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JP2012150029A - 振動式トランスデューサおよび振動式トランスデューサの製造方法 - Google Patents

振動式トランスデューサおよび振動式トランスデューサの製造方法 Download PDF

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JP2012150029A JP2011009531A JP2011009531A JP2012150029A JP 2012150029 A JP2012150029 A JP 2012150029A JP 2011009531 A JP2011009531 A JP 2011009531A JP 2011009531 A JP2011009531 A JP 2011009531A JP 2012150029 A JP2012150029 A JP 2012150029A
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Yukimitsu Sekimori
幸満 関森
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Abstract

【課題】振動式トランスデューサの製造工程を簡略化するとともに、簡易にセンサ性能の向上を図れるようにする。
【解決手段】振動子が形成された第1のシリコン基板の振動子形成面側に、絶縁膜を挟んで第2のシリコン基板を接合させる工程と、第2のシリコン基板を、振動子を覆うとともに、振動子の励振または振動周波数検出のための電極として機能するシェルに加工する工程と、シェル内を真空封止する工程とを含む振動式トランスデューサの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、伝送器等に使用される振動式トランスデューサおよび振動式トランスデューサの製造方法に関する。
振動式トランスデューサは、シリコン基板上に形成された振動子の共振周波数の変化を検出することにより印加された物理量を測定する。振動式トランスデューサは、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、共振器等のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスとして伝送器等において広く用いられている。
図15は、従来の振動式トランスデューサの構造を説明する断面図である。本図は、振動式トランスデューサを振動式圧力センサに適用した場合の例である。本図に示すように振動式圧力センサ300は、ダイアフラム302が形成されたシリコン基板301に振動子310が形成され、シェル320により覆われている。シェル320内は、振動子310の機械的Q値を高くするために真空度の高い真空室となっており、酸化膜による封止材330によって封止されている。
特開2007−170843号公報 特開2000−39371号公報
従来の振動式圧力センサ300は、振動子と、振動子を囲む真空室を多層膜によって形成している。このため、製造工程が複雑で、振動子310の上下ギャップ調整も困難である。これにより、センサ特性にばらつきが生じやすく、また、製造コストも高くなっている。
また、静圧が高い環境で測定するためには、シェル320が変形しないように、シェル320を厚膜化して真空室の強度を上げる必要がある。しかし、薄膜を積層して構造を形成しているため、厚膜化が困難であるのに加え、シェル320を厚膜化すると、膜応力の問題が発生する。なお、特許文献2には、多層膜を用いずに圧力センサの真空室を形成することが記載されているが、この真空室における真空は基準圧としての真空である。このため、特許文献2に記載された技術を振動式圧力センサにそのまま適用しても、振動子の振動のために要求される真空度を満足することはできない。
そこで、本発明は、振動式トランスデューサの製造工程を簡略化するとともに、簡易にセンサ性能の向上を図れるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様である振動式トランスデューサの製造方法は、振動子が形成された第1のシリコン基板の振動子形成面側に、絶縁膜を挟んで第2のシリコン基板を接合させる工程と、前記第2のシリコン基板を、前記振動子を覆うとともに、前記振動子の励振または振動周波数検出のための電極として機能するシェルに加工する工程と、前記シェル内を真空封止する工程とを含むことを特徴とする。
ここで、前記第1のシリコン基板に、不純物を拡散することにより犠牲層と前記振動子の層とを形成し、前記犠牲層をエッチングすることにより、前記振動子を形成する振動子形成工程をさらに含むことができる。
あるいは、前記第1のシリコン基板に、凹部を形成し、前記凹部に犠牲層と前記振動子の層とを選択エピタキシャル成長によって成膜し、前記犠牲層をエッチングすることにより、前記振動子を形成する振動子形成工程をさらに含むようにしてもよい。
また、前記振動子形成工程において、前記振動子の層から、前記振動子と電気的に接続するための配線を同時に形成することができる。
また、前記絶縁膜を挟んで第2のシリコン基板を接合させる工程に先立ち、前記絶縁膜を研磨する工程を含むことができる。また、前記シェルに加工する工程は、前記第2のシリコン基板を薄くすることにより行なうことができる。また、前記振動子と前記シェルの対向する面の少なくとも一方に、凸形状を形成する工程をさらに含むことができる。また、前記シェル内を真空封止する工程において、前記振動子と前記シェル内とに接合防止膜が成膜されることができる。
上記課題を解決するため、本発明の第2の態様である振動式トランスデューサは、上述の製造方法により製造されたことを特徴とする。具体的には、ダイアフラムを備えた圧力センサとしたり、ダイアフラムを備えない絶対圧センサとすることができる。
また、振動子が形成された第1の基板と、前記振動子を覆うとともに、前記振動子の励振または振動周波数検出のための電極として機能するシェルとを備え、前記シェルは、前記第1の基板の振動子形成面と少なくとも絶縁膜を挟んで接合された第2の基板を加工することによって形成され、前記振動子の機械的Qを高めるための真空室を形成している振動式トランスデューサとしてもよい。
本発明によれば、振動式トランスデューサの製造工程を簡略化するとともに、簡易にセンサ性能の向上を図れるようになる。
本発明の振動式トランスデューサを振動式センサチップに適用した場合の構造を示す図である。 本実施形態の振動式センサチップの製造方法の概要を示す図である。 振動式センサチップの詳細な製造手順について説明する図である。 振動式センサチップの詳細な製造手順について説明する図である。 封止部を示す図である。 P+層、P++層形成の別例を示す図である。 梁を形成しない状態で貼り合わせ基板を接合する場合について説明する図である。 シェルと配線とを別部材で形成する例を示す図である。 振動子とシェルの接合防止例について説明する図である。 ダイアフラムを形成しない絶対圧センサの構造を示す図である。 振動子の形状例を説明する図である。 駆動電極と検出電極を分けた場合の構造を示す図である。 振動子の駆動方法として圧電駆動を用いた場合の例を示す図である。 振動周波数の検出方法としてピエゾ抵抗素子により検出する方法を説明する図である。 従来の振動式トランスデューサの構造を説明する断面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の振動式トランスデューサを振動式センサチップに適用した場合の構造を示している。また、図1(b)は、図1(a)中のA−Aにおける断面図である。
図1(a)に示すように振動式センサチップ10は、裏面にダイアフラム110が形成されたシリコン基板100に、4本の振動子101(101a、101b、101c、101d)が形成され、2本の振動子を組として2つのシェル102(102a、102b)で覆われている。以下、特に区別する必要がない場合には、振動子101、シェル102と総称する。
シリコン基板100上には、端子として、配線104aを介して振動子101aに接続するためのボンディングパッド103a、配線104bを介して振動子101bに接続するためのボンディングパッド103b、配線104cを介して振動子101cに接続するためのボンディングパッド103c、配線104dを介して振動子101dに接続するためのボンディングパッド103d、配線104eを介してシェル102aに接続するためのボンディングパッド103e、配線104fを介してシェル102bに接続するためのボンディングパッド103f、シリコン基板100の電位を定めるためのボンディングパッド103gが形成されている。以下、特に区別する必要がない場合には、ボンディングパッド103、配線104と総称する。ボンディングパッド103は、Alによって形成されており、配線104は、不純物がドーピングされたシリコン配線である。
図1(b)に示すように、振動子101の周囲には、シリコン基板100とシェル102に囲まれるようにキャビティー107が形成されている。キャビティー107内は、振動子101の機械的Q値を高くするために真空度の高い真空室となっている。すなわち、真空室の真空度を高くすることにより、共振点で振動子が安定に励振する、振動エネルギーの損失が小さくなる等の理由から、振動子101の機械的Q値を高くすることができる。振動子101は、導体となるように、不純物がドーピングされたシリコンにより形成されている。シェル102も、導体となるように不純物がドーピングされたシリコンにより形成されている。
振動子101とシェル102との間には、所定量の静電ギャップが形成されており、振動子101とシェル102とが電極として機能し、ボンディングパッド103から与えられる両電極間の電位差によって静電引力を発生させて振動子101を励振する。そして、励振された振動子101の振動周波数を、振動子101とシェル102との間の静電容量変化によって検出する。静電容量変化は、ボンディングパッド103から取り出される電気信号に基づいて検出することができる。
すなわち、振動子101が形成されたシリコン基板100が受ける圧力が変化すると振動子101の歪が変化し、振動子101の共振周波数が変化する。振動式センサチップ10は、この共振周波数の変化を検出することによって圧力を計測する圧力センサとなっている。ただし、振動子101の励振方式や、振動子101の振動周波数の検出は、種々の方式を用いることができる。
図2は、本実施形態の振動式センサチップ10の製造方法の概要を示す図である。図2(a)に示すP型の振動子101となる両持ち梁を形成したN型シリコン基板100に、図2(b)に示すように、酸化膜の絶縁膜130を介してN型シリコンの貼り合わせ基板120を接合し、図2(c)に示すように、貼り合わせ基板120を加工してシェル102を形成する。
シェル102・振動子101の電極、配線104、基板100は、すべて単結晶シリコンにより形成されており、電気抵抗を下げるために不純物濃度を高くしている。振動子101は、キャビティー107を形成するための犠牲層エッチングの選択比や歪を大きくする意味でも不純物濃度が高く設定される。
このように、本実施形態の振動式センサチップ10は、多層膜積層構造ではなく、貼り合わせ基板120によりシェル102を形成しているため、製造工程を簡略化するとともに、簡易にセンサ性能の向上を図れるようになっている。
絶縁膜130は、シリコン基板100側の接合膜として利用しているが、静電ギャップdの調節にも利用されている。また、この絶縁膜は、振動子101とシェル102とを電気的にアイソレーションする役割も果たしている。
基板接合は、プラズマ処理などで表面を活性化させた接合方法によって行なうことができる。基板接合時に振動子101と貼り合わせ基板120の内側が活性化されることにより、振動子101とシェル102とが接合されるおそれがあるため、図2(d)に示すように、キャビティー107内に膜131を付着させ、活性面を失活させるための接合防止構造としている。
シェル102の厚さは、振動式センサチップ10に圧力が印加された際に破壊されない強度を持たせた厚とすることができ、パターニングが容易となるような厚さに設定されている。
次に、本実施形態の振動式センサチップ10の詳細な製造手順について図3、図4を参照して説明する。図3、図4は、振動式センサチップ10のプロセスフローを略断面図で示したものである。
まず、図3(a)に示すように、N型のシリコン基板100に酸化膜を形成し、酸化膜をパターンニングしてマスクMを形成する。そして、図3(b)に示すように、不純物(ボロン)を拡散し、犠牲層となり振動子下ギャップを生成するP+層と、振動子101および配線104となるP++層とを形成する。
次に、図3(c)に示すように、不純物拡散時にマスクとして使用したマスクMを除去し、酸化膜による絶縁膜130を成膜・パターニングする。絶縁膜130の表面粗さや、段差を除去する研磨も行なう。そして、不純物拡散によって形成されたP+層の一部をエッチング除去して、振動子101を形成する。
ここで、絶縁膜130は、P+層の犠牲層エッチングで振動子101を形成するときのエッチングマスク、貼り合わせ基板120との接合膜、振動子上側ギャップの調節、シェル102と振動子101との間の絶縁膜、P++層とシリコン基板100の表面との段差調整として機能する。
また、絶縁膜130を接合工程よりも前に研磨するのは、不純物拡散によってシリコン基板100に凹凸部ができ、その表面に成膜した絶縁膜130表面にも生じる凹凸形状および表面粗さを小さくするためである。これにより、後の封止時にキャビティー107内に付着する膜を低減することができ、また、貼り合わせ基板120を接合できる面状態とすることができる。研磨方法は、ポリッシングやCMP等により行なうことができる。
このとき、完全に平坦化せずに、わずかな段差を残しておくことができるが、完全に平坦化するようにしてもよい。完全に平坦化することにより、貼り合わせ基板120を接合することで、キャビティー107内が密閉される。この場合の接合方法は、高真空下における表面活性化接合を採用することができ、シリコン基板100と貼り合わせ基板120との接合と同時に真空封止も行なわれることになる。
振動子上側ギャップの調節のための絶縁膜130の厚さの調整は、研磨とフッ酸によるエッチング処理により容易に行なうことができる。この処理によって絶縁膜130に貼り合わせ基板120が接合できる表面粗さとすることができる。
P+層の犠牲層エッチングでは、TMAHやヒドラジン等のアルカリ溶液を使用して、選択エッチングを行なうことができる。また、N型であるシリコン基板100は、電界エッチングによって、陽極酸化保護される。
犠牲層エッチングによって、振動子101が形成されるが、振動子101とボンディングパッド103とが電気的につながるように、配線104として利用される箇所のP+層は、エッチングされないように絶縁膜130によって保護する。振動子101の形成は、従来の積層膜構造のようにキャビティー107内に形成された犠牲層をエッチングするのではなく、犠牲層が露出している状態でエッチングできるため、エッチング処理が容易となる。
次に、図3(d)に示すように、シリコン基板100の絶縁膜130を接合面として、N型シリコン基板である貼り合わせ基板120を接合する。貼り合わせ基板120の接合は、プラズマ処理などで表面を活性化させる接合方法によって行なうことができる。接合後は、熱処理を行ない、接合強度を増すための処理も行なうようにする。ただし、貼り合わせ基板120の接合は、熱接合を用いるようにしてもよい。
貼り合わせ基板120は、高い不純物濃度にドーピングされた単結晶シリコンのみで構成することができ、パターンは形成しない。シリコンウェーハに形成されているオリエンテーションフラットによって、シリコンの結晶方位を所定の方位に合わせる程度で、シリコン基板100との位置を決めることができる。したがって、細かいアライメントの処理の必要がなく、簡素な工程にすることができる。
なお、絶縁膜130と貼り合わせ基板120との間にさらに別の基板を挟んだり、シリコン等の導電性を有する膜を形成するようにしてもよい。また、絶縁膜130は、貼り合わせ基板側120側に形成するようにしてもよい。
次に、図3(e)に示すように、接合した貼り合わせ基板120を、研削研磨して、所望の厚さまで薄くする。薄肉化は、後のシェル102のパターニング時に、エッチング量を減らし、また、加工が容易となるように行なわれる。研削研磨加工は、グラインディング加工によって容易に行なうことができる。ただし、所望厚の貼り合わせ基板120を用いることで、研削研磨工程は省くことができる。また、薄肉化は、エッチング処理やブラスト加工によって行なったり、これらを併用して行なうようにしてもよい。
次いで、図4(a)に示すように、薄肉化された貼り合わせ基板120をパターニングして、シェル102と配線104とを同時に形成する。シェル102を形成するためのパターニングは、ドライエッチングによって行ない、ウエットエッチングによるキャビティー107内への水や薬品の侵入がないようにすることが望ましい。これにより、封止後のシェル102内の真空度を向上することができる。最終的なシェル102の厚さは、研削加工とシェルパターニング時のドライエッチングによって調節することができる。
次に、図4(b)に示すように、CVDにより、キャビティー107を真空封止する。封止工程は、振動子101とシェル102とが接合することを防止するための工程として必要となる。貼り合わせ基板120の接合時にプラズマ処理などによって表面を活性化するが、このときに接合面ではない振動子101とシェル102とが対向する部分も活性化処理が行なわれて活性面が現れる。このため、振動子101とシェル102とが接合してしまうおそれがある。本実施形態では、基板接合した後の工程でCVDによる封止を行なうことで、活性化された振動子101表面やシェル102内面に膜131(図2(d)参照)を付着させて失活させる。これにより、振動子101とシェル102とが接合することを防止している。
また、従来の積層膜構造の製造方法では、キャビティー107内外を結ぶ通路は、犠牲層エッチング用流路として、十分なサイズが必要となっていた。このため、封止時に振動子101に付着する膜が多くなり、振動子101の張力に与える影響が大きくなっていた。これに対し、本実施形態では、振動子101を形成した後に貼り合わせ基板120を接合するため、キャビティー107内外を結ぶ通路を小さくでき、封止時にキャビティー107内に付着する膜131を低減することができる。これにより、振動子101の張力に与える影響を小さくすることができる。なお、封止穴108は、図5(a)中のB−Bに示す箇所の断面図5(b)に示すように、シェル102の端部に設けられている。
次いで、図4(c)に示すように、不要な封止膜を除去し、絶縁膜130をパターニングする。さらに、Al膜を成膜・パターニングして、ボンディングパッド103を形成する。
最後に、図4(d)に示すように、振動子101形成面と反対側の面に凹部を形成し、ダイアフラム110を形成する。
このように、本実施形態の振動式センサチップ10は、複雑な積層膜構造ではなく、貼り合わせ基板120によりシェル102を形成しているため、多くの工程が削減されて容易に制作可能となり製造コストを低減することができる。
また、キャビティー107を形成する前に振動子101の形成ができるため、振動子101の形成が容易となり、歩留が向上する。さらに、振動子101、シェル102の電極を形成する際に、配線104も同時に形成でき、工程の簡略化を図ることができる。これらにより製造コストを一層低減することができる。
また、シェル102を積層膜ではなく、貼り合わせ基板120により形成することで、シェル102の残留応力を低減させることができるとともに、シェル102の厚さを厚くすることが容易となる。これにより、シェル102の破壊強度を上げることができ、振動式センサチップ10の静圧耐圧性能の向上を図ることができる。
さらに、キャビティー107が形成された後には犠牲層エッチングを行なわないため、キャビティー107内につながる経路を小さくでき、封止時にキャビティー107内に付着する膜131を低減することができる。このため、振動子101への膜付着が減少するため、振動子101の張力を高く保つことができ、高圧レンジの振動式センサチップ10を製作することができるようになる。
なお、上記の製造手順では、図3(a)に示したように、シリコン基板100中に、不純物であるボロンを拡散してP+層とP++層とを形成したが、図6(a)に示すようにマスクMが形成された状態から、図6(b)に示すように、シリコン基板100をエッチングして凹部を形成し、P+層、P++層を埋め戻すような選択エピタキシャル成長によって代用してもよい。図6(c)はP+層の成膜を示し、図6(d)はP++層の成膜を示している。ただし、シリコン基板100のエッチングを行なわず、凹部を形成することなく、選択エピタキシャル成長によってP+層、P++層を形成するようにしてもよい。
なお、本発明は上述の製造方法や構造に限られず、種々の変形を適用することができる。例えば、上述の例では、振動子101となる梁を形成したシリコン基板100に、絶縁膜130を介して貼り合わせ基板120を接合したが、図7(a)に示すように、梁を形成しない状態で貼り合わせ基板120を接合するようにしてもよい。
このとき、エッチングして振動子101とするパターンを形成した後、梁を形成しない状態でシリコン基板100と貼り合わせ基板120とを接合し、シェル102を形成してから、図7(b)に示すように、接合基板とした状態で犠牲層134のエッチングを行なう。このような手順で梁を形成すると、絶縁膜130のパターンエッジ部がエッチングにより侵されないため、貼り合わせ基板120を絶縁膜130のパターンエッジ部までしっかりと接合させることが容易となる。
上述の例では、貼り合わせ基板120としてN型のシリコン基板を用いているが、P型シリコン基板を用いるようにしてもよい。N型のシリコン基板を用いた方が、振動子101とシェル102との絶縁抵抗が取りやすいが、P型シリコン基板の方が配線抵抗を容易に小さくでき、ボンディングパッド103とのコンタクト抵抗を容易に小さくすることができる。
また、上述の例では、貼り合わせ基板120からシェル102とシェル102の配線104を形成したが、図8(a)、図8(b)に示すように、配線104を別の部材から形成するようにしてもよい。例えば、シェル102の厚さを厚く設定する場合、ボンディングパッド103などを形成する際に、段差が大きくなることで問題が生じる可能性がある。このような場合に、配線104を別部材で形成することにより段差を小さくして、容易なパターニングを行なえるようになる。また、シェル102と配線104とを同時にパターニングした後、配線104の一部または全部をエッチングする等によって厚さを調整するようにしてもよい。この場合、配線抵抗を考慮するものとする。
上述のように、基板接合時にプラズマ処理などによって表面を活性化するが、このとき、接合面ではない振動子101とシェル102とが対向する部分も活性化処理が行なわれて、活性面が現れる。この活性面は、封止時に形成される膜により失活されるが、封止前に振動子101とシェル102とが接合してしまうおそれがある。
そこで、図9(a)、図9(b)に示すようにシェル102または振動子101に凸形状136、凸形状138を形成したり、図9(c)に示すように、活性化処理をしても接合が困難である接合防止膜132を成膜しておくことが有効である。振動子101とシェル102との接合防止対策が行なわれていれば、CVD成膜による封止工程を省くことができる。
凸形状は、シェル102または振動子101のいずれか一方の一部の箇所に形成すれば十分であるが、振動子101の共振周波数や歪が変化することによりセンサ性能に影響を及ぼす可能性があるため、シェル102側への形成が望ましい。
接合防止膜132は、炭化珪素、DLC(diamond‐like carbon)等を用いることができる。振動子101側に成膜する場合には、上述の理由から、接合防止膜132の残留応力や、適切なパターン形成、形成面積等を考慮する必要がある。
また、1チップ内に配置する振動子101およびシェルの数に制限はない。これらの数を変化させることで、振動式センサチップの小型化や精度の向上等を図ることができる。図10は、振動子101が2個でシェル102が1個の場合を示しており、一方の振動子101をリファレンス振動子として、測定精度を向上させるようにしている。また、振動子101の形状は、図11(a)に示すように両持ちのI字型でもよいし、図11(b)に示すようにH型としたり、図11(c)に示すように片持ち梁としてもよい。なお、図11(b)においては、H型振動子1の周辺に犠牲層エッチング後の凹部140が形成されている。
さらに、本発明の振動式トランスデューサは、ダイアフラムを形成しない絶対圧センサに適用することもでき、図10は、振動式トランスデューサを、ダイアフラムを形成しない絶対圧センサ20に適用した場合の構造例を示している。
以上の例示は、振動子101を励振するための静電駆動と振動周波数の変化を計測するための静電容量の検出とを同じ電極により行なっているが、駆動電極と検出電極とを分けるようにしてもよい。この場合、図12に示すように振動子101の下に検出電極、駆動電極のいずれか一方の電極142を配置し、シェル102を他方の電極とする構造となる。
また、振動子101の駆動方法と、振動周波数の検出方法は静電駆動、静電容量検出方法以外の方法を用いるようにしてもよい。振動子101の他の駆動方法として、例えば、圧電による駆動方法を用いることができる。圧電駆動を用いる場合には、図13に示すように、配線145が接続された圧電素子144を振動子101の付け根部分に配置すればよい。この場合、シェル102が静電容量検出用の電極となる。
振動周波数の他の検出方法として、例えば、ピエゾ抵抗素子により検出する方法を用いることができる。この場合、図14に示すように、配線147が接続されたピエゾ抵抗素子146を振動子101の付け根部分に配置すればよい。この場合、シェル102が静電駆動用の電極となる。さらには、圧電駆動と静電容量変化による検出方法の組合せや、静電駆動とピエゾ抵抗素子を用いた検出方法の組合せを用いるようにしてもよい。
また、本発明の振動式トランスデューサは、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、共振器等のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスとして広く用いることができる。以上説明したように、本発明によれば、振動式トランスデューサの製造工程を簡略化するとともに、簡易にセンサ性能の向上を図れるようになる。
10…振動式センサチップ、20…絶対圧センサ、100…シリコン基板、101…振動子、102…シェル、103…ボンディングパッド、104…配線、107…キャビティー、108…封止穴、110…ダイアフラム、120…貼り合わせ基板、130…絶縁膜、131…膜、132…接合防止膜、134…犠牲層、136…凸形状、138…凸形状、140…凹部、142…電極、144…圧電素子、145…配線、146…ピエゾ抵抗素子、147…配線、300…振動式圧力センサ、301…シリコン基板、302…ダイアフラム、310…振動子、320…シェル、330…封止材

Claims (12)

  1. 振動子が形成された第1のシリコン基板の振動子形成面側に、少なくとも絶縁膜を挟んで第2のシリコン基板を接合させる工程と、
    前記第2のシリコン基板を、前記振動子を覆うとともに、前記振動子の励振または振動周波数検出のための電極として機能するシェルに加工する工程と、
    前記シェル内を真空封止する工程とを含むことを特徴とする振動式トランスデューサの製造方法。
  2. 前記第1のシリコン基板に、不純物を拡散することにより犠牲層と前記振動子の層とを形成し、前記犠牲層をエッチングすることにより、前記振動子を形成する振動子形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の振動式トランスデューサの製造方法。
  3. 前記第1のシリコン基板に、犠牲層と前記振動子の層とを選択エピタキシャル成長によって成膜し、前記犠牲層をエッチングすることにより、前記振動子を形成する振動子形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の振動式トランスデューサの製造方法。
  4. 前記振動子形成工程において、前記振動子の層から、前記振動子と電気的に接続するための配線を同時に形成することを特徴とする請求項2または3に記載の振動式トランスデューサの製造方法。
  5. 前記絶縁膜を挟んで第2のシリコン基板を接合させる工程に先立ち、前記絶縁膜を研磨する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動式トランスデューサの製造方法。
  6. 前記シェルに加工する工程は、
    前記第2のシリコン基板を薄くすることにより行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の振動式トランスデューサの製造方法。
  7. 前記振動子と前記シェルの対向する面の少なくとも一方に、凸形状を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の振動式トランスデューサの製造方法。
  8. 前記シェル内を真空封止する工程において、前記振動子と前記シェル内とに接合防止膜が成膜されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の振動式トランスデューサの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法により製造された振動式トランスデューサ。
  10. 振動子が形成された第1の基板と、
    前記振動子を覆うとともに、前記振動子の励振または振動周波数検出のための電極として機能するシェルとを備え、
    前記シェルは、前記第1の基板の振動子形成面と少なくとも絶縁膜を挟んで接合された第2の基板を加工することによって形成され、前記振動子の機械的Qを高めるための真空室を形成していることを特徴とする振動式トランスデューサ。
  11. ダイアフラムを備えた圧力センサであることを特徴とする請求項9または10に記載の振動式トランスデューサ。
  12. ダイアフラムを備えない絶対圧センサであることを特徴とする請求項9または10に記載の振動式トランスデューサ。
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