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JP2011170015A - ネガ型平版印刷版の製造方法 - Google Patents

ネガ型平版印刷版の製造方法 Download PDF

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JP2011170015A JP2010032225A JP2010032225A JP2011170015A JP 2011170015 A JP2011170015 A JP 2011170015A JP 2010032225 A JP2010032225 A JP 2010032225A JP 2010032225 A JP2010032225 A JP 2010032225A JP 2011170015 A JP2011170015 A JP 2011170015A
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Hiroyuki Ishikura
弘之 石倉
Takako Kasai
誉子 笠井
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

【課題】pHが5〜8の現像液を用いて現像可能な平版印刷版の製造方法において、非画像部の溶出性と画像部の耐刷性を両立することが可能なネガ型平版印刷版の製造方法を提供する。
【解決手段】粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体の陽極酸化処理後、燐酸エステル化された多糖類を含む処理液で親水化処理を施し、その後に、少なくとも光ラジカル発生剤、可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤及びエチレン性二重結合を有する化合物を含有する感光層を設けることを特徴とするネガ型平版印刷版の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体上に感光層を有するネガ型平版印刷版の製造方法に関する。より詳しくは、pH5〜8の現像液で現像可能な上記平版印刷版の製造方法に関する。
広く用いられているタイプの感光性平版印刷版は、アルミニウム支持体に塗布された感光性塗膜を有する。平版印刷は印刷版表面に形成されたパターンと背景部のそれぞれの親油性、親水性の表面物性を利用し、インキと湿し水を同時に印刷機上で版面に供給し、インキが親油性表面を有するパターン上に選択的に転移する現象を利用するものである。パターン上に転移したインキはその後ブランケットと呼ばれる中間体に転写され、これから更に印刷用紙に転写することで印刷が行われる。
平版印刷版を作製するには、従来、感光性塗膜(感光層)に光透過性のフィルム原稿を介して、紫外線を用いて露光するのが一般的であったが作業が煩雑であった。そこで、例えば、特開平7−333847号公報には、高感度な感光層を有する印刷版を用いることで、細くビームを絞ったレーザー光を版面上で走査させ、原稿等を直接版面上に形成させる方法が開示されている。
上記走査露光に好適なネガ型平版印刷版としては、例えば、特開平5−197139号公報には、付加重合もしくは架橋可能な化合物と近赤外線吸収能を有するカチオン性染料のボレート錯体とを含有する平版印刷版、特開2002−214780号公報には、エチレン性不飽和化合物、光重合開始系、及び高分子結合剤を含有する光重合性感光層を有し、該感光層の酸価が特定の範囲に調整された平版印刷版、特開2002−244277号公報には、アリル型またはビニル型不飽和結合を有する共重合体と(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体を併用する平版印刷版、特開平11−288089号公報には、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する平版印刷版、特開2001−290271号公報には、ビニル基が置換されたフェニル基を有する重合体と光ラジカル発生剤とを含有する平版印刷版、特開2006−11843号公報、特開2007−45736号公報には、ビニル基が置換されたフェニル基を2つ以上有する重合性モノマーを含有する平版印刷版、等が開示されている。
このような平版印刷版用の現像液としては、環境上、また、安全上pHが10未満の比較的低いpHのアルカリ溶液の使用が望ましい。比較的低いpHの現像液として、例えば特開2000−81711号公報にアニオン界面活性剤を含む水酸化カリウム水溶液が、特開平11−65126号公報にpHが8.5〜11.5のアルカリ金属の炭酸塩水溶液が、特開2001−175004号公報(特許文献1)にはpHが7〜12の界面活性剤を含む炭酸塩水溶液が、特開2002−196507号公報、特開2002−351094号公報(特許文献2)等に無機アルカリ剤とポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン系界面活性剤とを含有する比較的低いpHの現像液が、特開2008−250199号公報(特許文献3)にはポリオキシアルキレン基を有する三級アミンタイプのノニオン界面活性剤を含有する現像液が、特開2009−69761号公報(特許文献4)には、ガム液を現像液として利用する方法が開示されている。しかし、これらは非画像部の溶出性が不十分であったり、現像液のpHが低いためにアルミニウム支持体表面のエッチングが不十分で、良好な耐汚れ性が得られにくいという問題がある。
アルミニウム支持体の表面処理において、良好な耐汚れ性を得る方法としては、米国特許第3,181,461号明細書に記載されているようなアルカリ金属ケイ酸塩水溶液中に浸漬する方法、特公昭46−35685号公報に記載されるようなポリビニルホスホン酸水溶液処理を行う方法が知られている。しかし、このようなアルミニウム支持体を用いた平版印刷版の場合、画像と支持体との接着性が乏しくなるという問題を有している。このような親水化処理したアルミニウム支持体を用いた場合における画像と支持体の接着性を改良する方法としては、特開2001−249444号公報(特許文献5)にポリビニルホスホン酸で親水化処理したアルミニウム支持体上にジアゾニウム基を有する化合物を含有する中間層を設けた平版印刷版が開示されている。しかし、この方法は小ロット印刷のような少量の印刷行う場合には有効であるが、雑誌や新聞印刷のような多量の印刷を行う場合には耐刷性が問題となる場合がある。
一方、特開平9−207466号公報(特許文献6)に粗面化処理した後、陽極酸化を施したアルミニウム支持体上に、糖類の1,2−ナフトキノンジアジド−5−(及び/または−4−)スルホン酸エステル化物よりなる感光性物質を含む下塗り層を有し、更にその上にポジ型感光性組成物層を有することを特徴とする感光性平版印刷版が開示されている。しかしこの場合、ポジ型の平版印刷版の画像形成であり、本発明のネガ型平版印刷版の場合には溶出性に悪影響を及ぼしてしまう。
特開2001−175004号公報 特開2002−351094号公報 特開2008−250199号公報 特開2009−69761号公報 特開2001−249444号公報 特開平9−207466号公報
本発明の目的は、pHが5〜8の現像液を用いて現像可能な平版印刷版の製造方法において、非画像部の溶出性と画像部の耐刷性を両立することが可能なネガ型平版印刷版の製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体の陽極酸化処理後、燐酸エステル化された多糖類を含む処理液で親水化処理を施し、その後に、少なくとも光ラジカル発生剤、可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤及びエチレン性二重結合を有する化合物を含有する感光層を設けることを特徴とするネガ型平版印刷版の製造方法により達成することができた。
本発明により、pHが5〜8の現像液を用いて現像可能な平版印刷版の製造方法において、非画像部の溶出性と画像部の耐刷性を両立することが可能なネガ型平版印刷版の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明にかかる平版印刷版の製造方法は、粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体の陽極酸化処理後、燐酸エステル化された多糖類を含む処理液で親水化処理を施し、その後に、少なくとも光ラジカル発生剤、可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤及びエチレン性二重結合を有する化合物を含有する感光層を設けることを特徴とする。
本発明の燐酸エステル化した多糖類としては、例えば、アガロース、アルギン酸、カラギーナン等の藻類から得られるもの、キチン、キトサン等のキチン質類、アミロース、グリコーゲン、アミロペクチン、キサンタンガム、プルラン、デキストラン等のα−グルカン類、例えば、ラミナラン、カードラン、カロース、セルロース等のβ−グルカン類、ローカストビーンガム、グアーガム、フェヌグリークガム等のガラクトマンナン類、ラムナン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルタマン硫酸、ヘパラン硫酸、フコイダン、ケラタン硫酸、ヒアルロン酸等のようなグリコサミノグリカン類(ムコ多糖類)、イヌリン、レバン、グラミナン等のフルクタン類、ホモガラクツロナン、ラムノガラクツロナン−I、ラムノガラクツロナン−II等のペクチン類、ペクチン酸、アラビアガム、キシラン、アラビノキシラン、グルクロノキシラン、グルコマンナン、キシログルカン等のヘミセルロース類、等を燐酸エステル化したものが挙げられる。また、寒天、澱粉等の多糖類が主成分であるものや二種類以上の多糖類が混在するものを燐酸エステル化したものや、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の多糖類の誘導体を更に燐酸エステル化したものも用いることができる。これらの中でも燐酸エステル化した澱粉が好ましい。燐酸エステル化澱粉は、例えば日澱化學(株)から、ブリバインの商品名で市販されている。多糖類の燐酸エステル化の方法については、例えば、特開平11−255803号公報、特開2002−194002号公報に記載されている。これら多糖類は二種以上組み合わせても使用でき、処理液中に好ましくは0.01〜40質量%、より好ましくは0.1〜10質量%の範囲で含有させることができる。
本発明の上記処理液を用いた親水化処理は、アルミニウム支持体を粗面化処理、陽極酸化処理した後に行う。親水化処理の方法としては、処理液中にアルミニウム板を浸漬させる方法、該処理液をシャワーでアルミニウム板に供給する方法、あるいは該処理液をグラビアロール、エクストリュージョンバー等でアルミニウム板に塗布する方法等がある。また、親水化処理時間としては、3〜60秒程度が好ましく、処理温度としては20〜60℃がより好ましい。更に、親水化処理後には水洗するのが好ましい。
次に、本発明の感光層について詳細に説明する。本発明の感光層は光ラジカル発生剤、可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し、前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤及びエチレン性二重結合を有する化合物を少なくとも含有する。光ラジカル発生剤としては公知の化合物を用いることができる。例えば、有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換された化合物(例えばトリハロアルキル置換された含窒素複素環化合物としてs−トリアジン化合物及びオキサジアゾール誘導体、トリハロアルキルスルホニル化合物)、ヘキサアリールビイミダゾール、チタノセン化合物、ケトオキシム化合物、チオ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらの光ラジカル発生剤の中でも、特に有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換化合物が好ましく用いられる。更に好ましくは、有機ホウ素塩とトリハロアルキル置換化合物を組み合わせて用いることである。
有機ホウ素塩を構成する有機ホウ素アニオンは、下記一般式で表される。
Figure 2011170015
式中、R、R、R及びRは各々同じであっても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらのうちで、R、R、R及びRのうちの一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
有機ホウ素塩を構成するカチオンとしては、アルカリ金属イオン及びオニウム化合物が挙げられるが、好ましくは、オニウム塩であり、例えばテトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を下記に示す。
Figure 2011170015
Figure 2011170015
他の好ましい光ラジカル発生剤として、トリハロアルキル置換化合物が挙げられる。上記トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体及びオキサジアゾール誘導体が挙げられ、あるいは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環あるいは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
Figure 2011170015
Figure 2011170015
上述したような光ラジカル発生剤の含有量は、後述するエチレン性二重結合を有する化合物に対して、1〜100質量%の範囲が好ましく、更には1〜40質量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明の感光層は、可視光から近赤外光の各種光源に対応できるように、可視光から近赤外光の波長領域に吸収を有し光ラジカル発生剤を増感する増感剤を併せて含有する。増感剤としては、各種増感色素が好ましく用いられる。このような増感色素として、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、クマリン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、スクアリリウム化合物、ピリリウム化合物が挙げられ、更に、欧州特許第0,568,993号、米国特許第4,508,811号、同5,227,227号公報に記載の化合物も用いることができる。
本発明の感光性平版印刷版は、近赤外レーザーに対応するように、750nm以上の近赤外光に吸収を有する増感色素を含有するのが好ましい。感光層を近赤外〜赤外光(750〜1100nmの波長領域)の波長領域に対応させることによって、明室下(紫外線をカットした蛍光灯の下)での取り扱いが可能となる。感光層をこのような近赤外光に増感するために用いられる増感色素の具体例を以下に示す。
Figure 2011170015
Figure 2011170015
また、近年、400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザーを搭載した出力機が普及している。この出力機は、最大露光エネルギー量が数十μJ/cm程度で、用いられる感光材料も高感度が要求される。青色半導体レーザーに対応するための増感剤としてはピリリウム系化合物またはチオピリリウム系化合物が好ましい。
本発明において、増感剤の含有量は、感光性平版印刷版の感光層1m当たり3〜300mg程度が適当である。好ましくは10〜200mg/mである。
本発明の感光層は、エチレン性二重結合を有する化合物を少なくとも含有する。エチレン性二重結合を有する化合物としては、エチレン性二重結合を有する重合体、単量体があるが、小点耐刷性に優れることから、側鎖にエチレン性二重結合を有する重合体が特に好ましい。かかるエチレン性二重結合としては、ビニル基、アリル基、ビニル基が置換したフェニル基が挙げられる。特に側鎖にビニル基が置換されたフェニル基を有する重合体が、高感度でかつ優れた耐刷性が得られる理由から好ましい。
ビニル基及びアリル基を有するモノマーとして、ビニル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリルアミド、アリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらを用いた単独重合体もしくは共重合体が前記重合体としてあげられる。
側鎖にビニルが置換したフェニル基を有する重合体は、下記一般式で表される基を側鎖に有する重合体である。
Figure 2011170015
式中、Zは連結基を表し、R、R及びRは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていてもよい。Rは水素原子と置換可能な基または原子を表す。nは0または1を表し、mは0〜4の整数を表し、kは1〜4の整数を表す。
上記一般式で表される基について、更に詳細に説明する。Zの連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R)−、−C(O)−O−、−C(R10)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記に表される基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR及びR10は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
Figure 2011170015
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していてもよい。上記一般式で表される基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2011170015
Figure 2011170015
Figure 2011170015
Figure 2011170015
上記一般式で表される基の中には好ましいものが存在する。即ち、R及びRが水素原子でRが水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)であるものが好ましい。更に、連結基Zとしては複素環を含むものが好ましく、kは1または2であるものが好ましい。
また上記の側鎖にエチレン性二重結合を有する重合体としては、現像液に可溶性であることが好ましく、そのためにカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含む重合体であることが特に好ましい。この場合、共重合体組成に於ける上記した側鎖にエチレン性二重結合を有するモノマーの割合として、トータル組成100質量%中において1質量%以上95質量%以下であることが好ましく、5〜95質量%の範囲がより好ましく、更に10〜90質量%の範囲が好ましい。また、共重合体中に於けるカルボキシル基含有モノマーの割合は同じく5質量%以上99質量%以下であることが好ましく、10〜90質量%の範囲がより好ましい。これ以下の割合では共重合体が現像液に溶解しない場合がある。
上記のカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
本発明に用いられる重合体は、上記した側鎖にエチレン性二重結合を有するモノマー及びカルボキシル基を有するモノマー以外にも共重合体中に他のモノマー成分を導入して多元共重合体として合成、使用することも好ましく行うことができる。こうした場合に共重合体中に組み込むことができるモノマーとして、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステルあるいはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、あるいはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、あるいは、燐酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、あるいは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、あるいは、ビニルスルホン酸及びその塩、アリルスルホン酸及びその塩、メタリルスルホン酸及びその塩、スチレンスルホン酸及びその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、あるいは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、あるいはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、更にはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーを適宜共重合モノマーとして使用することができる。これらのモノマーの共重合体中に占める割合としては、先に述べた共重合体組成中に於ける前記一般式で示す基及びカルボキシル基含有モノマーの好ましい割合が保たれている限りにおいて任意の割合で導入することができる。
本発明に用いられる重合体の分子量としては、質量平均分子量で1000から100万の範囲であることが好ましく、更に1万から30万の範囲にあることが特に好ましい。
本発明に係わる側鎖にビニルが置換したフェニル基を有する重合体の例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100質量%中に於ける各繰り返し単位の質量%を表す。
Figure 2011170015
Figure 2011170015
Figure 2011170015
Figure 2011170015
Figure 2011170015
エチレン性二重結合を有する単量体としては、エチレン性二重結合を2以上有する単量体であることが好ましく、かかる化合物の分子量は1万以下で、好ましくは5000以下である。該単量体としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基が置換したフェニル基等のエチレン性二重結合を2個以上有する化合物が挙げられる。
エチレン性二重結合としてアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有する化合物としては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
エチレン性二重結合としてビニル基が置換したフェニル基を有する単量体は、代表的には下記一般式で表される。
Figure 2011170015
式中、Zは連結基を表し、R11、R12及びR13は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていてもよい。R14は置換可能な基または原子を表す。mは0〜4の整数を表し、kは2以上の整数を表す。
上記一般式について更に詳細に説明する。Zの連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R15)−、−C(O)−O−、−C(R16)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR15及びR16は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していてもよい。
上記一般式で表される単量体の中でも好ましい単量体が存在する。即ち、R11及びR12は水素原子でR13は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、kは2〜10の化合物が好ましい。以下に具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2011170015
Figure 2011170015
Figure 2011170015
上記したような単量体はエチレン性二重結合を有する重合体と共に含有することが好ましく、これらの含有量は、エチレン性二重結合を有する重合体に対して、1〜100質量%の範囲が好ましく、更に5〜50質量%の範囲が好ましい。
本発明の感光層は、上述した成分以外にも種々の目的で他の成分を添加することも好ましく行われる。例えば、保存性を向上させる目的で種々の重合禁止剤を添加することが好ましく行われる。この場合の重合禁止剤としては、ハイドロキノン類、カテコール類、ナフトール類、クレゾール類等の各種フェノール性水酸基を有する化合物やキノン類化合物等が好ましく使用され、特にハイドロキノンが好ましく使用される。この場合の重合禁止剤の添加量としては、該重合体100質量部に対して0.1質量部から10質量部の範囲で使用することが好ましい。他に、画像の視認性を高める目的で種々の染料、顔料を添加することや、感光性組成物のブロッキングを防止する目的等で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
本発明に用いられるアルミニウム支持体は、アルミニウム板またはアルミニウム合金板を用いる。アルミニウム支持体の厚みは、0.1〜0.6mm程度である。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさ及びユーザーの希望により適宜変更することができる。
アルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられ、各種圧延方法により製造されたアルミニウム板が使用できる。また、近年普及しつつあるスクラップ材及びリサイクル材等の再生アルミニウム地金を圧延した再生アルミニウム板も使用できる。
アルミニウム支持体は、粗面化(砂目立て処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノールアミン等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。
粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。
用いられる機械的粗面化法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。ブラシ研磨法による粗面化は、例えば、直径0.2〜0.8mmのブラシ毛を使用した回転ブラシを回転し、支持体表面に、例えば、粒径10〜100μmの珪砂粒子を水に均一に分散させたスラリーを供給しながら、ブラシを押し付けて行うことができる。ホーニング研磨による粗面化は、例えば、粒径10〜100μmの珪砂粒子を水に均一に分散させ、ノズルより圧力をかけ射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗面化を行うことができる。
上記の機械的粗面化法で粗面化した後、支持体の表面に食い込んだ研磨剤、形成されたアルミニウム屑等を取り除くため、酸またはアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でも、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/mが好ましい。アルカリ水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
電気化学的粗面化法も特に限定されるものではないが、酸性電解液中で電気化学的に粗面化を行う方法が好ましい。酸性電解液は、電気化学的粗面化法に通常用いられる酸性電解液を使用することができるが、塩酸系または硝酸系電解液を用いるのが好ましい。電気化学的粗面化方法については、例えば、特公昭48−28123号公報、英国特許第896,563号明細書、特開昭53−67507号公報に記載されている方法を用いることができる。この粗面化法は、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dmの範囲を用いることができるが、50〜150A/dmの範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dmの範囲を用いることができるが、100〜2000c/dmの範囲から選ぶのが好ましい。この粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。
電解液として硝酸系電解液を用いて電気化学的粗面化を行う場合、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dmの範囲を用いることができるが、20〜100A/dmの範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dmの範囲を用いることができるが、100〜2000c/dmの範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液における硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、シュウ酸等を加えることができる。
電解液として塩酸系電解液を用いる場合、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、2〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dmの範囲を用いることができるが、30〜150A/dmの範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dmの範囲を用いることができるが、好ましくは100〜2000c/dm、更には200〜1000c/dmの範囲から選ぶのがより好ましい。電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液における塩酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、シュウ酸等を加えることができる。
上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後、表面のアルミニウム屑(スマット)等を取り除くため、酸またはアルカリの水溶液に浸漬し、デスマット処理することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/mが好ましい。また、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
機械的粗面化法、電気化学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、また、機械的粗面化処理法に次いで電気化学的粗面化法を行って粗面化してもよい。
粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行う。本発明において用いることができる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持体上には酸化皮膜が形成される。該陽極酸化処理には、硫酸及び/または燐酸等を10〜50質量%の濃度で含む水溶液を電解液として、電流密度1〜10A/dmで電解する方法が好ましく用いられるが、他に、米国特許第1,412,768号明細書に記載されている硫酸中で高電流密度で電解する方法や、同3,511,661号明細書に記載されている燐酸を用いて電解する方法、クロム酸、シュウ酸、マロン酸等を一種または二種以上含む溶液を用いる方法等が挙げられる。形成された陽極酸化被覆量は、1〜50mg/dmが適当であり、好ましくは10〜40mg/dmである。陽極酸化被覆量は、例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85質量%液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1Lの水に溶解して作製)に浸積し、酸化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の質量変化測定等から求められる。
本発明の平版印刷版の感光層の厚みは、支持体上に0.5μmから10μmの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、更に1μmから5μmの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。
前記のアルミニウム支持体上に感光層を塗設されて得られたネガ平版印刷版は、各種レーザーで走査露光が行われ、露光された部分が架橋することで現像液に対する溶解性が低下することから、後述する現像液により未露光部を溶出することで露光画像のパターン形成が行われる。
本発明の平版印刷版の現像に用いられる現像液のpHは5〜8の範囲にあることが好ましく、この範囲よりpHが低いと現像性が低下する場合があり、また、この範囲よりpHが高いと画像部が損傷を受ける場合がある。pHをこの範囲に調整するために種々アルカリ剤、無機酸、有機酸とそれらの塩の何れか、もしくはこれらの組み合わせを用いることができる。アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウムが挙げられる。無機酸としては、例えば、硝酸、硫酸、燐酸、メタ燐酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、クエン酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸等が挙げられる。塩としては、これら無機酸、あるいは有機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、リチウム塩等が挙げられる。また、これらの酸やその塩を1種類もしくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記アルカリ剤、無機酸、有機酸やそれらの塩に加えて、現像液のpHの微妙な調整、光重合性感光層の溶解性補助の目的で、前述のアルカリ剤と更に有機アルカリ剤を併用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらの有機アルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
現像液には更にノニオン性の界面活性剤を含有するのが好ましく、これによって一段と溶出性が改良される。かかるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ヒマシ油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリプロピレングリコールの分子量200〜5000のもの、トリメチロールプロパン、グリセリンまたはソルビトールのポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンの付加物、アセチレングリコール系等が挙げられる。特にポリオキシエチレンアルキルアミンが好ましく、その中でも特開2008−250199号公報に記載されているようなポリオキシアルキレン基を有する三級アミンタイプのノニオン界面活性剤が好ましい。ノニオン性界面活性剤の含有量は、現像液1L当たり1〜300gの範囲が好ましく、特に30〜200gの範囲が好ましい。
上記ノニオン系界面活性剤に加えて、必要に応じて、種々アニオン系、カチオン系及び両性界面活性剤等の界面活性剤を併用することができる。アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類及びα−オレフィンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等が用いられる。両性界面活性剤としては、アルキルカルボキシベタイン類、アルキルイミダゾリン類、アルキルアミノカルボン酸類等が用いられる。また、フッ素系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。該界面活性剤は二種以上併用することができる。
更に、現像液は必要に応じて、水溶性高分子化合物、防腐剤、キレート剤、消泡剤、湿潤剤を含有させることができる。水溶性高分子化合物としては、例えばアラビアガム、デキストリン、変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、及びその変性体、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、大豆多糖類等が挙げられる。これらの水溶性高分子化合物は2種以上を併用して使用することもできる。
防腐剤としては、フェノールまたはその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンゾトリアゾール誘導体、アミングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−2−ニトロ−2−プロパノール等が好ましく用いられる。また、これら防腐剤は種々のカビ、細菌等に応じて、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロトリ酢酸、のようなアミノポリカルボン酸及びそのカリウム塩、ナトリウム塩や、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸のような有機ホスホン酸及びそのアルカリ金属塩が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコン系及びノニオン系界面活性剤が挙げられる。それぞれ、乳化分散型、可溶化型のものを用いることができる。
湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等が好適に用いられる。これらの湿潤剤は単独で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。
また、現像液には、現像性の微調整を目的として種々有機溶剤を含有することもできる。含有可能な有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、ガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)や、極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート等)等が挙げられる。
現像液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当であり、本発明の現像液の組成にもよるが、通常、濃縮液:水=1:0〜1:10程度に濃縮することができる。
現像処理を行う方法としては、手処理、浸漬処理及び機械による処理等が挙げられる。手処理の場合は、例えば、スポンジや脱脂綿に十分現像液を含ませ、平版印刷版の感光層塗布面を擦りながら処理し、処理終了後余分の現像液を拭き取る、あるいは水洗する方法がある。浸漬処理の場合は、例えば、平版印刷版を現像液の入ったバットや深タンクに30〜60秒浸した後、スポンジや脱脂綿等で感光層塗布面を擦りながら水洗する方法がある。
また、平版印刷版の現像処理を行う方法として機械処理が挙げられる。機械処理には、例えば、従来PS版及びCTPプレート用に知られているガムコーターや自動現像機を用いることができる。自動現像機を用いる場合、例えば、現像槽に仕込んだ現像液をポンプで汲み上げてスプレーノズルから吹き付けて処理する方式、現像液が満たされた現像槽中に液中ガイドロール等によって平版印刷版を浸漬搬送させて現像処理する方式、実質的に未使用の処理液を処理毎に必要な分だけ供給して処理するいわゆる使い捨て処理方式等、何れの方式も適用できる。また、何れの方式においても、ブラシロールやモルトンロール等による擦り機構があるものがより好ましい。
上記現像液を用いて現像処理を行った後に、版面保護剤を用いて平版印刷版の表面を保護することが好ましい。版面保護剤は、界面活性剤、湿潤剤、キレート剤、消泡剤、防腐剤、感脂化剤、pH調整剤等を含むことが好ましい。また、版面保護剤はpH7.5以下の範囲で使用することが好ましく、酸性度が強すぎると平版印刷版に用いられるアルミニウム支持体を腐食させる恐れがある。従ってpHを3〜7.5に鉱酸、有機酸または無機塩等のpH調整剤を添加し調節して用いることが好ましい。更に水洗液のpH値との差違が大きい方、即ち酸性が強いことが好ましく、より好ましくは3〜6の範囲である。
版面保護剤に含有させる界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤が挙げられる。これら界面活性剤は、前述した現像液が含有する界面活性剤と同義である。該界面活性剤は二種以上併用することができる。使用量は特に限定する必要はないが、好ましい範囲としては版面保護剤の全質量に基づいて0.01〜20質量%が適当であり、好ましくは0.03〜10質量%である。
版面保護剤に添加できる湿潤剤は、前述した現像液が含有する湿潤剤と同義である。該湿潤剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて使用することができ、版面保護剤中に0.1〜50質量%、好ましくは1〜5質量%の範囲で添加することができる。
版面保護剤に添加できるキレート剤は、前述した現像液が含有するキレート剤と同義である。該キレート剤は版面保護剤中に0.001〜1質量%の範囲で添加することができる。
版面保護剤に添加することのできる消泡剤は、前述した現像液が含有する消泡剤と同義である。該消泡剤は版面保護剤中に0.001〜1質量%の範囲で添加することができる。
版面保護剤に添加することが可能な防腐剤は、前述した現像液が含有する防腐剤と同義である。該防腐剤は、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、版面保護剤中に0.005〜5質量%の範囲で添加することができる。
また、版面保護剤に添加することが可能な感脂化剤としてはカプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、イソ吉草酸等の飽和脂肪酸とクロトン酸、イソクロトン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、プロピオール酸、ステアロール酸、ブテンシジン酸等の不飽和脂肪酸も挙げられる。また、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸ジエステル類、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、n−ドデカノール等のアルコール類が挙げられる。上記感脂化剤は版面保護剤中へ0.01〜10質量%の範囲で添加することができる。
pHの調整剤としてはクエン酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸、酒石酸、乳酸、レブリン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸、α−アラニン、β−アラニン等のアミノ酸等の有機酸、または硝酸、硫酸、燐酸、第一燐酸ナトリウム、第二燐酸ナトリウム、第一燐酸アンモニウム、メタ燐酸、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム等の無機酸及びその塩類が挙げられ、このうち特に好ましくはクエン酸、リンゴ酸、燐酸、メタ燐酸及びその塩類である。上記化合物は単独もしくは二種以上を併用してもよい。
版面保護剤は、現像液同様、使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが製造、運搬、保管等において有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当であり、含有物にもよるが、通常、濃縮液:水=1:0〜1:10程度に濃縮することができる。また、容器としては安全上輸送中に破損することのない材料を用いることが好ましく、通常ハードボトル、キュービテナー等の樹脂製容器が好ましく用いられる。
また、版面保護処理は、現像液で現像処理された平版印刷版を水洗水で洗浄した後に行うことが、版面処理剤の疲労が少なく好ましい。版面保護処理を行う方法としては、現像液同様、手処理、浸漬処理及び機械による処理等が挙げられる。手処理の場合は、例えば、スポンジや脱脂綿に版面処理剤を含ませ、平版印刷版の感光層塗布面に塗布する方法がある。浸漬処理の場合は、例えば、平版印刷版を版面処理剤の入ったバットやタンクに浸漬する方法がある。
機械処理としては、現像処理同様、例えば、従来PS版及びCTPプレート用に知られているガムコーターや自動現像機を用いることができる。自動現像機の場合、現像処理、水洗処理、版面保護処理、乾燥の工程が連続的に行えるように設計されている。ガムコーターや自動現像機の場合、平版印刷版表面への版面保護処理剤の供給の方式は、版面保護槽(フィニッシャー槽)に仕込んだ版面処理剤をポンプで汲み上げてスプレーノズルから吹き付ける方式が一般的である。このような処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機に掛けられ、印刷に用いられる。
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下のアルミニウム支持体を作製した。
<アルミニウム支持体>
幅1030mm、厚み0.24mmの合金組成がA1050タイプのアルミニウム板を13m/minの処理速度で移動させ、60℃、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水洗し、30℃の1.5質量%−塩酸と2質量%−酢酸を満たした間接給電方式の電解槽に浸漬し、電源より40A/dmで、50Hzの単相交流電流を30秒間流して、交流電解粗面化し、水洗し、その後50℃、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液に20秒間浸漬してデスマットし、水洗し、更に15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm、電圧15Vの条件下に60秒間陽極酸化処理を施した後、水洗、乾燥した。
このアルミニウム支持体を、表1に示す各々の処理液に40℃20秒間浸漬し、その後、水洗、乾燥した。尚、多糖類の燐酸エステル化については、特開2002−194002号公報の実施例1記載の方法に基づいて行った。澱粉以外の多糖類の燐酸エステル化は、コーンスターチの代わりに各々の多糖類を用いた。
次に、以下の重合性ポリマーを合成した。
<重合性ポリマー>
P−1(前記に例示);特開2001−290271号公報に記載の方法に従い、クロロメチルスチレンとビスムチオールを等モル反応させて得たモノマーとメタクリル酸をトリエチルアミンで中和してエタノール中で重合を行い、重合終了後クロロメチルスチレンを反応させることにより合成した。質量平均分子量は約9万であった。
この重合性ポリマー溶液を用いた下記処方の感光層塗布液を作製し、ワイヤドクターコーターで、上記表1に示す処理を施した各々のアルミニウム支持体上に、乾燥膜厚が2μmになるよう塗布し、100℃の温風で2分間乾燥させ、平版印刷版A〜Lを得た。
<感光層塗布液処方>
重合性ポリマー(P−1)の10質量%ジオキサン溶液 100質量部
光重合開始剤(BC−6) 2質量部
(T−4) 1質量部
エチレン性不飽和化合物(C−12) 5質量部
増感色素(S−33) 0.3質量部
重合禁止剤2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール 0.1質量部
平均粒径185nmのカーボンブラック 25%メチルエチルケトン溶液
0.1質量部
シクロヘキサノン(溶媒) 20質量部
全量を1,3−ジオキソランにて200質量部に調整。
このようにして得られた平版印刷版について、830nm半導体レーザーを搭載した外面ドラム方式プレートセッター、大日本スクリーン製造(株)製PT−R4000を使用して、ドラム回転速度1000rpm、解像度2400dpi、レーザー照射エネルギー100mJ/cmの条件で50%平網露光を行った。露光後に自動現像機として大日本スクリーン製造(株)製PS版用自動現像機PD−1310を使用し、現像、水洗、版面保護剤処理を行った。現像液及び版面保護剤は、それぞれ下記組成のものを使用した。現像液温は30℃、現像液への浸漬時間は20秒である。
<現像液処方>
第一燐酸アンモニウム 20g
酵素変性澱粉 100g
燐酸変性澱粉 20g
EDTA 2ナトリウム塩 1g
ポリオキシアルキレンアルキルアミン(日本油脂(株)製ナイミーンL−703)
100g
シリコン系消泡剤(信越シリコーン(株)製KM−90) 0.1g
イソチアゾロン系防腐剤(ケイ・アイ化成(株)製バイオエース)0.1g
水で合計1Lとし、pH7.5に調整。
<版面保護剤処方>
アラビアガム 100g
第一燐酸アンモニウム 6g
EDTA 2ナトリウム塩 1g
シリコン系消泡剤(信越シリコーン(株)製KM−90) 0.1g
イソチアゾロン系防腐剤(ケイ・アイ化成(株)製バイオエース)0.1g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 1g
水で1Lとし、pHを85質量%の燐酸水溶液で3.5に調整。
現像性の評価は、非画像部が問題なく溶出しているものを○、非画像部に塗布物が残っているものを×として、目視にて評価した。
耐刷性と汚れ性は、得られた平版印刷版を、印刷機ハイデルベルグKORD(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)、インキ(DIC(株)製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給湿液を用いて印刷を行い評価した。現像性の評価が×のものについては、非画像部がほとんど溶出しなかったので印刷試験を実施しなかった。
耐刷性については画像部のインキ乗りの不良、あるいは画像部の消失の何れかにより印刷が不可能になったときの印刷枚数で評価し、15万枚以上を○、5万枚以上15万枚未満を△、5万枚未満を×とした。汚れ性については、各実施例の耐刷性評価終了時の印刷物の非画像部の汚れの状態を目視にて評価し、汚れが認められないものを○、汚れが認められるものを×とした。結果を表1に示す。尚、表中(−)と記載したものは、非画像部がほとんど溶出しなかったので印刷試験を実施しなかったことを意味する。
Figure 2011170015
表1の結果から明らかなように、本発明により、非画像部の溶出性と画像部の耐刷性が両立されたネガ型平版印刷版の製造方法を提供することが可能である。

Claims (1)

  1. 粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体の陽極酸化処理後、燐酸エステル化された多糖類を含む処理液で親水化処理を施し、その後に、少なくとも光ラジカル発生剤、可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤及びエチレン性二重結合を有する化合物を含有する感光層を設けることを特徴とするネガ型平版印刷版の製造方法。
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