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JP2011515103A - 活性化された炭素繊維及び/又は炭化された繊維の基質を用いた水耕による植物育成システム - Google Patents

活性化された炭素繊維及び/又は炭化された繊維の基質を用いた水耕による植物育成システム Download PDF

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Abstract

【課題】多孔質であるだけでなく、通常の水耕の植物育成に用いられるミネラルウール及び他の材料を超える利点を有する水耕用の植物の支持媒質や基質を提供する。
【解決手段】水耕により植物を育成する方法及び装置であって、炭化されていないセルロース又は合成の炭素材を伴う又は伴わない活性化された炭素及び/又は炭化された炭素繊維からなる植物用の基質を、塊状で、又はスラブ状、若しくは不織布、織布、モールドやその他の技術を用いて様々な形状に加工して用いることができる。活性化された炭素及び/又は炭化された炭素繊維は、セルロースの、又は合成の炭素繊維、例えば竹の繊維から生成される。
【選択図】図1

Description

本発明は水耕による植物育成システムに関し、更に詳しくは、活性化された炭素繊維を備えた水耕による育成媒質又は基質内で植物を育成することに関する。
水耕は、土からの代わりにミネラルの栄養溶液から植物の根にミネラル栄養分を供給することにより植物を育成する方法である。通常、水耕には、溶液耕法と媒質耕法の2つの種類がある。媒質耕法の水耕が、植物の根のために固体状の媒質や基質を備えているのに対して、溶液耕法の水耕は、根のための固体状の媒質や基質を用いない。通常、媒質耕法は、用いられる固体状の媒質の種類により区分され、それらには砂耕法、砂利耕法及びロックウール耕法がある。
水耕に用いられる通常の固体状の媒質は、次のものである。それらは、(1)化石化した珪藻を有する自然の堆積岩からなる珪藻土、(2)膨張して空孔を生じるように窯で焼かれた土塊からなる膨張粘土、(3)ココナッツの最外皮から繊維を除去した後の残留物であるコイア又はココナッツの泥炭、(4)溶融した岩石又は溶岩を細かく絡み合った繊維に紡いでなる不活性の基質であるストーンウールとしても知られるロックウールや、ガラス繊維、セラミック繊維を含む鉱石又は金属の酸化物からなる繊維を含むミネラルウール、(5)過熱により非常に軽量化され、膨張したガラス石になった溶岩石であるパーライト、(6)過熱により膨張して軽い石になったもう1つの鉱石であるバーミキュライト、(7)砂、(8)砂利、(9)レンガ状の破片、及び(10)ポリスチレンである。
上記に示した例のうちミネラルウール、特にロックウールは、水耕における固体状の媒質として最も広く用いられている。特に、商業用の水耕による植物育成の操作においては、水と空気とを高いパーセンテージで同時に保有する能力と、植物を確実に保持する機械的構造とを備えているため、最も広く用いられている。
しかしながら、ロックウールは、一般的に植物の育成に不向きな高いpHを有しているため、通常は酸性状態する必要があり、しかも上記の他の固体状の媒質に比べて水の保持能力が優れているので、連続的ではないまでも高い頻度で水を補給しなければならない。ロックウールや他のミネラルウールの製造者は、より高い密度の物質を用いることにより、この問題を解決しようとしているが、そのような改変は植物の根を侵入しにくくしてしまう。また、ミネラルウールは埃になりやすいが、細かい埃の粒は人間の肺に溜まって健康を阻害して、癌や他の疾病を引き起こす。ホルムアルデヒドのフェニルやフラン樹脂などを混合することにより、ミネラルウールのテンセグリティーを改良し、脆性を抑える努力がなされているが、それらの幾つかは疎水性であるため、水耕における植物の基質として用いるためには、ミネラルとの媒体や界面活性剤を添加する必要がある。しかし、そのような媒体は、ミネラルウール物質からにじみ出てしまうため、水耕用の特性を減少させてしまうと共に、それらの幾つかは有毒である。
また、ミネラルウールを水耕用の基質として用いることは、環境的にコストがかかる可能性がある。例えば、ロックウールの原料物質は鉱石であり、ロックウールを製造するためには1600℃を超える温度が必要となるが、それには高いエネルギーが必要となる。更に、ロックウールの製造工場は、ほぼ全ての種類の毒素と、放射性物質、発癌性物質及び重金属とを含む空気汚染物質を含有する煙を大量に発生すると共に、製造プロセスでは大量の水を消費する。
もう1つの問題としては、ミネラルウールは堆肥にはならず、生物分解もされないということである。そのため、使用後は廃棄物の埋立地まで輸送しなければならないので、更に環境的な問題を引き起こすことになる。
本発明の目的は、多孔質であるだけでなく、通常の水耕の植物育成に用いられるミネラルウール及び他の材料を超える利点を有する水耕用の植物の支持媒質や基質を提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、ミネラルウール及び他の基質材を超える1つ又はそれ以上の次のような利点を有する水耕用の植物の支持媒質や基質を提供することにある。
上記の目的を達成する本発明の方法は、植物を水耕により育成する方法であって、炭化された繊維を備えた植物を支持する基質を提供し、その基質の上又は中に植物の種子を植え、その基質にミネラルの栄養溶液を供給することを含むことを特徴とするものである。
上記の目的を達成する本発明の方法は、植物を水耕により育成する方法であって、植物を、炭化された繊維を備えた植物を支持する基質に植え、その基質中の炭化された繊維をミネラルの栄養溶液で湿らすことを含むことを特徴とするものである。
上記の目的を達成する本発明の装置は、水耕により植物を育成する装置であって、炭化された繊維を備えた基質材と、その基質材をミネラルの栄養溶液で湿らすためのミネラルの栄養溶液の配分手段とを備えることを特徴とするものである。
上記の目的を達成する本発明の基質は、水耕により植物を育成する基質であって、炭化された繊維と、炭化も活性化もされていないセルロースの炭素繊維又は合成の炭素繊維とを備え、その炭化された繊維の割合が、基質の少なくとも20重量%であることを特徴とするものである。
本発明の方法、装置及び基質によれば、多孔質であるだけでなく、通常の水耕の植物育成に用いられるミネラルウール及び他の材料を超える利点を有する水耕用の植物の支持媒質や基質を提供することができる。
活性化された炭素及び/又は単に炭化された繊維からなる育成用の媒質又は基質を用いた水耕による育成システムの例を示す斜視図である。 活性化された炭素及び/又は単に炭化された繊維を、水耕による育成システムに用いるためにスラブ状に切断してなるブランケットの例を示す斜視図である。 モールドされた炭素及び/又は炭化された繊維材を備えた炭素製の育成用の媒質又は基質を用いた別の水耕による育成システム(組立前を示す)の例を示す斜視図である。
添付した図面は明細書の一部をなすものであり、実施例及び/又は実施形態を排他的でなく表すものである。ここに示す実施例及び実施形態は、本発明を制限するものではなく、むしろ本発明の説明に役立つものである。
図1は本発明の実施例の1つを示し、水耕による植物育成システム10の例は、容器14内に置かれた植物用の基質12を有している。しかし、以下にクレームされた本発明は、他の多種多様な方法により実施することができるので、ここでの説明からは本発明の本質を理解すべきである。水耕による植物育成システム10の例は、本発明に従って活性化された炭素及び/又は単に炭化された繊維を備えた植物用の基質12の例を提供するものであるが、これにより範囲、組み合わせ、構造、製造や植物用の基質12の使用方法などが制限されるものではない。
上述したように、図1に示す植物用の基質12は、水耕による植物用の基質又は生育用の媒質として使用するために、底の浅い容器14の中に載置されており、多数の植物16が基質12により提供された媒質の中で生育している。頭上のスプレーヘッド22からはミネラルの栄養溶液20が媒質に供給されている。また、この例では、ミネラルの栄養溶液20が、符号20’として示すように、植物用の基質12を通過した後に容器14の底に貯まっており、植物用の基質12内で植物16の根が成長するためのバックアップとなっている。余分の及び/又は使用済のミネラルの栄養溶液20は、所望に応じて排水管24を通じて容器14から排出することができる。しかしながら、上述したように、植物用の基質12は、植物にミネラルの栄養溶液を与える基質12のシステムをも含む多種多様な水耕による植物育成システムにおいて用いることができる。例えば、静的水耕、常時垂れ流し水耕、受動型水耕、エブ&フロー法又はフラッド&ドレイン法、トップ水耕、ディープフロー法、又はエアロポニックスにおいてでさえも、当業者であれば、ここに記載しないニーズも含めて、植物用の基質12を用いることができる。従って、水耕又は水耕システムという語句は、植物を育成するという第1又は第2の目的のために栄養物で湿らされた基質を用いるそれらの又はその他の種類のシステムに対して適用できる。更に、栄養溶液は、溶液を植物の育成に用いる方法を考案し、実施することを知っている当業者にはよく知られているものである。従って、本発明の理解のために、栄養溶液20の描写や説明をこれ以上行う必要はない。
植物16は、植物用の基質12の中又は上に置かれた種子の状態から、あるいは植物用の基質12に移植された状態からスタートする。植物16は、植物用の基質12内の栄養溶液20を含む育成用の媒質から栄養物を引き出すので、根を基質12内へ延ばして自身のアンカーとし、栄養溶液20に接触すると共に、基質12の上方へ成長する。従って、栄養溶液20から栄養物を摂取する根があるため、基質12は植物16を機械的に支持するようになり、活性化された炭素繊維からなる基質12は、植物の根に接触する栄養溶液20と空気とを保持することができる。エアロポニックスでは、根は基質の下方へ延びて、栄養溶液が霧状に噴霧された空間又は蒸気として存在する空間に達する(図示せず)。
活性化された炭素及び/又は単に炭化された繊維を備え、炭化も活性化もされていない炭素繊維が追加された又は追加されていない基質12は、水耕による植物の育成にとって特に有利である。なぜならば、そのような基質12は非常に多孔質なので、広大な表面に大量の水と空気とを保持することができるため、植物16の根が接触する栄養溶液20を保持することができるためである。活性化された炭素繊維については、非常に良く知られているので、その製法についてここでは説明する必要はない。繊維状のセルロースを、低酸素又は不活性雰囲気で加熱して炭化させることで非炭素物質を除去し、その炭化された繊維を、高い空孔率の炭素繊維となるように、高温で膨張又は「活性化」させる。これに限られるものではないが、例えば、初期加熱、つまり炭化、するステップで揮発性物質を追い出し、約450〜700℃(例えば、500℃)の中程度の範囲の温度で非炭素物質を追い出し、約900〜1200℃(通常は、約700〜800℃)の高程度の範囲の温度で活性化させ、約700〜800℃の温度で平均して30〜180分保持するようにする。炭素繊維を活性化する加熱によっても揮発性物質や非炭素物質を追い出すことができたり、第1ステップである炭化によっても炭素繊維を活性化できるので、この明細書における活性化された炭素繊維という語句は、炭化された繊維の一部であることを意味するものである。従って、この明細書では、炭化された繊維が活性化されていてもいなくても、活性化された炭素繊維は、炭化された繊維であると考えてよい。活性化された炭素繊維の製造プロセスの例が、米国特許公報2007/0021300A1に記載されている。炭化された繊維及び活性化された炭素繊維は、両者共にpHが中性であるため、水耕システム用のミネラルウール製の基質に対して顕著な利点を有していると共に、水と栄養溶液とを毛細管現象や浸水により基質内に保持し、植物の根に接触させることができる。更には、炭化された繊維及び活性化された炭素繊維は生物学的な物質であるため、生物分解されて堆肥として処分することができる。そのプロセスは、炭化により殺菌される。
セルロース繊維のなかでも、竹を機械的に破壊してセルロース繊維物質にしてから、上記で説明したように、炭化及び活性化してなるセルロース繊維は、水耕による植物用の基質12のために、活性化された炭素及び/又は単に炭化された繊維材として特に適している。竹から得られる炭化及び活性化された炭素繊維の繊維の太さは、ナノメートルの範囲にある。それよりも太くても細くても水耕に適用することができるが、その繊維は、ミクロの大きさの空孔(<2nm径)、メソの大きさの空孔(2〜50nm径)及びマクロの大きさの空孔(>50nm)により広大な内表面を有している。連結された内部の空孔の体積は、通常は約0.1〜1.0cm3/gの範囲にある。それら内部又は空孔の表面積は、水を保持することができる。また、活性化された炭素が無機物質を濾すことはできないが、その繊維は溶液から無機物質を除去することができる。従って、植物用の栄養物は、水やりのサイクルの間に、繊維の空孔に捕らえられ表面に移動し、植物の根に接触可能な状態になり、その後の水やりのサイクルの間に再び溶液に溶ける。水やりのサイクルの間は基質は水浸しになるが、空孔の一部は水で占められずに基質を通じて空気を捕らえるので、根は邪魔されることなく酸素に接触するようになる。
活性化された炭素繊維及び炭化された炭素からなる立方体状の基質材における所定の体積当たりの空気の保持性能を、それら立方体をシリンダ内に段階的に配列して沈めて水柱インチの圧力を加えることで分析した。水は真空下で脱ガスされ、体積の変化を観察された。活性化された炭素繊維及び炭化された炭素の両者共に、それぞれ単独で20体積%の空気を保持した。ロックウールが5%未満の空気しか保持せず、脱ガスに15秒を要したのに比べて、それら立方体は27mmHgでの脱ガスに数分を要した。
スラブを浸漬した状態で所定の期間(例えば、ポンプがスラブを栄養物の溶質で満たし、未だ排水が開始されていない状態)保持したときは、ロックウールは空気を保持することが困難であるため、植物を低酸素状態にしてストレスを与えることになる。根に対する通気性が良いことは、全ての水耕栽培方法に対するエアロポニックスの主な利点であることは広く知られている。このことは、水耕栽培方法が、他の方法によりも劣っていることの例とされている。優れた結果を得るためには、最適な通気が重要である。炭化された炭素及び/又は活性化された炭素繊維にとって、全ての実施状態で空気を強力に保持できることは、従来技術を超える利点である。
活性化された(及び/又は単に炭化された)炭素繊維の表面性状及び空孔構造は、空気と水と植物の育成の栄養物とを、例え不定期な水やりであっても、常に最適な定常状態で保持するバッファーとして働く。植物は、活性化され及び/又は炭化された繊維からなるスラブから一定の延長期間(2日又はそれ以上)水が失われても、その繊維中に保持された水と栄養物とに接触し続けるので、装置の故障や停電から保護されることになる。これに対して、従来技術において装置の故障や停電が起こると、育成用の媒質は数時間の内に壊滅し、多くの植物が生き残れなくなる。
ある条件から他の条件への移行がゆっくりであって、かつ栄養物と空気が不足しているか又は水が存在しない場合において、最適な定常状態は、活性化され又は単に炭化された炭素繊維からなるスラブが、植物に対して良い土壌と似た条件を提供することにより容易に達成することができる。従来の水耕による植物の育成用の基質では、どのような定常状態も達成することはできない。その結果として、一般的な従来の植物の育成用の基質を用いた水耕技術及び方法は、それらの欠点を埋める周辺技術を伴うものとなる。例えば、従来の基質における水の保持能力が劣ることを埋め合わせるため、大変短い間隔で水やりを行うようにしたり、空気の保持能力が低いことを埋め合わせるため、空気ポンプで水に通気したりしている。活性化され及び/又は炭化された炭素繊維からなる基質によって、定常状態が容易に達成されることは、従来技術の基質を超える主要な利点である。従って、ここで説明した活性化され及び/又は炭化された炭素繊維からなる基質を用いて、一般的な水耕技術を改良することが予期される。例えば、活性化され及び/又は炭化された炭素繊維からなる基質を用いることで、水やりの頻度を少なくし、栄養溶液の供給頻度を抑えることができる。また、栄養物の媒質中の溶解酸素を抑えて、高い酸素濃度の水ではすぐに繁殖する藻が蔓延する機会を減らすこともできる。水耕にとって藻は共通した問題であり、作物の収穫を減らし、供給ラインを詰まらせ、ひとたび蔓延すると処理に忙殺されてしまう。
炭化プロセスは繊維の張力を改良し、活性化プロセスは空孔を増やすだけでなく耐久性を向上させるので、原料であるセルロース繊維材のような速度では生物分解されないが、この生物分解されるということは、特にミネラルウールのような従来の基質材に対して顕著な利点となる。この性質は、基質12を環境に優しい方法で堆肥にしたり廃棄したりするのに適している。他方、炭化も活性化もされていないココナッツの殻の繊維及び泥炭のような、炭化されていない生物学的な物質は、急激に分解して水を吸着するので、栄養物の組成や水やりのスケジュールを調整する必要がある。従って、基質12は高い耐久性を有しているので、植物16の成長サイクルを通じて機能を維持することができる。
植物用の基質材12がもつ生物分解されるという性質は、炭化された繊維材及び/又は活性化された炭素繊維材を、普通の炭化も活性化されていない生物学的な繊維材とブレンドすることで調整することができる。例えば、普通の竹の繊維、ココナッツの殻の繊維、泥炭、又はセルロース繊維、合成繊維若しくは生物学的繊維材を、活性化された炭素及び/又は単に炭化された繊維とブレンドすることで、繊維全体としての生物分解性をある程度向上することができる。そのようなブレンドにより、活性化された炭素及び/又は単に炭化された繊維からなる基質12に関するコストを抑制することもできる。活性化された炭素及び/又は単に炭化された繊維を、炭化も活性化されていない生物学的な繊維材とブレンドすることは有効であるが、ユーザは、活性化された炭素及び/又は単に炭化された繊維の基質12における割合が、少なくとも20重量%であるものを選択すると考えられる。この例に制限されるものではないが、活性化された炭素繊維と、普通のセルロース繊維材との割合が約1:4〜1:1となるようにブレンドすると、植物用の基質12としての耐久性と生物分解性とのバランスが良くなる。なお、活性化された炭素及び/又は炭化された繊維の割合を100%とすることが、ほとんどの水耕にとって最も適していることは言うまでもない。
上述したように、炭化する間にある程度の活性化が未だ起こるが、希望すれば、竹や他の炭素繊維を、活性化させることなく単に炭化することができる。原料となる竹の繊維を、故意に活性化させることなく単に炭化させるために必要となる短い加熱サイクルは、原料の竹の繊維をある程度残すことになるが、それにより耐久性と生物分解性とのバランスを取って、空気と水の保持性能を望むものにすることができる。活性化は必要ではないが、炭素繊維を炭化することは、活性化することに比べて、性能を損なうことなく製造コストを大幅に抑制できるので、多くの水耕において、活性化することなく炭素繊維を炭化することが望まれる。そのように、活性化することなく炭化された炭素繊維は、活性化された炭素繊維と一緒に、あるいは活性化された炭素繊維なしで、基質に含まれるようにすることができる。
上述したように、活性化された炭素繊維材、若しくは任意で単に炭化された炭素繊維材、又はそれらの両方は、竹又は他のセルロースの若しくは合成の(例えば、ビスコース又はポリアクニロニトリル)炭素繊維から製造することができる。活性化された炭素及び/又は単に炭化された炭素繊維の他の製造方法は、当業者にはよく知られている。活性化された炭素及び/又は単に炭化された炭素材は、繊維材についての通常の方法により、所望の形状及びサイズの基質12に成形することができる。この例に制限されるものではないが、活性化された炭素繊維は、フェルトやその他の不織布製品のような不織布用に開発された技術を用いて、シート状やウェブ状に成形することができる。例えば、繊維をシート状又はウェブ状に詰めて、圧力を加えたり、鋸状の針を貫通させたり、温度を上げてバインダーをしみ込ませたりしたり、あるいは繊維を水と混合させてスラリー状にしてモールドに詰めてから乾燥させたりすることにより、互いに機械的に結びつける方法がある。
活性化された炭素繊維の不織シートや不織ウェブは、所望の配置や形状にしてまとめられて梱包される。図2の例に示すように、活性化された炭素繊維材の不織シート又は不織ウェブ26は、水耕方法に合わせた厚さTを有する厚手のクッション又はブランケット28になるように重ね合わされる。水耕による植物用の基質12の一般的な厚さの例としては、約1インチ(2.5cm)〜6インチ(15.3cm)が挙げられるが、これに限られるものではない。クッション28は、所望の長さや他の寸法を有するスラブ30に切断することができる。スラブ30は、運搬中に保護されかつ無菌状態になるように、所望によりポリエチレンフィルム(図示せず)や他の梱包材により梱包される。活性化された炭素繊維は、希望する水の保持力などの性能や水耕方法に合った密度になるようにプレスされる。例えば、基質12の密度を2〜250をkg/m3の範囲、望ましくは40〜150kg/m3の範囲にすることで、水耕における性能を優れたものにすることができる。更に、上述したように、それらは他の生物学的又は非生物学的材料と混合することができ、必要ならば、高分子樹脂をスプレーして強度と耐久性を向上することができる。
もう1つの方法として、活性化された炭素及び/又は単に炭化された炭素繊維材は、濡らしてモールドに詰めることで所望の形状にすることができる。例えば、ポット状、トレイ状又はボウル状など、図3に示すように、植物の苗やクローンに合わせた形状にすることができる。図3に示す水耕による植物育成の装置50の例では、炭化されていないセルロース又は合成の炭素材を伴う又は伴わないする活性化された炭素繊維及び/又は単に炭化された炭素繊維材からなるいくつかの植物育成用の基質52、54、56を備えており、それらは植物Pを有する水耕による育成システムのトレイ60に合わせた種々の形状及びサイズとなっている。この装置50は、スタート用のプラグ状の基質52、中間用のブロック状の基質54、及び最終用のスラブ状の基質56をトレイ60内に有しているが、これは本発明の唯一の例ではない。上述した活性化された炭素及び/又は単に炭化された炭素繊維材(炭化も活性化もされていない炭素繊維を含む場合も含まない場合もある)からなる水耕による育成用の媒質又は基質は、図示された例の他にも、多種多様なモールドの形状(図示せず)が可能である。上述したように、炭化されていないセルロース又は合成の炭素材を伴う又は伴わない活性化された炭素及び/又は単に炭化された炭素繊維は、水と混合してスラリー状にして所望のサイズ及び形状のモールド(図示せず)内に詰められる。そして、スラリーをモールド内で乾燥させ、モールドのサイズ及び形状に合った固体状の繊維の塊にしてから、モールドから取り出して輸送又は保管のために梱包する。
基本的に、植物Pは、円錐台状にモールドされたプラグ状の基質52に植えられた種子からスタートする。その基質52は、通常の方法により湿らせておくことができる。ある程度まで成長した後に、プラグ状の基質52の植物Pは、立方体状にモールドされたブロック状の基質54に、点線の矢印で示すようにして、プラグ状の基質52をブロック状の基質54の穴55に差し込むことにより植えられる。植物Pは、ブロック状の基質54内で、細長いスラブ状の基質56から離れた状態でしばらくの間成長する。例えば、それらブロック状の基質54を、図1に示す容器14のような別のトレイ(図示せず)にセットして、植物の根が基質54内を満たすようになるまで水耕により水を与える。そして、ブロック状の基質54内の植物Pを、細長いスラブ状にモールドされた基質56において点線で示す外枠57の部分の上に、最終的な育成段階を終えるためにセットして、それらの根が基質56内へ延びるようにする。細長いスラブ状の基質56は、トレイ60に合うようなサイズと形状になっており、トレイ60の底62から突出する台又は突起64により支持されている。
水耕による育成用のスラブ状の基質56に対し、湿らせ/水やりと通気とを交互に行うために、液体状の栄養媒質又は栄養溶液(図3には図示せず)が供給管66を通じてトレイ60内にポンプで送られ、排水管56を通じて底から排水されるサイクルが繰り返される。植物Pの根は、スラブ状の基質56内へ侵入して成長し、栄養溶液を吸収する。つまり、スラブ状の基質56からブロック状の基質54を通じてプラグ状の基質52へ至る毛細管現象により吸い上げられた栄養溶液を吸収する。植物Pは、それらの基質52、54、56内で成熟するまで成長し、そして収穫される。通常、水耕による植物の育成を大規模に行うときは、多くの装置50を並べて使用する。また、液体状の栄養媒質を基質52、54、56に与えるために、供給管66の代わりに、ドリップシステム及び/又はスプレー若しくは他の灌漑システムを用いることができる。
上述したように、活性化された炭素及び/又は単に炭化された炭素繊維により、水耕による植物育成システムにおいて用いられる、多くの形状及びサイズを有する植物育成用の基質を製造することができる。基本的に、炭化されていないセルロース又は合成の炭素材を伴う又は伴わない活性化された炭素及び/又は単に炭化された炭素繊維は、水と混合することで、繊維が水中に浮遊するスラリーにする。そのスラリーを、所望の形状及びサイズのモールド(図示せず)内に詰めてから、乾燥させて繊維が互いに絡み合っている固体状の塊にする。その塊をモールドから取り出すと、モールドの形状を有するようになっている。
もう1つの方法として、繊維状の物質からなるスラリーを、十分な深さを有する広い表面に注いでから乾燥させることで、繊維が互いに絡み合っている固体状のスラブ(図示せず)にすることもできる。そのスラブを、例えば図3に示すような、立方体状のブロック状の基質54やスラブ状の基質56などの形状やサイズに切断する。
もちろん、不織布の技術やモールドの代わりに、織物の技術及び技法を用いて、活性化された炭素繊維をシート状やウェブ状にすることができる。このことは、例えば、エアロポニックスなどでは構造的に有利であるが、一般的に織物は、不織布やモールドに比べて高価になる。活性化された炭素繊維を、植物を育成する水耕による植物用の基質とするためにスラブやバルクにする方法や技術であれば、いかなるものであっても用いることができる。通常は、水耕用の基質とするために、セルロース繊維材をバインダー材を用いることなく最低限に炭化及び活性化させ(例えば、約500℃で炭化させ、約700〜800℃で約15分間保持することで活性化させる)、シート状又はウェブ状にし、ブランケット状に積層し、スラブ状又はモールド用の形状に切り分けて、梱包及び輸送することが行われる。シート状、ウェブ状、ブランケット状、スラブ状又はモールドされた形状を有する水耕による育成用の基質は、輸送及び保管のために樹脂で梱包される。そして、使用するときには、植物が成長する間の基質の乾燥を避けて湿った状態を長引かせるように、樹脂の一部を残すことがある。
その場で植物の栄養を生み出す方法は、魅力的ではあるが、土を用いない他の栽培法が直面しない複雑な問題を招くことになる。アクアカルチャーは、魚(又は他の水生物)、細菌及び植物の共生関係であり、それぞれは重要な役割を担っており、1つが欠けると全滅する。魚は植物が消費する栄養を生成するが、有毒なアンモニアも生成する。細菌は、アンモニアを代謝して、植物が消費する亜硝酸塩と硝酸塩にする。植物は、魚と細菌の両方の排出物を水から除去するバイオフィルターとして働く。
魚の排出物の半分以上は、アンモニアの形態を有する尿及びエラ膜からの血液の分泌物であり、水中にアンモニアイオンとして存在する。アクアカルチャーにおいて最も重要な細菌は、アンモニアを亜硝酸塩に変換するニトロソモナス菌と、亜硝酸塩を硝酸塩に変換するニトロバクター菌のような硝化菌である。このシステムには、例えば、バシラス属、シュードモナス属又はエシュリキア属のように、魚の固体状の排出物を「ミネラル化」と呼ばれるプロセスを通じてアンモニアに変換する従属栄養細菌のような他の細菌も参加している。このプロセスは、植物や動物からの生物学的な排出物を代謝する生分解というメカニズムにおいて重要である。このような理由から、活性化された炭素繊維からなる基質は、炭化された炭素繊維に比べて、よりアクアポニックス及びアクアカルチャーに適している。
種族間の窒素バランスの最適化を達成するために微生物を大量に増やすには時間がかかるため、アクアカルチャーを行う者は、制限された数の魚でスタートして、細菌の量を操作可能な速度で増やそうとする。多数の魚でスタートすることは、成長した細菌をタンクに移すような微生物の特別なコントロールを行わないと成功しない。そうでなければ、従属栄養生物による過密化の問題が発生する。それらの細菌は、15分ごとに倍に増えて、急激に増殖して食物を激減させるので、コントロールしなければ、魚を含むシステム全体を殺すことになる。悲劇的な結末を避けて何週間も又は何ヶ月も維持する簡単な方法は、活性化された炭素繊維からなる基質を、植物が収穫された後に新しい容器内で再使用することである。この方法によれば、既に確立された「多文化の」微生物の集合状態を、同じ種類の魚及び同じ種類の植物、時々はそれらのクローンとに効果的に移植することにより、プロセスを大幅にスピードアップすることができる。このことは、確立されたアクアポニックスのシステムの水のいくらかを、新しい容器に入れることでも可能となるが、既に「住み着いている」活性化された炭素繊維からなる基質を移植する方が、材料自体の有利な点を利用するため、何十倍も効果的である。活性化された炭素繊維の微細な空孔は、1個の細菌が空孔ごとに住み着くのに適したサイズであるため、スラブを通じて流れる水の動きによりそれらは固定される。一旦固定されると、それらはアンモニアイオンを運んでくる水を単に待つと共に、そのアンモニアを代謝して亜硝酸塩と硝酸塩にして、近接する植物の根の近傍で放出する。また、活性化された炭素繊維は、細菌が付着する広大な表面領域を有していると共に、根もまた適度な表面を有している。活性化された炭素繊維からなる基質は、以下で説明するようにフィルターとしても働くので、従属栄養細菌を引き付ける固体状の生物学的物質を水から除去して、ミネラル化が活発になる領域を生成する。活性化された炭素繊維からなるスラブ状の基質は、全ての重要な細菌の住みかとなるので移植が容易になる。このことは、活性化された炭素繊維からなる基質のもう1つの利点である。
以下の例は、基質として機能する活性化された炭素繊維の濾過作用によってプロセスを促進する方法を説明するものである。活性化された炭素繊維からなるスラブ状の基質をフィルターとして用いるために、水、溶解したイオン、及び栄養媒質を含む浮遊する生物学的物質を、アクアカルチャー内で混合したものを基質の上に供給して通過させた。例えば、図1に示すスプレーヘッド22のような、頭上の栄養媒質の配分装置を、スラブ状の基質12の上に位置させた。しかしながら、アクアカルチャーシステムでは、スプレーされた細菌や栄養媒質が植物や葉に付着しないように、スプレーヘッド22を上面に近接して位置させなければならない。スラブ状の基質12は、図3でスラブ状の基質56が台又は突起64によりトレイ60の底62の上に支持されているのと同じような方法で、容器又はタンク14の底の上に支持されるので、重力を利用した濾過装置として働く。
従来のアクアポニックスのシステムでは、植物に栄養物を与えるために、水中に浮遊する生物学的物質はそのままにしていたが、そのことは魚にとって障害になったり、内部のフィルターや浄化器(農業の灌漑システムで使用される上昇流によりシルトを除去する灌漑ポンプと類似した遠心分離装置のようなもの)を使用する上で欠点となる。このフィルターや浄化器を使用すると、魚を増やすことはできるが、植物への栄養の補給が必要となる。後者の浄化器は、最も一般的なシステムであり、供給管の詰まりを防止して魚を健全にするために必要である。しかしながら、栄養分が大きな割合(例えば、40〜60%)で含まれている水を浄化して廃棄することは、無駄が多くかつ作業の全体的な効率を損なう。固体物を廃棄することなく濾過できる唯一の従来技術は、植物の基質として砕いた石を用いるという砂利ベッド法である。それは、固体物を合理的な効率で捕獲するが、根に対する通気が劣るので植物の成長は悪くなる。なぜならば、植物の根は、ほとんどの時間は沈んでいるので、慢性的に低酸素状態になるからである。
上述したように、活性化された炭素繊維からなるスラブ状の基質14、56を、重力を利用したフィルターとして用いることにより、浮遊する生物学的物質を植物の根において濾過することに共なる全ての欠点は解消される。そのようにすることで、細菌の理想的な生息地が生まれるので、植物が栄養物に接触することができるようになるからである。この理想的な生息地では、単位体積当たりの表面が非常に大きいので、集合密度を高くすることができる。そして、活性化された炭素繊維からなる基質は、使用済のスラブ状の基質14、56を新しいタンクに移植することで、驚異的な集合密度の細菌を追加のタンクに容易に提供することができる。これら全ての利点から、活性化された炭素繊維は、アクアポニックス及びアクアカルチャーにおける基質として理想的であることが分かる。
上記で議論した全ての実施形態及び実施例は、当業者であれば、ある程度の変形、置換、追加、組み合わせを行うことができる。以下に添付した請求項及び追加した請求項は、それらの変形、置換、追加及び組み合わせを含むことを妨げるものではない。明細書及び特許請求の範囲で用いられている「備えた」、「含む」、「有する」という語句は、形態、数字、部品又は段階を特定しようとするものであるが、他の形態、数字、部品、段階、グループを1つ又はそれ以上追加することを除外するものではない。水耕は、水耕、エアロポニックス、及びアクアカルチャー又はアクアポニックスのシステムを含む、土を用いない育成システムを便利に意味するものであり、不必要な繰り返しを避けるための語句である。
この出願は、ここに参考として引用された2008年3月27日に出願された米国仮出願61/072002の利益を受けるものである。
10 植物育成システム
12 基質
14 容器
16 植物
20 栄養溶液
20’ プール
22 スプレーヘッド
24 排水管
26 不織シート又は不織ウェブ
28 クッション又はフランケット
30 スラブ
50 装置
52 プラグ状の基質
54 ブロック状の基質
55 穴
56 スラブ状の基質
57 外枠
62 底
64 台又は突起
66 供給管
68 排水管

Claims (24)

  1. 植物を水耕により育成する方法であって、
    炭化された繊維を備えた植物を支持する基質を提供し、その基質の上又は中に植物の種子を植え、その基質にミネラルの栄養溶液を供給することを含む方法。
  2. 植物を支持する基質が、活性化された炭素繊維を含む請求項1に記載の方法。
  3. 炭化された繊維とブレンドされた炭化されていないセルロースの炭素繊維物質又は合成の炭素繊維物質を更に含む請求項1に記載の方法。
  4. 炭化された繊維が竹の繊維から生成される請求項1に記載の方法。
  5. 炭化されていないセルロースの繊維物質が竹の繊維を含む請求項3に記載の方法。
  6. 活性化された炭素繊維が、ミクロ、メソ及びマクロの大きさの空孔を有する請求項2に記載の方法。
  7. 植物を水耕により育成する方法であって、
    植物を、炭化された繊維を備えた植物を支持する基質と接触させ、その基質中の炭化された繊維をミネラルの栄養溶液で湿らすことを含む方法。
  8. その基質が、セルロースの炭素繊維又は合成の炭素繊維を炭化した後に活性化してなる活性化された炭素繊維を含む請求項7に記載の方法。
  9. 炭素繊維が、竹の繊維を含む請求項8に記載の方法。
  10. その基質が、炭化も活性化もされていない炭素繊維を含む請求項7に記載の方法。
  11. 炭化も活性化もされていない炭素繊維が、竹のセルロース繊維を含む請求項7に記載の方法。
  12. 基質中における炭化された繊維の割合が、基質の少なくとも20重量%である請求項10に記載の方法。
  13. 水耕により植物を育成する装置であって、
    炭化された繊維を備えた基質材と、その基質材をミネラルの栄養溶液で湿らすためのミネラルの栄養溶液の配分手段とを備えた装置。
  14. 基質材中における炭化された繊維の割合が、基質材の少なくとも20重量%である請求項13に記載の水耕により植物を育成する装置。
  15. その基質材が、活性化された炭素繊維を含む請求項13に記載の水耕により植物を育成する装置。
  16. その基質材が、炭化も活性化もされていないセルロース繊維を含む請求項13に記載の水耕により植物を育成する装置。
  17. 炭化された繊維と、炭化も活性化もされていないセルロース繊維との割合の比が、1:4〜1:1の範囲である請求項16に記載の水耕により植物を育成する装置。
  18. 活性化された炭素繊維が、竹のセルロース繊維から生成された活性化された炭素繊維を含む請求項15に記載の水耕により植物を育成する装置。
  19. 炭化も活性化もされていないセルロース繊維が、竹のセルロース繊維を含む請求項16に記載の水耕により植物を育成する装置。
  20. 水耕により植物を育成する基質であって、
    炭化された繊維と、炭化も活性化もされていないセルロースの炭素繊維又は合成の炭素繊維とを備え、その炭化された繊維の割合が、基質の少なくとも20重量%である基質。
  21. 炭化された繊維と、炭化も活性化もされていないセルロースの繊維との割合が、1:4〜1:1の範囲である請求項20に記載の水耕により植物を育成する基質。
  22. 炭化された繊維が、活性化された炭素繊維を含む請求項20に記載の水耕により植物を育成する基質。
  23. 炭化された繊維が、竹のセルロース繊維から生成された請求項20に記載の水耕により植物を育成する基質。
  24. 炭化も活性化もされていないセルロースの繊維が、竹のセルロース繊維を含む請求項20に記載の水耕により植物を育成する基質。
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