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JP2011171635A - 防水部材付きフレキシブル回路基板及びその製造方法 - Google Patents

防水部材付きフレキシブル回路基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】防水性能が高いフレキシブル回路基板を提供すること。
【解決手段】電子機器の筐体に挿通されるフレキシブル回路基板5と、該フレキシブル回路基板5の防水部位に付設されている防水部材11aと、を有し、該防水部材11aは、防水性の弾性樹脂からなり、該防水部材11aが、フレキシブル回路基板5の防水部位の一方の実装面及び両側面の3面を覆って接着していること、を特徴とする防水部材付きフレキシブル回路基板。
【選択図】図3

Description

本発明は、防水部材付きフレキシブル回路基板、特に、携帯電話に用いられるフレキシブル回路基板、及びその製造方法に関するものである。
近年の携帯電話には、高い防水性能が要求されている。
通常、携帯電話では、第1の筐体と第2の筐体がヒンジ部で繋がっている。図1に、携帯電話のヒンジ部近傍の断面図を示す。携帯電話1では、電子部品や回路基板4aが内部に設置されている第1の筐体2aと、電子部品や回路基板4bが内部に設置されている第2の筐体2bがヒンジ部3で繋がっている。そして、それぞれの筐体内の電子部品又は回路基板4は、フレキシブル回路基板5により、電気的に接続されている。詳細には、該フレキシブル回路基板の両端のコネクタ6a、6bが、回路基板4a、4bと繋がっている。あるいは、該フレキシブル回路基板の両端のコネクタ6a、6bが、筐体内の電子部品に直接繋がっている。
このとき、フレキシブル回路基板5は、第1の筐体2a内から一旦外に出て、ヒンジ部3の内部を通り、第2の筐体2b内に繋がっている。そのため、筐体2とフレキシブル回路基板5との間の防水が不十分だと、携帯電話1に水がかかったり、携帯電話1を水中に落とした場合には、筐体2内に水が浸入してしまうために、電子部品等が故障してしまう。
そこで、筐体2とフレキシブル回路基板5との間に、防水部材7a、7bを付設することにより、筐体2とフレキシブル回路基板5との間を防水する。
従来、平板状の防水性を有する柔軟性樹脂を、防水部位のフレキシブル回路基板の実装面の一方又は両方に配設し、それらを筐体で上下から挟み付けることにより、平板状の柔軟性樹脂を上下方向から押さえ付けて、筐体とフレキシブル回路基板との間の防水が行われていた(特許文献1参照)。
特開2009−26966号公報(特許請求の範囲、図2)
図13に、従来の防水構造を示す。図13中、従来の防水構造は、平板状の柔軟性樹脂を、防水部位のフレキシブル回路基板の実装面の一方に配設し、筐体で上下から挟み付けることにより、平板状の柔軟性樹脂を上下方向から押さえ付けて、筐体とフレキシブル回路基板との間を防水する構造である。図13中(13−1)に示すように、2つの筐体2の間に、フレキシブル回路基板5及び平板状の柔軟性樹脂31を配置し、(13−2)に示すように、フレキシブル回路基板5及び平板状の柔軟性樹脂31を、2つの筐体2で挟み込んで押さえ付けるようにして、筐体2に開けられているフレキシブル回路基板の挿通部位33に、フレキシブル回路基板5及び平板状の柔軟性樹脂31を配設する。
このとき、上側の筐体2とフレキシブル回路基板5との間は、フレキシブル回路基板が直接筐体2に接触することで、上側の筐体2とフレキシブル回路基板5との間が塞がれる。また、下側の筐体2とフレキシブル回路基板5との間は、平板状の柔軟性樹脂31が配設されることにより、下側の筐体2とフレキシブル回路基板5との隙間が塞がれる。また、筐体2による押しつけ力で、平板状の柔軟性樹脂31が変形して、フレキシブル回路基板5の側面側にも、平板状の柔軟性樹脂31が配設されるので、フレキシブル回路基板5の側面側と筐体2との間も、平板状の柔軟性樹脂31で塞がれる。
ところが、図13に示す防水構造では、フレキシブル回路基板5の側面側に、わずかに隙間(隙間32)が存在する。そのため、従来の防水構造には、その隙間32から水が侵入するおそれがあるという問題があった。
従って、本発明の課題は、上記問題を解決することであり、防水性能が高いフレキシブル回路基板を提供することにある。
なお、携帯電話に限らず、電子部品や回路基板が内部に設置されている複数の筐体が、ヒンジ部で繋がっている構造を有する電子機器においては、上記課題は、共通の課題である。
このような目的は、以下の本発明(1)〜(3)により達成される。
(1)電子機器の筐体に挿通されるフレキシブル回路基板と、該フレキシブル回路基板の防水部位に付設されている防水部材と、を有し、
該防水部材は、防水性の弾性樹脂からなり、
該防水部材が、フレキシブル回路基板の防水部位の一方の実装面及び両側面の3面を覆って接着していること、
を特徴とする防水部材付きフレキシブル回路基板。
(2)前記防水性の弾性樹脂が、シリコン樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂であることを特徴とする(1)の防水部材付きフレキシブル回路基板。
(3)フレキシブル回路基板の防水部位の一方の実装面及び両側面が、成形型内に充填されている硬化性樹脂で覆われるように、該フレキシブル回路基板と該硬化性樹脂とを配置する配置工程と、
該硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
を有することを特徴とする防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法。
本発明によれば、防水性能が高いフレキシブル回路基板を提供することができる。
携帯電話のヒンジ部近傍の断面図である。 本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の形態例の模式的な平面図である。 図2中の防水部材をx−x断面で切ったときの端面図である。 図3中のフレキシブル回路基板のみを示す図である。 本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板が、筐体のフレキシブル回路基板の挿通部に配置さている様子を示す模式的な端面図である。 防水部材の形態例を示す模式的な断面図である。 本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法に用いられる成形型の模式的な斜視図である。 成形型にフレキシブル回路基板が設置されている様子を示す模式的な平面図である。 図8中のz−z線で切ったときの端面図である。 配置工程で、フレキシブル回路と硬化性樹脂とが配置されている様子を示す模式的な端面図である。 硬化工程で、硬化された後の様子を示す模式的な端面図である。 成形型の形態例を示す模式的な端面図である。 従来の防水構造を示す端面図である。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板は、電子機器の筐体に挿通されるフレキシブル回路基板と、該フレキシブル回路基板の防水部位に付設されている防水部材と、を有し、
該防水部材は、防水性の弾性樹脂からなり、
該防水部材が、フレキシブル回路基板の防水部位の一方の実装面及び両側面の3面を覆って接着していること、
を特徴とする防水部材付きフレキシブル回路基板である。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板について、図2〜図5を参照して説明する。図2は、本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の形態例の模式的な平面図であり、図3は、図2中の防水部材をx−x断面で切ったときの端面図であり、図4は、図3中のフレキシブル回路基板のみを示す図であり、図5中(5−1)は、本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板が、筐体のフレキシブル回路基板の挿通部位に配置さている様子を示す模式的な端面図であり、(5−2)は、(5−1)の筐体のみを示す図である。
図2中、防水部材付きフレキシブル回路基板10は、フレキシブル回路基板5と、防水部材11(11a、11b)と、を有している。フレキシブル回路基板5の両端には、コネクタ6(6a、6b)が付設されている。また、コネクタ6が付設されている側とは反対側のフレキシブル回路基板上には、補強板が付設されていてもよい。そして、防水部材付きフレキシブル回路基板10は、電子部品又は回路基板が内部に設置されている2つの筐体が、ヒンジ部で取り付けられている電子機器、例えば、図1に示す携帯電話に用いられる。
図3及び図4に示すように、防水部材11は、フレキシブル回路基板の防水部位13の一方の実装面14と、フレキシブル回路基板5の両側面15a、15bを覆うようにして、フレキシブル回路基板5に接着して付設されている。また、フレキシブル回路基板5の他方の実装面12は、防水部材11で覆われていない。
防水部材付きフレキシブル回路基板10が用いられている電子機器では、フレキシブル回路基板の一端に付設されているコネクタ6aは、第1の筐体内の電子部品又は回路基板に接続され、フレキシブル回路基板の他端に付設されているコネクタ6bは、第2の筐体内の電子部品又は回路基板に接続され、フレキシブル回路基板5のヒンジ内内設部21は、ヒンジ部内に収められる。このとき、フレキシブル回路基板5は、第1の筐体の内部から外へ出て、ヒンジ部の内部を通って、第2の筐体の内部に入るように設置される。
図5に示すように、防水部材付きフレキシブル回路基板10は、電子機器の筐体2に設けられたフレキシブル回路基板の挿通部位16に、挿通される。そして、防水部材11及びフレキシブル回路基板5が、フレキシブル回路基板の挿通部位16に設置される。このとき、防水部材11は、電子機器の筐体2とフレキシブル回路基板5との間隙を埋めるようにして配設されることにより、これらの間隙を密封して防水する。
詳細には、筐体2のフレキシブル回路基板の挿通部位16のうち、フレキシブル回路基板5と接触している箇所は、筐体2とフレキシブル回路基板5とが直接接触することにより、筐体2とフレキシブル回路基板5との間が塞がれている。また、フレキシブル回路基板の挿通部位16のうち、筐体2のフレキシブル回路基板5と接触している箇所以外の箇所は、防水部材11が、筐体2とフレキシブル回路基板5との間に挟み込まれることにより、筐体2とフレキシブル回路基板5との間が塞がれている。
このとき、防水部材11及びフレキシブル回路基板5の断面積は、フレキシブル回路基板の挿通部位16の開口面積より大きく、且つ、防水部材11が弾性樹脂なので、防水部材11が筐体2で挟み込まれて押さえ付けられることにより内部応力が発生し、この内部応力で、フレキシブル回路基板の他方の面12及び防水部材11が、筐体2に押し付けられる。このことにより、筐体2とフレキシブル回路基板の他方の面12及び防水部材11とが密着して、防水部材付きフレキシブル回路基板10の防水部位が防水される。そして、防水部材付きフレキシブル回路基板10では、防水部材11が、フレキシブル回路基板5の両側面15a、15bを覆うようにして接着しているので、フレキシブル回路基板5の側面側に、隙間が生じることはない。
本発明に係るフレキシブル回路基板としては、通常、ヒンジ部内を通って第1の筐体内の電子部品又は回路基板と第2の筐体内の電子部品又は回路基板とを繋ぐために用いられているフレキシブル回路基板であればよく、特に制限されない。本発明に係るフレキシブル回路基板としては、例えば、片面に回路が形成されているフレキシブル回路基板や、両面に回路が形成されているフレキシブル回路基板が挙げられ、また、一層のフレキシブル回路基板であっても、2以上のフレキシブル回路基板が重ねられている多層のフレキシブル回路基板であってもよい。
本発明に係るフレキシブル回路基板は、表面が樹脂材で覆われている。フレキシブル回路基板を覆っている樹脂材としては、通常のフレキシブル回路基板に用いられている材質であれば、特に制限されないが、シリコン樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン樹脂、エラストマー樹脂等の弾性樹脂が、フレキシブル回路基板が適度な柔軟性を有し且つ筐体とフレキシブル回路基板が直接接触する箇所の防水性能が高くなる点で好ましい。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板では、フレキシブル回路基板に、防水部材が付設されている。防水部材が付設される箇所は、フレキシブル回路基板の防水部位であり、例えば、図2では、符号13で示すフレキシブル回路基板の防水部位13である。そして、防水部位は、フレキシブル回路基板のうち、筐体に形成されているフレキシブル回路基板が挿入される部位(筐体の挿通部位)に位置する部位であり、例えば、図1では、符号18で示す部分が、防水部位18a、18bである。
防水部材は、防水性の弾性樹脂からなる。防水部材に係る防水性の弾性樹脂は、防水性を有し且つ弾性を有する樹脂であれば、特に制限されず、例えば、シリコン樹脂;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂;ウレタン樹脂、アクリル樹脂などの弾性を有するエラストマー樹脂等が挙げられる。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板では、防水部材は、防水部位のフレキシブル回路基板の一方の実装面及び両側面の3面を覆って接着している。なお、フレキシブル回路基板の実装面とは、コネクタ、コネクタの裏側に相当する位置に取り付けられる補強板、両面テープ等が固定される面であり、平面方向に広がっている面である。また、フレキシブル回路基板の側面とは、フレキシブル回路基板の2つの実装面を上下の面としたときの側面である。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板では、フレキシブル回路基板の一方の実装面に加えて、両側面にも、防水性の弾性樹脂が覆って接着している。フレキシブル回路基板の側面側の防水部材の形状は、フレキシブル回路基板の一方の実装面及び両側面の3面を覆っている形状であれば、特に制限されず、例えば、図3に示す形態例のように、断面視したときに、長方形の防水部材中にフレキシブル回路基板が埋め込まれているような形態例や、図6中(6−1)及び(6−2)に示す形態例のように、断面視したときに、長方形の防水部材の上面にフレキシブル回路基板の側面接着部17(17a、17b)が突出したような形態例が挙げられる。また、防水部材の全体形状は、筐体の挿通部位の形状に合わせて、適宜選択される。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板は、その両端に、筐体内の電子部品又は回路基板と接続するためのコネクタが付設されている。また、本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板は、必要に応じて、表面実装が可能な電子部材、例えば、抵抗、トランジスタ、コンデンサ等が付設されている。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板が用いられる電子機器としては、電子部品又は回路基板が内部に設置されている2個の筐体が、ヒンジ部で繋がっている電子機器であれば、特に制限されず、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルムービー等が挙げられる。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板では、防水部材が、フレキシブル回路基板の一方の実装面に加えて、両側面を覆って接着しているので、従来の防水構造のように、フレキシブル回路基板の側面側に隙間が生じることがない。そのため、本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板は、従来の防水構造に比べ、防水性能が高い、特に、電子機器が高水圧の環境下に置かれたときに、優れた防水性能を発揮する。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板は、以下に示す本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法により、好適に製造される。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法は、フレキシブル回路基板の防水部位の一方の実装面及び両側面が、成形型内に充填されている硬化性樹脂で覆われるように、該フレキシブル回路基板と該硬化性樹脂とを配置する配置工程と、
該硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
を有することを特徴とする防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法である。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法について、図7〜図11を参照して説明する。図7は、本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法に用いられる成形型の模式的な斜視図であり、図8は、成形型にフレキシブル回路基板が設置されている様子を示す模式的な平面図であり、図9は、図8中のz−z線で切ったときの端面図であり、図10は、配置工程で、フレキシブル回路と硬化性樹脂とが配置されている様子を示す模式的な端面図であり、図11は、硬化工程で、硬化された後の様子を示す模式的な端面図である。
図7に示すように、成形型20aは、上面のない直方体の容器である。成形型20aの2つの側壁201には、フレキシブル回路基板5が設置される切欠き部19が形成されている。
次いで、図8及び図9に示すように、成形型20aの切欠き部19に、フレキシブル回路基板5を設置する。このとき、フレキシブル回路基板5の防水部位の一方の実装面14及び両側面15a、15bが、成形型20a内に位置するように、フレキシブル回路基板5を設置する。なお、フレキシブル回路基板5の他方の実装面12の位置(符号22で示す点線の位置)は、成形型20aの他の2つの側壁202の高さと同じか、成形型20aの他の2つの側壁202の高さより低い位置にする。
次いで、図10に示すように、成形型20a内に、熱硬化性樹脂23を、フレキシブル回路基板5の他方の実装面12の位置22まで充填する。このことにより、フレキシブル回路基板5の一方の実装面14及び両側面15a、15bが、成形型20a内に充填されている熱硬化性樹脂23で覆われる。
このようにして、本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法に係る配置工程を行う。
次いで、図10に示す成形型20aごと、成形型20a内に充填されている熱硬化性樹脂23を加熱して、熱硬化性樹脂23を熱硬化させて、図11に示す熱硬化性樹脂の硬化物24にする(本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法に係る硬化工程)。
硬化工程を行った後は、成形型20aを、熱硬化性樹脂の硬化物24から外して、本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板を得る。
本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法に係る配置工程では、フレキシブル回路基板と硬化性樹脂とを配置する方法としては、特に制限されず、例えば、前記のように、先に、成形型にフレキシブル回路基板を設置してから、成形型内に硬化性樹脂を、フレキシブル回路基板の他方の実装面の位置まで充填してもよいし、また、先に、成形型内の切欠き部の下まで硬化性樹脂を充填してから、成形型にフレキシブル回路基板を設置し、次いで、フレキシブル回路基板の他方の実装面の位置まで、硬化性樹脂を成形型内のフレキシブル回路基板の側面側に充填してもよい。
配置工程に係る成形型は、硬化性樹脂の形状を防水部材の形状に成形するための成形型である。配置工程に係る成形型は、一続きの1つの構成要素により構成される成形型であっても、複数の構成要素を組み合わせて構成されている成形型であってもよい。
配置工程に係る成形型の内側には、硬化後に、硬化性樹脂の硬化物の離型性を高めるために、離型剤を塗布してもよい。
配置工程では、成形型にフレキシブル回路基板を設置する前に、フレキシブル回路基板の硬化性樹脂で覆われる面、特に、フレキシブル回路基板の両側面に、予め、硬化性樹脂を塗る等の下地処理をして、硬化性樹脂で覆われる面の濡れ性を向上させてから、下地処理したフレキシブル回路基板を成形型に設置することができる。
配置工程に係る硬化性樹脂としては、100〜300℃で加熱することにより熱硬化する熱硬化性樹脂、10〜100℃程度の温度で硬化剤と反応することにより硬化する低温硬化性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。低温硬化性樹脂は、10〜100℃程度の温度で硬化剤と反応して硬化する樹脂であり、例えば、硬化性のシリコン樹脂液と硬化剤液の2液を混合することにより硬化する2液混合型の硬化性シリコン樹脂や、圧力が加えられることにより壊れるマイクロカプセルに硬化剤が内包されている硬化剤内包カプセルが硬化性のシリコン樹脂に分散されている潜伏型の硬化性シリコン樹脂等が挙げられる。そして、硬化性樹脂は、硬化工程で硬化させることにより、防水性の弾性樹脂となる。
配置工程に係る成形型の形状は、防水部材の形状により適宜選択され、図2〜図5に示す防水部材の形状に成形するための成形型としては、図7に示す形状の成形型が挙げられ、図6中(6−1)に示す防水部材の形状に成形するための成形型としては、図12中(12−1)に示す形状の成形型が挙げられ、図6中(6−2)に示す防水部材の形状に成形するための成形型としては、図12中(12−2)に示す形状の成形型が挙げられる。なお、図12は、成形型の端面図であり、フレキシブル回路基板の設置位置を点線で示した。
配置工程で、硬化性樹脂を硬化させる方法は、硬化性樹脂の種類により適宜選択される。例えば、硬化性樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、熱硬化性樹脂を硬化温度で加熱することにより熱硬化性樹脂を硬化させる。
また、本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板は、上記本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法以外にも、例えば、本発明の防水部材付きフレキシブル回路基板に係る防水部材の形状に、防水性を有する弾性樹脂を成形し、接着剤を用いて、成形した防水部材をフレキシブル回路基板の防水部位の一方の実装面及び両側面の3面に接着することによっても製造される。
本発明によれば、防水性に優れるフレキシブル回路基板を、簡便な方法で製造することができる。
1 携帯電話
2a 第1の筐体
2b 第2の筐体
3 ヒンジ部
4a、4b 回路基板
5 フレキシブル回路基板
6、6a、6b コネクタ
7、7a、7b 防水部材
10 防水部材付きフレキシブル回路基板
11、11a、11b 防水部材
12 フレキシブル回路基板の他方の実装面
13 フレキシブル回路基板の防水部位
14 フレキシブル回路基板の一方の実装面
15、15a、15b フレキシブル回路基板の側面
16 フレキシブル回路基板の挿通部位
17 側面接着部
18 防水部位
19 切欠き部
20 成形型
21 ヒンジ内内設部
22 フレキシブル回路基板の他方の実装面の位置
23 熱硬化性樹脂
24 熱硬化性樹脂の硬化物
31 平板状の柔軟性樹脂
32 隙間
33 フレキシブル回路基板の挿通部位
201 成形型の2つの側壁
202 成形型の他の2つの側壁

Claims (3)

  1. 電子機器の筐体に挿通されるフレキシブル回路基板と、該フレキシブル回路基板の防水部位に付設されている防水部材と、を有し、
    該防水部材は、防水性の弾性樹脂からなり、
    該防水部材が、フレキシブル回路基板の防水部位の一方の実装面及び両側面の3面を覆って接着していること、
    を特徴とする防水部材付きフレキシブル回路基板。
  2. 前記防水性の弾性樹脂が、シリコン樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の防水部材付きフレキシブル回路基板。
  3. フレキシブル回路基板の防水部位の一方の実装面及び両側面が、成形型内に充填されている硬化性樹脂で覆われるように、該フレキシブル回路基板と該硬化性樹脂とを配置する配置工程と、
    該硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
    を有することを特徴とする防水部材付きフレキシブル回路基板の製造方法。
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