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JP2013071632A - 負荷制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の負荷を確実に動作させる。
【解決手段】第1指令部121は、操作部111からの信号に基づいて、電力供給制御部123に対して負荷113への電力供給の指令を行うとともに、自身が正常に動作している場合に所定の動作信号を出力する。第2指令部122は、第1指令部121から動作信号の入力がない場合、電力供給制御部123に対して負荷113への電力供給の指令を行う。電力供給制御部123は、第1指令部121または第2指令部122からの指令に基づいて、負荷113への電力の供給を制御する。本発明は、例えば、車両の負荷制御装置に適用できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、負荷制御装置に関し、特に、車両の負荷を制御する負荷制御装置に関する。
従来、ヘッドランプの操作スイッチとヘッドランプの制御を行う制御装置との間に通信不良が発生しても、ヘッドランプの点灯を可能にする技術が提案されている。
例えば、ヘッドランプスイッチを備える送信側ECU(Electronic Control Unit)とヘッドランプECUとの間を通信用バスおよび電源供給線で相互に接続し、ヘッドランプスイッチをオンすると、送信側ECUからヘッドランプECUに、通信用バスを介してヘッドランプONの通信データを供給するとともに、電源供給線を介してヘッドランプONのアナログ信号を供給することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、通信用バスが切断されても、電源供給線を流れるアナログ信号を用いてヘッドランプを点灯させることができる。
また、従来、図1に示されるような車載システムが提案されている。
具体的には、図1の車載システムは、コンビネーションSW(スイッチ)11、BCM(Body Control Module)12、および、ヘッドランプ13を含むように構成される。また、コンビネーションSW11は、ヘッドランプSW21およびCPU22を含むように構成される。BCM12は、CPU31、ハイサイドドライバ32、および、トランジスタTRを含むように構成される。さらに、コンビネーションSW11とBCM12は、通信線14および信号線15を介して相互に接続されている。
コンビネーションSW11のヘッドランプSW21がオンされると、CPU22は、ヘッドランプSW21のオンを検出し、通信線14を介して、BCM12のCPU31へのヘッドランプON信号の出力を開始する。ヘッドランプON信号を受信したCPU31は、ヘッドランプ13の点灯をハイサイドドライバ32に指令するための正論理(ハイ・アクティブ)の指令信号をハイサイドドライバ32に入力する。指令信号の入力を受けたハイサイドドライバ32は、バッテリ電源+Bからの電力のヘッドランプ13への供給を開始し、ヘッドランプ13を点灯させる。
また、ヘッドランプSW21がオンされると、トランジスタTRのベースの電位がローレベル(グラウンドレベル)になり、トランジスタTRがオンする。そして、イグニッション電源がオンされている場合、イグニッション電源IGからの電力が、トランジスタTRを介して、ハイサイドドライバ32に入力される。これにより、ハイサイドドライバ32の入力電圧がHighレベルとなり、指令信号が入力された状態と同様の状態になる。
従って、図2に示されるように、通信線14に障害が発生し、CPU22とCPU31との間の通信不良が発生し、CPU31がヘッドランプSW21の状態を検出できなくなっても、イグニッション電源IGおよびヘッドランプSW21をオンさせることにより、ヘッドランプ13を点灯させることができる。
しかし、特許文献1に記載の発明および図1の車載システムでは、送信側ECUとヘッドランプECUの間の配線、または、コンビネーションSW11とBCM12との間の配線がそれぞれ1系統ずつ増加する。そのため、増加した配線用のハーネスやコネクタピン等を追加する必要があり、車両のコストアップや重量アップの要因となる。
また、特許文献1に記載の発明および図1の車載システムでは、2系統の配線に断線、天絡、地絡等の異常が同時に発生した場合、ヘッドランプを点灯させることができなくなる。
さらに、特許文献1に記載の発明では、配線に異常が発生していなくても、ヘッドランプECUに異常が発生した場合、ヘッドランプを点灯させることができなくなる。
特開平7−232603号公報
本発明は、異常時にも車両の負荷を確実に動作させるようにするものである。
本発明の一側面の負荷制御装置は、ユーザにより操作される操作部から入力される信号に基づいて、車両の負荷を制御する負荷制御装置において、操作部からの信号に基づいて、負荷への電力供給の第1の指令を行うとともに、自身が正常に動作している場合に所定の動作信号を出力する第1の指令部と、第1の指令部から動作信号の入力がない場合、負荷への電力供給の第2の指令を行う第2の指令部と、第1の指令または第2の指令に基づいて、負荷への電力の供給を制御する電力供給制御部とを備える。
本発明の第1の側面の負荷制御装置においては、第1の指令部により、操作部からの信号に基づいて、負荷への電力供給の第1の指令が行われ、自身が正常に動作している場合に所定の動作信号が出力され、第2の指令部により、第1の指令部から動作信号の入力がない場合、負荷への電力供給の第2の指令が行われ、第1の指令または第2の指令に基づいて、負荷への電力の供給が制御される。
従って、車両の負荷を確実に動作させることができる。
この操作部は、例えば、スイッチ、ボタン、キー等の操作手段により構成される。第1の指令部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)等の制御回路により構成される。第2の指令部は、例えば、駆動保持積分回路、駆動保持回路により構成される。電力供給制御部は、例えば、ドライバ回路により構成される。
第2の指令部には、車両が所定の電源供給状態である場合に、第2の指令を行わせることができる。
これにより、例えば、第1の指令部に異常が発生した場合に、車両の電源供給状態に連動して、負荷のオン/オフを制御することができる。
この第2の指令部には、車両が所定の電源供給状態であり、さらに車両の周囲の明るさが所定の閾値未満である場合に、第2の指令を行わせることができる。
これにより、例えば、第1の指令部に異常が発生した場合に、車両の電源供給状態および車両の周囲の明るさに連動して、負荷のオン/オフを制御することができる。
車両の周囲の明るさは、例えば、日射センサにより検出される。
第2の指令部には、所定の電源供給状態のときに電力が供給される電力線に接続し、電力線からの電力を電力供給制御部に出力することにより第2の指令を行わせることができる。
これにより、第2の指令部の構成を簡素化することができる。
第2の指令部には、電力線からの電力の流れを電力供給制御部に出力する第1の方向または電力供給制御部に出力しない第2の方向に切り換えるスイッチング素子を備えさせることができる。
これにより、スイッチング素子を用いて第2の指令の有無を切り換えることができる。
動作信号を、パルス状の信号とし、第2の指令部には、コンデンサを備えた積分回路を含み、動作信号が入力されることによりコンデンサに蓄積される電荷量が所定の閾値以上になった場合、電力線からの電力が第2の方向に流れる状態にスイッチング素子が設定されるようにすることができる。
これにより、ノイズ等による誤動作を防止することができる。
第1の指令部には、操作部との間の通信不良を検出した場合、車両の所定の電源供給状態に基づいて、第1の指令を行わせることができる。
これにより、操作部と第1の指令部の間に通信不良が発生しても、車両の負荷を確実に動作させることができる。
車両の所定の電源供給状態を、車両のイグニッションがオン状態での電源供給状態とすることができる。
これにより、例えば、異常発生時に車両のイグニッションに連動して負荷の起動/停止を行うことができる。
本発明の一側面によれば、負荷を駆動させるCPUなどの制御回路が異常のときでも車両の負荷を確実に動作させることができる。
従来の車載システムの構成例を示す回路図である。 従来の車載システムの通信不良発生時の動作を説明するための図である。 本発明を適用した車載システムの基本的な構成例を示すブロック図である。 本発明を適用した車載システムの第1の具体的な構成例を示す回路図である。 本発明を適用した車載システムの正常時の動作を説明するための図である。 BCMの各部の電圧の変化を示すグラフである。 本発明を適用した車載システムの通信不良発生時の動作を説明するための図である。 本発明を適用した車載システムのCPUの異常発生時の動作を説明するための図である。 本発明を適用した車載システムの第2の具体的な構成例を示す回路図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
<1.実施の形態>
[車載システムの基本的な構成例]
図3は、本発明を適用した車載システムの基本的な構成例を示すブロック図である。
図3の車載システム101は、操作部111、負荷制御装置112、負荷113、および、電源114を含むように構成される。負荷制御装置112は、第1指令部121、第2指令部122、および、電力供給制御部123を含むように構成される。
車載システム101は、各種の車両に設けられ、操作部111に対するユーザ操作に従って、負荷113への電力の供給を制御するシステムである。なお、車載システム101が設けられる車両の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、エンジンで駆動される車両、EV(Electric Vehicle、電気自動車)、HEV(Hybrid Electric Vehicle、ハイブリッドカー)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、プラグインハイブリッドカー)などが想定される。
操作部111は、各種の操作手段(例えば、スイッチ、ボタン、キー等)により構成され、例えば、負荷113を起動したり、停止したりするために、ユーザにより操作される。また、操作部111は、操作内容または自身の状態(例えば、オン/オフ状態等)を示す操作信号を第1指令部121に出力する。
第1指令部121は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)等の各種の制御回路により構成される。第1指令部121は、操作部111からの操作信号に基づいて、電力供給制御部123に対して負荷113への電力の供給の指令を行う。また、第1指令部121は、操作部111との間の通信不良を検出した場合、車両の電源の状態に基づいて、電力供給制御部123に対して負荷113への電力の供給の指令を行う。さらに、第1指令部121は、自身が正常に動作している場合、正常に動作していることを示す所定の動作信号を第2指令部122に出力する。
第2指令部122は、例えば、駆動積分回路等の電気回路により構成され、イグニッション電源IGからの電力が供給される電力線115に接続されている。第2指令部122は、第1指令部121からの動作信号の入力がない場合、イグニッション電源IGからの電力を電力供給制御部123に出力することにより、電力供給制御部123に対して負荷113への電力の供給の指令を行う。
なお、イグニッション電源IGは、車両の駆動系の電源であり、車両のイグニッションスイッチまたはパワースイッチが、車両を走行可能な状態にする位置または車両を運転するときの位置(例えば、イグニッションまたはオン等)に設定されている場合に、電力の供給を行う電源である。
なお、以下、イグニッション電源IGのオン/オフを切り換えるためのスイッチの名称をイグニッションスイッチで統一し、イグニッション電源IGがオンされるイグニッションスイッチの位置の名称をイグニッションで統一する。また、以下、イグニッションスイッチの位置がイグニッションに設定されることを、イグニッションをオンするともいう。
電力供給制御部123は、例えば、負荷113への電力の供給を制御するドライバ回路により構成される。電力供給制御部123は、第1指令部121または第2指令部122からの指令に基づいて、電源114からの電力の負荷113への供給を制御し、負荷113の起動および停止を制御する。
負荷113は、例えば、操作部111を操作することにより起動および停止することが可能な各種の車載用の電装部品により構成される。例えば、負荷113は、ヘッドランプ、テールランプ、ワイパーモータ等の安全運転を行うために必要な電装部品により構成される。
電源114は、例えば、車両に設けられているバッテリ等により構成される。
[車載システムの第1の具体的な構成例]
図4は、図3の車載システム101をより具体的にした車載システムの第1の構成例を示す回路図である。
車載システム201は、コンビネーションSW(スイッチ)211、BCM(Body Control Module)212、および、ヘッドランプ213を含むように構成される。
コンビネーションSW211は、図3の操作部111に対応する。コンビネーションSW211は、スイッチ221−1乃至221−n、CPU222、および、抵抗R1を含むように構成される。
スイッチ221−1乃至221−nは、車載システム101が設けられている車両の各種の負荷の動作や状態を切り換えるためのスイッチである。そのうちの1つであるスイッチ221−1が、ヘッドランプ213のオン/オフを切り換えるためのスイッチである。なお、以下、スイッチ221−1をヘッドランプSW(スイッチ)とも称する。
スイッチ221−1乃至221−nの一端は、それぞれCPU222に接続され、他の一端はグラウンドに接続されている。また、スイッチ221−1とCPU222の間に、所定の直流電圧(例えば、5V)の電力を供給する電源VDDが接続されている。
なお、電源VDDの接続位置は、この図の例に限定されるものではなく、例えば、スイッチ221−1乃至221−nの状態によらず、CPU222に電力を供給することが可能な他の位置に接続される。
CPU222のライン端子(LIN)は、通信線214を介して、BCM212のCPU232のライン端子(LIN)に接続されており、CPU222とCPU232は、通信線214を介して相互に通信を行う。例えば、CPU222は、スイッチ221−1乃至221−nの状態を検出し、検出した状態を通知するための信号(以下、スイッチ状態信号と称する)を、通信線214を介して、CPU232に出力する。
BCM212は、レギュレータ231、CPU232、駆動積分回路233、ハイサイドドライバ234、ダイオードD11、および、抵抗R11,R12を含むように構成される。そのうち、CPU232は、図3の第1指令部121に対応し、駆動積分回路233は、図3の第2指令部122に対応し、ハイサイドドライバ234は、図3の電力供給制御部123に対応する。
レギュレータ231の入力端子は、図示せぬバッテリからの所定の直流電圧(例えば、12V)の電力を供給するバッテリ電源+Bに接続されている。レギュレータ231の出力端子は、電源VDD、および、CPU232の電源端子(VDD)に接続されている。レギュレータ231は、バッテリ電源+Bから供給される電力の電圧を所定の電圧(例えば、+5V)に変換し、CPU232に供給する。
CPU232の入力端子(IN)は、イグニッション電源IGに接続されている。CPU232は、入力端子の入力電圧に基づいて、イグニッション電源IGのオン/オフを検出する。また、CPU232は、イグニッション電源IGのオン/オフの検出結果に基づいて、イグニッションスイッチが、イグニッションに設定されているか否かを検出することができる。
CPU232の出力端子1(OUT1)は、ダイオードD11のアノードに接続されている。CPU232は、後述するように、スイッチ221−1(ヘッドランプSW)の状態等に基づいて、ヘッドランプ213の点灯を指令する点灯指令信号を出力端子1から出力する。CPU232から出力された点灯指令信号は、ダイオードD11および抵抗R12を介して、ハイサイドドライバ234に入力される。
なお、点灯指令信号は、例えば、正論理(ハイ・アクティブ)の信号とされる。
CPU232の出力端子2(OUT2)は、駆動積分回路233の抵抗R21の一端に接続されている。CPU232は、正常に動作している場合、正常に動作していることを示すパルス状の動作信号を出力端子2から出力し、駆動積分回路233に入力する。
抵抗R11の一端は、ダイオードD11のカソードに接続され、他の一端はグラウンドに接続されている。抵抗R12の一端は、ダイオードD11のカソードに接続され、他の一端はハイサイドドライバ234に接続されている。
駆動積分回路233は、抵抗R21乃至R24、コンデンサC21乃至C23、ダイオードD21,D22、および、NPN型のトランジスタTR21を含むように構成される。
抵抗R21のCPU232の出力端子2に接続されている一端と異なる一端は、コンデンサC21の一端に接続されている。コンデンサC21の抵抗R21の一端に接続されている一端と異なる一端は、ダイオードD21のアノードに接続されている。ダイオードD21のカソードは、コンデンサC22の一端、および、抵抗R22の一端に接続されている。コンデンサC22のダイオードD21のカソードに接続されている一端と異なる一端は、グラウンドに接続されている。
抵抗R22のダイオードD21のカソードに接続されている一端と異なる一端は、コンデンサC23の一端、および、抵抗R23の一端に接続されている。コンデンサC23の抵抗R22の一端に接続されている一端と異なる一端は、グラウンドに接続されている。
抵抗R23の抵抗R22の一端に接続されている一端と異なる一端は、トランジスタTR21のベースに接続されている。抵抗R24は、トランジスタTR21のベースとエミッタの間に接続されている。トランジスタTR21のコレクタは、ダイオードD22のアノードに接続され、エミッタはグラウンドに接続されている。
この抵抗R21からトランジスタTR21までの回路により、積分回路が構成されている。
抵抗R25の一端は、イグニッション電源IGに接続され、他の一端は、ダイオードD22のアノードに接続されている。ダイオードD22のカソードは、ダイオードD11のカソードに接続されている。
後述するように、駆動積分回路233のトランジスタTR21は、CPU232から動作信号の入力がない場合にオフし、入力がある場合にオンすることにより、イグニッション電源IGからの電力の流れをハイサイドドライバ234に出力する方向またはハイサイドドライバ234に出力しない方向に切り換える。
そして、トランジスタTR21がオフ状態、かつ、イグニッション電源IGがオン状態の場合、イグニッション電源IGからの電力が、ダイオードD22および抵抗R12を介して、ハイサイドドライバ234に入力され、ハイサイドドライバ234の入力電圧がハイレベルに設定される。
なお、以下、このイグニッション電源IGからの電力を用いて、駆動積分回路233からハイサイドドライバ234に出力される正論理(ハイ・アクティブ)の信号を、異常時点灯指令信号と称する。
ハイサイドドライバ234は、CPU232から入力される点灯指令信号、または、駆動積分回路233から入力される異常時点灯指令信号に基づいて、バッテリ電源+Bからの電力のヘッドランプ213への供給を制御することにより、ヘッドランプ213の点灯/消灯を制御する。
なお、以下、図内の抵抗R21のCPU232の出力端子2側(駆動積分回路233の入力側)の一端をA点とする。また、図内のダイオードD21のカソード、コンデンサC22、および、抵抗R22の間の接続点をB点とする。さらに、図内のトランジスタTR21のコレクタ、抵抗R25、および、ダイオードD22のアノードの接続点をC点とする。
[ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム201の動作]
次に、図5乃至図8を参照して、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム201の動作について説明する。
なお、ヘッドランプ213を点灯させる前において、駆動積分回路233のトランジスタTR21はオフされているものとする。
(正常時の車載システム201の動作)
まず、図5および図6を参照して、車載システム201に異常が発生しておらず正常な場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの動作について説明する。
ヘッドランプ213を点灯させるためにヘッドランプSWがオンされると、CPU222のライン端子から、ヘッドランプSWがオンされたことを示すスイッチ状態信号が出力される。CPU222から出力されたスイッチ状態信号は、通信線214を介して、CPU232のライン端子に入力される。
CPU232は、スイッチ状態信号に基づいて、ヘッドランプSWがオンされたことを検出すると、ヘッドランプSWがオフされるまで、出力端子1から点灯指令信号を出力する(点灯指令信号をハイレベルに設定する)。CPU232から出力された点灯指令信号は、ダイオードD11および抵抗R12を介して、ハイサイドドライバ234に入力される。
ハイサイドドライバ234は、CPU232から点灯指令信号が入力されている間、バッテリ電源+Bからの電力をヘッドランプ213に供給する。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。
また、CPU232は、正常動作中に、出力端子2からパルス状の状態信号を出力し、駆動積分回路233に入力する。
図6は、CPU232から状態信号の出力が開始された直後の図5のA点乃至C点の電圧の変化の例を示すグラフである。なお、A点の電圧の波形は、状態信号の波形と等しくなる。
駆動積分回路233に入力されたパルス状の状態信号は、抵抗R21を介してコンデンサC21に入力される。これにより、コンデンサC21からダイオードD21の方向に電流が流れ、コンデンサC22に電荷が蓄積される。また、状態信号のパルスが駆動積分回路233に入力される毎に、コンデンサC22の蓄積電荷量が増加し、図6に示されるように、B点の電位が上昇する。
そして、所定の数(例えば、2つ)の状態信号のパルスが駆動積分回路233に入力され、コンデンサC22の蓄積電荷量が所定の閾値以上になり、B点の電位が所定の閾値th以上になった時点で、トランジスタTR21がオンする。
トランジスタTR21がオンすると、イグニッション電源IGからの電力は、抵抗R25、トランジスタTR21、グラウンドの経路を流れ、駆動積分回路233から出力されない。また、図6に示されるように、C点の電位は、ほぼグラウンドレベルとなる。従って、駆動積分回路233から異常時点灯指令信号は出力されない。
(通信不良時の車載システム201の動作)
次に、図7を参照して、通信線214の断線、天絡、地絡、コンビネーションSW211の異常等により、コンビネーションSW211とBCM212との間に通信不良が発生した場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム201の動作について説明する。なお、BCM212は正常に動作しているものとする。
この場合、CPU232は、通信不良によりコンビネーションSW211のCPU222からスイッチ状態信号を受信できないため、ヘッドランプSWの状態を検出することができない。一方、CPU232は、通信不良によりCPU222からの信号の入力が全て停止するため、通信不良の発生を検出することが可能である。
そこで、CPU232は、通信不良を検出した場合、イグニッション電源IGの状態に基づいて、点灯指令信号の出力を制御する。
具体的には、CPU232は、入力端子の入力電圧に基づいて、イグニッション電源IGがオンされているか否かを検出する。そして、CPU232は、イグニッション電源IGのオンを検出している間、出力端子1から点灯指令信号を出力する(点灯指令信号をハイレベルに設定する)。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。一方、CPU232は、イグニッション電源IGのオフを検出している間、点灯指令信号の出力を停止する(点灯指令信号をローレベルに設定する)。これにより、ヘッドランプ213が消灯する。
このように、通信不良が発生している場合には、イグニッション電源IGに連動して、ヘッドランプ213の点灯/消灯が制御される。すなわち、通信不良によりCPU232がヘッドランプSWの状態を検出できなくなった場合でも、車両を所定の電源供給状態に設定することにより、すなわち、イグニッションをオンしてイグニッション電源IGをオンすることにより、ヘッドランプ213を点灯させることができる。従って、車両の走行中にヘッドランプ213を点灯させることができ、安全運転を確保することができる。一方、車両のイグニッションスイッチをアクセサリやオフ等に設定し、イグニッション電源IGをオフすることにより、ヘッドランプ213を消灯させることができる。
なお、この場合も、上述した正常時の場合と同様に、CPU232が正常に動作しており、CPU232から駆動積分回路233に状態信号が入力され、トランジスタTR21がオン状態となるため、駆動積分回路233から異常時点灯指令信号は出力されない。
(CPU232に異常が発生した場合の車載システム201の動作)
次に、図8を参照して、BCM212のCPU232に暴走や突然の停止等の異常が発生した場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム201の動作について説明する。なお、この場合、コンビネーションSW211とBCM212との間の通信不良の発生の有無に関わらず、同じ動作が行われる。
この場合、ヘッドランプSWの状態、および、イグニッション電源IGの状態に関わらず、CPU232から点灯指令信号が出力されなくなるため、CPU232からの指令により、ヘッドランプ213を点灯させることはできない。
また、CPU232の異常により、CPU232から状態信号が出力されなくなる。その結果、駆動積分回路233のコンデンサC22の蓄積電荷量が減少し、蓄積電荷量が所定の閾値未満になり、B点の電圧が閾値th未満になったとき、トランジスタTR21がオフする。
トランジスタTR21がオフ状態になると、イグニッション電源IGがオン状態の場合、イグニッション電源IGからの電力が、ダイオードD22および抵抗R12を介して、ハイサイドドライバ234に入力される。すなわち、ハイサイドドライバ234に異常時点灯指令信号が入力される(異常時点灯指令信号がハイレベルに設定される)。
ハイサイドドライバ234は、駆動積分回路233から異常時点灯指令信号が入力されている間、バッテリ電源+Bからの電力をヘッドランプ213に供給する。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。
その後、CPU232が正常な状態に戻り、CPU232から状態信号の出力が再開され、所定の数(例えば、2つ)の状態信号のパルスが駆動積分回路233に入力されると、トランジスタTR21がオンする。その結果、駆動積分回路233からの異常時点灯指令信号の出力が停止する。
従って、CPU232に異常が発生してから、CPU232が正常な状態に戻るまでの間、車両を所定の電源供給状態に設定することにより、すなわち、イグニッションをオンしてイグニッション電源IGをオンすることにより、ヘッドランプ213を点灯させることができる。また、イグニッション電源IGをオフすることにより、ヘッドランプ213を消灯させることができる。
以上のように、車載システム201では、コンビネーションSW211とBCM212との間に通信不良が発生したり、CPU232に異常が発生したりしても、ヘッドランプ213を確実に点灯させることができる。
また、所定の数の状態信号のパルスが入力されてから、異常時点灯指令信号の出力が停止されるので、ノイズ等による誤動作を防止することができる。
[車載システムの第2の具体的な構成例]
図9は、図3の車載システム101をより具体的にした車載システムの第2の構成例を示す回路図である。
なお、図中、図4と対応する部分には、同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるため適宜省略する。
図9の車載システム301は、図4の車載システム201と比較して、BCM212の代わりにBCM311が設けられ、日射センサ312が追加されている点が異なる。また、BCM311は、BCM212と比較して、CPU232および駆動積分回路233の代わりに、CPU331および駆動積分回路332が設けられている点が異なる。
CPU331は、図4のCPU232と比較して、CAN端子に日射センサ312が接続されている点が異なる。
駆動積分回路332は、図4の駆動積分回路233と比較して、抵抗R51,R52およびトランジスタTR51が追加され、抵抗R25が削除されている点が異なる。
抵抗R51は、トランジスタTR51のベースとエミッタの間に接続されている。抵抗R52の一端は、トランジスタTR51のベースに接続され、他の一端は、日射センサ312に接続されている。トランジスタTR51のエミッタは、イグニッション電源IGに接続され、コレクタはダイオードD22のアノードに接続されている。
日射センサ312は、車両の周囲の明暗を検出するセンサである。日射センサ312は、車両の周囲の明るさが所定の閾値以上になったこと、または、所定の閾値未満になったことを検出したとき、その旨をCAN通信によりCPU331に通知する。
また、日射センサ312から駆動積分回路332への出力信号は、車両の周囲の明るさが所定の閾値以上のときハイになり、所定の閾値未満のときローになる。従って、駆動積分回路332のトランジスタTR51は、日射センサ312の出力信号がハイのとき、すなわち、車両の周囲の明るさが所定の閾値以上のときオフし、日射センサ312の出力信号がローのとき、すなわち、車両の周囲の明るさが所定の閾値未満のときオンする。
[ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム301の動作]
次に、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム301の動作について説明する。
(正常時の車載システム301の動作)
まず、車載システム301に異常が発生しておらず正常な場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの動作について説明する。
車載システム301が正常な場合、ヘッドランプSWをオンしたときに加えて、スイッチ221−2(以下、オートライトSWと称する)がオンしているときに、車両の周囲が暗くなったときに、ヘッドランプ213が点灯する。
具体的には、CPU331は、オートライトSWがオンされている場合、車両の周囲の明るさが所定の閾値未満になったことを日射センサ312から通知されたとき、出力端子1から点灯指令信号を出力する(点灯指令信号をハイレベルに設定する)。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。
一方、CPU331は、オートライトSWがオンされている場合、車両の周囲の明るさが所定の閾値以上になったことを日射センサ312から通知されたとき、出力端子1から点灯指令信号の出力を停止する。これにより、ヘッドランプ213が消灯する。
従って、ヘッドランプSWがオンされている場合、車両の周囲の明るさに連動して、ヘッドランプ213が自動的に点灯または消灯する。
なお、この場合、CPU331が正常に動作しており、CPU331から駆動積分回路332に状態信号が入力され、トランジスタTR21がオン状態となる。従って、トランジスタTR51の状態に関わらず、駆動積分回路332から異常時点灯指令信号は出力されない。
(通信不良時の車載システム301の動作)
次に、通信線214の断線、天絡、地絡、コンビネーションSW211の異常等により、コンビネーションSW211とBCM311との間に通信不良が発生した場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム301の動作について説明する。なお、BCM311は正常に動作しているものとする。
CPU331は、入力端子の入力電圧に基づいて、イグニッション電源IGがオンされているか否かを検出する。そして、CPU331は、イグニッション電源IGのオンを検出している間、日射センサ312から車両の周囲の明るさが所定の閾値未満になったことを通知されてから、車両の周囲の明るさが所定の閾値以上になったことを通知されるまで、出力端子1から点灯指令信号を出力する(点灯指令信号をハイレベルに設定する)。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。一方、CPU331は、イグニッション電源IGのオフを検出している間、点灯指令信号の出力を停止する(点灯指令信号をローレベルに設定する)。これにより、ヘッドランプ213が消灯する。
従って、通信不良が発生している場合には、イグニッション電源IGおよび車両の周囲の明るさに連動して、ヘッドランプ213の点灯/消灯が制御される。
なお、この場合も、上述した正常時の場合と同様に、CPU331が正常に動作しており、CPU331から駆動積分回路332に状態信号が入力され、トランジスタTR21がオン状態となる。従って、トランジスタTR51の状態に関わらず、駆動積分回路332から異常時点灯指令信号は出力されない。
(CPU331に異常が発生した場合の車載システム301の動作)
次に、BCM311のCPU331に暴走や突然の停止等の異常が発生した場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム301の動作について説明する。なお、この場合、コンビネーションSW211とBCM311との間の通信不良の発生の有無に関わらず、同じ動作が行われる。
この場合、ヘッドランプSWの状態、オートライトSWの状態、および、イグニッション電源IGの状態に関わらず、CPU331から点灯指令信号が出力されなくなるため、CPU331からの指令により、ヘッドランプ213を点灯させることはできない。
また、CPU331の異常により、CPU331から状態信号が出力されなくなる。その結果、駆動積分回路332のコンデンサC22の蓄積電荷量が減少し、蓄積電荷量が所定の閾値未満になり、B点の電圧が閾値th未満になったとき、トランジスタTR21がオフする。
一方、トランジスタTR51は、上述したように、日射センサ312の出力信号がハイのときオフされ、ローのときオンする。
従って、トランジスタTR21がオフ状態かつトランジスタTR51がオン状態になり、イグニッション電源IGがオン状態の場合、イグニッション電源IGからの電力が、ダイオードD22および抵抗R12を介して、ハイサイドドライバ234に入力される。すなわち、ハイサイドドライバ234に異常時点灯指令信号が入力される(異常時点灯指令信号がハイレベルに設定される)。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。
その後、CPU331が正常な状態に戻り、CPU331から状態信号の出力が再開され、所定の数(例えば、2つ)の状態信号のパルスが駆動積分回路332に入力されると、トランジスタTR21がオンする。その結果、駆動積分回路332からの異常時点灯指令信号の出力が停止する。
従って、CPU331に異常が発生してから、CPU331が正常な状態に戻るまでの間、イグニッション電源IGおよび車両の周囲の明るさに連動して、ヘッドランプ213の点灯/消灯が制御される。
以上のように、車載システム301では、コンビネーションSW211とBCM311との間に通信不良が発生したり、CPU331に異常が発生したりしても、ヘッドランプ213を確実に点灯させることができる。
<2.変形例>
以下、本発明の実施の形態の変形例について説明する。
上述したBCMの回路構成は、その一例であり、適宜変更することが可能である。
例えば、バイポーラトランジスタの代わりにFET(Field Effect Transistor)を用いるようにしてもよい。さらに、以上の説明では、駆動積分回路233および駆動積分回路332をトランジスタ等の回路素子で構成する例を示したが、例えば、これらと同様の機能を有するIC回路を用いてもよい。
また、回路構成の変更に合わせて、各信号の正論理と負論理を逆にしたり、パルス信号を連続信号に変更したり、連続信号をパルス信号に変更したりすることが可能である。
さらに、以上の説明では、スイッチ221−1乃至221−nとBCM212またはBCM311の間にCPU222を設け、CPU222がBCM212またはBCM311と通信を行う例を示したが、本発明は、通信線を介してスイッチを直接BCM212またはBCM311に接続し、スイッチとBCM212またはBCM311が直接通信する場合にも適用することができる。
また、車載システム301の日射センサ312とCPU331との間の通信には、CAN通信以外の任意の通信方式(例えば、アナログ通信)を採用することが可能である。
さらに、駆動積分332のトランジスタTR51の代わりに、日射センサ312の出力信号の値に応じて切り換わる他のスイッチング手段を用いるようにしてもよい。
また、本発明は、上述したヘッドランプ以外の車載用の電装部品への電力の供給を制御する場合も適用することができる。
さらに、以上の説明では、通信不良またはCPU異常の発生時に、イグニッション電源IGに連動させてヘッドランプ213を点灯させる例を示したが、例えば、負荷の種類に応じて、他の電源(例えば、アクセサリ電源)に連動させるようにしてもよい。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
101 車載システム
111 操作部
112 負荷制御装置
113 負荷
114 電源
121 第1指令部
122 第2指令部
123 電力供給制御部
201 車載システム
211 コンビネーションスイッチ
212 BCM
213 ヘッドランプ
214 通信線
221−1乃至221−n スイッチ
222 CPU
232 CPU
233 駆動積分回路
234 ハイサイドドライバ
301 車載システム
311 BCM
331 CPU
332 駆動積分回路
C21乃至C23 コンデンサ
TR21,TR51 トランジスタ

Claims (8)

  1. ユーザにより操作される操作部から入力される信号に基づいて、車両の負荷を制御する負荷制御装置において、
    前記操作部からの信号に基づいて、前記負荷への電力供給の第1の指令を行うとともに、自身が正常に動作している場合に所定の動作信号を出力する第1の指令部と、
    前記第1の指令部から前記動作信号の入力がない場合、前記負荷への電力供給の第2の指令を行う第2の指令部と、
    前記第1の指令または前記第2の指令に基づいて、前記負荷への電力の供給を制御する電力供給制御部と
    を備えることを特徴とする負荷制御装置。
  2. 前記第2の指令部は、前記車両が所定の電源供給状態である場合に、前記第2の指令を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の負荷制御装置。
  3. 前記第2の指令部は、前記車両が前記所定の電源供給状態であり、さらに前記車両の周囲の明るさが所定の閾値未満である場合に、前記第2の指令を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の負荷制御装置。
  4. 前記第2の指令部は、前記所定の電源供給状態のときに電力が供給される電力線と接続されており、前記電力線からの電力を前記電力供給制御部に出力することにより前記第2の指令を行う
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の負荷制御装置。
  5. 前記第2の指令部は、前記電力線からの電力の流れを前記電力供給制御部に出力する第1の方向または前記電力供給制御部に出力しない第2の方向に切り換えるスイッチング素子を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の負荷制御装置。
  6. 前記動作信号は、パルス状の信号であり、
    前記第2の指令部は、コンデンサを備えた積分回路を含み、前記動作信号が入力されることにより前記コンデンサに蓄積される電荷量が所定の閾値以上になった場合、前記電力線からの電力が前記第2の方向に流れる状態に前記スイッチング素子が設定される
    ことを特徴とする請求項5に記載の負荷制御装置。
  7. 前記第1の指令部は、前記操作部との間の通信不良を検出した場合、前記車両の前記所定の電源供給状態に基づいて、前記第1の指令を行う
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の負荷制御装置。
  8. 前記車両の所定の電源供給状態は、前記車両のイグニッションがオン状態での電源供給状態である
    ことを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の負荷制御装置。
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