Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2011057511A - セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents

セラミック電子部品およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011057511A
JP2011057511A JP2009209693A JP2009209693A JP2011057511A JP 2011057511 A JP2011057511 A JP 2011057511A JP 2009209693 A JP2009209693 A JP 2009209693A JP 2009209693 A JP2009209693 A JP 2009209693A JP 2011057511 A JP2011057511 A JP 2011057511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
mol
electronic component
abo
ceramic electronic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009209693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5434407B2 (ja
Inventor
Fumiaki Sato
佐藤  文昭
Kenya Tamaki
賢也 玉木
Keiichi Takizawa
恵一 滝沢
Daisuke Iwanaga
大介 岩永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2009209693A priority Critical patent/JP5434407B2/ja
Publication of JP2011057511A publication Critical patent/JP2011057511A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5434407B2 publication Critical patent/JP5434407B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

【課題】 高温負荷寿命の向上を実現し、信頼性の高いセラミック電子部品およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】誘電体層および電極層を有するセラミック電子部品であって、誘電体層2が、ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つ、BはTiおよびZrから選ばれる少なくとも1つである)で表される化合物と、希土類元素の酸化物と、を含有する誘電体磁器組成物から構成されており、誘電体層2には、希土類元素の酸化物のみが偏析している偏析領域20が存在しており、誘電体層2の断面において、1.0×1.0μmの視野面積に対し、偏析領域20が占める面積の割合が0.45〜0.90%である。希土類元素の酸化物の含有量は1.0〜2.0モル%が好ましい。偏析領域の面積割合はたとえば焼成時の昇温速度を700〜2000℃/時間とすることで制御できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、セラミック電子部品およびその製造方法に関し、特に信頼性が向上された電子部品およびその製造方法に関する。
セラミック電子部品は、小型、高性能、高信頼性の電子部品として広く利用されており、電気機器および電子機器の中で使用される個数も多数にのぼる。近年、機器の小型かつ高性能化に伴い、セラミック電子部品に対する更なる小型化、高性能化、高信頼性化への要求はますます厳しくなっている。
このような要求に対し、特許文献1には、チタン酸バリウムの原料粉末のBET値と、誘電体磁器組成物の原料粉末のBET値と、を特定の関係とすることで、絶縁破壊電圧等の信頼性の向上を図った積層セラミックコンデンサが開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された積層セラミックコンデンサにおいては、高温負荷寿命の改善が不十分であった。
特開2006−290675号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、高温負荷寿命の向上を実現し、信頼性の高いセラミック電子部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るセラミック電子部品は、
誘電体層および電極層を有するセラミック電子部品であって、
前記誘電体層が、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTiおよびZrから選ばれる少なくとも1つである)で表される化合物と、Rの酸化物(Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1つ)と、を含有する誘電体磁器組成物から構成されており、
前記誘電体層には、前記Rの酸化物のみが偏析している偏析領域が存在しており、
前記誘電体層の断面において、1.0×1.0μmの視野面積に対し、前記偏析領域が占める面積の割合が0.45〜0.90%であることを特徴とする。
本発明では、誘電体層には、Rの酸化物のみが偏析している偏析領域が形成されている。すなわち、該偏析領域では、他の領域と比較してR元素が高濃度に存在しているが、その他の元素は他の領域と比較して高濃度で存在していない。このような偏析領域の面積割合を上記の範囲とすることで、電子部品の高温負荷寿命を向上させることができ、その結果、電子部品としての信頼性を高めることができる。
また、本発明に係るセラミック電子部品は、
誘電体層および電極層を有するセラミック電子部品であって、
前記誘電体層が、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTiおよびZrから選ばれる少なくとも1つである)で表される化合物と、Rの酸化物(Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1つ)と、を含有する誘電体磁器組成物から構成されており、
前記ABO100モルに対して、前記Rの酸化物が、R換算で、1.0〜2.0モル含有されており、
前記誘電体層には、前記Rの酸化物のみが偏析している偏析領域が存在していることを特徴とする。
誘電体磁器組成物におけるRの酸化物の含有量を上記の範囲とし、Rの酸化物のみが偏析している偏析領域を存在させることで、高温負荷寿命を向上させることができ、その結果、電子部品としての信頼性を高めることができる。
好ましくは、前記ABOの原料粉末のBET比表面積値が5.0〜6.0m/gである。BET比表面積値が特定の範囲にある原料粉末を用いることで、Rの酸化物のみが偏析している偏析領域を容易に形成でき、電子部品としての信頼性を高めることができる。
好ましくは、前記誘電体磁器組成物が、前記ABO100モルに対して、Mgの酸化物をMgO換算で0.5〜1.5モル、Mnの酸化物をMnO換算で0.1〜0.3モル、Vの酸化物をV換算で0.05〜0.2モル、Siの酸化物を含む化合物をSiO換算で0.5〜2.0モル含有する。
上記の成分を特定量含有させることで、電子部品としての諸特性を向上させつつ、Rの酸化物のみが偏析している偏析領域を容易に形成し、電子部品としての信頼性を高めることができる。
好ましくは、前記RがSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1つである。すなわち、複数のR元素の酸化物ではなく、1種類のR元素の酸化物が偏析していることで、上述した効果をさらに高めることができる。
また、本発明に係るセラミック電子部品の製造方法は、
誘電体層および電極層を有するセラミック電子部品を製造する方法であって、
前記誘電体層は、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTiおよびZrから選ばれる少なくとも1つである)で表される化合物と、Rの酸化物(Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1つ)と、を含有する誘電体磁器組成物から構成され、
前記ABOの原料粉末と前記Rの酸化物の原料粉末とを混合し、混合原料粉末を準備する工程と、
前記混合原料粉末を用いて、成形体を得る工程と、
前記成形体を焼成する工程と、を有し、
前記成形体を焼成する工程において、昇温速度を700〜2000℃/時間とすることを特徴とする。
上記のようにすることで、Rの酸化物のみが偏析している偏析領域の存在状態を容易に制御することができる。その結果、電子部品の高温負荷寿命を向上させることができ、信頼性の高い電子部品を得ることができる。
好ましくは、前記ABO100モルに対して、前記Rの酸化物が、R換算で、1.0〜2.0モル含有されている。
好ましくは、前記ABOの原料粉末のBET比表面積値が5.0〜6.0m/gである。
好ましくは、前記誘電体磁器組成物が、前記ABO100モルに対して、Mgの酸化物をMgO換算で0.5〜1.5モル、Mnの酸化物をMnO換算で0.1〜0.3モル、Vの酸化物をV換算で0.05〜0.2モル、Siの酸化物を含む化合物をSiO換算で0.5〜2.0モル含有する。
誘電体磁器組成物に含有される成分の含有量やABOの原料粉末のBET比表面積値を上記の範囲とすることで、上述した効果をさらに高めることができる。
好ましくは、前記RがSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1つである。1種類のRの酸化物が偏析していることで、上述した効果をさらに高めることができる。
好ましくは、前記混合原料粉末を準備する工程において、前記ABOの原料粉末の表面に、前記Rの酸化物の原料粉末を被覆する。
このようにすることで、Rの酸化物のみが偏析している偏析領域の形成を容易に制御することができ、さらには、その面積割合を容易に所望の範囲とすることができる。その結果、高温負荷寿命を向上させることができ、電子部品としての信頼性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサの誘電体層の断面において、偏析領域の存在状態を示す模式図である。 図3は、R元素の平均濃度を算出する方法を説明するための模式図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
積層セラミックコンデンサ1
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と、内部電極層3と、が交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、図1に示すように、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
誘電体層2
誘電体層2は、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTiおよびZrから選ばれる少なくとも1つである)で表される化合物と、Rの酸化物(Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1つ)と、を含有する誘電体磁器組成物から構成されている。
本実施形態では、ABOとして、たとえばBaTiO、CaTiO、SrTiOあるいはこれらの混合物などが好ましい。特に、BaTiO(好ましくは、組成式BaTiO2+m で表され、mが0.995≦m≦1.010であり、BaとTiとの比が0.995≦Ba/Ti≦1.010である)が好適に使用できる。
Rの酸化物は、ABO 100モルに対して、R換算で、好ましくは1.0〜2.0モル含有され、より好ましくは1.4〜1.9モル含有される。Rの酸化物の含有量が多すぎても、少なすぎても、高温負荷寿命が悪化する傾向にある。R元素としては、複数の元素であってもよいが、本実施形態では、1種類の元素であることが好ましい。また、R元素はY元素であることが特に好ましい。
本実施形態に係る誘電体磁器組成物は、さらに、所望の特性に応じて、その他の成分を含有してもよい。
具体的には、本実施形態に係る誘電体磁器組成物は、さらに、Mgの酸化物を含有することが好ましい。Mgの酸化物の含有量は、ABO 100モルに対して、MgO換算で、好ましくは0.5〜1.5モル、より好ましくは0.6〜0.8モルである。Mgの酸化物の含有量が少なすぎると、高温負荷寿命が悪化する傾向にあり、逆に多すぎると、後述する偏析領域にMgが偏析してしまい、結果として高温負荷寿命が悪化する傾向にある。
また、本実施形態に係る誘電体磁器組成物は、さらに、Mnの酸化物を含有することが好ましい。Mnの酸化物の含有量は、ABO 100モルに対して、MnO換算で、好ましくは0.1〜0.3モル、より好ましくは0.15〜0.25モルである。Mnの酸化物の含有量が少なすぎると、高温負荷寿命が悪化する傾向にあり、逆に多すぎると、後述する偏析領域にMnが偏析してしまい、結果として高温負荷寿命が悪化する傾向にある。
また、本実施形態に係る誘電体磁器組成物は、さらに、Vの酸化物を含有することが好ましい。Vの酸化物の含有量は、ABO 100モルに対して、V換算で、好ましくは0.05〜0.2モル、より好ましくは0.13〜0.18モルである。Vの酸化物の含有量が少なすぎると、高温負荷寿命が悪化する傾向にあり、逆に多すぎると、後述する偏析領域にVが偏析してしまい、結果として高温負荷寿命が悪化する傾向にある。
また、本実施形態に係る誘電体磁器組成物は、さらに、Siの酸化物を含む化合物を含有することが好ましい。Siの酸化物を含む化合物の含有量は、ABO 100モルに対して、SiO換算で、好ましくは0.5〜2.0モル、より好ましくは1.0〜1.6モルである。上記化合物の含有量が少なすぎると、高温負荷寿命が悪化する傾向にあり、逆に多すぎると、後述する偏析領域にSiが偏析してしまい、結果として高温負荷寿命が悪化する傾向にある。
なお、Siの酸化物を含む化合物は、SiO単独であってもよいが、本実施形態では、複合酸化物である(Ba,Ca)SiOであることが好ましい。
偏析領域20
本実施形態では、図2に示すように、誘電体層2には、誘電体粒子12と、少なくともRの酸化物のみが偏析している偏析領域20とが存在している。このようなRの酸化物のみが偏析している偏析領域が存在することで、コンデンサの高温負荷寿命を向上させることができ、その結果、信頼性を高めることができる。
なお、誘電体層2には、偏析領域以外の領域(相)も存在しており、その相には、ABOを構成する元素やR元素が含まれていてもよいし、上述したMg、Mn、VおよびSiが含まれていてもよい。本実施形態では、図2に示すように、ABOを主成分とし、R元素が固溶している誘電体粒子12が存在している。
「Rの酸化物のみが偏析している偏析領域」とは、該領域において、Rの酸化物のみが他の領域よりも高濃度で存在している領域を意味している。したがって、偏析領域には、ABOを構成する元素が存在していてもよい。また、Mg、Mn、VおよびSiなどが存在していてもよいが、これらの元素の酸化物は偏析していないことが必要である。たとえば、Rの酸化物およびMgOの両方が偏析している(高濃度で存在している)領域は、本発明における偏析領域ではない。このように、Rの酸化物とR元素以外の元素の酸化物とが偏析している場合、高温負荷寿命が悪化する傾向にあるため、好ましくない。なお、ABOは、誘電体粒子の主成分であるため、「ABOのみが偏析している偏析領域」は存在しない。
Rの酸化物のみが偏析している偏析領域は、誘電体層2の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、偏析領域とその他の相とを、コントラストの違いにより目視で判断し、その面積割合を算出してもよいが、本実施形態では、偏析領域の存在およびその面積割合は以下のようにして判断する。
まず、誘電体層2の断面を、走査透過型電子顕微鏡(STEM)により観察し、付属のエネルギー分散型X線分光装置を用いて、1.0×1.0μmの視野面積に対して、R元素およびその他の元素についての元素マッピング画像を得る。
次に、所定数(たとえば5個以上)の誘電体粒子を、STEMにより観察し、付属のエネルギー分散型X線分光装置を用いて測定する。具体的には、図3に示すように、誘電体粒子の略中心を通る直線上で点分析を行い、得られたR元素(およびその他の元素)の濃度分布から該粒子におけるR元素(およびその他の元素)の平均濃度を算出する。
そして、上記で得られたR元素およびその他の元素についてのマッピング画像(1.0×1.0μm)を画像処理することにより、R元素(およびその他の元素)の平均濃度の1/3超の領域と、平均濃度の1/3以下の領域とに分ける。すなわち、平均濃度の1/3超の領域を、各元素の酸化物が偏析している領域とする。そして、Rの酸化物が偏析している領域のうち、Rの酸化物「のみ」が偏析している領域を、本発明における「偏析領域」と規定する。このようにすると、SEMによる明視野像において、コントラストの差として観察される偏析領域とそれ以外の相との境界とよく一致するようになる。
次に、画像処理された偏析領域の面積を算出し、1.0×1.0μmの視野面積に対する面積割合を算出する。この面積割合は0.45〜0.90%、好ましくは0.60〜0.85%である。
この面積割合を制御することで、高温負荷寿命を向上させることができ、面積割合が小さすぎても大きすぎても、高温負荷寿命が悪化する傾向にある。
誘電体層2の厚みは、特に限定されないが、一層あたり5μm以下であることが好ましい。厚さの下限は、特に限定されないが、たとえば0.5μm程度である。
誘電体層2の積層数は、特に限定されないが、20以上であることが好ましく、より好ましくは50以上、特に好ましくは、100以上である。積層数の上限は、特に限定されないが、たとえば2000程度である。
内部電極層3
内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層2の構成材料が耐還元性を有するため、比較的安価な卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。内部電極層3の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、0.1〜3μm、特に0.2〜2.0μm程度であることが好ましい。
外部電極4
外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、10〜50μm程度であることが好ましい。
積層セラミックコンデンサ1の製造方法
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
まず、誘電体層用ペーストに含まれる誘電体原料(混合原料粉末)を準備し、これを塗料化して、誘電体層用ペーストを調製する。
誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
誘電体原料として、まずABOの原料とRの酸化物の原料とを準備する。これらの原料としては、上記した成分の酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、たとえば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。
ABOの原料は、いわゆる固相法の他、各種液相法(たとえば、シュウ酸塩法、水熱合成法、アルコキシド法、ゾルゲル法など)により製造されたものなど、種々の方法で製造されたものを用いることができる。
また、ABOの原料のBET比表面積値は、好ましくは5.0〜6.0m/g、より好ましくは5.4〜5.8m/gである。このようなBET比表面積値を有するABOの原料と、Rの酸化物の原料とを用いることで、誘電体層中に、誘電体粒子への拡散に寄与しなかったR元素を単独で所望の状態に析出させることができる。すなわち、Rの酸化物のみが偏析している偏析領域の存在状態を好適に制御することが可能となる。その結果、偏析領域の面積割合を、本発明の範囲内とすることが容易となる。
また、ABOの原料粉末の表面に、少なくともRの酸化物の原料粉末を被覆してもよい。被覆する方法は特に制限されず、公知の方法を用いればよい。たとえば、R元素の酸化物の原料粉末を溶液化し、熱処理することで、被覆してもよい。このような被覆された粉末を用いることで、効率的に、Rの酸化物のみが偏析している偏析領域を形成することができる。また、その他の成分の原料粉末を、ABOの原料粉末の表面に被覆してもよい。
誘電体原料中の各化合物の含有量は、焼成後に上記した誘電体磁器組成物の組成となるように決定すればよい。塗料化する前の状態で、誘電体原料の粒径は、通常、平均粒径0.1〜1μm程度である。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、たとえば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
内部電極層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。また、内部電極層用ペーストには、共材が含まれていてもよい。共材としては特に制限されないが、主成分と同様の組成を有していることが好ましい。
外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、たとえば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に印刷、積層し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷し内部電極パターンを形成した後、これらを積層してグリーンチップとする。
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間とする。また、脱バインダ雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とする。
グリーンチップの焼成では、昇温速度を好ましくは700〜2000℃/時間、より好ましくは1000〜1700℃/時間とする。このような非常に速い昇温速度とすることで、Rの酸化物のみが偏析している偏析領域の存在状態を好適に制御することが可能となる。その結果、偏析領域の面積割合を、本発明の範囲内とすることが容易となる。
焼成時の保持温度は、好ましくは1300℃以下、より好ましくは1200〜1300℃であり、その保持時間は、好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは2〜3時間である。保持温度が上記範囲未満であると緻密化が不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
焼成雰囲気は、還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることができる。
また、焼成時の酸素分圧は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−14〜10−10MPaとすることが好ましい。酸素分圧が上記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。降温速度は、好ましくは50〜500℃/時間である。
還元性雰囲気中で焼成した後、コンデンサ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命(絶縁抵抗の寿命)を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニール雰囲気中の酸素分圧は、10−9〜10−5MPaとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層の酸化が進行する傾向にある。
アニールの際の保持温度は、1100℃以下、特に1000〜1100℃とすることが好ましい。保持温度が上記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分となるので、IRが低く、また、IR寿命が短くなりやすい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、IRの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。なお、アニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を好ましくは0〜20時間、より好ましくは2〜4時間、降温速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したNガス等を用いることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成およびアニールにおいて、Nガスや混合ガス等を加湿するには、たとえばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、たとえばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを塗布して焼成し、外部電極4を形成する。そして、必要に応じ、外部電極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本実施形態の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
また、上述した実施形態では、本発明に係る電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、上記構成を有する電子部品であれば何でも良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
まず、ABOの原料としてBaTiO粉末を、Rの酸化物の原料としてY粉末を、それぞれ準備した。また、Mgの酸化物の原料としてMgCO粉末 、Mnの酸化物の原料としてMnO粉末、Vの酸化物の原料としてV粉末、焼結助剤として(Ba,Ca)SiO粉末を、それぞれ準備した。なお、BaTiO粉末のBET比表面積値は5.5m/gであった。また、(Ba,Ca)SiOは、BaCO、CaCOおよびSiOをボールミルにより湿式混合し、乾燥後に空気中で焼成したものを、ボールミルにより湿式粉砕して作製した。
次に、上記で準備した各原料粉末をボールミルで10時間湿式混合・粉砕し、乾燥して、混合原料粉末を得た。なお、MgCOは、焼成後には、MgOとして誘電体磁器組成物中に含有されることとなる。
次いで、得られた混合原料粉末:100重量部と、ポリビニルブチラール樹脂:10重量部と、可塑剤としてのジオクチルフタレート(DOP):5重量部と、溶媒としてのアルコール:100重量部とをボールミルで混合してペースト化し、誘電体層用ペーストを得た。
また、上記とは別に、Ni粒子:44.6重量部と、テルピネオール:52重量部と、エチルセルロース:3重量部と、ベンゾトリアゾール:0.4重量部とを、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極層用ペーストを作製した。
そして、上記にて作製した誘電体層用ペーストを用いて、PETフィルム上に、乾燥後の厚みが2μmとなるようにグリーンシートを形成した。次いで、この上に内部電極層用ペーストを用いて、電極層を所定パターンで印刷した後、PETフィルムからシートを剥離し、電極層を有するグリーンシートを作製した。次いで、電極層を有するグリーンシートを複数枚積層し、加圧接着することによりグリーン積層体とし、このグリーン積層体を所定サイズに切断することにより、グリーンチップを得た。
次いで、得られたグリーンチップについて、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、積層セラミック焼成体を得た。
脱バインダ処理条件は、昇温速度:25℃/時間、保持温度:260℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。
焼成条件は、昇温速度:2000℃/時間、保持温度:1200℃とし、保持時間を1時間とした。降温速度は2000℃/時間とした。なお、雰囲気ガスは、加湿したN+H混合ガスとし、酸素分圧が10−12MPaとなるようにした。
アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1000℃、温度保持時間:2時間、降温速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したNガス(酸素分圧:10−7MPa)とした。
なお、焼成およびアニールの際の雰囲気ガスの加湿には、ウェッターを用いた。
次いで、得られた積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極としてCuを塗布し、図1に示す積層セラミックコンデンサの試料を得た。得られたコンデンサ試料のサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、誘電体層の厚み1.5μm、内部電極層の厚み1.0μm、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は200とした。
得られたコンデンサ試料について、偏析領域の観察および高温負荷寿命の測定を、それぞれ下記に示す方法により行った。
偏析領域の観察
コンデンサ試料の誘電体層の切断面についてSTEM観察を行い、視野1.0×1.0μmの範囲について、STEMに付属のエネルギー分散型X線分光装置(STEM−EDX)を用いて、Y元素の元素マッピングを行った。
次に、無作為に抽出した5個の粒子を、走査透過型電気顕微鏡(STEM)により観察し、エネルギー分散型X線分光法により各表面拡散粒子の略中心を通る直線上で点分析を行って、Y元素のX線スペクトルを測定した。得られたX線スペクトルから、該粒子におけるY元素の平均濃度を算出した。そして、上記で得られたY元素についてのマッピング画像を、Y元素の平均濃度が1/3超の領域を、Y元素が偏析している領域とするように画像処理を行った。また、その他の元素(Mg、Mn、V、Ba、Ca、Si)についても、同様に測定および画像処理を行ったが、MgO、MnO、Vおよび(Ba,Ca)SiOのいずれについても偏析領域は確認されなかった。
次いで、画像処理後の画像から、1.0×1.0μmの視野面積に対して、Yの偏析領域の面積を算出した。なお、上記の画像処理により得られた偏析領域は、SEM観察写真より目視で判断できる偏析領域とよく一致していた。結果を表1に示す。
高温負荷寿命
コンデンサ試料に対し、200℃にて、6V/μmの電界下で直流電圧の印加状態に保持し、寿命時間を測定することにより、高温負荷寿命を評価した。本実施例においては、印加開始から絶縁抵抗が一桁落ちるまでの時間を寿命と定義した。また、本実施例では、上記の評価を20個のコンデンサ試料について行い、その平均値を高温負荷寿命とした。評価基準は80時間以上を良好とした。結果を表1に示す。
Figure 2011057511
表1より、偏析領域の面積割合が本発明の範囲内である場合(試料番号3〜7)には、高温負荷寿命が良好となり、信頼性が向上していることが確認できる。
実施例2
BaTiO粉末のBET比表面積値を表2に示す値とした以外は、実施例1の試料番号5と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料を作製し、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2011057511
表2より、BaTiO粉末のBET比表面積値が本発明の好ましい範囲内とすることで(試料番号13〜15)、偏析領域の面積割合を制御できることが確認できる。
実施例3
の含有量を表3に示す値とした以外は、実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料を作製し、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を表3に示す。なお、その他の成分の添加量は、BaTiO100モルに対して、MgCOがMgO換算で0.8モル、MnOが0.25モル、Vが0.16モル、(Ba,Ca)SiOがSiO換算で1.2モルとした。この添加量が、焼成後の誘電体層における含有量となる。
Figure 2011057511
表3より、Yの含有量が本発明の範囲内である場合(試料番号23〜25)には、高温負荷寿命が良好となり、信頼性が向上していることが確認できる。
実施例4
焼成時における昇温速度を表4に示す値とした以外は、実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料を作製し、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2011057511
表4より、昇温速度が本発明の範囲内である場合(試料番号33〜37)には、Yのみが偏析している偏析領域が形成され、高温負荷寿命が良好となり、信頼性が向上していることが確認できる。
実施例5
Mgの酸化物、Mnの酸化物、Vの酸化物およびSiの酸化物を含む化合物の含有量を表5に示す値とした以外は、実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料を作製し、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2011057511
表5より、各成分の含有量が本発明の好ましい範囲内である場合(試料番号42〜45、48〜51、54〜57、60〜63)には、Yのみが偏析している偏析領域が本発明の範囲内で形成され、高温負荷寿命が良好となり、信頼性が向上していることが確認できる。
実施例6
の含有量、昇温速度、BET比表面積値を表6に示す値とした以外は、実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料を作製し、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 2011057511
表6より、Yの含有量、昇温速度、BET比表面積値が本発明の好ましい範囲内である場合(試料番号73〜76)には、Yのみが偏析している偏析領域が本発明の範囲内で形成され、高温負荷寿命が良好となり、信頼性が向上していることが確認できる。
1… 積層セラミックコンデンサ
2… 誘電体層
3… 内部電極層
4… 外部電極
10… コンデンサ素子本体
12… 誘電体粒子
20… 偏析領域

Claims (13)

  1. 誘電体層および電極層を有するセラミック電子部品であって、
    前記誘電体層が、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTiおよびZrから選ばれる少なくとも1つである)で表される化合物と、Rの酸化物(Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1つ)と、を含有する誘電体磁器組成物から構成されており、
    前記誘電体層には、前記Rの酸化物のみが偏析している偏析領域が存在しており、
    前記誘電体層の断面において、1.0×1.0μmの視野面積に対し、前記偏析領域が占める面積の割合が0.45〜0.90%であることを特徴とするセラミック電子部品。
  2. 前記ABO100モルに対して、前記Rの酸化物が、R換算で、1.0〜2.0モル含有されている請求項1に記載のセラミック電子部品。
  3. 誘電体層および電極層を有するセラミック電子部品であって、
    前記誘電体層が、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTiおよびZrから選ばれる少なくとも1つである)で表される化合物と、Rの酸化物(Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1つ)と、を含有する誘電体磁器組成物から構成されており、
    前記ABO100モルに対して、前記Rの酸化物が、R換算で、1.0〜2.0モル含有されており、
    前記誘電体層には、前記Rの酸化物のみが偏析している偏析領域が存在していることを特徴とするセラミック電子部品。
  4. 前記誘電体層の断面において、1.0×1.0μmの視野面積に対し、前記偏析領域が占める面積の割合が0.45〜0.90%である請求項3に記載のセラミック電子部品。
  5. 前記ABOの原料粉末のBET比表面積値が5.0〜6.0m/gである請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  6. 前記誘電体磁器組成物が、前記ABO100モルに対して、Mgの酸化物をMgO換算で0.5〜1.5モル、Mnの酸化物をMnO換算で0.1〜0.3モル、Vの酸化物をV換算で0.05〜0.2モル、Siの酸化物を含む化合物をSiO換算で0.5〜2.0モル含有する請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  7. 前記RがSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1つである請求項1〜6のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  8. 誘電体層および電極層を有するセラミック電子部品を製造する方法であって、
    前記誘電体層は、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTiおよびZrから選ばれる少なくとも1つである)で表される化合物と、Rの酸化物(Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1つ)と、を含有する誘電体磁器組成物から構成され、
    前記ABOの原料粉末と前記Rの酸化物の原料粉末とを混合し、混合原料粉末を準備する工程と、
    前記混合原料粉末を用いて成形体を得る工程と、
    前記成形体を焼成する工程と、を有し、
    前記成形体を焼成する工程において、昇温速度を700〜2000℃/時間とすることを特徴とするセラミック電子部品の製造方法。
  9. 前記ABO100モルに対して、前記Rの酸化物が、R換算で、1.0〜2.0モル含有されている請求項8に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  10. 前記ABOの原料粉末のBET比表面積値が5.0〜6.0m/gである請求項8または9に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  11. 前記誘電体磁器組成物が、さらに、Mgの酸化物、Mnの酸化物およびVの酸化物と、Siを主成分とする焼結助剤と、を含み、
    前記ABO100モルに対して、前記Mgの酸化物が0.5〜1.5モル、前記Mnの酸化物が0.1〜0.3モル、前記Vの酸化物が0.05〜0.2モル、前記焼結助剤が0.5〜2.0モル含有する請求項8〜10のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  12. 前記RがSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる1つである請求項8〜11のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  13. 前記混合原料粉末を準備する工程において、前記ABOの原料粉末の表面に、少なくとも前記Rの酸化物の原料粉末を被覆する請求項8〜12のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
JP2009209693A 2009-09-10 2009-09-10 セラミック電子部品およびその製造方法 Active JP5434407B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009209693A JP5434407B2 (ja) 2009-09-10 2009-09-10 セラミック電子部品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009209693A JP5434407B2 (ja) 2009-09-10 2009-09-10 セラミック電子部品およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011057511A true JP2011057511A (ja) 2011-03-24
JP5434407B2 JP5434407B2 (ja) 2014-03-05

Family

ID=43945603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009209693A Active JP5434407B2 (ja) 2009-09-10 2009-09-10 セラミック電子部品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5434407B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012105436A1 (ja) * 2011-02-03 2012-08-09 株式会社 村田製作所 半導体セラミックとその製造方法、及びバリスタ機能付き積層型半導体セラミックコンデンサとその製造方法
JP2013049587A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Kyocera Corp 誘電体磁器およびコンデンサ
JP2015046589A (ja) * 2013-07-30 2015-03-12 Tdk株式会社 積層セラミック電子部品
JP2015182951A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 Tdk株式会社 誘電体磁器組成物および電子部品
JP2016169130A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 Tdk株式会社 誘電体磁器組成物およびセラミック電子部品
JP2018035026A (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 Tdk株式会社 誘電体組成物および積層電子部品
KR20180040078A (ko) 2016-10-11 2018-04-19 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층 세라믹 콘덴서
KR20180105078A (ko) 2017-03-14 2018-09-27 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층 세라믹 콘덴서
JP2020021819A (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 Tdk株式会社 積層セラミック電子部品
US10650974B2 (en) 2017-03-14 2020-05-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer ceramic capacitor
CN115036136A (zh) * 2021-03-08 2022-09-09 Tdk株式会社 陶瓷电子部件

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11236264A (ja) * 1997-12-19 1999-08-31 Toshiba Corp 誘電体磁器組成物、積層セラミクスコンデンサとその製造方法
JP2006282483A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Tdk Corp 電子部品、誘電体磁器組成物およびその製造方法
JP2006290675A (ja) * 2005-04-11 2006-10-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘電体磁器組成物およびそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JP2007053287A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Taiyo Yuden Co Ltd 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11236264A (ja) * 1997-12-19 1999-08-31 Toshiba Corp 誘電体磁器組成物、積層セラミクスコンデンサとその製造方法
JP2006282483A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Tdk Corp 電子部品、誘電体磁器組成物およびその製造方法
JP2006290675A (ja) * 2005-04-11 2006-10-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘電体磁器組成物およびそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JP2007053287A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Taiyo Yuden Co Ltd 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012105436A1 (ja) * 2011-02-03 2012-08-09 株式会社 村田製作所 半導体セラミックとその製造方法、及びバリスタ機能付き積層型半導体セラミックコンデンサとその製造方法
JP5594373B2 (ja) * 2011-02-03 2014-09-24 株式会社村田製作所 半導体セラミックとその製造方法、及びバリスタ機能付き積層型半導体セラミックコンデンサとその製造方法
US9153643B2 (en) 2011-02-03 2015-10-06 Murata Manufacturing Co., Ltd. Semiconductor ceramic and method for manufacturing the same, and laminated semiconductor ceramic capacitor with varistor function and method for manufacturing the same
JP2013049587A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Kyocera Corp 誘電体磁器およびコンデンサ
JP2015046589A (ja) * 2013-07-30 2015-03-12 Tdk株式会社 積層セラミック電子部品
JP2015182951A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 Tdk株式会社 誘電体磁器組成物および電子部品
JP2016169130A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 Tdk株式会社 誘電体磁器組成物およびセラミック電子部品
JP2018035026A (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 Tdk株式会社 誘電体組成物および積層電子部品
KR20180040078A (ko) 2016-10-11 2018-04-19 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층 세라믹 콘덴서
US10453610B2 (en) 2016-10-11 2019-10-22 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer ceramic capacitor
KR20180105078A (ko) 2017-03-14 2018-09-27 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층 세라믹 콘덴서
US10650974B2 (en) 2017-03-14 2020-05-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer ceramic capacitor
JP2020021819A (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 Tdk株式会社 積層セラミック電子部品
JP7124528B2 (ja) 2018-07-31 2022-08-24 Tdk株式会社 積層セラミック電子部品
CN115036136A (zh) * 2021-03-08 2022-09-09 Tdk株式会社 陶瓷电子部件
CN115036136B (zh) * 2021-03-08 2023-06-27 Tdk株式会社 陶瓷电子部件

Also Published As

Publication number Publication date
JP5434407B2 (ja) 2014-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5434407B2 (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
JP5531863B2 (ja) 誘電体磁器組成物およびセラミック電子部品
JP4858248B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP4967963B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP5217405B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP5275918B2 (ja) 積層型セラミック電子部品
JP4687680B2 (ja) 誘電体磁器組成物の製造方法および電子部品の製造方法
JP2020021819A (ja) 積層セラミック電子部品
JP5093311B2 (ja) 積層型セラミック電子部品
JP6696266B2 (ja) 誘電体磁器組成物および積層セラミックコンデンサ
JP5446880B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP2017178684A (ja) 誘電体磁器組成物および積層セラミックコンデンサ
JP6753221B2 (ja) 誘電体組成物および積層電子部品
JP6795302B2 (ja) セラミック電子部品
JP2008280231A (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP4710908B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP6696267B2 (ja) 誘電体磁器組成物および積層セラミックコンデンサ
JP4206062B2 (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
JP2008247657A (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP4863007B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP4910812B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP2006173352A (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
JP4853360B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP5023748B2 (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP5146492B2 (ja) 誘電体磁器組成物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130801

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5434407

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150