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JP2012215521A - レーザレーダ装置 - Google Patents

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JP2012215521A
JP2012215521A JP2011082139A JP2011082139A JP2012215521A JP 2012215521 A JP2012215521 A JP 2012215521A JP 2011082139 A JP2011082139 A JP 2011082139A JP 2011082139 A JP2011082139 A JP 2011082139A JP 2012215521 A JP2012215521 A JP 2012215521A
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Yuki Kanbayashi
裕樹 神林
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Abstract

【課題】 スキャン周期を必要に応じて制御可能なレーザレーダ装置を提供する。
【解決手段】 近距離ターゲットが有るか否かを判断し(S150)、近距離ターゲットがある場合(S150:YES)、測距時間要因を変更設定する(S160)。具体的には、通常時よりも、レーザ光の出射間隔である「発光間隔」を短くし、また、同一探査領域からの反射光の「受光回数」を減らすようにする。そして、設定された測距時間要因で測距を行い(S100)、ターゲットの位置を取得し(S110)、ターゲットの速度を算出して(S120)、データを更新する(S130)。つまり、非可動の配光器を用いて探査領域へ並行してレーザ光を照射するようにし、レーザ光の出射間隔及び反射光の受光回数を変更することで、探査に要する時間を変更する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、車両周辺の物体を検知するレーザレーダ装置に関する。
従来、車両走行に係る安全性を向上させる等の目的で、車両周辺の物体を検知するレーザレーダ装置を搭載した車両がある。具体的には、レーザレーダ装置により、車両前方の先行車との距離を測って追従走行を行う技術や、車両前方の障害物を検出して制動を行う技術が知られている。
ところで、近年では、見通しの悪い交差点での出会い頭事故が多くなっている。そこで、車両進行方向だけでなく車両進行方向に対し左右方向にもレーザ光を照射し、見通しの悪い交差点において運転者の目視による確認をレーザレーダ装置にて補助することが求められている。
例えば車両進行方向の所定角度範囲を走査するレーザ光の一部を、反射鏡にて左右方向へ振り分けるようにした装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図10に示すように、この装置100は、発光部101から周期的にポリゴンミラー104に向けてレーザ光がパルス出力され、発光部101のパルス出力に同期してポリゴンミラー104が回転する。これにより、ポリゴンミラー104にて反射されるレーザ光が前方の所定角度範囲に照射され、反射鏡102,103で左右方向へ振り分けられる。
特開2009−103482号公報(図1)
ところで、例えば見通しの悪い交差点などに差し掛かった際、歩行者、他車両あるいは建造物等の物体が、自車両に近接した位置に突然検知されることが考えられる。この場合、当該物体が自車両に接触するか否かを迅速に判断する必要がある。特に移動している人などを電柱などの固定物と区別し、さらにその速度、方向を迅速に検知する必要がある。
また、例えば交差点で停車しているような場合にも、自車両の前方に位置する先行車の発進を迅速に検知することができれば、アイドリングストップ車などでは即座にエンジン始動ができる等、運転支援などの観点でメリットが大きい。
これらの状況を判断するためには、近接している物体の移動速度を迅速に検出することが重要となる。そこで、考えられるのは、レーザレーダ装置が物体を検知する周期(以下「スキャン周期」という)を短くすることである。
しかしながら、上記特許文献1では、ポリゴンミラー104が発光部101のパルス出力に同期して回転する構成であるため、スキャン周期を途中で変更する場合、発光部101のパルス出力間隔を小さくすると共に、ポリゴンミラー104の回転速度をそれに同期させる必要がある。結果として、ポリゴンミラー104の回転速度が安定するまでの間は、物体の適切な検知が困難になる虞があり、スキャン周期の変更に要する時間が大きくなることが懸念される。また、ポリゴンミラー104による走査において、そのスキャン周期は、ポリゴンミラー104の回転周期の方がパルス出力間隔よりも長いため、ポリゴン
ミラー104の回転周期により決定される。このためポリゴンミラー104の回転周期以上にスキャン周期を早めることはできない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、スキャン周期を必要に応じて制御可能なレーザレーダ装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するためになされた請求項1に記載のレーザレーダ装置は、車両周辺の物体を検知するものであり、出射手段がレーザ光を出射し、探査領域へ照射されたレーザ光の反射光を受光手段が受光する。
このとき、出射手段にて出射されるレーザ光を常時一定方向へ配光する非可動の配光手段によって、車両周辺の予め定められた探査領域へ一括してレーザ光が照射される。つまり、ポリゴンミラーの回転によりレーザ光を走査する従来構成とは異なり、「非可動の」配光手段により、探査領域全域へレーザ光が照射されるのである。
ここで特に、制御部は、受光手段にて受光される反射光に基づき物体を検知する。また、この制御部により、出射手段にて出射されるレーザ光の出射間隔が変更されることで探査領域の探査に要する探査時間が変更される。
つまり、本発明では、非可動の配光器を用いて探査領域へ並行してレーザ光を照射するようにし、レーザ光の出射間隔を変更することで、探査時間を変更することを可能にしたのである。このようにすれば、探査領域における探査時間を簡単に変更できるため、スキャン周期を必要に応じて制御することができる。
例えば請求項2に示すように、制御手段は、車両周辺の物体までの距離が所定距離以下になった場合、レーザ光の出射間隔を通常時よりも短くすることが例示される。このようにすれば、例えば狭い路地などを走行する場合に、探査時間が自動的に短くなり、スキャン周期が短くなる。その結果、移動している人などを電柱などの固定物と区別し、その速度や方向を迅速に検知することができる。
また例えば請求項3に示すように、制御手段は、車両周辺の物体までの距離が所定距離以下になることを判断すると、レーザ光の出射間隔を通常時よりも短くすることが例示される。この場合、未来の時点で車両に近接する物体が現れることを判断し、前もってスキャン周期を短くする。例えば、現時点では車両周辺に近接する物体(例えば路地の壁など)は存在しないが、近い将来、車両が狭い路地に差し掛かるという場合である。このようにすれば、予めスキャン周期が短く変更されるため、突如出現する物体を迅速に検知することに寄与する。
ところで、レーザレーダ装置では、検知する物体が遠方に位置する場合、物体からの反射光の強度が小さくなる。そこで、請求項4では、制御手段は、出射手段から同一探査領域に対して繰り返し出射されるレーザ光により受光手段にて受光される当該同一探査領域からの複数の反射光に基づいて物体を検知する。そして、このような前提の下、同一探査領域からの受光回数を変更することによって、探査時間を変更する。
例えば、図4(a)に示すように、パルス状のレーザ光(記号Pで示した)を出力すると、ノイズ成分(記号Rで示した)を含む物体からの反射光(記号Qで示した)が検出される。このとき図4(b)に示すように、このような発光及び受光を同一の探査領域について繰り返し、N(例えば「16」)回分の反射光の信号を積分する(足し合わせる)。これにより、物体からの反射光がN倍され、かつノイズ成分がランダムノイズ成分である
とするとこれはルートN倍となることになり、より遠方の物体を検知することができる。
一方、近距離にある物体については、より少ないM(1≦M<N)回分の反射光に基づき、例えば1回分の反射光であっても、物体からの反射光が十分に検出可能になる。そこで、この同一探査領域からの受光回数を減らすことにより、探査時間を短くするのである。このようにすれば、スキャン周期を比較的簡単に短くすることができる。
具体的には、請求項5に示すように、受光手段による反射光の強度が所定強度以上になると、受光回数を減らすように変更することが考えられる。反射光の強度が所定強度以上になっている場合には、物体からの反射光が十分に検出可能な状態だからである。このようにすれば、適切な状況下で、スキャン周期を短縮することができる。
また、請求項6に示すように、制御手段は、検知される物体との距離が所定距離以下になった場合、受光回数を減らすように変更することが考えられる。このようにすれば、レーザ光の出射間隔と同様、例えば狭い路地などを走行する場合に、探査時間が自動的に短くなり、スキャン周期が短くなる。その結果、移動している人などを電柱などの固定物と区別し、その速度や方向を迅速に検知することができる。
さらにまた、請求項7に示すように、制御手段は、車両周辺の物体までの距離が所定距離以下になることを判断すると、受光回数を減らすように変更することが考えられる。この場合、上述したレーザ光の出射間隔の制御と同様、未来の時点で車両に近接する物体が現れることを判断し、同一探査領域からの受光回数を前もって減らすことでスキャン周期を短くする。例えば、現時点では車両周辺に近接する物体(例えば路地の壁など)は存在しないが、近い将来、車両が狭い路地に差し掛かるという場合である。このようにすれば、予めスキャン周期が短く変更されるため、突如出現する物体を迅速に検知し、その移動速度及び方向を検知することに寄与する。
なお、レーザレーダ装置の探査時間を自動制御することについて述べたが、例えば請求項8に示すように、制御手段は、ユーザ指示に基づき、探査時間を通常時よりも短くすることとしてもよい。これにより、例えば、住宅街、夜間、夕暮れ時など運転者によるターゲット認識が遅れそうな状況で、スキャン周期を短くすることができる。
ところで、レーザ光の照射方向について、請求項9に示すように、配光手段は、車両の進行方向に対し左右方向の予め定められた探査領域へ並行してレーザ光を照射することが考えられる。このようにすれば、例えば見通しの悪い交差点などに差し掛かった際、歩行者、他車両あるいは建造物等の物体が、自車両に近接した位置に突然検知されるような場合に有効である。
また、レーザ光の照射方向について、請求項10に示すように、配光手段は、車両の進行方向の予め定められた探査領域へ並行してレーザ光を照射することが考えられる。このようにすれば、例えば交差点で停車しているような場合にも、自車両の前方に位置する先行車の発進を迅速に検知することができ、アイドリングストップ車などでは即座にエンジン始動ができる等、運転支援などの観点でメリットが大きい。
ところで、探査領域の一部の領域についてのみスキャン周期を制御できる構成にしてもよい。すなわち、請求項11では、出射手段が、複数の光源からレーザ光を出射し、受光手段が、探査領域へ照射された複数の光源からのレーザ光の反射光を個別に受光する。そして、制御手段により、探査領域のうち一部の領域の探査に要する時間が変更される。この場合、一部の領域に対するレーザ光の出射間隔を変更したり、一部の領域からの反射光の受光回数を変更したりすればよい。
なお、運転支援という観点から、請求項12に示すように、制御手段にて検知される物体が移動物であるか否かを判定する移動物認識手段をさらに備える構成にしてもよい。このようにすれば、検知される物体が移動物であるか否かがレーザレーダ装置にて判定されるため、移動物の迅速な判断を行うことができる。この場合、請求項13に示すように、移動物報知手段によって、移動物認識手段による判定結果に基づく報知が行われることとしてもよい。このようにすれば、移動物であるか否かを判定した後の報知も迅速になり、運転支援に寄与する。
また、運転支援という観点から、請求項14に示すように、制御手段にて検知された物体の移動速度に基づき、自車両との衝突可能性を判定する衝突判定手段をさらに備える構成にしてもよい。このようにすれば、検知される物体との衝突可能性がレーザレーダ装置にて判定されるため、衝突可能性の迅速な判定を行うことができる。この場合、請求項15に示すように、衝突報知手段によって、衝突判定手段による判定結果に基づく報知が行われることとしてもよい。このようにすれば、衝突可能性を判定した後の報知も迅速になり、運転支援に寄与する。
レーザレーダ装置の探査領域を模式的に示す説明図である。 レーザレーダ装置の概略構成を示すブロック図である。 配光器の構成及び作用を示す説明図である。 (a)はパルス出力されるレーザ光とターゲットからの反射光とを示す説明図であり、(b)は複数の反射光の足し合わせ(積分)を示す説明図である。 スキャン処理を示すフローチャートである。 報知処理を示すフローチャートである。 スキャン処理の具体例を示す説明図である。 別実施形態を示す説明図である。 別実施形態における効果を示すための説明図である。 従来技術の構成を示す説明図である。
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、レーザレーダ装置1の探査領域を模式的に示す説明図である。
図1に示すように、レーザレーダ装置1は、車両フロント部分に設置される。レーザレーダ装置1の探査領域は、2つ存在し、車両進行方向の左側の左探査領域SL及び、車両進行方向右側の右探査領域SRからなる。両探査領域SL,SRは、レーザレーダ装置1からのレーザ光により形成される領域である。
図2(a)は、レーザレーダ装置1の概略構成を示すブロック図である。
図2(a)に示すように、レーザレーダ装置1は、制御部10と、探査器20とを備えている。制御部10は、いわゆるコンピュータシステムとして構成されており、CPU、RAM、ROM、I/O及びこれらを接続するバスラインなどで構成されている。この制御部10によって、探査器20が制御される。
ここで探査器20の構成について説明を加える。図3は、探査器20の構成および動作を示す説明図であり、(a)が上面図(照射側の説明図)、(b)が右側側面図、(c)が下面図(受光側の説明図)である。
探査器20は、図3に示すように、光源21、受光部22、配光器23、及び、レンズ部24を備えている。
光源21は、レーザ光を出射するためのものであり、レーザダイオードにより構成され
ている。ここでレーザダイオードアレイなどの複数の光源を用いても良い。以下では、光源21から照射されるレーザ光の光軸JCに沿った方向を前後方向(図3の上下方向)、前後方向に直交する方向を横方向(図3(a),(c)の左右方向,図3(b)の紙面と直交する方向)、前後方向および横方向のいずれにも直交する方向(図3(a),(c)の紙面と直交する方向、図3(b)の左右方向)を上下方向という。
受光部22は、レーザ光の反射光を受光する構成である。具体的には、PDなどの受光素子からなる。この受光素子はアレイ状に配置されたものであってもよい。
配光器23は、光源21から照射されるレーザ光の光路を変更すると共に、レーザ光の反射光を受光部22へ導くためのものである。この配光器23は、三角形状に形成されたプリズム型ミラーからなり、三角形の一頂点を通る中心線が光源21から照射されるレーザ光の光軸JCと一致するように配置されている。かかる構成により、光源21から照射されたレーザ光は、図3(a)に示すように、上記頂点を挟んだ二つの面に当たって反射することにより分岐し、横方向に沿って互いに逆方向へ向かう。これにより、左探査領域SLを形成する左照射光及び右探査領域SRを形成する右照射光が生成される。反対に、図3(c)に示すように、横方向から配光器23へ到来するレーザ光の反射光は、受光部22へ向かう。
レンズ部24は、光源21から配光器23までの光路上に配置されている。具体的に、レンズ部24は、図3(b)に示すように、光源21からのレーザ光のビーム幅を絞る作用を有するレンズで構成された照射レンズ群24aと、照射レンズ群24aと同様に構成され、照射レンズ群24aの下方に配置された受光レンズ群24bとからなる。受光レンズ群24bは、照射光の反射光を、受光部22に導く光路を形成する。受光レンズ群24bにて受光部22に導かれる反射光は、その到来方向に対応した位置に結像する。
このように、配光器23を用いて右照射光及び左照射光を形成するため、従来技術のようにレーザ光を走査する構成とは異なり、光源21からのレーザ光の出射によって、所定範囲の領域へ並行してレーザ光が照射されることになる。
ここで図2の説明に戻る。
上述した制御部10には、さらに、入力部31、センサ群32、カメラ部33、スピーカ34、ランプ35、及び、車両ECU36が電気的に接続されている。
入力部31は、ユーザの入力情報を取得するための構成である。具体的には、各種押しボタン式スイッチやタッチパネルなどとして具現化される。センサ群32は、各種センサから構成される。本実施形態では、車速センサからの車速情報が入力される。また、ステアリングの操舵角情報が入力される。カメラ部33は、自車両周辺を撮像するための構成である。スピーカ34は、聴覚を介したユーザへの報知を可能とする構成である。ランプ35は、視覚を介したユーザへの報知を可能とする構成である。なお、車両ECU36には、後述する衝突判定の結果に従い、車両制御を行うための信号出力がなされる。
次に、光源21から出射されるレーザ光と受光部22で受光される反射光の関係について説明する。
光源21からのレーザ光の出射タイミングは、制御部10によって制御される。図4(a)では、記号Pで示すようなパルス状のレーザ光が出射された後、反射光が受光される様子を模式的に示している。
このとき、ターゲットからの反射光は、記号Qで示すように、閾値Vdを越える山部として現れる。そして、この反射光の山部とレーザ光との時間間隔Δtを測定することによ
り、ターゲットまでの距離が測定される。
ところが、ターゲットとの距離が大きくなるほど、ターゲットからの反射光の強度が小さくなり、記号Qで示すような山部が検出しにくくなる。そこで、光源21による発光を、同一の探査領域SL,SRに対し、設定回数だけ繰り返す。これにより、同一の探査領域SL,SRに対して、設定回数分の反射光が受光される。これを模式的に示すのが、図3(b)である。
そして、N(例えば「100」)回分の反射光のデータを積分する(足し合わせる)。これにより、ターゲットからの反射光は、N倍される。一方、記号Rで示すノイズ成分は、ランダムノイズであることが多いため、ルートN倍される。これにより、より遠くのターゲットまで検出可能となるが、このような手法を用いると、レーザ光が同一の探査領域SL,SRにN回繰り返し照射されてはじめて、探査領域SL,SR内のターゲットがスキャンされることになる。
ここでスキャン周期を短くすることが出来れば、ターゲットの位置及び移動速度を迅速に取得可能となる。
そこで、本実施形態では、所定条件成立時に、レーザ光の出射間隔(図4(b)中に記号Sで示した時間)を短くする。例えば、ターゲットからの反射光の有無や強度に基づいて、レーザ光の出射間隔を短くすることが考えられる。また、所定条件成立時に、同一探査領域SL,SRからの反射光の受光回数を減らす。すなわち積分する反射光のデータを減らす。例えば近距離にターゲットがある場合には、通常時の設定回数N回よりも少ない設定回数M(1≦M<N)回にするという具合である。近距離ターゲットからの反射光は、その強度が十分なものになるからである。なお、設定回数Mが「1」のときは、積分処理は行われない。
以下、レーザ光の出射間隔を「発光間隔」といい、積分される反射光の受光回数を「受光回数」という。また、これら「発光間隔」及び「受光回数」を合わせて「測距時間要因」という。
次に、制御部10が実行するスキャン処理を図5に基づき説明する。スキャン処理は、例えば自車両のIGスイッチがオンにされると自動的に、あるいは、専用のスイッチが手動によってオンにされると、繰り返し実行される。
最初のS100では、設定された測距時間要因で測距を行う。測距時間要因は、後述するS160又はS170で設定される。なお、測距時間要因が設定されていない場合は、通常時の測距時間要因がデフォルトとして使用され測距が行われるものとする。
続くS110では、ターゲットの位置を取得する。この処理は、S100による測距の結果に基づき、自車両に対するターゲットの相対位置を検出するものである。
次のS120では、ターゲットの速度を取得する。この処理は、過去に取得されたターゲットの相対位置と今回取得されたターゲットの相対位置とに基づき、ターゲットの移動速度を算出するものである。
続くS130では、データを更新する。この処理は、ターゲットの情報(位置や速度)を更新して記憶するものである。
次のS140では、報知処理を実行する。この報知処理については後述する。
続くS150では、近距離ターゲットが有るか否かを判断する。ここでは、予め定められた距離以下にターゲットが存在する場合に肯定判断される。ここで近距離ターゲットが
有ると判断された場合(S150:YES)、S160にて測距に要する時間が短くなるように測距時間要因を変更設定し、その後、スキャン処理を終了する。ここでの変更は、発光間隔を短くし、また、受光回数を減らすものである。これにより、次にスキャン処理が実行されると、S100では、変更設定された測距時間要因で測距が行われる。一方、近距離ターゲットが無いと判断された場合(S150:NO)、S170にて測距時間要因を通常時のものに設定し、スキャン処理を終了する。
つまり、S160にて測距時間要因を変更することで、S100の測距に要する時間が短縮されるのである。これにより、スキャン処理の実行間隔が短くなり、スキャン周期が短縮される。
なお、S160の処理は、予め定められた測距時間要因を設定する処理としてもよいし、都度、各種条件に基づいて算出した測距時間要因を設定する処理としてもよい。
次にS140の報知処理について説明する。図6は、報知処理を示すフローチャートである。
最初のS141では、ターゲットが移動中か否かを判断する。ここでは、図5中のS120においてターゲットの速度が「0」を越えている場合に肯定判断される。ここでターゲットが移動中であると判断された場合(S141:YES)、S142へ移行する。一方、ターゲットが移動中でないと判断された場合(S141:NO)、以降の処理を実行せず、報知処理を終了する。
S142では、車速を取得する。この処理は、自車の車速を取得するものであり、具体的には、図2中のセンサ群32から得られる車速情報に基づくものである。
続くS143では、操舵角を取得する。この処理は、自車の操舵角を取得するものであり、具体的には、図2中のセンサ群32から得られるステアリングの操舵角情報に基づくものである。
次のS144では、衝突可能性が有るか否かを判断する。この処理は、ターゲットの移動速度及び、S142及びS143にて取得される情報に基づく自車の速度及び方向から、衝突の可能性を判断するものである。ここで衝突可能性が有ると判断された場合(S144:YES)、S145にて衝突可能性が有ることを報知し、その後、報知処理を終了する。衝突可能性の報知は、図2中のスピーカ34及びランプ35を用いて行う。一方、衝突可能性がないと判断された場合(S144:NO)、S145の処理を実行せず、報知処理を終了する。なお、衝突可能性が有ると判断された場合、図2中の車両ECU36へ信号出力することで、緊急停止や減速の補助などの車両制御を行う。
以上説明したスキャン処理によれば、最初は、通常時の測距時間要因で測距を行うのであるが(図5中のS100)、例えば図7に示すように自車両に近い壁41に沿って走行しはじめると、近距離ターゲット有りと判断され(S150:YES)、測距に要する時間を短くするよう測距時間要因が変更設定される(S160)。これにより、その後は、変更設定された測距時間要因での測距が行われることになり(S100)、スキャン周期が短くなる。したがって、例えば壁41の傍に物体42が出現した場合であっても、物体42の位置及び速度が迅速に取得される(S110,S120)。これにより、迅速に物体42に関する報知処理が実現される。
次に、レーザレーダ装置1の発揮する効果を説明する。
本実施形態では、近距離ターゲットが有るか否かを判断し(図5中のS150)、近距離ターゲットがある場合(S150:YES)、測距時間要因を変更設定する(S160)。具体的には、通常時よりも、レーザ光の出射間隔である「発光間隔」を短くし、また
、同一探査領域からの反射光の「受光回数」を減らすようにする。そして、設定された測距時間要因で測距を行い(S100)、ターゲットの位置を取得し(S110)、ターゲットの速度を算出して(S120)、データを更新する(S130)。つまり、本実施形態では、非可動の配光器20(図3等参照)を用いて探査領域へ並行してレーザ光を照射するようにし、レーザ光の出射間隔を変更することで、探査時間を変更することを可能にしたのである。これにより、探査領域における探査時間を簡単に変更できるため、スキャン周期を必要に応じて制御することができる。
また、本実施形態では、近距離ターゲットがある場合(図5中のS150:YES)、発光間隔を短くし、同一探査領域からの受光回数を減らしている(S160)。これにより、例えば狭い路地などを走行する場合に、探査時間が自動的に短くなり、スキャン周期が短くなる。その結果、移動している人などを電柱などの固定物と区別し、その速度や方向を迅速に検知することができる。また、同一探査領域からの受光回数を減らすことにより探査時間を短くするため、スキャン周期を比較的簡単に短くすることができる。
さらにまた、本実施形態では、図1に示したように、車両の進行方向に対し左右方向の予め定められた探査領域SL,SRへ並行してレーザ光が照射される。これにより、例えば見通しの悪い交差点などに差し掛かった際、歩行者、他車両あるいは建造物等のターゲットが、自車両に近接した位置に突然検知されるような場合に有効である。
また、本実施形態では、ターゲットが移動中であるか否かが判断され(図6中のS141)、ターゲットが移動中であれば(S141:YES)、自車の車速が取得され(S142)、自車の操舵角が取得されて(S143)、衝突可能性が判定される(S144)。
そして、衝突可能性がある場合(S144:YES)、衝突する可能性が有ることが報知される(S145)。これにより、検知されるターゲットとの衝突可能性がレーザレーダ装置1にて判定されるため、衝突可能性の迅速な判定を行うことができる。また、衝突可能性を判定した後の報知も迅速になり、運転支援に寄与する。
ところで、本実施形態では、衝突可能性が有ることを報知する構成としたが、ターゲットが移動している場合に、ターゲットが移動していることを報知するようにしてもよい。
なお、本実施形態におけるレーザレーダ装置1が「レーザレーダ装置」を構成し、光源21が「出射手段」を構成し、受光部22が「受光手段」を構成する。また、配光器23、右レンズ部24及び左レンズ部25が「配光手段」を構成し、探査領域SL,SRが「探査領域」に相当し、ターゲットが「物体」に相当する。さらにまた、制御部10が「制御手段」、「移動物認識手段」及び「衝突判定手段」を構成し、制御部10、スピーカ34及びランプ35が「衝突報知手段」を構成する。なお、制御部10、スピーカ34及びランプ35を「移動物報知手段」として構成することもできる。
また、図5中のS100〜130及びS150〜170の処理が「制御手段」の機能としての処理に相当し、図5中のS140の処理中、図6中のS141の処理が「移動物認識手段」の機能としての処理に相当し、S142〜S144の処理が「衝突判定手段」の機能としての処理に相当し、S145の処理が「衝突報知手段」の機能としての処理に相当する。
以上、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施可能である。
(イ)上記実施形態では、図1等に示したように、車両の進行方向に対し左右方向の予め定められた範囲へレーザ光を照射するものであり、左探査領域SL及び右探査領域SR
を探査するものであった。
これに加え、図8(a)に示すように、車両の進行方向の予め定められた範囲へレーザ光を照射する構成とし、左探査領域SL及び右探査領域SRに加え、前方探査領域SCを探査するレーザレーダ装置2としてもよい。この場合、探査器20の光源21から出射されるレーザ光を3方向に分岐させるように探査器を設計してもよいし、探査器20とは別に前方探査領域SCへレーザ光を照射する新たな探査器を追加してもよい。また、左探査領域SL及び右探査領域SRに代え、図8(b)に示すように、前方探査領域SCのみを探査するレーザレーダ装置3としてもよい。これらの構成では、探査領域SCが「探査領域」に含まれる。
このように前方探査領域SCを探査する構成では、例えば図9に示すような自車に対する先行車の位置及び速度を迅速に取得することができる。これにより、エンジン始動のアシストを迅速に行ったり、自車の誤発進やブレーキペダルの緩みによる先行車への接近などを迅速に把握したりすることができ、各種の運転支援システムの応答性を向上させることができる。
(ロ)上記実施形態では、図5に示したスキャン処理において、近距離ターゲットが実際に出現したときに(S150:YES)、測距時間要因を変更していた(S160)。これに対し、未来の時点で近距離ターゲットが出現することを予測し、測距時間要因を予め変更してもよい。
未来の時点で近距離ターゲットが出現することを予測するためには、例えば、上記(イ)で言及した前方探査領域SCを探査する構成を採用することが考えられる。また、図2に示したカメラ部33によって撮像される画像から、未来の時点でのターゲットの接近を予測するようにしてもよい。
(ハ)上記実施形態では図5に示したスキャン処理において、測距時間要因としての「発光間隔」及び「受光回数」の両方を変更しているが、「発光間隔」のみまたは「受光回数」のみを変更する構成としてもよい。
また、「受光回数」は、受光される反射光の強度が所定強度以上となった場合に減らすような構成としてもよい。反射光の強度が所定強度以上になっている場合には、ターゲットからの反射光が十分に検出可能だからである。このようにすれば、適切な状況下で、スキャン周期を短縮することができる。
(ニ)上記実施形態では、図5に示したスキャン処理において、近距離ターゲットが有るか否かを判断し、自動的に、測距時間要因を変更するようにしていた。このような構成に代えあるいは加え、ユーザの指示によって測距時間要因を変更するようにしてもよい。例えば図2中の入力部31を介した指示により、測距に要する時間が短くなるよう測距時間要因が変更されるという具合である。これにより、例えば、住宅街、夜間、夕暮れ時など運転者によるターゲット認識が遅れそうな状況などで、スキャン周期を短くすることができる。
(ホ)また、図5に示したスキャン処理では、スキャン処理が繰り返される度に近距離ターゲットの有無が判断され(S150)、測距時間要因が変更される(S160,S170)。したがって、例えば自車両の走行方向に沿って立木などが並んでいるような場合、立木を検出した場合はスキャン周期が短くなり、立木を検出しなかった場合はスキャン周期が長くなるということが生じ得る。そこで、測距時間要因が変更された場合、その後近距離ターゲットがないと判断された場合でも、所定時間が経過するまでは通常時の測距
時間要因を設定しない構成としてもよい。
(へ)上記実施形態では制御部10にセンサ群32及びカメラ33が接続された構成を例示したが(図2(a))、図2(b)に示すように、入力部31、スピーカ34及びランプ35が電気的に接続された制御部11を有する自車両の情報が入力されないレーザレーダ装置4として構成してもよい。この場合、図6中のS142及びS143を省略した報知処理を実行することが考えられる。つまり、自車両の情報は入力されないものの、ターゲットの情報のみで衝突可能性を判定するようにしてもよい。
(ト)上記実施形態では、例えば図1に示したように、探査領域SL,SRの全体についてスキャン周期を短くする構成に言及した。これに対し、探査領域の一部だけ、例えば探査領域SL,SRのうち探査領域SRだけを対象にしてスキャン周期を短くするようにしてもよい。また例えば、探査領域SL,SRの中の一部の領域だけを対象にしてスキャン周期を短くするようにしてもよい。この場合、レーザダイオードアレイなどの複数の光源を用いて光源21を構成し、かつ、アレイ状に受光素子を配置することで受光部22を構成する。つまり、探査領域の一部の領域に対してのみ個別にレーザ光を照射し個別に反射光を受光できる構成を採用すれば、当該一部の領域に対し、上記実施形態と同様の手法をもって、スキャン周期を制御できる。
1,2,3,4:レーザレーダ装置
10,11:制御部
20:探査器
21:光源
22:受光部
23:配光器
24:レンズ部
31:入力部
32:センサ群
33:カメラ部
34:スピーカ
35:ランプ
36:車両ECU

Claims (15)

  1. 車両周辺の物体を検知するレーザレーダ装置であって、
    レーザ光を出射する出射手段と、
    前記出射手段にて出射されるレーザ光を常時一定方向へ配光する非可動の配光手段であって、車両周辺の予め定められた探査領域へ一括して前記レーザ光を照射する配光手段と、
    前記探査領域へ照射されたレーザ光の反射光を受光する受光手段と、
    前記受光手段にて受光される反射光に基づき物体を検知すると共に、前記出射手段にて出射されるレーザ光の出射間隔を変更することによって前記探査領域の探査に要する時間である探査時間を変更する制御手段と、
    を備えていること特徴とするレーザレーダ装置。
  2. 請求項1に記載のレーザレーダ装置において、
    前記制御手段は、車両周辺の物体までの距離が所定距離以下になった場合、前記レーザ光の出射間隔を通常時よりも短くすること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザレーダ装置において、
    前記制御手段は、車両周辺の物体までの距離が所定距離以下になることを判断すると、前記レーザ光の出射間隔を通常時よりも短くすること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のレーザレーダ装置において、
    前記制御手段は、前記出射手段から同一探査領域に対して繰り返し出射される前記レーザ光により前記受光手段にて受光される当該同一探査領域からの複数の反射光に基づいて物体を検知するよう構成されており、前記同一探査領域からの受光回数を変更することによって、前記探査時間を変更すること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  5. 請求項4に記載のレーザレーダ装置において、
    前記制御手段は、前記受光手段による前記反射光の強度が所定強度以上になると、前記受光回数を減らすように変更すること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  6. 請求項4又は5に記載のレーザレーダ装置において、
    前記制御手段は、前記検知される物体との距離が所定距離以下になった場合、前記受光回数を減らすように変更すること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  7. 請求項4〜6の何れか一項に記載のレーザレーダ装置において、
    前記制御手段は、車両周辺の物体までの距離が所定距離以下になることを判断すると、前記受光回数を減らすように変更すること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載のレーザレーダ装置において、
    前記制御手段は、ユーザ指示に基づき、前記探査時間を通常時よりも短くすること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載のレーザレーダ装置において、
    前記配光手段は、前記車両の進行方向に対し左右方向の予め定められた探査領域へ一括して前記レーザ光を照射すること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載のレーザレーダ装置において、
    前記配光手段は、前記車両の進行方向の予め定められた探査領域へ一括して前記レーザ光を照射すること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載のレーザレーダ装置において、
    前記出射手段は、複数の光源から前記レーザ光を出射し、
    前記受光手段は、前記探査領域へ照射された前記複数の光源からのレーザ光の反射光を個別に受光可能となっており、
    前記制御手段は、前記探査領域のうち一部の領域の探査に要する時間を変更可能であること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  12. 請求項1〜11の何れか一項に記載のレーザレーダ装置において、
    前記制御手段にて検知される物体が移動物であるか否かを判定する移動物認識手段をさらに備えていること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  13. 請求項12に記載のレーザレーダ装置において、
    前記移動物認識手段による判定結果に基づく報知を行う移動物報知手段をさらに備えていること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  14. 請求項1〜13の何れか一項に記載のレーザレーダ装置において、
    前記制御手段にて検知された物体の移動速度に基づき、自車両との衝突可能性を判定する衝突判定手段をさらに備えていること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  15. 請求項14に記載のレーザレーダ装置において、
    前記衝突判定手段による判定結果に基づく報知を行う衝突報知手段をさらに備えていること
    を特徴とするレーザレーダ装置。
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