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JP2011251217A - 薬液含有ティシュペーパーの製造方法及び薬液中の紙粉除去装置 - Google Patents

薬液含有ティシュペーパーの製造方法及び薬液中の紙粉除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薬液を循環使用する際に薬液に混入する紙粉を効率的に除去し、塗布液の粘度を安定化させ、塗布量のバラツキを抑制することができる装置および方法を提供する。
【解決手段】
薬液含有ティシュペーパーの製造ラインにおいて、回収した薬液を遠心沈降装置において紙粉分と薬液分とに固液分離し、前記薬液分については薬液塗布装置に対して供給するようにしたことを特徴とする薬液中の紙粉除去装置及び前記装置を使用した紙粉除去方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、薬液塗布ティシュペーパーの製造工程において、薬液中の紙粉を除去する方法及び装置に関する発明である。
表面に保湿剤や柔軟剤等の薬液を塗布した、ローションタイプとも言われるティシュペーパーはよく知られる(特許文献1)。
このような薬液塗布ティシュペーパーを製造するにあたり、柔軟剤やグリセリンを主原料とする保湿剤は高価であるとともに、その廃棄は環境に与える影響を考慮すると最小限とする必要があるため、薬液塗布工程での薬液の利用効率をできるだけ高くするよう、塗布されなかった余剰の薬液は回収して再度塗布工程に供する、いわゆる薬液の循環使用を行うのが一般的である。
しかし、保湿剤や柔軟剤等の薬液を塗布しローションタイプとも言われるティシュペーパーの製造工程において、その塗布工程より回収された薬液中には、ペーパーシートから離脱、飛散した紙粉が混入し、塗布時間の経過に伴って塗布薬液中の紙粉量が増加することによって薬液の粘度が増加して塗布量が増加し、塗布幅方向や流れ方向での塗布量のばらつきが大きくなる問題があった。
特開平4−9121号公報
そこで、本発明の主たる課題は、薬液塗布ティシュペーパーの製造工程において、薬液を循環使用する際に薬液に混入する紙粉を効率的に除去し、結果として、塗布液の粘度を安定化させ、塗布量のバラツキを抑制することができる装置および方法を提供することである。
上記課題を解決した本発明は次記の通りである。
<請求項1記載の発明>
薬液含有ティシュペーパーの製造ラインにおいて、回収した薬液を遠心沈降装置において紙粉分と薬液分とに固液分離し、前記薬液分については薬液塗布装置に対して供給するようにしたことを特徴とする薬液中の紙粉除去装置。
(作用効果)
ティシュペーパー原紙に対して薬液を塗布する場合、浸漬、ロール転写、スプレー塗布、フレキソ印刷方式、グラビア印刷方式によるなど公知の塗布方法をいずれも使用することができる。しかし、いずれの塗布方法によっても塗布時薬液の全量がティシュペーパー原紙に塗布されるものではなく、浸漬槽、版、アニロックスロールやディップロールなどの印刷方式における各ロール、塗布した薬液の飛散を防止する遮蔽板等に未塗布薬液が残り、塗布薬液に未塗布液が混入される。薬液は安価ではないし、しかも、廃液とするとしても廃液処理による環境への影響もある。そこで、未塗布薬液は回収して再度塗布に供するのが望ましい。
しかし、未塗布薬液を回収すると、ティシュペーパー原紙が高速で走行することによって飛散した紙粉が未塗布薬液に混入し、あるいは版やロールで薬液を塗布する際にその表面張力によってティシュペーパー原紙から離脱した紙粉が版やロールに逆転移し、版の上に残っている薬液に混入する。そして、回収した未塗布薬液の再利用を継続すると紙粉の含有量の増加に伴って徐々に薬液の粘度が高まり、ティシュペーパー原紙への塗布量が増加し、また塗布幅方向や流れ方向において塗布量のばらつきが大きくなる問題があった。また、フレキソ印刷方式やグラビア印刷方式の場合には、版の目詰まりの原因となり、部分的な塗布量の増加や、またその付着した紙粉の影響が安定していないことから均一な塗布を妨げるという問題があった。
本発明は、回収した未塗布薬液を含む紙粉含有薬液を遠心沈降装置に供給して固液分離し、紙粉分は最終的には系外へ、分離した薬液分は塗布液として使用するようにすることにより、塗布液中への紙粉の混入を抑制することができるものである。
薬液塗布を行なう浸漬式、ロール転写方式、スプレー塗布方式、フレキソ印刷方式、グラビア印刷方式のいずれにおいても、容器に収容した薬液をティシュペーパー原紙に塗布するものである。しかるに、その塗布される薬液の粘度は可能な限り一定であることが望ましいので、別途、貯留タンクを設けて薬液塗布装置との間で薬液を循環させる第1循環路を設けることが望ましい。
さらに、この第1循環路から、望ましくは前記の貯留タンクから紙粉含有液を抜き出して、遠心沈降装置に供給し、その分離薬液分を第1循環路に対して、望ましくは前記の貯留タンクに返送する第2循環路を設けると、紙粉の除去を第2循環路内の遠心沈降装置で連続的に除去できるために、第1循環路内には紙粉の含有量が増大することなく経時的に安定した状態となり、安定した塗布量をもって塗布を行なうことができる。薬液含有ティシュペーパーの製造ラインにおいて、その製造速度に追従させるために、並びに紙粉含有薬液の紙粉除去を安定して行うために、バッチ式ではなく連続式の遠心沈降装置を使用するものが望ましい。
遠心分離装置としては、遠心力場における粒子などの分離対象物の沈降を利用する遠心沈降装置、遠心力場における液体の圧力を推進力として利用する遠心濾過・遠心脱水装置がある。本発明においては、前者の遠心沈降装置を使用するものである。この遠心沈降装置は、縦型である場合は、上方から分離薬液分を抜き出し、側方又は下方から紙粉分を抜き出すものである。
なお、後述のように、特に高速で塗布方式する場合には、フレキソ印刷方式とすることが好ましく、特にドクターチャンバーを用いたフレキソ印刷方式とすることが好ましい。高速でのフレキソ印刷方式においては、未塗布薬液中に紙粉が大量に混入することを知見しており、本発明例の薬液中の紙粉除去装置を有効に適用できる。
<請求項2記載の発明>
前記遠心沈降装置がディスク型遠心沈降機である、請求項1記載の薬液中の紙粉除去装置。
(作用効果)
薬液塗布ティシュペーパーに使用される薬液は、通常グリセリン等の比重や粘性の高い液体成分を多く含むのに対し、紙粉は微小で軽量であることから、固液の重力差が少ない条件であっても効率よく分離を行うことができる遠心沈降装置の使用が望まれる。連続式遠心沈降装置としては、デキャンタ型遠心沈降機、円筒型遠心沈降機、ディスク型遠心沈降機等が知られるが、大きな遠心沈降面積を有しており微小粒子の分離に適していること、固形分の自動排出機構を備えており自動排出が容易であることから、ディスク型遠心沈降装置の使用が特に好ましい。ディスク型遠心沈降機は、他にも、紙粉含有薬液に対して安定した連続運転が可能、設置スペースが小さい、等の利点を有する。ディスク型遠心沈降機としては、例えば特表平8−510161号公報に開示されるような装置を使用することができる。
<請求項3記載の発明>
原薬液が前記薬液塗布装置に対して補給されるようにした請求項1記載の薬液中の紙粉除去装置。
(作用効果)
原薬液は、薬液塗布装置に対して、たとえばこれに到る貯留タンク内に補給される。紙粉を含有しない原薬液については、回収した紙粉含有未塗布薬液中との接触を可能な限り防止しながらそのまま塗布に供することができるので、塗布される薬液の粘度の安定及び紙粉混入の防止の観点から、より好ましい形態である。
<請求項4記載の発明>
薬液含有ティシュペーパーの製造ラインにおいて、回収した薬液を遠心沈降装置において紙粉分と薬液分とに固液分離し、前記薬液分については薬液塗布装置に対して供給することを特徴とする薬液中の紙粉除去方法。
(作用効果)
請求項1と同様の効果を奏する。
本発明により、薬液塗布ティシュペーパーの製造工程で薬液の循環使用を行うにあたり、薬液中に混入する紙粉等の紙粉を自動的に、かつ効率よく除去することが可能となる。
本発明に係る薬液中の紙粉除去装置及び配管の一例を示すフロー図である。 本発明に係る薬液中の紙粉除去装置及び配管の別の一例を示すフロー図である。 ティシュペーパーの製造設備、製造方法を示す概略図である。 フレキソ塗布に係る装置の一例を示す概略図である。 グラビア塗布に係る装置の一例を示す概略図である。 ディスク型遠心沈降機の一例を示す断面図である。
(薬液の例)
本発明に係る装置において紙粉を除去される薬液の成分は、特に限定されるものではないが、以下、当該装置に供される薬液の成分の例について示す。
ティシュペーパーに付与する薬液の粘度は、加工速度を向上させる観点から、40℃で1〜700mPa・sとすることが好ましく、特に50〜400mPa・sとすることが好ましい。1mPa・sより小さいと薬液が飛散しやすくなり装置の汚損につながり、逆に700mPa・sより大きいと塗布量をコントロールしにくくなる。
成分はポリオールを70〜90%、水分を1〜15%、機能性薬品を0.01〜22%含むものとすることが好ましい。
ポリオールはグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその誘導体等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類を含む。
機能性薬剤としては、柔軟剤、界面活性剤、無機および有機の微粒子粉体、油性成分などがある。柔軟剤、界面活性剤はティシューに柔軟性を与えたり表面を滑らかにする効果があり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤を適用する。無機および有機の微粒子粉体は表面を滑らかな肌触りとする。油性成分は滑性を高める働きがあり、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを用いることができる。
また機能性薬剤としてポリオールの保湿性を助けたり、維持させる薬剤として親水性高分子ゲル化剤、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、ヒアルロン酸若しくはその塩、セラミド等の1種以上を任意の組合せ等の保湿剤を加えることができる。
また機能性薬剤として香料、各種天然エキス等のエモリエント剤、ビタミン類、配合成分を安定させる乳化剤、薬液の発泡を抑え塗布を安定させるための消泡剤、防黴剤、有機酸などの消臭剤を適宜配合することができる。さらには、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化剤を含有させてもよい。
上記成分のうち、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールを主成分とすることが、薬液の粘度、塗布量を安定させる上で好ましい。
薬液塗布時の温度は30℃〜60℃、好ましくは35℃〜55℃とすることが好ましい。
(薬液フローの一形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明の薬液中の紙粉除去装置と配管の一例を示すフロー図である。薬液塗布工程から回収された紙粉を含む未塗布薬液はポンプP−2により返送され、スクリーン等で紙片等の大きな夾雑物を除去された後にサービスタンク23に貯留される。サービスタンク23の温度は、薬液の粘度を一定の範囲内に保つため、ヒータ26により20〜60℃とされることが好ましい。サービスタンク23内の未塗布薬液には、原液タンク25からポンプP−1により送られる原液薬液が付加されることが好ましい。ティシュペーパーに付加される薬液の品質を均一化するため、循環薬液と原液とを分けてラインに導入するのではなく、薬液を一体的に処理・使用することが好ましいためである。循環薬液と原液とは、4:1〜100:1の割合で混合されることが好ましい。
サービスタンク23内の薬液はポンプP−6により再度薬液塗布工程に送られる。その際、薬液は過剰量送られ、余剰分は塗布装置(図示例ではドクターチャンバー61)から戻りポンプP−7により、再びサービスタンクに返送される。このように、本発明に係る紙粉除去装置の薬液フローは、塗布装置、ポンプP−6、サービスタンク23、ポンプP−7よりなる薬液の第1循環路を有する。
一方、サービスタンク23の薬液は、ポンプP−3により遠心沈降装置10に供給される。遠心沈降装置10としては、ディスク型遠心沈降機を特に好ましく使用することができる。薬液を遠心沈降装置に供する前に、脱泡装置11による脱泡処理及びヒータ12による加温(20〜60℃)のいずれか、または両方を行うことが好ましい。遠心沈降装置10における固液分離により紙粉を除去された薬液は、ポンプP−4によって再びサービスタンク23に送られる。一方、遠心沈降装置10から排出された紙粉を含む薬液は、更に円筒型遠心濾過装置22等で更に分離処理されることが好ましい。分離された薬液はポンプP−5により、サービスタンク23に送られる。残存した分離パルプ(紙粉)は廃棄物として処理される。このように、本発明に係る紙粉除去装置の薬液フローは、第1循環路に加えて、サービスタンク23、ポンプP−3、遠心沈降装置10、円筒型遠心濾過装置22、サービスタンク24、ポンプP−5を通る、薬液の第2循環路を有する。
ポンプP−1〜P−7は、エアポンプ等、公知のポンプをいずれも使用できるが、薬液が気泡を生じると濾過工程における効率が低下するため、気泡を生じにくいギアポンプを使用することが好ましい。
(薬液のフローの別の形態)
図2に、紙粉除去装置と薬液塗布工程との配管の別の例を示す。図2に示すように、遠心沈降装置10と円筒型遠心濾過装置22で分離された薬液が、サービスタンク23とは別のサービスタンク24に送られる構成としてもよい。この場合、薬液塗布工程において紙粉が混入した未塗布薬液と、紙粉をほとんど含まない濾液、分離液を混和することがないため、より紙粉の混入の少ない薬液を薬液塗布工程に供することができるため好ましい。しかし、薬液の濾過速度が薬液供給の律速となるため、薬液を安定的に供給するためには、遠心沈降装置として処理能力の高い装置を使用することが好ましい。
この形態においては、原薬液はサービスタンク23に供給するのではなく、サービスタンク24から薬液塗布工程に供給される薬液に混入されるのが好ましい。
未塗布薬液の粘度が700mPa・s以下(より好ましくは400mPa・s以下)の場合は、図1の形態を使用できるが、粘度が700mPa・sを超える場合には、当該粘度が200mPa・s未満に低下するまで、図2の形態に変更することが好ましい。
(ディスク型遠心沈降機)
前述のように、遠心沈降装置10としては、ディスク型遠心沈降機の使用が好ましい。ディスク型遠心沈降機の一例の断面図を図6に示す。ディスク型遠心沈降機300は、固定リング303によって軸線方向に結合された下方部分301及び上方部分302のロータを有し、これらのロータは固定リング303によって軸線方向に固定されている。図示例の遠心沈降機の内側には、軸線方向に可動なスライド弁304がある。このスライド弁304は、上方部分302と共に分離室305を形成し、このスライド弁304は、遠心沈降操作により分離室の周辺に堆積した固形物質の周囲出口開口部306の環状の空隙を開閉するように配置されている。スライド弁304は、下部空隙307の水圧、空気圧等によって制御されるのが通常である。スライド弁304を設けず、出口部にノズルを設置してもよい(図示せず)。分離室305の内側のディストリビュータ311と上方部分302との間に多数の円錐形の分離ディスクからなるディスクスタック310が配置されている。上方部分302の上端には出口室312があり、出口室312には、中央溝313を通って分離室305から分離液が到達する。出口室312を通って中央に、静止入口管315が延びており、ディストリビュータ311の内側に入口室316に開放している。出口溝320は入口管315の内側に接続されている。
紙粉を含有する薬液は、入口管315より入口室316を通って分離室305に到達する。薬液は周方向より分離室のディスクスタック310を通過して中央に到達し、出口室312に到達するが、その際、ディスクスタック310では流体とディスクの摩擦によりディスク近傍の流速が低下するため、薬液はディスクスタックを通過するが、紙粉は遠心力により分離室周方向外側へ移動する。分離室周方向外側に集積した紙粉は、少量の薬液とともに間欠的に開閉する周囲出口開口部306より排出される。
ディスクスタック通過時の流速低下を利用して効率よく固液分離を行う構成であるため、小型装置であっても比較的多量の液体について分離処理を行うことができ、設置スペースを小さく抑えることが可能である。特に、固液分離をする試料の固形分含有量が30%以下で、かつ含まれる固形分の粒径が10μm未満の場合に適した分離装置であり、本発明における紙粉含有薬液には好適に使用できる装置といえる。
ディスク型遠心沈降機としては、ボウルサイズ2.0〜6.0Lのものを使用し、薬液の流速を6.0〜25L/分、遠心沈降面積(Σ)5000〜20000m2として運転することが好ましい。
(円筒型遠心濾過装置)
ディスク型遠心沈降機より排出された紙粉には少量の薬液が残存するため、円筒型遠心濾過機22おいて、更に固液分離を行うことが好ましい。円筒型遠心濾過機による分離は、下記の条件で行われるのが好ましい。
○バッグフィルター: 樹脂製、好ましくはポリエステル製
○メッシュサイズ:100〜400メッシュ
○1回あたりの分離試料量:1.0〜5.0kg
○回転数:2000〜500rpm
○分離時間:15〜45分
遠心濾過により得られた分離済みの薬液は、サービスタンク23またはサービスタンク24(図2)へ送られる。また、バッグ内に残存した分離パルプ(紙粉)は廃棄処分される。
(薬液塗布ティシュー製造工程の一例)
以下、本発明に係る装置より供給された薬液を塗布したティシュペーパーの製造工程の例を示す。図3に、本発明に係るティシュペーパーのプライ工程の装置X1の概要を示した。なお、図3に係る工程は、一体となった装置であるプライマシンで実施されることが好ましい。
抄紙機において抄紙された原紙は、連続シートとして、クレープを施し、カレンダー処理を施したうえで、これを巻き取り、一次原反ロールJR(一般的にジャンボロールともいわれている)とされる。
連続シートS11,S12は積層ローラー51で積層されて2プライとされ、必要に応じてプライマシンカレンダー52でカレンダー処理され、薬液付与手段53に送られる。薬液付与は各プライの片面側のみより行われ、薬液を付与されていない面同士が重ね合わされて、後にプライ固定を施されるのが好ましい。薬液塗布の方法は、浸漬、スプレー塗布、フレキソ塗布、グラビア塗布によるなど公知の塗布方法をいずれも使用することができる。
薬液を塗布された2プライの連続シートは、コンタクトエンボスコロ54B及びコロロール54Aに供され、コンタクトエンボス(ナーリング)処理を施すことにより固定されることが好ましい。コンタクトエンボスは、両側部から紙幅に対して1/10〜1/20の位置に幅1〜10mmで縦方向に一様に施されるのが好ましい。プライを接着剤等で固定するなど、公知の方法のいずれを使用してもよいが、接着剤を使用する場合、肌触りが固くなりやすい、薬液付与時に剥がれやすい、等の問題があるため、コンタクトエンボスの使用がより好ましいといえる。
コンタクトエンボスを付与した2プライの連続シートは、直接ロータリー式インターフォルダ等に供されて折り加工を施された後に製品サイズに裁断されるか、または、スリッター55により製品幅にカットされた後、ワインディングドラム56により巻き取り二次原反ロールRとされ、折り加工が施され、紙箱への収納がなされる。
なお、本形態ではコンタクトエンボス前に薬液を付与する構成をとっているが、コンタクトエンボス後に薬液を付与する構成としてもよい。
上述の二次原反ロールは、特にティシュペーパー製品においては折り加工工程に供される。折り加工工程としては、ロータリー式インターフォルダ、マルチスタンド式インターフォルダ等公知の方法を使用することができるが、生産性の高いマルチスタンド式インターフォルダの使用がより好ましい。
なお、2プライのティシュペーパーの製造工程を例示したが、本発明に係る薬剤中の紙粉除去装置から供給される薬液は、他の製造工程にも有効に使用できるものであり、上記の製造工程への使用に限定されるものではない。
(薬液塗布工程−グラビア塗布の一例)
薬液塗布工程としては、公知の塗布手段をいずれも使用することができるが、塗布面全体にムラなく薬液塗布を行うグラビア塗布、フレキソ塗布等の印刷方式の使用が好ましい。
図5にグラビア塗布に係る装置の一例を示す。図5において、積層シートS2は、一対のリンク式オフセットグラビアプレス201、202の間に送られる。プレス201は、下部グラビアシリンダ203と、上部オフセットシリンダ204とによって構成されている。また、プレス202は、下部グラビアシリンダ205と、上部オフセットシリンダ206とによって構成されている。グラビアシリンダ203,205は各々、特定の蝕刻されたセルパターンと寸法を有し、クロムメッキされた表面を有しており、オフセットシリンダ、204,206は各々、平滑なポリウレタンゴムの表面を有している。グラビアロールのセル容積の寸法は、所望の被覆重量、ライン速度、及び薬液の粘度で決まる。これらのグラビアシリンダとオフセットシリンダは、矢印の方向に回転する。図7に示されるように、オフセットシリンダ204,206、は、直接対向し互いに平行であり、積層シートS2が通過するニップ領域207を提供する。
インキ溜めトレイ208,209が、グラビアシリンダ203,205の下にそれぞれ配置されている。グラビアシリンダ203,205が、トレイ208,209内で、矢印の方向に回転すると、グラビアシリンダ203,204は、一定量の薬液を取り上げる。
次いで、グラビアシリンダのセル203、205に残った薬液は、シリンダの各対間のニップ領域210,211のところで、オフセットシリンダ204,206に移される。次いで、オフセットシリンダ204,206に移された薬液は、積層シートS2の両面に同時に移される。積層シートS2に移される薬液の量は、(1)ニップ領域207の幅の調整、及び/又は、(2)ニップ領域210、211の幅の調整によって制御される。
(薬液塗布工程−フレキソ塗布の一例)
薬液塗布工程のうち、特にドクターチャンバー61を備えたフレキソコーターを使用すると、安定した塗布量で薬液を供給することができるため、より好ましい。
図4にフレキソ印刷方式におけるドクターチャンバー形式の一例を示す。図4に示すように一方のドクターチャンバー形式とされる薬液塗布部53Aは、薬液の入っているドクターチャンバー61Aが、回転可能なアニロックスロール63Aと対向して配置されていて、ドクターチャンバー61Aからアニロックスロール63Aに薬液を受け渡すようになっている。また、このアニロックスロール63Aと接し且つ積層連続シートS2の一面とも接する刷版ロール64Aが回転可能に設置されていて、このアニロックスロール63Aから刷版ロール64Aに薬液を受け渡すようになっている。さらに、積層連続シートS2を挟んでこの刷版ロール64Aと対向している弾性ロール65Aとで積層連続シートS2に圧力を付与しつつ、刷版ロール64Aから積層連続シートS2に薬液を塗布するようになっている。
そして、本形態では、この薬液塗布部53Aがコンタクトエンボス手段54のコロ54Aと対向し且つ、前述のワインディングドラム56Aとも対向する積層連続シートS2の面側に位置している。尚、前述のドクターチャンバー61Aに対して薬液を塗布する供給ポンプ(図示しない)及び、このドクターチャンバー61Aから薬液を戻すための排出供給ポンプ(図示しない)が、ドクターチャンバー61Aに設置されている。
他方、図6に示すように他方のドクターチャンバー形式とされる薬液塗布部53Bは、薬液の入っているドクターチャンバー61Bが、回転可能なアニロックスロール63Bと対向して配置されていて、ドクターチャンバー61Bからアニロックスロール63Bに薬液を受け渡すようになっている。また、このアニロックスロール63Bと接し且つ積層連続シートS2の他の面とも接する刷版ロール64Bが回転可能に設置されていて、このアニロックスロール63Bから刷版ロール64Bに薬液を受け渡すようになっている。さらに、積層連続シートS2を挟んでこの刷版ロール64Bと対向している弾性ロール65Bとで積層連続シートS2に圧力を付与しつつ、刷版ロール64Bから積層連続シートS2に薬液を塗布するようになっている。薬液の粘度によっては、刷版ロール64Bに紙粉が付着しやすくなるという問題があることから、刷版64B下部に紙粉除去手段27を設けることが好ましい。図1、図2の図示例では紙粉除去手段27として回転ブラシを使用しているが、他にもエア噴射手段、液体噴射手段等を適宜選択することができる。また、紙粉除去手段27に向かってエアを噴射し紙粉をブラシ毛から分離するエア噴射手段28、たとえばノズルを設けることができる。28Aは圧空用ポンプである。
そして、本実施の形態では、この薬液塗布部53Bがコロ54Aと非対向とされ且つ、前述のワインディングドラム56Aとも非対向となる積層連続シートS2の他の面側に位置している。尚、前述のドクターチャンバー61Bに対して薬液を塗布する供給ポンプ(図示しない)及び、このドクターチャンバー61Bから薬液を戻すための排出供給ポンプ(図示しない)が、ドクターチャンバー61Bにも設置されている。
従って、積層連続シートS2の両面に薬液塗布部53A及び薬液塗布部53Bから薬液がそれぞれ塗布されるが、この際、薬液塗布部53Aによるコロ54Aと対向する積層連続シートS2の面側の塗布量を薬液塗布部53Bによる他の面側の塗布量に対して少なくしつつ、積層連続シートS2の両面からそれぞれ積層連続シートS2に対して薬液を塗布することができる。
具体的には、片面毎の塗布量を変えるだけでなく、フレキソ版の線数を15〜40線程度、頂点面積率を20〜40%程度の薬液が飛散しない程度に粗くすることが考えられ、このようにすることで、塗布直後はドット柄が残り、瞬間的に塗布部分と未塗布部分ができるようになる。
従って、本形態によれば、フレキソ印刷方式を用いることで版が樹脂であり弾力性があるため衛生用薄葉紙に多少の凹凸があっても印圧で調整可となるので、積層連続シートS2にシワが入り難くなる。他方、フレキソ印刷方式を用いることにより、加工速度が高速であっても塗布量を安定させることができ、また、一つのロールで幅広い薬液の粘度を安定的に塗布することができるようになる。具体的には、積層連続シートS2を700m/分以上とし、好ましくは900m/分以上の速度で搬送しつつ、薬液とされるローション剤を後述の範囲の塗布量で塗布する際にも、塗布が均一で蛇行無く積層連続シートS2を巻き取れるようになる。
また、本形態に付随する薬液塗布手段53の要件としては、以下のものが考えられる。
2ロールフレキソ形式の薬液塗布手段では、薬液タンク等の塗布装置内で循環する薬液に含まれる紙粉やエアのろ過装置を設置する必要があるが、本実施の形態のようなドクターチャンバー形式の薬液塗布手段53とした場合、紙粉等が少なくなるので、ろ過装置の負荷が軽減されることも考えられる。さらに、ドクターチャンバー61A、61B等の塗布装置内で薬液の温度をコントロールし、薬液粘度を安定させる必要が考えられるが、ドクターチャンバー61A、61Bに繋がる中間タンク及び配管にヒータを設置することにできる。他方、操業中に積層連続シートS2の幅方向の水分率で塗布量を管理する必要が考えられるが、例えば赤外線の検査機等を用いて常に幅方向の水分量とバラツキをチェックするようにできる。
ティシュペーパー製造ラインで、巾4mの2プライのティシュペーパーに薬液を塗布量が両面で4.0g/m2となるように、速度700m/分で塗布した。その際、本発明に係る紙粉除去装置を使用して、循環薬液の紙粉除去操作を行い、運転24時間後の操作の各段階における薬液の粘度の測定を行った。具体的には薬液原液、循環薬液、遠心沈降機の分離薬液、遠心沈降機の排出薬液、円筒型遠心濾過機の濾過薬液、及びサービスタンク内の薬液の粘度を測定した。本実施例は、図1に示す装置及び配管を用いた条件で行った。遠心沈降機としては、ボウルサイズ6Lのディスク型遠心沈降機を使用し、薬液の流速を10L/分、遠心沈降面積(Σ)を10000m2として運転した。
各段階における薬液の粘度を表1に示す。薬液の粘度は、B型粘度計を使用し、薬液温度27.0℃の条件で測定した。
Figure 2011251217
表1に示すように、本発明に係る紙粉除去装置を使用することにより、薬液粘度の上昇を抑えることができることを確認した。
本発明は、薬液塗布ティシュペーパーの製造に適用できるものである。
10…遠心沈降装置、11…脱泡装置、12…加温装置、22…円筒型遠心濾過機、23,24…サービスタンク、25…原液タンク、26…ヒータ、27…紙粉除去手段、300…ディスク型遠心沈降機、P−1〜P−7…ポンプ。
本発明は、薬液塗布ティシュペーパーの製造工程において、薬液中の紙粉を除去する方法及び装置に関する発明である。
表面に保湿剤や柔軟剤等の薬液を塗布した、ローションタイプとも言われるティシュペーパーはよく知られる(特許文献1)。
このような薬液塗布ティシュペーパーを製造するにあたり、柔軟剤やグリセリンを主原料とする保湿剤は高価であるとともに、その廃棄は環境に与える影響を考慮すると最小限とする必要があるため、薬液塗布工程での薬液の利用効率をできるだけ高くするよう、塗布されなかった余剰の薬液は回収して再度塗布工程に供する、いわゆる薬液の循環使用を行うのが一般的である。
しかし、保湿剤や柔軟剤等の薬液を塗布しローションタイプとも言われるティシュペーパーの製造工程において、その塗布工程より回収された薬液中には、ペーパーシートから離脱、飛散した紙粉が混入し、塗布時間の経過に伴って塗布薬液中の紙粉量が増加することによって薬液の粘度が増加して塗布量が増加し、塗布幅方向や流れ方向での塗布量のばらつきが大きくなる問題があった。
特開平4−9121号公報
そこで、本発明の主たる課題は、薬液塗布ティシュペーパーの製造工程において、薬液を循環使用する際に薬液に混入する紙粉を効率的に除去し、結果として、塗布液の粘度を安定化させ、塗布量のバラツキを抑制することができる装置および方法を提供することである。
上記課題を解決した本発明は次記の通りである。
<請求項1記載の発明>
ティシュペーパー原紙に対する薬液塗布工程に付与された薬液のうち、余剰の薬液を回収する回収工程と、
回収した薬液を遠心沈降装置において紙粉分と薬液分とに分離する分離工程と、
前記薬液分を薬液塗布装置に対して供給する工程と、を含むことを特徴とする薬液含有ティシュペーパーの製造方法。
(作用効果)
ティシュペーパー原紙に対して薬液を塗布する場合、浸漬、ロール転写、スプレー塗布、フレキソ印刷方式、グラビア印刷方式によるなど公知の塗布方法をいずれも使用することができる。しかし、いずれの塗布方法によっても塗布時薬液の全量がティシュペーパー原紙に塗布されるものではなく、浸漬槽、版、アニロックスロールやディップロールなどの印刷方式における各ロール、塗布した薬液の飛散を防止する遮蔽板等に未塗布薬液が残り、塗布薬液に未塗布液が混入される。薬液は安価ではないし、しかも、廃液とするとしても廃液処理による環境への影響もある。そこで、未塗布薬液は回収して再度塗布に供するのが望ましい。
しかし、未塗布薬液を回収すると、ティシュペーパー原紙が高速で走行することによって飛散した紙粉が未塗布薬液に混入し、あるいは版やロールで薬液を塗布する際にその表面張力によってティシュペーパー原紙から離脱した紙粉が版やロールに逆転移し、版の上に残っている薬液に混入する。そして、回収した未塗布薬液の再利用を継続すると紙粉の含有量の増加に伴って徐々に薬液の粘度が高まり、ティシュペーパー原紙への塗布量が増加し、また塗布幅方向や流れ方向において塗布量のばらつきが大きくなる問題があった。また、フレキソ印刷方式やグラビア印刷方式の場合には、版の目詰まりの原因となり、部分的な塗布量の増加や、またその付着した紙粉の影響が安定していないことから均一な塗布を妨げるという問題があった。
本発明は、回収した未塗布薬液を含む紙粉含有薬液を遠心沈降装置に供給して固液分離し、紙粉分は最終的には系外へ、分離した薬液分は塗布液として使用するようにすることにより、塗布液中への紙粉の混入を抑制することができるものである。
薬液塗布を行なう浸漬式、ロール転写方式、スプレー塗布方式、フレキソ印刷方式、グラビア印刷方式のいずれにおいても、容器に収容した薬液をティシュペーパー原紙に塗布するものである。しかるに、その塗布される薬液の粘度は可能な限り一定であることが望ましいので、別途、貯留タンクを設けて薬液塗布装置との間で薬液を循環させる第1循環路を設けることが望ましい。
さらに、この第1循環路から、望ましくは前記の貯留タンクから紙粉含有液を抜き出して、遠心沈降装置に供給し、その分離薬液分を第1循環路に対して、望ましくは前記の貯留タンクに返送する第2循環路を設けると、紙粉の除去を第2循環路内の遠心沈降装置で連続的に除去できるために、第1循環路内には紙粉の含有量が増大することなく経時的に安定した状態となり、安定した塗布量をもって塗布を行なうことができる。薬液含有ティシュペーパーの製造ラインにおいて、その製造速度に追従させるために、並びに紙粉含有薬液の紙粉除去を安定して行うために、バッチ式ではなく連続式の遠心沈降装置を使用するものが望ましい。
遠心分離装置としては、遠心力場における粒子などの分離対象物の沈降を利用する遠心沈降装置、遠心力場における液体の圧力を推進力として利用する遠心濾過・遠心脱水装置がある。本発明においては、前者の遠心沈降装置を使用するものである。この遠心沈降装置は、縦型である場合は、上方から分離薬液分を抜き出し、側方又は下方から紙粉分を抜き出すものである。
なお、後述のように、特に高速で塗布方式する場合には、フレキソ印刷方式とすることが好ましく、特にドクターチャンバーを用いたフレキソ印刷方式とすることが好ましい。高速でのフレキソ印刷方式においては、未塗布薬液中に紙粉が大量に混入することを知見しており、本発明例の薬液中の紙粉除去装置を有効に適用できる。
<請求項2記載の発明>
前記遠心沈降装置がディスク型遠心沈降機である、請求項1記載の薬液含有ティシュペーパーの製造方法。
(作用効果)
薬液塗布ティシュペーパーに使用される薬液は、通常グリセリン等の比重や粘性の高い液体成分を多く含むのに対し、紙粉は微小で軽量であることから、固液の重力差が少ない条件であっても効率よく分離を行うことができる遠心沈降装置の使用が望まれる。連続式遠心沈降装置としては、デキャンタ型遠心沈降機、円筒型遠心沈降機、ディスク型遠心沈降機等が知られるが、大きな遠心沈降面積を有しており微小粒子の分離に適していること、固形分の自動排出機構を備えており自動排出が容易であることから、ディスク型遠心沈降装置の使用が特に好ましい。ディスク型遠心沈降機は、他にも、紙粉含有薬液に対して安定した連続運転が可能、設置スペースが小さい、等の利点を有する。ディスク型遠心沈降機としては、例えば特表平8−510161号公報に開示されるような装置を使用することができる。
<請求項3記載の発明>
原薬液が、前記遠心沈降装置において分離された前記薬液分とともに前記薬液塗布装置に対して補給されるようにした請求項1記載の薬液含有ティシュペーパーの製造方法
(作用効果)
原薬液は、薬液塗布装置に対して、たとえばこれに到る貯留タンク内に補給される。紙粉を含有しない原薬液については、回収した紙粉含有未塗布薬液中との接触を可能な限り防止しながらそのまま塗布に供することができるので、塗布される薬液の粘度の安定及び紙粉混入の防止の観点から、より好ましい形態である。
<請求項4記載の発明>
薬液含有ティシュペーパーの製造ラインにおいて、ティシュペーパー原紙に対する薬液塗布後の余剰の薬液を回収し、回収した薬液を遠心沈降装置において紙粉分と薬液分とに分離し、前記薬液分については薬液塗布装置に対して供給するように構成された、ことを特徴とする薬液中の紙粉除去装置
(作用効果)
請求項1と同様の効果を奏する。
本発明により、薬液塗布ティシュペーパーの製造工程で薬液の循環使用を行うにあたり、薬液中に混入する紙粉等の紙粉を自動的に、かつ効率よく除去することが可能となる。
本発明に係る薬液中の紙粉除去装置及び配管の一例を示すフロー図である。 本発明に係る薬液中の紙粉除去装置及び配管の別の一例を示すフロー図である。 ティシュペーパーの製造設備、製造方法を示す概略図である。 フレキソ塗布に係る装置の一例を示す概略図である。 グラビア塗布に係る装置の一例を示す概略図である。 ディスク型遠心沈降機の一例を示す断面図である。
(薬液の例)
本発明に係る装置において紙粉を除去される薬液の成分は、特に限定されるものではないが、以下、当該装置に供される薬液の成分の例について示す。
ティシュペーパーに付与する薬液の粘度は、加工速度を向上させる観点から、40℃で1〜700mPa・sとすることが好ましく、特に50〜400mPa・sとすることが好ましい。1mPa・sより小さいと薬液が飛散しやすくなり装置の汚損につながり、逆に700mPa・sより大きいと塗布量をコントロールしにくくなる。
成分はポリオールを70〜90%、水分を1〜15%、機能性薬品を0.01〜22%含むものとすることが好ましい。
ポリオールはグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその誘導体等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類を含む。
機能性薬剤としては、柔軟剤、界面活性剤、無機および有機の微粒子粉体、油性成分などがある。柔軟剤、界面活性剤はティシューに柔軟性を与えたり表面を滑らかにする効果があり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤を適用する。無機および有機の微粒子粉体は表面を滑らかな肌触りとする。油性成分は滑性を高める働きがあり、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを用いることができる。
また機能性薬剤としてポリオールの保湿性を助けたり、維持させる薬剤として親水性高分子ゲル化剤、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、ヒアルロン酸若しくはその塩、セラミド等の1種以上を任意の組合せ等の保湿剤を加えることができる。
また機能性薬剤として香料、各種天然エキス等のエモリエント剤、ビタミン類、配合成分を安定させる乳化剤、薬液の発泡を抑え塗布を安定させるための消泡剤、防黴剤、有機酸などの消臭剤を適宜配合することができる。さらには、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化剤を含有させてもよい。
上記成分のうち、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールを主成分とすることが、薬液の粘度、塗布量を安定させる上で好ましい。
薬液塗布時の温度は30℃〜60℃、好ましくは35℃〜55℃とすることが好ましい。
(薬液フローの一形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明の薬液中の紙粉除去装置と配管の一例を示すフロー図である。薬液塗布工程から回収された紙粉を含む未塗布薬液はポンプP−2により返送され、スクリーン等で紙片等の大きな夾雑物を除去された後にサービスタンク23に貯留される。サービスタンク23の温度は、薬液の粘度を一定の範囲内に保つため、ヒータ26により20〜60℃とされることが好ましい。サービスタンク23内の未塗布薬液には、原液タンク25からポンプP−1により送られる原液薬液が付加されることが好ましい。ティシュペーパーに付加される薬液の品質を均一化するため、循環薬液と原液とを分けてラインに導入するのではなく、薬液を一体的に処理・使用することが好ましいためである。循環薬液と原液とは、4:1〜100:1の割合で混合されることが好ましい。
サービスタンク23内の薬液はポンプP−6により再度薬液塗布工程に送られる。その際、薬液は過剰量送られ、余剰分は塗布装置(図示例ではドクターチャンバー61)から戻りポンプP−7により、再びサービスタンクに返送される。このように、本発明に係る紙粉除去装置の薬液フローは、塗布装置、ポンプP−6、サービスタンク23、ポンプP−7よりなる薬液の第1循環路を有する。
一方、サービスタンク23の薬液は、ポンプP−3により遠心沈降装置10に供給される。遠心沈降装置10としては、ディスク型遠心沈降機を特に好ましく使用することができる。薬液を遠心沈降装置に供する前に、脱泡装置11による脱泡処理及びヒータ12による加温(20〜60℃)のいずれか、または両方を行うことが好ましい。遠心沈降装置10における固液分離により紙粉を除去された薬液は、ポンプP−4によって再びサービスタンク23に送られる。一方、遠心沈降装置10から排出された紙粉を含む薬液は、更に円筒型遠心濾過装置22等で更に分離処理されることが好ましい。分離された薬液はポンプP−5により、サービスタンク23に送られる。残存した分離パルプ(紙粉)は廃棄物として処理される。このように、本発明に係る紙粉除去装置の薬液フローは、第1循環路に加えて、サービスタンク23、ポンプP−3、遠心沈降装置10、円筒型遠心濾過装置22、サービスタンク24、ポンプP−5を通る、薬液の第2循環路を有する。
ポンプP−1〜P−7は、エアポンプ等、公知のポンプをいずれも使用できるが、薬液が気泡を生じると濾過工程における効率が低下するため、気泡を生じにくいギアポンプを使用することが好ましい。
(薬液のフローの別の形態)
図2に、紙粉除去装置と薬液塗布工程との配管の別の例を示す。図2に示すように、遠心沈降装置10と円筒型遠心濾過装置22で分離された薬液が、サービスタンク23とは別のサービスタンク24に送られる構成としてもよい。この場合、薬液塗布工程において紙粉が混入した未塗布薬液と、紙粉をほとんど含まない濾液、分離液を混和することがないため、より紙粉の混入の少ない薬液を薬液塗布工程に供することができるため好ましい。しかし、薬液の濾過速度が薬液供給の律速となるため、薬液を安定的に供給するためには、遠心沈降装置として処理能力の高い装置を使用することが好ましい。
この形態においては、原薬液はサービスタンク23に供給するのではなく、サービスタンク24から薬液塗布工程に供給される薬液に混入されるのが好ましい。
未塗布薬液の粘度が700mPa・s以下(より好ましくは400mPa・s以下)の場合は、図1の形態を使用できるが、粘度が700mPa・sを超える場合には、当該粘度が200mPa・s未満に低下するまで、図2の形態に変更することが好ましい。
(ディスク型遠心沈降機)
前述のように、遠心沈降装置10としては、ディスク型遠心沈降機の使用が好ましい。ディスク型遠心沈降機の一例の断面図を図6に示す。ディスク型遠心沈降機300は、固定リング303によって軸線方向に結合された下方部分301及び上方部分302のロータを有し、これらのロータは固定リング303によって軸線方向に固定されている。図示例の遠心沈降機の内側には、軸線方向に可動なスライド弁304がある。このスライド弁304は、上方部分302と共に分離室305を形成し、このスライド弁304は、遠心沈降操作により分離室の周辺に堆積した固形物質の周囲出口開口部306の環状の空隙を開閉するように配置されている。スライド弁304は、下部空隙307の水圧、空気圧等によって制御されるのが通常である。スライド弁304を設けず、出口部にノズルを設置してもよい(図示せず)。分離室305の内側のディストリビュータ311と上方部分302との間に多数の円錐形の分離ディスクからなるディスクスタック310が配置されている。上方部分302の上端には出口室312があり、出口室312には、中央溝313を通って分離室305から分離液が到達する。出口室312を通って中央に、静止入口管315が延びており、ディストリビュータ311の内側に入口室316に開放している。出口溝320は入口管315の内側に接続されている。
紙粉を含有する薬液は、入口管315より入口室316を通って分離室305に到達する。薬液は周方向より分離室のディスクスタック310を通過して中央に到達し、出口室312に到達するが、その際、ディスクスタック310では流体とディスクの摩擦によりディスク近傍の流速が低下するため、薬液はディスクスタックを通過するが、紙粉は遠心力により分離室周方向外側へ移動する。分離室周方向外側に集積した紙粉は、少量の薬液とともに間欠的に開閉する周囲出口開口部306より排出される。
ディスクスタック通過時の流速低下を利用して効率よく固液分離を行う構成であるため、小型装置であっても比較的多量の液体について分離処理を行うことができ、設置スペースを小さく抑えることが可能である。特に、固液分離をする試料の固形分含有量が30%以下で、かつ含まれる固形分の粒径が10μm未満の場合に適した分離装置であり、本発明における紙粉含有薬液には好適に使用できる装置といえる。
ディスク型遠心沈降機としては、ボウルサイズ2.0〜6.0Lのものを使用し、薬液の流速を6.0〜25L/分、遠心沈降面積(Σ)5000〜20000m2として運転することが好ましい。
(円筒型遠心濾過装置)
ディスク型遠心沈降機より排出された紙粉には少量の薬液が残存するため、円筒型遠心濾過機22おいて、更に固液分離を行うことが好ましい。円筒型遠心濾過機による分離は、下記の条件で行われるのが好ましい。
○バッグフィルター: 樹脂製、好ましくはポリエステル製
○メッシュサイズ:100〜400メッシュ
○1回あたりの分離試料量:1.0〜5.0kg
○回転数:2000〜500rpm
○分離時間:15〜45分
遠心濾過により得られた分離済みの薬液は、サービスタンク23またはサービスタンク24(図2)へ送られる。また、バッグ内に残存した分離パルプ(紙粉)は廃棄処分される。
(薬液塗布ティシュー製造工程の一例)
以下、本発明に係る装置より供給された薬液を塗布したティシュペーパーの製造工程の例を示す。図3に、本発明に係るティシュペーパーのプライ工程の装置X1の概要を示した。なお、図3に係る工程は、一体となった装置であるプライマシンで実施されることが好ましい。
抄紙機において抄紙された原紙は、連続シートとして、クレープを施し、カレンダー処理を施したうえで、これを巻き取り、一次原反ロールJR(一般的にジャンボロールともいわれている)とされる。
連続シートS11,S12は積層ローラー51で積層されて2プライとされ、必要に応じてプライマシンカレンダー52でカレンダー処理され、薬液付与手段53に送られる。薬液付与は各プライの片面側のみより行われ、薬液を付与されていない面同士が重ね合わされて、後にプライ固定を施されるのが好ましい。薬液塗布の方法は、浸漬、スプレー塗布、フレキソ塗布、グラビア塗布によるなど公知の塗布方法をいずれも使用することができる。
薬液を塗布された2プライの連続シートは、コンタクトエンボスコロ54B及びコロロール54Aに供され、コンタクトエンボス(ナーリング)処理を施すことにより固定されることが好ましい。コンタクトエンボスは、両側部から紙幅に対して1/10〜1/20の位置に幅1〜10mmで縦方向に一様に施されるのが好ましい。プライを接着剤等で固定するなど、公知の方法のいずれを使用してもよいが、接着剤を使用する場合、肌触りが固くなりやすい、薬液付与時に剥がれやすい、等の問題があるため、コンタクトエンボスの使用がより好ましいといえる。
コンタクトエンボスを付与した2プライの連続シートは、直接ロータリー式インターフォルダ等に供されて折り加工を施された後に製品サイズに裁断されるか、または、スリッター55により製品幅にカットされた後、ワインディングドラム56により巻き取り二次原反ロールRとされ、折り加工が施され、紙箱への収納がなされる。
なお、本形態ではコンタクトエンボス前に薬液を付与する構成をとっているが、コンタクトエンボス後に薬液を付与する構成としてもよい。
上述の二次原反ロールは、特にティシュペーパー製品においては折り加工工程に供される。折り加工工程としては、ロータリー式インターフォルダ、マルチスタンド式インターフォルダ等公知の方法を使用することができるが、生産性の高いマルチスタンド式インターフォルダの使用がより好ましい。
なお、2プライのティシュペーパーの製造工程を例示したが、本発明に係る薬剤中の紙粉除去装置から供給される薬液は、他の製造工程にも有効に使用できるものであり、上記の製造工程への使用に限定されるものではない。
(薬液塗布工程−グラビア塗布の一例)
薬液塗布工程としては、公知の塗布手段をいずれも使用することができるが、塗布面全体にムラなく薬液塗布を行うグラビア塗布、フレキソ塗布等の印刷方式の使用が好ましい。
図5にグラビア塗布に係る装置の一例を示す。図5において、積層シートS2は、一対のリンク式オフセットグラビアプレス201、202の間に送られる。プレス201は、下部グラビアシリンダ203と、上部オフセットシリンダ204とによって構成されている。また、プレス202は、下部グラビアシリンダ205と、上部オフセットシリンダ206とによって構成されている。グラビアシリンダ203,205は各々、特定の蝕刻されたセルパターンと寸法を有し、クロムメッキされた表面を有しており、オフセットシリンダ、204,206は各々、平滑なポリウレタンゴムの表面を有している。グラビアロールのセル容積の寸法は、所望の被覆重量、ライン速度、及び薬液の粘度で決まる。これらのグラビアシリンダとオフセットシリンダは、矢印の方向に回転する。図7に示されるように、オフセットシリンダ204,206、は、直接対向し互いに平行であり、積層シートS2が通過するニップ領域207を提供する。
インキ溜めトレイ208,209が、グラビアシリンダ203,205の下にそれぞれ配置されている。グラビアシリンダ203,205が、トレイ208,209内で、矢印の方向に回転すると、グラビアシリンダ203,204は、一定量の薬液を取り上げる。
次いで、グラビアシリンダのセル203、205に残った薬液は、シリンダの各対間のニップ領域210,211のところで、オフセットシリンダ204,206に移される。次いで、オフセットシリンダ204,206に移された薬液は、積層シートS2の両面に同時に移される。積層シートS2に移される薬液の量は、(1)ニップ領域207の幅の調整、及び/又は、(2)ニップ領域210、211の幅の調整によって制御される。
(薬液塗布工程−フレキソ塗布の一例)
薬液塗布工程のうち、特にドクターチャンバー61を備えたフレキソコーターを使用すると、安定した塗布量で薬液を供給することができるため、より好ましい。
図4にフレキソ印刷方式におけるドクターチャンバー形式の一例を示す。図4に示すように一方のドクターチャンバー形式とされる薬液塗布部53Aは、薬液の入っているドクターチャンバー61Aが、回転可能なアニロックスロール63Aと対向して配置されていて、ドクターチャンバー61Aからアニロックスロール63Aに薬液を受け渡すようになっている。また、このアニロックスロール63Aと接し且つ積層連続シートS2の一面とも接する刷版ロール64Aが回転可能に設置されていて、このアニロックスロール63Aから刷版ロール64Aに薬液を受け渡すようになっている。さらに、積層連続シートS2を挟んでこの刷版ロール64Aと対向している弾性ロール65Aとで積層連続シートS2に圧力を付与しつつ、刷版ロール64Aから積層連続シートS2に薬液を塗布するようになっている。
そして、本形態では、この薬液塗布部53Aがコンタクトエンボス手段54のコロ54Aと対向し且つ、前述のワインディングドラム56Aとも対向する積層連続シートS2の面側に位置している。尚、前述のドクターチャンバー61Aに対して薬液を塗布する供給ポンプ(図示しない)及び、このドクターチャンバー61Aから薬液を戻すための排出供給ポンプ(図示しない)が、ドクターチャンバー61Aに設置されている。
他方、図6に示すように他方のドクターチャンバー形式とされる薬液塗布部53Bは、薬液の入っているドクターチャンバー61Bが、回転可能なアニロックスロール63Bと対向して配置されていて、ドクターチャンバー61Bからアニロックスロール63Bに薬液を受け渡すようになっている。また、このアニロックスロール63Bと接し且つ積層連続シートS2の他の面とも接する刷版ロール64Bが回転可能に設置されていて、このアニロックスロール63Bから刷版ロール64Bに薬液を受け渡すようになっている。さらに、積層連続シートS2を挟んでこの刷版ロール64Bと対向している弾性ロール65Bとで積層連続シートS2に圧力を付与しつつ、刷版ロール64Bから積層連続シートS2に薬液を塗布するようになっている。薬液の粘度によっては、刷版ロール64Bに紙粉が付着しやすくなるという問題があることから、刷版64B下部に紙粉除去手段27を設けることが好ましい。図1、図2の図示例では紙粉除去手段27として回転ブラシを使用しているが、他にもエア噴射手段、液体噴射手段等を適宜選択することができる。また、紙粉除去手段27に向かってエアを噴射し紙粉をブラシ毛から分離するエア噴射手段28、たとえばノズルを設けることができる。28Aは圧空用ポンプである。
そして、本実施の形態では、この薬液塗布部53Bがコロ54Aと非対向とされ且つ、前述のワインディングドラム56Aとも非対向となる積層連続シートS2の他の面側に位置している。尚、前述のドクターチャンバー61Bに対して薬液を塗布する供給ポンプ(図示しない)及び、このドクターチャンバー61Bから薬液を戻すための排出供給ポンプ(図示しない)が、ドクターチャンバー61Bにも設置されている。
従って、積層連続シートS2の両面に薬液塗布部53A及び薬液塗布部53Bから薬液がそれぞれ塗布されるが、この際、薬液塗布部53Aによるコロ54Aと対向する積層連続シートS2の面側の塗布量を薬液塗布部53Bによる他の面側の塗布量に対して少なくしつつ、積層連続シートS2の両面からそれぞれ積層連続シートS2に対して薬液を塗布することができる。
具体的には、片面毎の塗布量を変えるだけでなく、フレキソ版の線数を15〜40線程度、頂点面積率を20〜40%程度の薬液が飛散しない程度に粗くすることが考えられ、このようにすることで、塗布直後はドット柄が残り、瞬間的に塗布部分と未塗布部分ができるようになる。
従って、本形態によれば、フレキソ印刷方式を用いることで版が樹脂であり弾力性があるため衛生用薄葉紙に多少の凹凸があっても印圧で調整可となるので、積層連続シートS2にシワが入り難くなる。他方、フレキソ印刷方式を用いることにより、加工速度が高速であっても塗布量を安定させることができ、また、一つのロールで幅広い薬液の粘度を安定的に塗布することができるようになる。具体的には、積層連続シートS2を700m/分以上とし、好ましくは900m/分以上の速度で搬送しつつ、薬液とされるローション剤を後述の範囲の塗布量で塗布する際にも、塗布が均一で蛇行無く積層連続シートS2を巻き取れるようになる。
また、本形態に付随する薬液塗布手段53の要件としては、以下のものが考えられる。
2ロールフレキソ形式の薬液塗布手段では、薬液タンク等の塗布装置内で循環する薬液に含まれる紙粉やエアのろ過装置を設置する必要があるが、本実施の形態のようなドクターチャンバー形式の薬液塗布手段53とした場合、紙粉等が少なくなるので、ろ過装置の負荷が軽減されることも考えられる。さらに、ドクターチャンバー61A、61B等の塗布装置内で薬液の温度をコントロールし、薬液粘度を安定させる必要が考えられるが、ドクターチャンバー61A、61Bに繋がる中間タンク及び配管にヒータを設置することにできる。他方、操業中に積層連続シートS2の幅方向の水分率で塗布量を管理する必要が考えられるが、例えば赤外線の検査機等を用いて常に幅方向の水分量とバラツキをチェックするようにできる。
ティシュペーパー製造ラインで、巾4mの2プライのティシュペーパーに薬液を塗布量が両面で4.0g/m2となるように、速度700m/分で塗布した。その際、本発明に係る紙粉除去装置を使用して、循環薬液の紙粉除去操作を行い、運転24時間後の操作の各段階における薬液の粘度の測定を行った。具体的には薬液原液、循環薬液、遠心沈降機の分離薬液、遠心沈降機の排出薬液、円筒型遠心濾過機の濾過薬液、及びサービスタンク内の薬液の粘度を測定した。本実施例は、図1に示す装置及び配管を用いた条件で行った。遠心沈降機としては、ボウルサイズ6Lのディスク型遠心沈降機を使用し、薬液の流速を10L/分、遠心沈降面積(Σ)を10000m2として運転した。
各段階における薬液の粘度を表1に示す。薬液の粘度は、B型粘度計を使用し、薬液温度27.0℃の条件で測定した。
Figure 2011251217
表1に示すように、本発明に係る紙粉除去装置を使用することにより、薬液粘度の上昇を抑えることができることを確認した。
本発明は、薬液塗布ティシュペーパーの製造に適用できるものである。
10…遠心沈降装置、11…脱泡装置、12…加温装置、22…円筒型遠心濾過機、23,24…サービスタンク、25…原液タンク、26…ヒータ、27…紙粉除去手段、300…ディスク型遠心沈降機、P−1〜P−7…ポンプ。

Claims (4)

  1. 薬液含有ティシュペーパーの製造ラインにおいて、回収した薬液を遠心沈降装置において紙粉分と薬液分とに固液分離し、前記薬液分については薬液塗布装置に対して供給するようにしたことを特徴とする薬液中の紙粉除去装置。
  2. 前記遠心沈降装置がディスク型遠心沈降機である、請求項1記載の薬液中の紙粉除去装置。
  3. 原薬液が前記薬液塗布装置に対して補給されるようにした請求項1記載の薬液中の紙粉除去装置。
  4. 薬液含有ティシュペーパーの製造ラインにおいて、回収した薬液を遠心沈降装置において紙粉分と薬液分とに固液分離し、前記薬液分については薬液塗布装置に対して供給することを特徴とする薬液中の紙粉除去方法。
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