパンドテープTに貼着されたウェーハ11に外力を付与し、改質層14が形成された分割予定ライン13に沿ってウェーハ11を個々のチップC,Cに破断し、さらにチップC,C間の間隔を広げるチップ間隔形成ステップが実施される。
このチップ間隔形成ステップにより、ウェーハ11が個々のチップC,Cに分割されるとともに、チップC,Cの間に間隔が形成される。
本実施形態では、チャックテーブル31を上方に移動させることにより、保持面Hの高さ位置がフレームFに対して上昇し、これにより、エキスパンドテープTが拡張される(伸ばされる)とともに、このエキスパンドテープTの拡張にともなってウェーハ11が改質層14を起点として破断して個々のチップC,Cが形成される。なお、チャックテーブル31を上方に移動させる代わりに、クランプ32を下方に移動させる、あるいは、チャックテーブル31を上方へ、クランプ32を下方へ移動させることとしてもよい。
次に、図6に示すように、チップ間隔形成ステップの後に、外径がチャックテーブル31の直径より大きく、内径がウェーハ11の直径より大きくチャックテーブルの直径より小さい環状押さえ部材36をエキスパンドテープTの粘着面(表面)Ta側からチャックテーブル31に向かって押圧し、エキスパンドテープTのウェーハ11とフレームFとの間の部位Mを固定するテープ固定ステップを実施する。
このテープ固定ステップにより、以降の工程中において、チップ間隔(隣り合うチップC,C同士の間隔)が狭くなることを確実に抑制することができる。
本実施形態では、リング状の環状押さえ部材36を用い、この環状押さえ部材36とチャックテーブル31の間にエキスパンドテープTを挟みこむ。この状態で、環状押さえ部材36の内壁36aに囲まれる空間36bに分割された状態のチップC,Cが配設された状態となる。
そして、環状押さえ部材36は、図示せぬ押圧手段によってチャックテーブル31に向けて上側から押圧されるように構成されており、これにより、ウェーハ11を取り囲む部位、つまり、エキスパンドテープTのウェーハ11とフレームFとの間の部位Mが、環状押さえ部材36にチャックテーブル31に対して固定される。
このようにエキスパンドテープTが固定されることで、エキスパンドテープTにおいて、環状押さえ部材36の内側に囲まれる領域Nに発生しているテンションが維持される。
次に、図7乃至図9に示すように、テープ固定ステップの後に、フレームFとチャックテーブル31とを相対的に円周方向に回転させながら、Fフレームとチャックテーブル31を保持面Hに対して垂直方向に相対移動させてフレームFとチャックテーブル31の保持面Hを略同等の高さに位置付ける回転移動ステップが実施される。
この回転移動ステップにより、チャックテーブル31と環状押さえ部材36が、図8に示す状態から図9に示す状態になるように角度変更することで、環状押さえ部材36とフレームFの間の円環状領域QのエキスパンドテープTが捻られ、皺51,51が発生することになる。
本実施形態では、クランプ32にてフレームFを保持することで、フレームFの回転を規制する一方、環状押さえ部材36をチャックテーブル31に押さえ付けたままの状態で、環状押さえ部材36とチャックテーブル31を一体的に矢印K1方向へと略30度回転させる。この際、環状押さえ部材36とフレームFの間の円環状領域Qのみにおいて、エキスパンドテープTが捻られることになる。
また、図7に示すように、環状押さえ部材36とチャックテーブル31を回転させる前、或は、回転させながら、クランプ32の位置を上昇させることで、クランプ32に保持されたフレームFをチャックテーブル31の保持面Hと略同等の高さに位置付ける。なお、クランプ32の位置を上昇させる代わりに、或いは、クランプ32の位置を上昇させることに加え、既に上昇させた環状押さえ部材36とチャックテーブル31を、下降させた後に回転させる、或いは、回転させながら下降させることで、クランプ32に保持されたフレームFをチャックテーブル31の保持面Hと略同等の高さに位置付けることとしてもよい。
以上のようにして、クランプ32の位置が上昇することにより、フレームFと保持面Hの相対位置が元の位置に戻されるため、伸ばされていた円環状領域QのエキスパンドテープTが弛んだ状態となる。また、弛んだエキスパンドテープTが捩られることにより、円環状領域Qにおいて皺51,51が発生することになる。この皺51,51は、例えば、平面視において環状押さえ部材36の半径方向外側に向かう線状の皺を構成することが考えられる。
一方で、環状押さえ部材36に取り囲まれた領域Nについては、環状押さえ部材36がチャックテーブル31に対して押さえ付けられているため、チャックテーブル31の回転などによる影響を受けることがなく、回転移動ステップの前後において、領域Nにかかるテンションの変化がなく、チップ間隔形成ステップにおいてチップC,C間に形成された間隔を維持することができる。
次に、図10に示すように、回転移動ステップの後に、ウェーハ11とフレームFとの間のエキスパンドテープTに裏面側から環状押さえ部材36に向かって加熱部材60を押圧し、回転移動ステップで発生したエキスパンドテープTの皺51,51を熱圧着によって固定し、チップ間隔形成ステップで発生したエキスパンドテープTの弛みを解消せしめるテープ熱圧着ステップが実施される。
このテープ熱圧着ステップにより、ウェーハ11がフレームFに対して回転(角度変更)され、エキスパンドテープTの円環状領域Qのみが捻られた状態のままにおいて熱圧着される。つまりは、円環状領域Qが弛んでいない状態になり、円環状領域Qを熱収縮させた状況と同様の状況を作りだすことができる。
本実施形態では、円環状の加熱部材60を、エキスパンドテープTの裏面側に当着させ、環状押さえ部材36と加熱部材60の間でエキスパンドテープTを挟持しつつ、加熱部材60にてエキスパンドテープTの温度を上昇させることで、軟化したエキスパンドテープTを熱圧着させる。
より具体的には、熱軟化性樹脂からなるエキスパンドテープTを加温することで、エキスパンドテープT自体を軟化させるとともに、皺51,51が形成されることによって重なった部位同士を軟化した状態で押圧する。これにより、押圧が解除された後にエキスパンドシートTが冷える(常温に戻る)と、エキスパンドシートTの押圧されていた部位同士が接着された状態となる。つまり、発生させたエキスパンドシートTの皺51,51を畳み込ませた状態としつつ熱をかけ押圧して接着し(熱圧着)、弛んでいたエキスパンドシートTの部位を固定するものである。
円環状の加熱部材60は、特に限定されるものではないが、例えば、内径がチャックテーブル31よりも大きく、外径がフレームFよりも小さいリング状の部材で構成することが考えられる。また、加熱を行うための構成としては、例えば、電熱線を内装させた金属部材といった簡易な構成にて実現することができる。
なお、環状押さえ部材36側に電熱線を内装し、環状押さえ部材についても加熱部材として機能させることとしてもよい。この場合、加熱部材60を単なる押さえ部材として機能させることとしてもよい。
そして、このような加熱部材60を用いた熱圧着の実施形態によれば、数秒〜10秒程度で、円環状領域Qの熱圧着(接着)を完了することができることになる。仮に、従来のような発熱体を近づけたり熱風等で熱収縮させる場合と比較すると、半分以下の時間で、円環状領域Qの熱圧着を完了できることになる。
仮に、前述の熱収縮の場合では、発熱体などとエキスパンドテープTが非接触であるため、エキスパンドテープTが吸熱するまでに時間を要することになる。一方で、本発明のように加熱部材60を直接当接させることによれば、直ちにエキスパンドテープTに熱が伝達されてエキスパンドテープTの熱圧着を開始できることになる。このように、本発明の形態は、円環状領域Qの熱圧着を短時間で完了させるために、極めて適した構成となる。
以上に説明したテープ熱圧着ステップを実施した後は、エキスパンドテープTが環状押さえ部材36と加熱部材60による挟持状態から開放される。具体的な方法の一つとしては、環状押さえ部材36によるエキスパンドシートTのチャックテーブル31への押さえ付けを維持したまま、加熱部材60のみを開放し、エキスパンドシートTを冷やす(常温に戻す)。冷やされた後において、挟持されていた部位同士は接着された状態(固定されたままとなるため)、つまりは、熱圧着が完了した状態となっているため、エキスパンドシートTの弛みが解消した状態が形成される。これにより、熱圧着の完了後に環状押さえ部材36が開放されたとしても、円環状領域Qよりも内側のチップC,Cが配置される領域Nのテンションは維持されることになり、チップC,Cの間隔は維持されたままとなる。
以上のように、本実施形態によれば、円環状領域Qを短時間で完了することができ、ウェーハ11の加工時間を短縮することが可能となる。また、チップC,Cの間隔を維持することができるため、例えば、後に実施されるピックアップ工程においてチップC,Cの間隔が狭いことによるピックアップ不良の発生などを抑制することができ、生産効率を高めることが可能となる。
1 レーザー加工装置
2 レーザービーム照射ユニット
11 ウェーハ
13 分割予定ライン
14 改質層
15 デバイス
30 分割装置
31 チャックテーブル
32 クランプ
36 環状押さえ部材
51 皺
60 加熱部材
C チップ
F フレーム
H 保持面
Q 円環状領域
T エキスパンドテープ
U ウェーハユニット
2 レーザービーム照射ユニット
11 ウェーハ
13 分割予定ライン
14 改質層
15 デバイス
30 分割装置
31 チャックテーブル
32 クランプ
36 環状押さえ部材
51 皺
60 加熱部材
C チップ
F フレーム
H 保持面
Q 円環状領域
T エキスパンドテープ
U ウェーハユニット
Claims (1)
- 表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウェーハを、該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウェーハの分割方法であって、
ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを該分割予定ラインに沿って照射し、該ウェーハの内部に該分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成ステップと、
該改質層形成ステップの前、又は、後に、環状のフレームに貼着されたエキスパンドテープの粘着面に該ウェーハの裏面が貼着されたウェーハユニットを形成するウェーハユニット形成ステップと、
該ウェーハの直径より大きく該フレームの内径より小さい直径の保持面を有するチャックテーブルに該エキスパンドテープを介して該ウェーハを載置するウェーハ載置ステップと、
該フレームと該チャックテーブルを該保持面に対して垂直方向に相対移動させて該エキスパンドテープを拡張し、該エキスパンドテープに貼着されたウェーハに外力を付与し、該改質層が形成された該分割予定ラインに沿って該ウェーハを個々のチップに破断し、さらに該チップ間の間隔を広げるチップ間隔形成ステップと、
該チップ間隔形成ステップの後に、外径が該チャックテーブルの直径より大きく、内径が該ウェーハの直径より大きくチャックテーブルの直径より小さい環状押さえ部材をエキスパンドテープの該粘着面側から該チャックテーブルに向かって押圧し、該エキスパンドテープの該ウェーハと該フレームとの間の領域を固定するテープ固定ステップと、
該テープ固定ステップの後に、該フレームと該チャックテーブルとを相対的に円周方向に回転させる前、或いは、回転させながら、該フレームと該チャックテーブルを該保持面に対して垂直方向に相対移動させて該フレームと該チャックテーブルの該保持面を略同等の高さに位置付ける回転移動ステップと、
該回転移動ステップの後に、該ウェーハと該フレームとの間の該エキスパンドテープに裏面側から該環状押さえ部材に向かって加熱部材を押圧し、該回転移動ステップで発生した該エキスパンドテープの皺を熱圧着によって固定し、該チップ間隔形成ステップで発生した該エキスパンドテープの弛みを解消せしめるテープ熱圧着ステップと、
を含むウェーハの分割方法。
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JP2019081252A (ja) * | 2019-01-10 | 2019-05-30 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | 樹脂シートの分断システム |
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