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JP2010507676A - 乾式顆粒化結合剤、生成物およびその使用 - Google Patents

乾式顆粒化結合剤、生成物およびその使用 Download PDF

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JP2010507676A JP2009534666A JP2009534666A JP2010507676A JP 2010507676 A JP2010507676 A JP 2010507676A JP 2009534666 A JP2009534666 A JP 2009534666A JP 2009534666 A JP2009534666 A JP 2009534666A JP 2010507676 A JP2010507676 A JP 2010507676A
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Abstract

複数の緻密化プロセスによる固形の投与物の製造に使用できる改善された再緻密化性を有する微結晶セルロース含有結合剤である。1つは、少なくとも60重量%の微結晶セルロース含有材料を含み、250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.5MPaの一次引張り強さを有し、250MPaでの一次緻密化および250MPaでの二次緻密化後少なくとも5.5MPaの二次引張り強さを有する。また、微結晶セルロース含有材料が、糖アルコールおよびカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれた材料と共処理された微結晶セルロースであり、250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.0MPaの一次引張り強さを有し、250MPaでの一次緻密化および250MPaでの二次緻密化後少なくとも5.0MPaの二次引張り強さを有する。
【選択図面】図2

Description

本発明は、複数の圧縮プロセスによる固形投与物の製造のために高い再緻密化性(recompactibility)を有する乾式顆粒化結合剤に関する。特に、本発明は、微結晶セルロースに基づく結合剤に関し、該結合剤は、良好な顆粒の品質を確実にし、そして望ましい引張り強さの錠剤を得るための顆粒の十分な再緻密化性を確実なものにする。
経口投与に好適な製薬組成物を小さく分割した投与物は、典型的なものとして錠剤のような固形投与物として投与されるのが都合がよい。1つ以上の治療用成分(通常「活性成分」、「活性製薬成分」または「API」とよばれる)に加えて、錠剤は賦形剤として知られている製薬上許容できる材料を含み、それらは、活性でも治療上の作用もないが、錠剤処方物に加えられて、活性成分の活性に関係なく特定の性質を付与する。
錠剤の製造には、一般的に3つの方法がある。(1)直打(直接打錠)、(2)乾式顆粒法および(3)湿式顆粒法。直打では、錠剤(活性成分および賦形剤を含む)に含まれるべき1つ以上の粉末状の材料は、ともにブレンドされそして顆粒法のような中間の処理なしに直接打錠される。直打は、錠剤のような固形の投与物の製造に最も有効かつ好ましい製造方法であるが、多くの錠剤の処方物は、正当な直打を使用して処理できない。
顆粒化方法が、直打用混合物のもつ低い流動性または低い嵩密度が直打による打錠を妨げる場合に、使用される。顆粒化は、活性成分の含量の均質性を改善し、そしてダストの発生を減少させる。乾式顆粒化は、成分を混合し、混合物をローラー緻密化またはスラッギングし、次に乾燥ふるいまたは摩砕して粗い乾燥顆粒化物にし、そして滑沢剤添加顆粒を圧縮することを含む。湿式顆粒化は、成分のいくらかまたはすべてを混合し、次に混合した粉末へ結合剤の溶液を添加することを含む。得られた湿った塊をふるいにかけ、乾燥し、滑沢剤添加し、そして錠剤へ圧縮する。
乾式顆粒化では、錠剤成分は、水分、溶媒および熱に曝されない。そのため、それは、水分、溶媒および/または熱に鋭敏な活性成分に使用できる。乾式顆粒化は、スラッギングにより、またはローラー緻密化により行うことができる。スラッギングは、2回行われる圧縮プロセスである。錠剤になるべき材料は、大きな圧縮された塊すなわち「スラッグ」に圧縮され、それは第2の圧縮プロセスにより錠剤へ転換される。スラッギングは、時間がかかりそして非経済的なプロセスであるため、ローラー緻密化が、乾式顆粒化にとり選択される方法になってきている。ローラー緻密化は、顆粒化プロセスの利点のすべて、例えば改善された材料の流動性および含量の均質性を有する。さらに、ローラー緻密化は、量産ができ、湿式顆粒化よりも操作するのに経済的である。
ローラー緻密化プロセス中、錠剤処方物(「顆粒処方物」)の少なくとも一部は、2つの逆回転高圧ローラーにより緻密にされ、そして得られた材料を摩砕して均一なサイズにする。得られた顆粒は、次に追加の賦形剤を添加するかまたは添加することなく、錠剤を形成する。錠剤は、打錠機の臼中の錠剤処方物に作用する圧力によって形成される。打錠機は、底部から臼中へ適合する下方の杵(パンチ)、および対応する形状および大きさを有しそして錠剤処方物が臼のくぼみを満たした後上方から臼のくぼみに入る上方の杵を含む。錠剤は、下方の杵と上方の杵とに加えられる圧力により形成される。
その固有の緻密化性の特徴のために、微結晶セルロース(MCC)が、錠剤処方物中の賦形剤として広く使用されている。良好な結合性および崩壊性が、直打錠剤処方物に使用されたとき、微結晶セルロースにより得られる。
打錠をともなうローラー緻密化による錠剤の形成は、2つの緻密化工程を含む。しかし、初めの緻密化工程程後、MCC顆粒は、第2の緻密化すなわち打錠工程にとり不十分な緻密化性を有する。そのため、複数の緻密化工程例えばローラー緻密化および打錠、またはスラッギングを含むプロセスにより固形の投与物を製造するのに使用できる微結晶セルロース含有結合剤を必要としている。結合剤は、第2の緻密化工程に十分な緻密化性を有しなければならない。
本発明は、改善された再緻密化性を有する微結晶セルロース含有結合剤であり、それは複数の緻密化プロセスによる固形の投与物の製造に使用できる。1つの局面では、本発明は、少なくとも60重量%の微結晶セルロース含有材料を含み、そして250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.5MPaの一次引張り強さを有しそして250MPaでの一次緻密化後の250MPaでの二次緻密化後少なくとも5.5MPaの二次引張り強さを有する組成物である。他の局面では、本発明は、少なくとも60重量%の微結晶セルロース含有材料を含む結合剤組成物であり、該結合剤組成物は、250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.0MPaの一次引張り強さを有しそして250MPaでの一次緻密化後の250MPaでの二次緻密化後少なくとも5.0MPaの二次引張り強さを有し、MCC含有材料は、糖アルコールおよびカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれる材料と共処理された微結晶セルロースである。
他の局面では、本発明は、少なくとも60重量%の微結晶セルロース含有材料を含む結合剤組成物であり、該結合剤組成物は、250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.5MPaの一次引張り強さを有しそして250MPaでの一次緻密化後の二次緻密化後少なくとも6.0のMPaの最大二次引張り強さを有する。他の局面では、MCC含有材料は、糖アルコールおよびカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれる材料と共処理された微結晶セルロースである。
他の局面では、本発明は、少なくとも60重量%の微結晶セルロース含有材料を含む結合剤組成物であり、該結合剤組成物は、250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.5MPaの一次引張り強さを有しそして250MPaでの一次緻密化後の二次緻密化後少なくとも6.5のMPaの最大二次引張り強さを有し、MCC含有材料は、糖アルコールおよびカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれる材料と共処理された微結晶セルロースである。
本発明の微結晶セルロース含有結合剤を含む顆粒処方物、顆粒、固形の投与物および錠剤も本発明の局面である。他の局面では、本発明は、本発明の結合剤を含む微結晶セルロースを含む顆粒処方物、顆粒、固形の投与物および錠剤を製造する方法を含む。他の局面では、本発明は、どの結合剤が高い一次緻密化および高い二次緻密化を有し、従って直打により固形の投与物を製造するのに使用できるかを決めるために、結合剤、特に少なくとも約40重量%または少なくとも約60重量%または約65重量%の微結晶セルロース含有材料を含む結合剤をテストし、評価しおよび選択する方法である。
5つの異なる圧力レベルで微結晶セルロース(AVICEL(商標)PH 105グレード)に関する一次緻密化圧に対する錠剤の引張り強さを示す。 異なる一次緻密化圧で処理されたAVICEL(商標)PH 105微結晶セルロースに関する二次緻密化圧に対する錠剤の引張り強さを示す。 錠剤処方物の顆粒化に関する連続プロセスをもたらすローラー緻密化システムの概略図である。 異なる一次緻密化圧で処理されたMCC/マンニトールの75:25の共処理された混合物に関する二次緻密化圧に対する錠剤の引張り強さのプロットである。 異なる一次緻密化圧で処理されたMCC/マンニトールの75:25の乾燥ブレンド(すなわち、非共処理の物理的混合物)に関する二次緻密化圧に対する錠剤の引張り強さのプロットである。
文中において他のことが指示されていない限り、明細書および請求の範囲において、用語である活性成分、賦形剤、滑沢剤、糖アルコール、セルロース誘導体、pH変性剤および同様な用語は、またはこれらの材料の混合物を含む。文中において他のことが指示されていない限り、すべての%は重量%であり、そしてすべての温度は℃である。圧縮/圧縮性は、加圧下緻密化する粉末の能力をいい、一方緻密化/緻密化性という用語は、圧縮の結果として特定の性質を有する顆粒または錠剤を生ずる能力をいう。微結晶セルロース含有材料およびMCC含有材料は、少なくとも40重量%の微結晶セルロースである材料をいう。このような材料は、40重量%より多い微結晶セルロース、例えば少なくとも約50重量%の微結晶セルロース、少なくとも約60重量%の微結晶セルロース、少なくとも約65重量%の微結晶セルロース、少なくとも約70重量%の微結晶セルロース、そして少なくとも約75重量%の微結晶セルロースを含む。
(乾式顆粒化)
固形の投与物は、本発明のMCC含有材料、1つ以上の活性成分および所望により1つ以上の1つ以上の製薬上許容できる賦形剤および/または滑沢剤を含む。乾式顆粒化を用いる固形の投与物の製造は、2つの緻密化工程を要する。第1のものは、顆粒化結合剤含有処方物が緻密化されて顆粒を形成するとき、ローラー緻密化またはスラッギング中行われる。第2のものは、顆粒を含む錠剤処方物を錠剤に緻密化するとき、固形の投与物の形成すなわち打錠中行われる。
打錠の技術は、微結晶セルロースが、緻密化を繰り返すと緻密化性が低下することを教示する。第1の緻密化後、微結晶セルロースの孔度は低下し、そして第1の緻密化すなわち一次緻密化前の微結晶セルロースに比べて、緻密化された微結晶セルロースの緻密化性は低下する。どんな理論または予想により束縛されることを望まないが、水素結合の数が一次緻密化中に形成され、そして第2すなわち次の緻密化に関する潜在的な水素結合部位の数を減らすことが考えられる。
しかし、微結晶セルロース含有材料が一次緻密化されるとき、得られる材料の引張り強さは、緻密化圧の増加とともに増大するが、高い緻密化圧で限定された値すなわち平坦部に達することが分かっている。これは、図1で知ることができ、5つの異なる一次緻密化力(6.3kN、13kN、24kN、33kNおよび46kN)でAVICEL(商標)PH 105微結晶セルロースの緻密化から形成されるリボンの引張り強さが示される。これらの一次緻密化力は、それぞれ約50MPa、約100MPa、約185MPa、約250MPa、および約350MPaの一次緻密化圧に相当する。平坦部は、一次緻密化圧が約200MPaであるときに到達する。より高い圧をかけても、引張り強さは顕著に増加せず、かえって僅かに低下する。
図2は、或る範囲の一次緻密化圧で製造された乾燥顆粒からの錠剤に関する引張り強さ対二次緻密化力を示す。4kN、9kN、14kN、19kNおよび27kNの二次緻密化力は、それぞれ約50MPa、約115MPa、約180MPa、約240MPaおよび約350MPaの二次緻密化圧に相当する。それぞれの曲線の一次緻密化圧は、各線の右側に枠で囲まれて示されている。「0MPa」曲線は、緻密化されていなかった材料(すなわち、直打、一次緻密化のみ)を示し、それは一次緻密化圧が0MPaであった二次緻密化に等しい。残りの曲線は、指示された一次緻密化圧のレベルで既に緻密化された材料の緻密化により得られた。これらの一次緻密化圧は、図1に示された一次緻密化力に相当する。二次緻密化性(「再緻密化性」)の連続的な落下が見られ、それは一次緻密化に使用された圧に依存する。一次緻密化圧を上げることは「過剰緻密化」を招き、それは二次緻密化の引張り強さを弱める。
打錠を伴うローラー緻密化による錠剤の形成で使用されるために、MCC含有材料は、250MPaの一次緻密化および250MPaの二次緻密化を受けて、少なくとも5.5MPa好ましくは6.0MPaの二次緻密化引張り強さを有しなければならない。すなわち、一次引張り強さで平坦部にある圧またはそれに近い圧で一次緻密化をうけたMCC含有材料について、二次緻密化引張り強さが測定される。
1つの局面では、組成物は、250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.5MPaの一次引張り強さ、そして250MPaでの一次緻密化および250MPaでの二次緻密化後少なくとも5.5MPaの二次引張り強さを有する。他の局面では、組成物は、250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.5MPaの一次引張り強さ、そして250MPaでの一次緻密化および二次緻密化後少なくとも6.0MPaの最大二次引張り強さを有する。二次緻密化後の最大二次引張り強さは、典型的な例では、約350MPaの二次緻密化により達成される。
微結晶セルロースが糖アルコールまたはカルボキシメチルセルロースにより共処理されたとき、組成物は、250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.0MPaの一次引張り強さ、そして250MPaでの一次緻密化および250MPaでの二次緻密化後少なくとも5.0MPaの二次引張り強さを有する。他の局面では、微結晶セルロースが糖アルコールまたはカルボキシメチルセルロースにより共処理されたとき、組成物は、250MPaでの一次緻密化および二次緻密化後少なくとも6.5MPaの最大二次引張り強さを有する。
いくつかの材料が、この基準を満たすことが示されている。下記のような糖アルコールおよびMCCの共処理混合物はこの基準を満たす。例えば、共処理されたMCC:マンニトール(85:15)は、10.0MPaの一次緻密化引張り強さおよび6.2MPaの二次緻密化引張り強さ最大を有する。共処理されたMCC:マンニトール(75:25)は、9.5MPaの一次緻密化引張り強さおよび5.5MPaの二次緻密化引張り強さ最大を有する。共処理されたMCC:マンニトール(95:5)は、10.0MPaの一次緻密化引張り強さおよび5.5MPaの二次緻密化引張り強さ最大を有する。共処理されたMCC/カルボキシメチルセルロース(CMC)は、10.0MPaの一次緻密化引張り強さおよび5.5MPaの二次緻密化引張り強さ最大を有する。
少なくとも5.5MPaの二次緻密化引張り強さは、典型的には約2MPaである一般に錠剤に要求される引張り強さよりいくらか大きいが、これらの値は、錠剤中の処方されたMCC含有材料に関する二次引張り強さよりむしろ、処方されていないMCC含有材料のみを含む緻密化錠剤について測定された二次引張り強さを示す。これらのMCC含有材料および他の成分により処方された錠剤の引張り強さは、いくらか低いことが予想される。
(ローラー緻密化)
ローラー緻密化(「ロール緻密化」ともよばれる)は、錠剤形成の乾燥緻密化/顆粒化プロセスであり、それは錠剤処方物が、錠剤形成に必要な流動性または十分に高い嵩密度を有しないときに使用される。ローラー顆粒機(compactor)は、加圧して錠剤処方物を緻密化しそして粉末を結合して顆粒にする。ローラー緻密化により処理された活性成分は、例えば、アセチルサルチル酸(アスピリン)、アセトアミノフェン、アモキシリン、イブプロフェン、ペニシリン、ラニチジンおよびストレプトマイシンを含む。
顆粒化は、小さい粒子を一緒にして始めの粒子をまだ認めることができる大きな凝集物にするサイズの拡大のプロセスである。一様に混合された粉末(顆粒処方物)は、逆回転するローラーの間で圧縮されて、次に摩砕されて顆粒になる緻密化材料のリボンを形成する。ローラーコンパクターの概略図を図3に示す。ローラー顆粒機は、ローラーアセンブリ、プレスフレーム、水圧システムおよび供給システムからなる。供給システムは、ローラーの直前に配置され、そしてローラーへの顆粒処方物の流速を規定する。供給システムは、緻密化ローラーの間に顆粒処方物を押し込む1つ以上の供給スクリューを含む。顆粒処方物は、それが2つの緻密化ローラーを通過するとき緻密化される。顆粒処方物の体積は、それが最大圧の域を通過するとき、減少し、シートまたはリボンとして知られている固形の緻密化された材料に形成される。顆粒機の圧は、水圧システムによりもたらされ、それは調節されて望ましい緻密化圧を生成する。水圧システムは、ローラーの1つに働く。図3に示されるように、ローラー緻密化プロセスは、緻密化、摩砕、ふるい掛けおよび余りに大きい顆粒(「オーバー」)および余りに小さい顆粒(「ファイン」)をプロセスに戻すリサイクルの連続プロセスである。
ローラーについて種々の構造が当業者に周知であり、そして例えば、A.M.Falzone、博士論文、Purdue University,1990(U.M.I.,Ann Arbor、MI,Order Number 9313940)に記載されている。ローラー顆粒機は、CHILSONATOR(商標)ロール顆粒機としてFitzpatrick Company,Elmhurst IL、米国から入手できる。装置は、The Fitzpatrick Company Europeにより出版された「Introduction to Roll Compaction and the Fitzpatrick CHILSONATOR」に記載されている。
(打錠)
打錠は、錠剤形成に関する当業者にとり周知である。錠剤は、打錠機で錠剤処方物にかけられる圧力により形成される。打錠機は、底から臼中に適合する下方の杵、および錠剤処方物が臼のくぼみを満たした後に上方から臼のくぼみに入る対応する形状および大きさを有する上方の杵を含む。錠剤は、下方および上方の杵にかけられる圧力により形成される。臼に自由に流れ込む錠剤処方物の能力は、臼の均質な充填および錠剤処方物の源例えば供給ホッパーからの原料の連続する移動を確実にするために、重要である。典型的な例では、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤を添加して、緻密化後臼からの錠剤の射出を助け、そして杵の面への固着を避ける。打錠は、製剤学の教科書、例えばAgennaro,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20版、Lippincott Williams and Wilkins,Baltimore,MD,2000に詳細に記述されている。
(微結晶セルロース)
微結晶セルロース(MCC)は、精製され部分的に解重合したセルロースであり、それは、種々のセルロース源、例えば木材、木材パルプ例えば漂白された硫酸パルプ、硫酸パルプ、木綿、フラックス、ヘンプ、靭皮繊維または葉の繊維、セルロースの再生物、大豆皮、とうもろこし皮またはナット皮の加水分解により得ることができる。それは、白色の無臭無味の比較的自由流動性の粉末であり、水、有機溶媒、希アルカリおよび希酸に不溶である。
加水分解は、いくつかの周知の方法の任意のものにより達成される。一般に、繊維状植物からのパルプの形のセルロースの源好ましくはアルファ−セルロースの源は、鉱酸好ましくは塩酸により処理される。酸は、セルロースポリマー鎖のより無秩序な域を選択的に攻撃し、それによって、より結晶性の域が残り、それらは微結晶セルロースを構成する。MCCは、次に反応混合物から分離され洗浄されて副生成物を除く。一般に40重量%から60重量%の水分を含む得られた含水の塊は、いろいろの名前でよばれ、加水分解されたセルロース、微結晶セルロース、微結晶セルロース含水ケーキまたは単にウエットケーキを含む。微結晶セルロースの製造は、米国特許2978446および3146168に開示されており、これらの記述は、本明細書に参考として引用される。
微結晶セルロースは、Edward Mendell Co.Inc.からEMCOCEL(商標)の商品名で、そしてFMC Corp.からAVICEL(商標)として市販されている。粒子サイズ、密度および水分含量で変化するいくつかのグレードの微結晶セルロースが入手でき、例えばAVICEL(商標)PH 101,PH 102,PH 103,PH 105,PH 112,PH 113,PH 200,PH 301およびPH 302がある。
(共処理された組成物)
共処理された組成物は、2つの成分、すなわち微結晶セルロースおよび少なくとも1つの糖アルコールを含む。2つの成分は、約99:1から1:99の微結晶セルロース:糖アルコールの比で存在する。MCCが糖アルコール例えばマンニトールにより共処理されるとき、2つの成分すなわちMCC:糖アルコールの重量比は、好ましくは約70:30から95:5、より好ましくは約75:25から90:10の比である。
糖アルコールは、非環式または脂環式のポリオールを含むポリヒドロキシアルコールをいう。非環式アルコールは、一般式Cn+2(OH)を有する。典型的な糖アルコールは、例えばマンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マルチトール、エリスリトールおよびスレイトールを含む。好ましい糖アルコールは、4炭素原子から6炭素原子(すなわち、nが4−6である)、特に5炭素原子から6炭素原子(nが5または6である)を含むものである。
特に好ましい糖アルコールは、マンニトール[(C(OH))][(2R,3R,4R,5R)−ヘキサン−1,2,3,4,5,6−ヘキソール][CAS No.69−65−8]である。マンニトールは、非吸湿性であり、比較的低い粘度の溶液を生成し、そして比較的高い融点(約167−170℃)を有する。これらの性質は、水性の微結晶セルロース/マンニトールスラリーを容易にスプレイドライすることを可能にし、共処理微結晶セルロース/マンニトールを生成させる。
共処理された組成物は、約20ミクロンから約1000ミクロンの平均粒子サイズを有する粒状の組成物である。平均粒子サイズは、典型的な例では、約50ミクロンから約200ミクロン、より典型的な例では約70ミクロンから約120ミクロン、そしてさらに典型的な例では80ミクロンから110ミクロン、例えば約90ミクロンである。共処理された組成物のルーズ嵩(loose bulk)密度(LBD)は、典型的な例では、0.60g/cm以下である。例えば、70:30から95:5の微結晶セルロース:マンニトールの成分比を有する共処理された組成物のルーズ嵩密度は、典型的な例では、約0.35g/cmから0.45g/cmである。pHは約3.0から約8.5、好ましくはほぼ中性である。カルボキシメチルセルロースが使用されるとき、組成物は、少なくとも80重量%のMCC、少なくとも85重量%のMCC、少なくとも90重量%のMCCまたは少なくとも95重量%のMCCを含むことができる。
共処理された微結晶セルロース:糖アルコール組成物の製法および性質は、本明細書に参考として引用する、同時出願の米国特許出願FMC Docket Number 60560-USA「Co−Processed Microcrystalline Cellulose and Sugar Alcohol as an Excipient for Tablet Formulation」に記載されている。
(共処理)
共処理された組成物を製造する方法は、微結晶セルロースおよび糖アルコール例えばマンニトールの十分に分散された水性スラリーを形成することを含む。2つの成分の相対的な量はスラリーで調節されて、完成した乾燥共処理組成物中で望まれる特定の比を生ずる。次に、水性のスラリーを、それから水を除くことにより乾燥して共処理された組成物を得る。好ましくは、スラリーは、当業者に周知であるスプレイドライ技術を用いて乾燥される。しかし、他の乾燥技術例えばフラッシュ乾燥、リング乾燥、トレイ乾燥、真空乾燥、無線周波数乾燥およびマイクロウエーブ乾燥も使用できる。
MCCは、好ましくは、従来の微結晶セルロース製造工程からのウエットケーキである。ウエットケーキは、従来のMCCが自由流動性粉末として生成する、まだ乾燥されていないMCCである。別の方法として、乾燥されたMCCは、再水和されてMCCの水性スラリーを生成する。水性スラリー中で使用されるMCCの粒子サイズは、従来のMCC製造で生ずるものである。
これら2つの成分の水性スラリーは、いくつかの方法の任意のもので製造できる。糖アルコールは、固体としてまたは水中に予め溶解して、微結晶セルローススラリー中に導入される。典型的な例として、固体の濃度は、約5重量%から25重量%の微結晶セルロース、好ましくは約10重量%から20重量%の微結晶セルロースである。添加されるべき糖アルコールの精密な量は、スラリーの微結晶セルロース含量、および共処理される組成物中で望ましい2つの成分の比に依存する。もしより希釈されたスラリーが望まれるならば、水も添加される。水性スラリーの全固体含量は、好ましくは全スラリー重量に基づいて少なくとも10重量%であり、そしてより好ましくは少なくとも20重量%である。乾燥工程中に除かれねばならない水の量が低下するので、高い固体含量が望まれる。水性スラリー中の固体含量の上限は、典型的な例では、使用される乾燥装置の操作条件により決定される。好ましいスプレイドライでは、20重量%から30重量%の固体含量が、容易に処理される水性スラリーの代表的なものである。約10℃から80℃の周囲または高いスラリー温度が使用でき、そしてより高いスラリー温度も、或るタイプの乾燥装置では望ましい。
良く分散した水性スラリーの乾燥は、好ましくはスプレイドライにより達成される。従来のスプレイドライ装置が使用できる。スプレイドライの技術の当業者に周知の操作条件が、このプロセスのスプレイドライ工程に適用できる。乾燥機の出口温度が普通通りに使用されて、共処理された組成物中に得られる残存水分レベルをコントロールする。乾燥の量およびタイプ、スラリー中のMCCおよび糖アルコールの濃度に応じて、共処理された組成物は、異なる粒子サイズ、密度、pHおよび水分含量を有する。この理由のため、共処理工程における乾燥工程が特に重要であり、そしてスプレイドライが乾燥工程を実施するのに好ましい方法であるということになる。
十分に分散した水性スラリーをスプレイドライすると、0.60g/cm以下、好適には0.20g/cmから0.60g/cmのルーズ嵩密度を有する共処理組成物を生成する。これは、原料の乾燥ブレンドまたは対応する湿潤顆粒の何れかに比べて、滑沢剤の存在下好ましい組成物を生成する。ルーズ嵩密度は、0.55g/cmより低い、0.50g/cmより低い、0.45g/cmより低い、0.40g/cmより低い、0.35g/cmより低い、0.30g/cmより低い、そして0.25g/cmより低い。乾燥操作から得られる共処理組成物は、自由流動性の粒状固体である。生成物の粒子サイズは、スプレイ乾燥機の関数であり、それは、例えばスプレイドライ中の供給速度およびアトマイザーディスク速度の調節のように当業者によりコントロールできる。
(固形投与物)
固形投与物は、本発明のMCC含有材料、1つ以上の活性成分、所望により1つ以上の製薬上許容できる賦形剤を含む。典型的な錠剤処方物は、1つ以上の活性成分、少なくとも1つの賦形剤を、従来の製薬技術に従って混合することにより製造される。直打により固形の投与物すなわち錠剤を製造するには、錠剤処方物は、必要な物理学的特性を有しなければならない。とりわけ、錠剤処方物は、自由流動性でなければならず、滑らかでなければならず、そして重要なことに、固形投与物が緻密化後互いに付着しないことを確実にするに足る十分な緻密化性を有しなければならず、そして次の操作例えばハンドリング、コーティングおよび包装を行うのに十分な強さを有しなければならない。
錠剤は、打錠機で錠剤処方物にかけられる圧力により形成される。打錠機は、底から臼中に適合する下方の杵、および錠剤処方物が臼のくぼみを満たした後に上方から臼のくぼみに入る対応する形状および大きさを有する上方の杵を含む。錠剤は、下方および上方の杵にかけられる圧力により形成される。臼に自由に流れ込む錠剤処方物の能力は、臼の均質な充填および錠剤処方物の源例えば供給ホッパーからの原料の連続する移動を確実にするために、重要である。錠剤処方物の滑らかさは、圧縮された原料が杵の表面から容易に離れなければならないために、固形投与物の製造では最も重要である。錠剤は、また次の圧縮後臼から確実に射出されねばならない。
活性成分は必ずしもこれらの性質を有しないため、錠剤の処方法は、これらの望ましい特性を錠剤処方物へ付与するために開発されてきた。典型的な例では、錠剤処方物は、1つ以上の添加物すなわち賦形剤を含み、それらは望ましい自由流動性、滑らかさおよび結合性を錠剤処方物に付与する。
乾燥顆粒処方物用の賦形剤は、良好な再緻密化性、および顆粒の錠剤への緻密化を可能にする希釈可能性を有しなければならない。賦形剤は、活性成分の化学的劣化および/または物理的劣化を加速してはならず、生物学的アベイラビリティーに干渉してはならない。賦形剤は、生理学的に不活性でなければならず、錠剤の崩壊または活性成分の溶解に決して干渉してはならない。それらは、低い滑沢剤影響度を示すべきであり、そして許容できる活性成分の均質性を確実なものにすべきである。典型的な賦形剤は、崩壊剤、流動性改善剤(glidant)、充填剤(filler)、希釈剤、着色料、香料、安定剤および滑沢剤からなる群から選ばれる。賦形剤および錠剤処方物の組成の選択は、活性成分、処方物中の活性成分の量、錠剤のタイプ、錠剤処方物および得られる錠剤の両者の望ましい特性および使用される製造方法に依存する。乾燥粒状処方物のための賦形剤は、錠剤へ顆粒を圧縮できる可能性のある良好な再緻密化性および希釈を有しなければならない。これらは、医薬が非常に短時間でそれにより溶解する急速な放出、および飲み下した経口投与錠剤の殆どを含む瞬時の放出および変性された放出を含む。
製薬上許容できる賦形剤は、当業者に周知であり、そして例えば米国特許6936277および6936628に開示されており、その記述は本明細書において参考として引用される。MCCは、錠剤の緻密化性を改善するために添加される。賦形剤例えば希釈剤、結合剤、流動性改善剤および滑沢剤は、処理助剤として添加されて打錠の操作をさらに有効にする。なお他のタイプの賦形剤は、錠剤の崩壊速度を加速または遅延させ、錠剤の味を改善し(例えば甘味剤)、または錠剤に色彩またはフレーバーを付与する。
滑沢剤は、典型的な例では、加えられて、錠剤製造中杵に処方物が固着することを防ぐ。通常使用される滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウムを含む。滑沢剤は、典型的な例では、処方物の約0.5重量%から約3.0重量%を占める。抗被着剤は、杵の面および臼の壁への錠剤処方物の固着を防ぐ。それらは、固着が問題なときに、ステアリン酸マグネシウムと組み合わせて使用される。通常使用される抗被着剤は、とうもろこし澱粉およびタルクである。希釈剤、充填剤またはバルク(bulking)剤は、錠剤を実際的なサイズにするために、打錠される原料の嵩重量を増すことを目的としてしばしば添加される。これは、活性成分の投与量が比較的少ない場合に、しばしば必要になる。典型的な充填剤は、乳糖、リン酸2カルシウム、炭酸カルシウム、粉末状セルロース、デキストレート、マンニトール、澱粉、アルファ化(pregelatinized)澱粉およびこれらの混合物を含む。糖アルコール例えばソルビトール、マンニトールおよびキシリトールも、特にチュアブル錠剤処方物において、充填剤として使用される。ソルビトールとマンニトールとの間の最も顕著な相違は、吸湿性および溶解性である。ソルビトールは、約65%の相対湿度の吸湿性であり、マンニトールは非吸湿性である。ソルビトールの水溶解度は、マンニトールより高い。
結合剤は、1つ以上の粉末状原料に凝集性を付与するために添加される。通常使用される結合剤は、澱粉、微結晶セルロースおよび糖例えばしょ糖、グルコース、デキストロースおよびラクトースを含む。安定剤は、活性成分がそれで分解する速度を遅くする。典型的な安定剤は、抗酸化剤例えばアスコルビン酸である。
崩壊剤は、錠剤が使用される環境(例えば消化器官)における許容できる溶解速度を確実に有するためにしばしば加えられる。崩壊剤は、錠剤および顆粒を活性成分および賦形剤の粒子へ破壊する。MCCおよび部分的にアルファ化した澱粉は、処方物中にしばしば使用されて圧縮および崩壊の機能の両者を行うが、超崩壊剤例えばクロスカルメロースナトリウム、ナトリウム澱粉グリコラートまたはクロスポビドンを加えることがしばしば必要となる。流動性改善剤は、錠剤処方物に使用されて流動性を改善する。それらは、湿式顆粒化された処方物よりむしろ乾燥ブレンドでしばしば使用される。粒子の形状およびサイズのために、流動性改善剤は、低濃度において流動性を改善する。それらは、乾燥した形の完成された錠剤処方物に混合される。最も普通に使用される流動性改善剤は、ステアリン酸アルカリ金属塩、コロイド状二酸化珪素(CAB−O−SIL(商標)、SYLOID(商標)、AEROSIL(商標))およびタルクである。
望ましい特徴は、着色料(すなわち染料および顔料)、天然または人工の甘味料および香料により錠剤に付与される。表面活性剤ともよばれる湿潤剤も存在できる。錠剤は、またコーティングされうる。
円形の錠剤のサイズは、典型的な例では、約50mgから500mgであり、そしてカプセルの形状の錠剤は、約200mgから1200mgである。しかし、本発明により製造される他の処方物は、他の用途または場所、例えば歯周腔、手術創および膣のような他の身体の腔に合うように好適に成形される。或る用途例えばチュアブル錠剤、制酸錠、膣用錠剤およびインプラントでは、錠剤は大きくできる。
組成物は、またNRobe(商標)プロセスに好適に使用されて、固形の投与物を製造する。NRobe(商標)プロセスのための固形の投与物は、錠剤処方物または顆粒化処方物を軽く圧縮して粉末状の圧縮物を形成し、そして粉末状圧縮物をフイルムによりコーティングすることにより製造される。コーティングされた固形の投与物を形成する方法および装置は、WO 03/096963,2005/030115,2005/030116,2005/030379および2006/032828に開示されており、それらの記述はすべて本明細書に参考として引用される。
(工業上の応用)
本発明のMCC含有材料は、1つ以上の活性成分および所望により1つ以上の他の賦形剤を含む固形の投与物例えば錠剤のための結合剤として使用される。それらは、直打により製造される処方物のための結合剤として特に有用である。製薬/獣医薬の応用で主として使用されるが、それらは、他の領域例えば農業、食品、化粧品および他の工業上の応用に使用できる。
本発明の有利な性質は、本発明を説明するがそれを制限しない以下の実施例を参照して理解できる。
(実施例)
(用語説明)
AVICEL(商標)PH 102:50ミクロンの微結晶セルロース(FMC,Philadelphia,PA、米国)。
AVICEL(商標)PH 105:20ミクロンの微結晶セルロース(FMC,Philadelphia,PA、米国)。
AVICEL(商標)PH 200:180ミクロンの微結晶セルロース(FMC,Philadelphia,PA、米国)。
AVICEL(商標)PH 302:高密度90ミクロンの微結晶セルロース(FMC,Philadelphia,PA、米国)。
AVICEL(商標)RC 591:共処理したコロイドグレードのMCC:NaCMC(ナトリウムカルボキシメチルセルロース)(89:11)(FMC,Philadelphia,PA、米国)。
CELLACTOSE(商標):75:25α−ラクトース1水和物/MCC(Meggle Farm,Waserburg、ドイツ)。
TCP:リン酸3カルシウム。
ETHOCEL(商標)A4C:メチルセルロース(Dow Chemical,Midland,MI、米国)。
EMCOMPRESS(商標):リン酸水素カルシウム2水和物(JRS Pharam LP,Patterson,NY、米国)。
GRANULAC(商標)200:ラクトース1水和物、96%の粒子が100ミクロンより小さい(Meggle Farm,Waserburg、ドイツ)。
KOLLIDON(商標)90F:ポリビニルピロリドン(BASF,Ludwigshafen am Rhein、ドイツ)。
ラクトース1水和物NF:(Foremost Farms,Sparta,WI、米国)。
ステアリン酸マグネシウム:(Mallinckrodt,St・Louis,MO、米国)。
MicroceLac 100:共処理されたMCC:ラクトース(25:75)(Meggle Farm,Waserburg、ドイツ)。
Parteck 150:直打用ソルビトール(Merck KGaA,Darmstadt、ドイツ)。
PEARLITOL(商標)100SD:顆粒状マンニトール(100ミクロン)(Roquette Freres,Lestrem、フランス)。
PEARLITOL(商標)300DC:顆粒状マンニトール(250ミクロン)(Roquette Freres,Lestrem、フランス)。
PEARLITOL(商標)400DC:顆粒状マンニトール(360ミクロン)(Roquette Freres,Lestrem、フランス)。
PEARLITOL(商標)500DC:顆粒状マンニトール(520ミクロン)(Roquette Freres,Lestrem、フランス)。
PROSOLV(商標)90:珪素化微結晶セルロース(JRS Pharma,Patterson,NY、米国)。
StarLac:85%のα−ラクトース1水和物と15%のとうもろこし澱粉からなるスプレイドライ化合物(Meggle Farm,Waserburg、ドイツ)。
Sorbolac 400:α−ラクトース1水和物(Meggle Farm,Waserburg、ドイツ)。
TABLETTOSE(商標)100:α−ラクトース1水和物(Meggle Farm,Waserburg、ドイツ)。
VITACEL(商標)L600:粉末状セルロース(JRS Pharma,Patterson,NY、米国)。
VITACEL(商標)VE−650:共処理されたMCC:炭酸カルシウム(65:35)(FMC,Philadelphia,PA、米国)。
(一般的な方法)
以下の方法は、一次引張り強さおよび二次引張り強さを測定するのに使用された。それぞれのバルクテスト材料は、5つの異なる緻密化圧レベルで緻密化されて緻密化物を生成した。緻密化は、ローラー緻密化シミュレーターとして特別な気体液体圧打錠機「FlexiTab」で行われた。緻密化物は、丸く平らな錠剤(13mm、750mg)である。各緻密化物の破壊強さを測定し、そして引張り強さを計算した。緻密化物を摩砕して狭い粒子サイズ分布(<1mm)を有する顆粒を得た。
再緻密化性を測定するために、5つの得られた顆粒のそれぞれを、5つの異なる緻密化圧で緻密化して、丸い平らな錠剤(10mm、500mg)を得た。各錠剤の破壊強さを測定しそして引張り強さを計算した。
この実施例は、共処理されたMCC/糖アルコール混合物が、同じ割合の同じ成分の物理的混合物よりも高い二次緻密化引張り強さ最大を有することを示す。
MCC/マンニトールの共処理された75:25混合物は、マンニトールをMCCウエットケーキへ加えそしてスラリーをスプレイドライすることにより製造された。MCC/マンニトールの共処理された75:25混合物およびMCC/マンニトールの75:25の非共処理物理的混合物を、それぞれ一般的な方法で記述されたように評価した。共処理された混合物の結果は、図4に示される。物理的混合物の結果は図5に示される。
MCC:マンニトールの共処理物は、9.5MPaの最大一次緻密化引張り強さを有する。最大二次緻密化引張り強さは、6.5MPaであった。対照的に、MCCおよびマンニトールの物理的混合物は、9.0MPaの最大一次緻密化引張り強さおよび5.0MPaの最大二次緻密化引張り強さを有する。
共処理されたMCC:CMCは、MCCを高いせん断条件におかない以下の方法によって、4%のAQUALON(商標)7HFグレードのナトリウムカルボキシメチルセルロース(例えば100gのMCCあたり4gのCMC)で製造された。MCCのウエットケーキを脱イオン水中に分散して15%のスラリーを製造した。スラリーを60℃に加熱し、スラリーのpHをアンモニアを使用して8に調節した。十分な塩化カルシウムをスラリーに加えて0.01モル/Lの濃度にし、次にLIGHTNIN′(商標)ミキサーを使用して5分間攪拌した。粉末状のCMCを混合物に十分に攪拌しつつ加えてCMCを分散させ、さらにバッチを処理条件下にスプレイドライして、AVICEL(商標)PH 101に等しい粒子サイズにした。
種々の材料を一般的な方法を用いて評価した。それぞれの材料に関する、250MPaの一次緻密化後の一次緻密化の引張り強さ(一次引張り強さ)および二次緻密化の最大引張り強さ(二次引張り強さ)を、実施例1および2で製造および/または評価した材料に関する値とともに、表1に示す。
Figure 2010507676
本発明について記述したが、以下に請求の範囲およびそれらの均等の範囲を示す。

Claims (17)

  1. 少なくとも60重量%の微結晶セルロース含有材料を含み、250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.5MPaの一次引張り強さを有し、250MPaでの一次緻密化および250MPaでの二次緻密化後少なくとも5.5MPaの二次引張り強さを有することを特徴とする組成物。
  2. 微結晶セルロース含有材料が、少なくとも1つの糖アルコールと共処理された微結晶セルロースであり、微結晶セルロース対少なくとも1つの糖アルコールの比が、約70:30から95:5であり、少なくとも1つの糖アルコールが少なくとも4つの炭素原子を有する請求項1の組成物。
  3. 少なくとも60重量%の微結晶セルロース含有材料を含み、微結晶セルロース含有材料が、糖アルコールおよびカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれた材料と共処理された微結晶セルロースであり、250MPaでの一次緻密化後少なくとも9.0MPaの一次引張り強さを有し、250MPaでの一次緻密化および250MPaでの二次緻密化後少なくとも5.0MPaの二次引張り強さを有することを特徴とする組成物。
  4. 微結晶セルロース含有材料が、少なくとも1つの糖アルコールと共処理された微結晶セルロースであり、微結晶セルロース対少なくとも1つの糖アルコールの比が、約70:30から95:5であり、少なくとも1つの糖アルコールが少なくとも4つの炭素原子を有する請求項3の組成物。
  5. 少なくとも1つの糖アルコールがマンニトールである請求項1−4の何れか1つの項の組成物。
  6. 微結晶セルロース含有材料が、カルボキシメチルセルロースと共処理された微結晶セルロースである請求項1または3の組成物。
  7. 少なくとも60重量%の微結晶セルロース含有材料を含み、250MPaでの一次緻密化および二次緻密化後少なくとも6.5MPaの最大二次引張り強さを有することを特徴とする組成物。
  8. 組成物が少なくとも65重量%の微結晶セルロース含有材料を含む請求項1−7の何れか1つの項の組成物。
  9. 請求項1−8の何れか1つの項の組成物および少なくとも1つの活性成分を含むことを特徴とする顆粒処方物。
  10. 0.5%から3.0%の少なくとも1つの滑沢剤をさらに含む請求項9の顆粒処方物。
  11. 請求項9または10の顆粒処方物へ圧力を加えて緻密化物を形成する工程、および緻密化物を摩砕して顆粒を形成する工程を特徴とする顆粒を形成する方法。
  12. 請求項11の方法により形成されたことを特徴とする顆粒。
  13. 請求項12の顆粒を緻密化して固形の投与物を形成する工程を特徴とする固形の投与物を形成する方法。
  14. 請求項13の方法により製造されたことを特徴とする固形の投与物。
  15. 固形の投与物が少なくとも2MPaの硬度を有する請求項14の固形の投与物。
  16. 結合剤が少なくとも約40重量%の微結晶セルロース含有材料を含む結合剤の評価方法において、
    1)結合剤を250MPaで緻密化しそして一次引張り強さを測定する工程、
    2)工程1で形成した結合剤を250MPaで緻密化しそして二次引張り強さを測定する工程、および
    3)(1)結合剤が少なくとも9.5MPaの一次引張り強さおよび少なくとも6MPaの二次引張り強さを有するか、または(2)微結晶セルロース含有材料が、糖アルコールおよびカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれる材料により共処理された微結晶セルロースであり、結合剤が少なくとも9.0MPaの最大一次引張り強さおよび少なくとも5.0MPaの二次引張り強さを有するかの何れかで、結合剤を選択する工程
    からなることを特徴とする結合剤を評価する方法。
  17. 結合剤が少なくとも約65重量%の微結晶セルロースを含む請求項16の方法。
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